文中の将来に関する事項は、提出日時点において、当社が判断したものです。
当社は経営理念として、以下のユメ、ミッション、価値観を掲げています。
近年、わが国では、ITが生活に浸透し、あらゆる領域におけるIT化が進んでいることや、IoT・AIなどの先端的な技術を活用したビジネスのデジタル化への注目が高まっており、ITに関するニーズはますます拡大しています。
さらに「新型コロナウィルス」の感染拡大が引き起こした社会構造の地殻変動のなかで、サービス、社会インフラ、ライフスタイル、ワークスタイルなどあらゆる場面においてデジタルトランスフォーメーション、いわゆる「DX」の推進が期待されています。中でも、当社が軸足を置くスマートフォンアプリ関連市場は、DXの中核となる分野の一つとして重要性が高まっています。
当社は、こうした良好な市場環境を背景に、創業以来のモノづくりの精神により価値あるサービスを提供し、顧客から「頼られる存在」となることにより、事業成長を図っていきたいと考えています。
また、わが国では、こうしたニーズを担う「IT人材」の供給が追いついていない状況にあります。経済産業省が2016年に公表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、わが国におけるIT人材不足は、2015年の約17万人から2030年には約79万人にまで徐々に拡大する可能性があるとしています。このIT人材不足は、今やITサービスの提供を専業とするIT関連企業だけではなく、ビジネスにおいてITを活用するあらゆる企業にとっての課題となっています。
当社は、とりわけ若い世代にとって、IT関連のクリエイティブ人材として活躍することを魅力と感じてもらえるよう、ワークライフバランスに配慮し、「人の和」を大事にする当社独自のワークスタイルを確立し、これを普及させていくことを社会的使命と考えています。
当社の経営の基本方針・戦略等は以下の通りです。
当社は、「ヒトに寄り添うデジタルを、みんなの手元に。」をミッションとし、新規・既存事業の戦略構築からプロダクト開発・グロースまで顧客を含めた「ワンチーム」で伴走し顧客の課題解決や事業成長に貢献する「デジタルパートナー事業」を営んでいます。
当社は、このデジタルパートナー事業の成長(売上高の拡大)を通じて、フラー及びフラーメンバーの価値を市場に向けて発信し続けていくことを最重要の経営方針としています。当社は、営業努力のほか、人材の確保、適切なコストコントロール、内部管理体制の整備、必要な投資活動、独自のプロダクト・ソリューションの開発などをバランスよく進めることにより、持続的な事業成長を目指します。
当社事業は、売上の9割以上を業務受託(クライアントワーク)が占めており、プロジェクト一つ一つの採算確保と、その積み上げである毎期の利益水準の最大化を重視しています。
具体的には、販売ルートの拡大、事業開発コンサルティング・システム開発・UI/UXデザインのそれぞれの分野のソリューション提供能力を向上(人員規模の拡大、開発パートナーの活用、外部サービスの積極活用、技術水準の向上、対応範囲の拡大)させていくことにより、収益基盤の拡大と事業成長を図っていきます。
当社は、内製開発を中心としており、事業成長のためには、優秀なクリエイティブ人材(デザイナー、エンジニア、ディレクター、データサイエンティスト)の積極的な採用と育成が不可欠です。
当社は、今後ともヒトが活躍できる魅力的な環境の整備、当社の魅力を伝える積極的な広報活動、最新の媒体・手法を駆使した採用活動などにより、ソリューションの実際の担い手となるクリエイティブ人材の確保を目指します。また、技術やサービスのトレンドへのキャッチアップのため、ソリューションに従事するメンバーの育成にも力を注いでいきます。
④ 地方拠点の活用
当社は、IT企業が東京に一極集中する中で、千葉県と新潟県との二本社体制としており、こうした地方拠点の活用、さらには地域経済への貢献を経営方針の一つとしています。リモートワークなどの「新しい生活様式」の急速な普及を追い風とし、事業成長のための営業活動、並びにクリエイティブ人材の確保のための拠点として、首都圏以外の地方拠点を積極的に活用していきます。
(拠点別の従業員数及び全体に占める割合)※2025年6月30日現在
柏の葉本社(千葉県柏市) 142名(74.7%)、新潟本社(新潟県新潟市中央区) 37名(19.5%)、
その他 11名(5.8%)
(注)両本社から遠方に在住し、リモートワークを基本としている従業員は「その他」に分類しています。
前記の経営方針を実行していく上で、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下の通りです。
当社は、持続的な事業成長を実現するため、営業体制の整備及びソリューション企業としてのブランド力・知名度の向上が課題となっています。
これを踏まえ、当社では、ソリューションの魅力を伝えられる営業人員の採用・育成、顧客との案件実績の蓄積と事例PR、オウンドメディアを利用した積極的な事業広報等の施策により、認知度向上に努めています。
また、当社では、販売ルート拡充のため、他のソリューション企業との営業連携を進めています。直近では、(株)ヤプリ及び(株)電通グループのグループ各社との間で、営業活動に関する業務提携を推進しています。
当社は、より幅広い顧客ニーズに対応し、事業成長を継続するため、他社との連携による受注機会やソリューションメニューの拡充が課題となっています。
これを踏まえ、当社では、人材育成によるソリューション範囲の拡大、ソリューションの定型化、広く普及した他社プロダクトの取扱い、他のソリューション企業との協業、業務提携先と連携した新規サービス開発などを検討してまいります。
国内のDX市場拡大の中で、若年人口の減少が加速しており、優秀なクリエイティブ人材の獲得競争は激化傾向にあり、当社においては、採用活動が経営上の重要な課題となっています。
これを踏まえ、当社では、新卒を中心とした積極的な採用活動を行うとともに、教育研修体制の充実により各技術分野のリード人材の育成に努めてまいります。
当社では、急激な業容の拡大、従業員数の増加に伴い、組織運営、プロジェクト管理に関する業務負担が増加傾向であり、管理体制の整備・運用が課題となっています。
これを踏まえ、当社では、中間管理職の育成に努めるとともに、マニュアル、運用体制、リスク情報が適時に報告される体制等、内部管理体制全般の整備・強化に努め、健全な経営を目指しています。
当社は、システム開発を主業とし重要な情報を管理していることや、業務のあらゆる場面で情報ツールを利用していることなどから、高水準の情報セキュリティを確保するための体制整備が求められます。
これを踏まえ、当社では、2022年5月にISMS認証(ISO27001)を取得するなど取組みを強化しており、執行役員CISOを情報セキュリティ責任者として、さまざまな施策(セキュリティ対策アプリケーションの導入、各拠点のセキュリティ対策、社員教育等)を実施しています。
当社は、持続的な成長と企業価値の向上を目指しており、主な経営指標として売上高、営業利益、売上高営業利益率を重視しています。
当社事業は売上の9割以上を業務受託(クライアントワーク)が占めており、当社の売上高と営業利益は、個々のプロジェクトの集積により構成されています。
売上高は、当社に対しての市場や顧客の直接的な評価であり、当社の存在価値を最も表している指標であると考えています。
営業利益は、プロジェクトから得られた利益の蓄積から販売費及び一般管理費を差し引いたものであり、当社の営業活動の成果を最も表している指標であると考えています。なお、営業利益の目標には、販売費及び一般管理費を適正な水準に維持することを含んでいます。
売上高営業利益率は、売上高と営業利益の比率であり、当社の営業活動の効率性を最も表している指標であると考えています。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組の内容は、次の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
当社は、サステナビリティの実現のため、当社の株主、取引先、従業員その他のステークホルダーに対して社会的責任を果たすとともに、企業価値の向上を重視した経営を推進するために、コーポレート・ガバナンスの充実を図ることを重要な経営課題としています。
サステナビリティに関する戦略の立案、実行及びその監督にあたっては、代表取締役社長を委員長とするコンプライアンス・リスク管理委員会において実施し、その内容や重要性に応じて取締役会に諮り、決定しています。
なお、当社のコーポレート・ガバナンス体制の詳細は、「
当社は、サステナビリティの実現のため、事業上のリスク及び機会を適切に管理し、持続的な成長を実現することを目指しており、リスク管理体制の充実を図ることを重要な経営課題としています。また、リスク管理にあたっては、従業員、顧客、株主等のステークホルダーとの良好かつ長期的な関係構築を何より重視し、日常のあらゆる経営判断において、かかる視点を持ち続けることを心がけます。
サステナビリティの観点を含んだ当社におけるリスク及び機会について、コンプライアンス・リスク管理委員会において、各部門の連携による網羅的な洗い出し、分析、対策を実施し、その内容や重要性に応じて取締役会に諮り、決定しています。
なお、当社のサステナビリティに影響を与える重要なリスク項目については「
当社は、持続的な成長を実現していくため、人材採用、人材育成、社内環境の整備を重要な経営課題として位置付けています。
人材採用にあたっては、いわゆる「ジョブ型」の採用を中心としており、年齢(新卒採用を除く)、性別、性的指向・性自認・性表現、国籍、宗教、障がいの有無などにかかわらず、各職種における専門性や成長意欲を重視する採用選考を行っています。直近では、新卒採用を重視し、柏の葉・新潟の両本社の立地や、全国の高等専門学校との連携など、当社独自の強みを最大限に生かした採用活動を実施しています。
人材育成については、教育研修資料の充実、書籍購入制度、専門性を重視する人事制度などにより、一人一人が着実に成長していくことを目指しています。
社内環境の整備については、リモートワークを前提とした就労環境の構築、フレックスタイム制度、年次有給休暇や育児休業を取得しやすい雰囲気作りなど、フラーメンバーの誰もが明るく、楽しく、健康的に活躍できるよう、適切なワークライフバランスの実現を目指しています。
(4) 指標及び目標
当社では、「(3) 戦略」に記載した人材の育成方針及び社内環境の整備について、具体的な指標及び目標は定めていません。今後、その具体的な目標設定や状況の開示について検討していく予定です。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものです。
当社はスマートフォン関連事業を主要な事業分野としています。スマートフォン関連市場は今なお伸長を続けていますが、新たな規制の導入、プラットフォーマーの方針転換、その他予期せぬ要因により今後の利用状況に大きな変化が生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社のデジタルパートナー事業は、ディレクター、デザイナー、エンジニア、データサイエンティストなどの分野における最新の知見及び技術的専門性を有した多くの人材により支えられています。今後さらに当社が成長を続けていくためには、専門人材の育成及び獲得を進めていく必要があります。
一方で、少子化による若年層の減少、DX(デジタルトランスフォーメーション)人材の需要増加などの要因により、人材市場が逼迫し、当社における人材の確保が困難になる可能性があります。
当社は優秀な人材から「選ばれる」企業となるために、ワークライフバランスの重視、リモートワークなどの新しい働き方の推進、チームワークを重視する社内風土づくり、成長機会の提供に取り組むとともに、当社の魅力を広く伝えるための広報活動を積極的に行っています。
デジタルパートナー事業において当社が提供する事業開発、デザイン、システム開発・運用、データ分析などのソリューションにおいて、わが国には確固とした取引基盤を持つ大手企業や、当社同様に成長を続ける新興企業が多く市場に存在しており、さらに今後ともベンチャー企業の参入も予想されます。これら企業との競合が激化した場合、当社の事業及び業績等に影響を与える可能性があります。
当社は、競争に勝ち抜き、市場におけるポジションを確立していくために、顧客と密接な結びつきを持つ「デジタルパートナー」として、事業開発からデザイン、開発・運用、グロースまでを一気通貫で提供できる体制を特長としており、この優位性を生かした高い水準のサービスを提供し続けることにより差別化を図ります。
当社が受託するプロジェクト、特に大規模プロジェクトについては、長期にわたり、当社の役職員・業務委託先のほか、顧客とその関係企業など多数の人員が参加します。当社はその中で顧客の「デジタルパートナー」としてプロジェクト進捗のための主要な役割を担っています。
プロジェクト推進にあたっては、顧客の方針変更・意思決定の遅延、コミュニケーション不全、人的ミスの発生、成果物の不具合など、様々な不確実性が存在し、結果として売上の減少、製造原価(労務費、外注費等)の増大、取引の中断・長期化などが発生し、当社事業及び業績等に影響を与える可能性があります。また、納品・検収が予定していた会計期間内に完了せず、いわゆる「期ずれ」が生じた場合には、公表している業績予想の修正を行う可能性があります。
当社ではこうした事態を防止するため、取引の審査、計画書の策定、ドキュメンテーション、議事録等の記録、モニタリング、成果物レビュー、品質管理などの体制を整備しリスクの低減に努めています。
当社は、事業活動全般において、インターネットを利用したシステム基盤に全面的に依存しています。自然災害、紛争、人的災害、当社が利用する主要なサービス(通信インフラ、Google、Slack、freee会計等)の中断などが生じた場合、当社の業務遂行が大きく阻害され、当社の事業及び業績等に影響を与える可能性があります。
当社は、最新のデジタル分野における利用者動向、UI/UX、テクノロジーに精通し、これらを活用した新規事業開発に強みを持っています。今後、日進月歩で登場する新たな技術革新に対して適時に対応を進めることが競争力の維持向上のため不可欠であると考えています。
今後、当社における技術の固定化、人員の高齢化、古い技術資産の蓄積、後進の新興企業の出現などにより、当社の先進性に基づく競争力が脅かされ、あるいはこれらに対応するためのコストが増大することにより、当社の事業及び業績等に影響を与える可能性があります。
上記④、⑤に記載した理由その他の理由により、顧客その他の関係者との間で紛争・トラブルが発生し、これへの対応により当社の事業及び業績等に影響を与える可能性があります。なお、本書提出日現在、顧客その他の関係者との間で重大な紛争・トラブルはありません。
当社独自のプロダクトである「App Ape」は、スマートフォンアプリの利用データを統計処理することにより、最新のアプリ市場の動向をSaaS形態により提供するサービスです。当社は、従来、「App Ape」はグローバル規模の事業展開を展望し、韓国、アメリカ、EU圏など複数国の利用データを扱っていましたが、韓国データの取扱終了をもって、現在では日本データのみの提供としています。一方で「App Ape」の競合サービスは、市場の伸長が著しい中国はじめ多数の国のデータを扱っています。
当社は、日本における販売活動に経営資源を集中することにより、採算の確保を図っていますが、今後、競合との機能比較により「App Ape」の売上高が減少していく可能性、ひいてはサービスの提供を終了する可能性があり、結果として事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
「App Ape」の統計に利用するアプリの実利用データは、自社提供アプリ(Android)のほか、当社がパートナーシップを結ぶ提携アプリに組み込んだSDK(注)を通じて、利用者に同意を得た上でデータ取得を行うパネル調査法を採用しています。
当社では、インターネットビジネスにおいて個人情報等について慎重かつ厳格な取り扱いが求められている昨今の状況を踏まえ、各種法令並びにGoogle社の利用規約等を遵守しつつ、提携先と連携して、データ収集に関するリスクの最小化を図っていますが、提携先アプリの個別の事情や、Google社の方針の変更によりデータ収集が困難になった場合、「App Ape」のサービス継続が困難になり、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注)SDKとは「Software Development Kit」の略であり、アプリケーションのソースコードに組み込む、特定のソフトウェアやサービスに必要なプログラムなどをパッケージ化したものです。
当社は、当社役職員、顧客などに関する、個人情報、取引情報その他重要な情報を、主に当社が管理するクラウド型サービスを利用して管理・運用しています。
万が一、当社の責により重要情報が漏洩した場合、当事者からの損害賠償、風評被害、商取引の中断、営業活動への悪影響など、当社の事業及び業績等に多大な影響を与える可能性があります。
当社はこれを踏まえ、情報セキュリティ責任者の監督の下、適切な情報セキュリティ体制の構築に努めており、情報セキュリティ基本方針、プライバシーポリシーを定めるほか、各種セキュリティツール(シングルサインオン、ウイルス対策、情報端末管理、パスワード管理等)の活用や定期的な研修の実施により、日常の業務におけるセキュリティ水準確保を図っています。当社では、これらの体系的な取組みをもとに、2022年5月にISMS認証(ISO27001)を取得しています。
当社は、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、内部統制が有効に機能するための体制を構築・運用しています。
現在、会社規模に応じた体制を整えており、今後も業容拡大に応じた体制拡充を進める方針としていますが、将来事業が急拡大した場合に、十分な管理体制の構築を適時に行えなくなる可能性があり、事業及び業績等に影響を与える可能性があります。
当社における知的財産権に関する業務は、法務担当部門である経営企画グループが実績ある特許事務所に相談の上、進めることとしています。今後、他社からの受託業務や自社サービスの開発において、商標その他の知的財産権への対応が重要になることが考えられます。
万が一、当社が関わる業務において、他社より権利侵害の訴追(使用料の請求、損害賠償請求、使用差し止め等)を受けた場合、または当社の知的財産権が他者より侵害を受けた場合に、当社の事業及び業績等に影響を与える可能性があります。
(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:大)
(株)ヤプリ(以下「ヤプリ」という。)及び(株)電通グループ(以下「電通グループ」という。)は共に当社の主要株主であり、当社は両社の持分法適用関連会社です。両社の経営方針・投資方針の変更や経営状況の変化が当社の事業及び業績等に影響を与える可能性があります。
a.資本関係
当社の発行済株式のうちヤプリは21.5%、電通グループは21.2%を保有しています。定款の変更、役員の選解任、組織再編行為、剰余金の処分等、株主の承認が必要となる事項に関しては、両社による議決権行使が当社の意思決定に影響を及ぼす可能性があります。
b.人的関係
当社の取締役である庵原保文氏はヤプリの代表取締役を、安田裕美子氏は電通グループの子会社である(株)電通デジタルの執行役員をそれぞれ兼任しています。両者の豊富な経験・知見を当社経営に活かすことを目的として招聘したものです。
なお、これら2名の他に、上場取引所の定めに基づく独立役員として指定する独立社外取締役1名、独立社外監査役4名が就任しており、取締役会においてより多様な意見が反映される状況にあります。
c.取引関係
当社は両社と業務提携契約を締結し、同契約に基づき業務提携を行っており、両社による当社への発注や顧客紹介等を継続的に受けています。これらの取引については、他の会社との取引と同様の、一般的な取引条件で行っています。また、取引条件の適切性を確保するため、当社が定める関連当事者取引管理規程に基づき、取引の合理性や取引条件の妥当性等について十分に検討を行い、必要に応じて取締役会において取引の可否を審議しています。
当社は、業績予想を発表するにあたって、進行中のプロジェクトの進捗状況や将来の受注見込み等を確認した上で作成していますが、大口取引の失注、不採算プロジェクトの発生、プロジェクト進行上のトラブル、その他不測の要因が生じた場合、当該事業年度の売上及び利益に大きな影響を与える可能性があり、結果として業績予想を修正する可能性があります。
当社は、成長過程にあるため、人材確保・育成、サービス強化のための投資、営業強化のための広告宣伝や販売促進、その他成長投資に対して迅速に対応するため、創業以来配当を実施していません。株主に対する利益還元は重要な経営課題であると認識していますが、現時点で配当実施の可能性及びその時期は未定です。
当社の創業者である取締役会長渋谷修太は、創業以来、経営リーダーとして経営戦略の策定、顧客獲得、要職者の採用、ファイナンス活動など多岐にわたり重要な役割を担ってきました。
何らかの理由により渋谷の業務執行が困難になった場合、新潟県における渋谷の知名度や、当社の取引先との関係性に与える影響などから、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社は現在、重要な経営情報の共有や渉外・提案活動の制度化などを進め、日常の業務執行に関する権限は代表取締役社長山﨑将司が有するものとしており、渋谷に過度に依存しない経営体制の整備を進めています。
2025年7月に実施した公募増資による調達資金は、全額を採用関連費用に充当する計画です。しかしながら、充当の結果、計画通りの成果が得られない可能性、並びに経営環境の変化などの要因により、調達資金を予定外の使途に充当する可能性があります。これらの場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の発行済株式総数に対するベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下「ベンチャーキャピタル等」)の当社株式の所有割合は、2025年6月30日現在27.1%です。ベンチャーキャピタル等は純投資目的による株式保有であると考えられ、当社の株式上場後において保有株式の一部または全部を売却する可能性があります。また、その他の株主についても利益の実現のため、同様に保有株式の一部または全部を売却する可能性があります。その場合、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、当社株式の市場価格に影響を与える可能性があります。
(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中)
当社は、ストック・オプションを従業員へのインセンティブ制度への一環として活用しており、今後とも発行する可能性があります。2025年6月30日現在のストック・オプションとしての新株予約権の目的となる株式数は139,460株であり、これは発行済株式の8.5%に相当します。権利者の意向や当社株式の株価動向によりますが、ストック・オプションが権利行使され、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
大災害の発生、感染症の蔓延、物価上昇、国際情勢の悪化等、予見することが困難な外部環境の変化により、当社の経営に重大な影響を与える可能性があります。
当社は、情報収集、経営への影響の検討、対処方法の検討などを適時に行うとともに、不測の要因があった場合においても経営基盤が維持されるよう財務健全性の確保に努めます。
当社または当社関係者による法令違反または事業活動の中で生じたトラブル等により訴追・訴訟等を提起され、当社の事業及び業績等に影響を与える可能性があります。当社は、かかる事態を未然に防止するため、コンプライアンス管理及びリスク管理の体制を整備し運用しています。なお、本書提出日現在、当社が関係する重大な訴訟が生じている事実はありません。
当社は、当事業年度末時点で税務上の繰越欠損金が存在しており、今後当面の期間は、法人税等の税負担が軽減されることが予想されます。ただし、課税所得の計上等の要因により当該繰越欠損金が解消した場合は、通常の税率に基づく税負担が生じることとなり、当社の当期純利益及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対し、将来の課税所得等を合理的に見積り繰延税金資産を計上しておりますが、実際の課税所得や業績見通し等が見積り時から変動することにより、繰延税金資産の全部または一部の回収可能性が無いものと判断される場合には、繰延税金資産を取り崩す可能性があり、その結果、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、運転資金として金融機関より資金の借入を実行しています。金融政策や金融市場の変化等により金利が上昇した場合には、調達コストが増加し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の時価総額は、東京証券取引所が定めるグロース市場の上場維持基準を下回って推移する可能性があります。さらに、将来的に、同市場の上場維持基準が見直された場合、当社株式の上場維持に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、売上高及び利益の成長を通じて企業価値を継続的に向上させることで、時価総額規模を拡大することを基本的な方針とします。一方で、株価は、経営成績のほか市況等の様々な要因により変動するものであり、当社としては、あらゆる状況の中でも、当社株式の流動性を損なうことを回避するため、当社株式の市場における評価を注視し、企業再編や市場変更等の検討を含めた幅広い選択肢をもって、上場維持に努めていく方針です。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次の通りです。
(資産)
当事業年度末の流動資産は1,653,264千円となり、前事業年度末と比べ515,278千円増加しました。主な変動要因は、現金及び預金の増加469,490千円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加37,414千円、仕掛品の増加10,812千円です。
当事業年度末の固定資産は181,538千円となり、前事業年度末と比べ31,026千円増加しました。主な変動要因は、繰延税金資産の増加12,598千円、敷金及び保証金の増加9,180千円、建物の増加4,522千円です。
以上の結果、当事業年度末の資産は、前事業年度末と比べ546,305千円増加し、1,834,803千円となりました。
(負債)
当事業年度末の流動負債は456,425千円となり、前事業年度末と比べ161,901千円増加しました。主な変動要因は、未払費用の増加84,897千円、1年内返済予定の長期借入金の増加39,996千円、未払消費税等の増加32,392千円です。
当事業年度末の固定負債は388,598千円となり、前事業年度末と比べ162,360千円増加しました。主な変動要因は、長期借入金の増加163,341千円です。
以上の結果、当事業年度末の負債は、前事業年度末と比べ324,262千円増加し、845,023千円となりました。
(純資産)
当事業年度末の純資産は989,779千円となり、前事業年度末と比べ222,043千円増加しました。変動要因は、繰越利益剰余金の増加197,123千円、資本金の増加12,459千円、資本準備金の増加12,459千円です。
当事業年度におけるわが国経済は、物価上昇、米国の通商政策の影響などによる不確実性があるものの、引き続き消費、雇用などが堅調に推移しています。当社が属するソフトウェア開発業界においては、引き続き、社会・ビジネスのあらゆる場面においてデジタルトランスフォーメーション(DX)が推進されており、中でも当社が軸足を置くスマートフォンアプリ関連市場はDXの中核分野の一つとして需要が高まっています。
このような環境の中、当社は、クライアントのビジネス成功をともに実現する「デジタルパートナー」として、事業企画、デザイン、システム開発・運用、データ分析までを一貫して提供するソリューション事業を推進しました。
スマートフォンアプリ等のデジタルプロダクトの企画・デザイン・開発を行うクライアントワークは、前事業年度に着手した案件が本格的な開発段階を迎えたほか、新たに大口の新規取引開始があり、売上高1,898,841千円となりました。「App Ape」サービスを軸とするアプリ分析サービスは、利用者がほぼ横ばいで推移し、売上高110,150千円となりました。これらにより、当事業年度の売上高は2,008,991千円(前事業年度比32.4%増)となりました。
費用面では、クリエイティブ人材の増員及び外注費の増加により、売上原価は1,155,251千円(前事業年度比29.8%増)となりました。また、事業拡大及び上場準備の影響により、販売費及び一般管理費はやや増加し664,006千円(前事業年度比8.0%増)となりました。
以上の結果、営業利益189,734千円(前事業年度比1,363.7%増)、経常利益185,701千円(前事業年度比897.6%増)となりました。また、繰延税金資産の積み増しにより法人税等調整額△12,598千円を計上し、当期純利益は197,123千円(前事業年度比585.0%増)となりました。
なお、当社はデジタルパートナー事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しています。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度の末日における現金及び現金同等物は1,355,555千円となり、前事業年度末と比べ469,490千円増加しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは274,445千円の収入(前事業年度は5,591千円の収入)となりました。主な要因は、税引前当期純利益185,701千円、未払費用の増加額83,386千円、売上債権の増加額37,414千円、未払消費税等の増加額32,582千円、減価償却費18,042千円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは32,079千円の支出(前事業年度は15,074千円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出17,955千円、敷金及び保証金の差入による支出14,356千円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは227,124千円の収入(前事業年度は61,017千円の支出)となりました。主な要因は、新規の長期借入れによる収入400,000千円、長期借入金の返済による支出196,663千円です。
当社事業の性質上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略します。
当社では受注販売を行っていますが、受注から売上高計上までの期間が短期であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ一致するため、記載を省略します。
当事業年度における販売実績は、次の通りです。
(注)最近2事業年度の主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りです。なお、総販売実績に対する割合が10%未満である相手先については、当該販売実績の記載を省略しています。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものです。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としています。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載の通りです。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識並びに分析・検討内容
(売上高)
当事業年度の売上高は2,008,991千円(前事業年度比32.4%増)となりました。
このうち、クライアントワークは、前事業年度着手の大型案件が開発フェーズとなり収益化したほか、大口の新規取引があり、売上高1,898,841千円(前事業年度比35.4%増)となりました。
アプリ分析サービスは、ほぼ横ばいで推移し、売上高110,150千円(前事業年度比4.9%減)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、主に新卒採用による人件費増加により1,155,251千円(前事業年度比29.8%増)となりました。
上記より、売上総利益は、853,740千円(前事業年度比36.0%増)となりました。また、売上高売上総利益率(売上総利益÷売上高)は42.5%(前事業年度比1.1ポイント増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、規模拡大や上場準備の中で、上場記念賞与の影響(30,870千円)を除きほぼ横ばいに抑制し、664,006千円(前事業年度比8.0%増)となりました。
上記より、営業利益は189,734千円(前事業年度比1,363.7%増)となりました。また、売上高営業利益率(営業利益÷売上高)は9.4%(前事業年度比8.5ポイント増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
支払利息2,594千円、上場関連費用2,510千円などがあったことにより、経常利益は185,701千円(前事業年度比897.6%増)となりました。
(特別損益、当期純利益)
繰延税金資産の計上により法人税等調整額△12,598千円(△は利益)があったことなどから、当期純利益は197,123千円(前事業年度比585.0%増)となりました。
財政状態の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載の通りです。
キャッシュ・フローの分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
また、当社における主な資金需要は、売上金の入金までに要する期間(翌月から最大6ヶ月程度)と人件費等の支払時期(主に翌月)のずれに伴う運転資金、並びに将来の受注増に備えた先行投資である人員採用のために要する資金であり、いずれ当社事業活動を維持し、さらに事業成長を実現する上で必要不可欠なものです。
そのための資金調達の方法は、自己資金を基本としつつ、金融機関借入や第三者割当増資等による資金調達の可能性を含め、経営効率の最大化、財務安全性の確保、調達機会の有無、取引コスト、金利負担及び資本コストなどを総合的に勘案して決定することとしています。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因には、わが国の大企業のスマートフォンアプリ等の開発需要や、事業成長に不可欠なクリエイティブ人材の採用状況などがあります。また、「3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業内容や外部環境、事業体制等、様々なリスク要因が当社の経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
当事業年度における当社が支出した研究開発費の総額は