当社グループでは、異なる価値、文化、技術、資本を結びつける「結節点」として、社会に新たな可能性を提供することを社是としております。単なるサービス提供者に留まらず、領域を越えてつながる機会を創出し、人・情報・資源・文化の循環を通じて、次世代の豊かさと発展に貢献してまいります。
また、当社グループの取り組みは、デジタル資産、コンテンツ、ソリューションなど多様な領域を横断的に結びつけ、社会に新しい価値や経験を提供することを目指しております。既存の境界や慣習にとらわれず、国や業界を超えた「つながり」を創造することで、持続的な成長と社会貢献の両立を追求し、変化し続ける世界において、新しい可能性を次々と結びつける企業を目指してまいります。
当社グループでは、持続的な成長と収益性の向上を重視しており、売上高、営業利益、営業利益率を主要な経営指標として考えております。
また、M&Aの実施に伴い、のれん償却等の一時的な会計要因が業績に影響を与えることから、本業の収益力及びキャッシュ創出力を補足的に把握する指標として、EBITDA(営業利益に減価償却費等を加算した指標)を重要な経営指標の一つとして活用しております。
今後も、各経営指標を総合的に勘案しながら、資本効率と財務健全性の両立を図ってまいります。
当社グループでは、従来のハードウェア開発・量産を前提とした事業モデルから転換し、デジタルコンテンツ、暗号資産・ブロックチェーン関連サービスを中心とした事業構造へのシフトを進めております。
特に、暗号資産交換所Zaifを中核とする暗号資産関連事業、並びに電子書籍を中心としたデジタルコンテンツ事業を成長ドライバーと位置付け、安定的な収益基盤の構築と新たな付加価値創出に取り組んでまいります。
Web3技術については、投機的な領域にとどまらず、実利用・実収益に結び付くサービス開発を重視し、段階的な事業拡大を図ってまいります。
デジタルコンテンツ市場は、電子書籍を中心に引き続き堅調な成長が見込まれており、国内外における日本コンテンツへの需要拡大を背景に、中長期的な市場成長が期待されております。
また、暗号資産市場は価格変動性が高いものの、金融インフラとしての整備や関連サービスの多様化が進展しており、暗号資産交換所を含む周辺事業においては、規制動向を踏まえた健全な事業運営が求められる環境にあります。
当社グループは営業利益の黒字化並びに売上拡大を目指すことが当面の対処すべき課題であると認識しており、以下に示す取り組みを推進してまいります。
① 暗号資産・ブロックチェーン事業の安定運営
暗号資産交換所事業においては、法令・自主規制の遵守を前提とした内部管理体制の強化、システムの安定稼働及び顧客資産の適切な管理に注力してまいります。
② 新たな事業収益の確保
既存事業の収益性改善に加え、成長分野への投資やM&Aを通じて、早期に収益貢献が見込める事業の育成を進めてまいります。
③ 財務体制の強化
資本政策の見直しや財務規律の徹底により、事業環境の変化に耐えうる財務基盤の構築を図ります。
④ 事業ポートフォリオの最適化
事業の選択と集中を進め、経営資源を成長性・収益性の高い分野へ重点的に配分してまいります。
⑤ ブランド及び信頼性の向上
透明性の高い情報開示と積極的な広報活動を通じて、投資家・顧客からの信頼向上に努めてまいります。
当社は「効率的で快適な社会の発展に貢献する」ことを企業理念として掲げており、これは2015年に国連サミットで採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」の目的である持続可能な社会の実現に一致していると考えます。当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
当社のコーポレート・ガバナンス体制は、「
当社グループは、持続的成長と企業価値向上にあたり、人材は最も重要な経営資源と考えております。従って、多様性に富んだ優秀な人材を積極的に採用し、事業の成長に主体的に取り組める人材の確保と継続的な雇用の創出に努めております。
当社グループの全社的なリスクに関する課題・対応策を審議・承認する会議体として、代表取締役社長を委員長としたコンプライアンス・リスク管理委員会を設置し、毎月1回開催される経営会議と同時に開催しております。当社のリスク管理体制については、(1)同様、「
当社は「(2) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略」について、本報告書提出日現在において、当該方針についての具体的な指標及び目標を設定しておりません。今後、関連する指標のデータ収集及び分析を進め、開示項目を検討してまいります。
当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のある事項は以下のとおりです。
なお、以下は将来発生し得る可能性を示したものであり、すべてのリスクを網羅するものではありません。
当社グループは、電子書籍、コミッションサービスを中心としたデジタルコンテンツ事業、暗号資産交換所事業、物流・ソリューション事業など、多様な領域で事業を展開しております。そのため、各市場の需要動向、競争環境、法制度及び規制の影響を受ける可能性があります。
株式会社Zaif(以下「Zaif」)は、資金決済法に基づく暗号資産交換業者の登録を受け、金融庁の監督及び自主規制機関である一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が定める自主規制規則の対象となります。将来的な法令、規制、税制または自主規制の変更、あるいは行政指導等が行われた場合、Zaifの事業運営に制約が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
暗号資産交換所事業は、犯罪による収益の移転防止及びテロ資金供与対策(AML/CFT)の観点から、本人確認(KYC)等に関する法令及び自主規制の対象となっています。これらの対応が不適切であると判断された場合、行政処分、改善命令等が行われる可能性があり、当社グループの信用及び事業に影響を及ぼす可能性があります。
Zaifでは、顧客から預かった法定通貨及び暗号資産と自己資産を分別管理しておりますが、管理体制に不備が生じた場合、顧客資産の返還が困難となり、信用低下、行政処分及び損害賠償責任等が発生する可能性があります。
暗号資産は電子データであるため、サイバー攻撃、不正アクセス、マルウェア、ハッキング等により顧客資産及び自己資産が流出する可能性があります。当社グループでは必要なセキュリティ対策を講じておりますが、万一資産流出等が発生した場合には、多額の補償や信用低下により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
暗号資産市場は価格変動性が高く、当社グループが保有する暗号資産の価値が市場環境により変動する可能性があります。また、市場流動性が低下した場合、暗号資産の売却等が困難となる可能性があります。これらにより、評価損等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業を通じて個人情報を取り扱うため、情報漏洩等が発生した場合には、法令違反、損害賠償請求及び信用低下等の影響を受ける可能性があります。
当社グループは、成長分野の事業拡大に向けて投融資及びM&Aを行う場合があり、当初想定した投資回収が達成されなかった場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
株式会社シークエッジ・ジャパン・ホールディングスは本報告書提出日現在において、当社の議決権総数の52.66%を保有しており、当社の親会社に該当いたします。
当該会社の経営方針の変更等が、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
自然災害、疫病、事故、物流の停滞等が発生した場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。特に農業ICT事業及びサプライチェーン関連事業では、原材料調達や加工・流通に影響が生じる可能性があります。
政府又は自治体による政策変更、税制改正、補助金制度等の変更により、当社グループの事業環境に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復基調で推移しております。しかしながら、欧米・中国経済の先行き不安、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動などにより、依然として不透明な状況が続いております。
このような事業環境のもと、当社グループは中期経営計画に基づき、デジタルコンテンツ領域及びWeb3関連領域の事業拡大に取り組むとともに、M&Aを含む収益力強化施策の推進を図ってまいりました。
当期においては、2025年2月に株式会社ネクスデジタルグループ(旧株式会社ZEDホールディングス、以下「ネクスデジタルグループ」)を連結子会社化し、同社主要子会社として暗号資産交換業者である株式会社Zaif(以下「Zaif」)、Web3のコンサルティング企業であるチューリンガム株式会社(以下「チューリンガム」)、ソフトウェアエンジニアリング業務を行う株式会社ネクスソフト(以下「ネクスソフト」)等が新たに当社グループへ加わりました。
また、当社は同年7月に、ネクスデジタルグループに対する貸付債権の一部放棄及び増資の引受を決議し、同社の財務基盤の健全化を図りました。さらに、同年9月には、同社の商号を「株式会社ネクスデジタルグループ」へ変更するとともに、本店所在地を移転し、ブランド戦略の強化及び業務効率化を推進いたしました。
なお、ネクスデジタルグループの支配関係に関して、当社及び当社子会社と株式会社HODL1(旧株式会社クシム)との間で、複数の訴訟・紛争案件が係属しており、当社は係属中の訴訟案件に係るリスク評価及び財務影響の把握を継続して進めておりますが、当連結会計年度において重要な財務影響は発生しておりません。
加えて、IoT関連事業子会社である株式会社ネクス(以下「ネクス」)においては、同社の事業特性及び成長戦略を踏まえ、株式会社CAICA DIGITAL(以下「CAICA」)を株式交換完全親会社、ネクスを株式交換完全子会社とする株式交換を実施し、グループ経営の最適化に向けた施策を実行しております。
上記の結果、売上高においては、3,562百万円(対前期比67.2%増)となりました。それに伴い、営業損失は223百万円(前期は営業損失246百万円)、経常損失は250百万円(前期は経常損失230百万円)、税金等調整前当期純損失は966百万円(前期は税金等調整前当期純損失258百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は728百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失289百万円)となりました。
また、M&Aに伴うのれん償却額を加味した参考指標としてのEBITDA*1は、38百万円となりました(前期はEBITDA△70百万円)。
*1 EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額
当連結会計年度におけるセグメントごとの業績は以下のとおりであります。
株式会社実業之日本デジタル(以下「実日デジタル」)は、いわゆる電子書店(電子書籍配信サイト、Web漫画サイト、漫画アプリ、雑誌読み放題サイトなど)及び電子取次を主な取引先としております。電子書籍市場は、コロナ禍における巣ごもり需要が一巡したものの、引き続き堅調に推移するなか、当年度はマンガ領域において主要電子書店との取り組みを強化し、露出拡大及び新規読者層の獲得に注力いたしました。その結果、国内最大級の電子コミック書店であるコミックシーモアにおいて『裏切られた悪徳王女、幼女になって冷血皇帝に拾われる』が総合ランキング入りするなど、重点施策が具体的成果として表れております。
また、ピッコマでは当社全作品を対象に100%ポイント還元フェアを実施し、既刊の再活性化と読者接点の拡張を図りました。今後も、各プラットフォーム特性に応じた販促施策の実施と、話題化を促す企画展開を継続してまいります。
文芸・実用書領域においては、電子図書館向けの展開を強化し、安定的な提供先の拡充を推進いたしました。当年度は新たなプラットフォーマーへの作品提供を開始したことにより、ほぼすべての電子図書館において当社作品が取り扱われる体制となり、利用者接点の拡大と継続的な利用機会の創出につながっております。
今後も、提供ラインナップの拡充と流通チャネルの最適化を進め、収益基盤の強化に取り組んでまいります。
株式会社スケブ(以下「スケブ」)は、クリエイターにイラストや音声データなどを有償でリクエストすることができるコミッションサービス『Skeb』を提供しています。2025年11月には7周年を迎え、総登録者数が382万人(2025年12月現在)を突破、日本最大級のコミッションプラットフォームと言えるまでに成長いたしました。
また、2025年5月に開催いたしましたオフラインイベント「超メタフェス~VRC大交流会~」は延べ1万人以上の来場者数を記録する等、リアル、バーチャル双方で予想を上回る結果となりました。2026年5月にも秋葉原にて開催が決定しており、引き続き来場者数の増加並びに『Skeb』の登録者数増加へ繋がるプロモーションを強化してまいります。
この結果、当連結会計年度の売上高は583百万円(対前期比84.0%増)、営業損失は14百万円(前期は営業損失5百万円)となりました。
(IoT関連事業)
株式会社ネクス(以下「ネクス」)は、培ってきた自動車テレマティクスをはじめとする様々な分野に対するIoT技術をベースに「IoT×ブロックチェーン技術」、「IoT×AI技術」など、「IoT×新技術」を活用した新たなサービスの提供を目指しておりましたが、ネクスが手掛けるIoTデバイス(ハードウェア)製品の製造販売事業については、近年、製品のコモディティ化や価格競争の激化により、市場環境は年々厳しさを増しており、当社グループの成長領域との親和性も限定的となっております。
そのような状況を踏まえ、ネクスの更なる事業発展を図るには、ソフトウェア領域に強みを持つ他社との連携による製品力・競争力の強化が不可欠であると判断し、ネクスをCAICAへ譲渡することといたしました。
CAICAは、システム開発やWeb3関連の技術に強みを有しており、ネクスのIoTハードウェア事業との間で技術的・事業的なシナジーが強く見込まれます。ネクスがCAICAの傘下で新たな事業展開を進めることで、製品の付加価値の向上、新たな市場の開拓など、企業価値の一層の向上が期待されます。
農業ICT事業(NCXX FARM)では、農作物の生産、加工、販売を行う6次産業化事業と、特許農法による化学的土壌マネジメント+ICTシステムによるデジタル管理のパッケージ販売を行うフランチャイズ事業の事業化を推進しております。
6次産業化事業では、スーパーフードとして人気の高いGOLDEN BERRY(食用ほおずき)の生産、販売を行っております。加工品としてセミドライゴールデンベリーに加え、今年度リニューアル商品となったGOLDEN BERRYプレミアムアイスを販売しております。2025年11月からは新たにゴールデンベリーリキュール「アウレア・トロピカ」720mlと200mlの2種類の販売を開始しております。
参照:https://www.instagram.com/p/DRrFWL9kUE-/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==
また、GOLDEN BERRYの栽培時に発生する葉の残渣を活用した「ほおずきエキス」を開発し、化粧品の原材料として活用されております。
このほか新しい取り組みとして農産物加工品とNFTカードを組み合わせたふるさと納税返礼品の販売も開始しております。
参考:https://item.rakuten.co.jp/f032051-hanamaki/14301-30022289/
フランチャイズ事業では、引き続き自社試験圃場での栽培実績をもとに、自社独自の特許農法(多段式ポット)とICTシステムの提供に加えて、お客様の要望に沿った多種多様な農法・システム・農業関連製品の提供を行う農業総合コンサルティングサービスを展開しております。
この結果、当連結会計年度の売上高は348百万円(対前期比57.6%減)、営業損失は56百万円(前期は営業利益86百万円)となりました。
(ソリューション事業)
株式会社ケーエスピー(以下「ケーエスピー」)は、外食チェーン店や介護施設等における、物流を含めた食材、副資材、消耗品等のトータルサプライヤー業を柱として、その他にもコスメティックショップ等の物販チェーン店舗における、各種パッケージやSPツールの企画・制作を行っております。取引社数と商品販売数の二軸を継続的に増やし続けていくストック型の販売モデルのため、急激な売上・利益の拡大等は見込めませんが、確実に安定した売り上げと利益の積み上げのビジネスモデルを特長としております。
当連結会計年度も、前期に引き続き、新規販売先及び新規取り扱い商品が順調に増えてきております。
さらに今期は、商社機能を活かした仕入先への販売等、双方向の売買の強化、また、商品力のある商品を使ったフック営業からのクロスセル等により、1社あたりの取引額を増加させるための施策等も開始しております。
今後も、引き続き取引社数の拡大と、商品販売数の拡大を図り、さらなるストックを積み上げていくことを主としながらも、環境問題や世界的な人口増加における原料不足といった社会問題においても、商社機能を活かしたソリューションを多面的に提供し、フードテックを組み合わせた加工食品の開発をはじめ、川上(一次・二次産業)及び川下(三次産業)に対して、新たな領域への事業化の展開を進めていく予定です。
ネクスソフトは、システムエンジニアリングサービス事業(SES事業)としてニーズの高いオープン系を中心とした顧客システム開発の支援やエンジニア派遣と、受託開発事業としてシステム新規開発のほか開発後の運用保守対応や既存顧客からのシステム改修を行っております。
当連結会計年度は、SES事業においては参画中のプロジェクト取引の継続が大半の中で、中途採用の入社が計画比で8か月以上遅延してしまったこと及び協力会社との連携案件が伸び悩んだことから、目標としていた576百万円に達せず437百万円に留まりました。また、受託開発事業においてはASTERIA Warp案件の拡大が一部あったものの、新規開発見込み案件が積みあがらず、目標としていた71百万円に達せず65百万円に留まりました。
一方で、中間連結会計期間終了時から採用活動と営業活動の両輪にリソース投下したことにより、第4四半期連結会計期間から社員数は年間の計画人数に達し、大規模受託の見込み案件も積みあがりました。今後においては、SES事業における案件拡大と受託開発事業における案件受注は見込みが高まり回復していくことと、引き続きリソース投下をすることで回復から拡大へと転換するよう努めてまいります。
この結果、当連結会計年度の売上高は1,820百万円(対前期比116.9%増)、営業利益は73百万円(対前期比23.8%増)となりました。
(暗号資産・ブロックチェーン事業)
Zaifは、暗号資産交換業者として2016年から10年近いサービス展開をし、老舗プレイヤーとして業界を牽引してまいりました。時代のニーズに合わせた柔軟なサービス展開は新たな顧客層獲得へと寄与しております。
Zaifは、「暗号資産で資産形成ならZaif」をコンセプトに、個人投資家の資産形成ニーズと、大口顧客の取引ニーズの双方に対応するサービス拡充を進めております。
特にライフカード株式会社と提携した「Zaifカード」、顧客の資産形成を目的とした「ステーキングサービス」は、他社との差別化のサービスとして認知が広がりつつあります。
当連結会計年度においては、まず暗号資産の大口取引優遇サービス「Zaif Prime Desk」を新たに開始し、大口顧客向けに個別見積りによる約定価格や手数料条件を提供する枠組みを整備いたしました。これにより、店頭取引(OTC)に近い形でスプレッドや流動性の面で有利な条件を提示できる体制を構築し、大口取引需要の取り込みを図っております。
ステーキングサービスでは、ステーキング報酬を暗号資産のみならず日本円でも受け取ることができる機能を導入し、価格変動リスクを抑えながら暗号資産を活用した資産形成を行いたいお客様に向けた選択肢を拡充いたしました。当該サービス開始にあわせてキャンペーンも実施し、ステーキングサービスの認知向上と利用促進に取り組んでおります。
積立サービスでは、「Zaifコイン積立」においてZaifカード決済及び自動入金機能をリリースしたのち、銀行口座振替による自動入金にも対応するなど、入金から積立までを自動化する仕組みの整備を進めております。これにより、事前入金の手間を軽減し、より多くのお客様が継続的に少額から暗号資産積立を行いやすい環境を整備いたしました。
また、ビットコイン保有者向けの新たな運用手段の提供に向け、Babylon Bitcoin Stakingプロトコルを活用したビットコインステーキングサービスの構築に向けたプロジェクトを、Bflux社との共同で開始しております。今後、同プロジェクトの進捗に応じて、暗号資産の長期保有ニーズに対応する商品ラインアップの拡充を図ってまいります。
一方で、当連結会計年度の暗号資産市況は一部期間で下落局面となり、現物取引及びステーキングを含む各サービスの取引量は想定をやや下回る推移となりました。その結果、取引手数料収入及びステーキング関連収入は計画を下回りましたが、人件費やシステム関連費用などのコスト最適化を進めたことにより、損失水準は概ね想定の範囲内に留まっております。今後も、サービスラインアップの拡充とコストコントロールを両立させつつ、市場環境の変動に左右されにくい収益構造の構築を目指してまいります。
この結果、当連結会計年度の売上高は727百万円(前期は売上高20百万円)、営業利益は157百万円(前期は営業損失98百万円)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下資金)の期末残高は、前連結会計年度末と比べて322百万円増加し、1,467百万円となりました。なお、当期増加額のうち、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入は727百万円、連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少が35百万円となります。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した金額は59百万円(前年同期は352百万円の資金支出)となりました。これは主に、資金の増加要因としてのれん償却額242百万円、売上債権の減少額269百万円があり、減少要因として税金等調整前当期純損失966百万円、棚卸資産の増加額85百万円があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により獲得した金額は391百万円(前年同期は296百万円の資金支出)となりました。これは主に、増加要因として連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入727百万円があり、減少要因として投資有価証券の取得による支出211百万円、無形固定資産の取得による支出58百万円があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した金額は91百万円(前年同期は28百万円の資金獲得)となりました。これは主に、減少要因として長期借入金の返済による支出130百万円、社債の償還による支出14百万円があったことによります。
(3) 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 メタバース・デジタルコンテンツ事業、暗号資産・ブロックチェーン事業、ソリューション事業及びその他事業については、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
2 金額は、製造原価によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 メタバース・デジタルコンテンツ事業、暗号資産・ブロックチェーン事業、その他事業については、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 IoT関連事業において、株式会社ネクスを連結の範囲から除外したため、受注残高は記載しておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。なお、キャッシュ・フローの状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(資産)
資産の残高は、前連結会計年度末と比較して128,771百万円増加し、134,712百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が322百万円増加、利用者暗号資産が119,308百万円増加、投資有価証券が3,272百万円増加、仕掛品が511百万円減少、のれんが478百万円減少したことによります。
(負債)
負債の残高は、前連結会計年度末と比較して130,074百万円増加し、131,684百万円となりました。この主な要因は、預り暗号資産が119,308百万円増加、借入金残高(※)が3,886百万円増加、預り金が6,265百万円増加したことによります。
(純資産)
純資産の残高は、前連結会計年度末と比較して1,302百万円減少し、3,028百万円となりました。この主な要因は、その他有価証券評価差額金が52百万円増加し、利益剰余金が1,037百万円減少ことによります。
(※)1年内返済予定の長期借入金、長期借入金残高の合計
当社グループの当連結会計年度における経営成績は、以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、3,562百万円(前期比67.2%増)となりました。
詳細につきましては「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 当期の経営成績の概況」に記載したとおりであります。
(売上総利益)
売上高総利益率は、前連結会計年度より13.5ポイント増加し、41.6%となり、売上総利益は、1,482百万円(前期比147.3%増)となりました。
(営業損益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より増加し、1,706百万円(前期比101.6%増)となりました。
以上の結果、売上高営業利益率は、前連結会計年度より5.3ポイント増加し、△6.3%となり、営業損失は223百万円(前期は246百万円の営業損失)となりました。
(経常損益)
営業外収益は40百万円(前期比42.6%増)となりました。これは主に受取利息、倒産防止共済解約手当金の増加によるものであります。営業外費用は67百万円(前期比434.0%増)となりました。これは主に支払利息の増加によるものであります。
以上の結果、経常損失は250百万円(前期は230百万円の経常損失)となりました。
(特別損益)
特別利益は791百万円(前期は8百万円の特別利益)となりました。これは主に持分変動利益の増加よるものであります。特別損失は1,507百万円(前期は36百万円の特別損失)となりました。これは主に減損損失の増加によるものであります。
(税金等調整前当期純損益)
以上の結果、税金等調整前当期純損失は966百万円(前期は258百万円の税金等調整前当期純損失)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は728百万円(前期は289百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
当社グループは現在、必要な運転資金、設備投資及び投融資資金については、自己資金、借入、社債の発行及び保有株式の売却といった資金調達方法の中から、諸条件を総合的に勘案し、最も合理的な方法を選択して調達していく方針であります。当連結会計年度末におきましては短期借入金365百万円、1年内返済予定の長期借入金75百万円、長期借入金3,728百万円、1年内償還予定の社債9百万円、社債20百万円となりました。
当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金等を調達していく方針であります。
当社グループは、電子書籍やコミッションサービス等のデジタルコンテンツ領域、暗号資産交換所事業等のWeb3事業を戦略的注力分野として位置付け、M&Aを含む事業構造の再編及び収益基盤の強化に取り組んでおります。
デジタルコンテンツ領域の電子書籍では、電子コミックを中心に引き続き堅調に推移しており、出版社及び電子書店等の流通チャネルにおける作品取扱いが拡大しております。加えて、クリエイターエコノミー領域においては、個人クリエイターがデジタルコンテンツ及び表現物を提供し、ユーザーが対価を支払うコミッションサービスが拡大しており、当社グループが展開する『Skeb』は、リクエスト及びコミッションを通じた個人間課金需要を取り込むことで、クリエイターとユーザー双方における新たな付加価値の形成が進んでおります。これらの領域では、個人課金(BtoC)やコミュニティ活性化を基点とした継続利用が市場特性として見られ、持続的な市場成長が見込まれます。
Web3領域においては、ブロックチェーン技術を活用した暗号資産、NFT、ステーキング等を含む新たな経済圏の整備が進み、国内外における制度整備や企業導入が進行するなか、金融投資領域のみならず実需領域における活用可能性も広がりを見せております。
暗号資産交換所事業においては、個人投資家による暗号資産の保有及び資産形成需要が進展し、現物取引に加えて積立及びステーキング等の長期保有型商品・サービスの整備が進んでおります。また、大口顧客向けに店頭取引(OTC)及びスプレッド優遇サービス等の整備が進むことで、事業法人及び機関投資家による暗号資産の取扱いや財務活用の余地も生まれつつあります。
当社グループは、これらの市場環境を踏まえ、グループ内のアセット及び顧客レコードの活用によるシナジーの実現、ストック型収益の拡充、及び規制対応と内部管理の強化に取り組むことで、中長期的な収益力の向上を目指してまいります。
(1) 株式譲渡契約(株式会社ネクスデジタルグループ)
当社は、2025年2月3日開催の取締役会の決議に基づき、株式会社ネクスデジタルグループ(旧株式会社ZEDホールディングス、以下「ネクスデジタルグループ」)について、株式会社カイカフィナンシャルホールディングス(以下「カイカFHD」)との間で、株式譲渡契約を締結し、同日付でネクスデジタルグループの発行済株式の一部を取得し子会社化いたしました。また、同日付で当該株式譲渡契約に基づく売買代金債務を対象とする準消費貸借契約を締結いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。
(2) 株式交換による子会社の異動
当社は、2025年7月8日開催の取締役会において、株式会社CAICA DIGITAL(以下「CAICA」)を株式交換完全親会社、当社の連結子会社である株式会社ネクス)を株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを決議し、2025年10月16日付で株式交換契約の効力が発生いたしました。また、当該株式交換に伴い、CAICAは当社の持分法適用関連会社となりました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。
(3) 株式譲渡契約(株式会社Zaif)
当社は、2025年7月11日開催の取締役会の決議に基づき、当社の孫会社である株式会社Zaif(以下「Zaif」)について、当社の連結子会社であるネクスデジタルグループとの間で、株式譲渡契約を締結し、同日付でZaifの発行済株式の全部を取得し完全子会社化いたしました。また、同日付で当該株式譲渡契約に基づく売買代金債務を対象とする準消費貸借契約を締結いたしました。
(4) 連結子会社に対する増資引受
当社は、2025年7月30日開催の取締役会の決議に基づき、2025年8月8日付で当社の連結子会社であるネクスデジタルグループが実施する456百万円の増資のうち299百万円を引き受けました。
(5) 連結子会社の種類株式取得及び取得請求権の行使
当社は、2025年8月18日開催の取締役会の決議に基づき、当社の連結子会社であるネクスデジタルグループについて、カイカFHDとの間で、株式譲渡契約を締結し、同日付でネクスデジタルグループの発行済種類株式の全てを取得するとともに、当該株式にかかる取得請求権を行使いたしました。また、同日付で当該株式譲渡契約に基づく売買代金債務を対象とする準消費貸借契約を締結し、2026年2月18日付で当該債務の返済期日を延期する変更契約を締結いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。
(6) 株式譲渡契約(株式会社フィスコ)
当社は、2025年8月29日開催の取締役会の決議に基づき、株式会社フィスコ(以下「フィスコ」)について、株式会社シークエッジ・ジャパン・ホールディングスとの間で、株式譲渡契約を締結し、同日付でフィスコの発行済株式の一部を追加取得いたしました。当該取得により、同社は当社の持分法適用関連会社となりました。また、同日付で当該株式譲渡契約に基づく売買代金債務を対象とする準消費貸借契約を締結いたしました。
(7) 株式譲渡契約(株式会社善光総合研究所)
当社は、2026年1月19日開催の取締役会において、株式会社善光総合研究所(以下「善光総研」)の株式を追加取得すること及び当該株式取得に必要な資金を調達するため社債を発行すること、並びに、CAICAによる株式交付に係る申込みを行うことを決議いたしました。
これらの決議に基づき、当社は同日付で、第3回無担保普通社債を発行するとともに、善光総研の株式を追加取得する株式譲渡契約を締結いたしました。また、当社は、既に保有していた善光総研の株式に加え、当該追加取得した株式を対象株式として、同月21日付でCAICAによる株式交付の申込書を提出いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。
当連結会計年度の研究開発活動は、主にデバイス事業分野において「5G RedCap」の活用研究をおこなっております。
5G RedCapは、5Gの特徴である「低遅延」「多数端末との接続」を維持しつつ、通信速度をLTEのCat.4レベルに機能を抑えることで、コストやサイズ、消費電力の低減が可能です。これにより、中低速のニーズが多いM2M分野でのLTEから5Gへのリプレースが容易になり、さらに、5Gで得られるネットワークスライシングや低遅延などの機能と組み合わせることで、センサーネットワーク、AMR(自動搬送ロボット)を含むAIロボットソリューション、AIカメラ、ドローン、サイネージ、ウェアラブルカメラなど、これまでLTEでは不十分だったユースケースでも利用されることが期待されます。
今後、日本全国に基地局の展開が計画されており、5G/ローカル5GだけでなくsXGPやプライベートLTEの分野でも導入が拡大すると予想されるため、これまでLTEのUSBドングルで得られたニーズに応えつつ、今後求められるであろうDual SIMやルーター機能をコンパクトな筐体に搭載した、デバイス事業の新たな製品開発に向けた取り組みをおこなっております。
なお、これらの研究開発活動は当社の連結子会社であった株式会社ネクスが実施しておりましたが、同社は2025年10月16日付の株式交換に伴い、連結子会社から除外しております。
以上により当連結会計年度における当社グループの研究開発費は