文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは「私たちは、グローバルな発想を持つ心豊かなプロフェッショナル集団としてあらゆる不動産シーンにおいて新たな価値と感動を創造する。」ことを存在理念とし、常に「モノづくり」へのこだわりを持ち、不動産と金融の融合を意識した多様な不動産関連事業の推進により社会に貢献し、グループ企業価値を向上することを目指しております。
当社グループの主力市場である首都圏不動産投資市場においては、物価上昇局面における日銀の政策金利の引上げや政府の積極財政政策による財政悪化懸念等で長期金利が高水準で推移し、日本のイールドスプレッドは縮小傾向にあるものの、諸外国の主要都市との比較では依然として十分な厚みがあります。更に、今後も賃料上昇による不動産収益性の向上が期待できる点を踏まえると、日本不動産市場は引き続き資金流入が期待できる市場であると認識しています。他方、人手不足などの構造的な要因も相まって今後も高止まりが継続するとみられている建築費動向や、中国との外交上の緊張が長期化した場合のインバウンド需要への影響は、不動産開発事業およびホテル事業の事業戦略において注視すべき課題だと捉えています。
② 中長期的な会社の経営方針、経営戦略及び優先的に対処すべき課題
当社グループを取り巻く事業環境は、気候変動問題の深刻化や地政学的リスクの顕在化、国内では少子高齢化社会の進行やコロナ禍をきっかけとした行動変容の加速、デジタル技術の急速な進歩など大きな変革が起きており、不確実性が高まっています。このような事業環境の変化に適応し、当社グループが将来に亘って成長を続け、サステナブルな社会の実現への貢献を通じて企業価値向上を実現していくために、当社グループの競争優位の源泉となるコア・コンピタンスに立脚した「目指す方向性(ありたい姿)」を明確にし、グループ一丸となってビジョン実現に取り組むことを目的として「トーセイグループ長期ビジョン2032」を策定しました。
当社グループは、6事業からなる不動産関連事業を通じて、不動産の潜在価値を顕在化する様々なソリューションを提供してまいりました。また、事業特性の異なる複数事業を組み合わせることにより、リスクを低減しながら事業領域を広げており、多種多様なアセットを取り扱うことが出来るポートフォリオマネージャーとして不動産投資技術の研鑽を続けております。また、アセットマネジメントの分野では、世界の不動産投資家に信頼される世界品質でのサービスを提供しており、これらの「不動産ソリューション力」・「ポートフォリオ・マネジメント力」・「グローバル・リーチ力」を当社のコア・コンピタンスとして更に発展させながら、事業成長と長期ビジョン2032の実現に取り組んでまいります。
長期ビジョン実現に向けた9年間の当初3年間(第1フェーズ)として、新中期経営計画「Further Evolution 2026」(2023年12月~2026年11月)を策定しました。本計画では、以下の大方針のもと、5つの基本方針に基づく各施策の実行によって当社グループの競争力を高めるとともに、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。
<中期経営計画「Further Evolution 2026」>
<定量計画(連結)>※下線部を修正しております。
業績動向並びに事業環境の見通しを踏まえ、以下の通り計画を修正しております(2026年1月14日発表)。
(注) 株主還元について、配当性向を30%から35%へ3年間で段階的な引き上げを目指すとともに、自己株式の取得については経営環境、株価動向、株主価値向上等を総合的に判断し実施検討してまいります。
本計画では、当社グループの企業価値の源泉である「不動産ソリューション力」・「ポートフォリオ・マネジメント力」・「グローバル・リーチ力」を強化し、各事業のサービス領域の拡大やグループ間シナジーの最大化によって、既存6事業のポートフォリオの進化と成長を目指します。
不動産再生事業・不動産開発事業では、サステナビリティを意識した環境配慮商品の提供や既存不動産ストックの活用促進、取扱商品領域の拡大等による差別化を図り、トーセイブランドの確立と浸透を目指します。また、仕入における競争力を高めるべく、物件査定の効率化に向けた研究やM&Aの活用を促進します。
安定事業では、不動産賃貸事業におけるテナント需要に沿った設備仕様の研究、不動産ファンド・コンサルティング事業や不動産管理事業におけるサービス機能強化とバックオフィス業務の効率化、ホテル事業ではトーセイホテルココネの差別化訴求によるブランド浸透と規模拡大に努めます。
また、DX分野では、業務プロセスの効率化を促進するとともに、自社再生物件、開発物件の出口戦略の多様化に向けて、不動産・金融・DXが融合した不動産テックビジネスである不動産クラウドファンディングやセキュリティ・トークン発行、区分マンション販売におけるデジタルマッチングに取り組み、新たな顧客層へ不動産投資機会を提供してまいります。
成長を支える事業基盤の強化においては、人材育成と多様な社員が個性を活かして力を最大限に発揮できる人事制度・組織体制・職場環境の構築に注力し、社員エンゲージメントを深めてまいります。また、財務面・資本配分については、事業規模および保有資産残高の拡大を下支えすべく資金調達力を強化し、健全な財務体質を維持しながら資本効率を意識した成長投資の継続と利益還元の向上を目指してまいります。
当社グループは、企業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献すべく、「トーセイグループ ESG方針・ESG行動指針」を定め、サステナビリティ委員会を中心としたESG推進体制を整備してサステナビリティに配慮したESG経営の実践に努めてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(ガバナンス)
当社グループは、サステナビリティに配慮したESG経営を推進するため、取締役会の直属組織である「サステナビリティ委員会」を設置しています。サステナビリティ委員会は、「トーセイグループESG方針」、「ESG行動指針」、「トーセイグループのマテリアリティ」等に基づき、気候変動問題への対応や人的資本経営の推進などをはじめとする当社グループの総合的なサステナビリティ向上に向けた取り組み方針の策定、サステナビリティ推進に係る年間活動計画の立案、各施策や各部門の活動進捗のモニタリング・助言・指導等の機能を担っています。
同委員会は、執行役員社長が任命するサステナビリティ推進責任者(取締役専務執行役員 平野 昇)を委員長とし、委員はサステナビリティ推進責任者が指名する者で構成されています。原則年6回開催され、その審議・活動進捗・報告事項は毎月取締役会に報告される体制となっています。
なお、取締役会は、サステナビリティ委員会が立案し取締役会が承認した各施策に関して、委員会からの報告に基づき、必要に応じて施策の見直しや推進体制の改善指示などを通じて適切にモニタリングを行い、進捗状況について監督します。なお、ESGを所管する常勤取締役の評価・報酬を決定する項目には、気候変動をはじめとするESG推進目標が設定されています。また、取締役会は、気候変動課題への対応を含めた当社グループの総合的なリスクマネジメントに対し最高責任を負い、必要な組織体制を整備するとともに、これを適切に監督し、必要に応じて指示を行います。
<サステナビリティ推進体制図>

当社グループは、「あらゆる不動産シーンにおいて新たな価値と感動を創造する」という企業理念のもと、企業活動を通じた持続可能な社会の実現こそ世の中から求められる「新たな価値の創造」であると認識し、「トーセイグループESG方針・ESG行動指針」を制定のうえ、サステナビリティ推進におけるマテリアリティ(重要課題)を特定しています。また、2024年1月に公表したトーセイグループ中期経営計画「Further Evolution 2026」においてサステナビリティ経営に関する基本方針を策定しました。これらの方針・指針等に基づく、事業基盤の強化と事業活動の推進により、サステナブルな社会の実現に貢献すべく、総合不動産会社としてさらなる進化を目指してまいります。
・トーセイグループESG方針
トーセイグループは、グローバルな発想を持つ心豊かなプロフェッショナル集団として、あらゆる不動産シーンにおいて新たな価値と感動を創造することを存在意義としており、環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)を経営の重要事項と認識し、不動産にかかわる社会的課題に真摯に取り組むことで社会に貢献するとともに、グループの持続的な成長を目指してまいります。
・トーセイグループの重要課題(マテリアリティ)
当社グループでは、従前より、環境、社会、ガバナンスに関するさまざまな取り組みを推進してまいりましたが、ESG経営をより一層推進するため、2022年11月期から、サステナビリティ推進における当社グループのマテリアリティ特定の検討を開始し、2023年11月期にマテリアリティを特定しました。気候変動問題をはじめとする環境、社会課題に対する企業への取り組み要請は、今後ますます高まっていくことが確実となる中で、持続可能な社会の発展のため、環境、社会課題の解決に資するとともに、企業の持続的な成長に向けてESG経営を推進するべく、当社グループとして優先的に取り組むべき重要テーマを定め、より一層、取り組みを加速させてまいります。
<トーセイグループの重要課題(マテリアリティ)>
※1 トーセイグループのScope1・2(GHGプロトコルに基づく)を対象としています。
※2 トーセイ(株)を対象範囲としています。
当社グループでは、事業活動の推進及び企業価値の維持・向上を妨げる可能性のあるリスクを最小にするために、平常時より計画的に対策を立案、検証する体制を整備することにより、ステークホルダーの皆様からの信頼を得られる企業集団を目指しています。
当社グループでは、サステナビリティ関連を含む一元的かつ横断的なリスク管理を取締役会直属のリスク・コンプライアンス委員会が担い、グループ共通または各社ごとのリスク管理に関するプログラム施策の実践を通じて、グループの事業を取り巻く様々なリスクを統括管理するほか、リスクが顕在化した場合には同委員会が中心となって危機対応を行います。また、全社リスクの中で特に重要性が高く、TCFDの提言による枠組みに基づき管理すべき「気候変動リスク及び機会」については、取締役会の監督の下、サステナビリティ委員会が主管します。リスク・コンプライアンス委員会はサステナビリティ委員会による各種施策上の要請に応じて、その実践を補佐、支援することで、全社リスクの統合的な管理をしています。
(2) 気候変動
当社グループは、「気候変動問題は自然環境と社会構造に劇的変化をもたらし、当社の経営とビジネスに重大な影響を与える課題である」と認識し、自然災害による不動産価値の低下や政府の環境規制強化等により、当社グループの事業活動や戦略、財務計画に大きな影響を与える可能性があると考えています。
また、当社は2021年11月に「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言」への賛同を表明するとともに、国内賛同企業による組織である「TCFDコンソーシアム」に加入し、TCFD提言に基づく情報開示を行っております。
(ガバナンス)
上記(1)サステナビリティ全般(ガバナンス)を参照ください。
(戦略)
将来にわたる気候変動が当社グループの事業に及ぼし得ると想定される影響を把握し、当該影響を当社の事業戦略に反映するため、国際的な機関等が定める将来的な気候変動シナリオを複数選択し、それぞれの世界像におけるリスク・機会の識別を行いました。シナリオ分析の詳細は以下の通りです。
<主に参照した将来的な気候変動シナリオ>
<シナリオ分析の概要>
移行リスク/機会
・分析結果および当社グループのレジリエンス
移行リスクが及ぼす財務的影響に関しては、特に中長期的な時間軸で、脱炭素社会への移行に伴う社会変容、具体的には、政府の各種規制強化(炭素税導入やZEH/ZEB水準の義務化、省エネ性能表示の義務化など)により発生しうるという結果となりました。
当社グループは、本社ビルや自社運営ホテルの電力を再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えていくほか、社内の省資源、省エネルギーに向けた取り組みの推進により、自社グループのGHG排出量削減を進めてまいります。また、サプライヤーや請負業者等と連携・協働し、建築時のGHG排出量削減に向けて取り組むとともに、新築案件におけるZEH/ZEB開発の推進や、既存建物の環境仕様への改修、環境不動産認証の取得、テナントへの意識啓蒙等を進めていくことにより、バリューチェーン全体でのGHG排出量削減に取り組み、リスクの最小化・機会の最大化を目指してまいります。
物理的リスク/機会
・分析結果および当社グループのレジリエンス
物理的リスクが及ぼす財務的影響に関しては、特に中長期的な時間軸で、気候変動対策が十分になされない社会における異常気象の激甚化やサプライチェーンの混乱等により発生しうるという結果となりました。
当社グループは、物件の仕入時に浸水被害リスクを含めた総合的な観点で投資判断を行うほか、定期的にハザードマップで保有ポートフォリオの浸水リスク状況を確認し、ポートフォリオの見直しや保険加入、物件のBCP対策を適切に講じることにより、リスクの最小化・機会の最大化を目指してまいります。
また、サプライヤーや請負業者等と連携・協働し、サプライチェーンの強靭化や、建設現場の安全衛生・生産性向上 に取り組んでまいります。
<シナリオ分析結果を踏まえた対応策>
前述のシナリオ分析結果を鑑み、リスクを最小化し機会を最大化するべく、当社グループは以下のような対応策を経営戦略および財務計画に織り込み、推進してまいります。
・主な取り組み
取り組みの詳細は以下よりご覧いただけます。
(リスク管理)
気候変動に関するリスク・機会を管理するプロセスは以下の通りです。
・気候関連リスクと機会を識別・評価するプロセス
気候変動に関連するリスクマネジメントを主管するサステナビリティ委員会は、グループ横断的なサーベイランスを年に1度定期的に実施し、その結果に基づいて気候関連リスク・機会を特定します。洗い出された気候関連リスク・機会は、国際的な機関等が定める将来的な気候変動に関する複数の想定(シナリオ)のもと、「発生可能性」と発生した場合の「影響度」の2つの尺度で評価され、分析結果は実施の都度、取締役会に報告されます。
・気候関連リスクと機会を管理するプロセス
特定されたリスク・機会のうち、トーセイグループが組織的に対応すべき項目について、サステナビリティ委員会は項目ごとに対応計画を策定し、取締役会がこれを承認します。なお、対応計画は、リスクマネジメントの基本的な枠組みである「回避」「受容」「低減」「移転」の考えに基づき策定されます。承認されたリスクの対応計画の実行については、取締役会の監督のもと、サステナビリティ委員会の指示に基づいてトーセイおよびグループ各社の各業務執行体制において実行されます。また、サステナビリティ委員会は、グループ各社および各社の業務組織への指示等を通じて、事業戦略等への連繋を主導します。
・全社リスク管理への統合状況
トーセイグループの一元的かつ横断的なリスク管理は、取締役会直属のリスク・コンプライアンス委員会が担い、グループのリスク管理に関する基本的事項の実践やリスク顕在化に伴う経営危機発生時の対応、グループの事業を取り巻くさまざまなリスクを統括管理しています。全社リスクの中で特に重要性が高く、TCFDの提言による枠組みに基づき管理すべき「気候変動リスクおよび機会」については、取締役会の監督の下、サステナビリティ委員会が主管します。リスク・コンプライアンス委員会はサステナビリティ委員会による各種施策上の要請に応じて、その実践を補佐、支援することで、全社リスクの統合的な管理をしています。
(指標及び目標)
当社グループは、世界全体の1.5℃未満目標達成のため、Scope1・2における2050年度温室効果ガス排出量ネットゼロを掲げています。また、中期的な削減目標として、2022年度を基準年として、以下のように削減を進めてまいります。
(注)当社グループから排出される温室効果ガスは、営業所・自社運営ホテルにおいて使用する都市ガス及び社用車等で使用するガソリンの使用によって当社から直接排出される温室効果ガス(Scope1)と、本社・営業所・自社運営ホテルの電気使用、本社の地域熱使用に伴って間接的に排出する温室効果ガス(Scope2)で構成されております。なお、2025年度の実績については第三者保証取得後、以下に掲載を予定しております。
(3) 人的資本
当社グループは、「人を経営の根幹とし、心豊かな真のプロフェッショナルを育成し続ける」という経営理念のもと、多様な人材が個性を生かして健やかに働ける環境を構築することを人材戦略のマテリアリティ(重要課題)の一つとし、「多様な人材の活躍、多様な働き方の推進、働きがいの追求、人権の尊重、心身の健康増進」を実現するための人材育成に関する方針、社内環境整備に関する方針を策定しています。
(戦略)
①人材育成に関する方針(人材開発基本方針)
・グループ企業理念に基づく人材育成
中長期的な企業価値の向上に向けた人材戦略の重要性に鑑み、グループ企業理念(存在理念、経営理念、行動理念)及び経営方針の理解の下に、会社の発展に積極的に寄与する人材を育成していくとともに、自己においてプロフェッショナルとしての意識と知識と技術の研鑽をする人材を育成していくことを基本とする。
・人材の多様性
当社グループは、人材の採用、育成、登用においては多様性を重んじ、性別や国籍、採用の経緯等に左右されることなく、企業理念を追求し続ける者に対して、等しく成長と活躍の場を提供する。
②社内環境整備に関する方針(健康経営方針)
当社グループは、「人を経営の根幹とし、心豊かな真のプロフェッショナルを育成し続ける」という経営理念のもと、従業員の健康と安全を重要な経営課題と捉え、従業員がいきいきと働ける職場環境を整備し、健康維持・増進の施策に積極的に取り組む。
(指標及び目標)
当社グループでは、「多様な人材が個性を生かして健やかに働ける環境を構築する」という人材戦略のマテリアリティ(重要課題)に基づく計測指標(KPI)を「多様な人材の活躍、多様な働き方の推進、働きがいの追求、人権の尊重、心身の健康増進」の視点から下表のとおり設定し、「As is-To be」ギャップを測定することにより、中長期の課題を捉え、人的資本に関する施策を検討、実行しています。
(注) 1.当社グループは、不動産事業を中核とするポートフォリオ経営を推進しておりますが、連結子会社ごとに異なる事業セグメントを担っているため、現時点においては当社グループとして統一されたKPIを設定し、画一的な施策を推進することが合理的でないとの判断により、トーセイ株式会社のみの指標及び目標としております。
2.4は、定期的に実施している従業員満足度調査における「仕事の満足度」の評価尺度(5段階)の内、上位2項目を選択した割合。
当社グループの経営成績、株価および財政状況等に影響を及ぼす可能性が考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであり、リスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避と発生した場合の対応に努力する方針であります。また、以下の記載は、当社グループの事業もしくは当社株式への投資に関するリスクを完全に網羅するものではありません。
当社グループが所有するオフィスビルや商業施設への需要は景気の動向に左右されうること、また住宅購入顧客の購買意欲は景気の動向やそれに伴う雇用環境等に影響を受けやすい傾向にあること、不動産市況の悪化による地価等の下落に影響を受けやすい傾向にあること、等から、今後、国内外の経済情勢が悪化したことにより、不動産への投資意欲の低下、不動産取引の減少、空室率の上昇や賃料の下落といった事態が生じた場合には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、定期的に景気動向・不動産市況等のモニタリングを行うとともに、エリア・規模・用途・物件特性に応じたマーケット観の醸成、投資判断力・リーシング力の強化等により、リスクの低減を図ってまいります。
将来発生が懸念されている首都圏における大地震をはじめ、暴風雨、洪水等の自然災害、戦争、テロ、火災等の人災が発生した場合には当社グループが投資・運用・開発・管理を行っている不動産の価値が大きく毀損する可能性があるほか、被災による需要減少に伴うホテル稼働率の低下等が生じる可能性があり、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、グループ主要各社においてBCP(事業継続計画)を策定し、被災時でも重要な事業を継続または早期復旧できるよう準備を行っております。
当社グループの事業に係る土地、建物取得費および建築費等は、主として個別案件毎に金融機関からの借入金によって調達しているため、総資産に占める有利子負債の比率が常に一定程度あることから、将来において、急激な金利上昇や金融機関の融資姿勢に重大な変化が生じた場合には、調達環境の悪化により、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、一部の借入金に財務制限条項が付されており、条項に抵触し一括返済をする場合のほか、案件の売却時期の遅延や売却金額が当社の想定を下回った場合には、当社グループの資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、定期的に金利動向や金融機関の融資姿勢についてモニタリングを行うとともに、借入における機動的な資金確保のための融資枠設定や金利固定化を行う等、安定的かつ経済的な資金調達に努めております。
① 法的規制
会社法や上場会社としての金融商品取引法の規制のほか、当社グループの事業において関連する主な法的規制は下表のとおりであります。
今後これらの法的規制が強化される場合には規制遵守に向けた対応のためのコスト増加の可能性があります。
② 免許、許認可等
当社グループの事業は、上表の法的規制に基づく以下の関連許認可等を得て行っております。当社グループは、これらの許認可等を受けるための諸条件および関係法令の遵守に努めており、現時点において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかしながら、法令違反等によりこれらの許認可等が取り消される、あるいは一定期間の営業活動停止等の行政処分等がなされた場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、今後これらの規制の強化、または新たな規制の導入により、事業活動が制約された場合、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、関係法令の改廃情報および監督官庁からの発信文書の内容をリスク・コンプライアンス委員会等において共有、協議し、課題等の早期把握や対応に努めております。また、コンプライアンスに関する継続的な啓蒙活動や研修等により法令遵守の徹底を図っております。
(当社)
(トーセイ・コミュニティ㈱)
(トーセイ・アセット・アドバイザーズ㈱)
(トーセイ・ロジ・マネジメント㈱)
(トーセイ・ホテル・マネジメント㈱)
<トーセイホテルココネ神田>
<トーセイホテルココネ上野>
<トーセイホテル&セミナー幕張>
<トーセイホテルココネ浅草蔵前>
<トーセイホテルココネ上野御徒町>
<トーセイホテルココネ浅草>
<トーセイホテルココネ鎌倉>
<トーセイホテルココネ築地プレミア>
<トーセイホテルココネ蒲田>
(㈱プリンセススクゥエアー)
(トーセイ・アール㈱)
(岸野商事㈱)
(磯子アセットマネジメント㈱)
(芝浦レジデンシャル㈱)
会計基準、不動産税制に関する変更があった場合、資産保有および取得・売却時のコストの増加等により当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、会計基準及び不動産税制の変更に関して適時に情報を収集することで、当社グループの経営成績、財務状況に与える影響を早期に把握するよう努めております。
当社グループは、不動産テックビジネスであるクラウドファンディング、セキュリティ・トークンやデジタルマッチングを活用した不動産事業の推進に取り組んでおります。これら事業の業績には様々な不確実性を伴うため、想定しうるリスクに対する内部管理体制の構築、人材の充実、保険の付保等を行っておりますが、想定を超えるリスクの発生、法令や諸規制の変更によっては、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、可能な限りリスクを想定した内部管理体制の構築、人材の充実、保険の付保等を行うとともに、事業戦略の進捗状況や事業環境の変化等について定期的にモニタリングを行い、環境変化に応じた戦略の見直しを適時に行っております。
当社グループの事業の特性に鑑み、人材は極めて重要な経営資源であり、事業継続、拡大のためには、優秀な人材を確保し、育成することが不可欠となります。
少子高齢化に伴う労働人口の減少、従業員の働きがいや企業への共感を重視する価値観の広がりなど、労働市場の構造は大きく変化しており、人材の流出、人材の継続的な確保や育成が不十分である場合には、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、「人を経営の根幹とし、心豊かな真のプロフェッショナルを育成し続ける」という経営理念のもと、従業員の健康と安全を重要な経営課題と捉え、従業員がいきいきと働ける職場環境を整備し、健康維持・増進の施策を積極的に取り組んでおります。
サステナビリティに配慮したESG経営の重要性は、その実効性や評価基準に対する再考の動きが一部で見られるものの、引き続き認識されております。当社グループの取組みが適切に行われず対応に遅れや不備が発生した場合、地域社会や顧客、取引先、従業員、投資家、市場からの信頼(特にESGの表面的な評価に留まらない、事業への本質的な貢献度に対する評価)を損ない、当社グループの事業戦略や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、環境分野においては世界的に気候変動の影響がより一層顕著となり、気候変動に伴う物理的な被害や気候関連の規制強化、脱炭素・低炭素社会への移行に対する適切な緩和策と適応策の取り組みに遅れや不備が生じた場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、社会分野では人材の多様性の確保を含む人材育成や登用、社内環境整備等、人的資本経営に関する体制整備や実行計画、情報開示等に遅れや不備が生じた場合、企業価値創造の源泉となる中核人材の確保や市場からの評価など、当社グループの人材戦略および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、「トーセイグループESG方針・ESG行動指針」、「トーセイグループ人権方針」、「トーセイグループ環境ポリシー」、「トーセイグループ健康経営方針」などを制定の上、「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティ推進体制を整備、強化するとともに、実質的な企業価値向上とリスク低減に資するESG経営の実践および地球環境の負荷軽減への取り組みの推進を通じて、サステナビリティ課題のリスク低減に努めております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 事業環境と経営成績等の状況に関する認識
当連結会計年度(2024年12月1日~2025年11月30日)における我が国経済は、米国の相互関税措置等の影響が一部産業にみられるものの、緩やかに回復しています。先行きについては、雇用・所得環境の改善等を背景とした景気回復が期待されますが、米国相互関税措置等の影響や物価上昇の継続が国内景気の下押しリスクとなっており、金融資本市場の変動等と合わせて動向に留意が必要です。
当社グループが属する不動産業界においては、国内外投資家による投資需要の拡大やオフィスを中心とした大型物件取引の増加等を背景に、2025年1月~9月の国内不動産投資額は過去最高の4兆7,100億円(前年同期比22%増加)となり、世界都市別投資ランキングでは東京は1位を維持しています。国内金利は上昇しているものの、賃料上昇等に伴う企業・投資家の不動産投資戦略の変化が不動産取引の増加要因となっており、今後も堅調な投資需要は継続するとみられていることなどから、2025年通年の不動産投資額は過去最高の6兆円を超える見込みです(民間調査機関調べ)。
首都圏分譲マンション市場では、建築費高騰等を背景にデベロッパーが採算性の観点で供給を抑制しており、2025年1月~10月の新築発売戸数は14,584戸(前年同期比2.5%減少)と過去最低を記録した前年度と同水準で推移しています。平均発売価格は供給減や建築費の価格転嫁に伴い上昇を続けており、2025年10月時点で9,895万円(前年同月比7.1%上昇)となりました。また、首都圏中古マンション市場では、2025年1月~10月の成約戸数は40,704戸(前年同期比31.9%増加)となり、2025年10月時点の平均価格は6,115万円(前年同月比25.7%上昇)となりました。引き続き、新築分譲マンションの供給減や価格高騰により、中古マンションへの需要シフトは強まっており、平均価格の上昇傾向は続いています。首都圏分譲戸建市場では、2025年1月~10月の新設住宅着工戸数は42,052戸(前年同期比5.4%減少)となり、引き続き減少傾向となっています(民間調査機関調べ)。
2025年1月~10月の建築費坪単価は、鉄骨鉄筋コンクリート造が1,604千円/坪(前年同期比9.5%低下)、木造が767千円/坪(同5.5%上昇)となりました。資材価格や労務費等各費用の高騰を背景に、建築費の高値圏での推移は継続しています(国土交通省調べ)。
東京都心ビジネス5区のオフィスビル賃貸市場では、2025年10月の平均賃料は21,261円/坪(前年同月比5.4%上昇)、平均空室率は2.6%(同1.9ポイント低下)となりました。企業の事業拡大や拡張移転等に伴う強いオフィス需要により賃料・空室率ともに引き続き好調に推移しています。2026 年には過去 10 年の平均供給量と同程度の約90万㎡の新規供給が予定されていますが、企業による旺盛なオフィス需要に支えられ、空室率の上昇は限定的、賃料も上昇傾向が継続するとみられています(民間調査機関調べ)。
首都圏賃貸マンション市場では、2025年10月の平均募集賃料は12,856円/坪(前年同月比9.0%上昇)となり、都心部の賃料上昇が牽引し、首都圏全体での賃料は上昇傾向が継続しています。また、J-REITが東京圏で保有するマンションの2025年8月末時点の平均稼働率は97.5%(同0.6ポイント上昇)となり、賃貸マンションに対する旺盛な需要を背景に好調に推移しています(民間調査機関調べ)。
首都圏物流施設賃貸市場では、2025年10月時点の賃貸ストックは1,135万坪(前年同月比6.4%増)、募集賃料は4,540円/坪(同5.0%下落)、空室率は8.5%(同0.2ポイント低下)となりました。都心部の需給改善は進んでいるものの、郊外部では空室期間が長期化している物件も多く、首都圏全体では空室率は高止まり、賃料は低下しています。今後、新規供給が徐々に抑制される見込みですが、苦戦が続く郊外部では需給改善は緩やかなペースに留まるとみられています(民間調査機関調べ)。
不動産ファンド市場では、2025年10月時点のJ-REITの運用資産額は23.9兆円(前年同月比0.4兆円増加)、2025年6月末時点の私募ファンドは運用資産額44.9兆円(同6.3兆円増加)となり、証券化市場規模は合計で68.8兆円まで拡大しています(民間調査機関調べ)。
東京都のビジネスホテル市場は、2025年1月~9月の平均客室稼働率は80.6%(前年同期比1.2ポイント低下)、東京都の全施設タイプにおける同期間の延べ宿泊者数は 7,898万人(同3.1%減少)となりました。ホテル客室単価の上昇により国内旅行者が減少しているものの、客室単価上昇を支える海外宿泊者は過去最高を記録した昨年を上回るペースで増加しており、引き続き、堅調なインバウンド需要がホテル市場を牽引しています。一方で、足元では中国当局による日本渡航自粛要請等により、インバウンド需要への影響が見込まれるため、当面は動向に注視が必要です(観光庁調べ)。
このような事業環境の中、当社グループは不動産再生事業や不動産開発事業においては、当期も引き続き物件販売ならびに将来の収益の源泉となる収益不動産や開発用地の取得を進めてまいりました。また、ホテル事業ではインバウンド需要を取り込むとともに、不動産ファンド・コンサルティング事業におけるアセットマネジメント受託資産残高の伸長に努め、そのAUMは2兆6,627億円となりました。
以上の結果、当連結会計年度は、売上高94,688百万円(前連結会計年度比15.2%増)、営業利益22,336百万円(同20.8%増)、税引前利益20,631百万円(同18.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益14,754百万円(同23.1%増)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(不動産再生事業)
当連結会計年度は、「T's garden東陽町」(東京都江東区)、「T's garden東尾久」(東京都荒川区)、「T's garden西大島」(東京都江東区)等34棟のバリューアップ物件及び中古区分マンション105戸を販売いたしました。
仕入につきましては、収益オフィスビル、賃貸マンション等を合わせて38棟、土地5件及び中古区分マンション81戸を取得しております。
以上の結果、不動産再生事業の売上高は39,150百万円(前連結会計年度比5.2%増)、セグメント利益は6,324百万円(前連結会計年度比6.1%増)となりました。
(不動産開発事業)
当連結会計年度は、物流施設「T's Logi佐野」(栃木県佐野市)、賃貸マンション「THE PALMS千葉中央」(千葉県千葉市)、「THE PALMS柏」(千葉県柏市)等12棟を販売いたしました。また、戸建住宅では「THEパームスコート桜新町」(東京都世田谷区)等において、50戸を販売いたしました。
仕入につきましては、ホテル開発用地4件、賃貸マンション開発用地1件、賃貸アパート開発用地18件、58戸分の戸建住宅開発用地を取得しております。
以上の結果、不動産開発事業の売上高は23,068百万円(前連結会計年度比38.5%増)、セグメント利益は5,730百万円(前連結会計年度比15.5%増)となりました。
(不動産賃貸事業)
当連結会計年度は、保有する賃貸物件のリーシングに注力しました。
当連結会計年度末の賃貸物件数は、物件取得31棟及び賃貸開始18棟、物件売却38棟及び賃貸終了2棟に伴い、前連結会計年度末の123棟より、9棟増加し132棟となりました。
以上の結果、不動産賃貸事業の売上高は9,025百万円(前連結会計年度比11.6%増)、セグメント利益は4,938百万円(前連結会計年度比20.9%増)となりました。
(不動産ファンド・コンサルティング事業)
当連結会計年度は、前連結会計年度末のアセットマネジメント受託資産残高(注)2,443,808百万円から、ファンドの物件売却等により226,911百万円の残高が減少した一方で、新たにアセットマネジメント契約を受託したことにより、445,839百万円の残高が増加し、当連結会計年度末のアセットマネジメント受託資産残高は2,662,737百万円となりました。
以上の結果、不動産ファンド・コンサルティング事業の売上高は8,932百万円(前連結会計年度比31.0%増)、セグメント利益は5,471百万円(前連結会計年度比43.1%増)となりました。
(注) アセットマネジメント受託資産残高には、一部コンサルティング契約等に基づく残高を含んでおります。
(不動産管理事業)
当連結会計年度は、新規契約の獲得及び既存契約の維持に努めました。当連結会計年度末での管理棟数は、オフィスビル、ホテル及び物流施設等で570棟、分譲マンション及び賃貸マンションで399棟、合計969棟(前連結会計年度末比6棟増加)となりました。
以上の結果、不動産管理事業の売上高は7,375百万円(前連結会計年度比3.8%増)、セグメント利益は1,168百万円(前連結会計年度比12.4%増)となりました。
(ホテル事業)
当連結会計年度は、国内需要の回復とインバウンド需要の取り込みにより、客室稼働率及び客室単価が向上し、売上高、セグメント損益ともに前年同期を大きく上回りました。
以上の結果、ホテル事業の売上高は7,137百万円(前連結会計年度比13.3%増)、セグメント利益は2,809百万円(前連結会計年度比27.3%増)となりました。
② 経営成績等に関する分析・検討内容
当連結会計年度は、世界の不動産投資需要が拡大する中、国内不動産投資市場においても引き続き国内外投資家による活発な投資活動が継続しました。その背景としては、懸念されていた金利上昇が緩やかなペースに留まっていることや、首都圏都市部を中心としたオフィス・住宅への旺盛な投資需要やインフレに伴う賃料上昇などがあります。
このような事業環境のなか、当連結会計年度の業績は、連結売上高は946億円(期初計画比7.2%減)、連結営業利益は223億円(同8.2%増)、連結税引前利益は206億円(同9.7%増)となりました。不動産再生事業においては上半期までに期初想定を上回る利益率での物件販売を多数実現し、また、不動産ファンド・コンサルティング事業では大型案件を新規に受託するなど業績を拡大し、ホテル事業も堅調なインバウンド需要により好業績となりました。下半期においては、継続的な利益成長の観点から不動産再生事業における一部物件の販売時期を戦略的に翌期以降に変更しました。その結果、連結売上高は期初計画比で減収となりましたが、連結税引前利益・連結当期利益は4期連続で過去最高を更新するとともに、当社グループの中期経営計画「Further Evolution 2026」の最終年度の連結税引前利益の計画値を1年前倒しで達成しました。
事業セグメント別では、当社の主力事業である不動産再生事業において、1棟収益マンションや、都心5区に位置する高額区分マンションの販売が好調に推移しました。また、不動産開発事業においては、国内外機関投資家向けに1棟物件を7棟売却したほか、建築費の高止まりへの対応として新たに注力アセットと位置付けた木造賃貸アパート開発では、「T’s Cuore」シリーズ計5棟を販売しました。
また、当社のポートフォリオ経営において安定事業と位置付ける事業のうち、不動産賃貸事業については、不動産再生事業の販売計画の見直しにより賃貸物件が増加したことや、保有物件の賃料引上げにより、期初計画を上回る実績となりました。不動産ファンド・コンサルティング事業では、受託資産残高(AUM)は前期末比2,189億円増の2兆6,627億円まで拡大しました。中でも、世界的な投資会社であるウォーバーグ・ピンカス社が日本の賃貸住宅市場における初の投資案件として手掛けた国内最大級のシェアハウスポートフォリオ「トーキョーベータ」のアセットマネジメント業務を新規に受託するなど、国内外機関投資家の国内不動産投資のパートナーとして着実に成果を積み上げ、期初計画比で大幅な増収増益となりました。不動産管理事業は、管理棟数が微増に留まった結果、期初計画比で減収増益となりました。また、ホテル事業においては、引き続き旺盛なインバウンド需要によって各ホテルの稼働率は高水準で推移し、平均客室単価は全ホテルで期初計画を上回るなど、ホテル収益は前期比で大幅な増収増益を達成しました。
今後も成長性と安定性を両立させるポートフォリオ経営を軸に、各事業の更なる進化・成長を目指し邁進してまいります。
(2) 生産、受注及び販売の状況
当社グループは、不動産再生事業、不動産開発事業、不動産賃貸事業、不動産ファンド・コンサルティング事業、不動産管理事業及びホテル事業を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
当社グループにおいて受注生産を行っておりますが、グループ事業全体における重要性が低いため、受注実績の記載はしておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
当連結会計年度末における財政状態は、総資産307,427百万円(前連結会計年度末比11.1%増)、負債204,591百万円(同10.0%増)、資本102,836百万円(同13.2%増)となりました。また、親会社所有者帰属持分比率は33.4%(前連結会計年度末は32.7%)となっております。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、220,251百万円となり、前連結会計年度末に比べ29,921百万円増加しております。これは主に、当社グループの主力事業であります不動産再生事業及び不動産開発事業において、物件の仕入が売却を上回ったことによる棚卸資産の増加(前連結会計年度末比23,540百万円増)等によるものであります。
(非流動資産)
当連結会計年度末における非流動資産の残高は、87,175百万円となり、前連結会計年度末に比べ690百万円増加しております。これは主に、その他の金融資産の増加(前連結会計年度末比2,106百万円増)等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、42,884百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,235百万円増加しております。これは主に、有利子負債の増加(前連結会計年度末比6,839百万円増)等によるものであります。
(非流動負債)
当連結会計年度末における非流動負債の残高は、161,707百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,406百万円増加しております。これは主に、有利子負債の増加(前連結会計年度末比9,899百万円増)等によるものであります。
(資本)
当連結会計年度末における資本の残高は、102,836百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,969百万円増加しております。これは主に、利益剰余金の積み上げ、配当金の支払等によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,730百万円増加し、39,604百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、1,736百万円(前連結会計年度比86.7%減)となりました。これは主に、税引前利益20,631百万円、棚卸資産の増加23,135百万円、法人所得税の支払額6,573百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、3,493百万円(前連結会計年度比37.7%減)となりました。これは主に、貸付金の実行による支出9,149百万円、貸付金の回収による収入6,509百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、9,946百万円(前連結会計年度比30.6%減)となりました。これは主に、長期借入れによる収入59,744百万円、長期借入金の返済による支出44,136百万円、配当金の支払額3,827百万円等によるものであります。
キャッシュ・フロー指標のトレンド
親会社所有者帰属持分比率 :親会社所有者帰属持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い
(注1) いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2) 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
(注3) キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
(注4) 有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利息を支払っている全ての負債を対象としております。
(注5) 2024年11月期及び2025年11月期は、連結キャッシュ・フロー計算書の営業キャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについて記載しておりません。
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針、4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載されているとおりであります。
(6) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標について
中期経営計画「Further Evolution 2026」(2023年12月~2026年11月) の計画数値に対する当連結会計年度の実績については以下の通りとなっております。
当連結会計年度の経営成績の分析につきましては前述の「(1)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」をご参照ください。
<定量計画(連結)>※下線部を修正しております。
業績動向並びに事業環境の見通しを踏まえ、以下の通り計画を修正しております。
<中期経営計画「Further Evolution 2026」定量計画(連結)当初計画(2024年1月12日発表)>
<中期経営計画「Further Evolution 2026」定量計画(連結)実績および修正計画(2025年1月10日発表)>
<中期経営計画「Further Evolution 2026」定量計画(連結)実績および修正計画(2026年1月14日発表)>
当社グループの事業活動における資金需要は、主に事業用建物および土地の仕入に関するものであります。当社グループはこれらの需要について、自己資金に加え、銀行借入を中心に機動性と長期安定性を重視した資金調達を実施しております。
1. 名古屋鉄道株式会社との資本業務提携契約
当社は、当社の株主である名古屋鉄道株式会社(証券コード:9048、本社:愛知県名古屋市、取締役社長:髙﨑裕樹、以下「名古屋鉄道」という。)との間で、2024年5月24日付で資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といい、本資本業務提携契約に基づく資本業務提携を「本資本業務提携」という。)を締結いたしました。
契約に関する内容等は以下の通りです。
(1) 本資本業務提携の概要
(2) 企業・株主間のガバナンスに関する合意
① 合意の内容
(イ) 役員候補者指名権の合意
本資本業務提携契約において名古屋鉄道は当社の取締役会のスキルマトリックスその他取締役会の構成の観点から適切な業務執行取締役の候補者1名を指名することができる旨を合意しております。
(ロ) 議決権行使内容を拘束する合意
名古屋鉄道は、上記(イ)に基づき指名した取締役以外の当社取締役および監査役の選任に係る議案について、指名報酬諮問委員会の答申の内容を最大限尊重してその議決権を行使する旨の合意をしております。
(ハ) 事前承諾事項等に関する合意
名古屋鉄道および当社は、本資本業務提携に重大な悪影響を与える業務提携を決定、遂行又は実行しようとする場合には、相手方当事者の事前の書面による承諾を得なければならないものとし、かかる承諾なしに、当該事項を決定、遂行又は実行(関連する契約の協議、締結等を含むがこれらに限られない。)してはならない旨の合意をしております。
また、以下の事項に関して、事前協議する旨の合意をしております。
イ 株式又は新株予約権の発行又は処分その他当社による名古屋鉄道の議決権比率を、15.48%(以下「基準議決権比率」という。)から減少させる一切の行為。但し、(i)買収防衛策の発動に基づく行為および(ii)当社の役職員を対象とするインセンティブプランのうち、2024年1月25日付取締役会において決議された業績連動型譲渡制限付株式報酬制度および事後交付型譲渡制限付株式報酬制度に基づく自己株式の処分又は株式の発行等に基づく行為(名古屋鉄道の議決権比率が15%未満となる場合を除く。)を除く。
ロ 本業務提携に重大な悪影響を与える合併、会社分割、株式交換、株式移転、株式交付、事業の全部又は重要な一部の譲渡又は譲受、重要な子会社の異動を伴う株式又は持分の譲渡若しくは譲受け。
ハ 本業務提携に重大な悪影響を与える重大な子会社に係る上記(イ)(ロ)に掲げる行為
② 合意の目的および取締役会における検討状況その他の当該提出会社における当該合意に係る意思決定に至る過程
上記の合意を含む本資本業務提携契約の締結に当たっては、特別利害関係人に該当するおそれのある代表取締役社長山口誠一郎を除いた取締役で構成される取締役会における取締役会決議により意思決定しております。かかる取締役会の決議は、同氏を除く当社の取締役8名全員一致の賛成により行われ、当社の監査役4名全員がかかる決議に異議がない旨の意見を述べております。
当社は、本資本業務提携契約の交渉過程において、相互に企業価値の向上を図る本資本業務提携を強固かつ円滑に推進するため、当社の業務執行取締役候補者1名を指名する旨の合意を含むかたちで契約を締結する旨 、名古屋鉄道との間で協議を行いました。当社取締役会において検討を行った結果、今後の環境変化への対応力強化を見据え、財務的信用力が高く不動産取得能力がある名古屋鉄道と提携、協働して不動産事業に取り組むことが最善の成長戦略であると認識し、当社グループの企業価値の源泉である「不動産ソリューション力」・「ポートフォリオ・マネジメント力」・「グローバル・リーチ力」を活かし、名古屋鉄道の強みである名古屋鉄道グループの持つ顧客層や中部圏に根差した確かな提案力を併せて活かすことにより相乗効果を生み出すことで、両社の企業価値の最大化が期待できるとの判断に至り、当社と名古屋鉄道は2024年5月24日付で当該合意内容を含む本資本業務提携契約を締結することといたしました。
③ 当該合意が当社の企業統治に及ぼす影響
上記の合意を含む本資本業務提携契約において、名古屋鉄道は、当社の経営理念および経営方針ならびにプライム市場上場会社としての経営の自主性および独立性を維持および最大限尊重するとともに、当社の少数株主を含む当社の株主共同の利益に最大限配慮するものとしており、上記の合意が当社の企業統治に及ぼす影響は限定的であります。
(3) 企業・株主間の株主保有株式の処分・買い増し等に関する合意
① 合意の内容
(イ) 保有株式の譲渡等の禁止・制限の合意
名古屋鉄道は、株式譲渡の実行から5年間、当社の事前の書面による承諾なく、当社株式の譲渡その他処分を行わない旨の合意をしております。
(ロ) 保有株式の買い増しの禁止に関する合意
名古屋鉄道は、当社の事前の書面による承諾なくして、名古屋鉄道およびそのグループ会社が保有する議決権比率を上昇させることとなる行為(基準議決権比率を超えない範囲で行われるものを除く。)を行わない旨の合意をしております。
(ハ) 株式の保有株式の比率の維持の合意
名古屋鉄道は、名古屋鉄道グループの議決権比率が上昇した場合は、実務上合理的な範囲内で速やかにその割合が上昇前の比率以下になるよう、法令上許容される範囲かつ当社の承諾する方法で必要かつ合理的な措置を講じる旨の合意をしております。
また、当社が役職員を対象とするインセンティブプランに基づく株式発行等を行おうとする場合(名古屋鉄道の議決権比率が15%未満とならない場合を除く。)は、名古屋鉄道に当社の普通株式の発行等に係る市場価格での引受の機会を与える旨、併せて合意しております。
(ニ) 契約解消時の保有株式の売渡請求の合意
名古屋鉄道が株式譲渡の実行から5年が経過した後、その保有する当社の株式等の譲渡その他処分をしようとする場合、その時期、方法および相手方について、当社との間で協議する旨の合意をしております。
② 合意の目的および取締役会における検討状況その他の当該提出会社における当該合意に係る意思決定に至る過程
上記の合意を含む本資本業務提携契約の締結に当たっては、特別利害関係人に該当するおそれのある代表取締役社長山口誠一郎を除いた取締役で構成される取締役会における取締役会決議により意思決定しております。かかる取締役会の決議は、同氏を除く当社の取締役8名全員一致の賛成により行われ、当社の監査役4名全員がかかる決議に異議がない旨の意見を述べております。
当社は、本資本業務提携契約の交渉過程において、当社における経営の独立性を確保しつつ、互に企業価値の向上を図る本資本業務提携を強固かつ円滑に推進するため、名古屋鉄道が保有する株式の処分・買増し等に関する合意を含むかたちで契約を締結する旨、 名古屋鉄道との間で協議を行いました。当社取締役会における審議を経て、当社と名古屋鉄道は、両社の不動産事業の協業の可能性について検討を重ねた結果、 当社グループの企業価値の源泉である「不動産ソリューション力」・「ポートフォリオ・マネジメント力」・「グローバル・リーチ力」を活かし、名古屋鉄道の強みである名古屋鉄道グループの持つ顧客層や中部圏に根差した確かな提案力を併せて活かすことにより相乗効果を生み出すことが可能となり、両社の企業価値の最大化が期待できることから、本資本業務提携を行うことについて合意に至り、2024年5月24日付で当該合意内容を含む本資本業務提携契約を締結することといたしました。
2. 財務上の特約が付された金銭消費貸借契約
財務上の特約が付された金銭消費貸借契約を締結しております。契約の概要は以下のとおりであります。
※ 各金銭消費貸借契約に付された財務制限条項の特約要件は下記のとおりであります。
要件1.連結財政状態計算書における資本合計が、前連結会計年度末以前の特定連結会計年度末における資本合計又は前連結会計年度末の資本合計のいずれか大きい方の75%以上を維持すること
要件2.連結包括利益計算書における営業利益又は税引前利益を0円以上に維持すること。但し、連結包括利益計算書に係る注記記載の売上原価に含まれる棚卸資産評価損を加算した値を使用すること
要件3.総有利子負債額を純資産額で除した基準値が2.8を上回らないこと
該当事項はありません。