(1)リスク要因
以下には、本受益権への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。ただし、以下は本受益権への投資に関するすべてのリスク要因を網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。これらのリスクが顕在化した場合、本受益権への投資者は、本受益権の価値の下落、本受益権より得られる収益の低下等の損失を被る可能性があります。
各投資者は、自らの責任において、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で本受益権に関する投資判断を行う必要があります。
なお、本書に記載の事項には、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、これらの事項は本書の日付現在における委託者、アセット・マネージャー及び受託者の判断によるものです。
① 投資対象不動産に関するリスク
本信託は、信託財産の多くを不動産信託受益権である本件不動産受益権として保有しており、本件不動産受益権の信託財産の多くは少数の不動産である投資対象不動産となっています。そのため、本信託は、経済的には、投資対象不動産を直接所有している場合とほぼ同様の利益状況に置かれています。したがって、本信託の受益権である本受益権に対する投資に関しては、以下の投資対象不動産に関するリスクが存在します。
(イ) 投資対象不動産の価格変動リスク及び鑑定評価額との価格乖離リスク
・本信託は投資対象不動産の価格変動の影響を受けます。
・本信託においては、信託期間が固定期間とされており、原則として、信託期間の終了時には本受益権を償還することとなるため、投資対象不動産又は本件不動産受益権を処分すべき時期が事実上信託期間の終了前の一定の期間に限定されます(一定の場合、運用期間の延長ができるものとされていますが、延長期間には制限があるため、投資対象不動産又は本件不動産受益権を処分すべき時期が限定されることは避けられません。)。そのため、投資対象不動産の価格変動の影響を回避することが困難です。
・投資対象不動産の鑑定評価額は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見であり、実際の市場において成立しうる不動産価格と一致するとは限らず、乖離する可能性があります。また、当該鑑定評価額による売買の可能性を保証又は約束するものではありません。
・投資対象不動産の鑑定評価額及び実際の市場において成立しうる不動産価格は、投資対象不動産の運営状況、投資対象不動産が所在する地域の状況、投資対象不動産の建物又は設備の状況、投資家等による投資対象不動産の購入需要の状況等により、将来に亘って大きく変化する可能性があります。
(ロ) 投資対象不動産の収益及び費用変動リスク
・本信託の収益は、投資対象不動産の収入に依存しており、投資対象不動産の稼働率、賃料水準、賃料等の支払状況その他の運営実績、投資対象不動産の運営者の運営能力、景気動向等様々な理由により変動し、収益の保証はありません。
・本信託の費用は、投資対象不動産の費用に依存していますが、不動産管理処分信託の受託者やその業務委託先に対する報酬等の投資対象不動産以外の費用もあります。これらの費用は、投資対象不動産の劣化状況、災害等による被災、資本的支出の計画、投資対象不動産における事故、投資対象不動産に関して行われる賃貸借若しくは売買その他の取引等、受託者やその業務委託先の報酬水準の変更、法令の制定又は改廃等様々な理由により変動し、増大する可能性があります。
(ハ) 投資対象不動産の流動性・譲渡制限等に関するリスク
・不動産は、一般的にそれぞれの物件の個別性が強いために代替性がなく流動性が低いため、投資対象不動産についても流動性が低く、適切な時期及び価格その他の条件で譲渡することが困難となる場合があります。とりわけ、本借入れに関しては、投資対象不動産に担保権が設定される場合があり、かかる担保権が設定された場合には、受託者は、その資産を担保の解除手続等を経ることなく譲渡できないことから、投資対象不動産については、かかる流動性のリスクは、特に高くなるといえます。
・不動産によっては、法令や行政機関との合意によりその譲渡が制限されたり、買戻権が設定される場合があり、そのような制限が存在するときは、売却により多くの時間や費用を要したり、価格の減価要因となる可能性があります。また、買戻権が行使された場合には、不動産の権利を喪失するとともに、原状回復義務等の負担が生じることで、多額の損害を被る可能性があります。
(ニ) 投資対象不動産の利用状況及び賃貸借に関するリスク
・投資対象不動産の収入及び費用並びにその価値は、周辺環境、人口・世帯数動向、交通機関との接続状況、景気動向、不動産の経年劣化の状況、エンドテナントの利用状況、資力、属性、入居又は退去の状況、投資対象不動産の他の不動産との競合状況その他の需要状況並びにこれらに伴い変動する賃料水準並びに修繕費用及び資本的支出の状況等により大きく影響を受けるおそれがあります。
・投資対象不動産について締結される賃貸借契約は契約期間中であっても終了することがあり、また、賃貸借契約で定める賃料収入が常に得られる保証はありません。締結された賃貸借契約の内容が当事者間の合意や法律の規定等に従い後日賃貸人に不利益な内容に変更されることもあります。
(ホ) 投資対象不動産の処分に関するリスク
・投資対象不動産を処分する場合には、売却した当該投資対象不動産に関する責任として、修補費用等の費用や損害賠償責任等の責任を負担することがあります。
・投資対象不動産を処分する場合には、処分価格の保証はなく、信託設定日時点の評価額より相当に廉価で処分する場合があります。
・投資対象不動産を処分する場合には、不動産売買に係る仲介手数料、アセット・マネージャーに支払う売却時報酬等の費用が生じることがありますが、信託財産が負担する当該費用の分だけ、本受益権の配当及び元本償還の原資となる信託財産は減少することになります。なお、アセット・マネージャーに支払う売却時報酬については、前記「1 信託財産を構成する資産の状況 (1) 信託の仕組み ① 信託の概要 ロ 信託財産の運用(管理及び処分)に関する事項 (ヘ) 信託報酬等 b アセット・マネージャーに関する報酬等 売却時報酬」をご参照ください。
・投資対象不動産は複数の不動産です。前記「1 信託財産を構成する資産の状況 (1) 信託の仕組み ① 信託の概要 ロ 信託財産の運用(管理及び処分)に関する事項 (イ) 管理及び処分の方法について a 本件不動産受益権 売却方針」に記載のとおり、アセット・マネージャーは、本書の日付現在、配当効率等を考慮の上、投資対象不動産又は本件不動産受益権のすべてを一括で、又は同一の信託計算期間内に処分する方針ですが、アセット・マネージャーのかかる方針どおりの処分ができる保証はなく、買主の債務不履行その他の理由によりかかる方針どおりに同一の信託計算期間内に処分できない場合、配当効率等が悪化し、本受益者に関する課税上の取扱いに悪影響を生じ、又は本信託契約等その他の関連契約に抵触する等の影響が生じることにより、本受益権の収益や配当等に悪影響が生じるおそれがあります。また、当該売却方針に従い、投資対象不動産又は本件不動産受益権の処分を一括で、又は同一の信託計算期間内に行う場合、すべての投資対象不動産又は本件不動産受益権の買主や売却時期が、特定の相手先、信託計算期間に限定されることとなるため、個別の投資対象不動産又は本件不動産受益権毎に最適な売却時期、売却条件等を決定できるとは限らず、売却価格に悪影響が生じる可能性があります。
・本借入れについて期限の利益喪失事由又は潜在的期限の利益喪失事由が発生した場合、本借入れに伴い本借入関連契約において定められた財務制限条項に抵触した場合、レンダーの承諾を得て本借入れの返済時期を予定返済期日(2030年5月31日)から最終返済期日(2031年5月31日)(いずれの場合も、当該日が営業日でない場合には前営業日とします。)まで延長した場合等の本借入関連契約に定める一定の事由(以下「強制売却事由」といいます。)が生じた場合には、レンダーは、本借入関連契約の定めに従い、本件不動産受益権又は投資対象不動産を売却する権限を取得する旨がレンダーとの間の本借入関連契約において合意されています。そのため、強制売却事由が生じた場合には、本件不動産受益権又は投資対象不動産が売却される場合があります。
・なお、本件不動産受益権又は投資対象不動産が売却された場合、売却代金はまず本借入れに対する弁済に充てられることから、その売却価格によっては、本受益権の元本償還の額が減少し、又は元本償還が全く行われない場合があります。
(ヘ) マスターリースに関するリスク
・投資対象不動産のマスターリース会社の資力が悪化する等により賃料の支払いが滞る場合があります。
・投資対象不動産について、マスターリース契約(パス・スルー型)が締結される場合、投資対象不動産の収入及び費用並びにその価値は、エンドテナントの利用状況、資力、入居又は退去の状況等により大きく影響を受けることになりますが、マスターリース会社の利用状況又は資力等の影響を受けることもあります。
・投資対象不動産について、マスターリース契約(賃料固定型)が締結される場合、投資対象不動産の収入及び費用並びにその価値は、マスターリース会社の利用状況、資力等により大きく影響を受けることになります。また、マスターリース会社との契約が期間満了その他の事由により終了し、その後に同等の契約が締結できない場合又は後継のテナントが見つからない場合には、マスターリース会社との契約終了後の賃料水準が低下する場合があります。
(ト) シングル・テナント類似物件に関するリスク
・単一のマスターリース会社であるmatsuri technologies株式会社は、短期賃貸、宿泊事業、集客プラットフォームの開発・運用等を行っています。
・投資対象不動産6物件(直貸住居を除きます。)は、matsuri technologies株式会社へ一括賃貸され、合計104戸のうち95戸では賃料固定型のマスターリース賃料が設定されています。このようなシングル・テナント類似物件においては、特定のテナントとの間で締結される賃貸借契約の賃料や賃貸面積等が投資対象不動産全体の賃料や賃貸面積等のほぼすべてを占めることから、投資対象不動産の主要テナント1社の資力が悪化する等によりほぼすべての賃料の支払いが滞る場合があります。
・シングル・テナント類似物件の場合、賃貸借面積のほぼすべてについて代替テナントを探索することになる等の理由から、既存テナントが退去した際に、代替テナントが入居するまでの空室期間が長期化し、又は代替テナント確保のため賃料水準を引き下げることが必要となる可能性があります。賃料水準を引き下げた場合には、鑑定評価額及び市場において成立しうる不動産価格の下落に繋がる可能性があります。
(チ) 住居への投資に関するリスク
・投資対象不動産は住居ですが、住居は、周辺環境、人口・世帯数動向、交通機関との接続状況、景気動向、不動産の経年劣化の状況等により入居者となるテナントの需要が変動します。テナント需要が低下した場合、テナントの退去が生じ、又はテナントの維持若しくは新規テナントの確保のため賃料水準を引き下げることが必要となる可能性があります。
(リ) 投資対象不動産の物理的な又は法律的な欠陥、法的規制等に関するリスク
・投資対象不動産には、様々な原因により、土地又は建物について、物理的な又は法律的な欠陥等(権利の不明確、他者の権利の存在、土地の地盤や建物の構造の問題、有害物質の存在、境界の不明確等その内容は様々です。)が存在している可能性があり、欠陥の発見による投資対象不動産の価値の下落、損害賠償義務等の法的責任の負担、欠陥等の解消のための費用負担等が生じる可能性があります。専門業者の建物状況評価等の調査は、投資対象不動産に物理的な又は法律的な欠陥等が存在しないことを保証するものではありません。
・かかる欠陥等に起因して信託財産を構成する本件不動産受益権等に損害等が生じた場合、法律上又は契約上、一定の範囲で受託者から委託者に対する損害賠償請求を行う余地はありますが、当該損害賠償請求が認められる保証はなく、また委託者が解散した場合又は無資力の場合には、当該損害賠償請求によって損害等を回復することができない可能性があります。
・また、投資対象不動産は、様々な法的規制及び条例等の規制に服します。これらの規制は、随時改正・変更されており、その内容によっては、不動産の管理費用等が増加する可能性、増改築や再建築の際に既存の建物と同規模の建築物を建築できない可能性、投資対象不動産の処分及び建替え等に際して事実上の困難が生じる可能性等があります。さらに、私有地の収用・制限を定めた法律の改正等により、不動産の利用、用途、収用、再開発、区画整理等に規制が加えられ、又はその保有、管理、処分その他の権利関係等に制限が加えられることがあり、その結果、関連する費用等が増加し、又は投資対象不動産の価値が減殺される可能性があります。
(ヌ) 投資対象不動産の災害・毀損等に関するリスク
・火災、地震、津波、暴風雨、洪水、落雷、竜巻、戦争、暴動、騒乱、テロ等により投資対象不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値、収益及び費用が影響を受ける可能性があります。
② 本受益権に関するリスク
(イ) 信託期間中の本受益権の流動性・譲渡制限及び換金に関するリスク
・本受益権は、原則として譲渡することができません。また、いかなる場合でも質入、譲渡担保その他の担保提供等(譲渡等)の処分をすることはできません。
・また、信託期間中の償還事由(本受益者に係る相続発生時、本受益者が非居住者となった場合(非居住者となることが確定した場合を含みます。)及び罹災時)に該当する場合を除き、本受益者は、償還請求を行うことはできません。したがって、信託期間中の償還(以下「期中償還」といいます。)を通じた換金の機会は限定されており、本受益者は、本受益権の期中償還を全く受けられない可能性及び希望する時期に期中償還を受けられない可能性があります。さらに、信託期間中の償還事由に該当する場合であっても、期中償還を受けるための所定の手続を完了しない場合、期中償還を受けることはできません。
・信託期間中の償還事由に該当する場合、本受益者は、期中償還請求を行うことができます。期中償還請求時の期中償還金額は、期中償還請求時点の本受益権1口当たり純資産額に基づき決定されますが、本件不動産受益権の鑑定評価額の下落等により、本受益権の償還金額が減少し、発行価格を下回る可能性があります。また、一時期に想定を超える大量の期中償還請求がなされた場合、期中償還金額の支払いが遅延する可能性があります。
(ロ) 本受益権の信託配当及び元本償還に関するリスク
・本受益権について、信託配当及び元本償還の有無、金額及びその支払いは保証されません。信託配当は、本信託の利益の金額が減少した場合には減少するほか、本借入れについて期限の利益喪失事由又は潜在的期限の利益喪失事由が発生しかつ継続している場合、本借入れに伴い本借入関連契約において定められる財務制限条項に抵触した場合、レンダーの承諾を得て本借入れの返済時期を予定返済期日(2030年5月31日)から最終返済期日(2031年5月31日)(いずれの場合も、当該日が営業日でない場合には前営業日とします。)まで延長した場合等の本借入関連契約に定める一定の事由(以下「配当停止事由」といいます。)が生じた場合には、原則として信託配当は行われません。
・本受益権の元本最終償還は、最終信託配当支払日に行われますが、その資金は、原則として、本件不動産受益権の売却代金が原資となるため、本件不動産受益権の売却機会、売却価格及び売却に際して発生する費用の金額による影響を受けます。本件不動産受益権の売却機会及び売却価格は保証されないため、本件不動産受益権の売却ができない場合又は売却価格が低下した場合には、元本最終償還の額が減少し、又は全く行われない場合があります。本件不動産受益権の売却に際しては、不動産売買に係る仲介手数料、アセット・マネージャーに支払う売却時報酬等の費用が生じることがありますが、信託財産が負担する当該費用の分だけ、本受益権の配当及び元本最終償還の原資となる信託財産は減少することになります。なお、アセット・マネージャーに支払う売却時報酬については、前記「1 信託財産を構成する資産の状況 (1) 信託の仕組み ① 信託の概要 ロ 信託財産の運用(管理及び処分)に関する事項 (ヘ) 信託報酬等 b アセット・マネージャーに関する報酬等 売却時報酬」をご参照ください。本受益権の元本最終償還の時期については最長3年間の期間延長が可能とされていますが、かかる期間延長を行った場合であっても、本件不動産受益権の売却機会やより高値での売却が保証されるわけではなく、本件不動産受益権の売却ができない可能性や、元本最終償還を実施するため、廉価での売却が行われる可能性があります。また、強制売却事由が生じた場合には、レンダーは、本借入関連契約の定めに従い、本件不動産受益権又は投資対象不動産を売却する権限を取得する旨がレンダーとの間の本借入関連契約において合意されています。そのため、強制売却事由が生じた場合には、本件不動産受益権又は投資対象不動産が売却される場合があり、売却代金はまず本借入れに対する弁済に充てられることから、その売却価格によっては、本受益権の元本最終償還の額が減少し、又は全く行われない場合があります。
③ 仕組みに関するリスク
(イ) 受益証券発行信託及び不動産管理処分信託のスキーム関係者への依存リスク
・本受益権は、受益証券発行信託及び不動産管理処分信託の仕組み(スキーム)を用いて不動産に実質的に投資することを意図した金融商品であり、受益証券発行信託の委託者、受託者、劣後受益者、アセット・マネージャー及び同受託者からの業務委託先、不動産管理処分信託の委託者、受託者(不動産信託受託者)及び同受託者からの業務委託先(マスターリース会社及びプロパティ・マネージャーを含みます。)、プラットフォーム提供会社等多数のスキームの関係者(以下「スキーム関係者」といいます。)が様々な役割で複雑に関与し、本受益権の収益及び価値並びに受益証券発行信託及び不動産管理処分信託の仕組みの存続は、これらのスキーム関係者に依存しています。特に、本受益権については、委託者がスキームの組成を主導し、本信託に関する指図権等を含む権限を有していること、委託者が劣後受益者として本受益権に劣後する劣後受益権を保有していること等の事情から、委託者の能力、ノウハウ、資力等へ依存するところも大きいと考えられます。また、委託者はSPCとは異なり事業会社として他の事業を行っていることから、当該他の事業に起因するリスクを負っています。しかしながら、委託者の能力やノウハウが適切に維持できる保証はなく、また、委託者が他の事業を適切に遂行できなかった場合等には、委託者の資力が十分に確保できない可能性があり、結果として本信託の収益や本受益者の地位等に悪影響をもたらす可能性があります。
そのため、本受益権の収益及び価値は、スキーム関係者の信用状況や業務提供状況、スキーム関係者との関係性等スキーム関係者に起因する事由による影響を受け、下落する可能性があり、また、スキーム関係者の状況によっては、受益証券発行信託及び不動産管理処分信託の仕組みを維持できない可能性もあります。
・受託者のスキーム関係者に対する権利は、スキーム関係者の信用状況による影響を受けるため、本受益権に投資をする場合、間接的にスキーム関係者の信用リスクを負担することになります。
(ロ) 本借入れに関するリスク
・本借入関連契約においては、有利子負債比率及び元利金支払能力を判定する指標(DSCR)等一定の財務指標上の数値を維持することを内容とする財務制限条項や禁止行為、配当停止事由、強制売却事由等が設けられています。そのため、かかる財務制限条項や禁止行為、配当停止事由等により、投資対象不動産の鑑定評価額が本書の日付現在の鑑定評価額に比して一定程度以上減少した状態が一定の期間継続した場合や、投資対象不動産の収益が一定程度以上低下した状態が一定の期間継続した場合等の一定の場合には、本受益者に対する配当が制限され、又は停止される可能性があるほか、本信託の変更その他の事項が制限される可能性があります。また、かかる財務制限条項や禁止行為等に抵触した場合、本借入れの返済期日の延長が行われた場合等の一定の場合には、本件不動産受益権又はその裏付けとなる投資対象不動産の売却が強制され、又は本借入れに係る借入金の元利金について期限前返済を求められる可能性があります。
・本借入れに伴い、本信託財産である本件不動産受益権等に担保権が設定されています。本借入れについて期限の利益を喪失した場合等で当該担保権が実行された場合、担保権が設定された資産に関する権利を廉価で喪失する可能性があります。
・本借入れを行ったことによりレバレッジ効果が生じるため、本件不動産受益権又は投資対象不動産の収益・資産価値変動が、本受益権の収益・価格変動により相対的に大きく反映される可能性があります。
・本借入れにおける金利について、本借入関連契約において変動金利となる場合、金利情勢その他の要因により金利が増加し、本借入れに関する費用が増加するリスクがあります。金利の増加に伴い、金利キャップ契約を締結し、そのリスクをヘッジする場合がありますが、その場合にも、金利キャップ契約締結に伴う費用等が生じるため、本信託の収益に悪影響が生じることを完全に回避できるものではありません。
(ハ) セキュリティ・トークン及びそのプラットフォームに関するリスク
・本受益権は、受益証券が発行されず、また、社債、株式等の振替に関する法律(平成13年法律第75号。その後の改正を含みます。)に定める振替機関において取り扱われません。加えて、本受益権は、Securitizeが開発し、Securitizeが保有するDLTを用いたコンピュータシステムであるSecuritize PFにてその財産的価値の記録及び移転が行われます。Securitize PFを構成するノード上で、本受益権の移転に必要な管理者鍵による署名がなされたトランザクションが実行された場合、当該価値データを移転する他のトランザクションが存在しなければ当該トランザクションは正常取引として処理されます。したがって、サイバー攻撃によるSecuritize PF上のノードへの不正アクセス等により、本受益権の移転に必要な管理者鍵を不正に利用されることにより、不正なトランザクションが行われ受益権原簿に誤った記録がなされた場合又はその記録が改ざん若しくは消去された場合や、Securitize PFのコンピュータシステムの想定外の作動により受益権原簿の記録が変更又は消去された場合には、意図しない財産的価値の移転が生じ、実体法上の権利関係と受益権原簿の記録に乖離が生じる可能性があり、また、これを適時に訂正又は修正できないことにより、不正アクセス者による譲渡若しくは換金を防ぐことができない可能性、本受益者が本受益権の配当を受けられない可能性等があります。
・受託者が管理するシステムや当該システムの利用にあたり使用する通信回線に重大な障害等が発生し、受益権原簿の記録に遅延が生じた場合等には、当事者が当初想定した時点で本受益権の譲渡の効力が発生しない可能性があります。
・カストディアンとしてのみずほ信託銀行株式会社及びSecuritizeとの間のSecuritize PFの使用に係る契約が終了して受託者及び受託者がSecuritize PFを利用することができなくなった場合には、本受益権の信託配当及び元本最終償還、譲渡及び譲渡に係る受益権原簿の記録等に大幅な遅延が生じ、又はこれらができなくなり、損害を被る可能性があります。
(ニ) 本受益権の最終償還タイミングに関するリスク
・本受益権の最終償還タイミングについては、アセット・マネージャーの判断により早期売却、又は最長3年間の期間延長が可能とされていますが、本件不動産受益権を処分する場合には、処分価格水準の保証はなく、信託設定日の評価額より相当に廉価で処分する場合があります。売却方針の詳細については、前記「1 信託財産を構成する資産の状況 (1) 信託の仕組み ① 信託の概要 ロ 信託財産の運用(管理及び処分)に関する事項 (イ) 管理及び処分の方法について a 本件不動産受益権」をご参照ください。
④ 税制関連リスク
・本信託及び本件不動産受益権に係る不動産管理処分信託に適用される法令・税・会計基準等は、今後変更される可能性があります。会計の取扱いや税の取扱いが変更となることで、本信託及び本件不動産受益権に係る不動産管理処分信託の税負担が増大し、又は本信託及び本件不動産受益権に係る不動産管理処分信託の維持が困難になる可能性があります。
・2025年3月31日付で令和7年度税制改正が、同年4月1日付で受益証券発行信託計算規則の改正がそれぞれ行われ、改正後の受益証券発行信託計算規則については、2026年4月1日以降に終了する受益証券発行信託の計算期間に係る計算書類より適用されます。本書の日付現在、収益の分配には当期未処分利益を超える部分(利益超過分配)を含むと解されていますが、上記の改正により、2026年4月1日以降に特定受益証券発行信託の元本の払戻しが行われる場合には、特定受益証券発行信託の元本の払戻しと整理され、当該元本の払戻しは譲渡所得等として取り扱われることにより、本受益権を保有する投資家への課税方法及び課税額が変更されます。
当該取扱いの変更に伴い、当該改正に対応したシステムの修正等の対応が適時に行われない場合、本受益権を保有する投資家に事務手続等の負担が生じる可能性があります。
本受益権に投資しようとする投資家は、各投資家の状況に応じて、本受益権に投資することによるリスクや本受益権に投資することが適当か否かについて各自の会計・税務顧問に相談する必要があります。
⑤ その他
・本信託及び本受益権の募集は、信託法、金融商品取引法はもとより、関連する各種法令・規制・制度等(金融商品取引業協会の規則を含みます。)の規制を受けています。本信託又は本受益権の募集がこれらの法令・規制・制度等に違反するとされた場合、本信託の商品性や取引に影響が生じる可能性があります。
(2) 投資リスクに対する管理体制
① 受託者及びカストディアンのリスク管理体制
(イ) サイバー攻撃等による記録の改ざん・消滅に関する管理体制
前記「(1)リスク要因 ③ 仕組みに関するリスク (ハ) セキュリティ・トークン及びそのプラットフォームに関するリスク」に記載のサイバー攻撃等による本受益権の記録の改ざんや消滅の原因、これらに対する低減策及び万が一意図しない移転が生じた場合の対応は以下のとおりです。
a.記録の改ざん・消滅が生じ得る原因
本受益権の記録の改ざん・消滅を生じさせるには、「トランザクションに署名するための管理者鍵」が必要です。管理者鍵については、外部犯によるシステムへの不正侵入による奪取のほか、内部犯による悪意やなりすましによる不正利用の可能性があります。また、「システムの想定外の作動」による移転も考えられます。
b.記録の改ざん・消滅に対する低減策
「管理者鍵の保全」としては、発行者からの委託により管理者鍵の管理を行うカストディアンとしてのみずほ信託銀行株式会社が、Securitize PFの提供するセキュリティ・トークンを移転するために必要な管理者鍵を外部からアクセス不可な状態で管理する機能を用いて、外部犯による奪取や内部犯による不正利用を防止します。Securitize PFにおいて、発行者及びカストディアンとしてのみずほ信託銀行株式会社が使用する機能についても、そのセキュリティ対策の十分性について、外部の専門家による技術的な検証・評価を実施しています。
「システムの想定外の作動」に対しては、システムを提供するSecuritizeが、所定のルールに基づき、想定シナリオの網羅的な実行可能性を予め確認する業務サイクルテストの実施といったシステムトラブルの未然防止策を講じています。
c.記録の改ざん・消滅が生じた場合の対応
本受益権の記録の改ざん・消滅が生じた際は、本受益権に係る受益権原簿の管理者である、受託者としてのみずほ信託銀行株式会社が、受益権原簿の記録内容(権利情報)を本来の正しい状態に復旧します。
具体的には、「強制移転機能」を実行します。本機能は、本受益権の記録の改ざん・消滅に係る情報を強制的に取り消す形の処理を実行することで、あるべき姿に復旧することを可能としています。
したがって、受託者は、本受益権の記録の改ざん・消滅が生じたとしても、システムを復旧することで顧客資産の流出を防ぐことが可能と考えています。
(ロ) システム障害に対する管理体制
システム障害が生じた場合には、発行者が受託者に連絡することにより、Securitize PFによらず、受託者が保有する受益権原簿の更新を実施することにより業務を継続します。システム復旧後は、受益権原簿をシステムに登録することで、Securitize PFの記録内容についても正しい状態に復旧します。
② アセット・マネージャーのリスク管理体制
アセット・マネージャーは、前記のようなリスクの存在及びそのリスク量を十分に把握するよう努めており、それらのリスクを回避する手段を以下のように構築し、厳格なルールに則り本件不動産受益権の運用を行っています。
(イ) リスク管理規程の策定・遵守
アセット・マネージャーは、委託者から本件不動産受益権の取得、処分、運営及び管理等並びに金銭の取得、処分及び管理等の受託者に対する指図に関する業務の委託を受けたアセット・マネージャーとして、リスク管理規程において、リスク管理に関する基本方針、リスク管理の統括者及び重要な問題発生時の対応方法等を規定し、アセット・マネージャーが管理すべき主要なリスクとして、コンプライアンス・リスク、運用リスク、事務リスク、システム・リスク、情報セキュリティ・リスク及びイベント・リスク等を定義し、取締役会や役職員の役割及びリスク管理状況やリスク管理に関する重要な情報等の継続的モニタリング等を定めています。
なお、リスク管理体制の適切性及び有効性については、内部監査室長が統括する内部監査(かかる内部監査の詳細については、後記「(ロ) 組織体制」をご参照ください。)等により検証するものとしています。
(ロ) 組織体制
内部監査室長は、内部監査責任者として、各組織に対し年度監査計画、個別監査実施計画に基づく通常監査及び取締役又は監査役からの要請を受けた場合に取締役社長の承認を得て行う特別監査を実施します。内部監査は、アセット・マネージャーのすべての組織、各部署の業務全般が、法令、定款、諸規則及び公正妥当な商慣習に従って適切に行われているか否かの監査、役職員に業務上の不正又は重大な過失に基づく行為がないかの監査、一切の業務が経営の目的に基づき合理的に運営されているか否かの監査を含むものとされています。
監査担当者は、監査の日時、対象、担当者、結果等の適切な情報を記載した監査調書に基づき、内部監査実施後遅滞なく、内部監査の結果を取り纏めた監査報告書を作成しなければなりません。内部監査責任者は、当該監査結果を取締役社長に報告し、当該監査結果のうち重要な事項については、速やかに取締役会及び監査役に報告しなければなりません。内部監査責任者は、内部監査実施の結果、不適切な事実を発見したときには、監査対象部署及び関係部署に対し、当該不適切な事実を発見したことを通知するほか、取締役社長の承認を得て、当該監査対象部署及び関係部署に対して改善の指示をしなければなりません。内部監査責任者は、当該指示を行った場合、改善計画及び改善状況についての報告を監査対象部署及び関係部署に求めることができ、監査対象部署及び関係部署は、内部監査責任者に改善計画及び改善状況についての報告を遅滞なく行うものとします。内部監査責任者は、改善の結果を確認し、取締役社長及び取締役会に報告しなければなりません。
なお、上記①及び②に記載のリスク管理体制については、リスクが顕在化しないことを保証又は約束するものではなく、リスク管理体制が適切に機能しない場合、本受益者に損害が及ぶおそれがあります。