第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)会社の経営方針

 当社グループは、「私たちは事業活動を通じて 人と自然を大切にし あらゆる人々に愛され 社会の発展に貢献します 先端技術をもって開発を推進し 世界の人々に喜ばれる価値を創造します」を経営理念としています。この理念に基づき、新製品開発を通じて常に技術革新を図り、様々な先端産業の発展に貢献し続けると共に、人と地球の豊かな未来のための価値を創造していく企業を目指し、今後も努力していきます。

 また、当社グループは、最先端のニッチな成長市場への事業展開を推進し、事業ライフサイクルに左右されない持続的な成長を図ることを経営目標としています。これまでに培ってきた技術力を活かし、高付加価値で高品質な製品を生産し事業の拡大に繋げ、企業価値の向上・持続的な成長に取り組んでいきます。

 

(2)目標とする経営指標

 中期成長戦略2028に基づき、現在の主力であるシリコンウェーハ搬送容器事業を深耕しつつ、成長市場での事業拡大が見込める高機能樹脂製品、成形機の事業に経営資源を振り向けていきます。

 当連結会計年度から企業価値向上に向けた新たな取り組みとして、更なる収益力向上による事業成長やM&A、および資本市場からの要請に沿った資本政策・財務戦略の両輪を通じて、ROEとPER向上を促進します。また有利子負債を活用するとともに、積極的な配当や自己株式取得等、新たに株主還元を強化し、資本コスト逓減による最適な資本構成も実現します。これにより、PBR1倍を恒常的に達成し、中長期的な企業価値の最大化を目指します。

 

 中期成長戦略2028の最終年度の2028年度(2029年1月期)に、売上高239億円、ROE11.1%を目指します。

 当連結会計年度から、新たに配当性向の指標を「総還元性向またはDOE」に見直し、株主還元を強化します。

 2029年1月期計画

  ①売上高   239億円

  ②営業利益  47億円

  ③営業利益率 20.0%

  ④ROE    11.1%

  ⑤総還元性向30%またはDOE2%のいずれか高い方を下限とした安定配当

 

(3)経営環境

 当社グループを取り巻く経営環境は、米中関係の先行き不透明感や地政学的リスクの高まりに加え、中東情勢の長期化に伴う原油価格の動向、それに起因するエネルギーコストの上昇および原材料価格の高騰などにより、依然として先行きの不透明な状況が続いています。

 プラスチック成形事業については、当社の事業ドメインである半導体業界の需要回復が足元ではまだら模様の状況にありますが、中期的にはAI等の新技術の需要増加等により市場の拡大を見込んでいます。

 成形機事業については、関連する自動車業界、電機業界の設備投資の需要回復は足元では弱含みの状況にありますが、中長期的にはEV/HEV市場の拡大等の影響により需要の拡大を見込んでいます。

 

(4)経営戦略及び対処すべき課題

 今後の経営環境としましては、原材料等の価格高止まり、中国経済の減速、地政学的問題の長期化の影響により、国内外の景気回復については依然として不透明な状況が継続すると思われます。

 プラスチック成形事業については、当社の主要販売先である半導体シリコンウエーハ業界は、在庫調整は底打ちしたものの、短期的には全体として緩やかな需要回復基調が継続するものと見込まれます。米中関係や地政学的リスクが半導体市場に与える影響も懸念されますが、さまざまな産業のデジタル化の進展、AI等の新技術による需要増加等により、中期的には市場の拡大が見込まれます。シリコンウエーハ容器については、半導体の微細化の進展による顧客要求の高度化等の課題に対処し、更なる品質の改善に取り組んでいきます。また、増産体制の構築及び効率的な生産のための生産設備の導入や人材の確保・育成による生産体制の強化を継続的に取り組み、競争力を高めてまいります。半導体業界以外へのアプローチとしては、当社コア技術の他分野への応用展開による新分野開拓・新事業創出等に取り組み、引き続き、より強固な収益基盤の構築に努めていきます。

 成形機事業については、関連する自動車業界、電機業界の設備投資の需要回復は足元では弱含みの状況にありますが、中長期的にはEV/HEV市場の拡大等の影響により設備投資需要の増加が見込まれまる一方で、購入部材高止まりの長期化や、人材の確保が難航した場合に当事業の業績に影響を与える可能性があります。当事業においては、長年培ってきた竪型成形機の強みを活かした特殊機の拡販により、安定的な利益を確保し、グループ一丸となって技術的・営業的連携の強化にも引き続き取り組んでいきます。また、サービスの一層の充実を図ると同時に、過去顧客の掘り起こしや、新規顧客開拓活動を推進していきます。

 「中期成長戦略 2028」で掲げたミッション「ずっと、必要とされ続ける」企業グループとして、自らを革新し、独自性ある開発に挑み続け、将来を見据えた成長戦略を確実に実行していきます。また、サステナブル経営、より強固なガバナンス、株主還元強化の視点を踏まえ、企業価値の持続的な向上を目指していきます。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナビリティの推進体制について

 当社グループは、2024年2月に取締役会においてサステナビリティ基本方針を決議し、これに基づき持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値向上の両立を目指しています。

 

<サステナビリティ基本方針>

 当社グループは、搬送容器、高機能樹脂製品および関連の商品・サービスの提供を通してお客さまに快適な暮らしをお届けし、また地域・社会への積極的な貢献により、地域・社会の皆さまと共に繁栄することを目指します。また、法令と社会のルールを順守し、公平・公正で高い透明性を持った効率的な事業活動のもと、お客さま、株主、取引先、従業員、地域社会などすべてのステークホルダーを尊重しながら、社会の一員として、持続可能な社会の発展を目指します。

 

 当社グループは重要課題の解決に向けた取組を着実に推進し、中長期的な成長力・持続可能性の向上を図ることを目的として、2024年度にサステナビリティ委員会を設置しました。

 サステナビリティ委員会は、経営会議の諮問機関として設置されており、サステナビリティに関する方針および目標、実行計画の策定、進捗管理および評価等を行い、その結果を経営会議に答申しています。経営会議は、サステナビリティに関連する重要事項について審議・決定するとともに、各部門への指示、実行状況の評価・検証および取組進捗の監督を行い、サステナビリティ経営を推進しています。

 また、当社グループは、サステナビリティ基本方針とマテリアリティを定め、関連リスクの特定と評価を進めています。

 サステナビリティに関するリスクについては、サステナビリティ委員会において抽出と整理をするとともに、発生可能性と事業・財務への影響度の観点からの評価を行っています。さらに、当社グループでは全社的なリスク管理体制の整備を目的としてリスク管理委員会を設置し、代表取締役社長を統括責任者としてリスク管理体制の整備と社内啓発活動を実施しています。万が一リスク事案が発生した場合には、緊急事態の対応区分に応じて緊急対策本部または現地対策本部を設置し、迅速かつ的確な対応を行う体制を構築しています。

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<2025年度のサステナビリティ委員会の開催実績と主な議題>

開催時期

主な議題

2025年2月

2024年度のサステナビリティ活動の検証、2025年度の施策検討

2025年5月

マテリアリティの進捗確認

2025年6月

CO2排出量管理システム運用状況と排出量確認

2025年7月

人的資本経営に関する重要課題の進捗確認

2025年11月

CO2排出削減に向けた具体策の検討

2025年12月

再生可能エネルギー導入進捗確認およびScope3のCO2削減策検討

2026年1月

2025年度のサステナビリティ活動の検証

 

 

(2)重要なサステナビリティ項目

当社グループは、搬送容器、高機能樹脂製品および関連商品・サービスの提供を通してお客さまに快適な暮らしをお届けするとともに、地域・社会への積極的な貢献によって地域の皆さまやステークホルダーの皆さまと共に繁栄することを目指しています。その実現にあたってはサステナビリティの視点が不可欠であり、当社グループが担うべき社会的責任も年々高まっています。また、サステナビリティに関する取組は、リスクの低減のみならず収益機会の創出にもつながり、企業価値の向上に資するものと捉えています。これらを踏まえて、当社グループの事業特性や事業環境を勘案し、7つのマテリアリティ(重要課題)を特定しています。

 

<当社グループの重要課題「マテリアリティ」>

 

テーマ

主な取組内容

E 環境

1.気候変動への対応

・CO2排出量の削減に向けた再エネ・省エネの推進

S 社会

1.持続可能な人材育成

・女性管理職比率の向上

・従業員持株会を活用した譲渡制限付き株式報酬制度の導入による株主目線での経営意識醸成

・外部研修等への参加を通じた従業員の能力開発の促進

2.安心安全な労働環境

・安全で健康的な職場環境の整備

・労働災害発生件数の抑制

・安否確認システムの導入

3.地域社会への貢献

・地域イベント・ボランティアへの参画

4.生物多様性の保全

・廃棄物の削減

・水使用量の削減

・重大環境事故「0件」の継続

G ガバナンス

1.コーポレートガバナンスの強化

・株主との対話の実施

・社外取締役活用によるガバナンスの強化

2.サステナビリティ経営の推進

・サステナビリティ委員会を中心とした推進体制の確立

・女性取締役の登用

 

(3)マテリアリティに関する取組

上記に記載したマテリアリティに関する当社グループの取組は以下のとおりです。

 

①気候変動への対応

当社グループは、気候変動が事業活動と中長期的な企業価値に与える影響を重要な経営課題の一つと認識し、サステナビリティ委員会を中心に、気候変動に関するリスクの特定と評価を行っています。

当社グループの事業に影響を及ぼす主な気候変動のリスクとして①異常気象の激甚化による操業停止や物流網への影響、②エネルギー価格の上昇による製造コストの増加、③環境規制の強化による設備投資負担の増加、④取引先からの環境対応要請の高度化などを認識しています。これらについては、発生可能性と財務影響度を定性的に評価し、経営上の重要なリスクとして管理しています。

一方で、気候変動対応は新たな事業機会の創出にもつながると考えており、省資源化・軽量化に資する製品開発、環境配慮型の製品の提供、製造工程の省エネルギー化を通して、顧客価値の向上と競争優位性の確立を図っていきます。

・事業活動における温室効果ガス排出量の把握と削減に向けた取組の推進

・省エネルギー設備の導入および生産効率の向上

・環境負荷低減に資する製品・技術の開発

・サプライチェーン全体を視野に入れた環境配慮の取組強化

これらの施策については、サステナビリティ委員会において進捗管理と評価を行い、経営会議へ報告するとともに、継続的な改善を行っています。今後も持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値向上の両立を目指していきます。

②人的資本に関する取組

当社グループでは、「持続可能な人材育成」と「安心安全な労働環境」を重要なマテリアリティとして位置づけ人的資本経営を推進しています。そのためにも社会のニーズを先取りし、自発的に考え行動する自立型人材の育成を目指しており、従業員持株会を活用した譲渡制限付き株式報酬制度の導入と教育を実行し、株主目線での経営意識の醸成を進めています。また、当社グループは、人材の価値を最大限に引き出すための施策に取り組んでおり、キャリア形成のために資格取得の支援、各研修の整備を推進しています。また、従業員エンゲージメントの向上のために人事制度の見直しを進めており、女性や高齢者、子育て世代、外国人、障がい者などの人権を尊重し、あらゆる人たちが多様で柔軟に働きやすい職場環境整備を進めています。

さらには、既存事業の拡大や新規事業への参入など、当社の事業戦略に合わせて、即戦力として活躍できる「経験者採用」を積極的に行い、内定者フォローなどによる優秀な人材の採用、意欲・能力のある社員の育成とキャリア形成支援の取組を推進しています。

当社グループでは、すべての従業員の人権と多様性を尊重し、一人ひとりが能力を発揮し、成長の喜びを感じられる労働環境を構築します。その一環として、DX推進による業務効率化、プロセスの見直しなどの継続的業務改善に取り組んでいます。また、育児・介護が必要な社員向けの休職や短時間勤務制度にも取り組み、その時々の状況に合わせて無理なく活躍し続けられる環境整備を進めています。今後も、すべての従業員が安定して長く活躍でき、新たな働き方にもチャレンジしやすい環境を目指して改善を図っていきます。

また、安心安全な職場環境の構築に向け、安否確認システムを活用した定期訓練や、首都直下地震を想定した防災・帰宅訓練を実施し、従業員が長期にわたり安心して働ける環境を整備しています。

さらに、2025年度には初めてのエンゲージメントサーベイを実施し、結果の分析をもとに、エンゲージメント向上施策を進めています。また、健康促進イベントとして姿勢測定や自律神経測定なども実施し、従業員の心身の健康維持・向上支援と、組織の活性化や生産向上を図っていきます。

③コーポレート・ガバナンスの強化

 当社グループは、持続的な企業価値向上を実現するため、実効性の高いコーポレート・ガバナンス体制の構築

が不可欠と認識しています。そのため、取締役会による監督機能の強化を図り、経営の透明性、公正性と迅速な

意思決定を重視したガバナンス体制の整備を継続的に取り組んでいます。

 取締役会においては、経営戦略、投資判断、リスク管理およびサステナビリティに関する重要事項について

活発な議論を行い、業務執行に対する監督機能の強化を図っています。これにより、経営判断の質を高め、リス

クの早期把握と適切な対応を可能としています。

 また、内部統制およびリスク管理体制についても継続的な見直しをし、不正防止、法令遵守および業務の適正

性確保を通じて、事業の安定性と信頼性の向上に努めています。これらの取組により、株主・取引先・社会から

信頼される経営基盤の確立を目指しています。

④リスク管理

 当社グループは、サステナビリティ基本方針およびマテリアリティを定めており、サステナビリティ関連のリ

スクの特定に向け個別の検討を進め、リスク管理については、リスク管理委員会を設置し、管理体制を敷いてい

ます。リスク管理委員会では、代表取締役社長を統括責任者として、リスク管理体制の整備や社内啓発活動を行

っており、万が一、リスク事案が発生した場合には、緊急事態の対応区分に応じて、緊急対策本部や現地対策本

部を設置し、迅速かつ的確な対応を実施します。詳細については、「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガ バナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要⑤リスク管理体制の整備の状況」をご参照ください。

⑤サステナビリティ経営の推進

 当社グループは、サステナビリティを経営戦略の根幹と位置づけ、サステナビリティ委員会を中心に、経営会

議や取締役会と密接に連携した推進体制を構築しています。本委員会では、方針策定から進捗管理・評価までを

一貫して行い、その結果を経営判断に直結させることで、環境・社会・ガバナンス(ESG)の取組を経営と一体

化させています。

 具体的には、気候変動対応や人的資本、リスク管理といったマテリアリティのモニタリングを通じた実効性の

向上を図るとともに、温室効果ガス削減や省エネ設備の導入、リユースの推進などにより原料廃棄を最小限に留

め、環境課題の解決に取り組んでいます。

 あわせて、地域貢献や人材育成、安全な労働環境の整備により経営基盤を強化し、現在は企業価値向上に直結

する重要な指標(KPI)と目標の精査を進めており、確定次第速やかに開示いたします。これらの活動を通じ持

続可能な社会の実現と中長期的な企業価値の向上を両立させていきます。

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。また、必ずしも事業上のリスクには該当しない事項についても、投資判断上あるいは当社の事業活動を理解していただく上で重要と考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しています。

 なお、将来に関する部分の記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)業績の変動要因について

①景気変動について

 当社グループのプラスチック成形事業及び成形機事業の業績は、販売先の業績、設備投資動向及び資材等の市場価格や供給状況に大きく影響を受ける傾向があります。当社グループとしては、地道な原価低減活動や調達先の見直し等を継続するとともに、自動化・省人化などの生産技術を積極的に展開し、AIなどの最新技術を取り入れながら、市場の変化に柔軟かつ効率的に対応できる生産体制の構築を目指しています。

②シリコンウェーハの生産動向

 当社グループの主力製品であるシリコンウェーハ出荷容器は、シリコンウェーハメーカーからデバイスメーカーへシリコンウェーハを出荷する際に使用するための容器であり、その需要は、シリコンウェーハの生産動向に影響を受ける可能性があります。中でも、主力製品である300mmシリコンウェーハ出荷容器「FOSB」については、当社グループの売上高に対する比率が高いことから、特に300mmシリコンウェーハの生産量及び出荷量の変動が当社グループの売上高に影響を及ぼすと考えられます。また、デバイスメーカーにおけるリユース回数の増加が当社容器の需要に影響を与える可能性があります。
 当社グループでは、高性能樹脂製品のライン拡大等、コア技術を活用した他分野への展開にも努めています。

③原材料の市況変動等について

 当社グループ製品の多くは、石油化学製品を原材料としておりますが、原油価格及び原料の製造や輸送等にかかる費用の変動により原料価格が影響を受ける恐れがあるため、原油市場の動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、原材料のうち一部は特定の原料メーカーにおける特注グレードのものを使用しております。当該グレードの供給体制に問題が生じた場合は、代替グレードが確保できない、代替グレードへの変更に時間がかかる等の可能性があります。当社としては、代替グレード、他メーカー品の評価を進め、一定期間分の在庫を確保する等の対策を講じておりますが、同事象が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④競合について

 現在のシリコンウェーハ市場は、半導体市場の成長に伴い引き続き拡大が予測されています。そして、当社グループの主力製品である300mmシリコンウェーハ出荷容器「FOSB」の市場においては、当社グループは一定のシェアを確保していますが、市場拡大に伴う新規参入の増加や、同業他社との競争の熾烈化が懸念されます。

 かかる環境下、当社グループとしては、シェアの確保・拡大のため、他社との差別化を図るための製品機能の向上、価格競争力維持を目的とした生産技術の開発及び生産プロセスの効率化を推進しています。しかし、半導体業界の技術進歩は日進月歩であり、競争が激化するマーケットの中で、当社グループの生産技術開発・生産プロセスの効率化の成否によっては、当社グループ製品の優位性の低下をもたらし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤特定販売先への依存度が高いことについて

 当社グループの主要製品であるシリコンウェーハ出荷容器は、シリコンウェーハメーカーに出荷されています。顧客各社とは、基本取引契約書を締結していますが、納入数量、価格等に関する長期納入契約等は締結していません。当社グループは、毎年継続的に製品を各社に販売しており、取引関係は取引開始以来安定しています。当社グループとしては、製品機能の向上を通じて、引き続き、各社との安定取引の継続を図ると共に、広く顧客層の拡大を進めていますが、主要販売先の購買方針によって当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

⑥特定仕入先への依存度が高いことについて

 当社グループの主要仕入先である原料メーカーより、当社製品の原料の多くを仕入れています。同社とは基本取引契約書を締結していますが、長期納入契約は締結していません。同社との取引関係は取引開始以来安定していますが、主要仕入先の販売方針、供給体制に問題が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)その他のリスクについて

①知的財産権等について

 当社グループの事業分野に関する知的財産権については、特許権、意匠権、商標権を取得しています。当該知的財産権に基づく具体的な製品化ノウハウについては当社グループ内に蓄積しているため、知的財産権が侵害されることにより当社グループの業績が重大な影響を受けることは想定されませんが、類似製品が市場に参入してきた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、当社グループは、第三者の特許等を侵害することによる紛争を避けるべく、平素から他社の知的財産権の監視に努めています。しかしながら当社グループの認識の範囲外で、第三者の知的財産権を侵害した場合、当該第三者から権利行使を受け、これが当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

②品質不良等の発生によるリスク

 当社グループは、ISO9001品質マネジメントシステムを採用することで、品質保証と継続的改善体制の確立・運用を推進し、不良発生と流出の防止に努めていますが、現実的にはクレーム発生の可能性を皆無にすることは困難です。また、製造物責任賠償に関しては、PL保険に加入済みですが、大規模なクレームや製造物責任につながる事態が発生した場合には、これらのクレームに対する補償、対策に伴うコストが発生し、当社グループの業績及びブランドの評価に影響を与える可能性があります。

③人材の確保について

 当社グループは、未だ成長の途上であり、高付加価値の製品開発を推進し、事業を拡大していくには人材の確保が不可欠です。かかる認識の下、当社グループでは、製造・技術に精通した人材、営業開拓力に優れた人材等を採用・育成していく方針ですが、適切な時期にこのような人材を採用ないしは育成できなかった場合には、当社グループの業績及び業務運営に支障が生じる可能性があります。
 また、わが国では少子高齢化の影響により、労働人口が減少しています。当社グループでは、生産の自動化による省人化や多様な雇用形態・採用手法による人員確保に努めていますが、生産維持・拡大に必要な人員を確保できなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

④研究開発について

 当社グループでは、既存事業の充実や新規事業のための研究開発費が先行して発生します。適切に検討・承認手続きを取りリスクの回避を進めていますが、研究開発費用を投入したにもかかわらず、その事業が軌道に乗らなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

⑤設備投資について

 当社グループにおいては、新製品開発、生産能力拡大や製品の競争力維持のため、設備投資を行っています。設備投資にあたり、適切に検討・承認手続きを取りリスクの回避を進めていますが、設備投資に対して製品需要が想定を大きく下回った場合、過剰な減価償却費負担、設備除却及び減損により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥自然災害について

 当社グループでは、一部の製品を専用工場で集中生産をしています。このため、地震等の自然災害が発生した場合、当該製品の生産に影響が出る可能性があります。当社グループでは、このような事態に対応するため、同じ生産ラインを複数の工場棟に独立配置する等の対策を講じておりますが、大規模な自然災害が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 また、新たなウイルス等の感染症拡大により、当社グループの生産体制、物流体制、営業活動等の事業活動の継続に支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響をおよぼす可能性があります。なお、当社グループでは、衛生管理や対策マニュアル等の徹底により、感染症拡大予防の対策を強化しています。

⑦地政学的リスクについて

 当社グループでは、世界各地における政治・社会情勢の不安定化や外交関係の緊張、紛争等に起因する地政学的リスクが継続的に存在していると認識しています。具体的には、米中対立の激化による輸出入制限や関税の引き上げ、ロシア・ウクライナ情勢や中東地域における紛争、台湾海峡を巡る緊張の高まりなどが挙げられます。これらの事象が発生または長期化した場合、原材料やエネルギー価格の高騰、サプライチェーンの分断、物流の混乱、送金停止等が生じ、事業活動に支障をきたす可能性があります。
 こうした事態に対応するため、国際情勢の継続的なモニタリング、事業継続計画(BCP)の整備・強化、サプライチェーンの強靭化などの対策を講じておりますが、予測困難な大規模な地政学的変動が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりです。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当社は、新たなステージでの長期ビジョンを実現する第3創業期に向けた土台作りの5年として、2028年度をターゲットとする5カ年の中期成長戦略2028を一昨年策定しました。半導体市場の成長と市場シェア拡大を見据え、安定供給できる体制を構築するため、生産能力増強や自動化等による効率化のための投資を進めています。

 このような経営環境の中、プラスチック成形事業は、ウエーハ在庫調整が底打ちしたとみられるものの、需要の回復はまだらであり、全体として回復は緩やかなものとなりました。成形機事業は、自動車業界の需要の失速等の影響を受け、受注状況が軟調に推移している一方で、部品に関しては安定供給される状況が維持されました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりです。

 

イ 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,693百万円減少し、26,829百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて2,186百万円減少し、3,839百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて493百万円増加し、22,989百万円となりました。

 

ロ 経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高は12,572百万円(前期比10.2%減)、営業利益は511百万円(前期

比64.3%減)、経常利益は590百万円(前期比61.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は606百万円(前期比42.7%減)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は次のとおりです。

 

(プラスチック成形事業)

 当連結会計年度の売上高は11,255百万円(前期比8.6%減)、営業利益は1,068百万円(前期比41.9%減)となりました。

 

(成形機事業)

 当連結会計年度の売上高は1,561百万円(前期比17.6%減)、営業利益は173百万円(前期比36.7%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,771百

万円減少し、4,703百万円となりました。


(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、1,074百万円(前年度は3,336百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益835百万円の計上、減価償却費1,434百万円の計上、仕入債務1,011百万円の減少、棚卸資産120百万円の増加等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、△2,559百万円(前年度は△3,239百万円)となりました。これは有形及び無形固定資産の取得による支出2,554百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、△288百万円(前年度は△386百万円)となりました。これは配当金の支払額271百万円等によるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

プラスチック成形事業

11,028,153

△8.6

成形機事業

1,543,777

△6.7

合計

12,571,931

△8.4

 (注)金額は販売価格によっています。

(b)受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

プラスチック成形事業

12,043,371

0.9

3,733,007

35.2

成形機事業

1,181,040

△31.4

923,625

△25.7

合計

13,224,411

△3.1

4,656,632

16.3

 (注)金額は販売価格によっています。

(c)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

プラスチック成形事業

11,071,611

△8.8

成形機事業

1,500,525

△19.5

合計

12,572,137

△10.2

 (注)1.金額は販売価格によっています。

2.主要な輸出先及び輸出販売高は、次のとおりです。

なお、( )内は販売実績に対する輸出高の割合です。

輸出先

前連結会計年度

(自 2024年2月1日

  至 2025年1月31日)

当連結会計年度

(自 2025年2月1日

  至 2026年1月31日)

 

 金額 (千円)

構成比 (%)

 金額 (千円)

構成比 (%)

 

欧州地域

257,462

3.9

244,299

3.9

 

アメリカ地域

299,435

4.6

502,230

8.1

 

アジア地域

6,022,872

91.5

5,448,598

87.9

 

合計

6,579,770

(     47.0%)

100.0

6,195,128

(     49.3%)

100.0

 

3.主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

(自 2024年2月1日

   至 2025年1月31日)

当連結会計年度

(自 2025年2月1日

   至 2026年1月31日)

 

 金額 (千円)

割合 (%)

 金額 (千円)

割合 (%)

 

丸紅プラックス株式会社

1,780,423

12.7

2,099,618

16.7

 

日本サムスン株式会社

1,585,665

12.6

 

株式会社SUMCO.

1,599,477

11.4

1,459,652

11.6

 

(注)前連結会計年度の日本サムスン株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しています。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a)財政状態の分析

(流動資産)

  当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて2,325百万円減少し、10,603百万円となりました。これは主に、原材料及び貯蔵品の増加123百万円があったものの、現金及び預金の減少1,771百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少364百万円、電子記録債権の減少212百万円があったこと等によるものです。

(固定資産)

  当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べて632百万円増加し、16,225百万円となりました。これは主に、機械装置及び運搬具の増加735百万円、土地の増加483百万円があったこと等によるものです。

(流動負債)

  当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べて2,195百万円減少し、3,296百万円となりました。これは主に、電子記録債務の減少924百万円、その他流動負債の減少874百万円、未払法人税等の減少281百万円があったこと等によるものです。

(固定負債)

  当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べて9百万円増加し、543百万円となりました。これは主に、繰延税金負債の増加105百万円があったこと等によるものです。

(純資産)

  当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて493百万円増加し、22,989百万円となりました。これは主に、配当金の支払271百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益606百万円の計上があったこと等によるものです。

 

(b)経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は12,572百万円(前期比10.2%減)となりました。

 プラスチック成形事業は、需要の回復がまだらであり、全体として回復は緩やかなものとなりました。成形機事業は、受注状況が軟調に推移している一方で、部品に関しては安定供給される状況が維持されました。セグメント別の売上高につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費及び営業利益)

 売上原価は、設備投資に伴う減価償却費の増加があった一方、出荷量の減少に伴う材料費の減少により、前連結会計年度比621百万円減少の10,214百万円となりました。

 販売費及び一般管理費は、端末の入替に伴う支払手数料の増加及び従業員の昇給に伴う人件費の増加により、前連結会計年度比113百万円増加の1,845百万円となりました。

 当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度比64.3%減の511百万円となり、売上高営業利益率は前連結会計年度の10.2%に対して4.1%となりました。

 

(営業外収益(費用)及び経常利益)

 営業外収益は、売電収入、受取配当金等を計上し、93百万円となりました。営業外費用は、減価償却費の計上等により14百万円となりました。

 経常利益は、前連結会計年度比61.1%減の590百万円となり、売上高経常利益率は前連結会計年度の10.8%に対して4.7%となりました。

 

(特別利益(損失)及び税金等調整前当期純利益)

 特別利益は、補助金収入を計上したことにより268百万円となりました。

 特別損失は、減損損失及び固定資産除却損を計上したことにより23百万円となりました。

 その結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比45.5%減の835百万円となりました。

 

(法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益)

 法人税等は229百万円となりました。

 その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比42.7%減の606百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりです。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、プラスチック成形事業、成形機事業における原材料の仕入や製造経費、販売費および一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものです。

 短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としています。

 なお、当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は28百万円となっています。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,703百万円となっています。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りによる判断が含まれておりますが、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。

(a) 固定資産の減損処理

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し減損損失として計上しています。
 減損損失の認識及び測定にあたり、その時点における合理的な情報等を基に将来キャッシュ・フローの見積りを行っておりますが、事業計画や経営環境の悪化等により、その見積りの前提とした条件や仮定に変動が生じ回収可能価額が減少した場合、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。

(b) 繰延税金資産の回収可能性の評価

 繰延税金資産については、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しています。しかし、繰延税金資産の回収可能見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しまたは追加計上により利益が変動する可能性があります。

 

④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは「売上高」「営業利益率」「自己資本利益率」を重要な指標として位置付けています。当連結会計年度における連結売上高は12,572百万円(前連結会計年度比10.2%減)、営業利益率は4.1%(前連結会計年度比6.1ポイント減)、自己資本利益率は2.7%(前連結会計年度比2.1ポイント減)となりました。引き続きこれらの指標が改善されるように取り組んでまいります。

5【重要な契約等】

(1)販売委託契約

契約会社名

相手先

契約名

契約内容

契約期間

ミライアル(株)

(当社)

丸紅プラックス株式会社

取引基本契約

当社製造・販売に係る各種ウェーハ容器及びその付属部品販売に関する契約

 自 2019年2月1日

 至 2020年1月31日

(以降1年毎に自動更新)

 

  (2)株式取得(完全子会社化)及び特定子会社の異動

   当社は、2026年4月20日開催の取締役会において、布谷舶用計器工業株式会社の株式を100%取得し完全子会社化

  することについて決議しました。また、同日付で株式譲渡契約を締結しました。

   詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」

  に記載の通りです。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、成形機・金型・成形品それぞれの製造ノウハウを有することで、高付加価値のプラスチック成形に必要なバリューシステムを構築しています。個々の基盤技術を有機的に組み合わせ、既成概念にとらわれることなく自由な発想でお客様に新しい価値をお届けすることが当社グループの研究開発の基本方針であり、使命と考えています。
 研究開発の推進体制としては、最先端技術の進歩をお客様への価値にスピーディに変換し、いち早く高付加価値製品としてお届けするために、グループ内の連携を強化する体制を構築しています。また、研究開発の推進にあたっては、企業・大学などとのアライアンスを積極化し、より幅広い分野への挑戦と開発のスピードアップを図っています。
 最近の研究開発の取り組み状況は以下のとおりです。

(1)プラスチック成形事業

<最先端ニーズを満たすシリコンウェーハ出荷容器の開発>

 半導体製造プロセスの技術革新、特に微細化の進展により、当社の主力製品であるシリコンウェーハ出荷容器に要求される性能は年々多様化かつ高度化しています。お客様の多様なご要望に応えながら、次世代の出荷容器を実現するための要素技術開発にも取り組んでいます。

 

<シリコンウェーハ工程内容器及びその他のユーザー仕様品の開発>

 シリコンウェーハ出荷容器「FOSB」同様、シリコンウェーハ工程内容器「FOUP」でも要求される性能が年々多様化かつ高度化しています。現行品の継続的な改良と並行して、新規材料の採用や新規機能の実装など、次世代の出荷容器を実現するための要素技術開発に取り組んでいます。

 200mm以下の工程内カセット/ボックスについても、特定ユーザー向けの特殊仕様品の開発を継続しています。

 

<高機能プラスチック樹脂の選定・開発>

 原料である高機能樹脂に関しては、原料メーカーとの共同作業を通じて既存グレードの改良と新グレードの開発を継続的に進めています。これと並行して、社内でも材料に関する研究を行っており、既存製品の品質向上はもちろんのこと、新製品・新分野への応用展開も図って参ります。

 当セグメントに係る研究開発費は、23,607千円です。

 

(2)成形機事業

 株式会社山城精機製作所は、顧客ニーズの高度化および市場環境の変化に対応するため、成形機および関連技術の研究開発に継続的に取り組んでいます。当期におきましては、熱硬化性樹脂成形分野における高付加価値製品への対応を目的として、成形プロセスの高度化および制御技術の改良を推進しました。また、環境負荷低減への対応として、省電力化および材料使用効率の向上に関する技術開発にも注力しています。さらに、設計業務の効率化および品質向上を目的に、デジタル技術やAIの活用による設計支援体制の構築を進めています。

 当セグメントに係る研究開発費は、22,058千円です。

 

以上を合わせて、当連結会計年度における研究開発費の総額は45,666千円となりました。