当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営理念及び会社方針
(経 営 理 念)
「感謝」 「感動」 「共感」
・私達は、人と地球の健康に貢献し続けます。
・私達は、お客様から信頼され、感動を提供し続けます。
・私達は、明るく元気で、あたたかい会社づくりに挑戦し続けます。
・私達は、適正な利益の確保、健全な経営を維持し続けます。
・私達は、「ありがとう」を合言葉に、互いを認め、成長し続けます。
(会 社 方 針)
私達は、先進的なテクノロジーを活用し、国民の健康レベル向上に貢献する、
世の中に無くてはならない企業になります。
私達は、仕事を通じて幸せになれる企業を目指します。
(PURPOSE)
デジタルで日本の医療・介護の現場を支える会社
<解説>
医療・介護従事者は人を救う。では、医療・介護従事者を救うのは誰だろう。日本のお医者さんは優秀です。看護師さんも優秀です。薬剤師さんも介護士さんも優秀です。その事実を、私たちは誇りに思っていい。けれど、その力や勤勉さや優しさは、もっと豊かな結果を出せるはず。もっと患者さんのためになれるはず。EMシステムズは、そう思うのです。世界に誇れる医療・介護従事者のみなさんの力、勤勉さ、優しさをつなぐことで、日本の医療・介護は、きっと進化します。私たちはEMシステムズ。デジタルで、この国の医療・介護の現場を支えてゆきます。
(2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
少子高齢化社会において、医療・介護/福祉業界の改革が急務となっており、感染症対策や医療DX活用等、医療・介護/福祉従事者においては、より一層地域住民に対する重要な役割が期待されております。
政府は、医療DXの推進を行う方針を示しており、その中においては、マイナンバーカードを活用したオンライン資格確認システムや電子処方箋システムの導入が進められ、さらに医療情報のデジタル化が進み、ICTを活用することで、介護/福祉を含めた他職種での情報連携に対するニーズが引き続き高まることが予想されます。
また、診療報酬改定でも医療従事者に対する処遇改善や医療DXに対応した加算が整備される等、薬局において対物業務から対人業務へのシフトが進み、患者に寄り添うサービスが求められるとともにDXへの対応も求められています。
このような状況のもと、当社グループといたしましては、長期ビジョン実現に向けた基盤構築を目指し、2027年度を最終年度とする新中期経営計画を策定しました。本計画では、収益性及び資本効率の改善、調剤領域におけるウォレットシェア拡大、医科領域における市場シェア拡大、介護/福祉領域における黒字化の達成を掲げています。具体的には、収益性及び資本効率の改善として、2027年12月期のROEを17%に引き上げます。セグメント別では、調剤システム事業において、経営に関するオプション機能の拡充と価格の適正化などによる収益性の向上、医科システム事業において、クラウドの強みを活かした製品開発や代理店網の拡大を通じたシェア拡大、介護/福祉システム事業において、サービスラインナップの拡充と業務効率化による黒字化を目指します。
また、長期ビジョンとして掲げる「医療と介護の連携によるシナジー創出」の実現に向け、新中期経営計画を「強い土台作り」の期間と位置付け取り組んでいます。具体的には、収益性と資本効率の改善を最優先に、各事業セグメントの収益基盤をより強固なものにしていきます。同時に、40年以上にわたる医療DXのノウハウを活用した行政対応や、M&Aやアライアンスを積極的に検討し持続的な成長を実現する事業ポートフォリオ構築を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
<サステナビリティ基本方針>
・今より一歩、よりよい明日へ
当社グループでは、医療機関(クリニック・保険薬局)、介護/福祉業界向けのシステム開発・販売・保守を主業としております。人々の安全・安心な暮らしを支え「人と地球の健康に貢献し続ける企業」としてステークホルダーの皆様との対話を深めながら、脱炭素社会の実現や、より一層働きやすい組織・会社づくりに取り組んでおります。
①ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視・管理する体制を構築するため、2021年7月に代表取締役社長を委員長とし、各部門長で構成される「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。本委員会は原則として年2回開催され、気候変動や人的資本を含むサステナビリティ全般に関するマテリアリティの特定、KPIの策定、および施策の進捗状況の審議・評価を行っております。取締役会は、サステナビリティ関連の事項を経営上の重要課題と位置づけ、本委員会から定期的に報告・提言を受けることで、重要事項の審議・決定および施策の実行状況を監督しております。また、気候変動関連や人的資本関連の特定のリスク及び機会についても、全般的なガバナンス体制の中で、取締役会が最終的な責任を持ってこれらを監視し、適切な管理が行われるよう監督しております。
②戦略
当社グループは、社会情勢の急速な変化および医療・介護業界におけるDX需要の加速、ならびに2025年度を初年度とする中期経営計画の立案を機に、過去に策定したマテリアリティの見直しを実施しました。各種KPIの活動実績を評価した上で、より具体的かつ実効性の高い取り組みへと深化させるべく、2025年7月にマテリアリティ(重要課題)の見直しと長期目標の再策定を実施いたしました。
今回の再策定にあたっては、2021年時点の項目をベースとしつつ、社会情勢の変化を精査いたしました。特に「AI(人工知能)の活用」といった先端技術の進展を、将来の価値創造に向けた重要な外部環境要因として検討プロセスに含めております。特定プロセスにおいては、国際的なサステナビリティ基準や社会情勢、ステークホルダーからの要請等を踏まえた「社会にとっての重要度・影響度」と、中期経営計画の戦略目標に基づいた「当社グループの事業経営に与える重要度・影響度」の二軸によるマテリアリティマップを作成し、経営陣の議論を通じてサステナビリティ委員会において優先順位を再評価いたしました。このプロセスを経て再定義された以下の3つのマテリアリティを、中期経営計画の重点施策である「持続可能なシステム構築」「人的資本経営の更なる推進」と密接に連動させることで、事業成長が直接的に社会課題の解決に寄与する経営体制を強化しております。
<マテリアリティ(重要課題)>
1.医療・介護の未来を拓くデジタルソリューション
2.信頼を築く安全な情報基盤とガバナンス
3.持続的成長を支える人と地球の健康
③リスク管理
当社グループは、サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別・評価・管理するためのプロセスを、全社的なリスク管理体制の中に統合しております。
当社のサステナビリティに関する取組につきましては、経営戦略本部長を責任者として、経営戦略本部 経営戦略課内にサステナビリティ担当者を配置し、中長期的な経営戦略や中期経営計画の立案とあわせて一体的に推進する体制をとっております。具体的な過程としては、同課において、国際的なガイドラインやステークホルダーからの要請、経営環境の変化を多角的に精査することで、リスク及び機会の識別・評価の原案を作成いたします。
識別されたリスク及び機会については、事業経営への影響度と発生可能性の二軸により評価・優先順位付けを行い、それに対する対応策や成長戦略を策定した上で、サステナビリティ委員会において審議いたします。これらの管理状況については、サステナビリティ委員会において定期的にモニタリングを実施し、その結果を定期的に取締役会へ報告しております。取締役会は、サステナビリティ関連のリスク及び機会の管理状況を監視し、適切な管理が行われるよう最終的な監督を行っております。
2025年7月のマテリアリティ及び長期目標の再策定においては、主要な外部環境要因として「サイバーセキュリティ」「電力依存」「人材不足」「競争激化」の4つを特定いたしました。当社グループでは、これらを事業継続上のリスクとして認識し管理を徹底すると同時に、これらへの対応を顧客信頼の更なる向上やイノベーション創出、競争優位の確立に向けた重要な事業機会と捉え、経営戦略に反映させることで機動的なリスク低減と機会の最大化に努めております。
④指標及び目標
当社グループでは、この度再策定したマテリアリティに基づき、2030年までの長期目標として主要KPIを刷新して再設定いたしました。具体的な指標と目標をテーマごとに2030年までの主要KPIとして設定し、取り組みの進捗や達成状況については、サステナビリティサイトや、ESGデータ集に掲載しております。
<マテリアリティ(重要課題)と2030年までの主要KPI>
|
マテリアリティ (重要課題) |
2030年までの主要KPI |
|
1.医療・介護の未来を拓くデジタルソリューション |
1.先進技術を活用した新規ソリューション・サービスの提供(件数) 2.医療情報連携(EHRサービス)の接続施設数:医療機関、保険薬局合わせて1,200施設 3.他業種や新たなパートナーシップ・協業の促進(提携数):10社 4.医療分野の先進的な学術研究および行政のDX推進への貢献(件数) |
|
2.信頼を築く安全な情報基盤とガバナンス |
1.セキュリティインシデントの重大事故:ゼロ件(継続) 2.不祥事・重大法令違反:ゼロ件(継続) 3.情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証の取得維持 4.BCP訓練の実施:年に1回(継続) 5.コンプライアンス教育のe-Learning受講率:100%/年 6.品質管理機能の実効性の継続的な評価と向上 |
|
3.持続的成長を支える人と地球の健康 |
人的資本 1.女性管理職比率:30%、男性育休取得率:30% 2.従業員エンゲージメント調査 レーティング:「A」相当 3.健康経営優良法人継続認定 4.従業員の変革適応力強化に向けた人的投資(年間研修時間/人、費用/人) 環境配慮 1.温室効果ガス排出量(Scope 1+2):2020年比 25%削減 2.主要な社内外プロセスの電子化比率(電子契約等):80% |
(2)人的資本
当社グループは、マテリアリティ「3. 持続的成長を支える人と地球の健康」および中期経営計画の重点施策である「人的資本経営の更なる推進」に基づき、人材を価値創造の源泉と位置づけ、「人材の活躍推進と成長支援」に取り組んでおります。当社グループは、持続的な成長と社会課題の解決に向け、専門性の高い人材の育成と、多様な人材がその能力を最大限に発揮できる職場環境の整備を推進しております。
①戦略
ⅰ)高度な専門性を有する人材の戦略的育成と適正配置
当社グループは、医療・介護現場の深い知見とITスキルを高度に兼ね備えた専門人材を戦略的に育成するため、階層別研修や専門スキル研修、資格取得支援制度を運用しております。中長期的なプロダクト開発力の向上と顧客サポート体制の強化を目的として、従業員一人ひとりの自律的なキャリア形成と変革適応力の強化を支援し、適材適所による組織能力の最大化を図っております。
ⅱ)イノベーションを創出する自律的な組織文化と職場環境の醸成
当社グループでは、多様な人材がその能力を最大限に発揮し、持続的に価値を創出できる組織づくりを推進しております。テレワークやフレックスタイム制等の柔軟な働き方の定着、および育児・介護との両立支援を通じ、ワークライフバランスの向上に努めております。また、定期的な従業員エンゲージメント調査の結果を職場環境の改善に活かすことで、心理的安全性の高い「働きがいのある職場」を実現し、多様な視点からイノベーションが生まれる風土の構築と、組織の活性化および人材の定着を推進しております。
②指標及び目標
人的資本に関する戦略の進捗を測るため、前掲「
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 医療保険制度の改正について
超高齢社会に伴う医療制度改革が継続して実施されており、薬価差益の減少や、患者個人負担額の増加による来院患者数の減少等、制度改革の内容や規模によっては、クリニック・薬局の設備投資意欲の萎縮につながる可能性があり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループとしましては、医療機関の負担を削減することで、医療機関の経営に貢献してまいります。
② 医療保険制度及び介護保険制度の改正に伴うプログラム変更について
医療保険制度及び介護保険制度の改正に伴い大幅な制度変更が実施され、変更するプログラムの範囲が広い場合、変更プログラム作成の複雑化による業務量の増加が当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
また、提供した変更プログラムに修正が必要となった場合、修正の規模もしくは内容によって当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループとしましては、改正内容を早期に入手、対策することで、スムーズな対応に努めてまいります。
③ 新製品の開発及びソフトウェアの減損に係るリスク
当社グループは他社との競争に勝ち抜くため、最新の情報技術を活用したクリニック・薬局向け及び介護/福祉サービス事業者向けシステムの開発に注力しております。しかし、開発の全てが順調に進みサービスを提供できるとは限らず、制作途中における修正や見直し等によりサービスの投入に遅れが生じたり、開発そのものが中止された結果、ソフトウェアの減損処理が必要となった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
アプリケーションソフトウェアにつきましては、益盟軟件系統開発(南京)有限公司と意盟軟件系統開発(上海)有限公司で主たる開発を行っており、エンジニアの給料の高騰や中国の税制方針変更に伴い、費用が増大する可能性があります。また、不透明な国際情勢の影響を受ける可能性もあります。現行の保険請求システムが大幅に変更した場合や、当社グループが想定していない新技術の普及により事業環境が激変した場合、必ずしも対応できなくなる可能性があります。そのため、当社グループの提供するソフトウェア並びにサービスが陳腐化し、ソフトウェアの減損処理が必要となった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
また、一部クラウドシステムの運用においては、サーバーの運用や通信環境の状況が不安定となった場合、接続しているお客様の業務に対し影響を与える可能性があり、影響の範囲が大きくなる場合があります。
これらの対策として、組織再編により開発子会社を新設分割し、開発力の強化を図っております。
さらに当社グループは、時代をリードする先進的医療システムの普及の促進にあたり、業務提携やM&Aの活用を実施しております。しかし、今後において当社グループが想定する事業展開又は業績への寄与が図れるか否かについては不透明であり、場合によっては、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
この対策として、業務提携やM&Aを実施するか否かの検討に際しては、様々な情報の集約と、経験豊富な外部の会計事務所等を活用し、慎重に検討を行っております。
④ 個人情報の保護について
当社の主たるシステムは、その性質上患者情報を扱うことになり、個人情報に関わることがあります。万が一個人情報が漏洩するような事実が発生した場合は社会的信用を失墜し、それに伴う不利益は甚大なものとなり、当社グループの経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
この対策として、データセンターにおいては、入退室管理並びに運用担当者を厳格に定め、サーバー類の運用ルールも厳格なマニュアルに規定して運用しており、運用状況が適正に行われるよう、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)及び個人情報保護マネジメントシステム(PMS)の第三者認証を受けております。また、ローカルシステムでお客様(クリニック・薬局)のデータを取り扱う際は暗号化処理を施すなど、個人情報保護のための対応を徹底しております。
⑤ 優秀人材の確保・育成に関するリスク
当社グループの事業は人材に大きく依存しており、高い専門性を持った人材を獲得し、維持する必要がありますが、少子高齢化や事業にITを活用して競争力を強化するDXの提唱等により、全産業においてIT人材の獲得競争が激化しています。このような環境の下、当社グループでは、多様な人材が活躍できる風土、人事制度、オフィス環境の整備等を通じて優秀な人材の確保に努めるとともに、教育制度の充実等、人材の育成に注力しておりますが、人材の確保・育成が想定通りに進まなかった場合や人材が多数流出した場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 新大阪ブリックビルの活用について
当社グループは2005年2月に大阪市淀川区に土地を取得、2008年3月に本社ビルとして新大阪ブリックビルを建設し、本社部門及び大阪の営業拠点が入居いたしました。また、クリニックモール内に各種医療施設、テナントオフィス部分にテナント企業が入居しております。
以下に掲げたものを含む様々な要因により新大阪ブリックビルの収支計画が想定していたものと異なる可能性があり、当社グループの経営成績、財政状態あるいはキャッシュ・フローに重大な影響を与える可能性があります。
現時点においては、入居率も一定水準確保しており、賃料収入におきましても、安定した収益を確保し、相場と合わせる形で賃料収入の増加を図っております。
ⅰ)賃料収入に係るリスク
新大阪ブリックビルの収支計画は一定の空室リスクを想定しておりますが、今後、想定以上に空室が発生した場合や、賃料について想定している水準を確保できなかった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
ⅱ)減損に係るリスク
今後の経済情勢の変化等により空室率の上昇や賃料水準の低下等が生じ、新大阪ブリックビルに対して減損処理が必要となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
ⅲ)自然災害等に係るリスク
地震、火災、事故やテロ等により、新大阪ブリックビルが毀損、滅失又は劣化する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑦ アフターコロナによる影響について
感染症の影響が一時期ほどではなくなったものの、各市場には次のような影響が出てきております。薬局市場におきましては、処方の長期化やオンライン服薬指導、処方薬の配達が求められてきております。医科市場におきましては、オンライン診療の普及がみられるようになってきております。また、介護/福祉市場は、超高齢社会に伴う新規施設の増加による成長市場ではありますが、経営安定に向けてより一層の業務効率化が求められております。
このような環境の中、医療(クリニック・薬局)、介護/福祉業界のシステムを通じてサポートしていく当社グループとしましては、医療DXの推進に向け、関わる様々な方々の健康と安全、効率化を行い、安定したシステム供給とサービスを継続してご提供するため、以下の取組みを当社グループ全体で実施しております。
ⅰ)営業活動
デジタルマーケティングの推進
インサイドセールスの強化、ハイブリッド展示会の活用
ポータルサイトの運用及びコンテンツの強化
国が進める医療DXへの参画
ⅱ)サポート活動
インサイドセールス担当によるお客様支援
ポータルサイトによる取引先や顧客ロイヤリティの向上
ⅲ)勤務体制の整備
時差出勤・在宅勤務の活用
Web会議、テレワークができる環境の体制、セキュリティ対策の実施
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、資源価格の高止まりや国際情勢の緊張に加え、国内における政治情勢の変化がもたらす不確実性など、企業収益に影響を及ぼす要因について、引き続き注視を要する状況で推移いたしました。
当社グループの主要取引先である医療業界におきましては、「医療DX令和ビジョン2030」等に基づいた医療DXの社会実装が加速しております。効率化や適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性向上が喫緊の課題となる中、各種報酬改定により、医療・介護/福祉従事者の人材確保や処遇改善に向けた具体的な取り組みが本格化しており、経営基盤の強化を目的としたシステム投資の重要性が一段と高まっております。
当社グループにおきましては、質の高い医療の実現に向け、医療DXやイノベーション推進等の取り組みを継続してまいりました。具体的には、「医療DX令和ビジョン2030」によるオンライン資格確認システム運用対象範囲の拡大や医療扶助への対応、さらには電子処方箋の普及加速に合わせ、各システムの導入支援を強力に推進しました。この結果、当連結会計年度の導入設置件数は、当初の想定を上回りました。
また、当社グループの各セグメント事業におきましては、「中期経営計画FY2025〜FY2027」の達成に向け、インサイドセールスを強化した営業活動やWebサイトリニューアル、MAツール活用、デジタルコンテンツ強化等のマーケティングミックスの改善を図り、潜在案件の効率的な獲得に注力しました。さらにカンパニー制の導入による組織再編を実施し、各セグメントにおける意思決定の迅速化と、顧客ニーズに即応した最適なサービスの提供体制を構築しました。加えて、コールセンターへのAIツール導入や、オンラインを活用した効率的なシステム操作講習の実施、社内業務へのAI活用を推進し、サービス品質の向上と業務効率化による収益構造の強化を図っております。当連結会計年度においては、オンライン資格確認システムの医療扶助への対応とWindows10サポート終了によるハードウェアリプレイスが堅調に進捗しました。一方で、前連結会計年度に活発であった電子処方箋の集中需要が一巡した影響により、売上高及び営業利益は減少しました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、当連結会計年度において非上場株式の減損処理が発生したものの、前連結会計年度に医科システム事業と介護/福祉システム事業において計上した減損損失の反動により、増益を確保しました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高23,658百万円(前期比4.7%減)、営業利益3,676百万円(同17.6%減)、経常利益4,313百万円(同16.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,452百万円(同1.1%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(調剤システム事業)
調剤システム事業につきましては、オンライン資格確認システムの運用範囲拡大に伴うオプション導入や、Windows10サポート終了を背景としたハードリプレイスが着実に進捗しました。一方で、前連結会計年度に発生した電子処方箋の導入需要が一巡した影響により、売上高及び営業利益は減少しました。
この結果、当連結会計年度の調剤システム事業は、売上高19,236百万円(前期比7.1%減)、営業利益3,967百万円(同24.5%減)となりました。
(医科システム事業)
医科システム事業につきましては、カンパニー制導入に伴う組織体制の再構築やデジタルマーケティングを活用した多角的なアプローチにより、潜在案件の獲得を強化しました。これに加え、電子処方箋の導入加速やWindows10サポート終了に伴うハードリプレイス需要を順調に獲得した結果、売上高、営業利益ともに増加しました。
この結果、当連結会計年度の医科システム事業は、売上高2,879百万円(前期比12.3%増)、営業利益32百万円(同営業損失423百万円)となりました。
(介護/福祉システム事業)
介護/福祉システム事業につきましては、2025年の介護報酬改定及び介護DXの進展を見据え、「MAPs for NURSING CARE」へのリプレイスを戦略的に前倒しで推進しました。このリプレイスに伴い一部ライセンス数及び保守売上高が一時的に減少したものの、前連結会計年度に実施した減損損失に伴う減価償却費の低減や、徹底したコスト削減の効果により、営業損失は前連結会計年度比で改善しました。なお、本システム移行は、将来の安定的なストック収益基盤の構築と、さらなるDX関連サービスの提供を見据えた先行的な取り組みであり、「MAPs for NURSING CARE」による課金売上高は着実に増加しております。
この結果、当連結会計年度の介護/福祉システム事業は、売上高566百万円(前期比0.6%減)、営業損失378百万円(同営業損失450百万円)となりました。
(その他の事業)
その他の事業につきましては、チョキ株式会社の業績が伸長した一方で、前連結会計年度に益盟軟件系統開発(南京)有限公司の個別新機能開発及び法改正に伴う有償対応が一巡したことにより、売上高及び営業利益は減少しました。
この結果、当連結会計年度のその他の事業は、売上高1,119百万円(前期比4.7%減)、営業利益28百万円(同52.1%減)となりました。
(上記セグメント別の売上高及び営業利益(損失)は、セグメント間の内部取引消去前の金額であります。)
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,036百万円減少し、7,847百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,008百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が3,624百万円、減価償却費を1,086百万円計上したものの、法人税等の支払額が2,407百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は2,222百万円となりました。これは主に、投資不動産の賃貸による収入が1,048百万円あったものの、本社改装及びサーバー入替に係る有形固定資産の取得による支出が935百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が995百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は3,840百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が835百万円、配当金の支払額が2,971百万円あったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
該当事項はありません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
調剤システム事業(百万円) |
4,877 |
91.7 |
|
医科システム事業(百万円) |
681 |
116.4 |
|
介護/福祉システム事業(百万円) |
48 |
403.7 |
|
その他の事業(百万円) |
473 |
114.8 |
|
合計(百万円) |
6,079 |
96.1 |
c.受注状況
該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
調剤システム事業(百万円) |
19,236 |
92.9 |
|
|
医科システム事業(百万円) |
2,879 |
112.3 |
|
|
介護/福祉システム事業(百万円) |
566 |
99.4 |
|
|
その他の事業(百万円) |
1,119 |
95.3 |
|
|
報告セグメント計(百万円) |
23,801 |
95.2 |
|
|
調整額(百万円) |
|
△142 |
83.4 |
|
合計(百万円) |
23,658 |
95.3 |
|
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりであります。
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は23,658百万円(前期比4.7%減)となりました。これは主にオンライン資格確認システムの医療扶助への対応とWindows10サポート終了によるハードウェアリプレイスが堅調に進捗しました。一方で、前連結会計年度に活発であった電子処方箋の集中需要が一巡した影響により、売上高は減少しました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は11,879百万円(前期比12.4%減)となりました。これは主に売上の一部がハードウエアリプレイスとなった影響により、仕入額の増加によるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は3,676百万円(前期比17.6%減)となりました。これは主に電子処方箋の集中需要が一巡りした影響によるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は1,106百万円となりました。これは主に本社ビルのテナント事業が引き続き堅調であったことによるものであります。また営業外費用は470百万円となりました。これは主にテナント事業に係る減価償却及び維持費によるものであります。
この結果、経常利益は4,313百万円(前期比16.8%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別損失は689百万円となりました。これは主に医科システム事業及び介護/福祉システム事業の減損損失の計上や投資有価証券評価損の計上によるものであります。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,452百万円(前期比1.1%増)となりました。
b.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は12,948百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,401百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が4,036百万円、受取手形及び売掛金が1,086百万円、商品及び製品が417百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定資産は14,558百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,238百万円増加いたしました。これは主に、のれんが797百万円、投資不動産が200百万円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、総資産は27,506百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,163百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は5,769百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,302百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が194百万円、1年内返済予定の長期借入金が256百万円、未払金が855百万円、未払法人税等が1,455百万円、未払消費税等が437百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は1,304百万円となり、前連結会計年度末に比べ673百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金が564百万円、長期未払金が193百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は7,074百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,976百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は20,432百万円となり、前連結会計年度末に比べ187百万円減少いたしました。これは主に、利益剰余金が522百万円減少したものの、その他有価証券評価差額金が237百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は73.9%(前連結会計年度末は64.8%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.資本の財源及び資金の流動性についての分析
(資金需要)
当社グループの運転資金需要のうち、主なものは当社グループが保有する販売用ソフトウェアの維持に係る人件費及び外注加工費等、販売活動やお客様のサポートに係る人件費をはじめとする販売費及び一般管理費、並びに商品仕入等であります。
(資金調達と流動性マネジメント)
当社グループの運転資金につきましては、主に、内部資金及び金融機関からの借入により調達しております。
b.キャッシュ・フロー状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
c.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
d.経営方針・経営戦略等
当社グループが定めている経営方針・経営戦略等につきましては、以下のとおりであります。
当連結会計年度において、当社グループは、積極的な変革に挑みつつ、安定した経営を実現していくために高収益企業を目指しており、ROE(株主資本当期純利益率)を重要な経営指標と考えております。なお、2026年2月13日に公表しております決算短信における「2026年12月期の連結業績予想」の営業利益は2025年12月期の営業利益実績より360百万円減の3,316百万円を予想しております。また、ROEにつきましては、毎月開催しております取締役会において評価を行っており、順調に推移していることを確認しております。
2024年11月14日公表の新中期経営計画につきましては、変更が必要となれば開示する予定であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度において、新たに締結した重要な契約等は次のとおりであります。
(株式会社プレカルの全株式の取得と子会社化について)
2025年9月11日開催の取締役会において、株式会社プレカルの全株式を取得し、子会社化することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結し、同年9月30日付で全株式を取得いたしました。
本件の詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。
当社グループを取り巻く環境は、「2025年問題」に象徴される超高齢社会に対応するため、国民の健康寿命延伸を支援する仕組みづくり、ITの利活用、地域での健康サポートを行う仕組みづくりへのニーズの高まり、かかりつけ医やかかりつけ薬剤師に対する適切なサービスの提供等が求められています。そのような環境の変化に対応する為、2018年1月に会社方針を刷新いたしました。新たな会社方針では、「私達は、先進的なテクノロジーを活用し、国民の健康レベル向上に貢献する、世の中に無くてはならない企業になります。私達は、仕事を通じて幸せになれる企業を目指します。」を掲げており、その実現のために、地域における医療介護情報の連携、AIやビッグデータ活用による医療レベル向上、電子処方箋への対応、健康サポート薬局の支援機能の提供並びに、お客様が業務負荷と費用負担を少しでも減らしていただけるよう、操作の簡素化/自動化とシステム費用の大幅削減に取り組むことといたしました。調剤システム事業、医科システム事業、介護/福祉システム事業において、画期的な製品やサービスを創出し、更なる社会貢献及び当社グループが成長していくために大型の開発投資にも力を入れて参ります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、