なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、わが国の炭素工業の草分け的存在として、1915年の設立以来カーボンの優れた特性を活かした多種多様な製品を生み出し、社会に送り出してまいりました。常に「わが国炭素工業分野のパイオニアとして、人と社会に貢献する企業であり続ける」ことを企業理念として、安定的な業績基盤を確立し、技術で社会に貢献する会社として限りない挑戦を今後も続けてまいる所存であります。常に時代のニーズに合った新製品の開発と、厳しい品質へのこだわり、環境への配慮に重点を置いた製品の供給とともに、国際競争力のあるコストの実現と、それを可能にする優れた人材の育成を推進しております。
中期経営方針「GO BEYOND 2030」において、当社グループは、様々な社会課題の顕在化が想定される2030年を最終年度と定め、当社の経営理念である「愛と科学の社会を目指す、夢と技術のある会社」のもと、企業の持続的成長とサステナブルな社会の実現を目指すことを重要課題としております。事業につきましては、為替リスクや各国の政策による世界経済の変動などが懸念されるものの、売上拡大を目指し、収益力の強化に努めてまいります。また、GHG排出量の削減など、カーボンニュートラル社会の実現へ貢献してまいります。
<中期経営方針「GO BEYOND 2030~収益性向上とサステナビリティ経営の両立~」>
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
企業に対するサステナビリティ経営への要求が高まる中、当社グループにおいても、経営理念である「愛と科学の社会を目指す、夢と技術のある会社」に繋がる重要なテーマと捉えております。持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指し、環境、社会、ガバナンスを重視したESG経営を推進することで、諸課題の解決に向けた取り組みを継続的に行ってまいります。当社は、サステナビリティをめぐる課題については、取締役会にて方向性を議論し、必要に応じて各専門委員会にて詳細な対応を検討、実行する体制を構築しています。
中期経営方針「GO BEYOND 2030」においては企業の持続的成長とサステナブルな社会の実現を目指すことを重要課題とし、GHG排出量削減や当社製品を通じてのカーボンニュートラル社会の実現、社員のエンゲージメント向上と多様な人材が活躍できる企業風土の醸成に取り組んでおります。
当社グループは、倫理法令遵守委員会において、リスク管理の徹底を図っております。具体的には、事業を遂行するうえで想定される様々なリスクを網羅的に洗い出し、各リスクが当社グループに与える影響度と発生可能性を評価したうえで、重要なリスクの特定を行います。特定した重要リスクに対してリスクの発生可能性を抑制し、発生時の影響度を最小化する対策を講じ、当該対策の進捗状況や有効性に関するモニタリングを行い、対策の見直し・改善を行っております。
①気候変動対応
a.戦略
当社グループでは、気候変動による事業活動への影響を把握するため、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言」の枠組みに基づく気候変動に関するシナリオ分析を行い、脱炭素化が実現するシナリオ(2℃未満シナリオ)と、気候変動が進行するシナリオ(4℃シナリオ)の2つのシナリオを基に、当社グループへの影響度を評価しております。当社事業への影響を最小化するためにもGHG排出量削減を実現させ、脱炭素化に貢献しうる当社グループ製品を通じて、カーボンニュートラルを進めております。
(気候変動に関する主なリスクと機会)
b.指標と目標
当社グループでは、日本政府が掲げる2050年カーボンニュートラル実現を踏まえ、GHG 排出量削減の取り組みを進めています。 GHG排出量はエネルギー投入量に概ね比例しており、生産工程の改善、エネルギー効率の高い設備の導入等を進め、エネルギー原単位の削減目標1%/年を目指します。
②人的資本
a.戦略
(人材育成の方針)
性別、国籍などを問わず多様な人材を採用し、自ら高い目標を掲げ、障害があっても意欲的に取り組み、達成に向けやり通す人材育成を目指しております。
また、組織や世代を超えたコミュニケーションを促進し、自らの考えを自由に発言できる企業風土を醸成することで、企業活動の活性化と会社目標の達成につなげております。
b.指標と目標
(女性管理職)
2030年に2021年度の倍にすることを目標に掲げ、管理職候補層である総合職採用を精力的に行い達成に向け取り組んでおります。選考基準についても、性別や新卒・中途採用の区別がない基準としています。
(両立支援)
育児・介護を行う社員が働き続けられるよう、就業との両立支援に力を入れております。男性の子育て目的の休暇の取得率を、2024年1月1日から2026年12月31日までの3年間で取得率20%超とすることを目指しており、2024年度は42.9%、2025年度は75.0%の実績となっております。引き続き啓蒙活動等を行い、更なる男性労働者の育児休業取得を実施してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの海外売上高比率は、前連結会計年度が47.9%、当連結会計年度が43.1%となっており、その大部分が外貨建取引であります。当社グループでは、為替予約取引や通貨スワップ取引により、為替変動リスクの経営成績に与える影響を極力軽減するよう努力しておりますが、当該リスクを完全にヘッジできるものではなく、急速な為替相場の変動があれば、経営成績および財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
需給バランスの変動によって生じる市場競争の激化による販売数量変動や販売価格変動、革新的な技術出現による製品性能の劇的な変化等が、当社グループの経営成績および財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、安定的な原材料確保と最適な価格の維持に努めております。しかしながら、原油価格の高騰や原材料メーカーの生産体制などにより、原材料の需給が逼迫した場合、顧客への製品提供が不可能となり、経営成績および財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの生産体制は国内に集中しております。国内における人材不足は深刻化しており、中長期的な採用困難な状況の継続や離職による人員不足およびこれに伴う人材育成の遅れ等が、当社グループの経営成績および財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業を遂行していくうえで、国内外におけるさまざまな法的規制等を受けております。法令遵守を基本として事業活動を行っておりますが、関係法令等の変更や規制が強化された場合、その対応のため人的・物的資源の投入が必要になり、経営成績および財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの生産拠点や事業所を含む地域で、大地震や大規模な自然災害が発生し、建物および生産設備、出荷前の製品等の損傷並びに従業員への被害、原材料や電力等の供給不足等、不測の事態が生じた場合、当社グループの経営成績および財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
新たな感染症の世界的な拡大により、生産、物流をはじめとした市場経済活動への深刻な影響が生じた場合、当社グループの経営成績および財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業活動に関わる情報を財産と考え、継続的に情報セキュリティ体制の構築・強化を図っております。しかしながら、想定を超えるサイバー攻撃やその他の不測の事態による情報セキュリティ事故、地震等の自然災害の発生による情報システムの停止または一時的な混乱に伴う事業への影響が発生した場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国の通商政策の転換等を背景に成長が鈍化し、対米輸出関連企業の事業活動にも一部に停滞感が見られました。
このような事業環境の中、当社グループは、2025年度を初年度とする中期経営方針「GO BEYOND 2030」に基づき、「収益性の向上」「サステナビリティ経営の推進」および「株主還元の強化」を重点課題に掲げ、諸施策を推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比0.6%減の377億3千5百万円(単体は前期比9.8%減の210億8千7百万円)となりました。損益面につきましては、経常利益は、前連結会計年度比23.7%減の51億3百万円(単体は前期比30.2%減の28億6千2百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比18.4%増の48億3千万円(単体は前期比25.8%増の38億7千7百万円の当期純利益)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
ファインカーボン関連製品につきましては、成長が期待されたパワー半導体の失速等により低迷し、売上高は減少しました。他方、電極材関連製品につきましては、米国関税の影響はありましたが、北米向けを中心とする人造黒鉛電極の輸出増により、売上高は増加しました。
この結果、売上高は323億9千7百万円(前連結会計年度比5.7%減)、営業利益は29億9千万円(前連結会計年度比42.5%減)と減収減益になりました。
炭化けい素連続繊維製品につきましては、堅調な航空産業向け需要を取り込むため、最大限の生産能力による対応を図りました。
この結果、売上高は41億2千8百万円(前連結会計年度比52.9%増)、営業利益は14億7千9百万円(前連結会計年度比72.9%増)と増収増益となりました。
その他の事業につきましては、産業用機械において資材価格やエネルギー価格が高止まりする中、製造コストの削減と売価是正に努め、収益性の改善を図りました。
この結果、売上高は12億9百万円(前連結会計年度比36.7%増)、営業利益は3億3千万円(前連結会計年度比35.6%増)と増収増益となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に比べ28億8千1百万円増加し、150億3千5百万円(前期は121億5千4百万円)となりました。なお、各活動におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額18億9千8百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益78億2千9百万円、減価償却費35億3千4百万円等により、63億1千9百万円の収入(前期は52億3千4百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入37億1千6百万円がありましたが、有形固定資産の取得による支出55億1百万円により21億9千8百万円の支出(前期は55億4千6百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加額12億円がありましたが、配当金の支払額22億6百万円により、12億6千5百万円の支出(前期は19億8千5百万円の支出)となりました。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によるものであります。
当社グループの製品中化成品の一部を除いて大部分が見込生産であり、毎月の受注高はおおよそ同月の販売高に相当しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。その作成にあたっての重要な会計方針・見積り及び見積りに用いた仮定は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」および「重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の連結経営成績については、電極材関連製品は米国関税の影響を受けながらも北米向けを中心に売上高が増加しましたが、ファインカーボン関連製品はパワー半導体の失速もあり低調に推移したこと等により、前連結会計年度比0.6%減の377億3千5百万円(単体は前期比9.8%減の210億8千7百万円)となりました。
売上原価は、前連結会計年度に比べ10億5百万円増加し、274億7千7百万円となり、原価率は72.8%と前連結会計年度に比べ3.1ポイントの増加となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2億8千2百万円増加し、54億4千8百万円となりました。この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ15億9百万円減少し、48億9百万円となりました。
営業外損益は、受取配当金の増加および為替差益の増加等はありましたが、休止設備関連費用の増加、持分法による投資利益の減少並びに支払利息の増加等により、前連結会計年度に比べ7千9百万円減少し、2億9千3百万円の利益(純額)となりました。この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ15億8千9百万円減少し、51億3百万円となりました。
特別利益については、投資有価証券売却益35億3千万円、特別損失については、火災損失8億3百万円を計上いたしました。この結果、税金等調整前当期純利益は78億2千9百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ7億5千2百万円増加し48億3千万円となりました。
当連結会計年度末における資産合計は、856億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ32億5千8百万円の増加となりました。流動資産は、現金及び預金の増加28億8千1百万円等により、前連結会計年度末に比べ27億6千2百万円増加し、490億8千2百万円となりました。固定資産は、投資有価証券の減少2億3千4百万円がありましたが、設備投資による有形固定資産の増加3億8千6百万円等により、前連結会計年度末に比べ4億9千6百万円増加し、365億2千5百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は220億円となり、前連結会計年度末に比べ4億7千万円の増加となりました。流動負債は、設備関係の支払い等によるその他の減少15億4千6百万円、仕入債務の減少5億8千4百万円等がありましたが、短期借入金の増加11億3千4百万円、未払法人税等の増加7億2千2百万円、未払費用の増加2億1千3百万円等により、前連結会計年度末に比べ1億円増加し、186億3千9百万円となりました。固定負債は、繰延税金負債の減少4億4千6百万円がありましたが、火災損失引当金の増加7億6千8百万円等により、前連結会計年度末に比べ3億6千9百万円増加し、33億6千万円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、配当の支払22億1千1百万円、その他有価証券評価差額金の減少8億9千8百万円がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益48億3千万円等により、前連結会計年度末と比べ27億8千8百万円増加し、636億7百万円となりました。
キャッシュ・フローについては、「4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(経営成績等の状況の概要)(2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりになります。
当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要になります。
運転資金需要につきましては、生産活動に必要な原材料、外注費及び人件費等の製造費用、販売における製品の運送費・包装費、手数料等の販売費のための運転資金が主な内容となります。設備資金需要につきましては、生産性の向上を目的とした設備改善及び既存設備の修繕・更新への投資が主な内容となります。
当社グループは運転資金、設備資金について、営業キャッシュ・フローで獲得した資金の投入と金融機関からの借入金の調達を行っております。
また、余剰資金の活用について、将来の事業戦略や経営基盤強化のための資金需要に配慮し内部留保を確保しつつ、長期的かつ安定的な利益配分を実施することを基本方針としております。
中期経営方針として掲げている炭素繊維製品の事業拡大、新規事業等に必要な投資を行ってまいります。
「3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループでは、当社のテクニカルセンターが販売部門と連携し、お客様のニーズを的確に把握し、各事業所の技術部門と協調し研究開発活動を行っております。
IoT、AI、5Gの普及、データセンター市場などデジタル社会を支える半導体関連分野、再生可能エネルギー製品や自動車の電動化をはじめとする環境関連分野に重点を置き、当社が培ってきた固有技術を駆使し、社会に貢献できる新たな製品の開発を進めております。
お客様の多岐にわたるニーズにお応えするため、既存製品の高性能化およびコストダウンに繋がる新たな技術の開発を行っております。また、既存製品の新たな用途開拓も継続的に行っております。
当連結会計年度の研究開発費は