第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

  《理念》

  当社グループの経営理念の根幹は、「和の魂」にあります。「和の魂」とは、お互いが持つ個の力を連携し、それを組織の力にしていく「和の精神」であります。「安心」、「安全」、「信頼」という絆作りを追求し、魅力ある会社を創造し、会社の発展と社会に貢献してまいります。魅力ある会社とは、「商品・サービスを買いたい」、「取引したい」、「勤めたい」、「投資したい」会社であります。

 1)ミッション

 ① 「より良いソリューション・顧客満足度の高い製品・サービス」を提供します。

 ② 世界に通用する「P(人・プロセス・プロダクト)」により社会に貢献します。

 ③ 「ダイヤモンド経営」を実践します。

 

 2)ビジョン

 ① 高付加価値を創造する企業を目指します。

 ② 社員満足度の高い会社を目指します。

 ③ 社会に認められる製品・サービスの開発・創出を目指します。

 

 3)バリュー

 品質・環境・技術のバランスを考え、本質を追求した事業を行います。

 ① 「品質」:品質第一主義に徹した高品質なシステム開発を行い、お客様の信頼に応える事業活動を推進します。

 ② 「環境」:環境への配慮とは何か、その本質を追求し、地球環境保全に配慮した事業活動を推進します。

 ③ 「技術」:時代のニーズに合う最適・最先端の技術を取り入れ、さらに、新たなるチャレンジに踏み出すため「半歩先」の技術を習得する努力を続け、お客様が安心できるサービスの提供を目指し、事業活動を推進します。

 

(2)目標とする経営指標

  当社グループは、売上総利益及び営業利益を経営指標の一つとしており、適正な利益の確保と継続的な拡大を経営目標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

  当社は、2030年7月期を最終年度とする中期経営計画「DCX 2030」(Daiwa Computer Transformation 2030)を策定いたしました。本中期経営計画は、創業50周年を迎える2027年を一つの節目と捉え、第二創業期としての変革を推進する事を目的としております。

  この「DCX 2030」を実現するべく、下記の3つの成長戦略の軸を設定し、中長期的な成長に向けて事業と人材への投資を積極的に実施いたします。

 

 1)事業基盤の強化・再構築

 ① AI(*1)利活用によるソフトウェア開発の生産性の向上。

 ② ソフトウェア開発に関するプロジェクトマネージャー人員の増加。

 ③ 自社クラウドサービスやスマート農業への資本投下を強化。

 

 

 2)ソリューション提案の推進

 ① パートナー企業と共に顧客課題解決に向けた高付加価値のソリューション提案を拡大。

  企業のDX(*2)化やシステム刷新の需要継続・拡大へ更なる対応を可能にする体制構築。

 ② NFC(*3)を活用したマーケティングツールを起点に、新規顧客基盤を拡大。

 

 3)人的資本への積極投資

 ① 高品質なサービスを開発できる社内教育制度の再整備。

 ② 従業員エンゲージメントを高め、業績や労働生産性の向上。

 ③ 従業員スキルの可視化。必要スキルへの戦略的投資。

 ④ 快適なオフィス環境整備と働きがい溢れる職場づくり。

 

(4)会社の対処すべき課題

  「DCX 2030」に基づき、当社は以下の課題に重点的に取り組み、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。

 

 1.既存事業の深化と重点注力事業の拡大

 当社は、長年にわたりソフトウェア開発を中核事業として、製造・流通・サービス分野を中心に高品質なシステムを提供してまいりました。今後もこれらの分野において、顧客ニーズの高度化に対応し、安定的な収益基盤の維持・強化を図ってまいります。

 一方で、クラウドサービス、スマート農業(i-農業®)(*4)などの事業領域においては、社会課題の解決と技術革新の両立を目指し、ソフトウェア開発に並ぶ収益の柱として拡大を進めてまいります。

 1)ソフトウェア開発

① 既存取引先との良好な関係をさらに深化させ、協業体制の強化を通じて事業の拡大を図ります。

② 多様な案件に対応可能な高度な技術力を持つエンジニアの育成を推進します。

③ 生産性向上を目的として、生成AIの利活用を積極的に進めます。

 2)クラウドサービス

① 利用者に選ばれ、継続的に利用される価値あるサービスの提供を目標に、サービスの魅力向上と他社サービスとの差別化を追求します。

② 認知度向上を目的に営業施策を再構築します。

③ 安心、安全な利用環境の提供に向けて、サービス基盤の強化を進めます。

 3)スマート農業

① 農業の生産性、安定性、持続性の向上を目的とし、情報通信技術(ICT)を活用した製品・サービスの開発を推進します。

② スマート農業事業の拡大に向けて、投資効果の高い設備投資を戦略的に実行します。

 

 2.人的資本への投資

 IT業界において競争力の源泉は人材であり、当社は高度な技術力と業界知識を持つ人材の育成に注力しております。次世代人材の育成、働き方改革、キャリア形成支援などを通じて、人的資本への投資を加速させ、組織力の向上を図ってまいります。

 1)これまで新卒採用を中心にエンジニアの育成を進めてまいりましたが、今後は人材確保手段の多様化を図り、即戦力となる中途採用の強化に取り組みます。

 2)人材育成のさらなる強化を目的として、積極的な教育・育成投資を実施します。

 3)これらの人的資本への投資を実現するため、人事制度をはじめとする各種制度の改善を実施します。

 

 

 3.AI関連事業への取り組み

 1)生成AIを利活用できるエンジニアの育成を推進します。

 2)自社サービスの魅力向上を目的に、AI機能を積極的に導入します。

 3)生産性向上を図るため、生成AIの利活用を全社的に促進します。

 

 4.RFID(*5)を用いたサービスの更なる展開

 NFCを活用した当社のマーケティングサービスを起点に、新規顧客基盤の拡大を加速します。

 

(5)その他、会社の経営上重要な事項

 該当事項はありません。

 

 

*1.AI(人工知能:Artificial Intelligence)  人間の知的行動を模倣する技術であり、学習、推論、判断を行う能力を持つコンピュータープログラムとして、近年、様々な分野で利活用されています。

 

*2.DX(デジタルトランスフォーメーション)  既存のビジネスから脱却して、IoTやAIなどのIT技術を活用することによって、新たな価値を創出すること。

 

*3.NFC(Near Field Communication)     RFIDの一種で、近距離での無線通信を行う技術です。主にスマートフォンや交通系ICカードでの非接触決済に利用されています。

 

*4.スマート農業                ロボット技術や情報通信技術 (ICT)を活用して、省力化・精密化や高品質生産を実現する等を推進している新たな農業。

 

*5.RFID(Radio Frequency Identification) 微小な無線チップにより人やモノを識別・管理する仕組み。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当社取締役会は、企業理念に基づく事業活動が、サステナビリティ(持続可能性)への取り組みと考えており次の項目に配慮して、持続可能な未来社会を実現するため、地球(環境)に優しい企業を目指し、高品質な製品・サービスの提供を通じて、お客様と共に継続的に発展して参ります。

 ・気候変動などの地球環境問題への配慮

 ・人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇

 ・取引先との公正・適正な取引

 ・自然災害等への危機管理

 

(1)ガバナンス

 当社は、サステナビリティ(持続可能性)を経営の重要課題の1つと認識しており、取締役会、マネージャー会議の場で、サステナビリティに関するリスク管理やKPIの検討、実行状況の監視、監督を行っております。

 

(2)戦略

 ① 気候変動などの地球環境問題への配慮

  ・「環境方針」を定め「顧客へのサービス向上と環境に関する貢献」を最重点テーマとして、省資源、省エネルギーに努め、環境に配慮した製品及びサービスを提供するとともに、持続可能な社会に貢献する事業活動を推進します。また、2000年11月、国際規格ISO14001を認証取得いたしております。

環境方針URL:https://www.daiwa-computer.co.jp/corporate/iso_envi

  ・農業分野にて、ITを利用した「i-農業」を推進しており、食の安全、食の危機を救うことを目的の一つとしております。

 ② 人権の尊重

  ・事業内容の拡大に応じ女性・外国人・中途の採用に努めてまいります。

  ・農業分野に於いて栽培の自動化の推進過程で障害者雇用を検討しております。

 ③ 従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇

  ・個人の能力が組織の中で最大限に活かされるようオフィス環境を整えております。

  ・当社の働き方改革として、テレワーキング、デュアル・ライフ・バランスを推進しております。

 ④ 取引先との公正・適正な取引

   行動規範を定め取締役会、マネージャー会議、期首の経営方針伝達で全員に重要性を伝えております。

 ⑤ 自然災害等への危機管理

   BCPを策定しており、緊急時には当日に80%以上の社員の在宅勤務が可能な体制を取っております。

   また、帰宅困難者のために水や食料品を備蓄しております。

 

(3)リスク管理

 当社では、想定できるリスク発生の可能性について各部門、各グループ会社から情報収集し、リスク事由、その発生可能性の程度を洗い出し、マネージャー会議等を通じて適切な指針・方針を伝達するなどリスク発生の回避に努めており、重要な問題につきましては取締役会で適切かつ迅速に対応しております。

 また、当社はISO9001(品質)、ISO27001(情報セキュリティ)、ISO14001(環境)の認証を取得しており、それらを有機的かつ効率的に結び付けて当社の実情に合った総合的なマネジメントシステムを構築しております。

 よって、認証機関による審査や内部監査では、それぞれの認証の目的や規格の要求範囲にとどまらず経営も含め幅広く対象としております。

 当社に於いて、ISOは最も有効な運用・監視ツールと位置付けており、その運用はISO事務局が担っております。

 

(4)指標及び目標

 サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する当社の実績を長期的に評価、管理するための指標及び目標につきましては、人材育成及び社内環境整備に関する方針を含め、引き続き検討してまいりますが、今後とも、サステナビリティに関する戦略を継続的に進めてまいります。

 

 

3【事業等のリスク】

 当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下の通り記載しております。当社はこれらリスクの発生を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものでありますが、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクをすべて網羅するものではありません。

 

(1)事業環境等

 日本の経済情勢は、国内での経済活動の活発化によって、景気は緩やかな回復が期待される状況が続きました。一方でエネルギー価格の高止まりや金融資本市場の変動、地政学的リスクの変動による影響、また米国新政権による経済・外交政策の世界経済に与える影響に加え、国内では物価上昇の継続に対する懸念がありました。これにより、個人消費の抑制や、海外における社会・経済活動の停滞による企業収益への影響が増し、景気減速懸念が高まる状況にあります。

 情報サービス産業においては、企業のIT投資意欲は幅広い業種にわたり、新しい戦略的で厳選されたIT需要や働き方改革・人手不足への対応やデジタル化による自動化・効率化・省力化等システム投資への需要は堅調に推移しました。

 このような状況の中、当社グループは引き続き新分野への受注活動にも注力しつつ、更なる採算性の重視、ISO9001(*1,2)、CMMI(*3)を基準としたプロセス改善による生産性・品質の向上及び高度化する技術に対応すべく技術者の教育に努めております。しかしながら、取り扱う技術や顧客ニーズの変化など当社を取り巻く事業環境が急激に変化した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

*1.ISO                   品質・環境等マネジメントシステムに関わる国際標準規格。

*2.ISO9001               1987年に制定され1994年、2000年に改訂された品質マネジメントシステムに関わる国際標準。

*3.CMMI                  1999年、米国カーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所が開発したソフトウェア開発プロセスの能力成熟度を評価・判定するモデル。

 

(2)受託開発案件について

 当社グループが行う受託開発においては、次のような事態により経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

① 当社グループの想定を超える納期や検収時期の変更によりプロジェクトの収支が悪化したり、売上計上の遅延により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 業務の請負に際しては、各工程毎に見積りを行いますが、案件が大型化することに伴い、すべてのコストを正確に見積ることの困難さが増し、そのため、実績額が見積り額を超えた場合には、低採算又は採算割れとなる可能性があります。

③ 品質管理には万全を期しておりますが、想定外の不具合が生じた場合、損害賠償の発生やその後の事業活動への影響、販売先あるいはユーザーの信頼を喪失する可能性があります。

④ 受託開発案件の一部について外部の協力会社に外注を行っておりますが、何らかの影響で外注体制に支障をきたした場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 このため、ISO9001及びCMMIに基づく開発プロセス管理、改善によりその品質・納期・コスト・リスク等プロジェクトの管理を徹底しております。また、経営陣と各部門の責任者が、適時リスクの高い案件への対応方針を協議し、決定しております。更に、売上後の追加原価の発生に備えて、プログラム保証引当金を計上しております。

 

 

(3)主要取引先との取引について

 当社グループの主要取引先であるSCSK㈱、㈱大塚商会の最近2期間における当社グループ売上高に占める割合は、それぞれ2024年7月期(37.6%、22.1%)、2025年7月期(31.1%、20.0%)となっております。

 現状では、両社との取引は安定的に推移しておりますが、今後両社の事業動向によっては、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 これらの対応策は、次のとおりであります。

① 取引先に特化したサービスの提供と開発効率化を図ります。

② 多種多様なニーズに応えるべく、技術者のマルチスキル化を図ります。

③ 得意業種に特化した戦略の下、技術者のスペシャリストの育成を図ります。

 

(4)情報管理について

 当社グループは、事業活動において、顧客の機密事項を取り扱う場合があります。現在まで、顧客の機密情報の流出による問題は発生しておりませんが、今後不測の事態により、顧客の機密情報や個人情報の漏洩に類する事態が生じた場合には、信用失墜や損害賠償により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 このため、当社グループでは、ISO27001(ISMS)(*4)の認証取得、プライバシーマークの付与認定取得による情報セキュリティ対策の強化に取り組んでおります。また、情報漏洩、不正アクセスの増加などの社会情勢及びテレワークに対応すべく、継続的に開発環境、製品サービス環境、設備などのセキュリティ強化、情報セキュリティ教育を実施しております。

 

*4.ISO27001  2005年に制定された情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際標準規格。企業が自身の情報セキュリティを確保・維持するために、ルールに基づいたセキュリティレベルの設定やリスクアセスメントの実施等を継続的に運用する仕組みです。

 

(5)優秀な人材の確保と育成

 当社グループにおいては、事業活動において顧客の高度で高品質のニーズに応えるべく、優秀な技術者の確保が必要なものと認識しております。また、情報サービス業界に関わる労働市場の逼迫により当社グループが必要とする優秀な人材が適時に確保できない場合、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 このため、当社グループでは、人材の育成と実務能力の向上を目的として、様々な教育制度を実施するとともに、パートナー政策により継続的に人材の確保を行っております。また、「Daiwa Computer 未来プロジェクト」(*5)の具現化により人財価値の向上に努めるとともに、当社グループ社員のキャリアプラン・教育全般を支援することを目的に2022年2月に「人材育成センター」を設置いたしました。そして、さらなる人材育成強化に向けて、次世代管理職/リーダー育成、及び職務階層別研修制度やジョブローテーション等の仕組みの構築に継続的に取り組んでおります。また、保有スキル、プロジェクト参画情報等の情報を一元管理し人材の育成、活用に取り組むことを目的に人材マネジメントシステムの導入を進めております。

 

*5.Daiwa Computer 未来プロジェクト  「設立50周年(それ以降)に向け、当社の持続可能なビジョンを次世代メンバーにより検討し、素案を策定すること」「ビジョン策定プロセスを通じて、ビジネスとマネジメントを学び、組織とのエンゲージメント(一体感)を高めること」を目標観とした当社の取組み。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

(1)経営成績

当連結会計年度における我が国経済は、国内での経済活動の活発化によって、景気は緩やかな回復が期待される状況が続きました。一方でエネルギー価格の高止まりや金融資本市場の変動、地政学的リスクの変動による影響、また米国新政権による経済・外交政策の世界経済に与える影響に加え、国内では物価上昇の継続に対する懸念がありました。これにより、個人消費の抑制や、海外における社会・経済活動の停滞による企業収益への影響が増し、景気減速懸念が高まる状況にあります。

情報サービス産業においては、企業のIT投資意欲は幅広い業種にわたり、新しい戦略的で厳選されたIT需要や働き方改革・人手不足への対応やデジタル化による自動化・効率化・省力化等システム投資への需要は底堅く推移しました。

このような状況の中、当社グループは引き続き新分野や大型案件への受注活動にも注力しつつ、生産性の向上や業務の効率化を目指し、AIの活用に向けた取組みなど、更なる採算性の重視、品質の向上に努めてまいりました。

その結果、当社グループの当連結会計年度における経営成績は、次のとおりとなりました。

売上高は3,204百万円(前期比2.6%減)、売上総利益は1,052百万円(前期比0.7%減)、販売費及び一般管理費は481百万円(前期比2.7%減)、営業利益は571百万円(前期比1.2%増)となりました。投資有価証券売却益を26百万円計上したことにより営業外収益が53百万円、為替差損が4百万円であったことから営業外費用が5百万円となり、経常利益は619百万円(前期比3.1%増)となりました。税金等調整前当期純利益は、前期計上していた連結子会社である浅小井農園㈱の減損損失がなくなり619百万円(前期比13.8%増)となりました。税金費用は201百万円(前期比0.1%減)となり、その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は417百万円(前期比22.0%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。

 

(ソフトウェア開発関連事業)

対前期比では、中小規模の受託開発案件の比率が高かった前期に対して、当連結会計年度においては、今後の受託開発案件を見込んだ、高い技術力が求められる支援型の案件に顧客のニーズがシフトしたことにより、売上高は2,397百万円(前期比5.1%減)となりました。一方、外注費の減少により売上原価が低減したことから、営業利益は457百万円(前期比3.5%増)となりました。

 

(サービスインテグレーション事業)

ASPサービスは新規契約の伸びが鈍化していることにより、売上高は580百万円(前期比4.8%減)となり、営業利益は130百万円(前期比20.7%減)となりました。

 

(その他事業)

ハードウェアなどのシステム販売が好調であり、農業関連は堅調に推移した事から、売上高は232百万円(前期比42.8%増)となり、営業損失は15百万円(前期は営業損失38百万円)となりました。

 

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ75百万円増加し、3,750百万円となりました。各キャッシュ・フローの増減状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は277百万円(前期は593百万円の収入)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益619百万円、減価償却費35百万円、売上債権の増加による資金の減少73百万円、法人税等の支払額231百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は87百万円(前期は79百万円の収入)となりました。

これは主に、投資有価証券の取得による支出83百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は109百万円(前期は76百万円の支出)となりました。

これは主に、長期借入金の返済による支出35百万円、配当金の支払額73百万円によるものであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

・資金需要の主な内容及び方針

 当社グループは、適正な利益の確保と継続的な事業拡大を図るべく、中長期的な会社の経営戦略に基づき、各種設備、教育・人材育成等への投資を推進しております。サービスインテグレーション関連では、継続的なサービス機能の向上に加え、サーバー等インフラの強化、認知度向上のためのマーケティングへの投資も行っております。RFID(電子タグ)関連では、各種ソリューションとの組み合わせによる、対応分野の拡大、様々なセンシング技術との連携を図りIoT分野への参入に向けてのシステム投資を行っております。さらに、農業に関する活動においては、農業生産設備の維持管理、自営農場での生産活動・実証事業による関連技術の実用化に向けた新分野への投資や大学との共同研究も重要視しております。

 

・資金調達

 これらの資金需要につきましては、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とする自己資金にて対応する考えでありますが、必要に応じて、金融機関からの借入等により対応する所存であります。資金の調達に関しては主要な取引金融機関とは良好な関係を維持しております。

 なお、当社グループの2025年7月末時点における銀行借入等を通じた有利子負債が44百万円であるのに対し、現金及び現金同等物は3,750百万円と有利子負債を大きく上回り、強固な財務基盤を実現しております。

 

・株主還元に関する考え方

 株主還元については、財務状況、収益動向、また将来の事業投資に備えての内部留保などを総合的に勘案した上で、成長を続ける当社グループのキャッシュ・フローを、企業価値の向上とその水準の維持を図ることに最大限活用し、業績拡大に応じた配当の増額を図りたいと考えております。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

第45期

第46期

第47期

第48期

第49期

 

2021年7月期

2022年7月期

2023年7月期

2024年7月期

2025年7月期

自己資本比率(%)

82.5

84.0

83.1

83.3

86.0

時価ベースの自己資本比率(%)

78.9

73.9

63.5

70.6

70.9

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.1

0.1

0.3

0.1

0.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

427.2

316.2

358.6

582.9

2,300.6

 自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

 インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

 (注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

 (注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

 (注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

 (注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、これらの見積りに基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

当社グループの連結財務諸表の作成に用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年8月1日

至 2025年7月31日)

前期比(%)

ソフトウェア開発関連事業(千円)

1,616,003

91.1

サービスインテグレーション事業

(千円)

286,500

104.1

その他(千円)

93,314

106.2

合計(千円)

1,995,818

93.4

 (注)金額は製造原価によっております。

 

 

(2)受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年8月1日

至 2025年7月31日)

受注高

前期比(%)

受注残高

前期比(%)

ソフトウェア開発関連事業(千円)

2,262,976

87.1

531,485

79.8

サービスインテグレーション事業

(千円)

497,394

102.4

130,078

111.8

その他(千円)

127,153

141.5

7,229

30.9

合計(千円)

2,887,523

90.9

668,793

83.0

 

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年8月1日

至 2025年7月31日)

前期比(%)

ソフトウェア開発関連事業(千円)

2,397,518

94.9

サービスインテグレーション事業

(千円)

580,386

95.2

その他(千円)

226,858

145.6

合計(千円)

3,204,763

97.4

 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年8月1日

至 2024年7月31日)

当連結会計年度

(自 2024年8月1日

至 2025年7月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

SCSK㈱

1,236,918

37.6

997,349

31.1

㈱大塚商会

727,514

22.1

640,861

20.0

 

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

  (1)財政状態の分析

① 資産

 当連結会計年度末の資産合計は6,241百万円となり、前連結会計年度末に比べ120百万円の増加となりました。

これは主に、投資有価証券が33百万円減少したものの、現金及び預金が75百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が72百万円それぞれ増加したことによるものであります。

 

② 負債

 当連結会計年度末の負債合計は876百万円となり、前連結会計年度末に比べ143百万円の減少となりました。

これは主に、借入金が35百万円、未払法人税等が40百万円、賞与引当金が29百万円それぞれ減少したことによるものであります。

 

③ 純資産

 当連結会計年度末の純資産合計は5,365百万円となり、前連結会計年度末に比べ264百万円の増加となりました。

これは主に、利益剰余金が、親会社株主に帰属する当期純利益417百万円の計上により増加したものの、剰余金の配当により73百万円減少し、その他有価証券評価差額金が79百万円減少したことによるものであります。

 

  (2)経営成績の分析

「経営成績等の概要 (1)経営成績」をご参照下さい。

 

 (3)キャッシュ・フローの状況

「経営成績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照下さい。

 

 

5【重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

セグメント別の研究開発の状況は、以下のとおりであります。

 

(1)ソフトウェア開発関連事業

該当事項はありません。

 

(2)サービスインテグレーション事業

該当事項はありません。

 

(3)その他

該当事項はありません。

 

(4)全社費用

当社は、農業のICT化への取組みに関する研究開発活動を進めております。

2017年12月には、帝燃産業株式会社との共同研究契約を締結し、LPガスでのメロン栽培の暖房の最適化を行っております。

2020年9月より、国立大学法人静岡大学と共同研究契約を締結し、静岡大学内の農知創造研究所と近未来に予想される食糧危機問題に対し、定量的かつ省力化されたエコロジカルな次世代栽培システムを構築し、問題解決に寄与することを目的に共同研究を実施しております。また、静岡大学との共同研究により、温室メロンの網目の品質を認識可能な等級判定AI(人工知能)の研究開発に成功しており、等級判定の認識精度が向上しております。

さらに、栽培状況の定量化に向けた植物体の実態把握を目的とした共同研究を実施しております。

上記の研究開発活動に係る支出については、特定のセグメントに帰属しない全社費用として管理する方針としております。なお、当連結会計年度における研究開発費は、5,405千円であります。