アシックスグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてアシックスグループが判断したものであります。
(Ⅰ)経営の基本方針
アシックスグループは、「ASICS SPIRIT」に掲げた創業哲学「健全な身体に健全な精神があれかし- "Anima Sana In Corpore Sano"」を基本に、ビジョン「Create Quality Lifestyle through Intelligent Sport Technology-スポーツでつちかった知的技術により、質の高いライフスタイルを創造する」の実現に向けて、「アシックスの理念」をもって事業運営を行っております。
(Ⅱ)経営環境
●市場環境
2025年のスポーツ用品市場は、昨年に引き続き、健康志向の高まりやスポーツ参加人口の増加を背景に好調に推移しています。
特に、アジアや高成長地域でのスポーツ人口の増加が市場拡大を後押ししているほか、若年層のランニングイベント参加者が主要地域で増加していることから、今後も成長傾向が続くと見込んでいます。
また、気軽に楽しめるスポーツの需要も高まり、パデルやピックルボールなど競技レベルに関係なく誰もが楽しめるスポーツの普及が一層期待されることに加えて、新しいスポーツを楽しむ若者も増加しています。
スポーツを取り巻く環境としては、あらゆる場面でデジタルとリアルを結び付ける様々な取り組みが社会全体で進んでおり、今後もその傾向はますます加速していくほか、気候変動への対応や脱炭素社会に向けた取組みなど企業活動における責任については今後も求められていくと考えています。
●競合他社の状況
スポーツ業界全体は持続的に成長している一方、スポーツメーカー各社の業績は二極化傾向にあります。各社ともに、消費者動向の変化、為替の変動や輸送費、原材料費の高騰、関税、地政学的なリスクなどに対応を迫られており、粗利益率や営業利益率に影響が生じているケースもあります。
商品開発においては、非常に軽量で反発性の高いトップ選手向けのマラソンシューズ開発に代表されるように、各社が独自のイノベーションの創出と発信に注力しています。
Eコマース市場においては、各社ともオンラインとオフラインを連携させたオムニチャネル化を推進し、顧客体験価値の最大化をはかっており、今後もデジタル分野や顧客体験の強化に注力していくことが予想されます。
サステナビリティにおいては、あらゆる企業活動において環境に配慮することが求められており、スポーツメーカー各社もCO₂排出量やサステナブルな素材調達、サーキュラリティの推進などに関する具体的な目標を設定し、様々な取り組みを通じてその達成を目指しています。
●顧客動向
生活者の購買動向としては、Eコマースやデジタルを活用したツールやサービスの利用が普及、定着していますが、リアルでの購買や体験も重視され、引き続きデジタルとリアルを掛け合わせたサービスの提供が重要だと捉えています。
また、多くの情報が溢れている環境下においては、自分に合った製品やサービスを求めるニーズに対して、よりパーソナライズされた情報や顧客体験の提供が重要となっています。
人々のサステナビリティへの理解や意識も進み、消費に対する価値観やニーズの変化が大きくなっているほか、デジタルで便利になる一方、健康意識の高まりや、身体を動かす喜び、人とのリアルな繋がりを求めるなどスポーツの価値が高まることが予想されます。
(Ⅲ)中期経営計画2026
1.財務指標
2023年11月に発表した中期経営計画2026で掲げた当初の財務指標は2年前倒しの達成が見込まれたことから、2024年11月に財務指標の上方修正を行いました。しかしながら、上方修正後の財務指標、営業利益1,300億円以上、営業利益率17.0%以上、ROA15%前後についても、1年前倒しで達成しました。2025年は、過去最高売上、過去最高益を更新したほか、営業利益率が業界最高水準となり、時価総額も初めて3兆円に到達しました。引き続きアシックスには強いモメンタムがあり、業績も好調に推移する見込みです。財務指標は1年前倒しで達成しましたが、Global Integrated Enterpriseへの変革に向けた重点戦略に引き続き取り組むことで、さらなる収益拡大に努めます。なお、2029年12月期を最終年度とする次期中期経営計画については、連結売上高1兆円の早期達成を目指すとともに、さらなる成長に向けた投資拡大等を見越しながら、利益成長を追求していきます。具体的な中期経営計画は、2026年第4四半期を目途に発表する予定です。
2.方針と重点戦略
財務指標は1年前倒しで達成しましたが、中期経営計画2026の最終年度である当年の方針は、引き続き「Global Integrated Enterpriseへの変革」です。
Global Integrated Enterpriseとは、本社と地域事業会社の連携強化により、グループ一体でより有機的なカテゴリー経営体制を構築することです。主要地域のCEOが重要会議に参加し、グローバル経営に参画することや、カテゴリー経営の深化によって、本社と地域事業会社との闊達な議論や、両者一体となった戦略の策定、実行が成果を出しています。またグローバル全体での適材適所な人財配置や、グローバルリーダーの早期育成のための人財交流も活発に行っています。このようにGlobal Integrated Enterpriseへの変革は着実に進捗しており、当年においても全社一丸となって取り組んでいきます。
重点戦略も「グローバル成長」「ブランド体験価値向上」「オペレーショナルエクセレンス」に継続して取り組みます。
1点目のグローバル成長では、各カテゴリー、地域が更なる連携を図り、それぞれの成長を加速させます。カテゴリーでは収益基盤であるパフォーマンスランニングフットウエアやテニスで圧倒的No.1を目指していくことに加え、各地域で注力するコアパフォーマンススポーツの競技カテゴリーを定め、シェアを拡大していきます。また、高成長を続けるオニツカタイガー、スポーツスタイルにおいてはブランド価値を高める活動に一層注力し、持続的な成長を実現していきます。
地域については、国や地域ごとの特性に合わせた戦略を本社と地域事業会社が一体となって推進し、特にインド、中東や東南アジアなどの高成長を見込む地域で成長を加速させるとともに、全地域において、高い収益性を維持、向上させていきます。
2点目のブランド体験価値向上については、アシックス独自の会員プログラムOneASICSを通じてお客様との直接的な接点を増やし、付加価値の高いプロダクト、サービスを提供することで、顧客ロイヤリティを高めることに注力していきます。これらの取組みを「OneASICS経営」とし、全社的に推進することで、プログラムのコンテンツ価値向上、パーソナライズされたマーケティングコミュニケーションや製品サービスの向上に向けたデータの活用を一層強化します。
3点目のオペレーショナルエクセレンスについては、成長を支えるための安定的な供給体制を実現する生産計画の最適化や、デジタルを活用した計画プロセスの標準化、グローバル全体のサプライチェーン最適化等による効率化を図り、収益性向上につなげます。
3.経営指標
非財務指標を含む経営指標は以下の通りです。Global Integrated Enterpriseへの変革を推進し、これらの指標を確実に達成していくことで、次期中期経営計画期間における更なる成長を確かなものにするとともに、持続的な企業価値向上に向けて取り組んでいきます。
アシックスグループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてアシックスグループが判断したものであります。
(Ⅰ)サステナビリティ共通
アシックスは、創業より、「健全な身体に健全な精神があれかし」の実現を目指しております。そのためには、人々が快適にスポーツができる健やかな地球環境が不可欠です。アシックスのサステナビリティ活動は、People(人と社会への貢献)とPlanet(環境への配慮)という、2つの柱に基づいており、この枠組みを通じた体系的な活動を行うことにより、スポーツができる環境を守ること、および人々の心身の健康向上を目指しております。
People(人と社会への貢献)では、誰もが一生涯、運動・スポーツに関わり、心と身体が健康で居続けられる世界の実現を目指しております。具体的には、製品やサービスを通じてお客様やコミュニティ、従業員、サプライチェーンで働く人々の心身の健康と、人権尊重に取り組んでいます。
Planet(環境への配慮)では、2050年に温室効果ガス排出量実質ゼロにコミットしています。2030年までに事業所及びサプライチェーンで63%削減することを掲げており、スポーツメーカーとして初めてScience Based Targets(SBT)イニシアチブの認定を取得しています。この目標達成に向け、事業全体で循環型ビジネスモデル構築に取り組んでいます。
(1)ガバナンス
<サステナビリティ方針とガイドライン>
アシックスでは、共通のサステナビリティ目標に向けてステークホルダーと協力できるように方針とガイドラインを設定しております。これらの方針とガイドラインは、アシックスの従業員、サプライヤー及びビジネスパートナーに対し、アシックスが環境を守り、人々の心身の健康を保ちながら、製品を企画、製造及び販売する方法を明確に示しています。アシックスは、方針とガイドラインを事業の中核に組み込むため、従業員やサプライヤー、ビジネスパートナーに対してもトレーニングを提供しております。
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アシックス方針 |
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アシックス |
ビジネスパートナー管理 (含サプライヤー) |
材料調達方針 |
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・アシックスCSR方針 ・アシックスグローバル行動規範 ・グローバル反トラスト・競争方針 ・グローバル賄賂防止・腐敗行為防止方針 ・グローバル環境方針 ・グローバル内部通報方針 ・プライバシーポリシー ・アシックス人権方針 ・コミュニティエンゲージメントガイドライン |
・ビジネスパートナー管理方針(サプライヤー向け行動規範) ・CSRスタンダード ・工場CSRコンプライアンス管理ガイド ・アシックスグローバル工場選定ガイドライン ・委託先工場の撤退・縮小時の対応ガイドライン ・グリーン調達方針 |
・アシックス材料選定ガイドライン ・動物由来の材料に関する方針 ・紛争鉱物に関する方針 ・リサイクル材料に関する方針 ・綿に関する方針 ・制限物質に関する方針 ・サステナブルパッケージ方針 ・アシックスフットウエア材料調達方針 |
<サステナビリティの管理>
アシックスでは、サステナビリティを経営に不可欠なものと考え、コーポレート・ガバナンスに反映しております。サステナビリティのガバナンス体制については、取締役会がサステナビリティ戦略全般を監督しています。アシックスは、サステナビリティ委員会(委員長:代表取締役会長CEO)において気候変動に関する機会を管理し、リスクマネジメント委員会(委員長:代表取締役社長COO)において気候変動や人権を含むサステナビリティに関するリスクを管理しています。両委員会は執行役員と統括部長等で構成され、取締役会に対して、それぞれ年2回報告を行います。サステナビリティ管掌の常務執行役員CAOは、代表取締役会長CEO・代表取締役社長COOに直接報告を行います。
これらのガバナンス体制のもと、アシックスはTCFDの提言に基づき、気候変動に関するリスクと機会を特定・評価し、事業戦略に統合しています。特にサステナビリティ委員会が管理するCO₂削減目標は、気候変動戦略の基盤となっており、2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロという長期目標の達成に向けた取り組みを推進しています。
(2)戦略
<マテリアリティ(重要テーマ)>
アシックスは、企業戦略およびステークホルダーにとっての重要性の観点から、マテリアリティを設定しており、毎年の年次レビューと包括的なレビューを3年ごとに実施し、見直しを行っています。直近では、2023年に包括的なレビューを実施、2024年に実施された年次レビューによる変更はありませんでした。このダブルマテリアリティ評価では、社会への価値提供・インパクトからの重要性と、アシックスの企業理念・戦略にとっての重要性という2つの観点からテーマをマッピングし、最も重要なテーマを特定しました。評価対象は、アシックスが人と社会・環境に与える影響と、サステナビリティ課題が事業にもたらす機会・リスクです。
9つのマテリアリティは以下のとおりです。
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マテリアリティ(重要テーマ) |
アプローチ |
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① |
心身の健康 |
誰もが一生涯、運動・スポーツに関わり、心と身体が健康で居続けられる世界の実現を目指す。 |
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② |
イノベーション |
Human-centric science(人間中心の科学)や蓄積されたデータ、デジタル技術を活用した革新的な製品・サービスで人々の心身の健康向上に貢献する。 |
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③ |
製品とサービスの品質 |
製品・サービスの安全性、品質、機能性を追求し、人々の心身の健康向上に貢献する。 |
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④ |
サプライチェーンの人権・透明性 |
サプライチェーンで働く人々の人権を尊重し、心身の健康を保つ。バリューチェーンの透明性とサステナビリティを向上する。 |
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⑤ |
気候変動への対応 |
バリューチェーン全体でCO₂排出量を削減し、運動・スポーツができる環境を守る。 |
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⑥ |
循環型ビジネス |
使う資源を減らして長く使える製品を生産し、資源を循環させ、CO₂排出量などの環境負荷を低減する。 |
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⑦ |
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン |
多様な人財が公平に活躍してイノベーションを加速する、エンゲージメントの高い組織を実現する。 |
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⑧ |
コーポレート・ガバナンスと開示 |
ガバナンス・ステークホルダーとの対話を強化し、財務と非財務情報を透明性高く開示する。 |
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⑨ |
生物多様性と水の管理 |
自然資本へのインパクトを最小限に抑え、持続可能性を向上する。 |
(3)リスク管理
アシックスは、リスクマネジメント委員会(委員長:代表取締役社長COO)において、気候変動や人権を含むサステナビリティに関するリスクを管理しております。リスクマネジメント委員会は、執行役員と統括部長等で構成され、各対象リスクに対するリスク低減アクションの実施、進捗確認を行います。同委員会は年2回開催され、その確認内容は取締役会に報告されます。詳細は
(4)指標及び目標
アシックスでは、サステナビリティの主要領域での目標とアクションプランを策定しております。2024年度の目標および主要な活動、実績は以下のとおりです。2025年度の実績は2026年6月頃にアシックスサステナビリティウェブサイトにおいて公表する予定です。
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マテリアリティ (重要テーマ) |
目標 |
2024年主要な活動と実績 |
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心身の健康 |
・2026年までにOneASICS会員数を3000万人以上 |
(活動) ・「Move Her Mind Hub」、「Desk Break Experiment」、関連のキャンペーンといった、「Sound Mind, Sound Body」の取組みを展開。 ・Runkeeperやレース登録情報を一元管理し、より顧客の嗜好や行動にフィットしたコミュニケーションを可能に。 (実績) ・1,764万人(注)1(1,229万人)(注)2(2023年:945万人) |
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製品とサービスの品質 |
・製品中の制限化学物質の管理を継続 ・2024年秋冬シーズン以降、あらゆる用途で有機フッ素化合物(PFAS)の意図的な使用を中止(規制のない地域での必要不可欠な用途は除く) |
(活動) ・PTFEを含む、あらゆる用途でPFASの使用を中止。 (実績) ・2024年秋冬シーズン以降、あらゆる用途でPFASの意図的な使用を中止した(規制のない地域での必要不可欠な用途は除く)。 (2023年:PFASの意図的な使用を削減) |
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サプライチェーンの人権・透明性 |
・すべての一次生産委託先工場および主要二次生産委託先工場がアシックスCSR基準を満たす |
(活動) ・サプライヤー評価システムを最適化。 ・サプライチェーンでの人権デュー・ディリジェンスプログラムを強化。 ・データの分析及び有効利用によって、リスクマネジメントを強化。 (実績) ・97%(直近1年間に評価対象となった工場の数に基づく)(2023年:99%) |
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マテリアリティ (重要テーマ) |
目標 |
2024年主要な活動と実績 |
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気候変動への対応 |
・2030年までに事業所およびサプライチェーンでのCO₂排出量を63%削減(2015年比) |
(活動) ・フットウエアの戦略的一次生産委託先工場の100%が具体的な再生エネルギー調達計画を策定。また、グリーン調達方針をアップデートし、フットウエアの戦略的一次生産委託先工場に対し、2030年までに再生可能エネルギーの調達率100%にコミットすることを求めた。 ・新たな材料調達方針を制定。 (実績) ・43.1%(スコープ1及びスコープ2)14.9%(スコープ3)(2023年:31.3%(スコープ1及びスコープ2)21.6%(スコープ3)) |
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・2030年までに事業所での使用電力を100%再生可能エネルギーに切り替え |
(活動) ・主要地域での使用率向上:欧州(80%以上)、オーストラリア(70%以上)、日本(30%以上)。米国の配送センターでは、ソーラーパネルの容量を1MWから2MWに拡大。 (実績) ・36.8%(2023年:29.9%) |
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循環型ビジネス |
・2030年までにシューズとウエアのポリエステル材の再生ポリエステル材比率を100%に切り替える |
(活動) ・各カテゴリーへ再生ポリエステル材の使用を増やすための明確な方針を共有。 (実績) ・50%以上(2023年:40%以上) |
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・2030年までに3つの地域で回収プログラムを行い、製品と材料の再利用又はリサイクルを実施する |
(活動) ・「NIMBUS MIRAI」を発売し、パートナー企業とともに、グローバルで「NIMBUS MIRAI」の回収を実施。 (実績) ・4地域(2023年:3地域) |
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ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン |
・2026年までに女性管理職比率を40% |
(活動) ・すべての地域で、ジェンダー平等に結びつく、女性のキャリアアップを支援するためのアクションプランが作成されている。 ・グローバルDE&Iステアリングコミッティが、各アクションプランの進捗状況をモニタリング。 (実績) ・38.7%(2023年:38.1%) |
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・2026年までに従業員のエンゲージメントスコアを70 |
(活動) ・グローバルエンゲージメントサーベイを実施。「Sound Mind, Sound Body」を実現するべく、従業員の努力が報われる職場を作るためのアクションプランが作成された。 (実績) ・73(2023年:68) |
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マテリアリティ (重要テーマ) |
目標 |
2024年主要な活動と実績 |
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ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン |
・2026年までに障がい者雇用比率を4%(アシックス本社) |
(活動) ・人財を確保するために、日本では障がいをもつ部下がいるマネジャーを対象としたワークショップを開催。 ・日本のすべての従業員が神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会を観戦。 ・人財採用のための広報活動を強化することにより、2名の新卒者と3名のキャリア採用者が入社(2名のパラアスリートを含む)。 (実績) ・3.1%(2023年:2.9%) |
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生物多様性と水の管理 |
目標設定無し |
・LEAPを使ったリスク分析を開始。 ・「Run for Reforestation Challenge」を通じた、気候変動と生物多様性保全活動への消費者エンゲージメント。 |
(注)1.2024年度より、日本、米国、欧州、およびオーストラリアでの会員数に、中国、インド、などで展開するローカルプログラムの会員数を追加した数となっています。また、アシックスのプライバシー
ポリシーに基づき、2年間使用されていないアカウントは失効となり削除されています。
2.2023年の第4四半期と同じ基準(主として、日本、米国、欧州、およびオーストラリアの会員数、
削除前)。前年比もこの数字が基準となっています。
<気候変動への対応>
アシックスは、健やかな地球環境の実現を使命とし、気候変動への対応を最重要課題として位置付けています。スポーツの発展には快適な環境が不可欠であり、そのために持続可能な取り組みを強化しています。2019年、アシックスは「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を、スポーツメーカーとして世界で初めて表明しました。 気候変動関連のリスクと機会に関する情報について、TCFD提言に沿って開示しております。
2050年ネットゼロに向けては、まずは2030年63%排出削減に向け、排出量の多いカテゴリでの削減を優先し、取り組んでおります。特に、アシックスは気候変動への取り組みをバリューチェーン全体に拡大し、ネットゼロに向けた具体的なロードマップを策定しております。
※詳細は「2050年ネットゼロに向けて」をご覧ください。
(1)ガバナンス
(2)戦略
アシックスは、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロ(ネットゼロ)の達成を目指し、バリューチェーン全体で循環型ビジネスモデルへの移行を進め、「中期経営計画2026」に基づき、スポーツのできる環境を守るための取り組みを推進しています。アシックスの事業は、生産委託先工場をはじめとするグローバルなサプライチェーンに支えられており、各パートナーとの協働が不可欠です。グローバル拠点では、配送最適化やグリーンエネルギーの調達によりCO₂排出量削減を実現しています。事業拡大に伴う排出増加にも対応すべく、ネットゼロに向けたロードマップに基づき、サプライヤーとの協働を強化し、持続可能な成長と環境負荷低減の両立を図っています。
主要サプライヤーには、再生可能エネルギーの導入などを求める「グリーン調達方針」を展開しております。2024年にはこの「グリーン調達方針」をアップデートし、2030年までに再生可能エネルギー使用率100%の達成を求めるとともに、対象範囲を拡大しました。フットウエアの戦略的一次生産委託工場の100%が再生可能エネルギーの調達計画を策定しています。
2024年には、スコープ1およびスコープ2で43.1%、スコープ3で14.9%の排出削減(2015年比)を達成いたしました。事業拡大に伴う生産量の増加により、スコープ3の削減率は2023年より低下しましたが、再生可能エネルギーの利用は順調に進捗しています。
アシックスは、サプライヤーとの継続的な対話を通じて課題を把握し、必要な支援を行いながら、バリューチェーン全体での脱炭素化と循環型ビジネスモデルへの移行を推進しています。今後も、ネットゼロに向けたロードマップに基づき、業界の発展や協働の機会に応じてアクションプランを継続的に改善していきます。
●シナリオ分析
経営企画部・経理部・財務部・生産統括部・サステナビリティ部が連携し、シナリオ分析を実施し、原材料価格の変動・製品表示規制の導入といった移行リスク及び気温上昇によるスポーツ時間の減少、台風、洪水の激甚化によるサプライチェーンの操業停止といった物理的リスクを特定しました。また、低炭素製品・サービスの開発・拡大を通じたイノベーション創出や顧客基盤の拡大といった機会も特定しました。リスクと機会の分析に当たっては、2030年・2050年を時間軸として設定し、1.5℃・2℃・4℃シナリオにおけるインパクトを試算し、対応策を策定しています。
この分析結果は代表取締役会長CEO・代表取締役社長COO、執行役員を含む経営層に報告され、事業戦略に統合されます。
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リスクの内容 |
事業へのインパクト |
財務 インパクト/年 |
対応策 |
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移行リスク |
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原材料価格 の変動 |
石油由来原材料の調達コストの上昇 |
43億円 (2050年、4℃) |
→ 財務影響を抑えた材料目標・ロードマップの策定 → サプライヤーとの連携強化 |
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製品表示規制 の導入 |
規制への対応のためのシステム導入コスト・人件費の増加 |
13億円 |
→ 規制を早期に理解し、必要なリソースを確保 → 製品のカーボンフットプリント表示 |
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物理的リスク |
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気温上昇によるスポーツ時間の減少 |
スポーツ機会(時間)の減少に伴う製品の買い替え頻度減少による売上の減少 |
24億円 (2050年、4℃) |
→ 気温が上昇しても対応できる製品の拡大 → 屋外スポーツができる機会が減少しても対応できるサービスの展開 |
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台風、洪水の激甚化によるサプライチェーンの操業停止 |
生産委託先工場の浸水に伴う操業停止による売上機会の喪失 |
7億円 |
→ 自然災害リスクが高い地域にある生産委託先工場を認識したソーシング戦略 |
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機会の内容 |
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顧客基盤の拡大 → 気候変動への積極的な取組みを通じて新たな顧客層へのエンゲージメントを高める |
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低炭素製品・サービスの開発・拡大を通じたイノベーション創出 → サステナビリティと機能性を追求することでイノベーションを創出 → CO₂排出が少ない製品・材料の開発 → CO₂排出が少ない価値創造(新ビジネス領域)の特定、構築 |
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気温上昇に対応した製品・サービスの展開 → 人間工学研究の知見やデジタルを活用し、どんな環境下でも快適にスポーツを楽しめるソリューションを提供 |
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サステナブルファイナンスの活用 → 企業のサステナビリティパフォーマンスと透明性を向上し、グリーンボンドなどの積極的な活用により、効率的な資金調達を実施 |
※2022年度のデータに基づき算出
●サプライヤーとの連携
アシックス全体の環境負荷の65%以上がサプライチェーンの製造過程において発生しており、サプライチェーンとの協力が欠かせません。アシックスは、サプライヤーと協力して温室効果ガスの排出削減やサステナビリティ活動に取り組んでおります。
2024年までに、フットウエアの戦略的一次生産委託工場の100%が再生可能エネルギーの調達計画を策定しています。また、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を目指し、2024年にグリーン調達方針を更新いたしました。さらに、コストや品質に加え、地政学リスクとサステナビリティを重視した材料調達方針を導入し、環境配慮材の採用やCO₂排出削減目標の設定を求めております。サステナビリティの進捗を管理し、サプライヤーから情報を提供してもらうことで、CO₂削減目標の達成に向けた対話を行っております。サプライヤーを招いたミーティングでは、アシックスのビジョンや新たな方針を共有し、業界の動向について意見交換をすることで、連携を強化しております。
●製品のカーボンフットプリント表示による開示の透明性向上
GEL-KAYANO 32等の製品に、材料調達から廃棄における温室効果ガス排出量(カーボンフットプリント)を表示しております。第三者による認証を受けた計算手法により、何百ものデータを集計して数値を算出し、計算手法も開示しております。製品のカーボンフットプリントを表示することにより、透明性を高め、温室効果ガス排出量削減に向けた取り組みを認知頂くことで、お客様と一緒に気候変動へのアクションを取ってまいります。
また、2025年に発表したミラノ・コルティナ2026オリンピック・パラリンピック冬季競技大会 TEAM JAPANオフィシャルスポーツウェアにおいても、対象アイテム※に同様の取り組みを展開し、製品ライフサイクル全体での数値をプリント表示しております。
※対象アイテム:ポディウムジャケット(アウトドア)、ポディウムパンツ(アウトドア)、ボディウムジャケット(インドア)、ボディウムパンツ(インドア)
アシックスは、TEAM JAPANゴールドパートナー(スポーツ用品)です。
(3)リスク管理
危機発生の回避および危機発生時の損失を最小化するため、代表取締役社長COOを委員長とするリスクマネジメント委員会において、リスクの特定、分析、評価、リスク低減のためのオーナーの割当、アクション策定とモニタリング、報告を行っております。この内容は年に2回取締役会に報告され、気候関連のリスクもこのリスク管理プロセスに統合されております。
(4)指標及び目標
アシックスは、スコープ1,2,3における温室効果ガス排出量について、2050年までにネットゼロを実現することにコミットしています。また、2030年までに63%削減(2015年比)する目標を掲げており、Science Based Targets(SBT)イニシアチブの認定を取得し、健やかな心身の実現には健やかな地球環境が不可欠との認識のもと、気候変動への対応及び循環型ビジネスモデルの構築に取り組んでおります。具体的な目標と進捗は以下の通りです。
<温室効果ガス排出量削減目標と実績>(注1)
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Why |
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健やかな心身を実現するためには、健やかな地球環境が必要である |
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What(気候変動への対応) |
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2050年目標 |
温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする |
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2030年 CO₂排出量削減目標(基準年:2015年) |
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スコープ1&2 |
スコープ3 |
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63% 事業所におけるCO₂排出量を削減 (実績43.1%) |
63% サプライチェーンでのCO₂排出量を削減(注2) (実績14.9%) |
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How(循環型ビジネスモデル) |
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Action 1 |
2030年までに事業所での使用電力を100%再生可能エネルギーに切り替え(実績36.8%) |
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Action 2 |
2030年までに一次生産委託先工場でのエネルギー使用量を2015年比50%削減(実績13.1%) |
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Action 3 |
2030年までに一次生産委託先工場での使用電力の85%再生可能エネルギーへ切り替え(実績19.1%) |
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Action 4 |
2030年までにシューズとスポーツウエアで使用するポリエステル材を再生ポリエステル材比率100%に切り替える(実績50%以上) |
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Action 5 |
2030年までに3つの地域で回収プログラムを行い、製品と材料の再利用またはリサイクルを実施(実績4地域) |
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Action 6 |
パートナーシップを通じてイノベーションを創造 |
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(注)1.アシックスは、サプライチェーンにおけるバイオ燃料の使用状況を確認し、サプライヤーと連携してデータ収集を開始しております。今後、バイオ燃料の使用量把握に努め、バイオ燃料に関するGHGプロトコルの変更に対応した算定・開示の準備を進めております。
2.対象範囲は「購入した製品・サービス」と「販売した製品の廃棄」。
<2050年ネットゼロに向けて>
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2030 ― 削減目標達成に向けたアクション |
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排出量の多いカテゴリの削減を優先 |
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1. 2030年までに事業所での使用電力を100%再生可能エネルギーに切り替え 2. 2030年までに一次生産委託先工場でのエネルギー使用量を50%削減 3. 2030年までに一次生産委託先工場での使用電力を85%再生可能エネルギーに切り替え 4. 2030年までにシューズ及びウエアのポリエステル材を100%再生ポリエステル材に切り替え 5. 製品や材料を再利用またはリサイクルするための回収プログラムを3地域で実施 |
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その他の取組み |
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・製品カーボンフットプリント表示の拡大、低排出製品の開発など、脱炭素化に向けたイノベーション ・気温が上昇しても対応できる製品の拡大、自然災害リスクが高い地域にある生産委託先工場を認識したソーシング戦略など、気温上昇への対応 ・財務影響の特定や必要な投資計画の策定 |
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2050 ― ネットゼロに向けたアクション |
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すべてのカテゴリで削減施策を実施し、ネットゼロへ |
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・製造工程での使用電力の再生可能エネルギー100%へ ・バイオ燃料・電気自動車などを使用した輸送 ・回収・リサイクルのさらなる拡大などを通じて、温室効果ガス排出量を約90%削減、残り約10%の残余排出量は除去系クレジットの活用等により中和化 |
2024年度のCO₂排出量実績は以下の通りです。
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2024年度 |
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CO₂排出量 |
スコープ1+2 CO₂排出量(t-CO₂) |
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スコープ3 CO₂排出量(t-CO₂) |
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2024年度の目標および主要な活動、実績は以上のとおりです。2025年度の実績は2026年6月頃に
<サプライチェーン上の人権尊重>
アシックスでは2004年に生産委託先工場の監査を開始いたしました。2022年からは、責任ある調達の徹底とトレーサビリティと透明性の確保を目指し、新規工場と主力工場の監査に加え、これまで比較的監査の頻度が低かった低リスク工場についても、より詳細な実態把握を進めております。2024年には、監査評価方法を改良し、従来の17項目から詳細な評価項目を設定することで、より具体的なリスク分析を可能にいたしました。
アシックスサプライチェーン管理プログラムは、以下の主要なステップに基づいています。
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コミットメント |
→ |
モニタリングと リスク管理 |
→ |
研修と能力開発 |
→ |
報告及び透明性 |
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・グローバルで適用する方針とガイドラインの策定 ・方針に関する社内外のコミュニケーション(教育研修を含む)
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・事業及びサプライチェーンでの人権リスクの評価 ・安全で倫理的な職場基準を保証するための監査と是正措置 |
・サプライヤー向け研修 ・ベストプラクティスの共有 ・マネジメントシステムの強化と責任ある調達に関する能力開発のサポート |
・報告書やウェブサイトでの情報開示 ・現代奴隷法に基づく開示 ・業界基準ツールの活用と工場リストの開示 |
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(1)ガバナンス
アシックスのガバナンス体制には、人権に関する方針が組み込まれております。2022年に、社内外のステークホルダーとの協働による調査を経て、新たに「アシックス人権方針」を策定いたしました。この方針は、人権デュー・ディリジェンスの要素や優先領域を定めたもので、株式会社アシックス及びそのグループ会社に適用されます。
また、リスクマネジメント委員会の管轄下に人権委員会を設置し、アシックスのサプライチェーン、社員、お客様を含むバリューチェーン全体の人権デュー・ディリジェンスの監督を行っております。人権委員会はマーケティング、法務、サステナビリティ、人事といった主要部署の代表者が委員として参加しています。委員会は年に2回開催され、方針のレビュー、リスク評価、進捗度の確認が行われます。審議の内容は取締役会へ報告されます。2024年は、サプライチェーン上の優先リスクへの対応、国際的スポーツ大会に関連する人権リスクへのモニタリング状況等が同委員会で報告されました。アシックスでは、中長期に投資をする案件へのデュー・ディリジェンスに人権の観点も組み込んでいます。この仕組みを通じて、投資事業による負の影響である人権リスクの特定等を行っております。
(2)戦略
中期経営計画の一環として、アシックスは、バリューチェーン全体での人権デュー・ディリジェンスの実効性の向上に取り組んでおります。2024年はサプライヤー評価システム・体制の最適化、サプライチェーンでの人権デュー・ディリジェンスの強化、データ分析・活用によるリスクマネジメントの強化に取り組みました。また、透明性の確保に向けて、上流サプライヤーの可視化や監査結果などの一元管理のため、原材料調達から最終製品までのサプライチェーン管理の仕組みのデジタル化を進めています。2024年には、優先度の高い素材の上流サプライヤーの可視化や、監査業務の効率化に注力しました。今後は対象となる素材の拡大を計画しており、原産地などのサプライチェーン情報や取引の流れをより効率的に追跡できるよう努めます。
(3)リスク管理
アシックスは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいてサプライチェーン上の人権デュー・ディリジェンスを実施しております。具体的には、サプライヤー候補との取引の検討に当たって、事前スクリーニングとリスク評価を実施しています。社内で承認された国のみから調達を行うことで、リスクの低減に努めています。また、アシックスは、国際労働機関(ILO)の中核的な労働基準等の国際基準を参照したアシックス独自の方針と基準、及び関連法規を守ることをサプライヤーに求めております。そのため、第三者監査も含む定期的な監査によってリスクの把握を行っています。2024年は、対2023年比20%増の合計87の生産委託先工場に監査を実施し、97%がアシックス基準に到達しました。これらの監査のうち、77%は独立した第三者によるもの、7%はアシックスが実施した内部監査によるもの、15%は国際労働機関(ILO)のベターワークと連携して行ったものであります。また、SEDEX(Supplier Ethical Data Exchange)の会員となり、サプライヤーを含む会員企業間で共有されるデータをリスクマネジメントに活用できるようになりました。
監査後は改善計画に基づき、適切な期間やプロセスを経て改善を促し、改善状況の確認を行います。改善が進まない場合は警告対象となり、取引終了につながる可能性もあります。
さらに、救済へのアクセスの仕組みも順次対象を拡大しています。2024年には、工場のマネジメントと従業員間のコミュニケーション強化、職場の透明性向上を支援するため、レイバー・ソリューションズ社のWOVOプラットフォームを導入し、eラーニング、匿名の従業員アンケート、デジタル苦情処理メカニズムの導入を開始しました。このプラットフォームはカンボジア、ベトナム、台湾の6つの戦略工場に導入されており、その他の工場への展開も検討中です。また、一次生産委託先工場の情報や監査結果をデジタルシステムに登録し、人権・労働リスクの可視化を強化いたしました。
(4)指標及び目標
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目標 |
2024年度 |
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アシックスサステナビリティ基準を満たす一次生産委託先工場の割合(%) |
100 |
97 |
2024年度の実績は上記のとおりです。2025年度の実績は、2026年6月頃に
(Ⅱ)人的資本
アシックスでは、働く従業員一人ひとりが、創業哲学「健全な身体に健全な精神があれかし」から導かれたブランド・スローガン「Sound Mind, Sound Body」を体現する存在であることを重視しています。また、グローバルな競争が激化する中、市場の多様なニーズに的確に対応し、新規ビジネスや付加価値創造を継続的に行っていくために「組織の多様性」も重視しています。中期経営計画2026ではGlobal Integrated Enterprise(GIE)への変革を目指し、「多様なバックグラウンドを持つ優秀な人財が思う存分力を発揮できる環境の整備」のため、3つの観点から取組みを実施し、経営基盤を強化していきます。さらに、アシックスでは「人財こそが持続的成長の源泉である」との認識のもと、従業員のエンゲージメント向上とキャリア開発支援にも注力しています。具体的には、グローバル共通の人事制度の整備や、リーダーシップ育成プログラム、多様な働き方を支える柔軟な勤務制度を導入しています。また、心理的安全性の高い職場環境の構築を通じて、従業員が自らの価値観や強みを活かしながら挑戦し続けられる企業文化の醸成を図っています。
(1)ガバナンス
・人事委員会の役割
Vision2030の実現に向けて、事業成長を支える人事施策の方向性を議論しています。GIEへの変革に向けたグローバル人事戦略の方向性、またグローバルから選抜した経営幹部候補者の育成方針の確認と継続的な人財開発投資並びに配置などについて検討しています。
・人財開発の基本方針
アシックスは従業員の意欲を高め、個人の成長とともに会社が成長できる企業文化の醸成を目指しています。このために、様々なプログラムを通して、多様性を受け入れ、従業員一人ひとりが互いを尊重し、個性と創造性が発揮できる環境を整えていきます。
(2)戦略
アシックスは、中期経営計画2026の重点戦略として人的資本投資の強化を掲げ、多様なバックグラウンドを持つ優秀な人財が思う存分力を発揮できる環境の整備を目指しています。人的資本投資の強化に関わる主な取り組みは以下の3項目です。
① 従業員によるSound Mind, Sound Bodyの実現
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課題 |
アシックス全体の持続的成長のため、従業員のエンゲージメントとウェルビーイングを高めること |
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戦略 |
● 業界最高水準の報酬体系の実現 ● 従業員のウェルビーイング推進により、エンゲージメントの高い職場を実現 ● デジタルを活用した多様な働き方と成長機会の提供 |
② グローバルでダイナミックな人財活用
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課題 |
GIEの変革に必要な、グローバルで活躍できる人財の発掘や育成・登用 |
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戦略 |
● 全世界からグローバルで活躍できる人財の育成と活用 ● オペレーショナルエクセレンスを踏まえた最適人員数の実現 ● 適材適所に人財を配置し、人件費率13%を実現 |
③ ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン
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課題 |
多様な視点と創造性で新たなアイデア、イノベーションを生むため、役員や管理職に占める女性の |
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戦略 |
● 女性管理職比率の向上 ● 障がい者雇用の促進と環境の整備 ● 多国籍な役員構成の実現 |
①従業員によるSound Mind, Sound Bodyの体現
近年、従業員の心身の健康やワークライフバランスの重要性が高まっています。企業にとって、従業員一人ひとりが働きがいを感じることができる環境を整備することは、生産性の向上や優秀な人財の確保・定着化にもつながります。そこでアシックスでは、従業員のウェルビーイングを重視し、その向上を図るための専門部署「ウェルビーイング推進部」を新設しました。この部門では、従業員の心身の健康管理はもちろん、キャリア形成支援、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(以下、「DE&I」という。)やエンゲージメント活動の推進など、従業員の働きがいの向上につながる様々な施策を企画・実行しています。
a.業界最高水準の報酬体系
業界最高水準の報酬体系を実現すべく、報酬体系及び報酬水準の見直しを進めています。報酬体系については、グローバルでのプロフィットシェア型賞与の支給、そして国内従業員(アシックスおよびアシックスジャパン)のみならず海外子会社の責任者等へも譲渡制限付株式インセンティブ制度を導入し、従業員に利益をしっかりと還元すると共に、従業員が株主・投資家の皆様との一層の価値共有を進めていくことで、更なる企業価値向上を目指していきます。また、新卒初任給の引き上げや継続的な賃上げを通して、優秀な人財の獲得・定着を進めていきます。
b.エンゲージメント
・目的・方針
Sound Mind, Sound Bodyの実現に向け社員一人ひとりが仕事を通して働きがいを感じている状態が、イノベーションを促し、生産性を向上させ、お客様により良い製品やサービスを提供できると考えています。アシックスでは、Sound Mind, Sound Bodyの実現には従業員のエンゲージメントは欠かせないものととらえ、以下のように重点的な活動をしています。
・重点的な活動内容
グローバル全体の従業員を対象に、年に1回のグローバルエンゲージメントサーベイを実施しています。このサーベイを通して、社員一人ひとりが働きがいを感じているか/組織改善の進捗などを確認するとともに、会社全体としてのアクションの検討をしております。
2024年のサーベイ結果では、「成長の機会」および「キャリア」に関する項目が、グローバル共通の重点課題として抽出されました。これを受けて、グローバル人事責任者と連携し、従業員が自律的にキャリアを考え、成長に必要なスキルやマインドを習得することを目的とした自己開発プログラム「Growth In Motion」を企画・導入しました。
各リージョン・各事業会社においても、地域・組織ごとの課題に即した改善活動を推進し、国内外における組織のアクションプランの策定・実行率は100%を達成しました。これらの取り組みの結果、グローバル全体でエンゲージメントスコアが前回比+2向上しました。今後もサステナブルなエンゲージメント向上を目指し、PDCAサイクルに基づく継続的な改善活動を推進してまいります。
・推進体制
グローバルエンゲージメントサーベイの結果を基に、人財開発や組織開発、事業の成長に向けた取組みを進めています。サーベイの実行・会社全体の組織状態の分析はエンゲージメント事務局が行い、各組織単位ではその組織長とメンバーがサーベイの結果を基にした対話を重ねることによりエンゲージメントの推進を図っています。
c.ウェルビーイング
・目的・方針
アシックスは、従業員によるSound Mind, Sound Bodyの実現のため、従業員とその家族のWell-being(身体的・精神的・社会的に良好である状態)を目指しています。2025年度の取組みとして「従業員1人ひとりのヘルスリテラシーの向上と定着」という方針のもと、戦略マップに基づき以下の5つの健康推進活動を中心に実施し、効果検証を行っております。
・重点的な活動内容
(i)健康管理・増進体制の拡充
・健康管理システムの構築と運用
・健康管理システムを活用した各種データの一元化と分析
(ⅱ)ヘルスリテラシーの向上支援
・調べやすい環境の整備(ポータルサイトの整理、興味・関心に合わせた情報発信、情報のアーカイブ化)
・専門スタッフによる健康情報の解説(産業保健スタッフによる情報発信、医師によるセミナー)
(ⅲ)生活習慣の改善支援
・アプリなどを利用した参加型運動イベントの開催
・卒煙モチベーションに合わせた卒煙サポートプログラムの実施
・社内運動会での運動促進とコミュニケーションの向上
(ⅳ)メンタルヘルス対応の強化
・日常に取り入れやすいメンタルヘルスケアに関するセミナー
・EAPの周知と活用促進
・療養者におけるフォロー体制の強化
(ⅴ)多様な人財が活躍できる職場環境
・女性の健康とスポーツ啓発セミナー
・推進体制
アシックスの健康推進活動は、ウェルビーイング推進部を中心に年度方針と計画に基づいて実行されており、進捗状況やその内容については代表取締役社長COOが監督を行っています。
・評価
各種施策の効果検証と共に、年に1回従業員に対して健康に関するアンケートを実施し、ヘルスリテラシー評価などの健康関連の最終的な目標指標の項目を測定しています。
(健康関連の最終的な目標指標)
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2024 |
2025 |
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アブセンティーズムの減少※1 |
メンタル理由による休職者率 |
0.18% |
0.36% |
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労働災害死亡者数 |
0人 |
0人 |
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労働災害度数率※2(LTIFR) |
0.00% |
0.00% |
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プレゼンティーズムの減少※3 |
パフォーマンス発揮率※4 |
84.7% |
87.0% |
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ヘルスリテラシー評価※5 |
ハイリテラシー従業員比率※5 |
28.2% |
21.6% |
※1 欠勤、休職により仕事ができない状態
※2 100万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数をもって、災害発生の頻度を表したもの
休業災害度数率=労働災害による死傷者数 / 延べ実労働時間数 × 100万
※3 仕事を休んでいないが、健康上の問題が影響してパフォーマンスを発揮できていない状態
※4 病気やけががないときに発揮できる仕事の出来を100%として過去4週間の自身の仕事を
パーセンテージで評価した時の平均値を算出
※5 ①情報収集力②情報選択力③情報伝達力④情報判断力⑤自己決定力の各項目において5段階
(1:全く思わない⇔5:強く思う)で評価を実施し、すべての項目において4もしくは5と
回答した場合にハイリテラシーであるとしている。
パフォーマンス発揮率、ハイリテラシー従業員比率についてはASICS Well-being survey(健康に関する社内アンケート調査)より取得
(2024年度:回答者数766名/990名(回答率77.4%) 2025年度:回答者数810名/985名(回答率82.2%)
②グローバルでダイナミックな人財活用
・目的・方針
タレントマネジメントでは、グローバル経営幹部候補者の育成、及び社員一人ひとりの自律的な成長・キャリア形成を目指し、採用・育成・配置・評価・能力開発に関する仕組みをグローバル横断的に整えています。なお、ここにはサクセッションプラン(後継者育成計画)の推進も含まれます。
具体的には、人事委員会を中心に選抜された社員を対象としたASICS Academy(次世代リーダー育成選抜型プログラム)の実施や計画的なジョブローテーションによる能力開発、働きやすい環境の整備(ダイバーシティ&インクルージョンや健康経営の推進)、従業員へのグローバルエンゲージメントサーベイの実施・結果分析・施策実施等の取組を実施しています。
今後更に人財育成を加速させるため、サクセッションプランに基づく育成計画を作成し、国内外の重要ポジションへの登用を実施しています。また上司部下間でのキャリア開発プランに関する対話とアクションを通じ、会社全体で「パフォーマンスカルチャー」の醸成につなげます。
・重点的な活動内容
●次世代リーダー育成
・ASICS Academy
グローバルでビジネスをリードできる人財を、戦略的かつ早期に育成することを目的とし、2016年に「ASICS Academy」を立ち上げました。次世代リーダーとして選抜された社員を対象に、経営知識やDX活用を含む戦略思考を学ぶプログラムを実施しています。管理職以上を対象としたプログラムはグローバル全社から選抜されたタレントが英語を共通言語として参加し、2025年度実施分については15名が受講しました。また、習得した知識を業務で活用できるようキャリア面談を通してキャリアパスの実現につなげています。
・海外実務研修プログラム
当プログラムは、入社3~5年目の若手社員を対象に、語学力や異文化適応力、リージョン理解を高める実務経験を提供し、視野の拡大とリーダーシップの成長を促すことを目的として本年度、導入いたしました。2025年度は、受け入れ対象国への本制度の概要説明、派遣国の選定、派遣生の選考・事前研修、運用基盤の整備等を行いました。2026年度は、前期・後期の2期に分けて計14名を、主として中長期的な成長が期待される新興国を中心とした8カ国へ派遣する予定です。
・経営基礎研修
育成の機会を通じ、学習意欲や成長意欲を向上し、経営戦略・アカウンティング・データ活用/分析の基礎知識について理解します。
●キャリア開発サポート
・キャリアデザイン
階層別プログラム内や、キャリアの節目にあたるタイミングで、自身のキャリアを改めて考える機会を提供しています。また国内社員に向けたグローバルメンバーとの社内交流の機会も提供しており、外国籍の経営メンバーを交えたキャリアセッションも実施いたしました。
・キャリア面談
アシックスでは社員一人ひとりが自身のキャリアを意識し、成長の速度を上げていく事を目指した「キャリア面談」を導入しています。自身のありたい姿(キャリアビジョン)を描き、上司と共にその実現に必要な知識やスキル・経験を話し合い、今後実施すべきアクションを計画する機会となっています。
・各種ビジネススキル
上司の勧めや本人の希望で受講できる、eラーニングの学習コンテンツを用意しています。自分自身のキャリアを考え、成長に向けてこれらのプログラムを受講し、業務の中で活用していくことで、ありたい姿に一歩ずつ近づいていきます。
・自己開発プログラム「Growth in Motion」
従業員一人ひとりの自律的なキャリア形成を支援するため、グローバル全従業員を対象に、9言語対応の自己開発プログラム「Growth in Motion」を導入しました。従業員向けおよび上司向けの実践的なコンテンツを提供しており、特に上司に対しては、グローバル共通の1on1ミーティングガイドラインを策定し、「キャリア」や「成長」をテーマとした継続的な対話を促進するトレーニングを実施いたしました。
●階層別
・新入社員研修
新入社員時には、社会人としての基本的なマナーやビジネススキル、アシックスの社員として働くための必要な知識を習得するためのプログラムを実施しています。また、アシックスがサポートしている各種スポーツイベントなどに派遣するスポーツマーケティング研修や自社工場、店舗での現場研修も実施しています。
・昇格時研修
昇格後の役職に必要なスキルのインプットと、新しく昇格した社員同士のネットワークづくりの場として、昇格時研修を実施しています。
・推進体制
月に1回開催の人事委員会では、副社長及び常務執行役員による組織・人財開発に関する活発な議論を行っています。人事委員会で議論された人財開発方針や、グローバルで選抜した後継者候補人財の育成等について、経営会議の決議を経た上で、人事部門(組織・人財開発機能)が推進・実行に移します。
③ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)
・目的・方針
アシックスは、DE&I推進のビジョンとして「One Team Stronger Together」を掲げています。DE&Iの推進は、ニーズが多様化するお客様に対して、より良い製品・サービスを提供することにつながるだけでなく、従業員同士が相互の違いを認め合い、活かし合うことで、一人ひとりが自らの価値を実感できる環境を整えることにもつながります。最終的には、組織内でのイノベーションが促進され、企業価値の向上に寄与すると考えています。
具体的な取り組みとして、役員構成における多国籍化の推進に加え、女性管理職比率については、グローバルで40%(アシックス単体では25%)以上という目標の達成、並びに社内における障がい者雇用の促進及び環境整備に向けた施策を以下の通り推進しています。
・重点的な活動内容
(ⅰ)女性管理職比率の向上
数値向上に向けてアクションプランを地域ごとに作成し、国籍・性別・経験等多様な経営陣から構成されたグローバルDE&Iステアリングコミッティにて進捗をモニタリングしています。
(ⅱ)障がい者雇用の促進
障がい者雇用については、グローバルで法定雇用率の有無など状況が異なるため、各地域に合う形で障がい者雇用を進めています。地域ごとにアクションプランを作成し、女性管理職比率同様にグローバルDE&Iステアリングコミッティにてモニタリングしています。国内においては、障がいのある方が応募しやすい採用環境を整備するため、企業ウェブサイトのリニューアルを実施し、アクセシビリティおよび情報の分かりやすさを向上させました。さらに、新卒採用活動においては、障がいのある学生を対象とした自社説明会を開催し、直接的なコミュニケーションの機会を拡充するなど、多様な人財との接点拡大に取り組んでいます。
(ⅲ)障がい者定着の支援
障がい者の受け入れ体制を強化するため、部下に障がい者がいるマネジャー向けに以下の研修を実施いたしました。
・基礎研修
障がいに関する基礎知識と対応方法の習得
・ステップアップ研修
障がい者へのマネジメントスキルを向上
聴覚障がい者への理解促進と多様性・包括性の体現を目指し、社内外で聴覚障がい者社員と耳が聞こえる社員が共に、下記の取り組みを行いました。
・スポーツフェスティバル(社内運動会)にてデフリンピック採用の手話応援(サインエール) を実践
・デフリンピックスクエアにて、テープカット時の記者会見の場でアシックスの取り組みを発表
・推進体制
様々な性別、地域、カテゴリー出身の経営陣より構成されたグローバルDE&Iステアリングコミッティを中心として戦略が着実に実行されているか管理しながら活動を進めると同時にグローバル目標と各地域課題にアプローチする体制を整備し、グループ全体でDE&Iに取り組んでいます。
DE&I推進体制
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CEO |
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COO |
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|
||
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グローバルDE&Iステアリングコミッティ ・国籍、性別、経験など多様な経営陣で構成 ・DE&Iに関わる経営戦略の進捗をモニタリング |
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本社DE&I推進チーム/グローバルDE&Iワーキンググループ ・日本、米州、欧州、中国で構成 ・経営戦略の達成に向け、実施計画を立案 |
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各地域の人事担当 |
・アシックスグループ全地域をカバー ・従業員のニーズを踏まえ、各地域の施策立案、実行 |
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DE&Iカウンシル |
エンプロイー リソースグループ |
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(3)人的資本の主な指標及び目標
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2024 |
2025 |
|
エンゲージメント |
|
92% |
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73 |
|
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|
|
58% |
|
|
|
DE&I |
(グローバル: |
38.7% |
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障がい者雇用率 (アシックス単体: 2026年目標 4%) |
3.1% |
3.6% |
(Ⅲ)税務方針
アシックスグループでは、各地域での公正な事業活動によって獲得した利益を、適正な納税を行うことで地域社会に還元し、企業としての社会的責任を果たします。また、各国の税務当局に誠意を持って事実に基づく説明・対応を行い、当局と良好な関係を維持するよう努めています。適時適切な税務申告・納付、税務当局からの求めに応じた税務情報等の提出を通し、指摘事項について合意した事項については適切な是正及び改善措置を講じます。
(1) ガバナンス
税務に関するコーポレート・ガバナンスは、アシックスグループ全体のガバナンス体制に包含されており、税務リスク等に関しては必要に応じて取締役会に報告を実施する等の監督体制を構築しております。更に、国内外に関わらず、グローバルシステムインフラ上で、税務に関する報告を入手する体制を通じて、グローバル税務ガバナンス規程の実行、税務リスク管理を行っており、グループ横断的な税務課題を俯瞰し、税務情報を連携します。
(2) 戦略
「アシックスグローバル行動規範」において「あらゆる国で、すべての適用法を確実に遵守して実務を行う」ことを明示しています。納税及び情報開示についても同様に、国、地域ごとの税務関連法令、国際機関等が公表している基準に従い、税務コンプライアンスの維持・向上に努め、適切な納税を行い企業の社会的責任を果たします。
また、OECD(経済協力開発機構)によるBEPS(Base Erosion and Profit Shifting)の趣旨を理解し、グループ間の移転価格取引は、原則として独立企業間価格で行い、国際的な所得の適正配分が実現するよう取り組んでいます。
(3) リスク管理
株主価値向上の観点から、税務リスクを極小化し、かつ、法令上、公正な範囲内で税負担の軽減措置等の適切かつ効果的な利用に努めます。さらに、税務ペナルティや二重課税による企業価値の毀損リスクの防止に努めています。
なお、法令等の趣旨を逸脱する解釈・適用による過度な節税行為である租税回避(タックスヘイブン)は行いません。
2024年12月期 国別税額開示
(単位:百万円)
|
居住地国等 |
収入金額 |
税引前 当期利益 |
納付税額 |
発生税額 |
利益剰余金 の額 |
従業員数 |
|
日本 |
247,130 |
31,270 |
1,817 |
8,838 |
112,676 |
2,815 |
|
アメリカ |
137,249 |
△ 2,673 |
238 |
6 |
△ 24,429 |
1,151 |
|
カナダ |
14,408 |
2,112 |
728 |
745 |
2,928 |
303 |
|
メキシコ |
5,745 |
697 |
0 |
0 |
△ 499 |
70 |
|
オランダ |
145,614 |
12,390 |
2,037 |
2,970 |
42,546 |
450 |
|
ドイツ |
21,654 |
393 |
7 |
120 |
868 |
404 |
|
フランス |
34,117 |
822 |
229 |
192 |
837 |
314 |
|
ポルトガル |
1,369 |
72 |
21 |
20 |
116 |
30 |
|
イギリス |
12,728 |
514 |
313 |
18 |
540 |
164 |
|
アイルランド |
2,144 |
48 |
13 |
10 |
1,004 |
9 |
|
スペイン |
12,027 |
262 |
511 |
130 |
742 |
225 |
|
オーストリア |
2,788 |
192 |
6 |
15 |
505 |
21 |
|
チェコ |
1,420 |
18 |
15 |
9 |
572 |
9 |
|
ポーランド |
2,867 |
88 |
△ 10 |
△ 11 |
236 |
41 |
|
イタリア |
12,973 |
458 |
98 |
144 |
5,046 |
103 |
|
スウェーデン |
5,395 |
106 |
44 |
25 |
383 |
18 |
|
デンマーク |
2,873 |
57 |
38 |
12 |
147 |
12 |
|
ノルウェー |
2,774 |
54 |
16 |
19 |
102 |
8 |
|
フィンランド |
1,601 |
32 |
27 |
△ 2 |
269 |
3 |
|
ベルギー |
1,817 |
86 |
4 |
20 |
598 |
12 |
|
アラブ首長国連邦 |
6,946 |
1,826 |
0 |
0 |
3,457 |
31 |
|
南アフリカ共和国 |
3,314 |
118 |
49 |
32 |
514 |
44 |
|
ロシア |
8 |
△ 18 |
0 |
0 |
597 |
3 |
|
中国 |
84,979 |
16,059 |
4,197 |
3,866 |
24,382 |
1,008 |
|
台湾 |
9,637 |
1,578 |
364 |
317 |
3,370 |
195 |
|
香港 |
8,183 |
1,562 |
1,054 |
821 |
9,718 |
95 |
|
オーストラリア |
43,964 |
6,214 |
1,950 |
1,744 |
13,100 |
318 |
|
シンガポール |
17,477 |
2,229 |
266 |
450 |
5,410 |
172 |
|
インド |
9,502 |
1,784 |
33 |
490 |
4,261 |
94 |
|
タイ |
5,284 |
715 |
116 |
162 |
1,133 |
60 |
|
マレーシア |
7,551 |
1,546 |
400 |
388 |
2,299 |
136 |
|
ベトナム |
899 |
113 |
18 |
10 |
90 |
93 |
|
インドネシア |
5,176 |
1,247 |
237 |
320 |
1,777 |
39 |
|
ブラジル |
25,379 |
2,960 |
2,248 |
1,003 |
1,724 |
381 |
|
アルゼンチン |
12 |
△ 129 |
△ 53 |
0 |
△ 175 |
0 |
|
チリ |
1,956 |
381 |
784 |
103 |
583 |
70 |
|
コロンビア |
2,365 |
336 |
521 |
118 |
565 |
30 |
|
韓国 |
16,194 |
2,735 |
275 |
574 |
5,803 |
232 |
|
|
917,518 |
88,252 |
18,610 |
23,678 |
223,794 |
9,163 |
(注)1.上記金額は国税庁提出の「国別報告事項」に基づいて作成しており、連結財務諸表との直接的な関連はございません(各社の所在国で地域区分を行っております)。
2.上記開示項目は、EU Public CbCR(Country by Country Report)開示方式を準用しており、開示の義務化に予め対応しております。
3.収入金額は、外部及び内部売上の他、営業外収益と特別利益を含み、グループ間の受取配当金を除きます。
4.発生税額は、2024年12月期の当期利益に係る法人税であり、納付税額とは一致しません。
アシックスグループの事業、財政状態、経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。記載内容のうち将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
なお、アシックスは、リスクマネジメント委員会を設け、取締役会や経営会議と連携しつつ、これらの中から定期的に経営戦略に伴うリスクの分析・評価を行い、リスク対応策を講じることで全社的なリスクを低減し、危機の発生を回避、もしくは危機発生時の損失を最小化しています。もし、危機を認知した場合は、クライシスマネジメント規程に定められた方針に則り、速やかに対応いたします。
経営戦略リスク
(1)中期経営計画に関するリスク
アシックスグループは、2023年11月に、「中期経営計画2026」を策定しております。アシックスグループは、中期経営計画2026で掲げた「Global Integrated Enterpriseへの変革」を実現し、そこで設定した経営指標に関する目標を達成していくことで、さらなる収益拡大に向け取り組んでいるところです。しかしながら、アシックスグループ内のグローバルでの連携が効果的に実施できない場合、各国における顧客基盤・市場シェアの拡大が想定通りに実現しない場合、各国における市場規模が期待通りに拡大しない場合、その他本「事業等のリスク」に記載した事項を含む様々なリスク要因が顕在化した場合には、それらの取り組みが計画どおりに進捗せず、中期経営計画2026で掲げた目標について、当初計画した期間内に又は当該期間後においても達成できない可能性があります。
(2)競合と技術革新に関するリスク
アシックスグループの事業に関連する製品は、国内外の市場で競合他社との激しい競争にさらされております。アシックスグループの競合先には、研究開発や製造、販売面で有力な企業が存在しております。現在、アシックスグループのブランド力及び製品は、こうした競合先との競争力を十分に有しておりますが、このことが、将来においても競合他社に対し有利に競争し続け得ることを保証するものではなく、競合先における技術革新等によって、アシックス製品の売上減少や販路の縮小が生じ、アシックスグループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、アシックスグループにおける研究開発には多額の先行投資が必要となりますが、研究開発を実施した結果として、これらの先行投資に係る費用が回収できるという保証はありません。
(3)M&Aに関するリスク
アシックスグループは新規市場への展開を行う中で、M&Aをその有効な手段のひとつとして位置付けており、今後も必要に応じてM&Aを実施する方針です。M&Aに際しては、対象企業のビジネス、財務内容及び法務等について詳細なデュー・ディリジェンスを行い、各種リスクの低減を図る方針でありますが、これらの調査の段階で確認又は想定されなかった事象がM&Aの実行後に発生又は判明する場合や、M&A実施後の事業展開が計画通りに進まない可能性があり、その場合はアシックスグループが当初期待した業績への寄与の効果が得られない可能性があることも考えられ、アシックスグループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、M&Aに伴い発生したのれん等を計上しております。アシックスグループは、当該のれん等につき、それぞれの事業価値及び事業統合による将来のシナジー効果が発揮された結果、得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えております。一方、今後さらにM&Aを通じてのれん等を保有する可能性がありますが、これらの資産につき収益性の低下が発生した場合、減損損失を認識しなければならず、アシックスグループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)経済環境・消費動向の変化のリスク
アシックスグループが事業活動を展開している各国における経済環境や消費動向の変化、人口減少や高齢化といった人口動態の変動に伴う市場規模の縮小により、売上の減少や過剰在庫が発生し、アシックスグループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)株価変動に関するリスク
アシックスの株価は、過去において大きく変動したことがあり、今後も、本「事業等のリスク」に記載の各リスクの発現をはじめとして、アシックスグループの業績、業績予想、配当等の株主還元策に関連する変化、更にはアシックス株式の需給関係に相応の影響を与え得るアシックス株式の売却等により変動する可能性があります。
事業リスク
(6)グローバルでの事業拡大に伴う、バリューチェーンにおけるリスク
アシックスグループは、グローバルな事業展開をしており、更なる市場拡大を目指しています。生産につきましても、OEM生産を手掛ける多くの海外工場と協力して、東南アジア及び中国など各地域での生産を進めています。
グローバルでの事業拡大には、バリューチェーンである調達、生産、販売において、以下に掲げるリスクが内在しており、経営戦略や業績に影響を及ぼす可能性があります。
① サステナビリティ(人権・環境)に関するリスク
a.アシックスグループは、生産委託先工場に対し、各国法規及び国際的な労働基準を遵守し労働者に公正で安全な労働環境を提供するよう厳しく要求しています。しかし、アシックスの生産委託先工場が、人権NGOから労働基準の非遵守を指摘された場合、事実関係に関わらず、アシックスグループの企業イメージを損なうリスクがあります。
b.温室効果ガス排出量の削減、再生可能エネルギーへの転換などの気候変動への対応が遅れた場合や、廃棄物排出量の削減、資源循環の取り組みなどが適切に行われなかった場合、アシックスグループの企業イメージに対する社会的な信用低下を招く可能性があります。また、自然災害・気候変動により、スポーツ時間の減少に伴う市場規模の縮小や生産委託先工場の操業停止、原材料価格の変動など、アシックス事業・財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
c.アシックスグループは、製品及び製造工程の有害・制限化学物質管理を進めていますが、生産委託先工場や原材料サプライヤーで有害・制限化学物質の非遵守使用があった場合、業績や企業イメージに悪影響を及ぼす可能性があります。
② サプライチェーンに関するリスク
a.外部への生産委託に関するリスク
アシックスグループは、製品の生産の一部を東南アジアを中心とした外部の協力工場に委託しております。これらの外注先の選定にあたっては、技術力や供給能力、労務環境などについて、あらかじめ厳しく審査を行い、信頼できる取引先を選定しておりますが、納入の遅延や製品の不具合、労務関連問題の発生をはじめとした、生産面でのリスクが生じる可能性を否定できず、外注先の生産能力不足や自然災害による外注先の操業停止などによる商品の到着遅延による売上減があった場合は、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。尚、自然災害や事故等があった場合の物損に備えて、物流保険に加入しております。
b.原材料の仕入価格の変動に関するリスク
アシックスグループが生産委託先工場に生産を委託しているフットウエア製品の原材料の仕入値は国際的な原油価格と関係があるため、原油価格の大幅な価格変動が数ヶ月後の原材料価格動向に影響を及ぼす傾向があります。フットウエア製品は、売上高の大部分を占めており、国際原油価格に著しい変動が発生した場合には、仕入価格も変動しアシックスグループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
c.製品の物流価格の変動に関するリスク
アシックスグループが生産委託先工場から販売子会社の市場に製品を輸送する場合の費用は、国際的な物流価格と関係があるため、物流価格の大幅な価格変動が製品仕入価格動向に影響を及ぼす傾向があります。
主に東南アジアに生産委託工場を有するフットウエア製品は、売上高の大部分を占めており、国際物流価格に著しい変動が発生した場合には、仕入価格も変動しアシックスグループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 販売チャネルに関するリスク
アシックスグループは、直営店舗に加えて、Eコマースを通じた製品販売を拡大することでDTCオムニチャネル戦略を推進していますが、これらの戦略が奏功しない場合には、アシックスグループの競争力や業績に悪影響が及ぶ可能性があります。また、アシックスグループは、外部の代理店や小売店に対してアシックス製品の販売を委託しています。現在、これらの代理店や小売店との取引関係は良好であると認識していますが、同様の良好な取引関係を今後も継続できる保証はありません。但し、アシックスグループはグローバルで販売チャネルの管理を強化していますが、代理店や小売店の経営破たんや債務不履行があった場合、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)季節的変動に係るリスク
アシックスグループが取扱う製品には、季節性の高いものが含まれており、季節により業績に偏りが生じる場合があります。そのような製品については、需要見通しの上で仕入・販売計画を策定しておりますが、気候条件による季節的な影響を正確に予測することは困難であり、実際の気候が予測と異なることにより、アシックスグループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)知的財産権に関するリスク
アシックスは、国内外において、多くの特許権・商標権等の知的財産権を所有しております。知的財産権に関する侵害事件の発生など、商品開発への悪影響やブランドイメージの低下等を招く可能性があります。
知的財産権に関する侵害訴訟は解決までに相当な時間と費用を要し、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、アシックスは、第三者の知的財産権を侵害しないよう、社内規程を定め、従業員に対して定期的な教育を行うとともに、必要なライセンスを取得するよう努めております。しかしながら、それらの取り組みにもかかわらず、第三者から知的財産権侵害の主張がなされる可能性はあり、万が一、アシックスが第三者の知的財産権を侵害したと判断された場合、特定の重要な技術の使用ができなくなり、また、第三者に対して損害賠償責任を負う可能性があります。
(9)マーケティング活動に関するリスク
アシックスグループはブランド価値向上のため、積極的なマーケティング活動を実施しております。
しかしながら、このような活動がアシックスグループのブランド価値の維持・向上にとって効果的又は十分であるという保証はなく、また、アシックスグループの発信内容や、アシックスグループの役職員やアシックスグループが起用した方々の言動等に対する社会的批判がその真偽に関わらず拡散するなどして、アシックスグループのブランド価値や企業の信用が低下し、財務的、又は非財務的な損失を被る可能性があります。
(10)新規事業に係るリスク
アシックスグループが新規事業に取り組む場合には、事前に十分な検討を行った上で事業計画が策定され、取締役会における承認の上で行われます。新規事業の展開には先行投資が必要となるケースが多く、当該事業が安定して収益を計上するまでには一定の時間を要することが予想されるため、一時的にアシックスグループの利益率が低下する可能性があります。
(11)海外拠点での事業活動に係るリスク
アシックスグループ又はアシックスグループが生産や販売等を委託している先の事業活動は、その相当部分が米国、欧州及び中国を含むその他地域で行なわれており、また、今後もこれらの事業活動が展開される国・地域は拡大していく可能性があります。こうした海外市場で事業を行うにあたって、以下のような要因を含む特有のリスクがあり、これによって、アシックスグループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
・ゼネスト等の労働紛争
・アジア等における労働力不足と賃金水準の上昇
・政治不安
・一般的に長期の債権回収期間
・法律や規制の予想し得ない制定又は改正
・文化、商慣習の相違
・貿易規制や関税の変更、輸送費用、その他の価格競争力を低下させる負担費用
・投資効果の実現までに要する長い期間と多額の資金
(12)資金調達に係るリスク
アシックスグループは、金融機関からの借入金のほか社債発行により資本市場から相当額の資金を調達しています。そのため、金融市場の悪化に伴い有利な条件で資金調達ができない場合、資金調達コストが上昇し、あるいはキャッシュ・フローの悪化等により機動的な資金調達が困難となった場合には、アシックスグループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13)為替レートの変動に伴うリスク
アシックスグループは、グローバルで製品の製造販売を行っております。各地域における現地通貨建の財務諸表を円換算して連結財務諸表を作成しており、換算時の為替レートにより、円換算後の価値に影響が出る可能性があります。製品仕入につきましては大部分を米ドル建で行っており、米ドルに対する他通貨の為替レートの変動などに伴う製造原価の上昇などにより、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、アシックスグループは、実需の範囲内で短期及び長期の為替予約取引により、為替変動リスクを低減していますが、必ずしも為替リスクを完全に回避するものではありません。
(14)税務に関するリスク
アシックスグループを構成する事業法人は、各国の税法に準拠して税額計算し、適正な形で納税を行っております。なお、適用される各国の移転価格税制などの国際税務リスクについて細心の注意を払っておりますが、税務当局との見解の相違により、結果として追加課税が発生する可能性があります。
(15)製造物責任に関するリスク
アシックスグループは、厳密な品質基準を設けて生産及び仕入れを行っております。製造物責任賠償保険に加入しておりますが、すべての賠償額を保険でカバーできるという保証はありません。製造物責任問題発生による社会的評価、企業イメージの低下は、アシックス製品に対する消費者の購買意欲を減少させる可能性があります。これらの事象は財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
業務リスク
(16)情報セキュリティに関するリスク
アシックスグループは、リスクマネジメント委員会の下部組織として、情報セキュリティ委員会を設け、セキュリティ専任チームが情報セキュリティの強化を進め、個人情報や営業秘密等の情報管理に努めています。しかし、高度化したサイバー攻撃により、これらの情報が万一漏洩・流出した場合、又は、販売オペレーションが停止した場合には、お客様などからの損害賠償請求、売上の機会損失、及び信用の失墜等により、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(17)システム障害に関するリスク
アシックスグループのサービスの多くは、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを通じて提供されています。アシックスグループは、適用できうる限りの最新の技術と対応を行い通信ネットワークが正常に機能し、サービスの提供に支障がないよう努めています。しかしながら、かかる対応策によっても通信ネットワーク若しくはコンピュータシステム上のハードウエア又はソフトウエアの不具合、欠陥といったアシックスグループの情報システムに脆弱性又は不備が生じる可能性があります。加えて、アシックスサービスの不正な利用、重要なデータの消失、機密情報の不正取得などが発生した場合には、アシックスグループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります
(18)個人情報の取扱いに関するリスク
アシックスグループは、グローバルレベルで顧客や従業員の個人情報を保有しています。欧州及び各国における個人情報保護法の施行に対応するため、社内体制とプロセスを整え、当該部署への教育を強化するなどしてリスクを低減しています。特に欧州に関しては、EU一般データ保護規則違反により万一制裁金が課された場合、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある為、アシックスグループ共通ルールを定めた拘束的企業準則(Binding Corporate Rules)をEU当局に申請しています。
(19)人財育成及び確保に関するリスク
アシックスグループにとって人財は経営の基盤であり、特にグローバルな事業活動を一層進める中で、それらの環境で活躍できる人財の育成・確保が急務であり、国内外での積極的な採用活動、研修・教育の充実、コア人財の流出の防止などの施策を講じています。これらの施策にも拘わらず、アシックスグループの人財育成・確保、適材適所の配置が計画通り進まなかった場合、長期的視点からアシックスグループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(20)固定資産の減損会計適用に係るリスク
アシックスグループでは、固定資産を保有しておりますが、固定資産の減損に係る会計基準の対象となる資産又は資産グループについて、保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し減損損失の認識・測定を行っております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定については慎重に検討しておりますが、事業環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、減損損失を認識すべきであると判定した場合には、当該資産又は資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額することとなり、アシックスグループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(21)見積り前提条件の変動リスク
アシックスグループは連結財務諸表を作成するに際して、売上債権の回収可能性、棚卸資産の評価、投資有価証券の減損、繰延税金資産に対する評価性引当額、従業員の退職給付制度などに関して見積りを行っております。これらの見積りは将来に関する一定の前提に基づいており、その前提が実際の結果と相違する場合には、予期せぬ追加的な費用計上が必要となり、アシックスグループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(22)法令違反リスク
アシックスグループは、「アシックスグローバル行動規範」を定め、内部統制の体制を整え、グループ一丸となって法令順守及び倫理行動規範の徹底に努めております。それにもかかわらず、アシックスグループの役員又は従業員が法令に違反する行為を行った場合には、アシックスグループの事業活動が制限され、財政状態及び経営成績が悪化する可能性があります。
(23)紛争・訴訟リスク
アシックスグループと、取引先、顧客等との間に紛争や訴訟が発生した場合、当該紛争解決に多額の費用がかかり、アシックスグループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(24)大規模自然災害等に関するリスク
想定外の自然災害、政治経済状況の変化、感染症・伝染病等の流行、テロ・戦争・その他社会情勢の混乱などが、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
特に、グループ全体の経営管理機能を集約している本社が所在する兵庫県神戸市で大規模自然災害が発生した場合、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、アシックスは、大規模自然災害が本社地域及び主要オフィスに発生した場合に適用する「事業継続計画(BCP)」を策定しております。
(経営成績等の状況の概要)
(1) 財政状態及び経営成績等の状況
当連結会計年度の振り返り
2025年も、アシックスの成長モメンタムが強くなっていることを実感した1年でした。売上高は8,109億円(前期比+19.5%)、営業利益は1,425億円(同+42.4%)、営業利益率は17.6%(同+2.8ppt)となり、売上高、営業利益ともに4年連続で過去最高を更新しました。
カテゴリー別では、全てのカテゴリーで増収増益でした。スポーツスタイルとオニツカタイガーでは売上高が初めて1,000億円の大台に乗り、いずれも前期比+40.0%以上で成長しました。カテゴリー利益率も、スポーツスタイルが29.3%(同+2.0ppt)、オニツカタイガーが37.7%(同+3.7ppt)という高水準圏で成長を維持しています。特にオニツカタイガーにおいては、欧州でのプレゼンス拡大に本格的に着手した1年でした。スペイン・バルセロナ、イギリス・ロンドン、フランス・パリなどに大規模直営店をオープンし、いずれも好調な滑り出しとなりました。日本発のラグジュアリーライフスタイルブランドとしてのポジションを確立し始めています。2026年1月には鳥取県境港市においてオニツカイノベーティブファクトリーが稼働し、日本製のモノづくりにこだわったクラフトマンシップを誇る工場にて、更なるブランド価値の向上を目指します。
地域別でも全リージョンで増収増益を達成。特にアシックスジャパンでは前期比+34.7%成長の売上高となりました。中でもインバウンド売上高が同+84%と牽引。国内向けのパフォーマンスランニング、スポーツスタイルも大きく伸長しました。引き続き日本国内におけるアシックスブランドの強化にも注力していきます。東南・南アジアでの売上高は同+33.4%の成長。10月には、インド・ニューデリーにおいて初めてのアシックス直営店をオープンしました。既にアシックスブランドが強く高いマーケットシェアを持つ欧州においても、同+25.9%の売上高成長を記録。また、中華圏は経済の弱含みが懸念されている中でも、売上高は同+19.9%と堅調に推移しました。
さらに、複数の栄誉ある外部評価もいただきました。主要な2つの賞をご紹介します。
1つ目は、一般社団法人日本IR協議会が選定する「IR優良企業賞2025」における「IR優良企業大賞」です。2023年の初受賞から3回連続での受賞をもってこの度、大賞をいただきました。経営層が主導的にIR活動を充実させている点や個人投資家向け施策を強化している点が特に評価されました。
2つ目は、一般社団法人日本取締役協会が主催する「コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー2025」における大賞「Grand Prize Company」の受賞です。ステークホルダー対話型ガバナンスを実践し、政策保有株式を全売却して緊張感を持った取締役会運営を志向している点、また資本コストの低減を目指した経営を行い、役職員の報酬体系に有機的に連携させている点などが選定のポイントとなりました。
2025年は、業績や外部評価のみならず、今後のアシックスの大きな飛躍に向けた種まきができた1年でもありました。
アシックスがオフィシャルパートナーを務めた東京2025世界陸上競技選手権大会や、これに先駆けて5月に実施した様々なレベルのランナーが自己ベスト更新に挑戦したレースイベント「Tokyo:Speed:Race」などの機会を通して、アシックスブランドを日本国内で、そして日本発で発信することができました。第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025では、日本選手団のオフィシャルパートナーとしてサポートしました。アシックスのイノベーション力を詰め込んだシリーズ最軽量のMETASPEED RAYも発売し、多くのアスリートにMETASPEEDシリーズを着用いただきました。これらの取組みを基点に、アシックスブランド高揚の大きな足掛かりをつくることができました。
また、アシックスは過去数年にわたり複数のレース登録会社を買収し、商品購入時のみならずレース登録からレース後までのランナージャーニーをサポートするランニングエコシステムを展開してきました。11月には新たにスペインとタイのレース登録会社をグループ会社化することを発表。世界中のランナーとの更なる接点拡大に向けた布石を打てました。
イノベーション分野では、日本国内に限定されていた研究開発拠点をグローバルに拡大し、多様な知見を取り入れることを目的に、12月に米国ミシガン大学とのパートナーシップを締結しました。「アシックスーミシガン・スポーツ・イノベーションセンター」を設置し、今後はミシガン大学の持つ世界水準のスポーツとテクノロジーを融合した先端研究やアスリートアクセスプログラムを活用していきます。アシックススポーツ工学研究所と密に連携し、これまで以上にアスリートのパフォーマンスに寄与するイノベーションの創造を目指します。
ビジネス基盤としては、過去の売上実績データなどを活用し、業績見通しと生産計画との整合性を定期的に検証する仕組みを整備してきました。商品レベルでの需給計画管理を強化し在庫最適化を進め、着実にオペレーショナルエクセレンスの実現に向かって進んでいます。
アシックスは、2024年の資本政策を経て資本市場と真正面から向き合う「ガチンコ経営」を実践しています。2025年は、多くの株主の皆様との個別の議論、株主総会での賛成を経て、4月に一般財団法人ASICS Foundationを設立しました。創業理念に立ち返り、より多くの人々が運動・スポーツを楽しむことで、心身ともに健康になる社会を実現すべく設立した本財団において、初年度は、日本、インド、インドネシア、カンボジアの4カ国6団体に対し、最長3年間、助成金を給付することで活動拡充をサポートしていきます。これにより中長期的なアシックスグループの企業価値向上に向けて大きな一歩を踏み出しました。
以上のように、2025年は、2026年、そして2027年からの次期中計期間におけるアシックスの更なる躍進の基盤作りができたと考えています。
2026年の主要な取組み
2026年は、売上高9,500億円、営業利益1,710億円、営業利益率18.0%を計画しています。これまでの成長のスピードを緩めることなく、2026年も走り続けます。
パフォーマンスランニングでは、主要マラソン大会でのシェアNo.1を目指して、イノベーティブな商品開発を継続します。コアパフォーマンススポーツでは、引き続きテニスに注力しつつ、テニスに次ぐスポーツカテゴリーの強化を推進します。スポーツスタイルでは、商品ラインナップの拡充を図りながら巨大な市場の中で持続的な成長を目指します。オニツカタイガーでは、欧州でのブランドポジションをより強固にするとともに、2027年以降の米国への再進出を見据えた検討を進めます。
さらに、全ての地域において持続的な成長に向けた手を打ちます。例えば中華圏ではまだまだ拡大の余地があり、アシックスブランドのフットプリントを伸張していきます。北米ではランニング専門店での売上高を着実に伸ばしており、ここで培ったブランドエクイティを生かしてより大きな市場がある中価格帯商品の展開をより強化します。また、2026年は「Year of ASIA」を掲げ、愛知・名古屋2026大会のモメンタムも活用しながら、アジアでの更なるブランド向上に力を尽くします。特に、昨今ランニング市場が急拡大している東南アジアにおいてより一層成長を加速させ、東南アジア各国において売上高100M米ドルの早期達成を目指します。
2026年以降もアシックスが大きな成長を継続していく中で、キャッシュ創出力が非常に強くなっていく見通しです。将来の更なる成長に向けた投資について、戦略の策定に向けた議論を本格化させます。
Global Integrated Enterprise(以下、「GIE」という。)への変革を通じた企業価値最大化のために、財務資本に並んで重要である人的資本についても、強化に取り組んでいます。具体的には、全社最適の観点で外国籍人財を本社ポジションに配置していることや、将来の経営人財の育成を見据えた若手社員の海外派遣制度の導入、新入社員の初任給を大卒で33万円に、大学院卒で35万円に設定したことなどが挙げられます。中長期的な企業価値の向上に不可欠な人的資本投資についても積極的に対応を検討、推進していきます。
2026年は、2027年から2029年を対象とする次期中期経営計画の発射台となる意味でも重要な年となります。更なる成長、GIEへの変革を見据え次期中期経営計画については、幅広いステークホルダーの皆様のご意見もいただきながら、アシックス社員がグローバル一体で議論を進めてまいります。
「あの日々を、強さに変えていけ。」これまでの取組みを更なる成長への確かな原動力として、2026年も走り続けます!
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。
① 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前期末に比べ67,485百万円増加し、586,480百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前期末に比べ29,071百万円増加し、313,125百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前期末に比べ38,414百万円増加し、273,355百万円となりました。
② 経営成績
|
(単位:百万円) |
|||||
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 (△は減) |
増減率 (%) |
為替影響除く 増減率(%) |
|
売上高 |
678,526 |
810,916 |
132,389 |
19.5 |
19.4 |
|
売上総利益 |
378,878 |
460,632 |
81,754 |
21.6 |
21.4 |
|
営業利益 |
100,111 |
142,519 |
42,408 |
42.4 |
42.2 |
|
経常利益 |
92,601 |
139,295 |
46,693 |
50.4 |
- |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
63,806 |
98,719 |
34,913 |
54.7 |
- |
当連結会計年度における売上高は810,916百万円と前期比19.5%の増収、営業利益は142,519百万円と前期比42.4%の増益、経常利益は139,295百万円と前期比50.4%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は98,719百万円と前期比54.7%の大幅増益となりました。
報告セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
|
(単位:百万円) |
|
セグメント名称 |
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 (△は減) |
増減率 (%) |
為替影響除く 増減率(%) |
|
日本地域 |
売上高 |
166,432 |
204,236 |
37,804 |
22.7 |
- |
|
セグメント利益 |
27,673 |
44,734 |
17,061 |
61.7 |
- |
|
|
北米地域 |
売上高 |
135,040 |
141,192 |
6,151 |
4.6 |
5.8 |
|
セグメント利益 |
11,274 |
16,018 |
4,744 |
42.1 |
44.1 |
|
|
欧州地域 |
売上高 |
179,388 |
225,805 |
46,416 |
25.9 |
22.1 |
|
セグメント利益 |
25,290 |
36,746 |
11,456 |
45.3 |
41.2 |
|
|
中華圏地域 |
売上高 |
100,497 |
120,514 |
20,016 |
19.9 |
20.4 |
|
セグメント利益 |
19,335 |
25,099 |
5,764 |
29.8 |
30.3 |
|
|
オセアニア地域 |
売上高 |
42,986 |
49,649 |
6,662 |
15.5 |
19.2 |
|
セグメント利益 |
7,634 |
7,927 |
292 |
3.8 |
7.2 |
|
|
東南・南アジア地域 |
売上高 |
37,321 |
49,780 |
12,459 |
33.4 |
33.0 |
|
セグメント利益 |
7,414 |
10,946 |
3,532 |
47.6 |
47.3 |
|
|
その他地域 |
売上高 |
44,840 |
52,078 |
7,237 |
16.1 |
21.4 |
|
セグメント利益 |
6,541 |
8,107 |
1,566 |
23.9 |
29.5 |
(2) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは109,912百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは29,414百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは105,875百万円の支出となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べて14,751百万円減少し、112,221百万円となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
アシックスグループは、生産実績の割合が僅少であるため記載を省略しております。また、受注状況につきましても、受注生産を行っている割合が僅少であるため記載を省略しております。なお、報告セグメント別の売上高につきましては、「第2 「事業の状況」 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」をご参照ください。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点によるアシックスグループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、記載内容のうち将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産586,480百万円(前連結会計年度末比13.0%増)、負債合計313,125百万円(前連結会計年度末比10.2%増)、純資産合計273,355百万円(前連結会計年度末比16.4%増)となりました。
総資産は、翌シーズンに向けた在庫の積み増しにより棚卸資産が増加したことで増加しており、これに伴う運転資本の拡大により負債も増加しております。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の順調な積み上げが自己株式取得の影響を上回ったことから、純資産は増加しました。
また、自己資本比率につきましては、総額500億円の自己株式取得を実行したものの、利益の着実な積み上げにより46.3%と、前連結会計年度末比1.4ppt上昇しました。
a. 流動資産
商品及び製品の増加などにより、409,933百万円(前連結会計年度末比11.0%増)となりました。
b. 固定資産
機械装置及び運搬具や使用権資産の増加などにより、176,546百万円(前連結会計年度末比17.8%増)となりました。
c. 流動負債
支払手形及び買掛金や未払法人税等の増加などにより、243,726百万円(前連結会計年度末比25.2%増)となりました。
d. 固定負債
償還予定が1年以内となった社債の固定負債から流動負債への振り替えによる減少などにより、69,399百万円(前連結会計年度末比22.3%減)となりました。
e. 純資産
自己株式の取得による減少はあるものの、利益剰余金の増加などにより、273,355百万円(前連結会計年度末比16.4%増)となりました。
② 経営成績
当連結会計年度における売上高は全カテゴリー、全地域で売上が成長したことにより810,916百万円と前期比19.5%の増収となり、初めて8,000億円を超えました。収益性についても、粗利益率の改善を背景に、営業利益は142,519百万円(前期比42.4%増)、経常利益は139,295百万円(前期比50.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は98,719百万円(前期比54.7%増)、いずれも大幅な増益となりました。この結果、売上高をはじめ各段階利益はいずれも過去最高を記録しました。
a. 売上高
全てのカテゴリー、地域で好調に推移し、810,916百万円と前期比19.5%の増収となりました。
b. 売上総利益
上記増収の影響や粗利益率の改善により、460,632百万円と前期比21.6%の増益となりました。
c. 営業利益
高付加製品への注力による粗利益率改善を背景に過去最高を更新し、142,519百万円と前期比42.4%の大幅増益となりました。
d. 経常利益
上記増収増益の影響などにより、139,295百万円と前期比50.4%の大幅増益となりました。
e. 親会社株主に帰属する当期純利益
上記増収増益の影響などにより、98,719百万円と前期比54.7%の大幅増益となりました。
カテゴリー別の経営成績は、次のとおりであります。
|
(単位:百万円) |
|
カテゴリー名称 |
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 (△は減) |
増減率 (%) |
為替影響除く 増減率(%) |
|
パフォーマンス ランニング |
売上高 |
326,936 |
363,542 |
36,605 |
11.2 |
11.2 |
|
カテゴリー 利益 |
70,726 |
86,035 |
15,308 |
21.6 |
21.7 |
|
|
コアパフォーマンス スポーツ |
売上高 |
78,620 |
86,017 |
7,396 |
9.4 |
9.3 |
|
カテゴリー 利益 |
14,104 |
16,771 |
2,667 |
18.9 |
19.0 |
|
|
アパレル・ エクィップメント |
売上高 |
38,065 |
42,072 |
4,007 |
10.5 |
10.1 |
|
カテゴリー 利益 |
4,340 |
5,940 |
1,599 |
36.9 |
36.7 |
|
|
スポーツスタイル |
売上高 |
98,425 |
141,324 |
42,898 |
43.6 |
42.8 |
|
カテゴリー 利益 |
26,876 |
41,338 |
14,462 |
53.8 |
52.8 |
|
|
オニツカタイガー |
売上高 |
95,439 |
136,519 |
41,079 |
43.0 |
43.2 |
|
カテゴリー 利益 |
32,435 |
51,489 |
19,053 |
58.7 |
58.9 |
a. パフォーマンスランニング
売上高は、主に欧州地域と東南・南アジアで好調に推移し、363,542百万円と前期比11.2%の増収となりました。カテゴリー利益につきましては、上記増収の影響などにより、86,035百万円と前期比21.6%の増益となりました。
主要マラソン大会でのシェア拡大に加え、中高価格帯やトレイルランニング市場、新興国市場での成長を加速させてまいります。
ASICS DESIGN PHILOSOPHYに基づく妥協なきモノづくりと継続的な製品イノベーションを通じて、パフォーマンスランニングフットウェアカテゴリーにおけるNo.1プレミアムブランドの実現に向けた攻勢を継続してまいります。
b. コアパフォーマンススポーツ
売上高は、全ての地域で好調に推移し、86,017百万円と前期比9.4%の増収となりました。カテゴリー利益につきましては、上記増収の影響や粗利益率の改善などにより、16,771百万円と前期比18.9%の増益となりました。
収益の柱となるテニス事業については、トップアスリートとの共創による製品開発や主要国際大会での着用を起点としたマーケティングコミュニケーション、各種メディア露出、主要パートナーとの協業を通じてブランド価値向上を推進し、更なる売上の向上を図ります。
また、テニスに続く注力サブカテゴリーとして、インドア、ワーキングのグローバル展開を強化することで、事業の成長を加速させてまいります。
c. アパレル・エクィップメント
売上高は、主に欧州地域が好調に推移したことから、42,072百万円と前期比10.5%の増収となりました。カテゴリー利益につきましては、上記増収の影響や粗利益率の改善などにより、5,940百万円と前期比36.9%の増益となりました。
これまで推進してきた選択と集中により事業基盤が強化されたことを受け、今後は次なる成長ステージに向けて、主力商品であるランニングアパレルに加え、運動時以外のシーンに寄り添った新しいコレクション 'PERFORMANCE LIFE'の商品展開を開始し、持続的な収益成長の実現を目指してまいります。
d. スポーツスタイル
売上高は、全ての地域で好調に推移し、141,324百万円と前期比43.6%の増収となりました。カテゴリー利益につきましては、上記増収の影響により、41,338百万円と前期比53.8%の増益となりました。
スポーツスタイルの提供価値や独自性をより良く訴求するためのグローバルでのマーケティング活動により、ブランド認知強化及び価値向上に努めます。また、ファッション感度の高いお客様に強い販売アカウントとの連携などを通じて高付加価値製品への販売訴求を実施することで、売上成長と収益性の向上を図ってまいります。
e. オニツカタイガー
売上高は、全ての地域で好調に推移し、136,519百万円と前期比43.0%の増収となりました。カテゴリー利益につきましては、上記増収の影響や粗利益率の改善などにより、51,489百万円と前期比58.7%の増益となりました。
ラグジュアリーライフスタイルブランドとしての地位確立に向け、統一ブランドガバナンスによる一貫性確保、フラッグシップ店舗の拡張を実施します。ブランド初の専用生産拠点であるオニツカイノベーティブファクトリー、ミラノデザインセンター、スポーツ工学研究所によるイノベーションを連動させ、製品力と創造性を向上させます。これにより新たな価値を創造することを目指し、グローバルでの持続的成長に向けた基盤構築を推進してまいります。
報告セグメント別の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
a. 日本地域
売上高は、パフォーマンスランニングやオニツカタイガーが好調だったことにより、204,236百万円と前期比22.7%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響や粗利益率の改善などにより、44,734百万円と前期比61.7%の増益となりました。
パフォーマンスランニングやテニス、ワーキングシューズ市場などの注力した製品カテゴリーでマーケットシェアNo.1に向けた取り組みと、マラソン大会におけるランニングエコシステムを通じた顧客体験価値向上を図り、ブランド力向上を目指します。また、DTC比率の更なる拡大や、デジタルを活用した業務改革および効率化により収益性を高めることで、健全な利益を持続的に創出できるよう取り組んでまいります。
b. 北米地域
売上高は、ECにおける販売商品の戦略的な絞り込みを行いながらも、主にスポーツスタイルが好調だったことにより、141,192百万円と前期比4.6%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響などにより、16,018百万円と前期比42.1%の増益となりました。
アシックスの強みであるパフォーマンスランニングやテニスでのビジネス拡充に注力し、マラソン大会、ランニング専門店におけるシェア拡大を目指します。また、ブランド価値向上のため戦略的に直営店舗の適正化を進め、更なる成長を目指します。
c. 欧州地域
売上高は、全てのカテゴリーが好調だったことにより、225,805百万円と前期比25.9%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響などにより、36,746百万円と前期比45.3%の増益となりました。
マラソン大会におけるランニングエコシステムを通じた顧客体験価値向上、OneASICSメンバーシッププログラム強化施策により、ブランドエンゲージメントの向上を図ってまいります。また、欧州地域で高い人気があるスポーツスタイルの成長戦略を実行することで、更なる収益性向上を目指します。
d. 中華圏地域
売上高は、全てのカテゴリーが好調だったことにより、120,514百万円と前期比19.9%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響や粗利益率の改善などにより、25,099百万円と前期比29.8%の増益となりました。
今後はパフォーマンスランニングを軸に、マラソン大会を活用したブランド価値向上、国内販売網の拡大を見据えた取引先との連携強化により更なる成長を目指します。
また継続して現地ニーズに適合した製品の企画・開発に取り組むとともに、最適化されたサプライチェーン管理の実現を目指して取り組んでまいります。
e. オセアニア地域
売上高は、全てのカテゴリーが好調だったことにより、49,649百万円と前期比15.5%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響などにより、7,927百万円と前期比3.8%の増益となりました。
オセアニア地域におけるパフォーマンスランニング市場No.1の地位を圧倒的なものとするため、ランニングエコシステムでの接点の拡大、先進的な取り組みの実行によって顧客体験価値の向上を図ります。また、スポーツスタイルビジネスを拡大させることで、更なる成長を目指します。
f. 東南・南アジア地域
売上高は、全てのカテゴリーが好調だったことにより、49,780百万円と前期比33.4%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響などにより、10,946百万円と前期比47.6%の増益となりました。
今後は「Year of ASIA」として特に東南アジアで成長を加速させてまいります。シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、インドでパフォーマンスランニングのシェアNo.1を獲得するため、マラソン大会におけるランニングエコシステムを通じた顧客体験価値向上を図り、直営店の拡大を推進し、更なる収益性向上を目指します。また、更なる成長加速のため各国のスポーツトレンド(パデル、ピックルボールなど)をとらえた販売戦略の展開を進めてまいります。インドにおいては現地生産の推進やDTC比率を上昇させることで、成長を加速させます。
g. その他地域
売上高は、全てのカテゴリーが好調に推移したことにより、52,078百万円と前期比16.1%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響や粗利益率の改善などにより、8,107百万円と前期比23.9%の増益となりました。
南米ではブラジルでの継続的な成長に加え、他の南米諸国の成長を加速させ、事業規模を拡大してまいります。また、ECチャネルの拡大や現地生産を活用し、現地ニーズへの迅速な対応を実施することで売上成長と営業利益率の向上を目指します。
(2) キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローにおきましては、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、112,221百万円と前期比14,751百万円減少しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は109,912百万円となり、前期比5,298百万円の収入増加となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益138,749百万円、減価償却費25,266百万円、支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額32,901百万円、売上債権の増加額10,117百万円、法人税等の支払額28,055百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は29,414百万円となり、前期比21,856百万円の支出増加となりました。
収入の主な内訳は、有形固定資産の売却による収入3,612百万円、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出16,191百万円、無形固定資産の取得による支出14,107百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は105,875百万円となり、前期比21,553百万円の支出増加となりました。
収入の主な内訳は、短期借入金の純増額2,500百万円であり、支出の主な内訳は、自己株式の取得による支出50,003百万円、社債の償還による支出25,000百万円、配当金の支払額15,734百万円、リース債務の返済による支出14,980百万円です。
キャッシュ・フロー指標のトレンド
|
|
2021年12月期 |
2022年12月期 |
2023年12月期 |
2024年12月期 |
2025年12月期 |
|
自己資本比率(%) |
42.2 |
40.1 |
44.1 |
44.9 |
46.3 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
135.0 |
125.6 |
174.4 |
428.9 |
453.7 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
2.2 |
△6.5 |
1.5 |
1.1 |
0.9 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
28.7 |
△8.6 |
18.9 |
19.0 |
21.4 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
アシックスグループの資金運営は、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としております。また、アシックスグループは、事業活動を行うための資金の調達に際し、低コストで安定的な資金の確保を重視しております。当連結会計年度末の有利子負債は98,529百万円であります。
資金効率の向上と金融費用の削減、並びに財務面のグループガバナンス強化を目的として、グローバル・キャッシュ・マネジメント・システム(GCMS)を2016年3月より金融機関と構築しており、GCMS参加グループ会社を一体とみなして資金の預入及び借入を行っております。これに伴い、従来アシックスから行っておりました一部子会社への貸付けを解消いたしました。当該GCMSにおいて、預入金及び借入金の相殺表示を行うためのすべての要件を満たしているため、相殺表示を行っております。なお、当連結会計年度末の相殺金額は44,777百万円であります。
(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当連結会計年度の通期見通しが2023年11月に設定した2026年の目標を超過するなど、業界No.1の収益性実現に向け成長が加速していることから、財務目標を中心に「中期経営計画2026」の上方修正を2024年11月に実施いたしました。見直し後の2026年12月期の数値目標は、「連結営業利益1,300億円以上」「連結営業利益率17.0%以上」「ROA15%前後」を設定しております。アシックスグループは見直し後の計画に基づき、「グローバル×デジタル」の推進、更なるブランド力、イノベーション強化を図り、持続的な成長を目指します。
当連結会計年度は、パフォーマンスランニングにおいて、反発性と推進感を特徴とするBOUNCEモデルが売上を牽引したことに加え、スポーツスタイル及びオニツカタイガーが全地域で増収となった結果、全てのカテゴリーで増収となりました。また、仕入為替の悪化があるものの、高付加価値製品への注力等が奏功した結果、粗利益率が改善し、売上高、各段階利益は過去最高額を記録しました。その結果、営業利益は142,519百万円(前期比42.4%増)、営業利益率は17.6%(前期比2.8ppt改善)、ROAは17.9%(前期比4.9ppt改善)となりました。業界No.1の収益性実現に向けて成長を加速させ、営業利益額の更なる成長を図ります。
「中期経営計画2026」ではグローバルでの収益を伴った売上成長を実現するために、収益基盤であるパフォーマンスランニングの更なる成長に加え、次なる収益の柱として、他カテゴリーの成長を加速させます。当連結会計年度はスポーツスタイルやオニツカタイガーが躍進し、収益拡大に貢献しました。また、地域成長戦略としては、欧州地域や中華圏地域などの既存の収益基盤である地域の持続的な成長と東南・南アジア地域の高成長地域の売上成長の加速と営業利益率向上の双方を目指します。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
アシックスグループの連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度において、重要な契約等の決定又は締結等はありません。
アシックスグループの研究開発は、経営の基本方針である機能性に優れた高品質なスポーツ用品の提供を基盤とし、これまでに蓄積してきたスポーツテクノロジーを活用しながら、パフォーマンスランニング、コアパフォーマンススポーツ、アパレル・エクイップメント、スポーツスタイル及びオニツカタイガーの各分野において、各カテゴリーが主体となって新製品の開発を行っております。
また、スポーツ工学研究所では、材料開発、機能設計、製品の機能評価などを通じて、各カテゴリーにおける新製品開発を支援しております。さらに、同研究所では、製品設計を通じて蓄積されたデータや知見を活用し、パフォーマンス向上やウェルネスケア分野において、付加価値の高いサービスの提供を目指した研究開発にも取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は