文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年12月31日現在)において当社グループが判断したものです。
(1)経営の基本方針
「協和キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。」を経営理念としています。
この経営理念に謳う「新しい価値」を社会と共有できる価値(CSV:Creating Shared Value)と捉え、社会課題への取組みによる「社会的価値の創造」と「経済的価値の創造」の両立により、企業価値向上を実現するCSV経営を実践しています。
また、協和キリングループで働く全ての人々が、行動の拠り所となる考え方や姿勢を示す中心概念の“Commitment to Life”と3つのキーワード「Innovation(イノベーション)」「Integrity(インテグリティ)」「Teamwork/Wa(チームワーク/和・輪)」で構成される価値観を、全員で共有、実践することで、社会から信頼される企業であり続けることを目指しています。
(2)ビジョン
当社グループは、2030年に向けたビジョン「協和キリンは、イノベーションへの情熱と多様な個性が輝くチームの力で、日本発のグローバル・スペシャリティファーマとして病気と向き合う人々に笑顔をもたらすLife-changingな価値の継続的な創出を実現します。」を掲げています*1。
*1 マテリアリティの見直しを踏まえ、「医薬品にとどまらない」という記載を、「病気と向き合う人々のニーズを基点とした新たな価値を共創することで」という包括的な表現に更新しました。
(3)Vision 2030 and Beyond:中長期構想
大きな環境変化の中で、Vision 2030の達成後の継続したさらなる成長を見据え、“革新的なLife-changingな価値の創出”、“患者さんへのLife-changingな価値の提供”、“Super Teamによるオペレーショナルエクセレンスの追求”という3つの柱からなる中長期構想を策定しました。
中長期構想は、2030年を超えて達成したいゴールと、そこに対する成長の道筋を示すものであり、未来の不確実性に備えるための羅針盤でもあります。患者さん中心の価値創出を基盤に、日本発のグローバル・スペシャリティファーマとして、世界中の病気と向き合う人々に笑顔をもたらす挑戦を続けます。
革新的なLife-changingな価値の創出
・先進的抗体技術と造血幹細胞遺伝子治療の強みを活かし、研究開発を加速する
・戦略的投資による新たなパイプライン、収益機会の獲得を狙う
患者さんへのLife-changingな価値の提供
・実績のあるグローバルにおけるコマーシャル基盤をさらに強化していく
・患者さん及び患者団体との密接なエンゲージメントを継続
Super Teamによるオペレーショナルエクセレンスの追求
・戦略を力強く実行するケイパビリティを備えたSupur Teamへさらなる進化
・AI/DXによるオペレーションモデルの転換
・プロセスのシンプル化とリソースの集中を進め、アジャイルに動き続ける
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
ビジョンを達成するためには、戦略そのものと、その戦略を実行できるTeamをつくることが重要であるというのが当社グループの考え方です。 戦略として“Story for Vision 2030”を、Teamづくりとして“KABEGOE Principles”を掲げ、これらを両輪としVision 2030実現を目指します。戦略を推進していく人・組織に期待する行動を具体的に示す“KABEGOE Principles”は、製薬企業で働くことに対する社員の思いを紡いでまとめた”私たちの志”と”Story for Vision 2030”をベースに、徹底的に議論して作り上げたものです。私たちの価値観に紐づけて全11のPrinciplesを掲げています。
1.Story for Vision 2030
2021年より、Vision 2030の実現に向けて活動を推進してきましたが、世界中での医療費抑制圧力の強まり、新薬開発難度の高まりといった製薬業界にとって厳しい大きな環境変化がある中、Vision 2030の実現をより確かにするための戦略として打ち出したのが“Story for Vision 2030”です。これは、当社グループがVision 2030に掲げているLife-changingな価値を継続して創出・提供するための戦略です。自社で注力する疾患領域とモダリティ*1をより明確に設定しました。これに加え、オープンイノベーションやパートナー連携、ベンチャーキャピタル/コーポレートベンチャーキャピタルファンド活動などの強化も推し進めます。
これらの活動により生み出される“Life-changingな価値”の最大化、という観点では、ビジネスモデルを適切に選択する必要があります。自社で注力する疾患領域のアセットでは当社グループが開発から販売までをグローバルで行い、生み出された価値を患者さんに届けつつ、患者さんの声を研究開発に反映することでその領域での自分たちの強みを増幅していくことも重要となります。戦略的パートナリングアセットでは、価値最大化に社外の力を活用します。適切なパートナーとの最善のビジネスモデルを築くことにより、患者さんに最速でお届けすることも含めてその価値最大化が実現できると期待しています。
このように、適切なビジネスモデルを選択することで、当社グループは、創出した価値を一日でも早く多くの病気と向き合う人々に届けていくことに注力しています。
*1 モダリティ:構想した治療コンセプトを実現するための創薬技術(方法・手段)の分類
自社で注力する疾患領域のアセット:
当社グループは、下記に定めた3つの疾患領域を自社で注力する疾患領域として価値の創出と提供に取組んでいきます。各疾患領域では、上市国・地域の拡大、疾患啓発活動や患者支援プログラムの実施などを通し市場浸透に継続して取組んでいきます。
骨・ミネラル
Crysvita(日本製品名:クリースビータ)では、在宅自己注射をより簡便で安全に行うことができる剤型として、患者さん及び医療関係者から期待されていた皮下注シリンジの日本・欧州での販売を開始しました。イタリアではCrysvitaが腫瘍性骨軟化症に対して保険償還の対象となりました。KK8123*2、KK8398*2の開発も着実に進行中です。
血液がん・難治性血液疾患
Ziftomenib(米国製品名:KOMZIFTI)は、NPM1変異を有する再発・難治性の成人急性骨髄性白血病(AML)に対する1日1回経口投与可能なメニン阻害薬として世界で初めて米国で承認されました。今後もKura Oncology社との連携を推進し、急性白血病に対する新たな治療選択肢(併用療法や早期の治療ライン)の提供を目指していきます。
Poteligeo(日本製品名:ポテリジオ)は、機械学習・AI技術を活用し、患者さんの治療アクセス向上を推進しています。
加えて自社初の抗体薬物複合体(ADC)であるKK2845等*2の開発も着実に進めていきます。
希少疾患(造血幹細胞遺伝子治療)
OTL-200(欧州製品名:Libmeldy、米国製品名:Lenmeldy)は、米国・欧州における異染性白質ジストロフィーを対象とした新生児スクリーニングの拡大を患者団体等のコミュニティーと共同し推進しています。この活動の結果、スペインでは保険償還の対象となりました。米国保険福祉省長官から米国連邦政府として新生児スクリーニングの対象とすることが推奨されたため、今後各州に展開されるように活動を続けます。日本では早期発症型異染性白質ジストロフィーに対して希少疾病用再生医療等製品指定を取得、サウジアラビアにおいても希少疾病用医薬品指定と優先審査指定を受けました。さらにOTL-203*2及びOTL-201*2についても着実に開発を進めていきます。
〔戦略的パートナリングアセット〕
当社グループは、適切なパートナーとの最善のビジネスモデルを築くことにより、患者さんに最速でお届けすることも含めてその価値最大化の実現を目指しています。
低分子であるKHK4951*2(一般名:tivozanib)、当社独自のバイスペシフィック抗体技術REGULGENTを搭載したKK2260*2及びKK2269*2、並びにPOTELLIGENT抗体であるKK4277*2、本態性高血圧症を対象疾患として2025年第Ⅰ相試験を開始したKK3910*2については、今後パートナーとの連携も含め、価値の最大化を図っていきます。なお、Amgen社と連携し、複数の臨床試験を継続して推進してきましたKHK4083*2(一般名:ロカチンリマブ)は、2026年1月にはAmgen社の戦略的ポートフォリオ見直しを背景として、同社との開発・商業化に関する提携契約を終了し、当社は規制当局対応及び将来の商業化を含む、ロカチンリマブのグローバルプログラムの全権利を再取得しましたが、2026年3月3日に、最新の安全性情報及び総合的なリスク・ベネフィット評価を踏まえ、ロカチンリマブに関する現在実施中の全ての臨床試験を中止することを決定しました。
また、自己免疫疾患に対する、ファースト・イン・クラス低分子治療薬候補の開発を目的とした、前臨床開発プログラムに関するライセンスをBoehringer Ingelheim社に提供しました。
*2 開発パイプラインの詳細は、「第2 事業の状況 6 研究開発活動」をご参照ください。
2.KABEGOE Principles
Vision 2030ビジョンの実現に向けての戦略を実行するために必要なTeamのあり方について策定したのが、“KABEGOE Principles”です。当社グループが立ち返ったのは、私たちの志でした。私たちの志は、2008年に協和キリンが誕生した直後に、約1,000人もの社員が製薬企業で働くことに対する思いを言葉に表したものです。この私たちの志とStory for Vision 2030をベースに、CxOを中心に徹底的に議論し、作り上げたのがこのPrinciplesです。その筆頭にあるのが患者さん中心、Patient Centricという考え方です。当社グループ従業員がLife-changingな価値を創出し、提供するために、いつも大切にしていく考え方です。さらに、当社グループの価値観に紐付けて、全11のPrinciplesを掲げています。このPrinciplesの浸透に関しては、CxOはもちろん、人事総務部、経営企画部、及びコーポレートコミュニケーション部が核となり、各部署から自発的に参加したグローバルのメンバーによる取組みなどを含め、全社で進めています。当社グループにおいて、日々の業務を進めることで、KABEGOE Principlesに沿った行動になるような様々な施策を開始しています。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年12月31日現在)において当社グループが判断したものです。
(1)協和キリンの考えるサステナビリティ
当社グループにとってのサステナビリティとは、社会のステークホルダーとともに、“病気と向き合う人々に笑顔をもたらすLife-changingな価値”を共創していくことを意味しています。当社グループは、ビジョンの実現を通して、当社グループのサステナビリティと社会のサステナビリティを両立していきます。
当社グループのサステナビリティを推進することは、我々の掲げるCSV経営とつながっています。当社グループは、社会的価値(病気と向き合う人々に笑顔をもたらすLife-changingな価値を提供し、社会課題を解決すること)と、経済的価値(当社グループがさらにLife-changingな価値を生み出していくために人的資本と知的資本に投じる原資となりうる利益)という2つの価値創造の両立を実現していきます。
社会的価値を提供し、さらに次の社会的価値を創出するための経済的価値を得て、世界中の病気と向き合う人々に必要とされる企業であり続けること、これをサステナブルな事業活動と考えています。
また、当社グループがサステナブルに事業活動を継続していくという観点から、未来世代を重要ステークホルダーと捉え、地球環境への負荷の低減に取組んでいきます。2025年には、環境基本方針の改訂を実施し、今後重点的に取組んでいく環境活動を明確化しています。
また、ビジネスパートナーマネジメント基本方針を制定し、ステークホルダーとの価値の共創をより強化していくこととしました。
当社グループは、社会的価値の創出と経済的価値の創出を両立するため、バリューチェーンの様々な場面でステークホルダーとの価値の共創に取組みます。
(2)協和キリンのビジョンと価値創造ストーリー・Story for Vision 2030
当社グループは、2021-2025年の中期経営計画策定時に、Vision 2030を策定し、我々の創造する価値がLife-changingな価値であることを明確化しました。
また、競争戦略としてのCSV経営を掲げ、社会的価値(病気と向き合う人々に笑顔をもたらすLife-changingな価値を提供し、社会課題を解決すること)と、経済的価値(当社グループがさらにLife-changingな価値を生み出していくために人的資本と知的資本に投じる原資となりうる利益)という2つの価値創造を両立し、病気と向き合う人々に笑顔をもたらしていくことをアウトカムとして明確化しています。これは当社グループの“価値創造ストーリー(下図参照)”として示されています。
当社グループの“価値創造ストーリー”では、社会的価値と経済的価値の両立を目指すLife-changingな価値の創出にはイノベーションへの挑戦が不可欠であり、それを支える人的資本と知的資本が我々の競争力の源泉であることをインプットとして示しています。人的資本については、当社グループのビジョン・価値観に共感する従業員が多様性の輝くチーム力を発揮しKABEGOE Principlesを実践して価値創造することを示しています。知的資本については、Story for Vision 2030と整合する当社グループの価値創造の根幹である創薬戦略を記載しています。
中央に配したビジネスモデルにおいては、全ての従業員がPatient Centricity(患者さん中心)という考えを基に、病気と向き合う人々の笑顔につながる価値創造を行うことを示しています。それは、「研究開発によるアンメットメディカルニーズを満たす価値創造」のプロセスだけでなく、「製品・品質・流通」、さらに、「患者さんに医薬品を届けるプロセス」においても、一人ひとりが価値創造に取組むこと、そして各バリューチェーンが相互に連携することでさらに大きな価値の創出につなげることを意味しています。
このように、人的資本と知的資本を競争力の源泉とし、大きな価値創造のサイクルを生み出し、アウトプットとしてLife-changingな価値の継続的な創出と提供に繋げていきます。そして、これらのアウトプットが、病気と向き合う人々の笑顔というアウトカムにつながります。当社グループは、従業員を含む全てのステークホルダーとともに、笑顔をもたらす価値創造に取組んでいます。
また、この価値創造ストーリーは「
(3)ガバナンス
当社グループは、マテリアリティを“ビジョン実現のための重要経営課題”と位置付けています。マテリアリティ(重要経営課題)については、SASB(Sustainability Accounting Standards Board)、Access to Medicine Index、PSCI等を参照し、社会の持続性へのインパクトと当社グループの事業へのインパクトの観点から特定しています。マテリアリティの選定プロセスは、以下のとおりです。
マテリアリティは、2021-2025年中期経営計画及び連動する年度経営計画に組み込まれて推進されてきました。2026年以降は、“Vision 2030 and Beyond:中長期構想”と整合させ、年度経営計画に組み込んで推進していきます。また、計画の進捗は四半期ごとにモニタリングされ、グローバル経営戦略会議及び取締役会に報告されています。なお、中長期的な経営課題の解決を推進するために、2024年からの業績指標には年度経営計画で定めた非財務目標(マテリアリティに関連する目標を含む)の達成度を加えることとしています。
マテリアリティの見直しは、社内外の環境変化を踏まえ、毎年実施し、グローバル経営戦略会議で承認後、取締役会で決定されています。
(4)リスク管理
当社グループのマテリアリティにおける「取組むことで得られる機会」及び「取組まないことで生じる脅威」は、マテリアリティごとに(5)「戦略及び指標と目標」の表に記載しています。また、当社グループは、お客さまと社会から長期的に信頼を獲得し、事業を継続して経営目標を達成するために、「協和キリングループ リスクマネジメント基本方針」のもと、サステナビリティに関するリスクも含めて、グループ全社でリスクマネジメントを実施しています。詳細は、「
(5)戦略及び指標と目標
当社グループは、マテリアリティを“ビジョン実現のための重要経営課題”と位置付けています。特定した当社グループのマテリアリティは「価値創造トピック」と「価値向上トピック」とに分類され、Vision 2030実現のための戦略の幹「アンメットメディカルニーズを満たす医薬品の提供」「患者さんを中心においた医療ニーズへの対応」「社会からの信頼獲得」「Life-changingな価値を実現する人材・基盤の強化」とも対応しています。その上で、マテリアリティについて目標を定め、戦略的に取組んでいくことがビジョンの実現、ひいては、当社グループと社会のサステナビリティの両立につながると考えています。
本セクションでは、それぞれのマテリアリティについて、以下の内容を記載します。ただし、②と④については基盤的な内容となるため、以下の全ての項目を網羅するわけではありません。
<マテリアリティの説明>
<マテリアリティに関連する機会・リスクへの対応戦略(及びその取組)>
<マテリアリティに関連するリスクが顕在化した場合のレジリエンス>
<マテリアリティに関連する指標と目標>
|
No. |
マテリアリティ名 |
関連する戦略の幹 |
|
① |
・革新的な医薬品の創出 ・製品の価値最大化 ・パイプラインの充実 ・医薬へのアクセス向上 ・病気と向き合う人々のニーズを基点にした新たな価値の共創 |
・アンメットメディカルニーズを満たす医薬品の提供 ・患者さんを中心においた医療ニーズへの対応 |
|
② |
・人材ポートフォリオ ・企業文化 ・デジタルトランスフォーメーション |
・Life-changingな価値を実現する人材・基盤の強化 |
|
③ |
・製品の品質保証と安定供給 ・地球環境への負荷の低減 |
・社会からの信頼獲得 |
|
④ |
・コーポレートガバナンス ・事業活動における倫理と透明性 ・リスクマネジメントの強化 |
・Life-changingな価値を実現する人材・基盤の強化-経営基盤 |
また、当社グループのマテリアリティは、当社が所属するキリングループのマテリアリティとも関連性があり、特にキリングループの事業へのインパクトが高いマテリアリティである「Life-changingな医薬品の創出と提供」及び「医薬品の品質保証と安定供給」は、それぞれ、当社グループの「革新的な医薬品の創出」、「製品の価値最大化」、「パイプラインの充実」、「医薬へのアクセス向上」、「病気と向き合う人々のニーズを基点にした新たな価値の共創」及び「製品の品質保証と安定供給」と紐づけられています。
①アンメットメディカルニーズを満たす医薬品の提供及び患者さんを中心においた医療ニーズへの対応に関連するマテリアリティ
<マテリアリティの説明>
当社グループは、アンメットメディカルニーズを満たす医薬品の提供及び患者さんを中心においた医療ニーズへの対応に関連するマテリアリティとして、「革新的な医薬品の創出」、「製品の価値最大化」、「パイプラインの充実」、「医薬へのアクセス向上」、「病気と向き合う人々のニーズを基点にした新たな価値の共創」を定めています。
〔表①-1〕マテリアリティの定義・取組むことで得られる機会・取組まないことで生じる脅威と指標(及び目標)
|
戦略の幹 |
マテリアリティ |
定義 |
取組むことで得られる機会 |
取組まないことで生じる脅威 |
指標 |
|
アンメットメディカルニーズを満たす医薬品の提供 |
革新的な医薬品の創出 |
短期的な収益性との適正なバランスを保ちながら、中長期的な視点に基づく研究に対する積極的な投資(オープンイノベーション活動を含む)を通じ、アンメットメディカルニーズを満たす革新的な医薬品(Life-changingな価値)を創出し続ける |
・J-GSPとしての存在意義 ・新たな価値の創出による企業価値の向上 ・協和キリンの強みとする領域の拡大 ・共同研究や開発機会の増加 |
・協和キリンの存在意義の低下 ・ビジョンの未達 ・新たな価値の創出機会の逸失 ・共同研究機会の減少 |
・Life-changingな価値としての革新的医薬品の創出(開発パイプライン及び主な申請承認情報) |
|
製品の価値最大化 |
創出した医薬品の真の価値を見極め、LCM(life cycle management)を推進し、パートナリングの機会も活用しながら価値の最大化を図る |
・適応/剤型拡大:開発試験/製造における期間短縮及び効率化、医療ニーズへの対応による薬剤価値の増加 ・上市国・地域の拡大:病気と向き合う人々の経済的負担軽減(保険償還)を伴う提供価値の向上 |
・本来の製品価値を最大化しないことによる、病気と向き合う人々の負荷の増加 ・経済的価値の低下 |
||
|
パイプラインの充実 |
ポートフォリオ分析に基づき、自社で注力する疾患領域を中心にパイプラインを充実する |
・J-GSPとしての価値を創造し、提供する事業基盤の強化と成長 ・協和キリンの研究開発力に対する期待とそれに基づく企業価値の向上 |
・協和キリンの戦略に沿った事業の競争力の低下 ・ステークホルダーからの期待の低下とそれに伴う企業価値の低下 |
||
|
患者さんを中心においた医療ニーズへの対応 |
医薬へのアクセス向上 |
病気と向き合う人々の声を聞き、アンメッドメディカルニーズを満たす医薬品を創出し、一人でも多くの患者さんにできるだけ早く届けることを自分たちの使命ととらえ、医薬品アクセス基本方針に則った活動(特に医薬へのアクセス向上)に取組む |
・Life-changingな価値を創出・提供する会社としての存在意義の増大及び企業価値の向上 ・各地域の患者支援団体との関係の維持強化による企業認知と信頼性の向上 ・より多くの患者さんへの医薬品の価値提供が可能 |
・Life-changingな価値を創出・提供する会社としての存在意義及び企業価値の低下 ・当社の医薬品を必要とする患者さんとの接点が限局化することによる製品価値の低下やマーケット拡大機会の逸失、社会からの信頼低下 |
・グローバル品(CRV, POT,Libmeldy/Lenmeldy)の主要国における上市状況 |
|
病気と向き合う人々のニーズを基点にした新たな価値の共創 |
注力する疾患領域を中心に、病気と向き合う人々の声に真摯に耳を傾け向き合い、真のニーズを把握し、バリューチェーンの様々な場面でステークホルダーとのLife-changingな価値の共創につなげる |
・新たな医薬品を必要とするステークホルダーとの共創 ・病気と向き合う人々のニーズに沿った新たな価値の提供 |
・価値最大化や提供拡大機会の逸失 ・ニーズ把握不十分による価値創出活動での劣後 |
<マテリアリティに関連する機会・リスクへの対応戦略(及びその取組)>
当社グループは、「革新的な医薬品の創出」、「製品の価値最大化」、「パイプラインの充実」、「医薬へのアクセス向上」、「病気と向き合う人々のニーズを基点にした新たな価値の共創」に関連する機会を「Life-changingな価値の創出・提供による企業価値の向上」ととらえ、この機会が影響を及ぼすバリューチェーン・その影響・発生可能性・金銭的重要性・機会の影響が発生すると見込む時間軸を下記の〔表①-2〕のようにとらえて活動しています。
なお、当社グループにおいては、サステナビリティ関連の他のリスク及び機会とのトレードオフを考慮し、取組みを進めています。
〔表①-2〕リスク及び機会の影響が発生すると見込む時間軸
|
リスク及び機会 |
バリューチェーン (ステークホルダーを記載) |
リスク及び機会が顕在化したときに発生するビジネスモデル・バリューチェーンへの影響と財務的影響 |
発生可能性 |
金額的重要性 |
リスク及び機会の影響が発生すると見込む時間軸*2 |
|||
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上流 |
当社 |
下流 |
||||||
|
機会 |
Life-changingな価値の創出・提供による企業価値の向上 |
|
|
病気と向き合う人々 |
病気と向き合う人々への影響 ・アンメットメディカルニーズの高い病気と向き合う人々のQOLの向上と笑顔※1 当社グループへの財務的影響 ・売上及び利益の増大※1 ・さらにLife-changingな価値を生み出していくため資本の増大※1 |
高 |
大 |
短期 中期 長期 |
*1.当社グループは、社会的価値(病気と向き合う人々に笑顔をもたらすLife-changingな価値を提供し、社会課題を解決すること)と、経済的価値(当社グループがさらにLife-changingな価値を生み出していくために人的資本と知的資本に投じる原資となりうる利益)という2つの価値創造の両立を実現していきます。
*2.短期を当年度末後1年、中期を2年から3年、長期を4年から10年と定義しています。
上記でとらえた機会に対する対応戦略及び取組:
2021年より、Vision 2030の実現に向けて活動を推進してきましたが、世界中での医療費抑制圧力の強まり、新薬開発難度の高まりといった製薬業界にとって厳しい大きな環境変化がある中、Vision 2030の実現をより確かにするための戦略として打ち出したのが“Story for Vision 2030”です。これは、当社グループがVision 2030に掲げているLife-changingな価値を継続して創出・提供するための戦略です。自社で注力する疾患領域とモダリティ*1をより明確に設定しました。これに加え、オープンイノベーションやパートナー連携、ベンチャーキャピタル/コーポレートベンチャーキャピタルファンド活動などの強化も推し進めます。
これらの活動により生み出される“Life-changingな価値”の最大化、という観点では、ビジネスモデルを適切に選択する必要があります。自社で注力する疾患領域のアセットでは当社グループが開発から販売までをグローバルで行い、生み出された価値を患者さんに届けつつ、患者さんの声を研究開発に反映することでその領域での自分たちの強みを増幅していくことも重要となります。戦略的パートナリングアセットでは、価値最大化に社外の力を活用します。適切なパートナーとの最善のビジネスモデルを築くことにより、患者さんに最速でお届けすることも含めてその価値最大化が実現できると期待しています。
このように、適切なビジネスモデルを選択することで、当社グループは、創出した価値を一日でも早く多くの病気と向き合う人々に届けていくことに注力しています。
*1.モダリティ:構想した治療コンセプトを実現するための創薬技術(方法・手段)の分類
〔自社で注力する疾患領域のアセット〕
当社グループは、下記に定めた3つの疾患領域を自社で注力する疾患領域として価値の創出と提供に取組んでいきます。各疾患領域では、上市国・地域の拡大、疾患啓発活動や患者支援プログラムの実施などを通し市場浸透に継続して取組んでいきます。
骨・ミネラル
Crysvita(日本製品名:クリースビータ)では、在宅自己注射をより簡便で安全に行うことができる剤型 として、患者さん及び医療関係者から期待されていた皮下注シリンジの日本・欧州での販売を開始しまし た。イタリアではCrysvitaが腫瘍性骨軟化症に対して保険償還の対象となりました。KK8123*2、KK8398*2の開発も着実に進行中です。
血液がん・難治性血液疾患
Ziftomenib(米国製品名:KOMZIFTI)は、NPM1変異を有する再発・難治性の成人急性骨髄性白血病(AML)に対する1日1回経口投与可能なメニン阻害薬として世界で初めて米国で承認されました。今後もKura Oncology社との連携を推進し、急性白血病に対する新たな治療選択肢(併用療法や早期の治療ライン)の提供を目指していきます。
Poteligeo(日本製品名:ポテリジオ)は、機械学習・AI技術を活用し、患者さんの治療アクセス向上を推進しています。
加えて自社初の抗体薬物複合体(ADC)であるKK2845等*2の開発も着実に進めていきます。
希少疾患(造血幹細胞遺伝子治療)
OTL-200(欧州製品名:Libmeldy、米国製品名:Lenmeldy)は、米国・欧州における異染性白質ジストロフィーを対象とした新生児スクリーニングの拡大を患者団体等のコミュニティーと共同し推進しています。この活動の結果、スペインでは保険償還の対象となりました。米国保険福祉省長官から米国連邦政府として新生児スクリーニングの対象とすることが推奨されたため、今後各州に展開されるように活動を続けます。日本では早期発症型異染性白質ジストロフィーに対して希少疾病用再生医療等製品指定を取得、サウジアラビアにおいても希少疾病用医薬品指定と優先審査指定を受けました。さらにOTL-203*2及びOTL-201*2についても着実に開発を進めていきます。
〔戦略的パートナリングアセット〕
当社グループは、適切なパートナーとの最善のビジネスモデルを築くことにより、患者さんに最速でお届けすることも含めてその価値最大化の実現を目指しています。
低分子であるKHK4951*2(一般名:tivozanib)、当社独自のバイスペシフィック抗体技術REGULGENTを搭載したKK2260*2及びKK2269*2、並びにPOTELLIGENT抗体であるKK4277*2、本態性高血圧症を対象疾患として2025年第Ⅰ相試験を開始したKK3910*2については、今後パートナーとの連携も含め、価値の最大化を図っていきます。なお、Amgen社と連携し、複数の臨床試験を継続して推進してきましたKHK4083*2(一般名:ロカチンリマブ)は、2026年1月30日にAmgen社の戦略的ポートフォリオ見直しを背景として、同社との開発・商業化に関する提携契約を終了し、当社は規制当局対応及び将来の商業化を含む、ロカチンリマブのグローバルプログラムの全権利を再取得しました。その後、2026年3月3日に、最新の安全性情報及び総合的なリスク・ベネフィット評価を踏まえ、ロカチンリマブに関する現在実施中の全ての臨床試験を中止することを決定しました。
また、自己免疫疾患に対する、ファースト・イン・クラス低分子治療薬候補の開発を目的とした、前臨床開発プログラムに関するライセンスをBoehringer Ingelheim社に提供しました。
「機会に対する対応戦略及び取組」については、一部国の政情等の影響を受けたものの、概ね順調に進捗しました。その後、ロカチンリマブに関する臨床試験中止を決定しました。決定前に策定した"Vision 2030 and beyond:中長期構想"で掲げた中長期財務目標の変更は行わないこととしており、引き続き当該取組を推進していきます。
*2.開発パイプラインの詳細は、「
〔表①-3〕機会への対応戦略の財務的影響
当年度において顕在化した機会については、「アンメットメディカルニーズを満たす医薬品の提供及び患者さんを中心においた医療ニーズへの対応に関連するマテリアリティ>上記でとらえた機会に対する対応戦略及び取組」に記載のとおりです。なお、機会が顕在化したことによる財務的影響を区分して識別することができないため、当年度及び次年度以降における、財務的影響について記載していません。
当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会への対応戦略、並びにリスク及び機会対応のために発生する財務的影響は、以下のとおりです。
「上記でとらえた機会に対する対応戦略及び取組」を実現するために必要な投資としては、革新的な医薬品の創出・その適応拡大を含む価値最大化を目指した研究開発投資とともに、社外アセットへの戦略投資(ライセンス導入、VC・CVC投資など含む)があり、その当期実績と将来予測は〔表①-3〕に示しています。これらの財務投資には、その後の販売を見据えた適切な地域における開発投資も含まれています。また、これらの財務投資の将来予測は、それぞれ売上収益の規模や戦略に応じて、変更される可能性があります。
|
リスク及び機会 |
機会への対応戦略(及び取組) |
対応戦略の財務的影響 |
財務的影響*1(億円) |
||||
|
当年度 |
短期 (1年後) |
中期 (3年後) |
長期 (10年後) |
||||
|
機会 |
Life-changingな価値の創出・提供による企業価値の向上 |
上記の「上記でとらえた機会に対する対応戦略及び取組」を参照ください。 |
PL影響 Life-changingな価値としての革新的医薬品を創出・提供するための研究開発投資 |
1,012 |
1,220 |
連結売上収益の20%を目処 |
連結売上収益の20%を目処 |
|
BS影響 パイプライン拡充や創薬技術獲得のための戦略投資 |
400 |
戦略に基づき 機動的に対応 |
戦略に基づき 機動的に対応 |
戦略に基づき 機動的に対応 |
|||
|
CF影響 合計*2 |
1,412 |
上記の合計額 |
上記の合計額 |
上記の合計額 |
|||
*1.当社グループにおいては短期・中期・長期の時間軸について、短期を当年度末後1年、中期を2年から3年、長期を4年から10年と定義していますが、リスク及び機会対応のために発生する財務的影響の記載に当たっては、短期・中期・長期の数値の傾向を把握できるよう、短期は1年後、中期は3年後、長期は10年後の単年度に発生する数値を記載しています。
*2.CF影響を正確に算出することが困難であるため、PL影響とBS影響の合計額を記載しています。
短期、中期及び長期にわたる財政状態の変化見込み:
上記の機会への対応戦略としてのパイプライン拡充や創薬技術獲得のための戦略投資については、経営戦略に基づき機動的に実施します。当該投資資金については、ネットキャッシュポジションの維持を原則としますが、手元資金に加えて、戦略的な大型投資案件に備えた借入余力と機動的な資金調達手段(CP(コマーシャル・ペーパー)、コミットメントライン)も確保します。なお、上記の機会への対応戦略が、次の年次報告期間中に関連する財務諸表で報告される資産及び負債の帳簿価額に重要な修正を生じさせることはないと考えています。
<マテリアリティに関連する指標と目標>
当社グループでは、マテリアリティに関連する機会に対して、商業上の機密情報に該当するか否かを精査したうえで、指標と目標を可能な限り開示しています。下記〔表①-4〕では、Life-changingな価値の創出及び提供に関連する指標を設定し、モニタリングした結果を示しています。
〔表①-4〕指標及び目標
|
リスク及び機会 |
指標 |
情報源 |
単位 |
最終目標 (最終目標年) ※基準年含む |
|
実績 |
|
|
中間目標 |
当期 |
||||||
|
機会 |
Life-changingな価値の創出・提供による企業価値の向上 |
開発パイプライン及び主な申請承認状況 |
協和キリン独自(SASB考慮)*1 |
- |
- |
- |
開発パイプライン一覧及び主な申請承認情報参照*2 |
|
グローバル品の主要国における上市状況 |
当社独自*3 |
国 |
CRV_XLH(Adult):8/8 CRV_XLH(Pediatric):8/8 CRV_TIO:6/8 POT_CTCL:8/8 Libmeldy_PSLI:6/8 (2027年) |
- |
CRV_XLH(Adult):8/8 CRV_XLH(Pediatric):8/8 CRV_TIO:6/8 POT_CTCL:8/8 Libmeldy_PSLI:5/8 |
||
*1.絶対指標であり、第三者によって認証されていません。なお、本指標は「SASB:HC-BP-000.B」を参考に設定しています。各品目の状況をより明確化するために、「開発パイプライン一覧及び主な申請承認」に関する表を掲載することとしています。
*2.開発パイプライン及び申請承認情報の詳細は、「
*3.絶対指標であり、第三者によって認証されていません。
(定義)社会的・経済的にインパクトの高い主要8か国(日本・米国・カナダ・イギリス・フランス・イタリア・ドイツ・スペイン)における、グローバル品(Crysvita・Poteligeo・Libmeldy/Lenmeldy)の適応別の上市状況
(算定方法)当年度末におけるグローバル品の適応別の上市国数
パフォーマンスの傾向又は変化についての分析:
「機会に対する対応戦略及び取組」については、一部国の政情等の影響を受けたものの、概ね順調に進捗しました。その後、ロカチンリマブに関する臨床試験中止を決定しました。決定前に策定した"Vision 2030 and beyond:中長期構想"で掲げた中長期財務目標の変更は行わないこととしており、引き続き当該取組を推進していきます。
②Life-changingな価値を実現する人材・基盤の強化に関連するマテリアリティ
②-1 人材ポートフォリオ・企業文化
<マテリアリティの説明>
当社グループは、Life-changingな価値を実現する人材・基盤の強化に関連するマテリアリティとして、「人材ポートフォリオ」、「企業文化」を定めています。
〔表②-1-1〕マテリアリティの定義・取組むことで得られる機会・取組まないことで生じる脅威と指標
|
戦略の幹 |
マテリアリティ |
定義 |
取組むことで得られる機会 |
取組まないことで生じる脅威 |
指標 |
|
Life-changingな価値を実現する人材・基盤の強化 |
人材ポートフォリオ |
Life-changingな価値の創出・提供に向け、価値創造を促進する組織と人材のポートフォリオを描き、その実現に向けて、多様性(多様な視点・価値観の違い)を活かした人材マネジメントを推進する |
・イノベーション創出、グローバル事業展開の基盤強化 ・多様な人材確保、変化対応力の強化 |
・事業と個人の成長が描けないことによる人材の流出 ・モチベーション、心身の健康悪化による労働生産性の低下 |
・Life-changingな価値を創出・提供するための基盤強化 |
|
企業文化 |
Life-changingな価値の創出・提供に向けて、J-GSPに相応しい「KABEGOE」企業文化を醸成する |
・ビジョンの実現、J-GSPとしての持続的な成長・発展 |
・改めたい企業文化(対話不足、枠に閉じる、他人事)へ逆戻りし、社会からの信頼失墜、競争力の低下 |
<マテリアリティに関連する機会・リスクへの対応戦略(及びその取組み)>
(ⅰ)当社グループの人的資本に関する考え方
当社グループは、経営理念の下でVision 2030を実現する人・組織づくりの強化に向けて「協和キリングループ 人材マネジメント基本方針」を定め、その中で人材を「イノベーションの源泉」と位置付けています。Vision 2030では「イノベーションへの情熱と多様な個性が輝くチームの力で、Life-changingな価値を継続的に創出すること」を掲げ、Vision 2030実現のための戦略ストーリー「Story for Vision 2030」に沿って、事業戦略を推進していく人・組織に期待する行動として「KABEGOE Principles」をグローバルに共有しています。戦略実行と持続的成長に不可欠な人材ポートフォリオの強化、最速・最適な意思決定と実行が出来る組織への変革、KABEGOE Principlesの実践でつくる「KABEGOE Culture」の醸成、これら人・組織・カルチャーの取組みを通じ、多様な人材がそれぞれの能力を最大限引き出し挑戦できる機会を提供することで、戦略を力強く実行するケイパビリティを備えたチームづくりを推進しています。
(ⅱ)人材育成方針と施策
『価値創造活動の推進』
全社が一丸となってLife-changingな価値に繋がる「価値創造活動」を行うためには、高い専門性と情熱を持って自ら新たな挑戦に取組むと同時に、チームメンバーの挑戦を後押しし、サポートする強いリーダーシップが求められます。こうした組織の価値創造活動を主導する人材を育成するため、グローバルなOne Kyowa Kirinの枠組みの中で、業務を通じた成長機会の提供だけでなく、職位や目的に合わせた具体的な人材育成プログラムも提供しています。
『キャリアオーナーシップ』
日本リージョンでは、グローバルグレードに基づいたジョブ型の等級・報酬制度を導入しました。この制度により、One Kyowa Kirin体制の下で適材適所の人材マネジメント実現を目指しています。全管理職のジョブディスクリプション公開を通じて、社員一人ひとりがキャリアオーナーシップを持って自身の現在地とありたい姿を再認識し、キャリア目標を見出すことの重要性を社員に示しました。また、管理職を対象とした「メンバーのキャリア自律支援を行うための研修」をすでにスタートさせており、今後についても、全社員が利用可能な「キャリア個別相談」を設け、社員が主体的に学びを実践できるよう「チャレンジ支援制度」・「応募型研修」を拡充していく予定です。このように、当社グループは、社員のキャリア実現に向けた努力を支援し、お互いの成長にコミットした対等な関係に基づき、さまざまな関連施策を企画実行しています。
『患者さんの笑顔のため』
当社グループは、Patient Centricityを価値創造ストーリーに掲げており、社員全員がPatient Centricityのマインドを高めることができるよう、機会作りに力を入れています。具体的には、病気と向き合う患者さんをお招きして社員と対話いただく「病気と向き合う人々の今を知るセミナー」の開催や、海外における「Sharing Patient story」を紹介する企画を行っています。これらの機会を通じて、患者さんの声を取り入れていくことの大切さを社員が再認識し、日々の行動にPatient Centricityのマインドが反映されることを期待しています。
『DX人材育成』
当社グループは、Life-changingな価値実現のためのデジタルトランスフォーメーションとして「デジタルビジョン2030」を掲げ、オペレーショナルエクセレンスの実現と、デジタルトランスフォーメーション推進基盤の強化を通じて、継続的に新たな価値を創造していきます。人とデータに焦点をあて部門横断でのデジタル人材強化とデータ利活用基盤づくりを推進しており、人材強化の面では「データ循環型バリューチェーンの転換」を支えるデジタル人材の獲得・強化に向けて、デジタルプロジェクトプランナー、データサイエンティストやデータスチュワードなど、各部門や領域をリードできる人材を育成するとともに、全社員を対象としたデジタルリテラシー教育による底上げも行い、“トップダウン”と“ボトムアップ”の両側面からデジタル人材を育成しています。
(ⅲ)社内環境整備
『グローバルタレントマネジメント体制の整備と推進』
One Kyowa Kirin体制を発展させるため、各地域や機能部門の将来を担う次世代リーダー候補を発掘し、育成、抜擢する仕組みを推進しています。グローバルタレントマネジメントを戦略的に進めるべくグローバル共通の人事基盤整備としてグローバルキーポジションとその人材要件の特定、グローバル共通のグレーディングの整備、リーダーシッププリンシプルの策定、グローバル人事システム(HRIS)の導入等に取組んできました。これらは、採用、育成、評価、異動配置・登用などのタレントマネジメントにおいて重要な役割を果たします。グローバルでリアルタイムに人事データを共有し、データに基づいたタレントマネジメントを推進し、適材適所の人材配置を実現することで、持続的にグローバルリーダーを育成していくことを目指しています。また、具体的な人材パイプラインの強化策として、サクセッサーごとの個別の育成計画(グローバルサクセッションプラン)の策定、次世代リーダー候補の可視化や個別育成計画、グローバルでの短期派遣による人材育成プログラム(グローバルエクスチェンジプログラム)などに取組んでいます。各ファンクションやリージョン人材戦略との連携を図りながら、グローバルHRビジネスパートナー体制を構築しており、これにより人材戦略を統合し効果的に活用することができるようにしています。
『多様性の輝くチーム力』:ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)
当社グループは、ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(受容)をLife-changingな価値を創出し世界中の患者さんにお届けするための企業文化の基盤と捉えています。「私たちのDE&I宣言」というグローバルの目標を掲げており、さまざまな個性を持つ人材が互いを認め合い、社員全員が能力を最大限に発揮できる組織づくりのため、グローバル及び各リージョンにおける優先課題を特定し、積極的な施策を推進しています。
女性活躍推進では、グローバルの優先課題として女性リーダーの輩出を目指し、グローバルリーダーポジションにおける女性比率を、2030年度末までに40%とすることを目標としています。日本国内では、2025年の女性管理職比率17.1%を2030年までに30%以上とする目標を掲げています。女性管理職向けメンタリング・プログラムを発展させた「ナナメンタリング」を導入し、異なる部署・階層の社員間の相互学習の機会提供やキャリア形成支援を行っています。さらに、2024年に社内で初めてスタートした営業本部女性社員の従業員リソースグループは、新たに分科会を設置し活動内容を充実させました。また企業内保育園の運営、事業場と連携し地域に密着した育児休職からの復職支援施策など、女性のキャリア形成支援や仕事と育児の両立に向けた取組みを強化しています。
LGBTQ+においては、Tokyo Pride 2025にキリンホールディングス株式会社、株式会社ファンケルと3社共同でブースを出展し、ボランティア参加した従業員とともに性の多様性を尊重する姿勢を伝えました。Tokyo Pride 2025の直後に、ブースのアイテムを使った社内イベントを開催し当日参加できなかった社員への啓発を行いました。また、Allyコミュニティー活動のための参加者を募集したところ約110名が賛同の意思を示し、今後の社内外の活動で協働していく予定です。PRIDE指標も4年連続でGOLDを取得しており、今後も多様性を尊重した職場環境の構築に取組んでいきます。
障害者雇用では、2025年は国際障害者デーのGlobalイベントを開催しました。当社グループではこのような取組みや、安全配慮義務への対応、入社後の定着支援などを通じて、単に法定雇用率を達成するだけでなく、全ての従業員が活躍することができる職場環境の整備を目指しています。
その他の多様性に関する指標は、「
『協和キリンのVision 2030・価値観に共感する従業員』:エンゲージメント
従業員のエンゲージメントを測る指標として、毎年エンゲージメント調査(Global Engagement And Motivation Survey)を実施し、組織課題の把握や組織活性化に向けての施策検討に活用しており、特に、会社に対する貢献意欲やロイヤルティ、自発的努力の指標である「社員エンゲージメント」、自分のスキルや能力を活かす機会や働きやすい環境の指標である「社員を活かす環境」、に着目しています。調査結果を受けては、トップマネジメント及び各組織で分析を行い、従業員一人ひとりがエンゲージメント高く働けるよう、見出された課題に対する改善案を立案・実行しています。
2025年の調査では、「社員エンゲージメント」の肯定回答率が70%(-1pt)、「社員を活かす環境」の肯定回答率が70%(±0)であり、昨年と概ね同水準の結果となりました*1。また、従業員の声を確実にアクションにつなげる仕組みを強化するために、エンゲージメントサーベイプログラムのリニューアルに着手しています。
*1.調査対象者数・回答率 対象者数:5,384名 回答者数:5,145名 回答率:96%
設問カテゴリー 社員エンゲージメント/戦略・方向性/リーダーシップ/品質・顧客志向/個人の尊重/成長の機会/報酬・福利厚生/社員を活かす環境/業績管理/権限・裁量/リソース/教育・研修/協力体制/業務プロセス・組織体制/経営理念・価値観/行動規範・コンプライアンス/期待される働き方/ダイバーシティ&インクルージョン/会社のクオリティーカルチャー/KABEGOE Culture
ベンチマークデータ 世界企業平均、世界好業績企業平均、製薬企業平均、リージョン別平均、地域・国別平均
『KABEGOE Culture』:ありたい企業文化の醸成
当社グループは、「KABEGOE」を私たちのユニークなCultureとしてグローバルに浸透を図っています。2019年の品質問題への徹底的な反省に端を発する企業文化改革プロジェクトでは、私たちの「KABEGOE」を、「コンフォートゾーンから一歩踏み出し、挑戦し、壁を乗り越えること」と定義し、過去への反省を忘れず、それを新たな挑戦と価値創出に昇華させる取組みを続けてきました。このKABEGOE Cultureこそ、今や私たちの競争力の源泉となりうる文化であり、2025年1月に策定した「KABEGOE Principles」を議論する際の土台となっています。
ありたい企業文化は経営陣から社員一人ひとりの日々の判断や行動で形づくられると考え、経営層の強いコミットメントの下、継続的な活動に取組んでいます。グローバルのトップリーダーに対しては、One Kyowa Kirin Culture Workshopを年2回開催し、KABEGOE Cultureの醸成、チームづくりへのオーナーシップを明確に求め、それを支援しています。また、経営層が現場に赴いて、若しくはオンラインを通じて従業員の生の声をきき、また経営の立場から会社や方向性について語ることで相互理解を深める場としてMeet Upを開催し、役職や立場、所属リージョンの壁を越えた対話を行っています。2025年にはあらたにKABEGOE Principlesを策定し、現場での実践とそれによる文化としての定着を後押しするクロスリージョン・クロスファンクションの浸透プロジェクトを立ち上げ、様々な施策を通じてKABEGOE Cultureの醸成に取組んでいます。こうした取組みの進捗は、エンゲージメント調査(Global Engagement And Motivation Survey)や企業文化改革に関するパルスサーベイでモニタリングしてグローバル経営戦略会議等で結果を共有する他、ダッシュボードサイト経由で組織長へ公開し、各職場の課題の分析やアクションに反映して、Life-changingな価値を実現する人材・基盤の強化に繋げています。
『従業員のウェルビーイング』:健康経営
社員の心身の健康を基盤に「Wellness Action2025」を推進し、運動・食事などの行動変容と「仲間を思いやる」、「仲間の心を動かす」精神を醸成しています。こうした取組みと成果が評価され、経済産業省が実施する「健康経営度調査」において、所定の基準を満たしたことから、制度開始以降9年連続で健康経営優良法人の認定を受けています。従業員が主体的に健康維持・増進に取組む環境を整え、Quality of Lifeの向上を支援することで、Vision 2030「Life-changingな価値の継続的創出」を実現する基盤を築いています。
(ⅳ)人的資本に関するリスク管理
詳細については、「
②-2 デジタルトランスフォーメーション
<マテリアリティの説明>
当社グループは、Life-changingな価値を実現する人材・基盤の強化に関連するマテリアリティとして、「デジタルトランスフォーメーション」を定めています。
〔表②-2-1〕マテリアリティの定義・取組むことで得られる機会・取組まないことで生じる脅威と指標
|
戦略の幹 |
マテリアリティ |
定義 |
取組むことで得られる機会 |
取組まないことで生じる脅威 |
指標 |
|
Life-changingな価値を実現する人材・基盤の強化 |
デジタルトランス フォーメーション |
医薬品の研究・開発から販売後まで、バリューチェーンの様々な場面で病気と向き合う人々をはじめとする様々なステークホルダーから得られたデータの活用及びLife-changingな価値の創出・提供をデジタルで加速する。 |
・DXによるプロセスの変革や生産性の向上を通じた、病気と向き合う人々へのlife-changingな価値の創出・提供の加速 |
・生産性低下、病気と向き合う人々のニーズや外部環境への対応遅れ等による価値提供機会逸失及び競争上の劣後 |
・Life-changingな価値を創出・提供するための基盤強化 |
<マテリアリティに関連する機会・リスクへの対応戦略(及びその取組み)>
「デジタルトランスフォーメーション」については、デジタルビジョン2030*1を実現するデジタル戦略の3つの柱である「Digital for Operation:オペレーショナルエクセレンスの実現」「Digital for Innovation:データ循環型バリューチェーンへの転換」「Foundation for Digital:DX推進基盤の強化」に沿ってDX推進活動を実施しています。2025年4月にChief Digital Transformation Officer(CDXO)を新たに任命し、加えて全社軸でのDXを推進するODX(Operational and Digital Transformation)を新設し、DXを軸とした業務改革を加速するとともに、DXやAI等に関する専門人材や変革型リーダーの強化・育成、併せてIT/デジタル投資のガバナンス体制の整備を進めています。今後も会社戦略に沿った投資優先順位の設定や戦略テーマの定期見直しを通じて、全社的なDX効果の最大化を目指します。
*1.
③「社会からの信頼獲得」に関連するマテリアリティ
③-1.製品の品質保証と安定供給
<マテリアリティの説明>
当社グループは、社会からの信頼獲得に関連するマテリアリティの一つとして「製品の品質保証と安定供給」を定めています。
〔表③-1-1〕マテリアリティの定義・取組むことで得られる機会・取組まないことで生じる脅威と指標
|
戦略の幹 |
マテリアリティ |
定義 |
取組むことで得られる機会 |
取組まないことで生じる脅威 |
指標 |
|
社会からの信頼獲得 |
製品の品質保証と安定供給 |
自社が供給する製品の品質保証・安定供給を継続する体制・手順を構築し、適切に運用する |
・ステークホルダー(医療関係者・患者さん・行政)からの製薬メーカーとしての信頼の獲得 ・確実な販売地域拡大/グローバル事業の展開 |
・ステークホルダー(医療関係者・患者さん・行政)の協和キリンへの信頼失墜 ・販売機会の損失 ・当局査察の厳格化等による新規承認の確度の低下 ・製造権を含めたパートナリング、ライセンス契約機会の逸失 ・従業員の業務負荷増による健康安全・モチベーション低下、人材の流出 |
・適正製造規範(GMP)又は同等の基準の違反(violations)に対応して講じられた執行措置の種類別の数 ・自社事由による欠品、限定出荷発生数ゼロ |
<マテリアリティに関連する機会・リスクへの対応戦略(及びその取組み)>
当社グループは、「製品の品質保証と安定供給」に関連するリスクを「重要な品目について、製品や治験薬の必要量を安定して供給できず、出荷制限や欠品が発生するリスク」ととらえ、このリスクが影響を及ぼすバリューチェーン・その影響・発生可能性・金銭的重要性・リスクの影響が発生すると見込む時間軸を下記の〔表③-1-2〕のようにとらえて活動しています。
なお、当社グループにおいては、サステナビリティ関連の他のリスク及び機会とのトレードオフを考慮し、取組みを進めています。
〔表③-1-2〕リスクの影響が発生すると見込む時間軸
|
リスク及び機会 |
バリューチェーン (ステークホルダーを記載) |
リスク及び機会が顕在化したときに発生するビジネスモデル・バリューチェーンへの影響と財務的影響 |
発生可能性 |
金額的重要性 |
リスク及び機会の影響が発生すると見込む時間軸*2 |
|||
|
上流 |
当社 |
下流 |
||||||
|
リスク |
重要な品目について、製品や治験薬の必要量を安定して供給できず、出荷制限や欠品が発生するリスク |
|
|
病気と向き合う人々 |
病気と向き合う人々への影響 ・十分な薬を届けられなくなる※1 当社グループへの財務的影響 ・売上及び利益の減少※1 ・さらにLife-changingな価値を生み出していくため資本の低下※1 |
中 |
大 |
短期 中期 |
*1.当社グループは、社会的価値(病気と向き合う人々に笑顔をもたらすLife-changingな価値を提供し、社会課題を解決すること)と、経済的価値(当社グループがさらにLife-changingな価値を生み出していくために人的資本と知的資本に投じる原資となりうる利益)という2つの価値創造の両立を実現していきます。
*2.短期を当年度末後1年、中期を2年から3年、長期を4年から10年と定義しています。
上記でとらえたリスクに対する対応戦略及び取組:
当社グループは、当社の創出したLife-changingな価値を確実に患者さんへお届けできるよう、安定供給体制を維持・強化し、社会からの揺るぎない信頼を確立していきます。災害、国際情勢の変化といった外部要因、GMP違反、製造トラブルといった内部要因を含む、医薬品の品質や安定供給を脅かす多様なリスクに備え、堅牢な生産・供給基盤の構築、生産・品質技術の強化、人材育成を一体的に推進し、確かな品質の医薬品を安定的に供給します。
現在、群馬県高崎市と山口県宇部市に基幹生産拠点を有し、さらに米国ノースカロライナ州においてバイオ医薬品原薬製造工場(サンフォード工場)を建設中です。こうした自社生産体制の整備・強化により、リスク発生時にも柔軟な生産対応が可能になります。高崎地区はバイオ医薬品の中核拠点として、バイオ生産技術研究所と高崎工場が隣接し、研究から製造、承認申請までを一貫して進められる環境が整っています。この近接性を活かし、スムーズな技術移管や製造トラブルへの迅速な対応を実現しています。また、品質管理・品質保証機能をQ-TOWERへ集約し、相互の連携を強化することで、品質部門全体として確かな品質の維持に取組んでいます。宇部工場は経口固形製剤の大量生産型自動化工場として、最新技術と堅牢な品質管理体制を備え、高効率な供給を支えています。重要な製品については、自社工場に加え外部CDMOとのデュアルソーシング体制を構築し、供給安定性をさらに向上させています。委託先管理を含むサプライチェーンマネジメントは複雑化していますが、社内外との連携強化やKPIモニタリングにより管理能力とレジリエンスの向上を図っています。また、予期せぬ製造停止や出荷遅延に備え、一定期間の需要を賄える在庫を確保し、供給継続を可能としています。米国拠点の立ち上げにあたっては、自社生産能力の拡充だけでなく、技術と人材の国際的な循環を通じた生産技術全体の底上げを目指しています。高崎地区では2025年にHB7棟が竣工し、製造トレーニング設備を設置しました。高崎工場の従業員に加え、サンフォード工場のスタッフも訪問し、両拠点が協力して技術習熟度の向上に取組んでいきます。
なお、「リスクに対する対応戦略及び取組」はおおむね順調に進捗しています。
〔表③-1-3〕リスクへの対応戦略の財務的影響
当年度においては、リスクは顕在化していません。また、次年度以降に、リスクが顕在化した場合、どの程度影響を及ぼすかを見積ることが困難であるため、財務的影響について定量的情報を記載していません。
当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会への対応戦略、並びにリスク及び機会対応のために発生する財務的影響は、以下のとおりです。
「上記でとらえたリスクに対する対応戦略及び取組」を実現するために必要な財務投資としては、自社の製造・品質保証・サプライチェーンマネジメントにかかる費用及び投資があり、その当期実績と将来予測は〔表③-1-3〕に示しています。これらの財務投資の将来予測は、社内外の状況変化を受けて、変更される可能性があります。
|
リスク及び機会 |
リスクへの対応戦略(及び取組) |
対応戦略の財務的影響 |
財務的影響*1(億円) |
||||
|
当年度 |
短期 (1年後) |
中期 (3年後) |
長期 (10年後) |
||||
|
リスク |
重要な品目について、製品や治験薬の必要量を安定して供給できず、出荷制限や欠品が発生するリスク |
自社が供給する製品の品質保証・安定供給を継続する体制・手順を構築し、適切に運用する |
PL影響 自社の製造・品質保証・サプライチェーンマネジメントにかかる費用*2 |
540 |
590 |
590 |
中期と同水準の想定 |
|
BS影響 自社の製造・品質保証・サプライチェーンマネジメントにかかる投資*3 |
330 |
440 |
100 |
減価償却費の範囲内が目途 |
|||
|
CF影響 合計*4 |
870 |
1,030 |
690 |
上記の合計額 |
|||
*1.当社グループにおいては短期・中期・長期の時間軸について、短期を当年度末後1年、中期を2年から3年、長期を4年から10年と定義していますが、リスク及び機会対応のために発生する財務的影響の記載に当たっては、短期・中期・長期の数値の傾向を把握できるよう、短期は1年後、中期は3年後、長期は10年後の単年度に発生する数値を記載しています。
*2.リスク対応に要する費用のみを算定することが困難であるため、関係部門の費用総額(ただし、製造にかかる費用のうち変動費を除く)を記載しています。
*3.リスク対応のための直接投資額を算定することが困難であるため、関係部門の投資総額を記載しています。
*4.CF影響を正確に算出することが困難であるため、PL影響とBS影響の合計額を記載しています。
短期、中期及び長期にわたる財政状態の変化見込み:
上記のリスクへの対応戦略としての自社の製造・品質保証・サプライチェーンマネジメントにかかる投資として、米国ノースカロライナ州にバイオ医薬品原薬製造工場(サンフォード工場)を建設中です。当該投資資金については、自己資金により賄う予定です。なお、上記のリスクへの対応戦略が、次の年次報告期間中に関連する財務諸表で報告される資産及び負債の帳簿価額に重要な修正を生じさせることはないと考えています。
<マテリアリティに関連するリスクが顕在化した場合のレジリエンス>
製品の供給計画を策定する際には、予期せぬ事態により自社工場や外部CDMOでの製造が停止した場合でも供給を継続できるよう、一定期間の需要を満たす十分な在庫を確保しています。さらに、工場からの製品出荷が停止した場合にも、一定期間対応可能な在庫をストックポイントに備え、供給を継続できる体制を整えています。自社工場では、自然災害などによる電力停止に備えて非常用電源を確保し、製造を維持できるようにしています。加えて、重要な製品についてはデュアルソーシング体制を構築し、リスク発生時の安定供給を一層強化しています。
品質リスクへの対応として、自社工場・CDMOともに、最新のGMP動向及びリスクに基づいた定期的なGMP監査を行い、特定された課題は是正措置・予防措置が確実に実行されるよう管理しています。また、特定された全てのリスクは品質リスクレジスターへ登録し、必要な対応策についてはその進捗をモニターしています。
<マテリアリティに関連する指標と目標>
当社グループでは、マテリアリティに関連するリスクに対して、指標と目標を可能な限り開示しています。下記〔表③-1-4〕では、製品の品質と安定供給に関連する指標として設定し、モニタリングした結果を示しています。なお、当年度においては、リスクは顕在化していません。
〔表③-1-4〕指標及び目標
|
リスク及び機会 |
指標 |
情報源 |
単位 |
最終目標 (最終目標年) ※基準年含む |
|
実績 |
|
|
中間目標 |
当期 |
||||||
|
リスク |
重要な品目について、製品や治験薬の必要量を安定して供給できず、出荷制限や欠品が発生するリスク |
適正製造規範(GMP)又は同等の基準の違反(violations)に対応して講じられた執行措置の種類別の数 |
当社独自(SASB考慮)*1 |
件 |
- |
- |
0 |
|
自社事由による欠品・限定出荷発生数 |
当社独自*2 |
件 |
0件の維持 |
- |
0 |
||
*1.絶対指標であり、第三者によって認証されていません。なお、本指標は「SASB:HC-BP-250a.5」を参考に設定しています。当社グループへの財務的影響を考慮し、データの集計範囲を調整したうえで、開示しています。
(定義)当社が定める、GMP又は同等の基準の違反に対応して講じられた執行措置の種類別の数
(算定方法)(1)実績は当連結会計年度末(2)医薬品の製造・品質管理体制における重大な不備や逸脱によるGMP違反を原因とし、CRV、POTなどのグローバル品の出荷停止に及ぶ執行措置を対象とする。
*2.絶対指標であり、第三者によって認証されていません。
(定義)当社が定める、自社事由による重要な医薬品の欠品・限定出荷発生数
(算定方法)(1)実績は当連結会計年度末(2)自社事由とは製造販売業者の責任の範囲内にある事情(原薬を含む原材料の調達トラブル、製造トラブル、品質トラブル、行政処分など[製造委託先に起因するものも含む])を指す。その他、一過性の需要過多や災害等による被害を理由とする欠品、限定出荷発生数は含まない。(3)欠品や限定出荷の件数は、同一の事由に由来するものは、複数の報告に及ぶ場合、1件としてカウントする。(4)集計範囲は、当社への財務的影響及び患者さんへの影響を考慮し、当社で定めた基準に達する事象を対象とする。
パフォーマンスの傾向又は変化についての分析:
「リスクに対する対応戦略及び取組」はおおむね順調に進捗しています。
③-2.地球環境への負荷の低減
<マテリアリティの説明>
当社グループは、社会からの信頼獲得に関連するマテリアリティの一つとして「地球環境への負荷の低減」を定めています。
〔表③-2-1〕マテリアリティの定義・取組むことで得られる機会・取組まないことで生じる脅威と指標
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戦略の幹 |
マテリアリティ |
定義 |
取組むことで得られる機会 |
取組まないことで生じる脅威 |
指標 |
|
社会からの信頼獲得 |
地球環境への負荷の低減 |
バリューチェーンの様々な場面で環境影響にも配慮し、次世代に引き継ぐ地球環境の保護に積極的に取組む |
・未来世代に対する貢献を通じた当社グループに対する信頼性の向上 ・物理的/移行リスクと機会の適正な管理による事業活動の維持 |
・規制強化(炭素税含む)による新たなコストの発生 ・異常気象による災害や健康被害の増加。それに伴う事業活動への影響 |
・バリューチェーン全体の温室効果ガス排出量ネットゼロ |
<マテリアリティに関連する機会・リスクへの対応戦略(及びその取組み)>
当社グループは、「地球環境への負荷の低減」に関連するリスクを「気候変動関連の規制強化に対する不十分な対応」ととらえ、このリスクが影響を及ぼすバリューチェーン・その影響・発生可能性・金銭的重要性・リスクの影響が発生すると見込む時間軸を下記の〔表③-2-2〕のようにとらえて活動しています。
なお、当社グループにおいては、サステナビリティ関連の他のリスク及び機会とのトレードオフを考慮し、取組みを進めています。
〔表③-2-2〕リスクの影響が発生すると見込む時間軸
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リスク及び機会 |
バリューチェーン (ステークホルダーを記載) |
リスク及び機会が顕在化したときに発生するビジネスモデル・バリューチェーンへの影響と財務的影響 |
発生可能性 |
金額的重要性 |
リスク及び機会の影響が発生すると見込む時間軸*1 |
|||
|
上流 |
当社 |
下流 |
||||||
|
リスク |
気候変動関連の規制強化に対する不十分な対応 |
未来世代を含む当社グループのステークホルダー |
ビジネスモデル・バリューチェーンへの影響 ・気候変動をはじめとするバリューチェーン全体の地球環境への負荷の低減 財務的影響 ・炭素税等の新たなコストの発生 |
高 |
小 |
短期 中期 |
||
*1:短期を1年後、中期を3年後とそれぞれ定義しています。
上記でとらえたリスクに対する対応戦略及び取組:
当社グループは、「協和キリングループ 環境基本方針」のもと、気候変動への対応を「協和キリングループとして取組むべき重要な環境活動」と定め、バリューチェーン全体の温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量を削減していきます。パリ協定における「平均気温上昇を1.5℃以下に抑えた世界」を目指すとともに、気候変動に関するリスクと機会に対するシナリオ分析結果及びキリングループ環境ビジョン2050を踏まえ、当社グループの気候変動への対応について見直し、事業戦略に落とし込み対応を進めています。
2050年までのバリューチェーン全体のGHG排出量ネットゼロ実現に向けてSBT1.5℃目標に対応したCO2削減目標を設定するとともに、目標達成に向けたロードマップを作成し、再生可能エネルギーの早期導入・拡大、省エネルギー、エネルギー転換などの施策を推進し、脱炭素社会への移行リスクに対応します。
参考:物理リスクの面では、水リスク評価を実施し、洪水・浸水リスクを抽出するとともに、水害対策ポリシーを策定し、浸水防止措置等の設備投資対応を実施していきます。合わせて、サプライチェーン全体における影響評価・対応についても進め、生産停止の回避・被害最小化等、継続的にリスクの最小化を図っていきます。なお、当社の気候変動に関する情報開示の詳細は当社HPの「TCFD提言に基づく情報開示」を参照ください。
〔表③-2-3〕リスクへの対応戦略の財務的影響
当年度においては、リスクは顕在化していません。また、次年度以降に、リスクが顕在化した場合、どの程度影響を及ぼすかを見積ることが困難であるため、財務的影響について定量的情報を記載していません。
当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会への対応戦略、並びにリスク及び機会対応のために発生する財務的影響は、以下のとおりです。
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リスク及び機会 |
リスクへの対応戦略(及び取組) |
対応戦略の財務的影響 |
財務的影響*1(億円) |
||||
|
当年度 |
短期 (1年後) |
中期 (3年後) |
長期 (10年後) |
||||
|
リスク |
気候変動関連の規制強化に対する不十分な対応 |
「協和キリングループ 環境基本方針」のもと、気候変動への対応を「協和キリングループとして取組むべき重要な環境活動」と定め、再生可能エネルギーの活用をはじめとするバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量を削減する |
PL影響 再生可能エネルギー(環境価値)調達費用 |
0.8 |
2 |
9 |
中期と同水準の想定 |
|
BS影響 気候変動対応を目的とした設備投資費 |
3 |
0.07 |
0.09 |
再生可能エネルギー調達ではカバーできないScope1+2の削減に向けた新技術への投資額 |
|||
|
CF影響 合計*2 |
3.8 |
2.07 |
9.09 |
上記の合計額 |
|||
*1.当社グループにおいては短期・中期・長期の時間軸について、短期を当年度末後1年、中期を2年から3年、長期を4年から10年と定義していますが、リスク及び機会対応のために発生する財務的影響の記載に当たっては、短期・中期・長期の数値の傾向を把握できるよう、短期は1年後、中期は3年後、長期は10年後の単年度に発生する数値を記載しています。
*2.CF影響を正確に算出することが困難であるため、PL影響とBS影響の合計額を記載しています。
<マテリアリティに関連するリスクが顕在化した場合のレジリエンス>
省エネ、再生可能エネルギーの導入・拡大、エネルギー転換などの施策を推進し、CO2排出量削減目標を達成することにより、今後発生すると考えられる炭素税負担額を低減できると考えます。またエネルギー使用量全体を抑える事により、エネルギーコストの削減にもつながります。
参考:工場・研究所の敷地内への浸水等による長期間の操業停止など、グローバルな生産活動への影響に対しては、大規模自然災害に対するBCPを策定し、水害に対しては浸水防止措置や設備投資対応(生産に関する重要資産の地理的分散保管、建物の防水化、重要設備の高層・高所配置化、浸水防止壁設置など)を実施し、物理的リスクに対応することにより、大規模災害発生時にも事業継続・安定供給できる体制を整えています。
<マテリアリティに関連する指標と目標>
当社グループでは、マテリアリティに関連するリスクに対して、指標と目標を可能な限り開示しています。下記〔表③-2-4〕では、「地球環境への負荷の低減」に関連する指標として設定し、モニタリングした結果を示しています。
〔表③-2-4〕指標及び目標
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リスク及び機会 |
指標 |
情報源 |
単位 |
最終目標 (最終目標年) ※基準年含む |
|
実績 |
|
|
中間目標 |
当期 |
||||||
|
リスク |
気候変動関連の規制強化に対する不十分な対応 |
1.CO2(Scope1+2)排出量 |
当社独自*2 |
t-CO2 |
55%削減(2030年/2019年比) |
63%削減(2025年/2019年比) |
70%削減 |
|
2.CO2(Scope3)排出量 |
当社独自 |
t-CO2 |
30%削減(2030年/2019年比) |
- |
算定中 |
||
|
3.使用電力の再生可能エネルギー比率 |
当社独自 |
% |
100%(2040年) |
- |
98% |
||
|
4.バリューチェーン全体の温室効果ガス排出量 |
当社独自 |
- |
温室効果ガスネットゼロ(2050年) |
- |
指標1~3の取組みを通じて削減 |
||
<パフォーマンスの傾向又は変化についての分析>
Scope1、2に関しては、使用エネルギーの約3分の2が電気であるという事業特性を踏まえ、2030年までは、継続的な省エネ活動を推進しつつ、再生可能エネルギーの導入を拡大しCO2排出量削減を強力に推進しています。
2030年以降は、これら省エネと再生可能エネルギーの導入の取組みに加え、技術革新の動向を注視しながら、エネルギー転換を可能とする新たな設備への切り替えを図っていきたいと考えています。再生可能エネルギーへの切り替えは非常に順調に進んでおり、国内の主要生産・研究事業場については、全事業場で使用電力の再生可能エネルギー化が完了しました。これにより、当社グループ全体での再エネ電力の導入率は2025年度末時点で98%に達しています。その結果、当社グループ全体でのCO2排出量は2025年度末時点で70%削減を達成しています。すでに2030年目標を達成している状況ですので、2026年には2030年目標を見直し、さらに高い削減目標を設定する予定です。
今後は、海外サイトも含めた当社グループ全事業場へ再生可能エネルギーを導入し、脱炭素化を推進していきます。
一方、当社のScope3については、委託製造などからのCO2排出であるカテゴリー1が多くの割合を占めているため、Scope3の削減には、このカテゴリー1を中心に、サプライチェーン全体で各種施策を展開することが非常に重要となります。
2025年、Scope3削減に向けた2030年目標「2019年比30%削減」を設定し、ロードマップを作成しました。今後、サプライヤーと協働し削減に向けた施策を展開するとともに、2030年目標達成に向けロードマップをさらに精緻化していきます。
④Life-changingな価値を実現する人材・基盤の強化-経営基盤に関連するマテリアリティ
<マテリアリティの説明>
当社グループは、Life-changingな価値を実現する人材・基盤の強化-経営基盤に関連するマテリアリティとして、「コーポレートガバナンス」*1、「事業活動における倫理と透明性」、「リスクマネジメントの強化」を定めています。
〔表④-1〕マテリアリティの定義・取組むことで得られる機会・取組まないことで生じる脅威と指標(及び目標)
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戦略の幹 |
マテリアリティ |
定義 |
取組むことで得られる機会 |
取組まないことで生じる脅威 |
指標 |
|
Life-changingな価値を実現する人材・基盤の強化-経営基盤 |
コーポレートガバナンス |
経営理念及び価値観のもと、ビジョンの実現を通じて持続的成長と中長期的な企業価値向上を機動性をもって推進できるコーポレートガバナンス体制を実現する |
・環境変化への迅速な対応を通じたステークホルダーからの信頼獲得と、それに伴う企業価値の向上 ・安定的な事業基盤の獲得 |
・ステークホルダーからの信頼の失墜 ・環境変化への対応遅延と企業価値の低下 |
・経営基盤強化 |
|
事業活動における倫理と透明性 |
国内外の関係法令、社内外の諸規則・ルール及び社会規範を遵守し、法的責任と社会が求める倫理的責任を果たす行動をとる。あわせて、バリューチェーンを構成する全てのパートナーに対しても当社行動規範の精神に基づく行動を促し、価値を共創する。また、ステークホルダーに対して適示適切かつ公正な情報開示を行う。なお、「患者さんの安全性の確保と適正使用の推進」「従業員の健康と安全」「人権の尊重」「責任あるマーケティングと倫理的広告」「研究開発倫理と信頼性の確保」「適正な納税」「贈収賄・腐敗防止」「サイバー」を含む |
・ステークホルダーからの信頼獲得と、それに伴う企業価値の向上 ・安定的な事業基盤の獲得 |
・事業活動の制限や停止(研究開発、生産活動や販売活動等) ・ステークホルダーからの信頼の失墜 |
||
|
リスクマネジメントの強化 |
必要なリスクを適切に取るとともに、協和キリングループ及びステークホルダーを脅威から守るための行動を取る |
・適切なリスクテイクによる企業価値の向上 ・安定的な事業基盤の獲得 |
・事業活動の制限や停止(研究開発、生産活動や販売活動等) ・ステークホルダーからの信頼の失墜 |
*1:当社グループは、2026年3月19日開催予定の定時株主総会で承認可決されることをもって、監査等委員会設置会社へ移行する予定です。取締役会の監督機能を強化しつつ、業務執行への適切な権限委任を通じて迅速な意思決定を促進し、健全なリスクテイクのもとで事業の成長と価値創出を加速していきます。なお、監査等委員会設置会社への移行の詳細は、「
1.リスクマネジメント(RM)体制と重要リスク特定のプロセス
協和キリングループにおけるリスクとは、経営目標及び戦略目標の達成に影響を与える不確実性を指し、事業活動の遂行において企業価値の毀損につながる脅威(ネガティブな影響)に加え、適切に対応することで企業価値の創出や成長につながる機会(ポジティブな影響)の双方を含むものと定義しています。当社グループは、Enterprise Risk Management(ERM)の枠組みのもと、リスクを単なる回避対象としてではなく、機会の最大化及び企業価値の創出・保全につなげるべき経営上の重要事項として位置付けています。
当社グループは、日本を含むJAPAC、北米、EMEAを中心とした地域(リージョン)軸、地域を跨いだ機能(ファンクション)軸と製品(フランチャイズ)軸を組み合わせたグローバルマネジメント体制「One Kyowa Kirin」で事業活動を推進しています。3つの地域にそれぞれリージョナルリスクマネジメント委員会を設置し、各地域の重要リスクを議論しています。また、CxOが中心として参加するグローバルな位置付けのグループリスクマネジメント委員会を年2回開催し、グループ全体のリスクマネジメントに関する戦略や活動方針を審議していきます。
重要リスク特定のプロセスについては、四半期に1回、業務執行部門が実務担当者会議において社内外の環境変化を踏まえてリスクを洗い出し、経営に与える影響度と発生頻度(発生する可能性)を分析します。グループリスクマネジメント委員会事務局は社内外の環境変化やリスクトレンドについて業務執行部門と対話しながら分析結果を調整した後、リスクをカテゴリー毎に整理し、重要リスクを特定します。グループリスクマネジメント委員会では重要リスクの特定が適切かを確認するとともに、その低減策について全社的な観点で議論しています。重要リスクの低減に向けた進捗確認は、アクションプランのモニタリングと合わせて行い、グローバル経営戦略会議にて進捗確認と環境変化を踏まえたリスクの重要度の変化をモニタリングしていきます。グループリスクマネジメント委員会では、その評価結果を基にリスクマップを策定しており、これらの委員会で議論された重要リスクの低減策やモニタリングの結果は取締役会に報告されています。
当社グループのリスクマネジメント(RM)体制(2025年10月より)
2.デジタル活用によるリスクマネジメントのグローバル一元管理
当社グループでは、グループ全体のリスクをデータベースで一元管理するためのシステムを導入し、デジタル化を進めています。業務執行部門がリスク台帳やインシデント情報をデータベースに登録した後、ワークフローを通してリスクを専門的かつ全社的な立場で支援・助言・モニタリングする部門に情報を共有したり、リスクマップにて重要リスクの見える化を実施したりするなど、リスクの状況を効果的かつ効率的にモニタリングする体制の整備を進めています。
3.クライシスマネジメント体制とBCP演習の強化について
当社グループでは、クライシス発生時に、平時業務の延長から早期にクライシス対応を開始できるFunction対策本部と、クライシスの地理的影響範囲に応じて設置されるGlobal・Regional・Local対策本部が連携し、2025年11月11日改訂版グループクライシスマネジメント規程に基づき、迅速かつ組織的なクライシスマネジメントを遂行しています。
今回の改訂では、各階層(Global・Regional・Local・Function)の役割と権限、設置基準、指揮命令系統、エスカレーション原則(Bad News Fast)が明確化され、平時・有事双方における情報報告・共有方法、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)の発動・解除手順、対策本部の設置判断基準が具体的に定められました。これにより、クライシスの予防、発生への準備、予兆の早期発見、緊急時対応までを一貫して運用するレジリエントな体制が整備されました。また、重要リスクを中心にクロスリージョン・クロスファンクションにクライシス・BCP演習の実施を通じて、最悪の事態を想定したクライシス対応や事業継続体制の強化を図っています。改訂規程では、各対策本部単位で原則年1回の教育訓練実施が義務付けられ、演習後には振り返りと再発防止策の策定、改善アクションプラン化、平時における継続的改善が求められています。
演習を通じて対応力向上を図るとともに、リスク評価や低減策を見直し、リスクの予兆発見のためのモニタリングにつなげるなど、急激な環境変化の中、全社的な課題に対して、平時のリスクマネジメントと有事のクライシスマネジメントを一貫して取組むことで、困難な状況にもしなやかに適応するレジリエントな組織を目指しています。
当社グループのクライシスマネジメント体制(2025年11月より)
4.事業等のリスク
当連結会計年度末(2025年12月31日現在)において当社グループが特定した重要リスクを以下に記載していますが、社内外の環境変化により想定していないリスクが発生する可能性や、ここで記載していないリスクが当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
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サイバーセキュリティ(Cybersecurity) |
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リスクの内容、リスクが顕在化した場合の主な影響 当社グループは、研究開発、製造、販売等に関わる重要情報システムやネットワークを、グローバルに多拠点で運用しています。これらは患者さん情報、研究開発データ、製造ノウハウ、契約や経営情報など、極めて機密性の高いデータを含みます。近年、ランサムウェアや標的型攻撃などのサイバー攻撃は高度化・巧妙化し、ライフサイエンス分野は高い攻撃対象となっています。セキュリティ対策(アクセス制御、暗号化、脆弱性管理、監視、バックアップ等)が不十分な場合、システム停止や障害発生、情報漏えいなどが起き、事業継続が不可能になる事態が生じ得ます。 これにより、法令違反や制裁金、訴訟、重大な経済的損失、社会的信用の低下、競争力の喪失などの影響を受けます。また、地域ごとのセキュリティ標準や対応方針の差異、統一的なガバナンス不在、保険補償の限界なども被害拡大の要因となります。 |
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主な対策 現在、全地域で常勤スタッフによる監視体制を整えており、サポートを提供しています。北米・EMEA・日本ではランサムウェア防御技術を導入し、また内部脆弱性管理を継続的に実施に加え、年1回の外部ペネトレーションテストも実施しています。さらに、各地域でMSSP(マネージドセキュリティサービスプロバイダー)による監視を行い、資産管理ツールを用いた資産発見・管理、TPRM(サードパーティリスクマネジメント)評価、年次のグローバル・地域別サイバー演習、フィッシング対策訓練も実施しています。 今後はMSSPサービスの統合化と単一テナント運用による迅速な対応、グローバルセキュリティオペレーションモデルの構築、TPRM標準化、製造部門のオペレーションテクノロジー(OT)セキュリティ強化を予定しています。また、ERMプログラムを導入し、全地域のリスクをモニタリングしていきます。 |
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安定供給及び品質(Supply & Quality) |
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リスクの内容、リスクが顕在化した場合の主な影響 当社グループは、バイオ医薬品を含む多様なモダリティの製品・治験薬を製造し、国内外に供給しています。製造・品質に関するトラブルや原材料調達不安、急激な需要変動、委託先の不具合、自然災害、地政学リスク、システム障害などは、供給に重大な影響を及ぼす恐れがあります。 特に重要品目で供給不足や出荷制限が発生すると、患者さんへの治療継続が困難となり、社会的信用失墜、受注減、売上減少、罰則、訴訟など経済的損失が生じます。さらに、新しいモダリティやデバイスへの対応力不足、生産拠点の一極集中や老朽化、設備投資の戦略整合性欠如も中長期的な供給安定性を損なう恐れがあります。 |
|
主な対策 適正在庫の確保、自社生産体制の整備・拡充(高崎工場HB7棟・サンフォード工場)、重要製品のデュアルソーシング体制構築、CDMO管理強化、災害時における影響の早期把握、原材料・資材の安定確保やサプライヤーマネジメント改善、逸脱・変更管理プロセス改善、新技術の開発・活用促進などに取組んでいます。 今後はサプライチェーン全体のリスク特定と対応シナリオ策定、長期的な戦略に基づく供給体制構築、製造・品質リスクの早期把握のためのモニタリング強化、DX活用によるオペレーション改革などを計画しています。今後、インシデント数、査察時の重大指摘数、計画達成度などをモニタリングしていきます。 |
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ビジネスパートナー(Business partner) |
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リスクの内容、リスクが顕在化した場合の主な影響 当社グループは原材料・委託製造・流通等、重要な事業プロセスを多数のビジネスパートナーに依存しています。これらのビジネスパートナーに起因する人権・環境問題(強制労働・児童労働、温室効果ガス排出等)、贈収賄や腐敗行為、情報セキュリティ侵害、規制違反などのリスクは、管理体制が不十分であると顕在化しやすくなります。 特に責任部署やモニタリングプロセスが曖昧な場合、デュー・デリジェンス(DD)の実施漏れや契約・監査未整備が生じ、高リスクパートナーに対して適切な評価・対応ができないまま取引を継続する事態が発生します。インシデントが発生すれば、事業の継続困難、罰金・制裁金の賦課、社会的信用の失墜、金銭的損失等の影響に加え、膨大な人的・物的リソースを突発対応に投入せざるを得なくなります。 |
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主な対策 既存の各リージョンでのDD、人権DDにおけるインタビューとテーマ検討等の活動に加え、現状では、グループ全体のビジネスパートナーに係る基本方針・規程の策定による管理概要の明文化、安定供給に関わるパートナーの優先的なDD対象選定、グローバルでの運用プロセスの明文化に向けた各リージョンの管理体制現状確認を行っています。また、PSCI(Pharmaceutical Supply Chain Initiative)への加盟等を通じ、他社のDD状況・業界トレンドを踏まえた組織改善も進めています。 今後はDD対象選定基準や優先リスク評価基準の策定、SAQ(自己評価質問表)実施、リスク評価指針・対応手引き作成、高リスクパートナーへのモニタリング徹底、外部開示にも対応可能な監査体制の設計・実施を進めます。契約時・契約後のモニタリング網羅性向上、サプライヤー情報のグローバル一元管理も計画し、優先パートナーに対するアセスメント完了率や低減対策実施率などをモニタリングしていきます。 |
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プロダクトポートフォリオ(Product Portfolio) |
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リスクの内容、リスクが顕在化した場合の主な影響 研究開発から上市までの開発品・製品ポートフォリオは当社の持続的成長の基盤です。疾患領域別の投資方針(自社単独での価値創造・提供と他社との戦略的パートナリングによる価値最大化)を設定していますが、後期開発品への投資拡大、初期パイプライン偏在、パートナリング交渉難航等により、将来の売上・利益の均衡が崩れる恐れがあります。 短・中・長期視点での不十分な議論や財務観点との整合性欠如は、投資判断誤りや開発停滞を招き、株価下落、中長期的収益性悪化、機会損失につながります。 |
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主な対策 現状、グローバル経営戦略会議等においてポートフォリオ分析(売上・利益予測、感度分析、シナリオ別成長予測、重大な影響要因=スイングファクター分析)を定期的に実施し、CxOレベルで現状と将来シナリオを共有しています。 今後は四半期ごとのプロダクトポートフォリオマネジメント会議を設置し、財務視点を含むシナリオ分析に基づく戦略方向性の認識一致を図ります。また、議論内容を開発実務に迅速反映し、スイングファクターに関連したワーストケースシナリオへの事前対応策などをモニタリングしていきます。 |
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企業文化及び人材ポートフォリオ(Corporate Culture and Talent Portfolio) |
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リスクの内容、リスクが顕在化した場合の主な影響 当社グループは、急速に環境変化する製薬業界において、持続的な成長と競争優位性を実現するため、高度な専門性、多様性、機動性を備えた組織と人材の確保が必須です。しかし、必要なケイパビリティが現状と乖離しているにもかかわらず、そのギャップを正しく認識し、計画的に是正する取組みが遅れると、イノベーションの創出が停滞し競争力が低下する恐れがあります。加えて、企業文化(KABEGOE Culture)の醸成が不十分である場合、優秀な人材の採用・定着が困難になり、エンゲージメントや生産性低下を招き、グローバル戦略遂行やビジョン達成の障害となります。 具体的には、グローバル×ローカルの一貫した人材戦略の欠如、People Leader(管理者層)の役割定義・期待値の不明確さ、Total Reward(報酬政策)やキャリア機会の競争力不足などが長期的な人材流出につながるほか、人材育成が場当たり的になり戦略人材のパイプライン構築が進まないという影響も顕著です。 |
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主な対策 当社は、こうしたケイパビリティギャップの是正に向けて、人材マネジメント基盤の強化に着手しています。人事組織内にVirtual Global Sub-functionを設け、機能横断・地域横断の戦略推進体制を整備するとともに、グローバルな後継者計画(Global Succession Planning)を導入し、各ファンクションにおける次世代リーダー候補とその育成方針を明確化しています。さらに、研究開発領域には、価値創造型人材像の定義と人材育成施策を導入しました。 企業文化面では、Vision 2030の達成に向けてKABEGOE Principlesを継続的に社内へ浸透させ、Global HR Operation Model等の整備を通じた、国や部門を越えたタレントマネジメントの基盤構築を進めています。今後は、People Leaderへの期待役割を明確化し、その実現を支援する育成施策や、Total Reward Policyの明確化・報酬制度の再設計、加えて認証プログラムの強化に注力していきます。また、オペレーティングモデル変革を支えるため、社内表彰制度の刷新や部門横断の価値創出活動を拡充し、社員一人ひとりが変化を実感できる企業文化の発展を図っていきます。 |
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バリューベース・ヘルスケアの進化と市場アクセス(The Advancement of Value-Based Healthcare and Market Access) |
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リスクの内容、リスクが顕在化した場合の主な影響 医療費の高騰、薬価抑制圧力、費用対効果評価(HTA)の重視などにより、医薬品の保険償還や価格設定は厳格化しています。患者、Payer(保険者)、当局のニーズを十分に反映しない開発戦略や、経済的価値の検証プロセス不足により、製品へのアクセスが遅延・制限されるリスクがあります。 開発初期から市場アクセスや経済価値戦略を組み込む仕組み、具体的には、欧州HTA基準を満たす試験設計、費用対効果評価に対応しうる体制・人材、国ごとの価格ルール・交渉文化の違いへの柔軟対応力が必要です。これらが不足すると、上市後の価格・アクセス条件が不利となり、収益性や成長性が著しく低下します。 |
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主な対策 当社は、開発初期段階からアクセス及び価値最大化戦略を製品戦略書やTarget Product Profile(TPP)に組み込み、研究開発委員会で戦略の整合性を確認しています。先行開発品や類似領域で得た知見を疾患領域チームのCross-functionalレビューにより共有し、欧州HTA基準を満たすPhaseⅢ試験設計の推進、費用対効果評価に対応可能な価格設定システムの改訂を行っています。さらに、主要製品では欧州共同臨床評価(JCA)への計画的対応を進め、米国及び欧州市場での交渉力強化に取組んでいます。併せて、国内の費用対効果評価への継続対応を可能とする体制・人材育成を行い、政府渉外部門、医療経済、Pharmacy Benefit Management(PBM)、ペイヤー対応部門等と連携しながら、各国事情に適合した価値最大化施策の標準化を目指しています。 |
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日本市場における持続的成長(Sustainable growth of Japan Market) |
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リスクの内容、リスクが顕在化した場合の主な影響 日本事業の中核を担う長期収載品に関する製品ライフサイクル戦略の実効が遅延した場合、ポートフォリオの改善が困難となり、高コスト構造が固定化する可能性があります。さらに、新製品の自社開発や国内導入が計画どおり進まない場合、日本市場における競争力が低下し、グループ全体の収益に影響を及ぼす恐れがあります。また、新薬の上市計画が遅延した場合、目標利益を大きく下回る可能性があり、持続的成長モデルへの転換が急務となります。 |
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主な対策 当社は、製品ライフサイクル戦略の実行に向け、早期段階からパートナー企業やCDMOとの情報共有を進め、承継活動における透明性の向上と意思決定の迅速化を図っています。承継契約に関しては、法務デュー・デリジェンス及び関連契約の精査を実施し、組織間の連携を強化することで、円滑なプロジェクト遂行を支援しています。新薬の上市準備においては、日本市場向けのプレローンチチーム(JP Pre-launch Team)を設置し、これを支援する機能横断型タスクフォースを編成することで、各機能間の連携を強化し、円滑な上市準備を推進しています。今後は、プロジェクト管理機能のさらなる強化、デュー・デリジェンス情報の事前整理、タスクフォースによる支援体制の明確化、並びにマイルストン進捗のモニタリング精度向上を図ります。さらに、経営レベルでの議論を継続し、医療制度や市場環境の変化に対応した持続的成長モデルへの転換を目指します。 |
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デジタル戦略の推進及びオペレーショナルエクセレンスの実現(The Advancement of Digital Strategy and Operational Excellence) |
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リスクの内容、リスクが顕在化した場合の主な影響 当社グループでは2021年に「デジタルビジョン2030」を作成しDXを推進しています。各部門・リージョンで様々な取組みを行ってきていますが、全体最適化の視点ではさらなる強化の余地があり、本来期待されている全社レベルでのOperational Transformation効果(生産性向上、迅速意思決定、パイプライン加速等)、Life-changingな価値創出に向けた取組みが十分に発揮されない恐れがあります。 |
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主な対策 当社は2025年4月にChief Digital Transformation Officer(CDXO)を設置するとともに、全社軸でのDXを推進するODX(Operational and Digital Transformation)を新設し、DXを軸とした業務改革を加速するとともに、DXやAI等に関する専門人材や変革型リーダーの強化・育成、併せてIT/デジタル投資のガバナンス体制の整備を進めています。今後も会社戦略に沿った投資優先順位の設定や戦略テーマの定期見直しを通じて、全社的なDX効果の最大化を目指します。 |
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遺伝子細胞治療ビジネスの持続的成長(Sustainable Growth of Gene & Cell Therapy Business) |
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リスクの内容、リスクが顕在化した場合の主な影響 当社は、2024年に造血幹細胞遺伝子治療プラットフォームを有するOrchard Therapeutics社を買収し、本プラットフォームを活用した有望な治療法の開発、並びに当社が培ってきた創薬技術との融合による新規治療法の研究開発を、“Vision 2030 and Beyond:中長期構想”の中核に位置付けています。しかし、事業統合後の事業戦略の策定や組織ガバナンス体制の構築が計画どおりに進まない場合、期待していたグループシナジーを十分に発揮できない可能性があります。また、遺伝子細胞治療(Gene & Cell Therapy)領域において、事業環境の変化や各国の規制変更等への対応が不十分となる場合、上市済み製品の販売促進による成長や革新的開発品の創出が停滞し、“Vision 2030 and Beyond:中長期構想”の達成に影響を及ぼすおそれがあります。 |
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主な対策 当社は、Orchard Therapeutics社の造血幹細胞遺伝子治療プラットフォームを活用し、OTL-200(欧州製品名:Libmeldy、米国製品名:Lenmeldy)の地域拡大、及びOTL-203、OTL-201などの開発推進に取組んでいます。これにより、Gene & Cell Therapy領域における事業基盤を強化し、収益の安定化を図ります。さらに、両社共同による研究開発戦略策定、投資判断等を行うガバナンス会議を整備し、Gene & Cell Therapy領域固有の課題や事業環境の変化に対して、迅速かつ的確な意思決定を可能とする体制を構築します。加えて、グループ全拠点の特性やケイパビリティを最大限活用した研究開発体制の整備、並びに専門人材の育成を推進します。 |
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米国政策(US Politics) |
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リスクの内容、リスクが顕在化した場合の主な影響 米国政権の政策変更(関税、薬価規制等)は当社グループに直接的影響を及ぼします。薬価最恵国待遇(MFN Drug Pricing)政策が法制化されれば、米国での価格引下げや戦略変更が避けられず、他国薬価設定にも波及します。医薬品への高関税導入は、米国向け製造戦略に大きな損害を与えるほか、価格転嫁は政治的リスクを伴います。 |
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主な対策 当社は、関税影響に備えて米国関税タスクフォースを設置し、生産・SCM、財務経理、法務、渉外、市場アクセス、薬事等の機能横断連携を強化し、また製造拠点移転を含む供給体制再構築を計画しています。さらに、米国及び日本での活動を通じて政策関与を強化するとともに、米国の子会社がPhRMAに加盟し、政治的影響力の向上を図っています。今後も米国議会の動向監視を継続し、供給キャパシティの確保と契約再構築を進めることで政治的リスクの低減を目指します。 |
<事業の概況>
世界中で医療費抑制の圧力が強まり、また、各国の医療政策の内容がより強く相互に影響を及ぼす等、元来、新薬開発の難度が高い製薬業界にとって、事業環境がより厳しくなる環境変化が続いています。そのような状況の中、当社は「Story for Vision 2030」により事業戦略の解像度を高め、Vision 2030の実現に向けてより焦点を明確化した取組みを推進しました。アンメットメディカルニーズを満たす医薬品の提供のため、生産・品質保証・物流の強化を継続するとともに、新たなLife-changingな価値を創出すべく研究開発活動を行ってきました。
Crysvita(日本製品名:クリースビータ)*1、Poteligeo(日本製品名:ポテリジオ)*2では、上市国・地域の拡大や市場浸透に取組み、着実な成長を推進しました。Crysvitaにおいては、患者さん及び医療関係者から期待されていた在宅自己注射をより簡便で安全に行うことができる剤型として、皮下注シリンジを日本・欧州で販売開始しました。また、イタリアではCrysvitaが腫瘍性骨軟化症に対して保険償還の対象となりました。
OTL-200(欧州製品名:Libmeldy、米国製品名:Lenmeldy)は、スペインで保険償還の対象となり、日本においては早期発症型の異染性白質ジストロフィー(MLD)に対して希少疾病用再生医療等製品指定を、サウジアラビアにおいては希少疾病用医薬品指定と優先審査指定を取得しました。
骨・ミネラル領域では、Crysvitaに加え、KK8123及びKK8398(一般名:infigratinib)の開発も進行中です。日本においては、軟骨無形成症を対象としたinfigratinibの国内第Ⅲ相試験を開始しました。
血液がん・難治性血液疾患領域のziftomenib(米国製品名:KOMZIFTI)は米国においてNPM1変異を有する再発・難治性の成人急性骨髄性白血病(AML)に対する、1日1回経口投与可能なメニン阻害薬として世界で初めて承認されました。さらに、未治療AML患者を対象とした第Ⅲ相試験を開始しています。
免疫・アレルギー疾患領域のKHK4083(一般名:ロカチンリマブ)の開発ではAmgen社と連携しながら複数の臨床試験を推進しました。ロカチンリマブのアトピー性皮膚炎を対象とした長期的な安全性と有効性を評価する第Ⅲ相臨床試験ROCKET-Ascendの中間結果を公表し、米国での承認申請・販売開始に向けた取組みを推進しました。また、結節性痒疹を適応とした第Ⅲ相試験の患者さん登録を完了しました。
自己免疫疾患に関して、ファースト・イン・クラス低分子治療薬候補の開発を目的とした、前臨床開発プログラムに関するライセンスをBoehringer Ingelheim社に提供しました。
「Story for Vision 2030」に基づき、日本事業では、長期収載品の製品ライフサイクルマネジメントを進めています。協和キリンが長年にわたって価値を創り届け、患者さんへの継続的な供給が求められる製品を、他社に引き継ぎ、継続して患者さんに届けるための重要な取組みであり、「デパケン錠、R錠、細粒、シロップ」及び「アレロック顆粒」の製造販売承認を承継しました。
上記に加えて、バイオ医薬品開発のさらなる加速化に向け建設中であったHB7棟の竣工を迎えました。また、上記冒頭で記載した環境変化の中、Vision 2030に向けて日本における事業基盤をより持続可能な 姿へと大胆に転換し、組織能力の一層の強化を図るとともに、社員のキャリア開発の選択肢を広げることを目的に特別希望退職制度を実施しました。
*1:主に遺伝的な原因で骨の成長・代謝に障害をきたす希少な疾患の治療薬。
*2:特定の血液がんの治療薬。
(1)当期の財政状態の概況
(単位:億円)
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前連結会計年度末 |
当連結会計年度末 |
増減 |
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資産 |
10,674 |
11,079 |
405 |
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非流動資産 流動資産 |
5,633 5,040 |
6,145 4,933 |
512 △107 |
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負債 |
2,166 |
2,145 |
△20 |
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資本 |
8,508 |
8,933 |
425 |
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親会社所有者帰属持分比率(%) |
79.7% |
80.6% |
0.9% |
◎ 資産は、前連結会計年度末に比べ405億円増加し、11,079億円となりました。
・非流動資産は、繰延税金資産や関係会社社債等は減少しましたが、有形固定資産及び無形資産の増加により、前連結会計年度末に比べ512億円増加し、6,145億円となりました。
・流動資産は、営業債権及びその他の債権は増加しましたが、現金及び現金同等物や棚卸資産等の減少により、前連結会計年度末に比べ107億円減少し、4,933億円となりました。
◎ 負債は、未払法人所得税は増加しましたが、持分法適用に伴う負債の減少等により、前連結会計年度末に比べ20億円減少し、2,145億円となりました。
◎ 資本は、配当金の支払いによる減少がありましたが、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上に加え、為替影響による在外営業活動体の換算差額の増加等により、前連結会計年度末に比べ425億円増加し、8,933億円となりました。この結果、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べ0.9ポイント増加し、80.6%となりました。
(2)当期の経営成績の概況
① 業績の概況
当社グループは、グローバルに事業を展開していることから、国際会計基準(以下「IFRS」という。)を適用していますが、事業活動による経常的な収益性を示す段階利益として「コア営業利益」を採用しています。当該「コア営業利益」は、「売上総利益」から「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」を控除し、「持分法による投資損益」を加えて算出しています。
(単位:億円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
増減率 % |
|
売上収益 |
4,956 |
4,968 |
13 |
0.3% |
|
コア営業利益 |
954 |
1,031 |
77 |
8.0% |
|
税引前利益 |
835 |
872 |
38 |
4.5% |
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親会社の所有者に帰属する当期利益 |
599 |
670 |
72 |
12.0% |
<期中平均為替レート>
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通貨 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|
米ドル(USD/円) |
151円 |
150円 |
△1円 |
|
英ポンド(GBP/円) |
193円 |
197円 |
4円 |
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ユーロ(EUR/円) |
164円 |
168円 |
4円 |
当連結会計年度の売上収益は4,968億円(前連結会計年度比0.3%増)、コア営業利益は1,031億円(同8.0%増)となり、いずれも過去最高を更新しました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は670億円(同12.0%増)となりました。
◎ 売上収益は、APACリージョンの事業再編による影響や日本における薬価基準引下げの影響があったものの、北米及びEMEAを中心としたグローバル戦略品の伸長に加え、技術収入の増加により、増収となりました。なお、売上収益に係る為替の減収影響は4億円となりました。
◎ コア営業利益は、海外売上収益や技術収入の増加に伴う売上総利益の増加に加え、販売費及び一般管理費、研究開発費が減少したことにより、増益となりました。なお、コア営業利益に係る為替の減益影響は7億円となりました。
◎ 親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に中国子会社株式売却益を計上していたことから、その他の収益が減少したものの、コア営業利益の増加などにより、増益となりました。
② 地域統括会社別の売上収益
(単位:億円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
増減率 % |
|
日本 |
1,347 |
1,225 |
△121 |
△9.0% |
|
北米 |
1,744 |
1,925 |
181 |
10.4% |
|
EMEA |
849 |
837 |
△13 |
△1.5% |
|
その他 |
1,015 |
981 |
△34 |
△3.4% |
|
売上収益合計 |
4,956 |
4,968 |
13 |
0.3% |
(注)1.One Kyowa Kirin 体制(地域(リージョン)軸、機能(ファンクション)軸と製品(フランチャイズ)軸を組み合わせたグローバルマネジメント体制)における地域統括会社(連結)の製商品の売上収益を基礎として区分しています。
2.EMEAは、ヨーロッパ、中東及びアフリカ等です。
3.その他は、技術収入、造血幹細胞遺伝子治療(Orchard Therapeutics社の売上収益)及び受託製造等です。
4.前連結会計年度において区分掲記していた「アジア/オセアニア」の売上収益(416億円)は、2024年のAPACリージョンの事業再編に伴い、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しています。
<日本リージョンの売上収益>
(単位:億円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
増減率 % |
|
クリースビータ |
117 |
136 |
19 |
16.0% |
|
ダルベポエチン アルファ注シリンジ「KKF」 |
116 |
104 |
△11 |
△9.8% |
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ダーブロック |
127 |
155 |
28 |
21.6% |
|
フォゼベル |
47 |
82 |
36 |
76.7% |
|
ジーラスタ |
205 |
182 |
△24 |
△11.5% |
|
ドボベット |
79 |
- |
△79 |
- |
◎ 日本の売上収益は、高リン血症治療剤フォゼベル等が伸長したものの、尋常性乾癬治療剤ドボベットの販売提携契約終了や、2024年4月及び2025年4月に実施された薬価基準引下げの影響等を受け、前連結会計年度を下回りました。
・FGF23関連疾患治療剤クリースビータは、2019年の発売以来、順調に売上収益を伸ばしています。また、2025年11月には、在宅自己注射をより簡便に行えるシリンジ型製剤「クリースビータ皮下注シリンジ」を発売しました。
・腎性貧血治療剤ダルベポエチン アルファ注シリンジ「KKF」は、薬価基準引下げ及び競合品浸透の影響を受け、売上収益が減少しました。
・腎性貧血治療剤ダーブロックは、2020年の発売以来、順調に売上収益を伸ばしています。
・高リン血症治療剤フォゼベルは、2024年2月の販売開始以降、順調に売上収益を伸ばしています。
・発熱性好中球減少症発症抑制剤ジーラスタは、バイオ後続品の影響や薬価基準引下げの影響を受け、売上収益が減少しました。
・尋常性乾癬治療剤ドボベットは、レオ ファーマ株式会社との販売提携契約が2024年12月31日で終了したため、売上収益が減少しました。
<海外リージョン及びその他の売上収益>
(単位:億円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
増減率 % |
|
Crysvita |
1,848 |
2,028 |
180 |
9.7% |
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Poteligeo |
381 |
441 |
60 |
15.6% |
|
Libmeldy/Lenmeldy |
33 |
64 |
32 |
96.1% |
◎ 北米の売上収益は、グローバル戦略品の伸長により、前連結会計年度を上回りました。
・X染色体連鎖性低リン血症治療剤Crysvita(日本製品名:クリースビータ)は、2018年の発売以来、順調に売上収益を伸ばしています。
・抗悪性腫瘍剤Poteligeo(日本製品名:ポテリジオ)は、2018年の発売以来、売上収益を伸ばしています。
・再発又は難治性急性骨髄性白血病(AML)のうち、感受性のあるNPM1変異を有し、かつ満足すべき代替治療手段がない成人患者を対象として、KOMZIFTI(一般名:ziftomenib)について、2025年11月に米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得し、米国での販売を開始しました。KOMZIFTIについては、Kura Oncology社との戦略的提携契約に基づき、米国においては50:50でプロフィットシェアを行います。当社はプロフィットシェア後のネット損益がプラスの場合は売上収益として計上し、マイナスの場合は販売費及び一般管理費として処理しますが、当連結会計年度はネット損益がマイナスとなったため、販売費及び一般管理費に計上しています。
◎ EMEAの売上収益は、グローバル戦略品の伸長や1ブランドの権利譲渡による収入などがあったものの、2024年に3ブランドの権利譲渡による131億円(66.4百万ポンド)の収入があった反動もあり、前連結会計年度を下回りました。
・X染色体連鎖性低リン血症治療剤Crysvita(日本製品名:クリースビータ)は、2018年の発売以来、適応及び上市国を拡大しながら売上収益を伸ばしています。
・抗悪性腫瘍剤Poteligeo(日本製品名:ポテリジオ)は、2020年の発売以来、上市国を拡大しながら売上収益を伸ばしています。
・エスタブリッシュト医薬品1ブランドに関する権利(知的財産)の合弁会社への譲渡(2025年7月)により、77億円(38.5百万ポンド)の売上収益を計上しました。なお、当該金額には2024年7月に譲渡した3ブランドに関する価格調整差額が含まれています。
◎ その他の売上収益は、APACリージョンの事業再編の影響により、前連結会計年度を下回りました。
・異染性白質ジストロフィー(MLD)治療Libmeldy/Lenmeldyは、欧州が堅調なことに加えて、米国での売上計上が始まり、順調に売上収益を伸ばしました。また、2025年12月には、米国推奨統一スクリーニングパネル(RUSP:Recommended Uniform Screening Panel)に異染性白質ジストロフィー(MLD)が追加されました。
・AstraZeneca社からのベンラリズマブに関する売上ロイヤルティの増加に加え、Boehringer Ingelheim社からの契約一時金収入及びマイルストン収入等により、技術収入は増加しました。
・2024年9月末のAPACリージョンの事業再編に伴い、エスタブリッシュト医薬品等の売上収益が大きく(145億円)減少しました。
③ コア営業利益
◎ コア営業利益は、売上総利益の増加に加え、販売費及び一般管理費、研究開発費の減少等により、前連結会計年度を上回りました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
「(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析 ③ キャッシュ・フローの状況、資本の財源及び資金の流動性についての分析」に記載のとおりです。
(4)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
医薬 |
373,176 |
89.1 |
|
合計 |
373,176 |
89.1 |
(注)1.金額は販売価格によっています。
2.当社グループ内において原材料等として使用する中間製品については、その取引額が僅少であるため相殺消去等の調整は行っていません。
3.当連結会計年度より算出方法を変更したことに伴い、前期比は前連結会計年度の実績を再算出して計算しています。
② 受注実績
当社グループは、主として販売計画に基づいた生産を行っています。一部の製品で受注生産を行っていますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しています。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
医薬 |
496,826 |
100.3 |
|
合計 |
496,826 |
100.3 |
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
CVS Caremark社 |
58,476 |
11.8 |
71,036 |
14.3 |
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析
文中の将来に関する記述は、当連結会計年度末(2025年12月31日現在)において当社グループが入手している情報及び判断に基づいたものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (5) 会計上の判断、見積り及び仮定」に記載のとおりです。
② 当期の財政状態及び経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析については、「(1) 当期の財政状態の概況、(2) 当期の経営成績の概況」に記載のとおりです。
◎ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2021-2025年中期経営計画の最終年度である当連結会計年度(2025年度)における、主要財務指標の目標及び実績は、以下のとおりです。
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|
2025年度 経営目標 |
当連結会計年度 実績 |
|
|
ROE |
10%以上 |
7.7% |
当期利益÷期首期末平均資本 |
|
売上収益成長率(CAGR) |
10%以上 |
9.3% |
2020年度を基準年度とした 年平均成長率 |
|
研究開発費率 |
18~20%を 目処に積極投資 |
20.4% |
研究開発費÷売上収益 |
|
コア営業利益率 |
25%以上 |
20.7% |
コア営業利益÷売上収益 |
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配当性向(注) |
40%を目処に 継続増配 |
40.8%(5年平均) 9期連続の増配 |
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(注)コアEPS(経常的な収益性を示す指標として、「当期利益」から「その他の収益」及び「その他の費用」並びにこれらに係る「法人所得税費用」を控除した「コア当期利益」を期中平均株式数で除して算定)に対する配当性向を記載しています。
当社グループは、2021-2025年中期経営計画において、成長性、イノベーション創出能力、収益性を持続的に高めていくことにより、中長期的なROEの向上と継続増配を実現し、日本発のグローバル・スペシャリティファーマとしての安定した収益構造の確立と持続的な成長を目指してきました。その目標達成状況を判断する客観的な指標として、「ROE」「売上収益成長率」「研究開発費率」「コア営業利益率」「配当性向」の5つの財務指標(KPI)を掲げていました。
期間中、主力製品では、Crysvitaについて2023年に北米での自社販売を開始したほか、Poteligeoでも上市国・地域の拡大及び市場浸透を進め、着実に売上を伸ばしました。研究開発では、KHK4083(一般名:ロカチンリマブ)についてROCKETプログラムが進展したほか、KHK4951の第Ⅱ相試験や、KK8123等の6開発品の第Ⅰ相試験を開始しました。一方で、ME-401やRTA 402等の開発中止があったものの、日本ではフォゼベル錠、米国ではLenmeldy及びKOMZIFTIを上市しました。また、グローバルでの品質保証及び安定供給体制の強化に向け、eQMSの導入や、高崎での品質関連複合施設「Q-TOWER」及びバイオ医薬品原薬製造棟「HB7」の稼働、米国バイオ医薬品原薬製造工場「サンフォード工場」の建設等の設備投資も実施しました。
これらの結果、売上収益成長率は、欧州におけるエスタブリッシュト医薬品事業の合弁提携化やAPACリージョンの事業再編に伴う売上収益の減少影響もあり、目標の10%を下回りました。研究開発費率は、積極的な投資により目標水準で推移しました。コア営業利益率は、目標の25%に届かなかったものの、2021年、2022年、2023年及び2025年の4年度において過去最高のコア営業利益を達成しました。ROEは、2023年単年度のみ10%以上を達成したものの、掲げた目標の継続的な達成には至りませんでした。
また、ROE及びコア営業利益率は引き続き当社にとって最重要の経営指標であり、2026年2月に公表した「Vision 2030 and Beyond:中長期構想」において、2030年代前半までにROE10%台前半、コア営業利益率30%を実現することを中長期財務目標として再設定しています。
なお、当期末の剰余金の配当については、1株につき32円を予定しており、2026年3月19日開催予定の第103回定時株主総会で承認されますと、中間配当金30円を加えた年間配当金は、前連結会計年度に比べ4円増配の年間62円(配当性向40.5%)となります。これにより、5年平均の配当性向は40.8%となり、9期連続の増配となる予定です。
③ キャッシュ・フローの状況、資本の財源及び資金の流動性についての分析
◎当期のキャッシュ・フローの概況
(単位:億円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
増減率 % |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
679 |
966 |
287 |
42.3% |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△1,424 |
△892 |
532 |
△37.4% |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△847 |
△369 |
478 |
△56.5% |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
4,031 |
2,447 |
△1,584 |
△39.3% |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
2,447 |
2,188 |
△259 |
△10.6% |
◎ 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の2,447億円に比べ259億円減少し、2,188億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
◎ 営業活動によるキャッシュ・フローは、966億円の収入(前連結会計年度は679億円の収入)となりました。主な収入要因は、税引前利益872億円に加えて、減価償却費及び償却費261億円です。一方、主な支出要因は、営業債権の増加額224億円、契約負債の減少額61億円です。
◎ 投資活動によるキャッシュ・フローは、892億円の支出(前連結会計年度は1,424億円の支出)となりました。主な支出要因は、無形資産の取得による支出458億円、有形固定資産の取得による支出377億円、米国バイオ医薬品原薬製造工場建設資金の一部のエスクロー口座への振替による支出77億円です。
◎ 財務活動によるキャッシュ・フローは、369億円の支出(前連結会計年度は847億円の支出)となりました。主な支出要因は、配当金の支払額309億円、リース負債の返済による支出60億円です。
◎ 資本政策の基本的な方針
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、自己資本利益率(ROE)及びコア営業利益*1率を重要な経営指標として位置付け、2030年代前半までにROE10%台前半、コア営業利益率30%の実現を目指す中長期財務目標を設定し、経営を行っています。
このための経営資源の配分、株主還元、資金調達についての方針は、以下のとおりです。なお、当社は、支配権の変動や大規模な希釈化をもたらす資本政策等については、取締役会において、全てのステークホルダーにおける企業価値の観点から十分に検討したうえで合理的な判断を行います。
*1 2026年12月期以降、連結財務諸表におけるコアベースの業績の定義を以下のとおり変更。新コアベースにおけるコア営業利益率を1つの重要な経営指標と位置付け、中長期的な目標値を設定する。
(従来のコア営業利益)
コア営業利益:売上総利益-販売費及び一般管理費-研究開発費+持分法による投資損益
(新コア営業利益)
コア営業利益:売上総利益-販売費及び一般管理費(無形資産償却費を除く)-研究開発費-会社が除外すべきと判断する項目
・経営資源の配分についての方針
当社グループは、事業活動により創出されるキャッシュ・フロー及び手元資金並びに借入余力を活用し、成長投資を最優先とした資本配分を行いながら、安定的な株主還元を実現する方針です。
成長投資については、R&D投資と戦略投資を両輪として推進し、短期的な業績変動に過度に左右されることなく、長期的に安定した収益基盤を構築していきます。
R&D投資については、「2030年代前半までに20以上の新規パイプライン、10以上の適応症でFDA承認」という中長期パイプライン目標の実現に向け、積極的な投資を継続します。当社が強みを有する先進的抗体技術や造血幹細胞遺伝子治療といったモダリティに加え、骨・ミネラル、血液がん・難治性血液疾患及び希少疾患のフォーカス疾患領域にリソースを集中します。さらに、グローバル横断の研究連携を通じて研究基盤の強化を進めます。また、患者さんのニーズと革新的サイエンスの掛け合わせによるLife-changingな価値の創出に取組み、ziftomenib(米国製品名:KOMZIFTI)、KK8123、KK2845、OTL-203などの重点開発テーマを着実に推進します。なお、当連結会計年度のR&D活動については、「6 研究開発活動」に記載のとおりです。
戦略投資については、フォーカス領域における製品導入やM&Aなどを通じた外部アセットの獲得を視野に入れ、新たなパイプラインや収益機会につながるインオーガニックな成長機会を積極的に追求し、さらなる成長を目指します。
設備投資については、米国バイオ医薬品原薬製造工場(サンフォード工場)の建設を軸に、グローバル生産ネットワークの整備・強化を進め、高品質な医薬品を安定的かつレジリエントに供給できる体制の構築を図ります。また、IT・DX・AI投資によりデータ基盤やガバナンスを高度化し、AI活用によるオペレーションモデルの転換や業務プロセスの効率化を推進することで、オペレーショナルエクセレンスの追求につなげます。なお、当連結会計年度の設備投資については、「第3 設備の状況」に記載のとおりです。
これらの投資案件や開発プロジェクトの事業性評価においては、投資家の皆様が当社に期待する資本コスト(WACC)を反映したハードルレート(地域別)を用いた正味現在価値(NPV)と期待現在価値(EPV)を主たる定量的な基準としています。投資の判断においても、資本コストを上回るリターンの創出を重視しています。
・株主還元についての方針
2025年度までコアEPS*2に対する配当性向40%を目処に、中長期的な利益成長に応じた安定的かつ持続的な配当水準の向上(継続的な増配)を目指してきましたが、より安定的な株主還元を実現するため、2026年度より、DOE4%*3以上かつ累進配当を基本とする配当方針へ変更します。この方針に基づき、2025年度の配当については、2024年度より4円増配の62円(配当性向40.5%)を予定しています。また、2026年度の配当については、8円増配の70円(DOE4.1%)と、10期連続の増配を予定しています。なお、自己株式の取得については、戦略投資の状況や業績・株価動向等を勘案し、ROEを意識しながら機動的に検討します。
ROE向上に向けた経営の規律を一層強化し、資本コストを十分に意識した経営を推進することで企業価値の向上を図るとともに、株主の皆さまへの利益還元を一層充実させ、資本効率の向上に取組みます。
*2 従来のコアベースによるコアEPS
(従来のコアEPS)
コア EPS:コア当期利益(当期利益-その他の収益・費用 (税金影響控除後))÷期中平均株式数
(新コアEPS)
コアEPS:コア当期利益(コア営業利益-コア営業利益に係る税金費用)÷期中平均株式数
*3 DOE:配当額÷期首資本
・資金調達についての方針
引き続きネットキャッシュポジションの維持を原則としますが、手元資金に加えて、戦略的な投資案件に備えた借入余力(原則としてネットD/Eレシオ0.5倍以下の範囲内で維持)と機動的な資金調達手段(CP(コマーシャル・ペーパー)、コミットメントライン)も確保し、十分な財務柔軟性を維持します。
(1) 技術導出契約
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会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
対価 |
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当社 |
AstraZeneca社 |
スウェー デン |
IL-5R抗体(一般名:ベンラリズマブ)の欧米並びに一部のアジア諸国における開発及び製造販売の許諾 |
2006年12月18日から販売開始後10年又は特許有効期限末日までのいずれか長い期間 |
契約一時金 マイルストン収入 一定料率のロイヤルティ |
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当社 |
AstraZeneca社 |
スウェー デン |
IL-5R抗体(一般名:ベンラリズマブ)の日本における開発及び販売の許諾 |
2015年7月1日から 販売開始後10年間 以降2年毎の自動更新 |
契約一時金 マイルストン収入 一定料率のロイヤルティ |
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当社 |
AstraZeneca社 |
スウェー デン |
IL-5R抗体(一般名:ベンラリズマブ)のアジア13ヵ国における開発及び販売の許諾 |
2017年3月23日から販売開始後10年間 以降2年毎の自動更新 |
契約一時金 マイルストン収入 一定料率のロイヤルティ |
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当社 |
Amgen社(注) |
米国 |
KHK4083(一般名:ロカチンリマブ)の共同開発及び日本以外での販売の許諾 |
2021年6月1日から無期限 |
契約一時金 マイルストン収入 一定料率のロイヤルティ |
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当社 |
AVEO Oncology社 |
米国 |
tivozanibの日本を含むアジア以外でのがん領域の開開発及び製造販売の許諾 |
2006年12月21日から最後のロイヤルティ又はサブライセンス対価の配分の義務の満了まで |
一定料率のロイヤルティ |
(注)当社は、2026年1月30日に、Amgen社とのKHK4083(一般名:ロカチンリマブ)の共同開発及び日本以外での販売に関する契約を終了し、ロカチンリマブの開発・商業化に関する権利を再取得することを発表しましたが、2026年3月3日に、最新の安全性情報及び総合的なリスク・ベネフィット評価を踏まえ、ロカチンリマブに関する現在実施中の全ての臨床試験を中止することを決定しました。
(2) 技術導入契約
開発品
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会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
対価 |
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当社 |
AVEO Oncology社 |
米国 |
tivozanib(開発番号:KHK4951)の非がん領域の権利の買戻し |
2019年8月1日から各国でのロイヤルティ支払期間満了まで |
契約一時金 マイルストン支出 一定料率のロイヤルティ |
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当社 |
QED Therapeutics社 |
米国 |
infigratinib(開発番号:KK8398)の日本における開発及び販売の許諾 |
2024年2月7日から対象特許の満了日、医薬品独占期間の満了又は販売開始後10年のいずれか長い期間 |
契約一時金 マイルストン支出 一定料率のロイヤルティ |
販売品
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会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
対価 |
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当社 |
Amgen K-A社 |
米国 |
G-CSF(製品名:グラン・ジーラスタ)の製造販売の許諾 |
1986年7月1日からAmgen K-A社の存続期間(無期限) |
一定料率のロイヤルティ |
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当社 |
Amgen K-A社 |
米国 |
持続型赤血球造血刺激因子(製品名:ネスプ)の製造販売の許諾 |
1996年3月1日からAmgen K-A社の存続期間(無期限) |
一定料率のロイヤルティ |
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当社 |
Amgen K-A社 |
米国 |
血小板造血刺激因子製剤(製品名:ロミプレート)の製造販売の許諾 |
2005年7月1日からAmgen K-A社の存続期間(無期限) |
一定料率のロイヤルティ |
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当社 |
田辺ファーマ(株) |
日本 |
カルシウム受容体作動薬(製品名:オルケディア)の共同研究及びアジア5ヵ国における開発、製造販売の許諾 |
2008年3月27日から販売開始後10年又は特許有効期限末日までのいずれか長い期間(その後、当社が販売を継続する権利を有する) |
契約一時金 マイルストン収入・支出 一定料率のロイヤルティ |
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当社 |
Ardelyx社 |
米国 |
テナパノル塩酸塩(製品名:フォゼベル)の日本における開発及び販売の許諾 |
2017年11月27日からロイヤルティ支払期間満了まで |
契約一時金 マイルストン支出 一定料率のロイヤルティ |
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当社 |
Kura Oncology社 |
米国 |
ziftomenib (米国製品名:KOMZIFTI)の共同開発、米国での共同販売及び米国以外での独占的販売の許諾 |
2024年11月20日から対象特許の満了日、医薬品独占期間の満了又は販売開始後10年のいずれか長い期間 |
契約一時金 マイルストン支出 一定料率のロイヤルティ 米国におけるプロフィット・シェア |
(3) 販売契約
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会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
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当社 |
サンド(株) |
日本 |
抗悪性腫瘍剤(製品名:リツキシマブBS「KHK」)に関する販売契約 |
2015年12月24日から販売開始後10年間 以降両社が合意した場合に限り2年毎の自動更新 |
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当社 |
久光製薬(株) |
日本 |
パーキンソン病治療剤(経皮吸収剤)(製品名:ハルロピ)に関する販売契約 |
2019年2月5日から販売終了時まで |
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当社 |
グラクソ・スミスクライン(株) |
日本 |
腎性貧血治療剤(経口剤)(製品名:ダーブロック)の販売提携契約 |
契約締結日より、相手方と合意した期間の満了まで |
(4) 協業契約
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会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
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当社 |
Ultragenyx社 |
米国 |
抗FGF23完全ヒト抗体(製品名:Crysvita)に関する共同開発及び共同販売契約 |
2013年8月29日から販売終了時まで |
(5) 合弁契約
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会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
出資額 |
合弁会社名 |
設立年月 |
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当社 |
富士フイルム(株) |
日本 |
バイオシミラー医薬品の開発・製造・販売に関する合弁契約 |
当社 50百万円 富士フイルム(株) 50百万円 |
協和キリン富士フイルムバイオロジクス(株) (資本金100百万円) |
2012年3月 |
(6) キリンホールディングス株式会社との統合契約
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会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約締結日 |
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当社 |
キリンホールディングス(株) |
日本 |
当社グループとキリングループの戦略的提携に関する基本契約 |
2007年10月22日 |
企業・株主間のガバナンス及び株式取得に関する合意について
当社は、親会社であるキリンホールディングス株式会社(東京都中野区中野四丁目10番2号)(以下「親会社」)と、2007年10月22日付の「統合契約書」において、当社の株式保有に関する合意をしています。
1. 合意の目的
本合意は、当社と親会社との間の長期的な事業協働・経営統合の深化を目的としつつ、当社が上場企業としての経営の独立性を保持することを基本方針としています。これにより、両社間の協力関係を強化し、持続的な企業価値の向上を図るものです。
2. 株式追加取得に関する取り決め
当社と親会社は、親会社が事業戦略上追加で株式を取得する必要が生じた場合には、当社の経営の独立性を確保することが基本精神であることを踏まえて、両社の協議・合意を経て実行することとしています。また、第三者による当社株式の大量取得が開始又は成立し、一定割合を超える保有が見込まれる場合には、親会社が当社株式を取得できる旨の規定を含んでいます。
3. 当社取締役会における検討状況と意思決定経緯
本合意は、両社間の将来にわたる資本・業務両面での連携強化と独立性の両立を目的として策定されました。株式取得条項が当社の経営独立性に十分配慮したものであるか、また投資家保護の観点から適切であるかについて検討が行われ、本合意が株主共同の利益に合致し、経営の自律性を損なわないとの判断に至り、取締役会にて全会一致で承認されました。
(7) その他
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会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約締結日 |
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Kyowa Kirin International plc |
Grünenthal社 |
ドイツ |
エスタブリッシュト医薬品合弁化に関する提携契約 (注) |
2022年11月23日 |
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Kyowa Kirin North America North Carolina, LLC |
CRB BUILDERS社 |
米国 |
バイオ医薬品原薬製造工場に関する工事請負契約 |
2024年11月26日 |
(注)本契約に基づき、Grünenthal社は、EMEAにおけるエスタブリッシュト医薬品事業に関連する残存知的財産権及び合弁会社の残存持分49%株式を保有する当社の連結子会社であったKyowa Kirin International HoldCo Ltd.の全株式を取得するコールオプションを行使しました。本取引は2026年2月27日に完了し、全株式は同日付で譲渡されました。
当社グループは、研究開発活動へ経営資源を継続的かつ積極的に投入しています。自社における研究開発が注力する疾患サイエンス領域を骨・ミネラル、血液がん・難治性血液疾患、希少疾患に設定し、創薬技術については、先進的抗体技術や造血幹細胞遺伝子治療などの革新的なモダリティを強化することで、Life-changingな価値を持つ新薬を継続的に創出することを目指します。また、価値創造のプロセスの一環として、オープンイノベーション活動やパートナーとの連携推進、ベンチャーキャピタルファンドへの出資、コーポレートベンチャーキャピタルも活用します。研究開発においては、Life-changingな価値の創出に重点を置き、自社でグローバルに展開して価値最大化を目指すだけでなく、社外のパートナーとの戦略的な連携で価値最大化を目指すビジネスモデルも活用します。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は
(注)ロカチンリマブに関する臨床試験の中止について
当社は、2026年1月30日、アトピー性皮膚炎等を対象として開発中のKHK4083(一般名:ロカチンリマブ、以下「ロカチンリマブ」という。)に関するAMGEN INC.(以下「Amgen社」という。)との既存の共同開発・販売契約について、Amgen社の戦略的ポートフォリオの見直しに伴い、当該契約を終了し、当社はロカチンリマブの開発・商業化に関する権利を再取得しました。その後、2026年3月3日に、最新の安全性情報及び総合的なリスク・ベネフィット評価を踏まえ、ロカチンリマブに関する現在実施中の全ての臨床試験を中止することを決定しました。
なお、「<主要開発品の開発状況>」及び「開発パイプライン一覧」は、2025年12月31日時点の記載であることにご留意ください。
<主要開発品の開発状況>
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2025年12月31日時点 |
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開発番号,一般名 |
対象疾患 |
開発状況 |
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KHK4083/AMG 451, ロカチンリマブ
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中等症から重症のアトピー性皮膚炎 |
第Ⅲ相試験 実施中 |
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結節性痒疹 |
第Ⅲ相試験 実施中 |
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中等症から重症の喘息 |
第Ⅱ相試験 実施中 |
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ziftomenib |
NPM1変異を有する再発・難治性の成人急性骨髄性白血病(AML)(単剤) |
承認取得 第Ⅱ相試験 詳細データ発表 |
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急性リンパ性白血病(ALL)(単剤) |
第Ⅰ相試験 実施中 |
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|
急性骨髄性白血病(AML)(併用) |
第Ⅰ相試験 実施中 |
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第Ⅲ相試験 実施中 |
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OTL-203 |
ムコ多糖症I型(Hurler症候群) |
ピボタル試験(第Ⅲ相試験相当) 実施中 |
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KK8398, infigratinib |
軟骨無形成症 |
第Ⅲ相試験 実施中 |
|
軟骨低形成症 |
第Ⅲ相試験 準備中 |
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KHK4951, tivozanib |
滲出型加齢黄斑変性(nAMD) |
第Ⅱ相試験 実施中 |
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糖尿病黄斑浮腫(DME) |
第Ⅱ相試験 実施中 |
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OTL-201 |
ムコ多糖症ⅢA型(Sanfilippo症候群A型) |
PoC試験(第Ⅰ/Ⅱ相試験相当) 実施中 |
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KK4277 |
全身性エリテマトーデス(SLE) 皮膚エリテマトーデス(CLE) |
第Ⅰ相試験 実施中 |
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KK2260 |
進行性又は転移性固形がん |
第Ⅰ相試験 実施中 |
|
KK2269 |
進行性又は転移性固形がん |
第Ⅰ相試験 実施中 |
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KK2845 |
急性骨髄性白血病(AML) |
第Ⅰ相試験 実施中 |
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KK8123 |
X染色体連鎖性低リン血症(XLH) |
第Ⅰ相試験 実施中 |
|
KK3910 |
本態性高血圧 |
第Ⅰ相試験 実施中 |
|
OTL-200, atidarsagene autotemcel |
早期発症型異染性白質ジストロフィー(MLD) |
臨床試験準備中 |
・KHK4083/AMG 451(一般名:ロカチンリマブ)は、病原性T細胞(炎症性疾患において疾患の原因となるT細胞)に発現するOX40(受容体型分子)へ選択的に作用する、T細胞リバランスを実現し得るモノクローナル抗体です。アトピー性皮膚炎などの慢性炎症性疾患の根本的な原因の一つとして、OX40シグナル伝達を介したT細胞の活性化により、病原性T細胞の増加とエフェクター機能が誘導されることが挙げられます。選択的にOX40へ作用するロカチンリマブは、病原性T細胞の機能を抑制すること、さらにその数を減少させることにより、T細胞リバランスを促進します。特にメモリーT細胞に直接作用することにより、疾患の慢性化と再燃の抑制を期待する新規作用機序を有するプロダクトです。これにより、従来のサイトカインブロッカーやJAK阻害薬にはない、少ない投与頻度での症状コントロールを実現できる可能性があります。初期の抗体は当社の米国研究チームとラホヤ免疫研究所の共同研究により見出されました。2021年6月1日、当社とAmgen社はロカチンリマブの共同開発・販売に関する契約を締結しました。本契約に基づき、Amgen社は本剤の開発、製造、及び当社が単独で販売活動を担当する日本を除くグローバルでの販売活動を主導します。両社は米国において本剤のコ・プロモーションを行い、当社は米国以外(日本を除く欧州及びアジア)においてコ・プロモーションを行う権利を有しています。現在成人及び青年期(12歳以上)の中等症から重症のアトピー性皮膚炎を対象に8つの試験からなる第Ⅲ相試験(ROCKETプログラム)が進行中です。これまでに3,300名以上の患者さんが試験に参加し、全ての試験で被験者登録を終了しました。2025年6月までにROCKETプログラムのうち、ROCKET-Horizon、ROCKET-Ignite、ROCKET-Shuttle、ROCKET-Voyagerの結果が得られ、全てにおいて主要評価項目と全ての主要な副次評価項目を達成しました。また、ROCKET-Ascendの中間結果のトップラインデータを発表しました。ROCKETプログラムに加え、中等症から重症の喘息を対象とする第Ⅱ相試験及び結節性痒疹を対象とする第Ⅲ相試験も実施中です。
・ziftomenib(米国製品名:KOMZIFTI)は、経口メニン阻害薬であり、アンメットニーズの高い特定の遺伝子変異や再構成を有する急性骨髄性白血病(AML)に対する治療薬としてKura Oncology社により開発が進められてきました。2024年11月、当社とKura Oncology社はziftomenibの販売と開発に関するグローバルにおける急性白血病を対象とした戦略的提携に関する契約を締結しました。本契約に基づき、両社は共同でziftomenibの開発と販売を実施し、米国ではKura Oncology社が、米国以外では当社が開発・薬事・販売戦略を主導します。現在AMLを対象に複数の臨床試験を実施中です。2025年3月にKura Oncology社が米国食品医薬品局(FDA)にNPM1変異を有する再発・難治性の成人AMLに対する治療薬としてziftomenibの新薬承認申請を提出し、5月に受理され、11月に正式承認を取得しました。初発AMLに関しては、9月に、NPM1変異又はKMT2A再構成を有する初発AML患者を対象としたziftomenibの併用療法の第Ⅲ相試験(KOMET-017試験)を開始しました。さらに10月には、NPM1及びFLT3変異を有する初発AML患者を対象としたziftomenibの併用療法の第Ⅰ相試験(KOMET-007試験の1コホート)を開始しました。2025年12月に米国血液学会(ASH)年次総会にて、初発及び再発・難治性のAMLにおけるziftomenibとベネトクラクス及びアザシチジンの併用レジメンの中間データを報告しました。
・OTL-203は、ムコ多糖症I型(Hurler症候群)を対象とする造血幹細胞遺伝子治療法です。根本治療法となり得る治療法としてOrchard Therapeutics社が北米と欧州でピボタル試験(第Ⅲ相試験相当)を実施中です。
・KK8398(一般名:infigratinib)は、経口FGFR3阻害薬で、骨系統疾患を対象としてBridgeBio Pharma社傘下のQED Therapeutics社により開発が進められてきました。2024年2月に当社とQED Therapeutics社は骨系統疾患を対象とした日本における開発・販売権の導入に関するライセンス契約を締結しました。2025年11月に、日本で軟骨無形成症を対象に第Ⅲ相試験を開始しました。また、日本での軟骨低形成症の第Ⅲ相試験を準備中です。
・KHK4951(一般名:tivozanib)は、当社が創製した血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)-1、-2、-3チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)であるtivozanibを点眼投与により後眼部組織に効率的に送達するように設計した新規のナノクリスタル化点眼剤であり、滲出型加齢黄斑変性症(nAMD)及び糖尿病黄斑浮腫(DME)に対して非侵襲的な新しい治療選択肢となり得る薬剤です。現在第Ⅱ相試験を実施中です。
・OTL-201は、ムコ多糖症ⅢA型(Sanfilippo症候群A型)を対象とする造血幹細胞遺伝子治療法です。根本治療法となり得る治療法としてPoC試験(第Ⅰ/Ⅱ相試験相当)を実施中です。
・KK4277は、SBIバイオテック株式会社より導入した抗体をもとに、当社のPOTELLIGENT技術を応用して抗体依存性細胞傷害活性(ADCC活性)を強化し、それを最適化した抗体です。現在全身性エリテマトーデス及び皮膚エリテマトーデスを対象に第Ⅰ相試験を実施中です。
・KK2260は、当社独自のバイスペシフィック抗体技術であるREGULGENTを応用したEGFR-TfR1バイスペシフィック抗体です。がん細胞選択的な鉄枯渇を実現する抗体として設計されており、非臨床試験において、強い薬効を示し、かつ忍容性も示すことを見出しました。現在第Ⅰ相試験を実施中です。
・KK2269は、当社独自のバイスペシフィック抗体技術であるREGULGENTを応用したEpCAM-CD40バイスペシフィック抗体です。各種の腫瘍で高発現しているEpCAMと抗原提示細胞のCD40を架橋することで、腫瘍近傍の抗原提示細胞のみ活性化する抗体として設計されており、非臨床試験において、全身性副作用を抑制しながら抗腫瘍免疫による薬効を発揮できることを見出しました。現在第Ⅰ相試験を実施中です。
・KK2845は、当社初の抗体薬物複合体(ADC)です。標的分子はTIM-3で、現在急性骨髄性白血病(AML)を対象とした第Ⅰ相試験を実施中です。
・KK8123は、ヒト型抗FGF23抗体です。現在XLHを対象とした第Ⅰ相試験を実施中です。
・KK3910は、当社が創製した抗体であり、健康成人及び本態性高血圧を対象とした第Ⅰ相試験を実施中です。
・OTL-200(一般名:atidarsagene autotemcel, 米国製品名:Lenmeldy, 欧州製品名:Libmeldy)は異染性白質ジストロフィー(MLD)の根本的な遺伝的原因を修正することを目的とした造血幹細胞遺伝子治療法です。2025年10月に早期発症型MLDに対する希少疾病用再生医療等製品指定を日本で取得しました。現在日本における臨床試験準備中です。
<主な提携・ライセンス情報>
・2025年10月に自己免疫疾患に対する新規治療法の開発を目的とする新規化合物をドイツBoehringer Ingelheim社へ導出するライセンス契約を締結しました。
開発パイプライン一覧
※ziftomenib(米国製品名:KOMZIFTI)の開発状況詳細については、Kura Oncology社のホームページ(https://kuraoncology.com/)をご参照ください。
(注)2025年12月31日からの主な進捗は、次のとおりです。
・2026年1月30日に、KHK4083/AMG 451(ロカチンリマブ)に関するAmgen社との現行の提携契約を終了し、当社がロカチンリマブの開発・商業化に関する権利を再取得することを発表しましたが、2026年3月3日に、最新の安全性情報及び総合的なリスク・ベネフィット評価を踏まえ、ロカチンリマブに関する現在実施中の全ての臨床試験を中止することを決定しました。
主な申請承認情報
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開発番号、一般名、製品名 |
対象疾患 |
申請状況 |
2025年に
承認取得した |
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ziftomenib(米国製品名:KOMZIFTI) |
NPM1変異を有する再発・難治性の成人急性骨髄性白血病(AML) |
― |
米国 |