当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「2100年、空き家ゼロ」というミッションのもと、日本の空き家問題の解決を目指し、主に自社WEBメディアを通して集客した、空き家を手放したい持ち主から空き家を買取り、空き家を活用したい買い手へ販売する、空き家マッチング事業を日本全国で運営しています。
(2)経営環境
日本の空き家は、1978年から5年ごとの推移で増加し続けており、2018年から2023年にかけては51万戸増加し900万戸となり、そのうち当社が主に取り扱う、使われていない空き家は、37万戸増加し385万戸あるとされています(総務省:「令和5年住宅・土地統計調査」)。
当社における仕入先となる、空き家を手放したい持ち主(以下、「売主」)にフォーカスすると、2026年1月度における65歳以上人口は3,621万人(総務省:人口推計 2026年2月報、概算値)であり、今後も日本全国で相続が行われる機会が相当数見込まれることから、相続した物件を持て余すことで空き家を手放したいという需要も比例して増加することが予想されます。
一方で、当社における販売先となる、空き家を活用したい買い手(以下、「買主」)を含む国内の個人投資家の動向に目を向けると、国内の個人株主数は2019年から2024年の5年間でおよそ240万人増加し1,599万人、保有銘柄数は4.17から5.23へとなっていることから、総数の増加とともに投資先の分散傾向が見られます(日本証券業協会:2025年7月16日公表 個人株主の動向について)。また、2019年7月に国土交通省が公表した「個人投資家への不動産投資に関するアンケート調査」では、不動産投資の経験者は12.6%であることから、言い換えると個人投資家の87.4%が不動産投資市場における伸びしろであると考えています。
(3)経営戦略及び対処すべき課題等
当社は、次の事項を当面の成長戦略に据えており、これらに基づいたアクションを実施していくことで、企業価値の向上を図ってまいります。
①既存事業の拡大
・オフライン広告、自治体提携等により更なるリード余力の獲得
・採用~育成~新規支店の出店を通じた営業人員の増加
②AI活用
・AIを利用した営業人員の生産性向上による一人当たりリード数の増加
③新たな販路、収益の獲得
・買取り物件を活用した民泊、賃貸物件運営による収益獲得
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、仕入決済数、販売件数、支店数および半期末の在庫残高を重視しております。
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項目 |
前事業年度 |
当事業年度 |
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上半期 (自 2024年1月1日 至 2024年6月30日) |
下半期 (自 2024年7月1日 至 2024年12月31日) |
上半期 (自 2025年1月1日 至 2025年6月30日) |
下半期 (自 2025年7月1日 至 2025年12月31日) |
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① 仕入決済数 |
503件 |
799件 |
1,051件 |
1,533件 |
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② 販売件数 |
486件 |
794件 |
1,026件 |
1,506件 |
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③ 支店数 |
8支店 |
12支店 |
16支店 |
19支店 |
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④ 半期末の在庫残高 |
841百万円 |
719百万円 |
789百万円 |
901百万円 |
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(サステナビリティに関する考え方)
当社は、社会問題化していた「空き家問題」の解決の一助になるべく、空き家などの流動性が低い不動産やさまざまな瑕疵を負った訳あり物件の買取再販業を行っております。当社は、全国の自治体と空き家の有効活用に向けた包括連携協定を締結しております。2025年12月末現在では、全国25市町村の自治体と包括連携協定を締結しております。全国の空き家の有効活用を行うべく、地域社会の課題解決にも取り組んでいます。
(サステナビリティへの取り組み)
(1)ガバナンス
当社はサステナビリティに関する重要な課題の特定、見直し、進捗管理については、部長以上が参加する経営会議にて審議され、取締役会に報告・提言を行っています。取締役会での審議結果は経営戦略やリスク管理・評価に反映され、各部門に周知されてサステナビリティ経営を推し進めてまいります。
(2)リスク管理
当社のリスク管理は、「リスク・コンプライアンス管理規程」においてリスクマネジメントに関する基本的な事項を定めています。
具体的には、代表取締役を委員長とする「リスク・コンプライアンス委員会」を設置し、原則として年4回、委員会を開催してリスクの認識・評価、対応策の検討を行っております。その結果は、必要に応じて、取締役会に報告しております。
(3)戦略
当社の戦略上重要なサステナビリティに関する課題(マテリアリティ)は以下の通りです。
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マテリアリティ |
課題項目 |
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社会問題の解決 |
全国的な空き家問題の解決 |
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地域活性化 |
全国の地方公共団体との連携強化をすることで、空き家対策の強化 |
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人的資本に関する強化 |
女性が活躍しやすい組織風土の醸成と人材育成のための各種研修や資格取得支援制度の拡充 |
(4)指標及び目標
投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
なお、文中の将来に関する事項は本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生する可能性があるリスクのすべてを網羅するものではありません。
(1)検索エンジンへの対応について(発生可能性:高、影響度:大)
当社が集客のために運営しているWEBメディアには、インターネット上の検索エンジンを利用して多くの物件売却希望者が流入しています。検索エンジンのアルゴリズムは多くの場合予告なく変更され、変更後には検索順位の変動が見込まれることから、検索エンジンからの流入に依存することにはリスクがあります。
当社は、リスティング広告やテレビCM等、流入経路の多様化を図ることで検索エンジンに依存しない体制の整備に努めていますが、今後、検索エンジンのアルゴリズムが変更され、変更への対応が遅れた場合には、集客数が減少すること等により当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)人材の確保について(発生可能性:高、影響度:大)
当社の継続的な事業拡大のためには、質量ともに十分な人材の確保が重要と考えています。
そのため、新卒採用やリファラル採用制度の拡充等により量を確保するとともに、研修制度の強化、業務の標準化・マニュアル化やAIの導入・利用拡大により質を確保することに努めていますが、求人倍率の上昇や当社事業の競争力低下等により十分な人材が確保できない場合には、計画通りに新規支店の出店ができないこと等により当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)宅地建物取引士の資格保有者の採用(発生可能性:中、影響度:大)
当社は、宅地建物取引業法に基づき、事業所ごとに法定の割合で常勤・専任の宅地建物取引士を設置する義務を負っています。
当社は、資格未保有の従業員に対して無償での教材提供、受験料の会社負担、又、資格保有者に対する手当支給等により資格保有者の確保に努めていますが、資格保有者は採用市場でも限られていることから採用難易度は一定高く、又、従業員の資格取得が順調に進まない等により、有資格者の必要数が確保できない場合には、計画通りに新規出店ができない、又、既存支店の業務運営に支障が生じる等により当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制について(発生可能性:低、影響度:中)
当社は、宅地建物取引業法に基づく免許を得て、事業活動を行っています。
当該免許は当社事業の根幹となるものであることから当然に、又、その他関連法令についても改正や改廃の有無を適時にモニタリングできる体制を整備するとともに、業界団体を通じた情報収集を行っています。
本書提出日現在、当該免許が取り消しとなる事由やその他法令違反は発生しておりませんが、何らかの事由により免許が取り消しになる、又、関連法令の新設・改廃により新たな法的規制が設けられた場合には、当社の事業運営に支障が生じる等により当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
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免許、許可、登録等の別 |
有効期間 |
関連する法律 |
登録等の交付者 |
取り消し条項 |
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宅地建物取引業者免許 国土交通大臣(1)第10112号 |
2022年3月9日 から 2027年3月8日 |
宅地建物取引業法 |
国土交通大臣 |
同法第5条 及び第66条 |
また、当社は、「第1企業の概況 3事業の内容」に記載の通り、三為取引及び有料引取取引を行っています。これらの取引については、顧問弁護士と連携の上、適法に取引を行っていますが、関連法令の新設・改廃により新たな法的規制が設けられた場合には、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)中古住宅に関する各種政策等による影響について(発生可能性:中、影響度:中)
当社は、訳あり不動産を取り扱っていることから、新築住宅ではなく中古住宅が主な商材となります。
中古住宅に関しては、国土交通省が提唱する「フローからストックへ」や全国的な空き家問題を背景に、政府や地方自治体による各種政策が導入されています。これらの政策は中古住宅市場全体の活性を促す一方で、新規参入事業者を増加させる側面があることから、当社における仕入及び販売競争を激化させ、又、消費者意識の変化により当社が提供する商材に対する消費者ニーズを厳格化させる可能性があります。
当社は、マーケティング力を活かした仕入効率の向上、継続的な新規支店の出店、業務のAI化による生産性の向上等を通じて、競合優位性の強化に取り組んでまいりますが、これらの取り組みが想定通りの成果を発揮しない場合には、仕入・販売競争の激化により粗利率の低下や顧客ニーズに応える商材が確保できない、又、生産性向上が実現できない、生産性向上のための追加費用が発生する等により当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)仕入について(発生可能性:低、影響度:中)
当社は、マーケティング力を強みとしつつ、日本全国に支店網を張り巡らすことで仕入に関する競争力の強化に努めています。また、日本の空き家は、過去数十年にわたって増加し続けており、本書提出日現在においても減少傾向は見られないことから、仕入余力は十分にあるものと考えていますが、空き家を含む不動産市況の変化や競合他社の増加、または何らかの事由により空き家自体が減少することがあった場合には、仕入価格の上昇による粗利率の低下や仕入機会の減少等により当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)競合について(発生可能性:中、影響度:中)
不動産業界は、一般的に参入障壁が低いこともあり、業界自体はもちろんのこと、当社が属する中古住宅の分野においても多くの競合他社が存在しています。
当社は、「3 事業の内容」に記載する取り組みを継続、強化することで競合優位性の確保に努めていますが、競合他社の動向によっては、仕入・販売競争が激化し、粗利率が低下する等により当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)景気動向及び不動産市況について(発生可能性:中、影響度:中)
不動産業界は、一般的に景気動向、金利動向、地価動向及び税制等の経済状況の影響を受けやすく、また主な物件購入者である個人投資家は賃貸相場や金融機関の融資動向による影響を受けます。
当社は、このような外部環境の変化について定期的に分析し、販売価格や販売時期の見直しを行う柔軟な体制を整えることでリスクの抑制に努めていますが、何らかの事由より購入者の需要が悪化した場合には、粗利率の低下や販売停滞による在庫の増加等により当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9)不動産に係る税制について(発生可能性:低、影響度:中)
当社が取り扱う不動産は、その取得及び保有において、不動産取得税、固定資産税及び都市計画税等、様々な課税の対象となり、政策や経済状況に応じて課税要件や税率が変更されることがあります。
そのため、何らかの事由により不動産に係る税制が改正され、当社の税負担が増加した場合には、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10)自然災害、人為的災等について(発生可能性:中、影響度:小)
火災その他自然災害、事故やテロ等の人為的災害が発生した場合、当社が所有する在庫が滅失、毀損又は劣化することがあります。
当社は、原則として保有する物件に対して火災保険を付保することで一定のリスクヘッジを図っていますが、保険でカバーできない範囲の被害が生じた場合には、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(11)売上計上時期の集中及びそれに伴う収益発生時期の偏重リスクについて(発生可能性:高、影響度:中)
当社は、営業担当者個々人の半期ごとの成果に応じた歩合賞与を支給するインセンティブ制度を導入しています。これは、期間中の成果に対して累進で歩合率が上昇する設計としていることから、その性質上、第2四半期及び第4四半期の最終月に買主への物件の引渡し日が集中しており、売上高及び各段階利益の計上も同様に偏重しています。
特に事業年度末月である12月にその傾向が顕著に表れているため、何らかの事由で買主への物件の引渡しが月内に完了せずに決算月末日以降にずれ込んだ場合、第4四半期に見込んでいた売上高及び各段階利益の計上が翌事業年度にずれ込む可能性があります。
(12)在庫リスクについて(発生可能性:中、影響度:中)
当社は、資金効率の向上を目的に、棚卸資産回転期間(在庫の保有期間)の短期化を図っています。
具体的には、三為取引を推進し、仕入決済と同日に販売決済を行うことで在庫保有期間を極小化するとともに、業務システムにより販売活動の計画、実績の乖離を適時に把握することで、販売戦略、販売価格の見直しを適時に行える体制を整備しています。
しかしながら、市況の悪化等により想定する価格で販売できない、在庫の保有期間が長期化する場合には、さらなる販売価格の見直しや資金効率の低下等により当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(13)有利子負債の依存及び資金調達について(発生可能性:中、影響度:中)
当社は、仕入資金を自己資金に加えて金融機関からの借入によって調達しているため、有利子負債への依存度は比較的高い水準にあります。
当社は、定期的に財務モニタリングを行うとともに、有利子負債比率やコスト効率の適正化に努めることで自己資本の充実に注力していますが、何らかの事由により当社の信用力が低下したり、金融環境の変化等があった場合には、資金調達が困難になる、又、金利負担が増加する等により当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、有利子負債比率は、2023年12月期事業年度末58.0%、2024年12月期事業年度末44.3%、2025年12月期事業年度末は42.0%です。
(14)資金繰りに関するリスク(発生可能性:中、影響度:中)
当社は、三為取引を活用することで保有在庫の最小化を図っていますが、多額の資金を要する在庫を保有することがあり、それに伴って資金が長期的に固定化する場合があります。
当社は、キャッシュフロー管理を徹底し、有利子負債や在庫回転の状況を考慮して運転資金を確保する体制を整えていますが、当該事案が集中した場合には、有利子負債及び金利負担が増加する等により当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(15)資金使途に関するリスク(発生可能性:中、影響度:小)
当社の公募増資による調達資金は、採用費や広告宣伝費等に充当する予定であります。しかしながら、急激な事業環境等の変化により、計画外の資金使用の可能性や、計画通りの資金使用を行ったとしても想定通りの投資効果が得られない可能性があります。
(16)訴訟等について(発生可能性:高、影響度:小)
当社は、訳あり物件を多く取り扱う不動産会社であるため、一般的な不動産会社と比較して、訴訟に発展する可能性が高い傾向にあります。特に、法律的瑕疵に含まれる共有持分化している物件については、共有者への当社持分の販売、当社への売却等の交渉が不調に終わった場合、当社が原告となり、共有物分割請求を提起することが多くあります。そのため、当社が販売する不動産に関する物件情報については、宅地建物取引業法やその他関係法令の規制に抵触しない表現となるよう、十分に確認した上で提供しています。また、潜在的なトラブルを未然に防ぐため、物件に関する詳細なヒアリングを徹底し、さらに契約書には細心の注意を払い、都度内容を改善して明記することで、透明性と正確性の向上に努めています。
一方で、現時点において当社が被告として係争中の案件は複数件あるものの、現時点でいずれも金額的な重要性はないものと認識していますが、予期せぬトラブルにより、取引先または顧客等による訴訟提起やその他の請求が発生する可能性はあり、これらの訴訟等の内容及び結果が重大なものであった場合には、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(17)契約不適合について(発生可能性:高、影響度:小)
当社は訳あり物件に注力して事業活動を行っていることから、その性質上、契約不適合責任が生じることがあります。
当社は、仕入に際して可能な範囲で物件の調査を行いますが、例えば地中埋設物、土壌汚染、構造上の欠陥等は通常の調査では判明しない場合があり、買主への物件引き渡し後に判明することがあります。これらの契約不適合が判明した場合は、当社は売主として、買主に対して補修、代替物の引き渡し、代金の減額、損害賠償又は契約解除等の責任を負うこととなりますが、これらの責任を履行するための費用が取引による利益を上回ることがあるため、該当する事象が多数に及ぶ場合には、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(18)特定の経営者への依存について(発生可能性:低、影響度:大)
当社の代表取締役である河田憲二は、経験、知識、独自のノウハウ及び国内外のネットワークを有し、当社における経営判断と業務執行において重要な役割を果たしています。
当社は、事業規模の拡大に応じて権限移譲を進めるとともに、同氏に依存することのない組織的な運営体制の整備に努めていますが、未だ同氏が担う役割は大きいため、何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することが困難となった場合には、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(19)個人情報等の管理について(発生可能性:中、影響度:中)
当社は、事業活動を通じて、個人情報等の重要な情報を多数取り扱っています。
そのため、情報漏洩を未然に防止することを目的に「個人情報の保護に関する法律」に基づいた社内規程の整備、管理体制を整備し、役職員等に対して個人情報保護に係る指導を定期的に実施しています。また、アクセス権限管理やセキュリティシステムの導入・更新を漏れなく行うことでシステム面での対策も行っています。
しかしながら、人為的なミスや内外からの不正又はサイバー攻撃により当社が保有する個人情報等が漏洩した場合には、当社の信用力が低下し事業活動に支障が生じる、多額の損害賠償責任が生じる等により当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(20)新規事業について(発生可能性:中、影響度:中)
当社は、持続的な成長のため新たな事業分野への進出を検討しています。
新規事業の開始に際しては、事前に十分な市場及び競合調査や投資額の見積もり、回収可能性の蓋然性の検証等を行うこととしていますが、何らかの事由により計画通りに進捗しない場合には、投資額が想定を上回る、投資額を回収できない等により当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(21)大株主の状況に関するリスク(発生可能性:低、影響度:大)
当社の代表取締役である河田憲二は、現時点で安定株主であると認識していますが、今後、同氏により当社株式が売却された場合には、当社株式の市場価格や流動性に影響を及ぼす可能性があります。
なお、本書提出日現在における当社発行済株式総数の53.8%を同氏が保有しています。
(22)新株予約権行使に伴う株主価値の希薄化(発生可能性:高、影響度:小)
当社は、当社の役職員に対するインセンティブを目的とした新株予約権を付与しており、今後新たに新株予約権を付与する可能性があります。
当社は、事業成長等を通じて持続的な企業価値向上に努めてまいりますが、今後、これらの新株予約権が行使された場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。
なお、本書提出日現在における新株予約権にかかる潜在株式は1,294,640株であり、発行済株式総数8,183,600株の15.8%に相当します。
(23)配当政策について(発生可能性:低、影響度:中)
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つに位置付けています。
当社は、成長拡大の過程にあることから、内部留保の充実を図り、財務体質の強化と事業拡大に向けた投資を行い、更なる成長拡大を実現することで企業価値を向上させていくことが、現時点における株主に対する利益還元であると考えています。そのため、会社設立以来、配当を実施していませんが、将来的に財政状態、経営成績及び今後の事業計画を勘案し、内部留保とのバランスを図りながら利益還元の方法としての配当の実施を検討する方針です。なお、現時点において配当の実施及び時期等については未定です。
(24)当社株式の流動性について(発生可能性:低、影響度:小)
当社は、当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は2025年12月末時点において28.25%となっています。
今後は、既存株主への一部売出しの要請、新株予約権の行使による流通株式数の増加等により流動性の向上を図っていく方針ですが、何らかの事情により流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は4,589,842千円となり、前事業年度末に比べ2,371,709千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が2,092,066千円、販売用不動産が242,225千円増加したことによるものであります。
固定資産は670,514千円となり、前事業年度末に比べ242,012千円増加いたしました。これは主に繰延税金資産が146,461千円、有形固定資産が51,638千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、5,260,357千円となり、前事業年度末に比べ2,613,722千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は1,587,005千円となり、前事業年度末に比べ616,933千円増加いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が362,900千円、未払法人税等が249,936千円増加、短期借入金が194,546千円減少したことによるものであります。
固定負債は1,657,211千円となり、前事業年度末に比べ891,063千円増加いたしました。これは主に長期借入金が916,786千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は3,244,217千円となり、前事業年度末に比べ1,507,996千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,016,140千円となり、前事業年度末に比べ1,105,725千円増加いたしました。これは当期純利益981,647千円、新株の発行による資本金の増加61,890千円及び資本剰余金の増加61,890千円によるものであります。
この結果、自己資本比率は、38.3%(前事業年度末は34.4%)となりました。
② 経営成績の状況
当社は、「2100年、空き家ゼロ」というミッションのもと、日本の空き家問題の解決を目指し、主に自社WEBメディアを通じて集客した、空き家を手放したい持ち主から空き家を買取り、空き家を活用したい買い手へ販売する、空き家マッチング事業を日本全国で運営しています。
なお、当事業年度末より、投資家の皆様に事業の実態をより正確に把握していただくことを目的に、セグメント名称を不動産事業から空き家マッチング事業へ変更しています。
当事業年度においては、売主及び買主との対面でのコンタクト増加と速やかに物件現地を訪問できる体制の整備を目的に2025年1月に熊本支店、京都支店、神戸三宮支店を、3月に立川支店、7月に岡山支店、広島支店、仙台支店を開設することで、全国19の支店網となりました。
また、各自治体の課題解決に協力するとともに当社における仕入チャネルを拡大することを目的に2025年1月に千葉県市原市(6月に空き家管理活用支援法人に指定)、2月に新潟県小千谷市、茨城県土浦市、千葉県睦沢町、3月に長野県信濃町、北海道松前町、岩手県宮古市、4月に新潟県弥彦村、6月に千葉県君津市、熊本県和水町、7月に鹿児島県指宿市、埼玉県狭山市、福岡県大川市、8月に山梨県大月市、10月に埼玉県嵐山町、奈良県葛城市、12月に愛知県美浜町、山口県萩市とそれぞれ空き家対策の推進等に関する連携協定を締結しました。さらに、5月に長野県上田市、10月に鳥取県江府町より空き家管理活用支援法人に指定されたことで、全国25自治体と連携するに至りました。
その結果、当事業年度の経営成績は、売上高8,191,248千円(前年同期比50.6%増)、営業利益1,311,446千円(前年同期比137.2%増)、経常利益1,263,449千円(前年同期比142.1%増)、当期純利益981,647千円(前年同期比159.6%増)となりました。
なお、当社は空き家マッチング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しています。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は1,105,544千円(前事業年度は859,599千円増加)となりました。これは主に税引前当期純利益1,263,449千円などにより増加したものの、棚卸資産の増加額183,632千円などにより減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は145,280千円(前事業年度は221,707千円減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出92,856千円などにより減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は1,131,800千円(前事業年度は43,710千円減少)となりました。これは主に長期借入れによる収入1,695,281千円などにより増加したものの、長期借入金の返済による支出440,313千円などにより減少したことによるものであります。
この結果、現金及び現金同等物の期末残高は2,092,064千円増加して3,497,606千円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。なお、当社の事業セグメントは空き家マッチング事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略し、事業区分別に記載しております。
なお、その他不動産関連の内容は、有料引取取引および不動産賃貸、民泊運営等であります。
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区分 |
当事業年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
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販売高(千円) |
前年同期比(%) |
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不動産売買取引 |
6,613,141 |
135.6 |
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その他不動産関連取引 |
1,578,106 |
281.0 |
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合計 |
8,191,248 |
150.6 |
(注)主な相手先別の販売実績については、売上高の10%以上に該当する販売先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
(売上高)
当事業年度において売上高は8,191,248千円(前年同期比50.6%増)となりました。これは営業人員の拡大に伴い取扱い物件が増加したことにより、物件販売件数が増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は3,712,044千円(前年同期比23.1%増)となりました。これは販売件数の増加に伴い販売用不動産の取得費が増加したこと等によるものであります。この結果、売上総利益は4,479,203千円(前年同期比84.7%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は3,167,756千円(前年同期比69.2%増)となりました。これは人員の拡大に伴う人件費等の増加及び広告宣伝費の増加によるものであります。この結果、営業利益は1,311,446千円(前年同期比137.2%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は15,594千円(前年同期比270.2%増)、営業外費用は63,591千円(前年同期比79.5%増)となりました。この結果、経常利益は1,263,449千円(前年同期比142.1%増)となりました。
(特別利益、特別損失、当期純利益)
特別利益、特別損失の計上はなく、法人税等281,801千円(前年同期比96.3%増)を計上した結果、当期純利益は981,647千円(前年同期比159.6%増)となりました。
b.財政状態の分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」をご参照ください。
c.キャッシュ・フローの分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(3)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の資本の財源および資金の流動性につきましては、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金需要のうち主なものは、販売用不動産の仕入に係る費用であります。当該販売用不動産等を担保とした金融機関からの借入金等および営業活動で獲得した資金によって充当しております。
資金調達に係る流動性リスクについては、各部署からの報告に基づき経理部が適時に資金繰計画を作成・更新するとともに、手元流動性の維持などにより流動性リスクを管理しております。また、取引金融機関との関係強化に努め、資金調達手段の多様化を図っております。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
(5)経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
(6)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
当社は、持続的な成長と企業価値の最大化を目指し、以下の主要な指標をもとに経営目標の達成状況を評価しております。過年度におけるこれら指標の推移については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。
①仕入決済数
不動産買取再販事業拡大のためには仕入活動が最重要と考えております。
将来の販売件数の先行指標および仕入活動の成果を評価する指標として、仕入決済数を重視しております。
リードの増加および対応する営業人員の増加を背景に順調に増加しております。
②販売件数
販売件数が売上高および売上総利益の計上件数に直結するため、重要と考えております。
空き家投資に関するニーズの高まりを背景に仕入決済数の増加に応じて順調に増加しております。
③支店数
WEBマーケティグにより獲得した全国のリードに対して効率的な仕入営業を行っていくために重要と考えております。
支店開設計画に沿って予定通り進捗しております。
④半期末ごとの在庫残高
基本的に、仕入決済が完了しており、販売が完了していない物件が在庫残高に計上されるため、資金効率を図るための指標として重要と考えております。
三為取引の積極的な活用により、売上高の増加に対して半期末ごとの在庫残高は抑制できております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。