第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

    当社は、「愛と誠心(まごころ)と感謝をこめて お客様に愛される不二家になります」という社是を掲げ、創業以来、お客様の人生に寄り添い、お菓子が作り出す人と人との「絆」や生活への「彩り」を創造することを使命としてまいりました。社是、経営理念、価値観、行動規範によって構成される企業理念のもと、事業活動全体でサステナビリティを推進することで、「こころあたたまる世界」を実現し、企業価値の向上と持続的な成長につなげていきます。

 


 


 

(2)経営環境及び対処すべき課題

①中長期ビジョン(グランドデザイン)

当社は、中長期ビジョン(グランドデザイン)として、『Sweets to next stage!安心からwakuwakuへ』を掲げております。当社は、創業より、お菓子を通じて「ワクワク」を届けてまいりました。また、経営理念のもと、お客様の安全・安心・満足を考え、常に高品質な商品と最善のサービスを開発・提供することで、お客様のニーズに応えてまいりました。次世代においては、さらにその先を目指し、お菓子という商品を通じて、お客様に「幸せな記憶」と「愛されている実感」、そして「人と人との繋がり」を提供し、お客様、従業員、社会全体に”ワクワク”を届け、価値観の実現を目指すため、不二家の可能性を追求してまいります。

▶ 中長期ビジョン(グランドデザイン)


▶ 中長期ビジョン達成のための重要課題


 

 

②サステナビリティ経営

  中長期ビジョンに基づき、サステナビリティ経営を実現するために、2024年にESG委員会を発足いたしました。また、環境、人権、従業員、地域社会の4つの分科会を設置し、中長期ビジョン達成のための重要課題を定め、それぞれの分野で具体的な目標設定を行いました。今後は、各分科会と事業部の連携をより強化し、より一層サステナビリティ経営を推進してまいります。取り組みの詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

 

※当社のサステナビリティに関する各種取り組みは、ホームページに開示しています。

  https://www.fujiya-peko.co.jp/sustainability/

 

③優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループを取り巻く経済環境においては、食品値上げによるお客様の節約志向に加え、原材料価格の高騰や物流費、人件費の上昇等の懸念があり、依然として厳しい状況が続くと予測されます。

 このような環境下においても、当社グループは洋菓子及び製菓の両事業を併せ持つという強みを最大限に活かし、グループシナジーの創出による売上と利益の確保につとめてまいります。

 

 

 各事業別の主な取り組みは次のとおりです。

 

[洋菓子事業]

洋菓子事業においては、原材料価格の高騰等によるコスト上昇に対応するため、ミルクレープの生産ラインのレイアウト刷新による生産性向上や、省人化による労務費削減をはかり、収益性の改善につとめてまいります。

洋菓子チェーン店においては、VI(ビジュアルアイデンティティ)に基づく既存店の改装に加え、「ペコちゃんmilkyドーナツ」やカフェ形態の新業態店舗「ペコちゃんmilkyタイム」の出店、催事への出店を推進し、新規顧客の獲得につとめてまいります。

製品施策においては、「プレミアムショートケーキ」をはじめとするプレミアム製品群の拡売に注力するほか、『Monthly season DREAM STORY』と題し、「夢がつまったとっておきのあまい物語」をコンセプトに、旬の素材を活用したケーキを月替わりで発売し、付加価値の高い製品の提供による売上向上に取り組んでまいります。

広域流通企業との取り組みにおいては、生産性の高い製造ラインを活用した製品や、当社の技術力を活かした製品提案を積極的に行うとともに、北米をはじめとする海外市場への展開を強化し、販路のさらなる開拓につとめてまいります。

レストラン事業では、メニューの改訂やケーキ類の拡販に取り組むとともに、既存店舗の改装を実施し、売上の拡大をはかってまいります。

 

[製菓事業]

菓子事業においては、カカオ豆をはじめとする原材料価格の高騰等によるコスト上昇に対応するため、主力製品の価格見直しの実施や、ホームパイの生産ラインにおける生産能力の高い設備の導入に加え、これまでに設備投資を行った主力生産ラインの有効活用による稼働率の最大化をはかり、生産性向上につとめてまいります。

製品施策においては、『ホームパイ』の新製品を新規カテゴリーに投入するとともに、テレビコマーシャル等の販売促進活動を積極的に展開し、『カントリーマアム』を含めた既存の大袋ビスケット製品群の一層の売上拡大をはかってまいります。発売75周年を迎えた『ミルキー』については、キャンディ製品に加えてチョコレート製品やビスケット製品等にも同ブランドを冠した新製品を発売し、売上向上につとめてまいります。また、富士裾野工場における天然水事業の推進に取り組むとともに、今期より神戸工場にて開始するグミ製品の製造・販売に注力し、さらなる収益基盤の拡充をはかってまいります。

海外事業の不二家(杭州)食品有限公司においては、中国国内の景気低迷の影響が懸念されますが、主力製品である「ポップキャンディ」を軸に、グミ製品の拡販や業務提携によるキャラクター菓子製品の受注生産に注力し、売上の維持・拡大をはかってまいります。

不二家ベトナムにおいては、2025年11月に竣工した新工場にて『カントリーマアム』等の生産を開始しております。今後は、ベトナム国内及びアジア諸国への販売を通じて、海外事業の成長をさらに加速させてまいります。

 

[全社共通の取り組み]

上記すべての事業活動において安全・安心な製品の製造・販売にあたり、FSSC22000(食品安全マネジメントシステムに関する国際規格)をはじめとする食品安全衛生管理を事業の基盤として着実に実行するとともに、労働災害ゼロ及び異物混入クレームゼロを目標に、業務に取り組んでまいります。

 

当社グループを取り巻く環境は、依然として厳しい状況が続くと見込まれますが、前記の各施策を着実に実行することで、業績の向上をはかってまいります。

また、親会社の山崎製パン㈱との連携を強化し、グループ全体の総合力を発揮して、持続的な企業価値の向上と不二家ブランドの強化につとめ、事業の発展を目指します。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ全般に関する事項 

当社は、不二家の価値観「Smile makes the heartful world ~笑顔がつくる こころあたたまる世界~」の実現に向け、商品・サービスを通してこころあたたまる絆や記憶を提供しております。不確実性の増す事業環境において、不二家の価値観を実現するためには、社会問題解決と企業成長の両立が不可欠であり、サステナビリティの取り組みを重要な経営課題の1つであると認識しております。サステナビリティ経営推進にあたり、指針となる「不二家 サステナビリティ方針」及び関連方針を策定し、体制の構築並びにサステナビリティ関連リスク及び機会への適切な対応をはかっております。なお、当該方針は当社ウェブサイトのサステナビリティページをご参照ください。

 

①ガバナンス

当社では、サステナビリティに関するリスク及び機会について適切な対応をはかるため、代表取締役社長を委員長とする「ESG委員会」を設置しております。「ESG委員会」では、当社の事業活動に重要な影響を及ぼす可能性のあるサステナビリティ関連リスク及び機会への対応に加え、当社の持続的な価値向上の観点から特定した4つの課題に対する目標設定・進捗について審議しております。また、「ESG委員会」での審議内容について取締役会に報告することで、取締役会がサステナビリティ全般の取り組み状況を監督しております。2025年は、ESG委員会を3回開催し、取締役会には1回報告を行いました。

「ESG委員会」傘下には、4つの課題に関する分科会を設置し、個々のテーマについての取り組みを推進・管理しております。2025年は、環境分科会を4回、人権分科会を4回、従業員分科会を4回、地域社会分科会を3回開催いたしました。

▶ サステナビリティ推進体制図

 


 

 

▶ 2025年 ESG委員会の開催実績と主な討議内容

実施回

主な討議内容

第1回 2025年3月

・2024年サステナビリティに関する取り組み実績報告

・2025年サステナビリティに関する取り組み目標設定

・「不二家グループの行動規範」改定

・「不二家グループ カスタマーハラスメントに関する基本方針」策定

・サステナビリティ関連情報共有(CDP、サステナビリティ情報開示基準等)

第2回 2025年9月

・2025年サステナビリティに関する取り組み進捗報告

・「不二家 サプライヤーガイドライン」策定

・サステナビリティ関連情報共有(外部イニシアチブ情報等)

第3回 2025年12月

・2025年サステナビリティに関する取り組み報告

・2026年サステナビリティに関する取り組み目標設定

・サステナビリティ情報開示戦略設定

・サステナビリティ関連情報共有(TCFD、人的資本情報開示等)

 

 

②リスク管理

当社では、代表取締役社長を委員長とする「リスク管理委員会」にて、リスクのリサーチ・評価、特定したリスクへの適切な対応策の検討・進捗モニタリングを実施しており、サステナビリティ関連のリスクについても同委員会にて管理しております。また、当社にとって特に重要であると特定されたサステナビリティ関連のリスクについては、「ESG委員会」にて目標設定や進捗モニタリングを実施しております。

「リスク管理委員会」及び「ESG委員会」の審議内容について、必要に応じて取締役会に報告することで、取締役会がリスク全般の統制管理を行っております。

 

③戦略

サステナビリティ関連リスクへの対応及び当社の持続的な価値向上の観点から特定した4つの課題について、リスク及び機会を鑑み取り組みを推進しております。

4つの課題

想定される主なリスク(●)及び機会(〇)

主な取り組みテーマ

1.

地球環境保全に

対する配慮

●政策・規制によるコストの増加

○気温上昇による喫茶・冷菓・飲料需要の増加

▶ 気候変動への対応

▶ 循環型社会実現への寄与

▶ 水資源使用の現状把握

2.

事業活動における人権の尊重

●対応遅れによる法務・レピュテーションリスクの拡大

○ステークホルダーとのエンゲージメント強化による企業成長の促進

▶ 人権尊重の風土醸成

▶ ハラスメントのない職場づくり

▶ 持続可能なサプライチェーンの構築

▶ 実効性のある苦情処理メカニズムの構築

3.

従業員の健康向上・労働環境改善と公平な処遇

●対応遅れによる人材流出・競争力の低下

○価値観実現に資する人材の獲得・確保による競争力の強化

▶ 当社の価値観実現に向けた人材の採用・育成

▶ 安全で安心して健康に働ける職場環境整備

▶ 多様な従業員が能力を最大限に発揮できる環境整備

4.

地域社会との共存・共栄・調和

○地域社会の持続可能性向上による経営基盤の強化

○ステークホルダーからの社会的信頼性の向上

▶ 当社の特性を活かした社会貢献活動の企画・実施

▶ 従業員の自主的な活動参加支援

 

 

④指標及び目標

特定した4つの課題について、2030年に向けた長期目標を設定し、進捗をモニタリングしております。

4つの課題

主な取り組みテーマ

2030年 重要目標達成指標(KGI)

2024年

実績

2025年

実績

指標

目標

1.

地球環境保全に対する配慮

▶ 気候変動への対応

●温室効果ガス(CO2)排出量の削減(2013年度比) (注)1

46.0%削減

15.6%削減

9.4%削減

▶ 循環型社会実現への寄与

●食品リサイクル率の向上

95.0%

88.1%

94.3%

2.

事業活動における人権の尊重

▶ ハラスメントのない職場づくり

●従業員意識調査における「コンプライアンス」のスコア (注)2

4.15

4.13

4.11

▶ 持続可能なサプライチェーンの構築

●CSR調達の推進

要件検討中

 

3.

従業員の健康向上・労働環境改善と公平な処遇

 

▶ 当社の価値観実現に向けた人材の採用・育成

●従業員意識調査における「成長実感とキャリア展望」の肯定回答率 (注)3

60.0%

38.5%

42.3%

▶ 安全で安心して健康に働ける職場環境整備

●労働災害率(度数率)

0.0

0.14

0.13

▶ 多様な従業員が能力を最大限に発揮できる環境整備

●女性管理職比率

20.0%

12.4%

13.4%

4.

地域社会との共存・共栄・調和

▶ 当社の特性を活かした社会貢献活動の企画・実施

●子どもの支援活動「ペコちゃんが行く! 不二家キャラバン隊」訪問施設数

 

100施設

 

9施設

58施設

 

(注)1  温室効果ガス(CO2)排出量の削減目標は、不二家単体におけるScope1及びScope2を対象としており、

     2013年度排出量を基準として削減率を算出しております。

2 「コンプライアンス」のスコアは、従業員意識調査の設問項目「職場では、関連する法令や社内ルールを

   守って、仕事が進められている」に対する回答状況を基に算出しております。段階評価の回答の平均ス

   コアを算出しており、4.0点以上が「良好」、3.5点以上4.0点未満を「及第」としております。

3 「成長実感とキャリア展望」の肯定回答率は、従業員意識調査の設問項目「あなたは、当社における自分

   自身のキャリア目標(将来のありたい姿)を描いているか」への回答結果を基に算出しております。

 

なお、当社の事業活動への影響度を鑑み、特に重要であると判断した「1.地球環境保全に対する配慮」、「2.事業活動における人権の尊重」、「3.従業員の健康向上・労働環境改善と公平な処遇」について、それぞれ「(2)気候変動に関する事項」、「(3)人権の尊重に関する事項」、「(4)人的資本に関する事項(人的資本・多様性)」にて詳細を記載しておりますので、ご参照ください。

 

(2)気候変動に関する事項

当社では、「不二家 環境方針」のもと、従業員一人ひとりが当社の果たすべき責任と役割を認識し、低炭素社会・循環型社会など持続可能な社会の実現に寄与する「地球にやさしい企業」を目指しております。その達成に向けて、気候変動への対応を重要な課題であると認識しており、2023年4月、金融安定理事会(FSB)により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース<TCFD>(注)」提言へ賛同し、気候変動への対応と情報開示を推進しております。

(注)G20の要請を受け、金融安定理事会(FSB)により2015年に設立された組織の名称であります。企業に対

   し、気候変動関連リスク及び機会について開示することを推奨する提言をまとめております。

 

①ガバナンス

「(1)サステナビリティ全般に関する事項」の「① ガバナンス」をご参照ください。

 

② リスク管理

「(1)サステナビリティ全般に関する事項」の「② リスク管理」をご参照ください。

 

③ 戦略

当社では、洋菓子事業及び製菓事業を対象にシナリオ分析を実施しております。シナリオ分析では、2030年における4℃シナリオ及び2℃・1.5℃シナリオの2つの将来世界観を設定し、リスク及び機会の特定・評価を行っております。特定・評価したリスク及び機会に対応すべく、経営戦略との整合性をはかってまいります。

 

a. 分析に使用したシナリオ

4℃シナリオ

●IPCC AR5(気候変動に関する政府間パネル第5次報告書)

  :RCP8.5、RCP6.0

●IEA WEO 2022(国際エネルギー機関2022年版世界エネルギー見通し)

  :Stated Policies Scenario

2℃・1.5℃シナリオ

●IPCC AR5(気候変動に関する政府間パネル第5次報告書)

  :RCP2.6、RCP4.5

●IEA WEO 2022/IEA Net Zero by 2050(国際エネルギー機関2022年版世界エネ
  ルギー見通し/国際エネルギー機関2050年ネットゼロに向けたロードマップ)

  :Net Zero Emissions by 2050 Scenario

●IEA WEO 2019(国際エネルギー機関2019年版世界エネルギー見通し)

  :Sustainable Development Scenario

 

 

 

b. 4℃シナリオ及び2℃・1.5℃シナリオに基づく将来世界観

4℃シナリオ

<異常気象に伴う自然災害などの被害が拡大>

産業革命期頃と比較して、2100年頃までに地球平均気温が4℃以上上昇する世界を想定したシナリオ。

現在の気候変動に関連する法整備や施策が成り行きで続き、異常気象の激甚化をはじめとした、平均気温上昇による物理的影響が顕著になる世界観。気候変動による直接的な被害が増加するのに対し、法規制や税制という形での市場への締め付けは強化されないため、移行リスクとしての影響度は小さく、企業の事業活動や顧客及び投資家における気候変動に対する意識に特別な変化は見られない。

2℃・1.5℃シナリオ

<脱炭素社会への移行が表面化>

産業革命期頃と比較して、2100年頃までに地球平均気温上昇を2℃程度に抑える世界を想定したシナリオ。

現在より厳しい政策や規制の導入等によって気温上昇が抑制され、異常気象等の物理的リスクの規模や頻度は4℃シナリオに比べ縮小するが、脱炭素化に向けた社会構造の変化に伴い、移行リスクは高まる世界観。そのため、あらゆる企業の事業活動において、気候変動の適応と緩和の動きが顕著になり、顧客や投資家の間では環境配慮の商品・サービスに関心が集まる。

 

 

 リスク項目については、2030年における財務インパクトを推定し、影響度を大中小で評価いたしました。その結果、下記「c. リスク・機会一覧」に示すように、4℃シナリオにおける「原材料コストの変化」、2℃・1.5℃シナリオにおける「炭素税の導入」「プラスチックへの規制」「顧客行動の変化」「原材料コストの変化」が特に大きな影響を及ぼす可能性があると確認いたしました。

 一方で、環境意識の高まりなどお客様の新たなニーズへの対応や、気温上昇によるお客様の嗜好変化・喫茶需要の増加に合わせた商品開発、店舗業態での出店など事業機会の可能性を確認しております。

 リスクへの対応策をはじめとする具体的な取り組みについては、当社ウェブサイトのサステナビリティページサステナビリティレポートをご参照ください。

 

 

c. リスク・機会一覧

分類

リスク項目

(注)1

時間軸

(注)2

事業への影響

影響度

4℃

2℃・1.5℃

移行リスク

炭素税の導入

中~

長期

事業活動に伴うCO2排出量に対して課される炭素税による操業コストの増加

導入

プラスチックへの

規制

短~

長期

石油由来原料への規制強化等、プラスチック梱包材への規制が導入された場合、紙を用いた包装へ変更するなどの対応コストの増加

省エネ・再エネ政策の

強化

中~

長期

省エネ政策強化による省エネ対応設備への切替コストや店舗のZEB化・ZEH化への対応コストの増加

エネルギーコストの

変化

中~

長期

・再生可能エネルギーへの需要増加による電力
  価格高騰が引き起こす、電力調達コストの増加

・化石燃料や電力などエネルギー価格の変動によ
  る、石油由来包装及び輸送コストの変動(増加)

顧客行動の変化

短~

長期

環境意識の高まりによる消費者離反や、小売企業による当該商品の採用減に伴う売上の減少

原材料コストの変化

短~

長期

持続可能な農業への移行や干ばつ、平均気温の上昇に伴う、原材料(カカオ豆、小麦、牛乳、大豆油等)調達コストの増加

物理リスク

異常気象の激甚化

短~

長期

気象災害の激甚化による拠点の被災及びサプライチェーンの寸断による損害や営業停止による損失の発生

物理機会

平均気温の上昇

短~

長期

気温の上昇によるお客様嗜好変化、喫茶需要の増加、冷菓需要の増加、飲料需要の増加、収益の増加

 

(注)1  *印のリスク項目は、定量的な評価を実施しております。

    2  時間軸は下記のとおり定義しております。

      短期:0~3年、中期:4~10年(2030年ごろ)、長期:11年~

 

d. 具体的な取り組み

イ.CO2排出量の削減

当社では、2030年までにCO2排出量を2013年度比で46%削減することを目標に、低炭素社会の実現に向けた取り組みを積極的に行っております。

具体的には、生産工場では屋上に太陽光パネルを設置し、太陽光発電によって得た電力を工場で使用するなど、CO2排出量の削減を進めております。また、商品の配送時に排出されるCO2についても削減活動を推進しており、共同配送等により配送の効率化を行うことで使用燃料及びCO2排出量の抑制につとめております。

 

ロ.プラスチック使用量の削減

製品の容器や包装については、商品をおいしく安全にお客様にお届けするための「品質保持」の役割を維持するとともに、省資源や廃棄時の環境負荷低減など「環境配慮」への対応を進めております。

具体的には、プラスチック包材から紙包材への切替や、外装・個包装・トレーなどの薄肉化及びサイズの縮小に取り組んでおります。また、洋菓子店舗やレストランにおいても、バイオマスプラスチックを使用した持ち帰り袋への切替などを行っております。

 

ハ.お客様の嗜好変化への対応

お客様の環境に対する意識の高まりにより、環境配慮型商品への需要が増加するなどお客様の嗜好も変化しております。エシカル消費の広まりに対し、上記プラスチック使用量の削減のほか、FSC(注)認証紙の使用や、サステナブルな原料を使用した商品及び気温上昇によるお客様の嗜好変化に合わせた商品の開発などに取り組んでおります。

(注)FSC(Forest Stewardship Council)認証は、環境・社会・経済の便益に適い、きちんと管理された森林から

   生産された林産物や、その他リスクの低い林産物を使用した製品を目に見える形で消費者に届ける仕組みの

   ことであります。

 

④指標及び目標

当社では、気候変動への対応について、重要目標達成指標(KGI)を設定したうえで、KGIを達成するための中間指標としてKPIを設定し、進捗をモニタリングしております。KGIについては、「(1)サステナビリティ全般に関する事項」の「④ 指標及び目標」をご参照ください。

カテゴリ

2030年 重要業績評価指標(KPI)

2024年実績

2025年実績

指標

目標

気候変動

への対応

●2013年度時点事業所ベースの温室効果ガス(CO2)排出量の削減  (注)

46.0%削減

27.2%削減

21.6%削減

 

(注) 子会社の合併により増えた事業所は含まず、2013年当時の事業所のみを対象としております。

 

(3)人権の尊重に関する事項

当社グループは、すべてのステークホルダーの皆様のこころと人生を豊かにし、持続可能な未来の実現に貢献するため、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」をはじめとする国際的な規範を支持し、「不二家グループ 人権方針」のもと、人権尊重に関する取り組みを推進しております。

 

① ガバナンス

サステナビリティ全般のガバナンスについては、「(1)サステナビリティ全般に関する事項」の「① ガバナンス」をご参照ください。

「事業活動における人権の尊重」に関する取り組みについては、ESG委員会とコンプライアンス委員会の両委員会が監督しております。ESG委員会の傘下に設置している人権分科会では、関連する法令や国際規範に整合する社内体制の整備、人権に関する重要課題全般の取り組み検討・実施などを行っており、その活動内容についてESG委員会が監督しております。コンプライアンス委員会では、コンプライアンス室が実施している人権やコンプライアンスに関する教育及び救済について監督しております。両委員会が連携することで、適切に人権尊重に向けた取り組みを推進しております。

 

  ▶ 不二家 人権尊重推進体制図

 


 

 

 

② リスク管理

「(1)サステナビリティ全般に関する事項」の「② リスク管理」をご参照ください。

 

③ 戦略

当社グループでは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、人権方針を策定し、人権尊重の取り組み(人権尊重の風土醸成、人権デュー・ディリジェンスの実施)、救済メカニズムの構築を推進しております。

 

a.人権方針

当社グループでは、2023年に「不二家グループ 人権方針」を策定し、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」をはじめとする国際規範を支持し、最大限尊重することを宣言しております。また、本方針の中で、差別の排除、ハラスメントの排除、児童労働・強制労働の禁止など9つの重要課題を設定し、これらの課題について真摯に取り組むことを明言しております。なお、本方針の策定にあたっては、有識者にご助言いただきました。

 

b.人権尊重の取り組み

イ.人権尊重の風土醸成

当社グループは、人権を尊重し、多様性と包容性を重視しています。個々の違いを受け入れ、互いに認め合い、各々が活躍できる職場環境を作るためには、従業員の意識醸成が必要不可欠だと考えております。

この考えのもと、人権啓発として「不二家人権ひろば」と題した人権啓発の社内イベント等を実施することで、身近な例から人権知識を深めるとともに、人権について自分事として考える機会を提供しております。また、人権教育として、全従業員を対象にコンプライアンス教育を実施しております。人権の基礎知識、ハラスメント等の職場における人権問題、事例共有に加え、社会情勢を踏まえた内容も取り入れた教育を行っております。さらに、人権尊重の体制構築に携わるESG委員会と人権分科会のメンバーを対象に、弁護士による人権教育を実施しております。

 

ロ.人権デュー・ディリジェンスの実施

●人権インパクト・アセスメント(人権への負の影響の特定及び評価)

2024年に、当社の事業活動が及ぼす人権への負の影響を特定し、深刻度及び発生可能性の観点から評価を実施いたしました。「お客様の安全と知る権利の尊重」、「安全・安心な職場づくり(労働安全衛生・ハラスメント)」、「持続可能なサプライチェーンの構築」について、対応優先度の高い課題であることを確認いたしました。

 

▶ 不二家 人権リスクマップ


 

 

●人権リスクの防止・軽減の取り組み

上記で挙げた3つの課題について、既存部署による継続的な取り組みが進行しておりますが、特に重点的に取り組むべき課題(ハラスメントのない職場づくり、持続可能なサプライチェーンの構築)については、人権分科会の中で多様な部署の知見を活かしながら、段階的に人権リスクの防止・軽減の取り組みを実施しております。

 

・ハラスメントのない職場づくり

ハラスメントのない職場づくりでは、特に「パワーハラスメントの防止」、「カスタマーハラスメントの防止」に取り組んでおります。2025年は「カスタマーハラスメントの防止」を重点的に推進し、「不二家グループ カスタマーハラスメントに関する基本方針」の策定、「カスタマーハラスメント防止のための不二家マニュアル」の作成を行いました。また、代表取締役社長をはじめとする役員と部長以上の管理職を対象に、外部講師によるカスタマーハラスメント対策研修を行いました。

 

・持続可能なサプライチェーンの構築

持続可能なサプライチェーンの構築では、特に「サプライヤーエンゲージメントの強化」、「持続可能な原材料の調達」に取り組んでおります。2025年は「サプライヤーエンゲージメントの強化」を重点的に推進し、「不二家 サプライヤーガイドライン」を策定いたしました。

 

c.救済メカニズムの構築

当社グループでは、社内における法令・コンプライアンス違反全般に関する通報及び相談窓口として「コンプライアンスヘルプライン」を設置しております。また、当社ではお客様からのご意見・お問い合わせの窓口として、「お客様窓口」を設置しております。人権分科会、コンプライアンス室、お客様窓口が連携し、社内外の救済メカニズムの構築につとめております。

 

④ 指標及び目標

当社では、人権尊重の取り組みのうち、特に「ハラスメントのない職場づくり」及び「持続可能なサプライチェーン構築」について、重要目標達成指標(KGI)を設定したうえで、KGIを達成するための中間指標としてKPIを設定し、進捗をモニタリングしております。KGIについては、「(1)サステナビリティ全般に関する事項」の「④ 指標及び目標」をご参照ください。

 

カテゴリ

2030年 重要業績評価指標(KPI)

2024年実績

2025年実績

指標

目標

ハラスメントのない職場づくり

●コンプライアンス教育受講率(正社員)

100%

100%

100%

持続可能なサプライチェーンの構築

●ガーナ産カカオ豆のサステナブル調達率

100%

43.3%

61.2%

 

 

(4) 人的資本に関する事項(人的資本・多様性)

当社は、人材について経営を担う重要な財産の1つであると考えております。当社の価値観「Smile makes the heartful world ~笑顔がつくる こころあたたまる世界~」の実現に向け、「不二家 人事方針」に基づき、当社の価値観に共感するとともに、変化への迅速な対応、多様性の尊重、お客様・地域社会に対する継続的な価値提供ができる自律した人材の育成を推進しております。

 ▶ 不二家 人事方針

  不二家の価値観「Smile makes the heartful world」の実現に向け、不二家と従業員との強固な関係を築く

    ため、従業員の成長を支援するとともに、各々の持つ強み・能力を最大限発揮できる環境と場を提供します。

 

▶ 不二家 人事方針概略図


 

 

① ガバナンス

「(1)サステナビリティ全般に関する事項」の「① ガバナンス」をご参照ください。

 

② リスク管理

「(1)サステナビリティ全般に関する事項」の「② リスク管理」をご参照ください。

 

 

③ 戦略<人材育成方針及び社内環境整備方針>

当社では、「不二家 人事方針」のもと、「不二家 人材育成方針」及び「不二家 社内環境整備方針」を掲げ、自律的かつ主体的にチャレンジする従業員を支援するとともに、各々の持つ強み・能力を最大限発揮できる環境を提供しております。

 ▶ 不二家 人材育成方針

    (1)「個の成長」と「個々が強い結びつきを持つ組織」の両立により、多様な人材が活躍する組織を実現し

     ます。

  (2)多様な職務経験・人との関わりを通じた幅広い能力開発と人間的成長を支援します。

  (3)自律人材の育成に向け、自己成長支援を推進するとともに、主体的にキャリアが形成できる環境を整備

     します。

 

 

 ▶ 不二家 社内環境整備方針

    (1)「不二家グループ 労働安全衛生方針」を踏まえ、安全・安心が確保された職場環境を整備します。

    (2)従業員が個々の能力を最大限発揮するために、「心理的安全性」を高め、「多様性」を尊重する風土を

     醸成します。 

   (3)従業員を代表する労働組合と健全かつ良好な関係を構築し、相互理解と諸問題解決に向けて協議します。

 

 

a.人事実行戦略

 上記方針及び外部環境変化を踏まえ、価値観実現に向けた人材領域の課題を採用・育成・環境整備(労働安全衛生・多様性)の観点から抽出し、重要度を評価いたしました。重要課題に対する人事実行戦略を以下のとおり設定しております。

人事実行戦略

取り組み内容

当社の価値観実現に向けた人材の

採用・育成(採用・育成)

当社の志に共感した仲間を採用する。

環境変化を敏感に察知し、主体的に変革を推進できる人材への育成に向け、効率的かつ効果的な育成プログラムを提供する。

安全で安心して健康に働ける

職場環境整備(安全・健康)

安心した生活を送り、業務に集中するための身体的・心理的な安全が確保された環境を提供する。

多様な従業員が能力を最大限

発揮できる環境整備(多様性)

多様な従業員を社内外から求め、多様性を公平に受け入れ、多様な人材が活躍できる環境を提供する。

 

 

b.人事実行戦略への取り組み

イ.当社の価値観実現に向けた人材の採用・育成(採用・育成)

●採用

当社が持続的な価値創造を実現するためには、当社の価値観に共感し、自ら体現できる人材の確保が重要であると考えております。そのため、求める人物像の設定及び当社における活躍人材の分析を行い、データに基づく新たな採用基準を設定するとともに、入社後もウェルビーイングサーベイや人事面談等を通じて、早期活躍に向けた支援を実施しております。

 

●人材育成

当社の価値観を体現する人材へ育成するためには、入社後の成長機会の提供及び継続的な能力開発が不可欠であると考えております。この考えのもと、職種別・階層別に期待される役割や必要知識・能力基準を整理いたしました。これらの基準達成に向け、必要な教育プログラムを段階的に企画・実施しており、2025年においては入社後の若手教育の拡充に加え、経営幹部育成に向けた研修等を実施いたしました。

 

ロ.安全で安心して健康に働ける環境整備(安全・健康)

従業員が能力を最大限に発揮するためには、安全で安心して働ける環境の確保及び従業員の健康保持増進に配慮した環境作りが不可欠であると考えております。当社は「不二家グループ 労働安全衛生方針」のもと、専門家にご支援いただきながら、継続的に労働安全衛生の取り組みを推進しております。2025年は全社における安全意識のさらなる向上を目指し、「組織的な安全管理体制の強化」、「現場における安全活動の徹底」、「設備面での安全対策の推進」の3つを柱に据え、安全教育の継続的な実施、微小災害や現場の声の集約・分析等を通じて、災害の予知予防につとめてまいりました。

また、従業員の健康保持・増進に向け、若手社員を中心としたウェルビーイングサーベイの実施、不二家健康保険組合と連携した健康増進イベントの実施に加え、従業員分科会において課題の可視化と今後の施策検討を推進しております。

 

●多様な従業員が能力を最大限発揮できる環境整備(多様性)

多様な従業員が組織内で活躍することにより、個人の成長のみならず、組織及び全社の創造性とイノベーションを生み出すことができると考え、DE&Iの取り組みを推進しております。

女性活躍推進においては、2025年、当社で働く女性社員のあるべき姿を定義し、課題の抽出を行いました。働きがいと働きやすさの両輪で、主体的なキャリア形成の支援及び制度・環境整備を進めてまいります。

また、従業員の長期活躍推進においては、本年度、定年年齢及び雇用上限年齢の引上げを行いました。それに伴い、ベテラン層の働きがい向上と人生設計支援の両面から、いきいきと働ける環境の整備を推進しており、2025年は特定の年代の社員を対象に、キャリア・マネー・健康の観点から今後のキャリアと生活設計を検討するキャリア研修を実施いたしました。

 

④指標及び目標

当社では、上記人事実行戦略について、重要目標達成指標(KGI)を設定したうえで、KGIを達成するための中間指標としてKPIを設定し、進捗をモニタリングしております。KGIについては、「(1)サステナビリティ全般に関する事項」の「④ 指標及び目標」をご参照ください。

カテゴリ

2030年 重要業績評価指標(KPI)

2024年実績

2025年実績

指標

目標

当社の価値観実現に向けた人材の採用・育成

研修受講者数(延べ人数)

815

486人

676

研修費用(2022年度を100とした時の指数)

200

131

279

安全で安心して健康に働ける職場環境整備

労働安全教育受講人数(延べ人数)

15,000

10,774人

11,678

多様な従業員が能力を最大限に発揮できる環境整備

係長級にある者に占める女性社員比率

30.0

23.7%

27.6

男性育児休業取得率

100

86.6%

100

 

 

 

3 【事業等のリスク】

(1)当社のリスクマネジメント体制

 当社は、「リスク管理規程」に基づき、事業における様々なリスクに対して、事前にリスクの特定・分類・分析・評価を行い、適切に対応するための「リスク管理委員会」を設置し、年4回開催しております。「リスク管理委員会」は代表取締役社長を委員長として、委員会において進捗のモニタリングを行い、審議内容や検討状況は必要に応じて取締役会に報告することで、リスク管理全般の統制管理を行っております。

(2)主要な事業等のリスク

 事業の状況、財務の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。当社グループは、事業等のリスクが発生する可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応につとめる所存であります。

 以下に記載したリスクは当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、これら以外のリスクも存在し、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、以下の文中には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2026年3月23日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

リスク

対応策

「食」の安全性

●原材料や製造工程のトラブルによる製品の安全性低下、食品事故の発生

●上記に起因した製品の回収や販売停止

●食品関連法令の遵守

●毎月11日を「食品安全の日」と定め、通常の食品安全衛生管理業務に加え、定期的に当社・ 当社グループ工場及び製造委託会社の管理状況を点検

●店舗への巡回チーム派遣による食品安全衛生管理の徹底●全工場においてAIB(American Institute of Baking)の国際検査統合基準による指導に基づいた管理の実施

●食品安全マネジメントシステム規格であるFSSC22000又はJFS-Bに基づく食品安全衛生管理の実施

原材料・エネルギー価格

●下記の要因による原材料・エネルギー価格の上昇、調達不全によるコストの増加

 ・異常気象 ・自然災害

 ・世界的な需給状況の変化

 ・為替変動

 ・原産国の政情不安、紛争 

 ・原油価格の上昇

 ・パンデミック  等

●調達先等からの適時的確な価格変動情報の収集

●調達先や産地の分散化

●代替原材料の検討

●生産ラインの効率化推進

●適正在庫水準の維持

海外事業展開

●進出先における下記不測の事態の発生

 ・政治・社会情勢の変化

 ・テロ活動・暴動行為の発生

 ・自然災害の発生

 ・パンデミック

 ・為替変動  等 

●当社からの基幹人材の派遣

●当社海外事業部による現地情勢の把握

●災害発生時の現地子会社と連携した情報収集体制の整備

●テロ活動・暴動行為や自然災害発生時の安否確認システムの導入

法的規制等

●法的規制の変更・強化による事業活動の制限

●人権問題への対応遅れによる法務・レピュテーションリスクの拡大

●適時的確な情報収集

●役員・従業員に対するコンプライアンス教育実施による法令等の啓発及び意識の向上

その他詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)人権の尊重に関する事項」をご参照ください。

 

 

 

リスク

対応策

異常気象・自然災害、パンデミック

●過度な気温上昇による購買動向の変化
●大規模な地震や水害などの自然災害、パンデミックによるサプライチェーンの停滞

●情報収集や分析に基づく需要予測・生産計画の策定

●有事の際は危機管理マニュアルに従って対策本部を設置、全社的に対応

●地震・火災等を想定した防災訓練の実施

●事業所ごとのハザードマップの整備

●安否確認システム、衛星電話の活用

企業情報・個人情報の漏洩

●不正アクセスやコンピュータウイルス感染等による社内情報の漏洩、改ざん、システム障害等

●ランサムウェア等の高度なサイバー攻撃により、個人情報や機密情報が大量に漏洩する可能性

●サイバー攻撃に伴うシステム障害により、業務停止やサービス提供遅延が発生する可能性

●「文書管理規程」「経営機密情報管理規程」「個人情報保護基本規程」等情報セキュリティに関する各種規程の整備、啓発活動の実施

●セキュリティ運用体制の強化及びサイバー攻撃を想定した監視・検知体制の整備

●ランサムウェア等標的型攻撃に対応するためのバックアップ方針の策定と隔離保管、復旧訓練の実施

●外部セキュリティ専門家、親会社情報システム部門との連携による早期対応体制の整備

不二家ブランドの毀損

●SNS等による当社グループ製品・サービスへの予期せぬ風評被害の発生・拡散

●インターネット上の当社関係情報の監視

●虚偽又は事実と異なる情報に対し、法令等に則り迅速かつ適正な対応を実施

人材の確保・育成、労働力の確保

●雇用情勢の変化による人材の確保難

●少子高齢化に伴う労働人口の減少等による労働力不足

●雇用延長

その他詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(4)人的資本に関する事項」をご参照ください。

労働災害

●従業員の生命身体を脅かす事故の発生

●「不二家グループ 労働安全衛生方針」のもと、労働時間の短縮による安全・安心な職場環境の整備と健康経営の推進

●「管理職による日々の安全パトロール」を通じた安全確認と災害発生リスクの早期発見

●労働災害の未然防止のため、社外の労働安全衛生専門家と中央労働安全衛生委員による定期的な安全衛生巡回の実施

気候変動

●移行リスク(脱炭素社会への移行に伴うリスク)
●物理リスク(気候変動による災害等により顕在化するリスク)

詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)気候変動に関する事項」をご参照ください。

フランチャイズ店の減少

●契約者の高齢化、後継者難

●商圏の変化による経営難

●他の不二家店舗経営者による引継ぎ、直営店化

●後継者候補の調査

●営業対策、店舗移転の提案

知的財産権

●当社が保有又は使用する知的財産権が無効とされる、又は権利範囲が制限される可能性

●当社ブランドや商標等が模倣品や類似商品により不正使用され、ブランド価値が低下する可能性

●海外事業において、知的財産権の十分な保護が受けられない可能性

●知的財産権の出願・登録及び更新状況の適切な管理

●新商品開発等における事前調査及び専門家による確認の実施

●模倣品や不正使用の監視及び必要に応じた対応

●知的財産権に関する社内管理体制の整備及び教育の実施

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善や訪日外国人客数の回復が見られたものの、物価上昇の影響が継続し、個人消費の回復は緩やかな状況にとどまりました。菓子業界においては、カカオ豆をはじめとする原材料価格の高騰や人件費、物流費の上昇等のコスト増加要因が重なり、引き続き厳しい事業環境となりました。

このような状況下にあって当社グループは、安定的な商品供給に注力するとともに、商品構成の見直しや生産効率の向上、コスト抑制への取り組みを継続しつつ、お客様により良い商品と最善のサービスの提供を心掛け、売上と利益の確保につとめてまいりました。

その結果、当連結会計年度の売上高は、1,195億58百万円(対前期比108.7%)、営業利益は28億40百万円(対前期比123.6%)、経常利益は36億9百万円(対前期比115.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は20億31百万円(対前期比121.4%)となり、増収増益とすることができました。   

 

当社グループのセグメントの概況は次のとおりであります。

 

 

 

 

当連結会計年度(第131期)

前連結会計年度(第130期)

対前年
同期比

増減

2025年1月1日から
2025年12月31日まで

2024年1月1日から
2024年12月31日まで

売上高

構成比

売上高

構成比





 

百万円

百万円

百万円

洋菓子

25,506

21.3

24,755

22.5

103.0

751

レストラン

6,332

5.3

6,129

5.6

103.3

203

31,838

26.6

30,884

28.1

103.1

954




菓 子

80,244

67.1

71,286

64.8

112.6

8,957

飲 料

3,823

3.2

4,391

4.0

87.1

△567

84,067

70.3

75,677

68.8

111.1

8,389

その他

3,652

3.1

3,422

3.1

106.7

229

合   計

119,558

100.0

109,984

100.0

108.7

9,573

 

(注)記載金額は、百万円未満を切り捨てて表示しております。

 

  <洋菓子事業>

当社単体の洋菓子事業においては、洋菓子チェーン店にて「プレミアムショートケーキ」をはじめとする主力製品及び旬のフルーツを使用した『ショートケーキ12の色物語』の販売に注力し、売上の向上につとめました。クリスマスセールにおいては、期間限定商品「Smile Switchクリスマス」の店頭・WEB予約に加え、小物ケーキの予約訴求やセール当日の品揃え強化をはかった結果、販売は好調に推移いたしました。既存店については、VI(ビジュアルアイデンティティ)に基づき当連結会計年度中に49店舗の改装を実施いたしました。また、「ペコちゃん milky ドーナツ」の展開や催事への出店を積極的に行い、新規顧客の獲得をはかりました。なお、当連結会計年度末における不二家洋菓子店の営業店舗数は、不採算店や後継者不足等によるフランチャイズ店の閉鎖等により850店(前期差42店減)となっております。

広域流通企業との取り組みにおいては、外食チェーンやコンビニエンスストア向けに、生産性の高い製造ラインを活用した製品や、当社の技術力を活かした製品を提案いたしました。海外輸出では、アメリカ市場向けに新製品を投入し、販売は好調に推移いたしました。

 

レストラン事業では、「秋のごちそうフェア」、「冬フェアメニュー」と称した期間限定フェアを実施し、集客の拡大につとめた結果、売上は前期の実績を上回りました。

 

以上の結果、当連結会計年度における洋菓子事業全体の売上高は318億38百万円(対前期比103.1%)となりました。利益面では、卵等の原材料価格の高騰や労務費の上昇により依然として厳しい事業環境が続きましたが、一部製品の規格及び価格の見直しに加え、生産ラインの能力増強による生産性の向上、省人化や生産アイテムの集約による労務費の削減に取り組んだ結果、増益とすることができました。

 

<製菓事業>

当社単体の菓子事業においては、『ホームパイ』のブランド強化に向けて、タレントを起用した販売促進活動を展開し、これに合わせて売場では『カントリーマアム』との同時陳列により訴求力を高めることで、大袋ビスケット製品群の販売を強力に推進いたしました。『ルック』においては、素材にこだわったワンランク上の製品「プレミアムルック」を発売し、テレビコマーシャルやデジタル広告配信等を積極的に展開した結果、売上は好調に推移いたしました。『ハート』シリーズにおいては、既存製品に加え、新たにビスケット製品「ハートクッキー(バ
ターアーモンド)」を投入し、売上拡大をはかりました。また、当社の主力飲料ブランド『ネクター』や『レモンスカッシュ』を活用したグミ製品をシリーズ化して発売するなど、成長著しいグミ市場での拡売につとめました。

上記の結果、単体の菓子事業の売上は前期の実績を上回りました。

 

飲料事業においては、主力製品の価格改定の影響により、売上については前期の実績を下回りましたが、利益面では改善をはかることができました。

 

不二家(杭州)食品有限公司においては、中国国内の景気低迷の影響が大きく、売上は前期の実績を下回りました。現在は、主力製品「ポップキャンディ」やグミ製品の拡販をはかるべく新規販路の開拓に取り組むなど、売上の回復につとめております。

 

以上の結果、当連結会計年度における製菓事業全体の売上高は840億67百万円(対前期比111.1%)となりました。利益面では、原材料価格の大幅な高騰が続きましたが、設備投資を行った生産ラインの有効活用による主力製品の増産・販売拡大でコスト増を吸収し、増益とすることができました。

 

<その他>

ライセンス事業、不動産賃貸事業及び㈱不二家システムセンターのデータ入力サービスなどの事務受託業務の売上高は36億52百万円となりました。

 

財政状態は以下のとおりであります。

 

流動資産は429億20百万円で、主に現金及び預金の増により前連結会計年度末に比べ75億14百万円増加いたしました。固定資産は634億46百万円で、主に有形固定資産の増により前連結会計年度末に比べ83億85百万円増加いたしました。この結果、総資産は1,063億66百万円で前連結会計年度末に比べ158億99百万円増加いたしました。

また、流動負債は231億23百万円で、主に短期借入金の返済により前連結会計年度末に比べ13億32百万円減少いたしました。固定負債は171億38百万円で、主に長期借入金の新規約定により前連結会計年度末に比べ141億95百万円増加いたしました。この結果、負債合計は402億61百万円で前連結会計年度末に比べ128億62百万円増加いたしました。

純資産は661億4百万円で、主に利益剰余金や退職給付に係る調整累計額の増により前連結会計年度に比べ30億37百万円増加いたしました。この結果、自己資本比率は57.0%(前期は64.0%)となり、1株当たり純資産は2,352円38銭となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローにつきましては、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて38億45百万円増加し、108億61百万円となりました。

営業活動の結果得られた資金は、37億79百万円(前連結会計年度は42億60百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益によるものであります。

投資活動の結果使用した資金は、108億56百万円(前連結会計年度は69億5百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。

財務活動の結果得られた資金は、108億66百万円(前連結会計年度は17億46百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の新規約定によるものであります。

 

③生産、商品仕入及び販売の実績

a 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

前年同期比(%)

洋菓子事業計(百万円)

25,443

107.6

製菓事業計(百万円)

74,027

108.9

合計(百万円)

99,471

108.6

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しておりません。

2 金額は販売価格によっております。

 

b 商品仕入実績 

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

前年同期比(%)

洋菓子事業計(百万円)

1,098

121.2

製菓事業計(百万円)

6,272

100.6

合計(百万円)

7,370

103.2

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しておりません。

2 金額は仕入価格によっております。

 

c 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

前年同期比(%)

洋菓子事業

ケーキ、ベーカリー、デザート等の
洋菓子類(百万円)

25,506

103.0

レストラン(百万円)

6,332

103.3

計(百万円)

31,838

103.1

製菓事業

チョコレート、キャンディ及びビスケット(百万円)

80,244

112.6

飲料、乳製品等(百万円)

3,823

87.1

計(百万円)

84,067

111.1

その他

不動産賃貸収入及び事務受託業務等
(百万円)

3,652

106.7

計(百万円)

3,652

106.7

合計(百万円)

119,558

108.7

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

株式会社山星屋

11,269

10.2

12,524

10.4

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績については、売上高は1,195億58百万円(前連結会計年度比8.7%増)、営業利益は28億40百万円(前連結会計年度比23.6%増)、経常利益は36億9百万円(前連結会計年度比15.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20億31百万円(前連結会計年度比21.4%増)となり、増収増益とすることができました。

a 売上高

売上高を事業の種類別に見ますと、洋菓子事業においては、単体の洋菓子チェーン店にて「プレミアムショートケーキ」をはじめとする主力製品及び旬のフルーツを使用した『ショートケーキ12の色物語』の販売に注力し、売上の向上につとめました。クリスマスセールにおいては、期間限定商品「Smile Switchクリスマス」の店頭・WEB予約に加え、小物ケーキの予約訴求やセール当日の品揃え強化をはかった結果、販売は好調に推移いたしました。既存店については、VI(ビジュアルアイデンティティ)に基づき当連結会計年度中に49店舗の改装を実施いたしました。また、「ペコちゃん milky ドーナツ」の展開や催事への出店を積極的に行い、新規顧客の獲得をはかりました。広域流通企業との取り組みにおいては、外食チェーンやコンビニエンスストア向けに、生産性の高い製造ラインを活用した製品や、当社の技術力を活かした製品を提案いたしました。海外輸出では、アメリカ市場向けに新製品を投入し、販売は好調に推移いたしました。レストラン事業においては、「秋のごちそうフェア」、「冬フェアメニュー」と称した期間限定フェアを実施し、集客の拡大につとめた結果、売上は前期の実績を上回りました。以上の結果、当連結会計年度における洋菓子事業全体の売上高は318億38百万円(前連結会計年度比3.1%増)となりました。

当社単体の菓子事業においては、『ホームパイ』のブランド強化に向けて、タレントを起用した販売促進活動を展開し、これに合わせて売場では『カントリーマアム』との同時陳列により訴求力を高めることで、大袋ビスケット製品群の販売を強力に推進いたしました。『ルック』においては、素材にこだわったワンランク上の製品「プレミアムルック」を発売し、テレビコマーシャルやデジタル広告配信等を積極的に展開した結果、売上は好調に推移いたしました。『ハート』シリーズにおいては、既存製品に加え、新たにビスケット製品「ハートクッキー(バ
ターアーモンド)」を投入し、売上拡大をはかりました。また、当社の主力飲料ブランド『ネクター』や『レモンスカッシュ』を活用したグミ製品をシリーズ化して発売するなど、成長著しいグミ市場での拡売につとめました。不二家(杭州)食品有限公司においては、中国国内の景気低迷の影響が大きく、売上は前期の実績を下回りました。現在は、主力製品「ポップキャンディ」やグミ製品の拡販をはかるべく新規販路の開拓に取り組むなど、売上の回復につとめております。以上の結果、当連結会計年度における製菓事業全体の売上高は840億67百万円(前連結会計年度比11.1%増)となりました。売上高の詳細については「第2 事業の状況」「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1) 経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況に記載の通りです。

b 営業利益

原材料価格の高騰により売上原価率は67.6%となり、前連結会計年度比で0.7%増加しましたが、労務費、物流費の上昇に対処するため、洋菓子事業では一部製品の規格及び価格の見直しに加え、生産ラインの能力増強による生産性の向上、省人化や生産アイテムの集約による労務費の削減の取り組みを実施し、製菓事業では設備投資を行った生産ラインの有効活用による主力製品の増産・販売拡大を実施した結果、増益とすることができました。

以上の結果、営業利益は28億40百万円(前連結会計年度比23.6%増)となりました。

c 経常利益

主に支払利息の増加がありましたが、営業利益の増加に加え、持分法適用関連会社の業績好調により、経常利益は36億9百万円(前連結会計年度比15.3%増)となりました。

d 親会社株主に帰属する当期純利益

主に経常利益の増加により、親会社株主に帰属する当期純利益は20億31百万円(前連結会計年度比21.4%増)となりました。

 

② 財政状態の分析

当連結会計年度末における資産、負債、純資産の状況は以下のとおりであります。

流動資産は429億20百万円で、主に現金及び預金の増により前連結会計年度末に比べ75億14百万円増加いたしました。固定資産は634億46百万円で、主に有形固定資産の増により前連結会計年度末に比べ83億85百万円増加いたしました。この結果、総資産は1,063億66百万円で前連結会計年度末に比べ158億99百万円増加いたしました。

また、流動負債は231億23百万円で、主に短期借入金の返済により前連結会計年度末に比べ13億32百万円減少いたしました。固定負債は171億38百万円で、主に長期借入金の新規約定により前連結会計年度末に比べ141億95百万円増加いたしました。この結果、負債合計は402億61百万円で前連結会計年度末に比べ128億62百万円増加いたしました。

純資産は661億4百万円で、主に利益剰余金や退職給付に係る調整累計額の増により前連結会計年度に比べ30億37百万円増加いたしました。この結果、自己資本比率は57.0%(前期は64.0%)となり、1株当たり純資産は2,352円38銭となりました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの運転資金需要の主なものは、原材料の購入、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要の主なものは、生産設備の新設及び更新や店舗設備の新設等の設備投資であります。

これらの運転資金や投資資金は、自己資金により充当することを基本方針としておりますが、必要に応じて資金調達を行ってまいります。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

5 【重要な契約等】

(1) 不二家フランチャイズチェーン契約

当社は、フランチャイジーとの間に「不二家フランチャイズチェーン契約」を締結しております。

期間  :3カ年間(期間満了後1年毎の自動更新)

契約内容:1 不二家ファミリー・チェーン加盟店の運営

2 不二家ファミリー・チェーンに係わる商標、サービスマーク、運営マニュアル等の使用

(注)フランチャイジーによって発効日が異なりますので、発効日の記載を省略しております。

なお、1995年4月1日よりロイヤリティ制度を導入し売上の5%程度のロイヤリティを受けとっております。

 

(2) 山崎製パン株式会社との業務資本提携契約

当社は、2008年11月7日、山崎製パン株式会社との間に業務資本提携契約を締結しております。

契約内容:1

両社製品の相互販売、相互OEM生産、共同原材料調達、共同プロモーションの展開、販売拠点の共同開発、物流の共同化等の業務提携

     2

当社普通株式の第三者割当増資による資本提携

 

 

(注)上記以外の項目につきましては、「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」附則第3条第4項の規定により、記載を省略しております。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、「常により良い商品と最善のサービス(ベストクオリティ・ベストサービス)を通じて、お客様ご家族に、おいしさ、楽しさ、満足を提供する」という経営理念のもと、品質や価格に対する多様な消費者ニーズに応えるべく、その基盤となる基礎研究をはじめ、製品開発や品質の安定・向上に関する研究等に積極的に取り組んでおります。

また、食の安全を確立するため、自社製品の賞味期限設定の裏付けとなる経時変化の分析を中心とした食品分析を実施しております。

なお、当連結会計年度末の研究開発従事者は49名、研究開発費は659百万円であります。

 

セグメント別の主な研究開発内容は、次の通りであります。

(洋菓子事業)

(1) 応用研究

応用研究においては、生産性の向上及び高付加価値製品の開発を重点課題として取り組んでまいりました。

生産面では、産業用ロボットを用いたクリーム絞り工程の自動化に着手いたしました。AIとクリーム配合、充填機の作動を連動させた独自の絞り技術を確立することで、品質の安定化と製造現場の省人化を推進しております。

開発面では、乳由来の乳化成分の活用による「ペコちゃんのほっぺ」の品質改良を実施したほか、健康志向ニーズに対応した研究に注力いたしました。具体的には、低糖質の冷凍宅配食や、希少糖を活用し、健康価値と美味しさのバランスを追求したセミフレッドケーキの開発など、『おいしさと健康機能』を高度に両立させた付加価値の高い製品提供を実現しております。

 

(2) 開発研究

開発研究においては、既存製品の品質の向上と価値ある新製品の開発を重点課題として取り組んでまいりました。

品質面では、既存のプレミアム製品群における付加価値の最大化を目指し、配合の見直し等による品質の安定及び向上に注力いたしました。また、新業態店舗「ペコちゃんmilkyドーナツ」におけるドーナツ製品向けに、洋生菓子の配合技術とデコレーション手法を導入することで、製品ラインナップの拡充をはかるとともに、液状油の特性を維持しながら油滲みを抑制する独自のフライオイルを開発し、製品品質の継続的な向上を実現いたしました。

新製品においては、手に持って食べられる形態のショートケーキなど、それぞれの企画コンセプトに連動したオリジナル製品の開発を行いました。

以上の結果、洋菓子事業の研究開発費は263百万円となりました。

 

(製菓事業)

(1) 基礎研究

基礎研究においては、主力製品の品質向上と製品価値の再定義を重点課題として取り組んでまいりました。

品質面では、チョコレートの主原料であるカカオ豆において、独自の熱反応解析に基づき、香気成分の指標である「fruity」及び「cacao」の値を上昇させることで、焙煎条件の最適化を実施いたしました。

製品価値の面では、国内市場におけるチョコチップクッキーの製品特性の現状把握と構造化を推進いたしました。自社及び他社製品の理化学的データの収集と官能検査による詳細な比較分析を行うことで、客観的なエビデンスに基づいた製品の優位性確立と、次世代製品の開発に向けた基盤構築につとめております。

 

(2) 応用開発

応用研究においては、機能性素材の活用による新カテゴリー開拓や、環境負荷低減に向けた包装技術の確立に取り組んでまいりました。

新カテゴリーの開拓では、健康志向の高まりを受け、機能性素材を応用した「完全栄養食」の菓子開発に着手いたしました。栄養バランスの最適化に関する外部認証規格に準拠した設計開発を進め、現在は製品化に向けた保存試験による栄養素の安定性検証を行っております。

包装技術については、環境に配慮し、主要製品における外装包材の薄肉化を完了いたしました。あわせて、脱プラスチックの推進に向けた紙包材の研究を進めており、製造現場でのラインテストを通じて、生産適性及び品質保持性能の確認を完了しております。

 

(3) 開発研究

開発研究においては、基幹ブランドの価値向上と、健康・利便性ニーズに対応した新カテゴリーの開拓に注力いたしました。

基幹ブランドでは、製造技術の進化による製品ラインアップの拡充や、乳化技術の導入を通じた品質改善を推進いたしました。具体的には、『ルック』において「プレミアムルック」のシリーズ展開にあたり、シェルチョコにカラーチョコを使用いたしました。また、エンローバーチョコレート製品に特定の乳化剤を配合することで、低温度帯でのファットブルーム(油脂移行による白濁)を抑制する技術を確立し、製品の耐性強化と品質安定化を実現いたしました。

新カテゴリーの開拓では、健康志向に対応した製品「モーニングマアム」において、食物繊維やミネラル等の栄養素を付加するリニューアルを段階的に実施し、おいしさと健康訴求の両立をはかっております。『ネクター』においては、果実感を追求した高付加価値グミや、当社初となる屋根型紙パック飲料を市場に導入いたしました。

以上の結果、製菓事業の研究開発費は、395百万円となりました。