第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社が属するイオングループでは“お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する”という基本理念を定めております。当社はこの基本理念をふまえ、“私たちは、「おいしさ」と「便利さ」で、笑顔あふれる社会を実現します。”というミッションを定めております。そして加盟店と本部は「お客さま第一」を実践し、共に繁栄を目指す「事業の共同体」であると考え、時代や環境の変化への対応を進めるとともに新しい時代の要請に積極的に応え、コンビニエンスストア事業の新たなビジネスモデルを創造し、企業の社会的責任を果たしてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

最優先すべき経営目標は各加盟店の収益向上であり、経営指標としては1店当たりの売上総利益高です。また、企業価値の向上のために店舗投資の効率化に努め、自己資本利益率(ROE)の向上に努めてまいります。

 

(3)中期的な経営戦略

当社は、構造改革の完遂と成長戦略の推進を中期的な経営戦略として推し進めてまいります。構造改革では、事業構造・収益構造の変革に取り組み、業績改善を進めてまいります。成長戦略では、お客さまに新たな価値を提供する新フォーマットを既存店改装ならびに新店出店を通じて拡大するとともに、新たな事業の柱として、職域事業およびベトナム事業の着実な成長を推し進めてまいります。

国内事業では、手づくりおにぎり等の表示不正の再発防止策を徹底するとともに、衛生管理体制の強化を通じて、お客さまへ常に安全・安心な商品を提供する“食の安全・安心No.1”実現へ引き続き取り組んでまいります。お客さまにミニストップならではの新たな提供価値をお届けし、ローコスト運営を実現する新フォーマットとしてNewコンボストアモデルを確立し、既存店を中心にNewコンボストアモデルへの転換を進めます。また、職域事業の成長と利益の拡大に取り組み、新たな事業の柱としてまいります。

海外事業では、ベトナム事業について、来店目的となる店内加工ファストフード商品と、成長するベトナム市場におけるお客さまのニーズにお応えするコンビニエンスストア商品を組み合わせ、利益を上げる新たな個店モデルの確立に取り組みます。また、業務効率化をはじめとした収益構造改革に取り組み、収益性の改善を進めてまいります。事業の再成長に向け、確立した個店モデルをベースに、既存店改装および新店出店を進めてまいります。

各事業の経営環境は、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の概況」に記載しております。

 

(4)会社の優先的に対処すべき課題

① 構造改革の完遂

業績改善に向け、事業構造改革と収益構造改革を推進してまいります。事業構造改革では、加盟店バックアップ体制の見直しおよび直営店比率の低減に取り組んでまいります。収益構造改革では、店舗の収益性改善に向け、個店競争力を高め、売上総利益高向上とローコスト運営の両立を図る新フォーマットとしてNewコンボストアモデル確立と既存店への成功要素の先行導入を進めてまいります。また、年間を通じて、お客さまにご支持いただくため、お客さまのニーズに対応する品揃えの拡充や新たな来店目的となる店内加工ファストフードの開発、ミニストップアプリを活用したロイヤルカスタマーの拡大を図ります。ストアアドバイザーの経営指導体制の刷新をはじめ、店舗運営の支援体制を整えるとともに、デジタル活用による本部機能の効率化、人財の採用・教育の充実を図ってまいります。

② 成長戦略の推進

国内ミニストップ事業では、構造改革へ優先的に取り組み、新フォーマットを確立したのち、既存店改装および新店出店を通じて事業規模の拡大を図ります。職域事業では、新たな事業の柱として、拠点拡大に取り組むとともに、新商品・サービス開発を通じた収益の改善を進めてまいります。また、物流および人員体制を再整備し、事業規模の拡大に取り組んでまいります。ベトナム事業では、利益を上げられる個店モデルを確立し、出店を拡大いたします。また、本部コスト削減と組織構造改革に取り組み、事業再成長を実現してまいります。

③ マテリアリティに関する取り組み

当社グループは、持続可能な社会の実現および長期的な企業価値向上に向けて対処すべきマテリアリティを特定し、事業活動を通じた取り組みを積極的に推進してまいります。“食の安全・安心No.1”実現に向けた取り組みと、おいしさにこだわった商品、便利なサービスを提供し続けることを最重要の課題と位置づけております。今後も、お客さまのニーズや社会環境の変化を捉えるとともに、重要課題の解決を事業活動の中に取り込み、持続的な成長と企業価値の向上を図ってまいります。

 

(5)環境および社会貢献活動への取り組み

当社は、「2030年までに店舗で排出するCO2を2013年度比50%削減する」、「2030年までに店舗で発生する食品ロスを2015年度比50%削減する」、「2030年までに使い捨てプラスチック利用量を2018年度比半減する」という環境目標を設定し、持続可能な社会の実現に向けて取り組みを推進しております。ミニストップ事業に与える影響を定量・定性の両面から把握、対応策の立案・取り組みを精査し内容を深めてまいります。

将来を担う子どもたちと地域社会の社会課題を解決する活動として、公益財団法人花と緑の農芸財団が提唱している「育てよう、花と緑、校庭に~花の輪運動」に賛同し、お客さまからお預かりした店頭募金と土曜日のソフトクリームの売上の1%を基に毎年小学校に花の苗を届けております。

また、小中学生の職場体験をもっとも身近な『コンビニエンスストア』を通じて学習していただく「チャイルドインターンシップ制度」ではソフトクリームの加工体験等を通じ、笑顔あふれる地域社会づくりを目指しています。

 

(6)人的資本・多様性への対応

当社は、人こそが会社の中核、会社の源泉であり、そして人こそが企業文化を作り、事業を作り、企業理念を実現する原動力と考えています。従業員一人ひとりが仕事の本質を「自身を成長させる好機」と考えるようになれば、ビジネスの変革が生み出され、最終的には企業の成長につながると考えています。人を会社の中核と捉えた企業経営を推進することが、ミニストップの人的資本経営の基本的な考え方です。

そのために、人的資本に関して「従業員が誇りを持てる会社」「いきいきと働き続けられる職場」「人が成長している会社」「生産性の高い組織」という4つの「ありたき姿」を掲げています。

このような、人を会社の中核と捉えた企業経営を推進させていくために、次の3つに取り組みます。

 

・ 従業員一人ひとりの仕事を通じて成し得たいこと(夢)を探求する。

・ 従業員一人ひとりの夢と企業理念(ミッション)を結びつける。

・ ロールモデルを共有し、なりたい自分、成し得たい夢の実現性を高める。

 

従業員一人ひとりがすべてのステークホルダーに誠意を持ちエンゲージメントの高い従業員へと成長するためには、それぞれの持つ可能性や情熱を引き出すことが重要だと捉えています。さらに一人ひとりが企業理念(ミッション)を真に深く理解し、自らの成し得たいことと企業理念が結びつくことで、従業員一人ひとりの持つ情熱や可能性が企業理念の実現に向けていきいきと躍動する、そのような組織づくりを目指しています。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

1.サステナビリティに関する考え方及び取り組みについて

当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、パーパス経営の実践に向け、イオングループ未来ビジョンおよび、ミニストップのミッション“私たちは、「おいしさ」と「便利さ」で、笑顔あふれる社会を実現します。”をもとに、事業の成長が社会課題の解決に直結するように事業活動を推進しております。

このミッションのもと、当社は、2021年11月に「ミニストップ サステナビリティ基本方針」を制定いたしました。

 

ミニストップ サステナビリティ基本方針

1.安全・安心な商品やサービスの提供を通じて、お客さまや地域社会から信頼されるお店づくりを目指します。

2.脱炭素社会の実現に向け、地球温暖化防止、生物多様性に配慮し、環境保全および循環型社会の形成に努めます。

3.お客さまに環境・社会に配慮した商品・サービスをお届けする持続可能なサプライチェーンの構築を目指します。

4.一人ひとりの人権、多様な価値観を尊重し、事業に関わる全ての人が活躍できる環境整備を進めます。

5.地域社会の発展のために、ステークホルダーとともに社会貢献活動に取り組みます。

6.国際規範および事業を展開する国や地域の法令や規則を遵守し、誠実な事業活動を行います。

7.多様化するリスクに備え、グループ全体の内部統制と管理体制を構築します。

2021年11月 制定

 

加盟店をはじめとした多くのステークホルダーの皆さまと共に、環境課題、社会課題を捉え、持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組んでまいります。

 

このたび特定したマテリアリティ(重要課題)は、ミニストップが提供する「おいしさ」と「便利さ」を通じて、社会に笑顔を広げるための視点のもととなるものです。これらの課題に対して具体的なアクションを起こすことで、ステークホルダーのみなさまとともに笑顔あふれる社会の実現を目指します。

マテリアリティの特定にあたっては、社内のみならず取引先や加盟店オーナーの意見も取り入れながら、複数回にわたる議論を重ね、当社が優先的に取り組むべき重要課題として、5つのマテリアリティを選定しています。取締役および本部長が責任者となり、具体的な取り組み内容と2030年に向けた目標を設定しています。目標を達成するための活動を通じて、ミニストップがどのような価値観を持ち、どのような会社でありたいのかを、ステークホルダーの皆さまへ向けて発信していきます。

 

マテリアリティ

● 安全・安心でおいしい商品、便利なサービスの提供

● サプライチェーン全体での環境配慮

● 一人ひとりが笑顔でやりがいを持てる職場環境

● 加盟店との真のパートナーシップ確立

● 強固な事業基盤となる組織・風土の醸成

 

(1)サステナビリティ共通

1) ガバナンス

当社グループは、「おいしさ」と「便利さ」で笑顔あふれる社会を実現するという使命を果たし、お客さま、加盟店、株主をはじめとする、すべてのステークホルダーから、常に信頼され、期待される企業であり続けるため、法令等の遵守はもちろんのこと、経営課題に対して透明、公正かつ迅速、果断な意思決定を可能とする、実効的なコーポレート・ガバナンスの実現を目指し、継続的に経営管理体制の充実に取り組むことを基本的な考え方としております。

詳細については、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」をご参照ください。

 

 

なお、2026年3月より「サステナビリティ委員会」を設置し、主にマテリアリティの目標達成に向けて取り組みを進めております。サステナビリティ委員会は代表取締役社長を委員長とし、社内外取締役および本部長で構成され、事務局は環境・コミュニケーション部が担います。

 

サステナビリティ委員会の体制


 

2) 戦略

当社グループは、ミッションの達成に向けた取り組みを通じて、さまざまな社会課題の解決と持続可能な社会の実現を目指しています。

 

① サステナビリティ経営に向けて

サステナビリティを中長期的な企業価値向上に向けた重要な経営課題と位置付け、環境・社会・ガバナンス(ESG)の観点から取り組みを推進し、サステナビリティページにて発信しています。これまでCSR情報として個別に開示していた内容を再整理し、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の区分ごとに構成しています。環境分野(E)では「環境方針と環境目標」「気候変動への取り組み」「限りある資源を守る取り組み」「生物多様性保全への取り組み」を主要テーマとし、省エネ・再エネ導入や物流の効率化、使い捨てプラスチック削減、生態系保全などの取り組みを体系的に紹介しています。社会分野(S)では「人的資本への取り組み」「人権宣言と人権デュー・デリジェンス」「地域との共生」「お客さまのために」「加盟店さまのために」「お取引先さまのために」など、従業員の育成・働き方改革、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(以下、DE&I)、健康経営、地域・社会貢献、人権尊重やサプライチェーンにおける責任ある取り引き内容を開示しました。ガバナンス分野(G)では「コーポレート・ガバナンス」「取締役会の多様性について」「内部統制システムの構築について」「情報セキュリティへの対応」をテーマとし、取締役会の監督機能やリスクマネジメント、コンプライアンス体制、情報セキュリティ確保への取り組みを明示しています。

ESGの区分ごとにサステナビリティに関する情報を再構成し、多くの内容を新設・拡充することで、ステークホルダーの皆さまに対してミニストップの取り組みをより分かりやすくお伝えできるよう努めています。今後も、情報開示の充実と対話を通じて、サステナビリティ経営を推進し、中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。

 

② パーパス経営への転換

a.ミッションに基づき社会課題を解決

パーパス経営の実践に向け、イオングループ未来ビジョンおよびミニストップのミッションをもとに、事業の成長が社会課題の解決に直結するように事業活動を推進しております。

2025年度の政策発表会では、役員からの発表後に各本部で方針発表が行われ、部署やチームで来期どんなことを成し遂げていくのかを考える機会としました。2024年度下半期より開催しているミッション座談会では、ミッション浸透に取り組む意義、イオン基本理念、未来ビジョンの共有、ミニストップの歴史の振り返りなどを行い、参加者全員でのグループワークにおいて、各自の想いや取り組みを共有しました。役員と従業員との座談会においては、加盟店とともに利益を上げていくことや人手不足への対応、従業員育成など、幅広く忌憚のない意見交換を行っています。これらの座談会によって、従業員の夢や成し得たいことと企業理念の結びつきが理念の実現に向けた行動に繋がっていくものと考えています。2025年度は、総務・法務、経営管理および商品部門から開催しましたが、2026年度はさらに広い部門を対象として開催する計画です。ミッション座談会を通じて、従業員一人ひとりを事業活動の源泉と捉え、よりサステナブルな企業経営を進めてまいります。

 

b.店舗を通じた社会貢献活動

将来を担う子どもたちと花の苗を植えて育てるという体験を通じて「生命の大切さを知る」という目的のため、公益財団法人花と緑の農芸財団が提唱している「育てよう、花と緑、校庭に~花の輪運動」に賛同し、毎年小学校に花の苗を届けております。今期で35年目となる本活動において、これまで贈呈した小学校は延べ18,134校、贈呈した花の苗は475万5千株となりました。出店地域の小学校への贈呈のほか、加盟店から推薦いただいた小学校へも苗を贈呈しており、小学校、地域と店舗を繋ぐ懸け橋となっております。また、2005年より小中学生を対象として職場体験を行う「チャイルドインターンシップ制度」を実施しており、2025年度は店舗にて68校440名の生徒の皆さんにもっとも身近なコンビニエンスストアの職場体験学習を通じて、ミニストップのミッションを学んでいただくとともに、ソフトクリームの加工体験を通じて多くの笑顔を生み出してきました。フラッグシップ店舗の神田錦町1丁目店では、地域のイベントと連動した職場体験会を実施し多くの子どもたちがソフトクリーム加工に参加されました。2025年5月に開店した千葉中央新田町店でも、開店と合わせて地域の子どもたちにミニストップをより身近に感じてもらうため、職場体験会を実施しました。加盟店を中心に近隣の福祉施設等でボランティアを行う活動では、2016年より延べ1,748施設において、イベントのお手伝いや清掃活動などを通じて地域社会に貢献しております。

グループで実施した募金活動では、「福祉」「環境」「災害復興」の3つの分野の支援活動に活用いただくために、お客さまのご協力のもと、総額10,878,234円を寄贈しました。また、本社ビル周辺の清掃を行うクリーン&グリーン活動にも積極的に参加しております。

 

c.ソフトクリームをサステナビリティ活動のシンボルに

パーパス経営の象徴としてソフトクリームのブランディングを推進し、従来の「おいしさ」の価値軸に「環境にやさしい」「からだにやさしい」「地域とのつながり」「社会貢献」の4つの軸を加え、ソフトクリームを通じたサステナビリティ経営を推進しています。2026年4月には、全粒粉とカルシウムを加えたからだにやさしいデザートコーンに改良しました。

ソフトクリームの安全性・品質の向上を目的とし、ソフトクリームマイスター制度の運用を行っており、新たなマイスターが誕生しました。今後もマイスター認定を継続し、お客さまの笑顔につながるソフトクリームのご提供と、ブランディングの確立を目指してまいります。

環境への取り組み意識向上として、2024年に算定したソフトクリームのカーボンフットプリントについては、全粒粉コーンへの切り替えに伴って再度算定を行い、0.3055kg-CO2eとなりました。お客さまに向けて、CO2排出の定量化、見える化を図ることにより、プラスチックカトラリーを使用しない行動変容を促していくとともに、引き続きGHG(温室効果ガス)排出量削減の取り組みも進めてまいります。

 

3) リスク管理

当社は、リスク管理の最高責任者を代表取締役社長とし、当社グループ経営に重要な影響を及ぼすリスクを認識、評価する仕組みを整備するとともに、リスク管理に関する規定を整備し、マネジメント体制を構築しております。毎月内部統制システム委員会を開催し、事業活動に潜むリスクを定期的に洗い出し、重要リスクの特定とその管理体制の強化を行っております。

詳細については、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」をご参照ください。

 

4) 指標と目標

・マテリアリティの目標

マテリアリティ

2030年度までの目標

安全・安心でおいしい商品、便利なサービスの提供

四季を感じられるミニストップオリジナル商品の発売

 店舗衛生調査 全店合格

・ お申し出対応完了100%

・ 添加物を意識した健康型・環境配慮型商品の発売およびリリース(四半期1件)

サプライチェーン全体での環境配慮

・ 店頭での食品ロス(単体)CVS:2025年度比50%に削減、FF:2025年度比75%に削減

一人ひとりが笑顔でやりがいを持てる職場環境

・ 女性管理職比率30%

・ 特定保健指導実施率100%

・ ストレスチェック 高ストレス者10%

加盟店との真のパートナーシップ確立

・ パートナーシップ契約に全店移行

・ 加盟店と本部が一体となった店舗スタッフ教育

強固な事業基盤となる組織・風土の醸成

・ 社内提案制度で実現する提案(年間4件)

・ 経営層がFC店舗へ訪店し、理念の共有(社内4回/四半期、社外1回/四半期)

 

 

・環境目標

第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 2.気候変動対応に関する考え方及び取り組みについて (5)気候変動対応の指標及び目標」をご参照ください。

 

・人的資本

第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 3.人的資本・多様性に関する考え方及び取組について (5)人的資本・多様性の指標及び目標数値」をご参照ください。

 

2.気候変動対応に関する考え方及び取り組みについて

当社は、「2030年までに店舗で排出するCO2を2013年度比で50%削減する」という目標を掲げ、持続可能な社会の実現に向けて取り組みを推進しております。CO2削減に向けて、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言の考え方を踏まえ、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標・目標に関する情報を開示しています。

1.5~2℃および4℃シナリオに基づいて日本国内事業に与える影響を分析しており、今後は、さらに透明性と信頼性を向上させるため、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)の基準に準拠した対応を視野に入れ情報開示の準備を進めます。また、事業範囲を、海外を含めたサプライチェーン全体まで広げることを視野に入れ、内容を深めてまいります。

 

(1)気候変動対応のガバナンス

当社は、気候変動を中長期の重要経営課題として位置づけ、取締役会で年1回以上、方針および進捗を審議します。気候変動対応事務局を設置し、執行役員人事総務本部長を責任者として、移行・物理の両面でのシナリオ分析を進めます。気候変動対応事務局は、関係部門と連携しながらリスク・機会の特定、対応策を検討し、選定された重要リスクについて取締役会へ報告します。

 

(2)気候変動対応の戦略

1)シナリオ選定の考え方

当社は、事業環境および財務への影響を把握するため、移行リスク・機会の評価では、パリ協定の目標である「世界の平均気温上昇を1.5℃に抑える努力目標」と整合するIEA「Net Zero Emissions by 2050(NZE)」等を参照し、社会的・制度的変化を前提に、事業への影響と新たな機会創出を把握します。

物理的リスクの評価では、温室効果ガス排出削減が世界的に十分に進展しなかった場合を想定した高位気温上昇シナリオ(4℃シナリオ)を参照し、急性災害の激甚化や気温上昇等による慢性的変化が店舗や物流センターへ及ぼす被災リスクや、事業継続に対する影響を把握します。これらのシナリオに基づき事業のレジリエンスを検証し、中長期的な対応策を検討します。

 

2)リスク・機会の特定

主に国内の事業店舗(加盟店・直営店)を対象に、当社事業に影響を与えうる重要なリスク・機会を特定しています。必要に応じてサプライチェーン(Scope3)も視野に含め、定量・定性の両面から影響を把握します。

 

(3)リスク管理

1)リスク特定プロセス:

各部門の視点で移行(政策/規制、技術、市場、評判)、および物理(急性/慢性)の観点で抽出します。外部シナリオや気象・政策動向を踏まえ、気候変動対応事務局が統括します。

 

 

2)評価基準:

・影響度(売上・コスト・投資・供給途絶等への影響)

・発生可能性(政策導入の確度、物理事象の予測)

・時間軸(短期:~3年/中期:~2030年/長期:~2050年 目安)

の3軸でスコアリングし、重要度に応じて優先順位を付与します。

 

3)実施頻度:気候関連リスクの特定・評価を年1回以上実施します。

 

 

(4)リスク・機会一覧

分類

リスク・機会項目

リスク

機会

影響

時期

これまでの取り組み

今後








政策/

規制

各国の炭素排出目標・政策

・GHG排出規制が強化され、1.5℃目標に整合した水準の省エネ、脱炭素対応が前提条件となり、店舗設備の更新や運営対応に係る投資、コストが増加
・行政への報告、開示要請が高度化、詳細化し、対応負荷が増加

店舗での省エネ機器更新および再生可能エネルギー導入により、エネルギー使用量やGHG排出量を削減

中期

・店舗における計画的な省エネ機器の入れ替え(LED化、環境配慮冷ケースの入れ替え)を通じ、エネルギー使用量およびGHG排出量を削減
・エリアごとに再生可能エネルギー由来の電力へ切り替え

・店舗における計画的な省エネ機器更新
・エリアごとに再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えを加速
・太陽電池導入検討

電力価格

・脱炭素政策の進展により、化石燃料由来電源を中心に電力価格が構造的に上昇、変動し、店舗、物流センターのエネルギーコストが増加
・原材料調達コスト、製造コストが増加し収益構造が悪化

再生可能エネルギー比率の向上により、中長期的なコスト変動リスクを低減できる

中期

・店舗における計画的な省エネ機器への入れ替え
・電力調達方法の変更

・店舗における計画的な省エネ機器の入れ替え(LED化、環境配慮冷ケースの入れ替え)
・電力調達方法の変更

プラスチック規制

・脱炭素素材(バイオプラ等)の原料高騰
・環境配慮素材への切り替えによる加盟店経費の圧迫
・対応遅れによるブランドイメージの低下

対応を早めることでブランドイメージが高まる

中期

・ソフトクリームのプラスチックスプーンを食べるスプーンへ切り替え
・アイスコーヒー紙カップ化、ストローレスの蓋への切り替え
・手作り弁当容器の軽量化

・ファストフード資材等を、より環境負荷の低い素材へ変更

・石油系プラスチック製カトラリーの段階的廃止
・2030年までにすべての使い捨てプラスチックを環境配慮型素材に変更

炭素税、炭素価格

1.5℃目標に整合した政策導入により、資材・物流・電力コストが上昇するとともに、炭素価格水準や地域差の不確実性が高まり、中長期のコスト見通しが立てにくくなる

温室効果ガス排出量削減が進展した場合、炭素コストの影響を抑制できる

長期

・冷凍商品のシッパー納品による配送頻度、積載率の向上を図る実験を開始
・カーボンフットプリント算定による商品由来のCO2排出量算定

・冷凍商品のシッパー納品による配送頻度、積載率の向上を図る実験と検証
・実験結果によりエリア拡大
・インターナルカーボンプライシングの情報収集および導入に向けた体制づくり
・再生可能エネルギーへの転換
・太陽電池導入検討

サプライチェーン(加盟店・商品・物流)における排出削減要請の強化

・Scope3排出量削減が求められ、加盟店・取引先への対応が不十分な場合、開示・評価面で不利になる
・本部主導の対応が弱い場合、フランチャイズモデル自体の持続性に疑義が生じる

本部主導で排出削減メニュー(設備標準、共同調達)を整備することで、加盟店負担を抑えつつ全体最適が可能

中期

・冷凍商品のシッパー納品による配送頻度、積載率の向上を図る実験を開始

・Scope3の主要内訳(店舗電力・物流・主要商品)の整理
・加盟店向け排出削減支援メニューの体系化

技術

電動車の普及

・店舗敷地内への電気充電設備の設置を求められ、対応できない場合は集客力が低下する
・営業車、配送車のEV化による投資拡大

・充電設備設置により、競合他社との差別化を図り、固定客の集客促進を図ることが可能
・社有車および配送車の電動化により、燃料経費削減

中期

・店舗敷地内にEV充電器を設置
・HPの店舗情報にEV設置について掲載
・一部エリアの配送車をEV車に切り替える実験を開始

・店舗敷地内へのEV充電器の設置拡大および設置情報発信
・自治体との連携
・ホームページの店舗情報にEV設置について掲載継続
・配送車および社有車のEV車への切り替え検討、拡大

再エネ・省エネ技術の普及

再生可能エネルギー、省エネ技術の導入が遅れた場合、規制対応や競争力の面で不利になる

技術普及により、低コストな再生可能エネルギー選択肢が拡大

中期

・太陽光発電システムの設置
・電力調達方法の変更
・店舗における計画的な省エネ機器の入れ替え

・太陽光発電システムの設置
・電力調達方法の変更
・店舗における計画的な省エネ機器の入れ替え(LED化、環境配慮冷ケースの入れ替え)

 

 

分類

リスク・機会項目

リスク

機会

影響

時期

これまでの取り組み

今後








評判

顧客の嗜好変化

・環境配慮が不十分な場合、特定世代に限らず顧客全体から支持を得られなくなる
・既存ビジネスモデルが訴求力を失い、競合激化によりシェアを失う
・グリーンウォッシュの疑いを掛けられる

・若年層が上世代より環境に関心が高いZ世代、α世代環境配慮型商品、資材を通じたブランド価値向上となる

中期

・ソフトクリーム提供時のスプーンを食べるスプーンに切り替え
・ソフトクリームのカーボンフットプリントの算定、公表
・ベトナムチョコソフトやサステナブルコーヒー等、環境に配慮した商品の販売

・環境配慮型商品・資材の更なる充実
・店頭、SNS、学習ツールへの掲載など、多様な手段で発信し認知を高める
・カーボンフットプリントの算定アイテムの拡大
・カーボンフットプリントを活用した商品改良、商品開発

投資家からの評価

気候変動への取り組みや開示情報が不十分な場合、投資家からの評価が低下

開示を基に投資家との対話を行うことによって投資家からの評価が高まる

中期

・TCFDのフレームワークに合わせた情報開示

・ISSB基準に合わせた情報開示を行うための社内体制確立
・第三者保証実施
・開示内容の充足と投資家との多様な対話のための体制構築









急性

異常気象の激甚化

・豪雨・高潮等の発生により浸水、突風、停電、土砂崩れ等が発生し、お客さま、従業員に対してや、店舗・配送センターの被害や休業が一時的ではなく反復的に発生する
・被災による修繕費・保険料の増加、営業停止による売上損失が累積的に発生する
・複数エリアで同時被災が起こり、広域で商品供給が停止するリスクが高まる

災害発生時における早期営業再開体制の構築により、地域インフラとしての役割を発揮し、信頼性向上につながる

短期

・災害規程、マニュアルの整備、統一化(事業継続基本計画書・地震対策マニュアル・自然災害マニュアル等の整備)
・事業継続基本計画書の被害想定更新
・ローリングストックの啓発

・事業継続基本計画(BCP)の被害想定を4℃前提で更新
・自然災害が発生した場合の訓練の実施
・同時多発災害を想定した本部主導の指揮
・情報連携体制の強化・分散化を含めた原材料調達先の検討と実施
・気象データを活用した需要予測・発注システムの高度化
・新規出店・改装時における立地リスク評価基準の見直し
・更なるローリングストックの啓発

慢性

降水・気象パターンの変化

・記録的な豪雪や激しいひょう、干ばつ、熱波、寒波、落雷、噴火等が頻発し、特定地域に依存した原材料・製造・物流体制が恒常的に不安定化する
・季節変動の不確実性が高まり、需要予測・発注精度が低下する

・原材料の調達先、商品仕様の分散化により、供給途絶リスクを低減
・代替商品の開発

長期

海面の上昇

・海面上昇や高潮の常態化により、沿岸部、低地立地店舗や物流拠点で慢性的な浸水リスクが発生
・立地条件によっては、継続営業が困難となる可能性

・店舗の早期営業体制の構築
・立地リスクを考慮した店舗ポートフォリオ管理の高度化

長期

平均気温の上昇

・猛暑日の増加により、店舗・配送センターの電力使用量が増加し、電力供給制約や停電時の事業停止リスクが拡大
・従業員の健康・安全確保が難しくなり、人材確保・労務管理コストが増加
・冷凍・冷蔵設備の稼働増加による設備劣化・故障リスクの増大
・原材料調達価格の高騰など、円滑な調達が困難

気温上昇に伴い需要が上がる商品(飲料・氷、コールドデザートなどのコールド商品等)の売上増加

長期

・省エネ・節電マニュアルの徹底による電力使用量の削減
・店舗における計画的な省エネ機器の入れ替え
・FFコールド商品の販売期間延長

・省エネマニュアルの徹底に加え、停電・電力制約を想定した非常用電源・設備対策の検討
・気候変動に左右されにくい商品構成・オペレーション設計
・FFコールド商品の拡充、販売期間の延長

 

 

 

(5)気候変動対応の指標及び目標

当社は、2021年8月に持続可能な社会を実現するため、社会環境に関する3つの目標を掲げ、取り組みを進めております。なお、当社の取り組みが連結グループに属する全ての企業において行われてはいないことから、当社以外の連結グループに属する企業の数値については記載を省略しております。

 


 

項目

目標年度

目標値

2025年度達成率

CO2削減

2030年

店舗で排出するCO2を2013年度比50%削減

143.8%

食品ロス削減

2030年

食品ロスを2015年度比50%削減

19.4%(注)

プラスチック削減

2030年

使い捨てプラスチック利用量を2018年度比半減

すべての使い捨てプラスチックを環境配慮型素材に変更

136.6%

 

(注) 食品ロス削減は2025年2月28日時点の達成率となります。2026年2月28日時点の達成率については、弊社ウェブサイト(https://www.ministop.co.jp/)の環境方針・環境目標をご参照ください。

なお、当該サイトは2026年7月に更新予定です。

 

CO2削減の取り組みでは、当社が算定した範囲内におけるCO2排出量の86.2%を占める店舗の電力使用量を削減することに注力しております。2030年までに店舗で排出するCO2を2013年比50%削減するという目標のもと、一部地域の使用電力源を再生可能エネルギーに切り替えるとともに、店内外の照明のLED化、節電機器の設置等を実施いたしました。これらの取り組みにより、目標を前倒しで達成いたしました。今後は「2040年ネットゼロ(CO2排出量が実質ゼロ)」を目指し、電力調達方法の変更や省エネ機器類の計画的入れ替えを進めることで更なる削減に取り組んでまいります。

2030年までに2015年比50%削減するという目標のもと食品ロス削減に取り組んでいます。店舗においては「発生抑制(リデュース)」に舵を切り、値下げ販売を9割の店舗で進めております。加盟店との協働で一層の食品ロス削減を実現していくとともに、お客さまにもその取り組みに共感いただき、値下げ商品を積極的にご購入いただけるよう「食品ロス削減にご協力ありがとうございます」をデザインしたシールを値下げ対象商品に貼付し「おトクに買って、地球環境にもやさしい!」を打ち出しました。シールを活用した値下げ販売に加え、店舗では日々の発注精度の向上に努め、食品ロスの発生を抑制し、販売期限切れによる食品廃棄の削減に取り組んでいます。あわせて、「てまえどり」は年間を通した告知を行い、お客さまとともに食品ロス削減に取り組みました。また、使用期限の近い食材や余剰食材のロスを削減するために、アップサイクルに取り組んでおり、通常であれば廃棄される部分や余った食材を新しい価値のある食品に変えて、弁当や惣菜にも活用し販売しています。

 

プラスチック使用量削減の取り組みでは、ミニストップ本社と一部の直営店舗にて、ペットボトル減容回収機「ボトルスカッシュ」を設置しています。限りある資源の有効活用と海洋プラスチックごみ対策として、回収したペットボトルは再製品化し、ボトルtoボトルのリサイクルループの輪を構築します。2030年までに使い捨てプラスチック利用量を2018年度比で半減とする削減目標を前倒しで達成しており、売上伸長といった使用量増加要因に対しても引き続き現在の目標達成水準を保つべく、さらなる削減を進めてまいります。また、一部のファストフードのフランクフルトとアメリカンドッグにおいて、プラスチックの容器から紙への切り替えを順次進めています。今後も、ファストフード商品を中心に、使用素材の紙への変更および容器の軽量化を進め、脱プラスチック化の拡大を図るとともにすべての使い捨てプラスチックを環境配慮型素材へ変更することを推し進めてまいります。

 

3.人的資本・多様性に関する考え方及び取組について

(1)基本方針

人的資本に関する基本方針

ミニストップは、従業員とともに事業が成長することで、お客さまをはじめとしたすべてのステークホルダーにとってかけがえのない存在となり、「おいしさ」と「便利さ」で笑顔あふれる社会を実現します。

1) 人的資本経営の考え方

ミニストップは、人こそが会社の中核、会社の源泉であり、人こそが企業文化をつくり、事業をつくり、企業理念を実現する原動力であると考えています。従業員一人ひとりが仕事の本質を「自身を成長させる好機」と考えるようになれば、ビジネスの変革が生み出され、最終的には企業の成長につながると考えています。人を会社の中核と捉えたこのような企業経営を推進することが、ミニストップの人的資本経営の基本的な考え方です。

 

人的資本に関して次の4つの「ありたき姿」を掲げています。

 

・ 従業員が誇りを持てる会社

・ いきいきと働き続けられる職場

・ 人が成長している会社

・ 生産性の高い組織

 

人を会社の中核と捉えた企業経営を推進させていくために、次の3つに取り組みます。

 

・ 従業員一人ひとりの仕事を通じて成し得たいこと(夢)を探求する。

・ 従業員一人ひとりの夢と企業理念(ミッション)を結びつける。

・ ロールモデルを共有し、なりたい自分、成し得たい夢の実現性を高める。

 

従業員一人ひとりがすべてのステークホルダーに誠意を持ちエンゲージメントの高い従業員へと成長するためには、それぞれの従業員が持つ可能性や情熱を引き出すことが重要だと捉えています。さらに一人ひとりが企業理念を真に深く理解し、自らの成し得たいことと企業理念が結びつくことで、従業員一人ひとりの持つ可能性や情熱が企業理念の実現に向けていきいきと躍動する、そのような組織づくりを目指しており、実現できる人財を育成し、人的資本を強化・拡充します。

 

(2)推進体制(ガバナンス)

人的資本に関する重要施策は、経営会議にて監督し、必要に応じて改善を行います。

 

・ 健康経営は、執行役員人事総務本部長を健康経営責任者とし、産業医・健康保険組合・イオン健康推進室との連携のもと推進しております。

・ 労働安全衛生は、代表取締役社長のもと、各事業所に安全衛生委員会を設置し、職場点検や改善活動を継続的に実施しております。

・ 人権尊重は、2024年に設置した「人権デュー・デリジェンス委員会」が中心となり、人権課題の特定と改善を実施しております。

 

 

(3)人財育成

人財育成方針

ミニストップが属するイオングループの人事の基本理念である「従業員の『志』を聴き、従業員の『心』を知り、従業員を活かす」という考え方のもと、活躍し、成長し続けられる企業環境づくりに取り組んでいます。従業員一人ひとりを最も重要な経営資源として考え、「教育は最大の福祉」という言葉に込められた「教育による成長が従業員の人生を豊かにする」という想いのもと、従業員の成長をサポートします。そのために「キャリア自律啓発」「スキル獲得・職場実践」のもと教育体系を強化します。

2025年度は、個々が考え活躍し組織として成果を出す『自走する組織』を牽引する人財育成を軸に、階層別教育・職務別教育を踏まえ、新たな教育を追加しました。新任ストアアドバイザーに向けて、加盟店指導を適切に行う為の具体的スキル、利益構造の理解、問題解決の考え方を身につけることを目的に集合教育を実施し、店舗指導の実務スキル向上に努め、人的資本の蓄積に繋がっています。

 

1) 従業員の採用方針

ミニストップのミッションである“私たちは、「おいしさ」と「便利さ」で、笑顔あふれる社会を実現します。”について、ミニストップへの入社を検討する方々に対し丁寧に説明し、このミッションに共感を持っていただけるよう努めています。2030年に向けた中期経営計画を達成するために、将来の姿からバックキャストを行い、人財を育成します。また当社にはない知見や経験を持ったスペシャリストの外部採用を計画的に実施します。

 

2) 登用制度とキャリア形成

激しい競争環境に対応するため、社員の能力や適性と、役割・職位とのギャップを解消し、専門性と広い視野を兼ね備えた経営幹部社員やマネジメント職の社員を早期に育成するために、毎年登用試験の受験機会を設けています。

キャリア形成を支援するため、自己申告制度や社内・グループ公募制度を設け、社員が希望する職種や部署に挑戦できる環境を整えています。高度人財向けのプロフェッショナル資格の新設により、専門性の高い人財の育成と獲得を進めています。また、店舗従業員を店長(契約制社員)へ積極的に登用し、当社で働く一人ひとりが意欲と能力に応じて活躍できる体制をつくっています。

 

3) 教育・研修制度

人財を最も重要な経営資源と捉えるとともに、教育を最大の福祉と考え、従業員のスキル向上とキャリア形成を支援し、一人ひとりの夢を実現するために、社内外の研修、階層別・職種別研修やイオングループ研修など、幅広い教育プログラムを実施しています。

入社~2年目社員には、段階的に必要な知識と経験を身につけられる「ステップアップ・プログラム」を導入し、将来のストアアドバイザー(SA)※1育成を進めています。また、公正な契約提案ができる人財を育成する「FC契約士認定プログラム」や、職務要件に応じてスキルを補強する実務訓練教育も実施し、社員の成長を幅広く支援します。通信教育や資格取得を会社が支援するセルフスタディ制度や、デジタル化に対応したリスキリングの機会も提供しています。

さらに、メンター制度やOJT、役員との座談会を通じて成長を支援し、店舗では段階的にスキルを習得できる「イエローテイルプログラム」※2により、パート・アルバイトも戦力として活躍できる環境を整えています。

 

※1 ストアアドバイザー:加盟店の運営サポートや売上向上支援・本部との橋渡し役としてエリア内店舗を管理・指導します。

※2 イエローテイルプログラム:すべてのスタッフが仕事への高いモチベーションを持ち、着実にスキルアップするためのミニストップ独自の教育プログラム。「Yellowtail」とは魚のブリのことで、出世魚であるブリのように、ステップアップに必要なスキルを段階的に習得、評価認証するプログラムです。

 

4) 業績評価

期初に上司と従業員が目標を設定し、期中の振り返りと期末評価を行う目標管理制度を導入し、個人目標と会社方針のつながりを明確にしています。また、店舗やプロジェクトなどチーム単位の成果も評価に反映し、協働とチームワークを重視しています。さらに、定期的な1on1ミーティングを通じて進捗確認やキャリアの対話を行い、課題の早期発見とエンゲージメント向上につなげています。

 

(4)社内環境整備

社内環境整備方針

ミニストップは働く一人ひとりに対して、その個性と能力を十分に発揮できるよう性別や雇用形態にかかわらず、多様な人財が活躍し全員が働きやすい職場環境づくりに取り組んでいます。多様な属性の従業員や多様な価値観を持った人財が異なる意見を交わすことによって、今後は新しい価値を創造する経営を実現することが重要であると考えています。少子高齢化が進み、個人を尊重する働き方が増えるなか、当社が存続・発展するためには、多様な人財が活躍できる組織であることが必要です。また、多様な人財が活躍する組織は従来のような画一的な組織と比べ、人財が定着するだけでなく新たなイノベーションが起きやすいといわれており、当社の中期経営計画を実現するための競争力の強い組織になると考えています。

 

1) DE&Iの考え方

ミニストップは、人種、民族、国籍、性別、性自認・性的指向、年齢、障がい、宗教・信条、婚姻状況、雇用形態などさまざまな違いを持つ従業員一人ひとりをかけがえのない個人として尊重します。こうした多様性(ダイバーシティ)は、変化が激しい事業環境のなかで新しい発想やより良い意思決定を生み出す源泉であると考えています。同時に、単に多様な人財が集まっているだけではなく、一人ひとりの違いが尊重され、安心して自分の意見や経験を発揮できる状態(インクルージョン)を実現することが重要だと捉えています。性別や年齢、経験の異なる多様なメンバーの意見を取り入れることで、グループシンクを防ぎ、意思決定の質を高めていきます。従業員が自分なりの観点や経験を生かして貢献し、大切にされることで、エンゲージメントが高まり、結果として企業の成長につながると考えています。ミニストップは、このようなDE&Iの実現を目指し、さまざまな制度や風土づくりに取り組んでいます。

 

2) 女性の活躍

女性が各段階で活躍できる環境づくりを重要なテーマと捉え、将来の管理職計画に女性管理職の配置を組み込んだうえで、バックキャストにより候補者を計画的に育成しています。採用では男女差を設けず月次の進捗で男女比を管理し、女性人財のすそ野拡大に取り組みます。営業部門の女性マネージャーには個別の育成計画(CDP)を策定して教育・配置を進めています。さらに、女性管理職候補はイオンの育成プログラムを通じてキャリア形成を支援されます。女性比率の向上が賃金格差是正にもつながるとして、中長期的に登用・育成を強化していきます。

 

3) LGBTQ+の考え方

イオングループの一員としてイオンの企業理念「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」のもと、一人ひとりが自分らしく活躍できるインクルーシブな職場づくりを目指し、LGBTQ+を含むDE&Iの推進に取り組んでいます。イオンの人権基本方針では、性的指向や性自認などによる差別を行わないと明確に定めています。

基礎知識や最新情報を学ぶ研修を実施し、従業員が安心して働ける環境を整えるとともに、LGBTQ+フレンドリーな企業を目指しています。

 

4) 外国籍従業員雇用の考え方

すべての従業員が平等な機会を享受できるよう多様な国籍の人財を採用、育成しています。日本人従業員と同じ研修プログラムを提供し、業務に必要なスキルや知識を均等に習得できるよう、外国籍従業員の能力に応じた昇進や異動の機会を公平に設けています。店舗においては、共通で使用するマニュアルの理解促進のため、ふりがなや多言語の活用により、母国言語にかかわらず不自由なく業務を遂行できるよう配慮しています。

 

5) 障がい者雇用の考え方

障がい者雇用では、ホームページ上の募集掲載をはじめ人財センター、ハローワーク、採用実績のある養護学校へ人財募集を働きかけて積極的な採用活動を行っています。2017年には「障がい者を積極的に多数雇用している事業所」に対してその努力と功績をたたえる「都道府県表彰 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長努力賞」を受賞しました。入社後は障がいのある方と人事部との丁寧な面談を実施することで、長く働き続けられる環境を目指しています。

 

 

健康経営の方針

「ミニストップは健康経営の推進により、従業員と家族の健康をサポートし、笑顔あふれる社会を実現します」という健康宣言のもと、従業員一人ひとりの個性を大切にするとともに、従業員がやりがいと意欲を持てる働きやすい職場づくりに努めます。

 

1) 認定

2026年3月、経済産業省と日本健康会議が開始した優良な健康経営を実施している法人を認定する制度である「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に5年連続で認定されました。

 

2) 重点施策

従業員の心身の健康維持・増進を重要施策と位置づけ、運動促進、再検査受診促進、特定保健指導の実施率向上、メンタルヘルス対策に取り組んでいます。年1回のストレスチェックに基づく職場環境改善、産業医面談や復職支援の強化、女性特有の健康課題への支援を実施しています。さらに、ウォーキングイベントによる運動習慣形成、オンライン健康医療相談の活用、インフルエンザ予防接種補助、職場の換気改善など、総合的な健康経営を推進しています。

 

指標

目標(2030年度

現状数値

25年度

特定保健指導

特定保健指導実施率100

49.2

メンタルヘルス

ストレスチェック 高ストレス者10

21.1

 

 

労働安全衛生の考え方

ミニストップは、従業員一人ひとりの「安全」と「健康」を重視し、安全で快適に働ける職場環境づくりに取り組んでいます。コンビニエンスストア事業においては、店舗における清掃・商品補充・調理加工および巡回指導業務中の車両の運転など、日々の業務の中にさまざまなリスクが存在します。これらのリスクを適切に把握・管理し、労働災害の未然防止に努めるとともに、従業員の心身の健康保持・増進を重要な経営課題として位置付けています。

 

1) 主な施策

安全衛生委員会の運営方針に基づき、職場の危険要因の点検と改善、従業員の健康・メンタルヘルス向上を推進しています。労働災害発生時には、定められた手順により迅速な報告、原因調査、再発防止策の策定と全社共有を行います。社内教育として、従業員3万人を対象とした衛生教育、役職者向けの安全衛生研修、入社時教育、職種別トレーニングを実施しています。また、季節性リスク(熱中症・感染症等)の啓発、安全運転の注意喚起などを継続的に行い、安全文化の定着を図っています。

 

・ 従業員3万人の衛生教育

加盟店オーナー、従業員および本部社員全員に、衛生管理に基づく法令、リスク、基本オペレーションを学ぶ「従業員3万人衛生教育」を実施しています。食品衛生法、HACCP、食品表示法、製造物責任法(PL法)を理解し、工程管理、衛生管理、個人衛生の重要性を教育しています。

 

人権尊重への考え方

ミニストップは、自社とそのサプライチェーン上で働く人々、およびお客さまをはじめとする当社事業の影響を受ける国・地域の人々の人権を尊重することを、きわめて重要な社会的責任として捉えています。「イオンの基本理念」「イオンの人権基本方針」のもと、ミニストップの事業活動による人権への影響に関して人権デュー・デリジェンスのプロセスを構築し、人権が尊重される社会の実現を目指します。

 

1) ミニストップが取り組む課題

a 外国籍労働者の権利

加盟店および直営店における外国籍従業員の在留資格を超える労働などのリスク

b 児童労働

加盟店および直営店における年少者の夜間労働従事のリスク

c 労働時間(過剰・不当な労働時間)

36協定違反、非時間管理者の法定外労働時間の増加による健康被害のリスク

 

d ハラスメント

生産性の低下、従業員の長期療養、退職、訴訟、レピュテーション低下のリスク

e 法令および社会規範の遵守

ミニストップベトナムにおける法令遵守、従業員不正のリスク(横領・刑事事件・セクハラ・パワハラ)

f 労働時間(過剰・不当な労働時間)

ミニストップベトナムにおける勤務状況に関するリスク(長時間労働)

g ハラスメント

製造委託工場における人権課題リスク

 

2) 主な取り組み

① イオンコンプライアンスホットライン

従業員のための社外通報窓口として「イオンコンプライアンスホットライン」を設置し、法令違反だけでなく、職場で上司に相談しづらい悩みや困りごとなど幅広い問題を受け付けています。役員に関連する案件については弁護士事務所の専用窓口を設け、通報情報は秘密を厳守したうえで調査し、再発防止策を実施しています。

 

② イオンコンプライアンス研修の開催

役員を対象としたコンプライアンス研修を継続的に実施し、法令遵守の徹底、経営リスクの低減およびガバナンス体制の強化を図っております。これにより、健全な経営の確保と企業の持続的成長を支える基盤の構築に取り組んでおります。

 

③ カスタマーハラスメントへの対応

2025年2月にカスタマーハラスメントに対応する掲示を店内にて実施し、お客さまに安心してご利用いただけるお買い物環境の提供と、一人ひとりの人権、多様性を尊重し、事業に関わるすべての人が活躍できる環境整備を進めています。

 

④ お取引先さまとの取り組み

サプライチェーン全体にわたって事業活動に伴う人権侵害が起こらないよう、お取引先さまにも「イオンサプライヤー取引行動規範(イオンサプライヤーCoC)」の遵守をお願いしています。

 

(5)人的資本・多様性の指標及び目標数値

当社の取り組みが連結グループに属する全ての企業において行われてはいないことから、当社以外の連結グループに属する企業の数値については記載を省略しております。

 

1) 重要事項

項 目

2024年度

2025年度

目標(2026年度)

女性管理職比率

12.1

11.2

30.0

男女賃金格差比率)※1

82.4

80.7

80.0

男性育児休暇取得率

60.0

70.0

100

ミッション座談会社員参加率

58.7

94.4

100

1人当たり教育費

82,861

63,466

70,915

障がい者雇用率

2.53

2.34

2.7

基本理念への共感度 ※2

3.32

3.36

4.0

エンゲージメントスコア(レーティング)
※3

49.9

(B)

53.8

(BB)

55.0

(BBB)

 

※1 男女賃金格差比率は、「女性の平均賃金÷男性の平均賃金×100」により算出しています。

※2 基本理念への共感度:5段階で評価

※3 エンゲージメントスコア:他社平均50.0に対する偏差値

 

 

2) その他の取組事項

項 目

2025年度

長時間勤務撲滅の誓約書の提出

誓約書を提出済み

障がい者の積極的な雇用

2採用

デジタルスペシャリストの外部採用

4採用

ダイバーシティ関連情報の定期的配信

動画視聴研修の実施

課長職以上のイクボス検定合格率100%

100(初級合格率)

男性社員の配偶者出産休暇取得率100%

40.0

障がい者・LGBTQ+に関する社内研修

動画視聴研修の実施

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主な事項について記載しています。なお、これらについては、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。

(1) リスクガバナンス

当社グループは、営業、商品、事業部を始めとした事業部門を第1線、財務・経理や人事、総務・法務、品質管理、また、デジタル推進といった管理部門を第2線、経営監査室を第3線とするスリーラインディフェンスで内部統制システムを構築しています。

 


 

第1線の事業部門では、リスクオーナーとしての自覚を明確に持ち、さまざまな業務にあたります。その活動を支援し、また、専門的視点で監視するのが第2線の管理部門です。内部統制基本規程に基づき、そうした第2線の管理部門の責任者と、第3線として全社横断の業務監査を担う経営監査室の責任者で構成する「内部統制システム委員会」、ならびにその下部組織である「コンプライアンス委員会」および「定時危機管理委員会」を設置しています。また、「コンプライアンス委員会」の下に「個人情報安全管理部会」および「公正取引推進部会」を設置し、これらが連携して、リスクマネジメント、コンプライアンス体制を含む内部統制システムの整備、運用を推進します。内部統制システム委員会の委員長は代表取締役社長が務め、内部統制システム全般を担当する責任者として内部統制担当役員を設置します。また、内部統制担当役員は、コンプライアンス担当およびリスク管理担当を兼務します。監査役は、それらから独立した立場から、内部統制システムの整備、運用の状況を含め、取締役の職務執行を監査します。

 


 

リスク管理については、リスク管理担当として内部統制担当役員が統括し、当社グループ全体のリスク管理における問題点の把握と体制の整備に努め、その進捗状況を、取締役会および内部統制システム委員会に報告します。また、内部統制担当役員は、想定されるリスクに応じた有事の際の迅速かつ適切な情報伝達と緊急体制を整備するとともに、リスク管理上の問題点が発見された場合の報告を速やかに行う体制(レポーティング・ライン)を構築しています。

さらに、定時危機管理委員会を通じて、当社グループ全体のリスク管理に必要な体制の整備を行うとともに、人身被害、システム障害、物的被害、経済的被害、風評被害、営業休止、ブランド毀損等、または、その可能性があるクライシス、および自然災害など、グループ経営に大きな影響を及ぼすと判断されるクライシスの発生時には、代表取締役社長(不在の場合は代行順位に基づく代行者)を委員長とする緊急危機管理委員会が招集されます。緊急危機管理委員会において、クライシスについて全社的対応の実施を判断した場合は、即時、代表取締役社長を本部長、リスク管理担当役員を副本部長、総務部門を事務局とするクライシス対策本部を設置し、全社的に対応しています。

 

(2) リスクアセスメントプロセス

当社では、年に1回以上、127項目に及ぶ事業プロセスに対し、リスクオーナーである第1線、また、その業務を管理する第2線により、発生のしやすさ(発生頻度指標)と、その影響範囲(損失規模指標)によるリスクアセスメントを行っています。

内部統制システム委員会では、そのリスクアセスメントの結果として、経営会議、取締役会でも議論した上で選定された重要リスク項目について、取り組みの進捗を確認しています。

 

(3) 事業等のリスク

① 重点リスク項目

a 人財不足・人財流出/生産性向上対応の遅れ/加盟店と加盟店従業員との間の労務問題のリスク

発生頻度

損失規模

リスクシナリオ

長時間労働の発生などにより、当人の心身疾患や過労死の問題はもちろん、労働基準監督署の指導、公表により、企業イメージを大きく損なう可能性があります。採用競争力が低下する一方で、離職が進み、事業ポートフォリオに合わせた人財戦略・人財配置の遅れるリスクがあります。それにより、従業員教育が進まず、法令違反や事故のリスクが高まる負のスパイラルに陥る可能性があります。

フランチャイズビジネスを営む当社にとって、加盟者の法令違反は、フランチャイズチェーン全体、ひいてはイオングループにおける法令違反と同義といえます。上述のリスクは、加盟店の中にも発生する恐れがあります。

対策

当社グループで働く一人ひとりに対して、その個性と能力を十分に発揮できるよう、性別や雇用形態に関わらず、多様な人財が活躍し全員が働きやすい職場環境づくりに取り組んでおります。また、ミニストップをご利用いただくすべてのお客さまが安心してご利用いただける環境づくりに向け、当社グループに関わるすべての人々が安全・安心に働くことができる環境づくりのため、また、イオンの人権基本方針に則り、すべての人々の人権が尊重される社会の実現を目指して、人権デュー・デリジェンス委員会を組成しております。カスタマーハラスメントに対する当社グループの方針を含め、お客さまに安心してご利用いただけるお買い物環境の提供と、一人ひとりの人権、多様性を尊重し、事業に関わる全ての人が活躍できる環境整備を進めております。

 

 

b 商品不具合(食中毒・異物混入等)/表示違反(アレルゲン事故等)や景品表示法違反のリスク

発生頻度

損失規模

リスクシナリオ

ファストフードをはじめとした店内加工商品の製造過程や、原材料・食品添加物・消費期限・賞味期限といった表示に問題があった場合、お客さまの健康を害すことはもとより、食の安全・安心に対する信頼を損ね、行政指導や措置命令といった処分による社名の公表などによりブランドの失墜を招く恐れがあります。

同様に、アレルゲン等の食品表示や、商品やサービスの説明、価格等の表示による優良誤認や有利誤認も、お客さまの安全・安心を脅かすことに繋がります。

対策

商品・サービスの安全・安心はあらゆることに優先するという行動原理は、イオンの理念やミニストップのミッションからも導かれます。

事業パートナーである加盟店も含め、こうした理念の浸透に向けて取り組むと同時に、加盟店従業員にいたるまで食品衛生に関する教育を行い、一方で、第三者機関による衛生調査をはじめ、製造工場に対しての不定期監査など、ガバナンスの強化に取り組んでおります。

 

 

c お客さまへの情報開示の遅れのリスク

発生頻度

損失規模

リスクシナリオ

適切なメディアコミュニケーションがなされなかったことによって、社会からの理解が進まず、ブランドを毀損する恐れがあります。お客さまからの信頼を喪失し、その回復に時間を要するばかりではなく、SNSなどで憶測や誤情報が拡散される可能性があります。

対策

常にお客さまを第一に考え、誠実に行動できる人財の育成に向けて、イオンの理念やミニストップのミッションの浸透に取り組んでおります。そのことが、必要な社内での報告、十分なお客さまへの説明につながると考えております。

 

 

 

d サイバー攻撃/脆弱性対応の遅れのリスク

発生頻度

損失規模

リスクシナリオ

マルウェアによるウィルスへの感染、外部からのハッキング等による攻撃で、基幹システム、ネットワークに障害が発生したり、ランサムウェアによって、重要なシステムが停止したり、通常の業務が行えない程の大きな影響を受ける可能性があります。

こうした攻撃によってデータが漏えいする恐れもありますが、教育不足や運用のミスによって個人情報が漏えいする恐れもあります。ステークホルダーからの信頼を失い、企業イメージを大きく損ねる恐れがあります。

対策

イオングループ情報セキュリティ管理規程に則り、当社のデジタル推進の責任者を委員長とする情報セキュリティのガバナンス体制を構築し、ハードウェアに対して高いセキュリティ基準を運用するとともに、リスクアセスメントや内部監査等によるマネジメントシステムの運用を行っております。

また、当社では、個人情報マネジメントシステムを運用し、プライバシーマークの認証を取得しております。その中においても、情報セキュリティ向上に資する教育を実施しております。

 

 

e 自社のガバナンス不全によるリスク

発生頻度

損失規模

リスクシナリオ

実効性、透明性ある取締役会、規程の整備、コンプライアンス教育、リスク管理、独立で適正な監査機能、それらの適切な開示といったガバナンスが十分に機能しないために、重大な事案につながり、企業ブランドの毀損や損害に繋がる可能性があります。

対策

社外取締役を含めた取締役会の構成、また、コンプライアンスの向上に向け、加盟店を含めた企業理念の浸透に取り組んでおります。

ITの活用も含めた店舗現場のオペレーションに対する監査機能強化を進めており、発生した事件・事故については、再発防止に向け、多面的な分析を行っております。

 

 

f 加盟店に対する経営指導体制構築の遅れのリスク

発生頻度

損失規模

リスクシナリオ

フランチャイズ契約からパートナーシップ契約へのビジネスモデル変革への対応を含め、本部による加盟店指導体制の継続的な改善が進まないことにより、加盟店と本部とのパートナーシップ構築が不十分となり、出店地域での存在感の低下、売上の低下を招く恐れがあります。

対策

加盟店と本部が一体となって創出した事業利益を分け合うミニストップ・パートナーシップ契約の拡大を進める中、効果的な店舗経営指導体制の確立と、人財育成をはじめとしたマネジメントシステム改革を全社一丸となって推進しております。

 

 

g 新規事業・設備投資の失敗/格付けの下落/債務超過・資金ショートのリスク

発生頻度

損失規模

リスクシナリオ

人件費高騰、節約志向の強まり、ドラッグストアやディスカウント業態との競争の中、商品・サービスの革新や店舗運営レベルの向上が遅れれば、当初の計画から連結業績が下振れするリスクがあります。成果を生まない投資によって業績の回復がなければ、市場から厳しい評価を受け、信用機関等の格付けが下落し、金利の上昇や資金繰りが悪化する可能性があります。

対策

当社では、激化する競争環境に対抗するため、創業以来のコンボストアモデルの構成要素である「ファストフード」と「コンビニエント」、それぞれの価値を磨き上げ個店競争力を向上させるNewコンボストアモデル確立を推進しております。コンボストアの構成要素のひとつである「ファストフード」では、創業から培ったノウハウを結集しさらなる進化に取り組み、お客さまのニーズにお応えし「今求められる便利さ」を追求する「コンビニエント」では、MDプロセスの磨き直しによる商品力の向上、節約志向の高まりに対応する価格訴求を充実させるとともに、イオングループ商品の活用拡大および当社オリジナル商品のラインナップ拡充に取り組んでおります。生鮮食品や“暮らしの品”の品揃えを拡大しワンストップ、ショートタイムショッピングの実現を推進しております。

 

 

 

② 子会社の重点リスク

a 子会社等のガバナンス不備(現金不正・開発不正等)

リスクシナリオ

ガバナンス体制の構築が不十分な場合、重大な事件・事故が発生し、当社グループの損害、ブランド毀損に繋がる恐れがあります。

 

 

b 海外の出店計画の遅れ、新MDプロセス政策の失敗

リスクシナリオ

ベトナム事業において、出店計画が未達成となったり、計画通りにビジネスモデルの構築が進まないことによって、既存ビジネスモデルが訴求力を失い、競合との競争激化等により、当社グループのシェアが確保できない可能性があります。

 

 

c 物流の障害

リスクシナリオ

配送担当や配送委託先の人手不足やインフラの不足、自然災害、配送中の事故等が生じることにより、商品の配送サービスに支障が出る恐れがあります。働き方改革関連法により自動車運転の業務の時間外労働に上限規制がされたこと等により、売上・利益が減少する可能性があります。

 

 

d 店舗の発注数減に伴う配送代行手数料(通過料)の減少

リスクシナリオ

店舗数の減少、あるいは店舗からの日々の発注数が減ることにより、物流収益が悪化し、物流委託先が離脱するなど、店舗への配送サービスに支障が出る可能性があります。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の概況

□日本国内における事業環境

当連結会計年度において、日本国内では雇用・所得環境の改善が続いた一方、飲食料品等の価格上昇や米価高騰を背景に、実質賃金は前年を下回る水準で推移し、生活者の節約志向が強まりました。また、盛夏の記録的猛暑や9月以降の物価上昇を受けた生活防衛意識の高まりから、食料品を中心に個人消費は力強さを欠く状況が続きました。1月には実質賃金がプラスに転じ、消費者マインドが持ち直しているものの、日常的な支出では節約志向が根強く、高付加価値商品への支出との二極化や購入チャネルの多様化が進みました。加えて、通商政策や地政学リスクなど国際環境の不確実性が高まり、景気の先行きは不透明な状況が続いています。

 

□2025年度政策進捗

このような環境のなか、当社グループは“私たちは、「おいしさ」と「便利さ」で、笑顔あふれる社会を実現します。”をミッションとし、「構造改革の断行と戦略的成長の推進」の方針のもと、2023-2025中期経営計画の最終年度である2025年度政策を推進しました。

構造改革では、人財対策をベースにMD(マーチャンダイジング)プロセスと経営指導の変革を進め、お客さまにご支持いただける売場づくりと店舗収益性の改善に努めました。MDプロセス改革では、カテゴリーごとに価格戦略を再設計し、価格設定や商品ラインアップの改定を図り、コンビニエンスストア商品のおにぎりや菓子パンを中心に、売上は好調に推移しました。また、4月に当社の看板商品である「ソフトクリームバニラ」を「北海道ミルクソフト」としてリニューアルし、お客さまに高くご支持いただきました。経営指導改革では、店舗カルテ活用のほか、値下げ販売を進めフードロスを削減したことにより、店舗収益性が改善しました。この結果、上半期においてミニストップ単体は増収・増益を達成し、連結業績を牽引しました。

一方で、8月に、手づくりおにぎり等の消費期限の表示不正が判明し、販売を全店で中止したことにより、業績に影響を及ぼしました。一連の事案を教訓とし、手づくりおにぎり等をはじめ、できたてのおいしい商品をお客さまにお届けしたいという提供価値の根幹に立ち返り、9月以降、加盟店とともに改めて“食の安全・安心No.1”を目標に、再発防止と安全・安心な厨房環境づくりを最優先課題として、手づくりおにぎり等の販売再開に取り組みました。

9月に、食の安全・安心や衛生知識について本部・加盟店双方が学ぶ勉強会を開催したことを皮切りに、全社員・加盟店スタッフへの衛生教育、加盟店からの申請に基づいて本部が販売開始を認定する「選択制認定制度」の整備、新たな設備の導入といった再発防止策を進めました。また、品質管理の専任担当者を配置した「お客さま・オーナー相談・衛生監査室」の新設や「厨房衛生相談窓口(厨房110番)」の開設を経て、10月より順次販売を再開いたしました。販売再開後も、手づくりおにぎり等の商品ラベル発行をチェックするシステムを構築し、適正なオペレーションにより安全・安心な商品を提供できるよう加盟店とともに取り組んでおります。2026年2月末時点で再開店舗数は772店となりました。

販売再開に向けた取り組みとともに、お客さまに引き続きご満足いただける品揃えを実現するため、コンビニエンスストア商品の日配品を中心に品揃え拡充と販促施策の充実を図りました。品揃えの拡充では、米飯等の主食および関連購買につながる惣菜類の拡充に取り組みました。

販促施策では、11月に過去最大規模の増量セールを展開し、2月には「増量フェア」を実施するなど、物価上昇のなか価格据え置きでボリュームを訴求する企画を展開しました。また、年末にはテレビ企画においてオリジナルスイーツが高評価を受けるなど、商品価値を訴求しました。これらにより、下半期にかけてコンビニエンスストア商品の日配品や店内加工ファストフード商品のポテトを中心に売上改善が進みました。

成長戦略では、職域事業について、拠点拡大と質の向上に注力し、事業利益が前年同時期を上回りました。ベトナム事業では、個店モデル確立に向けたMD改革とオペレーション改革に取り組み、売上総利益率の改善により業績が改善し、第4四半期には3年ぶりに四半期営業利益が黒字へと転換しました。

 

 

□連結業績

当連結会計年度において、ミニストップ単体の上半期では、既存店日販と売上総利益率の伸長による店舗収益の改善と設備費を中心とした販売費および一般管理費の削減により、増収・増益となりました。一方、下半期では、手づくりおにぎり等の販売中止により売上および売上総利益率が影響を受け、対策を実施したものの計画未達となりました。また、販売費および一般管理費について、設備費の削減を進めた一方で、直営店増加に伴い人件費が増加したほか、加盟店バックアップおよび安全・安心対策に関わる費用が増加しました。加えて、不採算店舗の追加閉店を実施しました。ベトナム事業では、店舗利益の改善と新たな事業モデルの確立が進み、売上総利益率の改善と店舗営業費削減により、営業損失の圧縮が進みました。

これらの結果、当連結会計年度における連結業績は、営業総収入917億88百万円(前期比104.9%)、営業損失36億10百万円(前期実績 営業損失34億86百万円)、経常損失30億67百万円(前期実績 経常損失28億68百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失56億30百万円(前期実績 親会社株主に帰属する当期純損失67億74百万円)となりました。

 

各セグメント別の業績は以下のとおりです。

[国内事業]

□国内ミニストップ事業の主要数値

手づくりおにぎり等の販売中止による売上への影響と不採算店舗の計画的閉店により、ミニストップ単体のチェーン全店売上高は前年同期比96.6%となりました。ミニストップ店舗の既存店1店1日当たり売上高の前年比は97.8%、既存店平均客数は同96.2%、既存店平均客単価は同101.7%となりました。コンビニエンスストア部門の既存店日販は同99.2%、店内加工ファストフード部門の既存店日販は同91.0%となりました。売上総利益率については、付加価値の高い手づくりおにぎり等の販売中止による影響を受けたものの、コンビニエンスストア商品の米飯・デリカおよび高付加価値の店内加工ファストフード商品のコールドスイーツやポテトの売り込みといった対策を進めた結果、前年同期比0.2%増の30.4%となりました。

 

□“食の安全・安心No.1”実現とMDプロセス改革

国内ミニストップ事業では、年間を通じてコンボストアの構成要素となる「コンビニエント」の革新と「ファストフード」の進化に取り組むとともに、下半期より改めて“食の安全・安心No.1”実現に取り組みました。「ファストフード」では、専門店品質のおいしさにこだわり、看板商品のリニューアルや、旬の食材を活かした商品開発のほか、コラボ商品やボリュームを訴求した商品を展開しました。「コンビニエント」では、マーケティング視点に基づいて低価格と高付加価値商品の品揃え構成を見直すとともに、手づくりおにぎり等の販売中止に伴い、お客さまに継続してご満足いただける品揃えと販売促進企画の充実に取り組みました。

 

□店内加工ファストフード商品

ソフトクリームでは、看板商品の「ソフトクリームバニラ」を創業来初めて「北海道ミルクソフト」へリニューアルしました。厳選した原料の北海道十勝産生乳を使用して濃厚な味わいを実現し、年間を通じて訴求したことで売上を牽引しました。また、有名産地の原料を使用した「シャインマスカットソフト」や、製法にこだわった「プレミアムソフト‐ごほうびショコラ‐」といった高付加価値商品を展開したほか、1月には沖縄県産黒糖を使用した贅沢な味わいの「黒糖きな粉もちソフト」を発売し、いずれも好調な販売となりました。

コールドスイーツでは、パフェについて、旬の原料にこだわった「完熟白桃パフェ」や「芳醇洋梨パフェ」を展開したほか、2月にはタイ産「マハチャノック種」マンゴーを使用した「完熟アップルマンゴーパフェ」を発売し、好評を博しました。今年30周年を迎えたハロハロについて、原料と食感にこだわった「ハロハロ果実氷ブラッドオレンジ」や「ハロハロ果実氷ダブルメロン」を発売し、売上を押し上げました。これらにより、コールドスイーツの売上は前年同期比110%超伸長しました。

ホットスナックでは、お客さまからご注文をいただいた後に店内で再調理を行うことで、できたてのおいしさをご提供するポテトについて、コラボ商品や増量企画を展開しました。1月には看板商品の「Xフライドポテト」に、人気スナックをイメージしたフレーバーパウダーをかけてお楽しみいただける「Xフライドポテト ベビースターラーメンチキン風味」を発売し、好評を博しました。また、価格据え置きでボリュームを訴求した「Xフライドポテト1.5倍」増量企画を断続的に行いました。スナックについて、過去お客さまから高くご支持いただいた人気商品の復刻に取り組みました。2019年に発売し、好評を博した「ビッグドッグ」や「のびーるチーズハットグ」をリバイバル発売し、販売を押し上げました。これらにより、ポテトやスナックの売上は前年同時期を上回りました。

 

 

□コンビニエンスストア商品

お客さまの来店目的と位置付けるおにぎりでは、米や海苔の価格が高騰するなか、定番の手巻おにぎりについて、12月に素材や製法にこだわりつつ、お客さまがお買い求めやすい価格設定でリニューアルしました。「手巻ツナマヨネーズ」や「手巻しゃけ(大麦入り)」といった定番商品を本体価格148円のオープニングプライスで展開したほか、国産もち麦を使用した「もち麦おにぎり」シリーズのリニューアルと低価格展開を行いました。高付加価値の品揃えでは、手づくりおにぎりを代替する品揃えとして、総重量160g超の食べ応えある「大きなおにぎり」シリーズを9月から展開しました。これらの取り組みがお客さまからご支持をいただき、おにぎりの売上は前年同期比110%超伸長しました。

惣菜では、お客さまの買い合わせにつながる品揃えを拡充しました。「竹輪磯辺天」や「ジューシー唐揚げ」といったパック惣菜シリーズを発売し、継続的に品揃えを見直したことにより、惣菜の売上は前年同期比130%超伸長しました。

調理パンでは、価格ラインアップの改定と商品価値向上に取り組みました。5月に定番商品を一斉リニューアルし、お客さまがお買い求めやすい価格帯の品揃えを拡充したほか、増量キャンペーンを断続的に展開しました。

菓子パンでは、「お得な本体価格100円菓子パン」シリーズとして、「ずっしりデニッシュ」といった低価格でボリュームある商品を発売し、年間を通じて優位置で集中展開したほか、高価格帯の品揃えも充実させました。これらにより、調理パンと菓子パンの売上は前年同時期を上回りました。

販売促進企画では、価格据え置きでボリュームを訴求した増量企画を断続的に展開しました。2月には、好評だった11月の増量企画をブラッシュアップした「増量フェア」を実施し、寿司類や麺類を中心にボリュームを訴求した商品が売上を押し上げました。

 

□生活応援商品の拡充(トップバリュ)

物価上昇が続くなか、お客さまの日々の豊かな暮らしを支えるため、イオングループのプライベートブランドであるトップバリュの品揃えを拡充しました。菓子では、価格訴求型のトップバリュベストプライスを中心に本体価格100円の商品を集合展開し、訴求したことにより、菓子の売上は前年同時期を上回りました。デイリーでは、手間をかけずに食卓のおかずを準備できるパウチ総菜について、付加価値型のトップバリュの品揃えを訴求し、好調な販売となったことにより、デイリーの売上は前年同時期を上回りました。

 

□経営指導改革

お客さま第一を店頭で実現するQSC向上と品揃えの充実、および店舗収益性の改善に向け、経営指導改革に取り組みました。QSC向上では、安全・安心な商品提供とお客さまが気持ちよくお買い物いただける環境づくりに注力しました。活動のベースとして、ストアアドバイザーによるQSCの是正指導をお客さまの立場で見直すとともに、ワークスケジュールを活用し、加盟店とともに適正なオペレーションにより改善を進められる体制を整えました。

店舗収益性の改善では、加盟店ごとの経営指導方針に沿って、店舗カルテを活用した個店ごとの経営数値分析と課題への対策を進めました。対策にあたり、効率的な作業計画の立案と人時の適正化を図るワークスケジュールや販売計画書といった改善のためのツールを活用しました。また、数値改善事例を週次の会議体で共有し、経営指導ノウハウの水平展開を図りました。お客さまにご満足いただける品揃えの実現と食品ロス削減の両立に向け、主要日配品の積極的な値下げを推進し、発注した商品を売り切る活動を進めました。同時に、販売計画書や発注計画に基づく発注指導を進め、日配品を中心に品揃え充実を図りました。これらにより、加盟店1店あたりの利益は前年同時期を上回りました。なお、2026年2月末時点でミニストップ・パートナーシップ契約店舗は926店となりました。

直営店では、模範となる店舗の実現と収支改善に向け、採用・教育機能といったサポート体制の充実と店舗管理体制の整備に取り組みました。サポート体制について、時間給スタッフの採用機能を本部に集約し、人財充足状況を踏まえた効率的な採用プロセスを構築しました。店舗責任者人財の充足に向け、本部が定める責任者資格を有する人財の育成と店長代行の能力を持つストアリーダーの育成に取り組みました。

店舗管理体制について、経営数値を週次で進捗し、対策をスピーディーに実行する体制を整えました。また、複数の直営店を一つの管理単位にまとめ、管理者がチームを組んで管理するユニット制を11月より開始しました。ノウハウの共有が進んでおり、引き続き、全エリアの管理体制を刷新してまいります。

お客さまにご満足いただける品揃えと利益改善を図るAI発注は、2026年2月末時点で直営店156店舗にて実験を拡大し、値下げ活用と合わせて運用したことにより、直営店1店1日当たりの売上荒利益高は前年同時期を上回りました。これらにより、直営店の店舗利益は前年同時期を上回り、収支改善が進みました。なお、直営店は2026年2月末時点で355店となりました。

 

 

□新事業の推進(職域事業)

職域事業では、オフィスなどの施設内に設置する無人コンビニ「MINISTOP POCKET(ミニストップポケット)」をはじめ関連サービスを含む拠点数が2026年2月末時点で2,147拠点と前年同期比120%超拡大しました。季節ごとのオフィスの需要に応じた棚割りの見直しや、什器の増設といった品揃えの充実を図り、1拠点当たりの売上高は前年同時期を上回りました。また、日本郵便株式会社と連携のうえ、2026年1月より一部の郵便局において、当社商品を展開する実証実験を開始し、郵便局に来局されるお客さまの利便性向上を図りました。新たなチャネルの拡大に向け、引き続き取り組みを進めてまいります。これらにより、職域事業は前年同期比180%超の事業利益を創出しております。

 

□新事業の推進(Eコマース)

Eコマースでは、リアル店舗では取り扱いが難しい高付加価値商品の品揃え拡充のほか、EコマースならではのSNSを活用したコラボ企画や、飲料をはじめとしたお値打ち価格の商品展開に取り組みました。公式オンラインサイト「ミニストップオンライン」や国内大手ECモール内に設置したEコマースサイトの認知拡大が進み、リピート利用のお客さまが増加したほか、人気チーズケーキ専門店監修のクリスマスケーキや恵方巻など、リアル店舗と連動した商品が好評を博しました。これらにより、2025年度のEコマースの売上高は前年同期比290%超伸長し、過去最高を記録しました。

 

□パーパス経営の実践に向けた取り組み

パーパス経営の実践に向け、イオングループ未来ビジョンおよびミニストップのミッションをもとに、事業の成長が社会課題の解決に直結するよう事業活動を推進しております。パーパス経営の象徴としてソフトクリームのブランディングを推進し、従来の「おいしさ」の価値軸に、「環境にやさしい」「からだにやさしい」「地域とのつながり」「社会貢献」の4つの軸を加え、ソフトクリームを通じたサステナビリティ経営を推進しております。

環境活動では、CO2削減の取り組みについて、一部地域の使用電力源を再生可能エネルギーに切り替えるとともに、店内外の照明のLED化、節電機器の設置等を実施いたしました。引き続き「2040年ネットゼロ(CO2排出量が実質ゼロ)」に向け、電力調達方法変更や省エネ機器類の計画的入れ替えを進め、さらなる削減に取り組んでまいります。

資源循環の促進について、店舗において「発生抑制(リデュース)」による値下げ販売を9割の店舗で進めております。お客さまへ値下げ商品を積極的に訴求するため、新たな販促を展開しました。あわせて、年間を通じた「てまえどり」の告知を行い、お客さまや加盟店とともに食品ロス削減に取り組みました。また、使用期限の近い食材や余剰食材のロスを削減するために、通常は廃棄される部分や余った食材を新しい価値のある食品に変える、アップサイクルの取り組みを進めております。

プラスチック使用量削減の取り組みについて、ミニストップ本社と一部直営店において、ペットボトル減容回収機「ボトルスカッシュ」を設置しました。限りある資源の有効活用と海洋プラスチックごみ対策として、回収したペットボトルは再製品化し、ボトルtoボトルのリサイクルループの輪を構築してまいります。また、一部の店内加工ファストフード商品について、プラスチックの容器から紙への切り替えを順次進めております。今後も、店内加工ファストフード商品を中心に、使用素材の紙への変更および容器の軽量化を進め、脱プラスチック化の拡大を図るとともに、すべての使い捨てプラスチックの環境配慮型素材への変更を進めてまいります。

地域とのつながりについて、小中学生向け職場体験学習「チャイルドインターンシップ」を2005年より実施しています。未来を担う子どもたちと“私たちは、「おいしさ」と「便利さ」で、笑顔あふれる社会を実現します。”というミニストップのミッションについて一緒に考えるとともに、環境や健康といった新たな価値を訴求するソフトクリームから環境問題を捉えていただくプログラムを用意し、今期累計で68校440名の生徒の皆さまにご参加いただきました。また、小学校に花の苗を届ける花の輪運動募金を通年で実施し、本年度は600校の小学校に花の苗を贈呈しました。1991年の開始時から、延べ18,134校、合計で約475万5千株の寄贈となります。加えて、加盟店を中心に近隣の福祉施設等でボランティアを行う活動では、2016年より延べ1,748施設において、イベントのお手伝いや清掃活動などを通じて地域との親交を深めております。グループをあげての募金活動においては、「福祉」「環境」「災害復興」の3つの分野の支援活動に活用するために、お客さまのご協力のもと総額で10,878,234円を寄付いたしました。

 

ミニストップで働く一人ひとりに対して、その個性と能力を十分に発揮できるよう、性別や雇用形態に関わらず、多様な人財が活躍し全員が働きやすい職場環境づくりに取り組んでいます。多様な人財の活躍推進として、店舗で働くパート・アルバイト16名を店長(契約制社員)へと登用しました。登用された契約制社員への体系的な教育を進め、着実に業務を習得できる体制を整えています。2024年度下半期より開催しているミッション座談会は、営業部門に加え、管理、商品部門においても開催し、同じ職場で働く意義や共通認識、新たな課題を発見する場として、役員と従業員が幅広く忌憚のない意見交換を行いました。

すべてのお客さまに安心してミニストップをご利用いただき、ミニストップに関わるすべての人々が安全・安心に働くことが出来る環境づくりのため、イオンの人権基本方針に則り、すべての人々の人権が尊重される社会の実現を目指し、人権デュー・デリジェンス委員会が中心となり人権課題の特定と改善を実施しています。お客さまに安心してご利用いただけるお買い物環境の提供と、一人ひとりの人権、多様性を尊重し、事業に関わる全ての人が活躍できる環境整備を進め、ミッション実現につなげてまいります。

 

□ネットワークサービス株式会社

ネットワークサービス株式会社は、国内店舗向けの共同配送事業を展開しており、定温センター13ヶ所、常温センター6ヶ所、冷凍センター10ヶ所を運営しております。物資の流通の効率化に関する法律(物流効率化法)改正への対応をはじめとした、物流体制整備およびコスト適正化に取り組みました。配送網のデジタル分析とシミュレーションに基づき、配送ルート数および1ルート当たりの走行距離の適正化を進め、総CO2排出量の低減を含む配送の効率化が進展しました。引き続き、コスト削減とともにCO2排出量削減による環境負荷の低減に取り組んでまいります。

 

□店舗開発

店舗開発では、9店舗を出店、64店舗を閉店し2026年2月末の店舗数は1,793店舗となりました。新たな個店モデルの確立に取り組み、エリア戦略に基づいた店舗展開を推し進めてまいります。

 

以上の結果、当連結会計年度における国内事業の営業総収入は823億47百万円(前期比105.6%)、営業損失は33億35百万円(前期実績 営業損失23億98百万円)となりました。

 

[海外事業]

□ベトナムにおける事業環境

当連結会計年度において、ベトナムでは、実質GDP成長率が前年同期比8.02%(推計値)となり、第4四半期(10月~12月)にかけて3四半期連続で伸び率が加速しました。また経済成長を背景とした好調な内需の拡大に伴い、小売・サービス売上高は前年比9.2%増と、堅調な伸びとなりました。一方で、米国の通商政策の変化や緊張の続く国際情勢による資源価格への影響が懸念され、輸出産業を中心に景気の先行きは不透明です。

 

□ベトナム事業方針

このような環境のなか、ベトナムのMINISTOP VIETNAM COMPANY LIMITEDは、事業の再成長に向け、期首に刷新した組織体制の下、個店モデル確立を目指し、MD改革ならびにオペレーション改革に取り組みました。また、不採算店舗の計画的閉店を進め、チェーン全店売上高は前年同期比97.7%となりました。

 

□MD改革

経済成長が進むベトナムのお客さまニーズにお応えする品揃えの実現に向け、MD改革に取り組みました。商品カテゴリーごとの役割をお客さまの購買行動に沿って再定義し、低価格と高付加価値の品揃え両面の充実を図りました。コンビニエンスストア商品では、お手頃価格の商品を厳選し、高付加価値の品揃えを拡大するとともに、売れ筋カテゴリーの売場拡大をはじめとした売場改装に取り組みました。売上構成比と利益率が高いソフトドリンクでは、高付加価値商品の構成を拡大し、お客さまのニーズに合わせたプロモーション施策で低価格を訴求しました。販売好調な菓子やスナック、インスタント麺では、売場を拡大する改装を84店舗で実施し、高付加価値商品を充実させました。これらにより、コンビニエンスストア商品の1店1日当たり売上総利益高は前年同時期を上回りました。

 

ファストフード商品では、来店目的となるドリンクカテゴリーの育成と、食事需要にお応えするベーカリーやデリカの品揃えを充実させました。店内加工ドリンクでは、おいしさを追求した商品開発を進めたほか、専用のドリンクケースを56店舗に増設し、商品価値と世界観の訴求を図りました。10月には若い世代のトレンドを追求した「タロイモミルクティー」、12月には桃の果肉を贅沢に使用した「ピーチティー」とこだわりの高付加価値商品を展開し、売上を押し上げました。これらにより、ドリンクカテゴリーの売上総利益高は前年同期比140%超伸長しました。また、販売好調なベーカリーでは、イオングループ商品やトレンド商品のベンチマークに基づく商品開発を推し進めました。トレンドを踏まえた商品が好調に推移したほか、ベーカリー専用の陳列ケースを69店舗に増設して商品を訴求し、売上を押し上げました。これらのMD改革を着実に推進し、既存店1店当たりの売上総利益高は前年同期比110%超伸長しました。

 

□オペレーション改革

成長するベトナム経済のもと、店舗運営コストの上昇が続くなか、人件費の適正化や廃棄ロスの低減に取り組みました。人件費では、店舗作業の見直しのほか、ワークスケジュールを活用したムリ・ムダの無い稼働計画の立案に取り組んだことにより、人時の適正化が進みました。廃棄ロスでは、商品部門と営業部門の役割分担の下、売場効率の改善と週次での進捗管理を行ったことにより、廃棄ロスの低減が進みました。これらにより、当連結会計年度の1店あたりの営業費は前年同時期に対して5%削減しました。MD改革とオペレーション改革を通じた個店モデルの改善が進み、第4四半期において3年ぶりに四半期営業利益が黒字となりました。

 

□店舗開発

店舗開発は、13店舗を出店し、13店舗を閉店しました。2025年12月末時点の店舗数は182店舗となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度における海外事業の営業総収入は94億41百万円(前期比99.4%)、営業損失は2億74百万円(前期実績 営業損失10億88百万円)となりました。

 

[財政状態]

(流動資産)

流動資産は、前連結会計年度末と比べて49億93百万円減少472億49百万円となりました。これは主に未収入金が38億63百万円、償還により有価証券が8億2百万円減少したことによります。

(固定資産)

固定資産は、前連結会計年度末と比べて6億80百万円減少217億64百万円となりました。これは主に差入保証金が9億40百万円、有形固定資産が6億20百万円減少し、無形固定資産が5億19百万円、退職給付に係る資産が3億30百万円増加したことによります。

(流動負債)

流動負債は、前連結会計年度末と比べて2億86百万円減少354億5百万円となりました。これは主に預り金が65億21百万円減少し、加盟店買掛金が39億25百万円、買掛金が14億32百万円増加したことによります。

(固定負債)

固定負債は、前連結会計年度末と比べて2億31百万円増加64億44百万円となりました。これは主にリース債務が4億84百万円増加し、長期預り保証金が2億33百万円減少したことによります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末と比べて56億18百万円減少271億63百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純損失を56億30百万円、非支配株主に帰属する当期純損失を1億55百万円計上したことによります。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は74百万円増加し、231億60百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末と比べて1億50百万円収入が減少し、17億88百万円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純損失55億4百万円の計上に加え、増加要因として仕入債務の増加54億5百万円、未収入金の減少38億37百万円、また減少要因として預り金の減少65億17百万円等があったことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末と比べて10億12百万円支出が増加し15億4百万円の支出となりました。これは主に減少要因として有形固定資産の取得による支出21億62百万円、また増加要因として差入保証金の返還による収入10億35百万円があったことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末と比べて5億88百万円支出が減少し2億17百万円の支出となりました。これは主に減少要因としてリース債務の返済による支出1億27百万円、配当金の支払額5億80百万円、また増加要因として非支配株主からの払込による収入5億57百万円があったことによります。

 

 

当連結会計年度末の加盟店を含む地域別店舗数は次のとおりであります。

 

地域

店舗数

前年同期末比較増減

青森県

25

(

3

)店

(

2

)

岩手県

8

(

1

)

△2

(

△1

)

宮城県

96

(

16

)

△5

(

8

)

福島県

67

(

18

)

△7

(

1

)

茨城県

91

(

17

)

△2

(

)

栃木県

26

(

7

)

△1

(

4

)

群馬県

38

(

13

)

△5

(

△4

)

埼玉県

125

(

28

)

(

7

)

千葉県

159

(

23

)

△2

(

4

)

東京都

246

(

48

)

△10

(

5

)

神奈川県

109

(

21

)

△1

(

5

)

福井県

7

(

)

(

)

岐阜県

76

(

10

)

△2

(

)

静岡県

118

(

18

)

△1

(

2

)

愛知県

175

(

38

)

△12

(

4

)

三重県

79

(

16

)

△1

(

6

)

滋賀県

5

(

)

(

)

京都府

31

(

6

)

△2

(

6

)

大阪府

81

(

27

)

1

(

25

)

兵庫県

40

(

3

)

(

2

)

奈良県

10

(

3

)

(

2

)

徳島県

17

(

6

)

△1

(

)

香川県

28

(

12

)

△1

(

)

愛媛県

7

(

2

)

(

)

福岡県

113

(

14

)

△1

(

6

)

佐賀県

12

(

3

)

(

)

大分県

4

(

2

)

(

)

小計

1,793

(

355

)

△55

(

84

)

(ベトナム)

MINISTOP VIETNAM COMPANY LIMITED

179

(

176

)

△3

(

)

          合計

1,972

(

531

)

△58

(

84

)

 

(注) 1 店舗数欄の(内書)は直営店(運営委託店を含む)の店舗数であります。

2 上記店舗数には、cisca29店舗、MINISOF7店舗を含んでおります。

3 MINISTOP VIETNAM COMPANY LIMITEDの店舗数は2026年2月28日現在の店舗数です。

 

当連結会計年度における事業別の売上状況は、次のとおりであります。

 

事業別

加盟店売上高(百万円)

直営店売上高(百万円)

計(百万円)

構成比(%)

(国内事業)

 

 

 

 

ミニストップ株式会社

237,348

37,936

275,285

96.77

小計

237,348

37,936

275,285

96.77

(海外事業)

 

 

 

 

MINISTOP VIETNAM COMPANY LIMITED

448

8,746

9,195

3.23

小計

448

8,746

9,195

3.23

合計

237,797

46,683

284,481

100.0

 

(注) MINISTOP VIETNAM COMPANY LIMITEDの加盟店売上高及び直営店売上高は2025年1月1日から2025年12月31日のものになります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社経営陣は決算日における資産・負債の金額、並びに報告期間における収益・費用の金額のうち、見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績・現在の状況を勘案して可能な限り正確な見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これら見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5  経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

ア.経営成績の分析

a.(営業総収入及び営業損益)

当社グループの営業総収入は前連結会計年度に比べ43億12百万円増加し、917億88百万円(前期実績 営業総収入874億75百万円)となりました。国内事業では、加盟店からの収入が26億53百万円減少し、222億33百万円(前期実績 加盟店からの収入248億86百万円)、直営店売上高が74億88百万円増加し、379億36百万円(前期実績 直営店売上高304億48百万円)となりました。海外事業では、加盟店からの収入が5百万円減少し、24百万円(前期実績 加盟店からの収入29百万円)、直営店売上高が1億53百万円減少し、87億46百万円(前期実績 直営店売上高89億円)、商品供給高が20百万円減少し、3億55百万円(前期実績 商品供給高3億76百万円)となりました。

営業損益は、前連結会計年度に比べ1億23百万円減少し、営業損失36億10百万円(前期実績 営業損失34億86百万円)となりました。

b.(営業外損益及び経常損益)

営業外収益は、受取利息4億74百万円、違約金収入1億10百万円などの計上により6億7百万円となりました。営業外費用は支払利息28百万円などの計上により64百万円となりました。その結果、経常損失は30億67百万円(前期実績 経常損失28億68百万円)となりました。

 

c.(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

特別利益は、固定資産売却益の計上により4百万円となりました。特別損失は、減損損失19億70百万円などの計上により24億42百万円となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は56億30百万円(前期実績 親会社株主に帰属する当期純損失67億74百万円)となりました。

 

イ.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの主な資金需要は、運転資金および新規出店・既存店改装等の設備投資資金および自社利用のソフトウェア開発資金となります。これらの資金需要に対応するための財源は、主として営業活動により得られた資金を充当しております。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の概況」に記載のとおりであります。

 

 

5 【重要な契約等】

(1) 加盟契約の要旨Ⅰ

a 当事者(当社と加盟者)の間で取り結ぶ契約
(a) 契約の名称

フランチャイズ契約

(b) 契約の本旨

当社の許諾によるコンボストア・ミニストップ店を経営するためのフランチャイズ契約関係を形成すること。

b 加盟に際し徴収する加盟金、保証金その他の金銭に関する事項

 

徴収する金銭の額

内容

総額

金2,500,000円
(消費税別)

・下記イとロの合計

内訳

イ 開店準備費

金1,000,000円
(消費税別)

 

 

・開店前トレーニング・商品陳列まで、加盟者の開店がただちにできる状態にするために当社が担当実施する開店準備の諸作業に関する費用

ロ 保証金

金1,500,000円


・自動融資・貸与資産等、当社の加盟者への信用供与に対する保証金

 

 

c フランチャイズ権の付与に関する事項

(a) 当該加盟店におけるコンボストア経営について、ミニストップの商標、サービスマーク、意匠、著作物およびこれに関連する標章、記号、デザイン、ラベル、看板ならびにその他ミニストップ店であることを示す営業シンボルを使用する権利。

(b) ミニストップ店の経営ノウハウおよび各種経営情報の提供を受け、それを使用する権利。

(c) ミニストップ・システムを構成するマニュアル、資料、書式用紙の貸与を受け、それを使用する権利。

(d) 当社が無償貸与する営業用什器・設備を使用する権利。

d 加盟者に対する商品の販売条件に関する事項

(a) 加盟者は当社の推薦する仕入先およびその他の仕入先から商品を買取る。

(b) 開店時の在庫品の代金は、開店直前に当社に送金し決済する。開店後は毎日送金される売上金から充当決済されることになる。

e 経営の指導に関する事項
(a) 加盟に際しての研修

加盟者および加盟者以外の方の2名は、当社の定める研修のすべての課程を修了する。

(b) 研修の内容

イ トレーニングセンター研修(6日間)

当社の基本理念、基本4原則、接客、ファストフードの加工、オペレーションなど基本的な事項について の研修。

ロ 直営トレーニング店(直営旗艦店・研修店)研修(5日間)

レジ接客、レジ精算、会計業務、商品陳列などについての研修。

ハ 直営トレーニング店(直営旗艦店・研修店)研修(18日間、休日を含む)

実践的かつ総合的な店長代行業務の実習および従業員育成(イエローテイルプログラム)やスケジュール管理、会計帳票の見方の研修。

ニ 修了認定研修(1日間)

開店に向けたCSR講習(企業の社会的責任、雇用管理や個人情報管理、店舗の在り方)の受講。

 

(c) 加盟者に対する継続的な経営指導の方法

イ 担当者を派遣して、経営に関して定期的継続的に指導・助言する。

ロ 消費動向、地域市場等を勘案し、最も効果的と判断される商品構成、品揃えに関する助言を行い、小売価格を随時開示する。

ハ 経営資料、会計帳簿および貸借対照表、損益計算書を原則毎月1回作成し提供する。

ニ 商品・現金・金券等の実地棚卸を原則として四半期毎に行い、その結果による商品管理の改善の助言を行う。

ホ 従業員採用・教育・管理に関するマニュアルを提供する。

へ 業務の合理化、簡素化のためのPOSシステム等の店舗運営システムを提供する。

f 契約の期間、契約の更新および契約終了等に関する事項
(a) 契約の期間

営業開始日から満7か年間経過した月の末日まで。

(b) 契約の更新および手続

契約期間の満了にあたって、加盟者と当社が協議を行い、合意に基づいて行われる。

(c) 契約の終了

イ 契約が更新されない場合には、契約期間の満了により終了する。

ロ 加盟者の死亡または成年後見開始、保佐開始、補助開始の審判、特定店舗の滅失または賃借権の喪失、本部または加盟者の破産宣告、解散などの場合には自動終了となる。

ハ 契約に違反し是正勧告によっても是正されない場合または重要な契約上の義務に違反した場合などには解除により終了する場合がある。

ニ その他

g 加盟者から定期的に徴収する金銭に関する事項

加盟者の営業時間により、原則として下記の割合による金額を、当社が実施するサービス等の対価として徴収する。

(a) 加盟者が店舗を用意する場合
    (内外装費、店舗賃借費用等加盟店負担)

 

 ・24時間営業の店舗の場合……………………

月間売上総利益の30~33%相当額

 ・上記以外の営業時間の店舗の場合…………

月間売上総利益の33~36%相当額

(b) 当社が加盟者に店舗を提供する場合………
    (内外装費、店舗賃借費用等当社負担)

月間売上総利益に月間売上総利益の額に応じ段階的に定められた料率を乗じた額

 

 

(2) 加盟契約の要旨Ⅱ

a 当事者(当社と加盟者)の間で取り結ぶ契約

(a) 契約の名称

ミニストップ・パートナーシップ契約

(b) 契約の本旨

人件費や商品損耗等店舗運営に必須とみられる一定の費用を店舗運営全体の経費(事業経費)として、それを売上総利益高から控除した金額を当事者共通の利益とし、各当事者の寄与度に応じて利益を割り当てることにより、共通の目標をもって店舗の売上および利益の向上を目指すこと。

b 加盟に際し徴収する加盟金、保証金その他の金銭に関する事項

(1) 加盟契約の要旨Ⅰb記載内容と同一

c フランチャイズ権の付与に関する事項

(1) 加盟契約の要旨Ⅰc記載内容と同一

d 加盟者に対する商品の販売条件に関する事項

(1) 加盟契約の要旨Ⅰd記載内容と同一

e 経営の指導に関する事項

(1) 加盟契約の要旨Ⅰe記載内容と同一

 

f 契約の期間、契約の更新および契約終了等に関する事項

(a) 契約の期間

営業開始日から満10か年間経過した月の末日まで。

(b) 契約の更新および手続

契約期間の満了にあたって、加盟者と当社が協議を行い、合意に基づいて行われる。

(c) 契約の終了

イ 契約が更新されない場合には、契約期間の満了により終了する。

ロ 法人の解散、加盟者(法人なら法人代表者)に成年後見開始、保佐開始、補助開始の審判、法令あるいは行政措置による加盟者の廃業、店舗が滅失したときは自動終了となる。

ハ 契約に違反し是正勧告によっても是正されない場合または重要な契約上の義務に違反した場合や加盟者(法人なら法人代表者)の死亡などは解除により終了する場合がある。

ニ その他

g 加盟者から定期的に徴収する金銭に関する事項

(a) 本部シェアと加盟店シェア

本契約は店舗運営の全体に必要であると契約上定められたすべての経費を事業経費とし、それらを売上総利益から差し引いたものを店舗全体の事業利益とする。その事業利益のうち、契約タイプ別に定められた一定の比率(シェア率)に応じた金額を各当事者に割り当てる。

売上総利益-事業経費=事業利益

事業利益×加盟店シェア率=加盟店シェア

※加盟店シェア率は、内外装の負担有無や本部と加盟者との店舗賃貸契約の有無などの状況によって異なる。

(b) 時短営業調整費

店舗の営業時間について24時間以外を希望する場合、希望営業時間に応じて、時短営業調整費を加盟者は支払う。

 

(3) エリアフランチャイズ契約の要旨

  MINISTOP VIETNAM COMPANY LIMITED(ベトナム社会主義共和国)

(a) 契約日

2015年2月1日

(b) 契約名

「エリアフランチャイズ契約」

(c) 契約の内容

ベトナム国内におけるミニストップの商標および「ミニストップ・システム」を使用した
店舗展開の許諾

(d) 契約期間

2015年2月1日から21年後まで

(e) 契約の条件

ロイアルティ  全売上総利益高の一定料率

 

 

(4) その他

当社は、イオン株式会社および主要な子会社のグループが、1990年8月1日に設立した「イオン1%クラブ」に参画し、同団体の趣旨に賛同して、毎期、税引前当期純利益の1%相当額をその活動に充てております。

「イオン1%クラブ」の主な事業領域は、「子どもたちの健全な育成」、「諸外国との友好親善」、「地域の発展への貢献」、「災害復興支援」であります。

 

 

6 【研究開発活動】

研究開発活動については、商品についてオリジナル商品の開発を常に進めておりますが、その他特記すべき事項はありません。