第2 【事業の状況】

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)経営方針

当社グループは、「バイオマテリアルによって医療の進展に貢献する」を企業理念とし、外科領域、組織再生領域等において製品開発を続け、グローバルな競争力を獲得することに努めてまいります。

 

(2)経営戦略等

当社は、医療機器の開発企業として、製造販売承認を取得予定の製品の安定供給体制・販売体制の構築及び製品のグローバル展開を目指しており、国内外の適応拡大に向け経営資源を配置いたします。さらに、その他の各パイプラインや現在国内外の研究機関で応用研究が進んでいる次のパイプライン候補の事業化に注力いたします。

 

(3)目標とする経営指標

当社グループは、医療機器や医薬品の研究開発投資を行う先行投資型企業であります。外科領域では吸収性局所止血材、後出血予防材、粘膜隆起材、癒着防止材等を開発しており、組織再生領域では歯槽骨再建材、創傷治癒材等の開発をしております。このパイプライン群を早期に製品化し、製品販売での収益確保が安定的な企業運営に繋がることから、事業収益を主要な経営指標に位置付けております(2026年4月期の製品販売による事業収益の計画は9,283百万円)。また、そのためには当社グループ内の基礎研究の共有や効率化を実施し、臨床開発等の研究開発費を効率よく管理していく必要があり、その観点からは研究開発費も重要な経営指標に位置付けております(2026年4月期における研究開発費の計画は951百万円)。

 

(4)対処すべき課題

当社グループは、医療分野を取り巻く現状を分析し、それらを踏まえた最善の事業戦略の策定及び推進実行に向けて、具体的には以下のような点が事業運営上の課題と認識しております。

 

①事業収益拡大とコスト削減

当社グループは、主力製品である止血材について、欧州及びオーストラリアに続き、内視鏡先進国である日本及び世界最大の市場を有する米国においても、本格的に製品販売を開始しております。売上成長を最大化するために、各極において営業体制を確立・拡大し、相応の営業費用を投じてまいりましたが、短期的には奏功せず当連結会計年度も営業損失が継続する結果となりました。今後一時的には、当社止血材の優位性が高く、売上成長が確実に見込まれる消化器内視鏡領域に事業領域を絞り込み、他領域の営業体制は利益貢献が確実に見込まれる範囲内での活動に留めることで、マーケティング費用を含む営業経費を削減し、収益確保を最優先に進めてまいります。

研究開発に関しては、次世代止血材や粘膜炎の創傷治癒等の注力分野を除き、新規開発を一時的に中断し、注力分野においても、臨床試験を必要としない又は最小規模で実施できる等、グローバルで見て最も有利な市場を選びながらコストと時間の最小化に努めております。

 

②資金調達

当社グループの事業運営及び研究開発を進めるための十分な資金確保に向けて、米国においてバイオ業界への投資に多くの実績を有する投資ファンドのハイツ・キャピタル・マネジメント・インクに対し、2024年4月に第39回新株予約権を発行いたしました。これにより、当連結会計年度において、第39回新株予約権の権利行使により2,628,560千円を調達することができました。一方で、既発行の社債について早期償還条項の適用による一部償還により、2024年9月に第7回無担保転換社債型新株予約権付社債のうち62,500千円を、2024年10月に第6回無担保転換社債型新株予約権付社債のうち256,250千円を、2024年11月に第5回無担保転換社債型新株予約権付社債のうち220,636千円を償還しております。

また、株式会社りそな銀行とコミットメントライン契約を締結しており、安定的な事業資金の確保に取り組んでおります。今後も引き続き、金融機関からの借入を含む様々な資金調達を検討し、継続的な財務基盤の強化に努めてまいります。

 

③研究開発体制及び経営管理体制の強化

当社グループは、パイプラインの進展及び事業のグローバル展開に対応するため多様化するリスクを把握し、これに対処するための研究開発体制や経営管理体制の強化を経営課題と認識しております。

当社グループは、研究開発において小規模の体制で各規制当局の定める基準に準拠した体制を構築し、複数の製品開発を実施しております。今後、研究開発活動がさらに拡大、グローバル化した際にも必要な情報の収集を行い、社内規程の改訂や継続的社員教育等を通して、法令や規則の遵守のための活動を継続して行ってまいります。

また、当社グループは小規模組織ですがグローバルに拠点を展開しております。そのため、グループ全体での内部統制体制を確立することを目指し、統制項目や業務プロセスを検証し、リスクを洗い出し、それを最小化する取組を実施しております。今後も組織的な内部統制の構築を進めるとともに、組織間の牽制機能の強化やコンプライアンス体制の強化に向け取組んでまいります。

また今後も、上市製品の増大、事業展開エリアの拡大等、事業ステージに合わせて、充分な体制を維持すべく、事業計画に合わせた人員計画により、高度な専門知識・経験を有する国内外の人材確保や育成、外部リソースの積極活用に努めてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

ガバナンス

当社グループでは、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めておらず、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続等の体制をその他のコーポレート・ガバナンスの体制と区別しておりませんが、当社グループが置かれている経営環境を踏まえ、サステナビリティに関連するリスク及び機会について、重要性に応じて識別・監視し、取締役会、監査役等に報告を行う体制としております。

詳細は、「第4提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。本概要に基づきサステナビリティ関連のリスクの識別・監視をいたします。

 

戦略

当社グループでは、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連の戦略における、リスク及び機会に対処するための重要な取組は検討中であります。持続的な成長や企業価値向上のためには、人材が最も重要な経営資源であると認識しており、性別や国籍、人種等の区別なく優秀な人材を確保していくこと、社員への学びの機会の提供、新たなチャレンジを後押しする体制の整備に加え、社員の家庭環境等を考慮した働き方をサポートする体制づくり等を進めてまいります。

 

リスク管理

当社グループでは、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連のリスク管理における記載はいたしませんが、現状のリスク管理はリスク管理基本方針を定めており、管理体制を構築しております。

詳細は、「第4提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。本概要に基づきサステナビリティ関連のリスクの識別・監視をいたします。

 

指標及び目標

当社グループでは、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連の指標及び目標の記載はいたしません。今後、現状把握を行った上で適切な指標の定義と目標設定を行い、その進捗管理に努めることで改善に取組んでまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

当社グループとしては、必ずしも事業展開上のリスク要因に値しないと考えられる事項についても、投資判断上、重要と考えられるものについては、投資者への積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、これらのリスクを認識した上で、その回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式への投資判断は、本項及び本項以外の記載も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は当社グループに関連するリスクの全部を網羅したものではないことにご留意いただく必要があります。

なお、本文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 医療製品事業に関するリスク
A 医薬品医療機器等法等の法的規制に関する事項

当社グループが開発、販売している医療機器を含む医療製品については、研究、開発、製造、販売といった事業活動に対して各国において薬事に関する法令及び行政指導等並びに諸関連法令等による種々の規制(以下「薬事関連規制」という。)がなされております。

当社グループでは、薬事関連規制の遵守に努め、事業の進捗に合わせて社内の体制の整備に取組んでおり、今後もこのような体制を維持・継続してまいりますが、薬事関連規制に変更があった場合等は、既に製造販売承認を受けて上市している止血材(以下においては止血以外の創傷治癒、癒着防止及び後出血予防の機能を合わせて有し又はこれらの機能を主なる機能とする医療機器も含め当社グループが製造販売承認を受けている医療機器を「本止血材」ということがある。)を含め、当社グループの医療製品の開発、販売に影響を与える可能性があります。また、本止血材については、上市した各国において製造販売に関する承認を得ておりますが、承認の申請に係る効能、効果又は性能が認められない等の事情が認められて、製造販売承認が取り消され、販売ができなくなることとなる可能性は否定できません。これらの事態が生じた場合、当社グループの医療製品の開発、販売に影響を与え、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

B 収益の不確実性に関する事項

本止血材は外科手術や消化器内視鏡領域において幅広く使用されて止血性能について高い評価を得、手術件数や適応症例数も安定的に推移しており、今後も安定した需要が見込まれます。また、生物由来品である既存製品と異なり、人工合成物であり安全性が高い本止血材は、既存製品と十分差別化できるものと考えております。しかしながら、医療製品業界においては、激しい競争状況の下、国際的な巨大企業を含む多くの企業、研究機関等により、開発が行われ、技術は常に進歩しています。従って、外科手術や消化器内視鏡領域をめぐる技術の大幅な変化や、当社グループの医療製品の性能を上回る性能の競合製品が市場に登場する等により、当社グループの医療製品の売上が減少する可能性は否定できません。この場合、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

C 保険制度の変化による収益の不確実性に関する事項

本止血材は、複数の国において保険収載されております。しかし、今後、保険制度の変更がなされたり又は本止血材について保険収載が取り消されたりもしくは保険償還価格の変更がなされる可能性は否定できません。これらの事態が生じた場合、本止血材を含む当社グループの医療製品の販売に影響が与えられ、ひいては当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼすこととなる可能性があります。

 

D 開発のプロセスに関する事項

医療製品の開発は長期間にわたり相当な費用が必要であるのに対して、その成功の比率は高いものではありません。現在開発を行っている製品を含め、当社グループが開発する医療製品の開発が成功しなかった場合には、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

E 特定の契約先からの事業収益への依存に関する事項

欧州での本止血材の販売についてはFUJIFILMへの依存度が高くなっております。今後、FUJIFILMとの契約が解除その他の理由で終了した場合には、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼすこととなります。

 

F 重要な契約に関する事項

当社グループの事業展開上、重要な契約が解除された場合、不利な契約改定が行われた場合や契約期間満了後に契約が継続されない場合は、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

G 製造・販売・在庫に関する事項

当社グループは、主要原材料であるペプチドを十分な品質を担保して調達すべく、複数社に対し製造を委託しています。また、本止血材の製造に関しては、扶桑薬品工業株式会社に加え、ドイツのPharmpur社との間でも製造委受託契約を締結し、複数の製造拠点に基づく安定した製品供給体制を構築しております

このように、当社グループでは、本止血材の製品供給体制を強化するため、バックアップ体制の構築に取組んでおりますが、本止血材を含め、当社グループの医療製品について、想定外の事故等も含めペプチドを含む原材料及び各種構成部品の供給、委託製造の遅れが生じる事態になった場合には、当社グループの財政状況や経営成績に重大な影響を与える可能性があります

また、製品販売が計画どおりに進まず、過剰な原材料を保有することになった場合には、原材料等の評価損計上等当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

H 製造物責任等に関する事項

医療製品の設計、開発、製造及び販売には、予期せぬ副作用による健康被害のリスク及び製造物責任のリスクが内在しております

当社グループにおいては、製品の基礎となる自己組織化ペプチド技術を利用した本止血材について、ヒトでの臨床試験を各国において実施済であり、因果関係を否定できない重篤な不具合及び副作用等の有害事象は検出されておりません。また、当社グループが各国において販売を行っている本止血材について、有害事象の報告はありません。しかしながら、今後、本止血材を含め、当社グループが開発した医療製品の予期せぬ副作用により患者に健康被害を引き起こす可能性は否定できません。また、副作用による健康被害以外に設計、開発、製造、販売において不適当な点が発見された場合には、当社グループが製造物責任を負う可能性があることは否定できません。当社は、全世界を対象地域とする製造物責任賠償保険に加入しておりますが、これらの事態が生じた場合には、販売中止、製品回収、損害賠償責任の負担等により当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、このような事例において製造物責任等に基づく損害賠償請求がなされた場合、結果として当社グループの責任が否定されたとしても、損害賠償請求への対応について相当の費用、労力及び時間がかかる可能性があり、さらに、損害賠償請求等がなされたこと自体によるネガティブ・イメージにより、製品に対する信頼、ひいては当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります

 

I 大規模災害等に関する事項

当社グループは、グローバルで事業展開をしておりますが、地震、火山噴火、津波等の大規模災害、COVID-19やその他感染病によるパンデミックといった大規模災害が、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。このため、大規模災害を想定した訓練及び必要な対策を継続実施するとともに、当社の事業活動の継続や従業員の衛生・健康・安全の確保のために必要な対応を適時適切に行うこととしております

特に、COVID-19の大規模感染により、医療機関への訪問の制限、移動制限等による営業活動の抑制、本止血材を使用する手術の延期等により本止血材の販売に対して相当の影響を受けました。現時点の感染状況下ではかかる影響はほぼ見られないようになっておりますが、新たな株の発生等により再度感染状況が悪化した場合には、本止血材の販売が影響を受ける可能性があります。今後も当社グループが事業を展開する各国の医療業界の影響を注視し、万が一当社グループが事業を営む地域において甚大な影響がある場合は、必要な対応を図ってまいりますが、これらの事態の状況によっては当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります

 

 

② 知的財産権・訴訟等に関するリスク
A 特許の取得状況等に関する事項

当社グループは、自己組織化ペプチド技術にかかる物質特許及び当該物質特許を利用した基本的な用途特許(以下、これらを併せて「基本特許群」という。)につき、当社子会社がマサチューセッツ工科大学(以下「MIT」という。)より独占的実施権(再許諾権付)の許諾を受け、当社が当社子会社より実施権の再許諾を受けており、また、当社グループにて特許出願しております。

当社は、MITを権利者とする自己組織化ペプチド特許(出願国:米国)について、自己組織化ペプチド応用技術に係るMIT出身の研究者により設立されたバイオベンチャー企業であるARCH Therapeutics, Inc.社(以下「Arch社」という。)との間で非独占的なサブライセンス契約を締結しておりました。しかしながら、Arch社の現在の事業展開の進展状況より、現時点において当社グループと競合するおそれは低いものと考えておりますが、将来的な競合の可能性は否定できません。

また、Arch社は、止血材を用途とする一部の自己組織化ペプチド(主に当社も用いているRADA配列)に関する特許について、MITから独占的実施権の許諾を受けております。当社の独占的実施権との間で調整が必要となる可能性がありますが、従前、Arch社からかかる権利に関して当社に対して働きかけ等があったことはありません。MITのライセンス方針は技術の広がりを目的としており、MITはライセンシー同士の争いは好まないため、当社は、かかる調整の必要が生じた場合には、MITから何等かの支援が得られるものと従前理解しており、現在もそのとおり理解しております。しかし、かかる調整をMIT自ら行うことについて書面で確約することについては消極的な姿勢が示されたことから、今後、当社自らかかる調整を行う必要が生じる可能性は否定できません。

基本特許群は、自己組織化を起こしハイドロゲルを形成する主なペプチド群をカバーしており、国、地域によりばらつきはあるものの、日本においては既に登録済となっております。しかしながら、基本特許群のうち、現在登録に至っていないものについては、最終的に登録に至らない可能性があり、その場合には当社グループの将来の事業を完全に保護することができない可能性があります。また、当社グループの事業を包含するバイオマテリアル関連産業においては、日々研究開発活動が繰り広げられており、当社グループの技術を超える優れた技術が開発されることにより、基本特許群の技術が淘汰される可能性は否定できません。

また、当社グループは基本特許群を用いて多数の研究機関と応用技術にかかる共同研究を行っており、主要なパイプラインに関するもの以外についても既に複数の用途特許について共同出願しておりますが、全ての特許について登録に至るとは限りません。これらの特許が成立しなかった場合、当社グループの将来の事業を完全に保護することができない可能性があります。

 

B 訴訟等に関する事項

当社グループは、第三者の知的財産権に関する調査を随時行っており、自己組織化ペプチド技術を用いた製品開発を行う限りにおいて、当社グループに対して上記のArch社のMITの特許由来の権利に関連する事例以外は、第三者の特許権等の知的財産権侵害を理由とする訴訟が提起される可能性は極めて低いと考えております。また、本報告書提出日現在において、当社グループと第三者との間で訴訟が発生し又は第三者から知的財産権侵害の主張を受けたという事実もありません。しかし、当社グループは、今後多岐に渡る事業展開を考えていることから、かかる知的財産権侵害の問題を完全に回避できない可能性があります。将来、当社グループの事業活動が第三者の知的財産権を侵害しているとして損害賠償請求等の訴訟を提起された場合には、損害賠償責任を負う可能性があることに加え、解決に多大な時間及び費用を要するおそれがあり、当社グループの事業戦略、財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、知的財産権以外にも事業活動に付随するその他の訴訟を提起される可能性があり、訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります

また、このような事例において結果として当社グループの責任が否定されたとしても、知的財産権侵害等に基づく損害賠償請求がなされたこと自体によるネガティブ・イメージにより、製品又は当社グループに対する信頼に影響が生じ、ひいては事業活動に影響を与え、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります

 

 

③経営成績、財務状況等に関するリスク
A 業績の推移に関する事項

当社グループの主な事業収益は、本止血材の上市以前は販売提携契約に基づくマイルストーン収益であり、上市後は本止血材の製品売上に基づく収益です。過去には本止血材の研究開発費用が先行して計上されてきたことに加え、現時点でも本止血材の営業体制確立等のために相当額の先行費用を計上しているため、2012年4月期を除き費用計上が事業収益を上回り、営業損失及び当期純損失を計上しております。このため、過年度の財務経営指標は、当社の業績期間比較及び将来の業績を予測する材料としては不十分な面があります

 

B マイナスの利益剰余金を計上していることに関する事項

当社グループは、2025年4月期連結会計年度末においてマイナスの利益剰余金を計上しております。現時点において、本止血材の販売拡大に基づく早期の黒字化を計画しており、また今後の開発製品についても、医療機器として製造承認の取得を目指しており、医薬品と比べて開発に要する費用と期間は格段に少ないことを前提として早期の利益確保を目指しております。しかしながら将来において、事業計画どおりに事業が進展せず、当期純利益を獲得できない可能性及び利益剰余金がプラスとなる時期が遅れる可能性があります

 

C 重要事象等に関する事項

当社グループは、継続して営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しております。これにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると認識しております。当該状況を解消又は改善するための対応策を講じておりますが、継続企業の前提に重要な不確実性は存在するものと判断しており、これに伴い今後の資金調達がより困難になる可能性があります。当該状況を解消又は改善するための対応策は、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(4)対処すべき課題」に記載しております。

 

D 税務上の繰越欠損金に関する事項

当社グループには、提出日現在において多額の税務上の繰越欠損金が存在しております。そのため繰越欠損金の期限が切れた場合には、課税所得の控除が受けられなくなります。そうした場合、通常の法人税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純利益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

E 資金繰りに関する事項

当社グループでは、今後もパイプラインの開発費用が先行して発生します。本止血材の販売拡大に基づく早期の黒字化に加え、事業提携やライセンスアウト等の契約の獲得、多様な資金調達等による資金確保に努めますが、事業計画どおりに事業が進展しない場合には資金不足となり、事業継続に重大な影響を与える可能性があります。

また、当社の資金調達に係る契約には財務制限条項や早期償還条項が付されているものが存在し、特定の条項に抵触した場合には、借入先金融機関又は社債権者の請求により期限の利益を喪失し、当社グループの財政状態及びキャッシュ・フローに重大な影響を与える可能性があります。

 

F 配当政策に関する事項

当社グループは、当期純損失を計上しており、利益配当は実施しておりません。また、2025年4月期連結会計年度末においても、2,501,245千円の当期純損失を計上しており、累積損失が処理された段階において財政状態及び経営成績を勘案しつつ利益配当についての方針を検討する所存であります。

 

④組織に関するリスク
A 業歴が浅いことに関する事項

当社グループの主な事業収益は本止血材の売上に基づく収益ですが、本止血材の海外での販売を2015年4月期に、日本での販売を2022年4月期に開始しましたが、事業ステージはいまだ先行投資の段階にあり、期間業績比較を行うには十分な財務数値が得られません。このため、事業の特性を踏まえると、過年度の経営成績だけでは、今後の業績を予想する材料としては不十分な面があります。

 

B 小規模組織に関する事項

当社グループは2025年4月末日現在、親会社で取締役6名、監査役3名、従業員19名の計28名体制、子会社で取締役9名(内3名は親会社役員が兼務)、従業員95名の計114名体制の小規模組織であります。当社グループでは、業務遂行体制の充実に努めておりますが、小規模組織であり、内部管理体制も規模に応じたものとなっております。当社グループでは、今後の事業拡大に向け組織体制の一層の充実を図ってまいりますが、適切な組織体制の構築ができない場合には、経営効率に影響を及ぼす可能性があります。一方、急激な規模拡大は固定費の増加につながり、当社グループの財政状態と経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

C 特定の人物への依存に関する事項

当社グループの事業推進者は、当社代表取締役である岡田淳であります。前代表取締役より経営戦略、開発戦略の決定、事業計画の策定、管理業務における責任を承継しており、グループの経営推進者として大きな影響力を有しております。このため、当社グループでは過度に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っておりますが、当面は依存度が高い状態で推移すると見込まれます。そのため、代表取締役が何らかの理由で業務を継続することが困難になった場合には、事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

D 人材の確保及び育成に関する事項

当社グループの競争力の核は研究開発力、事業企画力、医療関係者に対する提案力にあるため、専門性の高い研究者等の人材の確保が不可欠であり、また、事業拡大を支えるために営業、製造、内部管理等の専門人材も必要となってきております。当社グループでは、優秀な人材の確保及び社内人材の育成に努めておりますが、人材の確保及び育成が計画どおりに進まない場合には、当社グループの財政状態と経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

E 情報セキュリティに関する事項

当社グループの事業推進において、情報ネットワークの維持は極めて重要であり、また事業上の機密情報や個人情報等を保有しているため、情報ネットワークの構築、運用に当たっては十分なセキュリティの確保に努めております。さらに、2024年4月期に送金詐欺による資金流出被害が生じたことを受けて、専門機関の助言を仰ぎながら必要な再発防止策を実施しております。しかしながら、外部からのサイバー攻撃や不正侵入のほか、情報機器の不具合やシステム障害等の不測の事態により、情報の漏洩、重要データの改ざん又は破壊、システム停止等が生じた場合には、事業活動の停滞又は遅延を招く可能性があり、当社グループの財政状態と経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤その他

A 調達資金の使途に関する事項

当社は、増資等による調達資金の使途については、調達時の方針どおり、研究開発資金、止血材の原材料調達及び事業運営費用等に充当しておりますが、環境変化による予測不可能な技術革新や研究開発活動の長期化等投資効果をあげられる保証はありません。このような場合、投資家の期待している収益に結び付かない可能性があります。

 

B 新株予約権の行使による株式価値の希薄化に関する事項

当社は役職員向けにストック・オプション制度を採用しております。また、主に止血材の原材料調達及び事業運営費用等として投資ファンドのハイツ・キャピタル・マネジメント・インクに対して第6回及び第9回無担保転換社債型新株予約権付社債並びに第36回新株予約権を発行しております。これらの発行済の新株予約権が全て行使された場合の潜在株式数は、合計25,956,109株(2025年6月末日現在、但し第9回無担保転換社債型新株予約権付社債については2025年7月10日現在)となり、この潜在株式数と当社の発行済株式数112,277,276株(2025年6月末日現在)とを合計した数138,233,385株に対し18.8%を占めております。

これらの新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

また、当社は今後も優秀な人材確保のために、同様のインセンティブを継続して実施していくことを検討しております。従って、今後付与される新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値はさらに希薄化する可能性があります。

 

C 為替に関する事項

当社グループの取引のうち、自己組織化ペプチド技術製品の原材料の製造委託及び海外での製品販売については、主に外貨建での決済が行われておりますが、当社グループにおいては特段の為替リスクヘッジは行っておりません。そのため、予想以上に為替相場の変動が生じた場合には、当社グループの業績はその影響を受ける可能性があります。今後は、為替リスクを回避する方策については、その得失に鑑みて、その要否を含め検討してまいります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の概要

①経営成績の分析

 [表1]事業収益及び営業損益

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年5月1日

  至 2024年4月30日

当連結会計年度

(自 2024年5月1日

  至 2025年4月30日

前期比

事業収益

4,588

6,934

+51.1%

売上総利益

3,086

4,424

+43.4%

営業損失(△)

△2,117

△1,156

 

 

当社グループは、米国Massachusetts Institute of Technology(マサチューセッツ工科大学)の研究者の発明による自己組織化ペプチド技術を基にした医療製品の開発・製造・販売を行っております。

現時点では日米欧3極においてそれぞれ複数の製造販売承認を取得しており、主に吸収性局所止血剤を中心にグローバルに販売活動を行っております。

 

[販売進捗の状況]

 [表2]エリア別製品販売状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年5月1日

  至 2024年4月30日

当連結会計年度

(自 2024年5月1日

  至 2025年4月30日

前期比

米国

1,527

3,152

+106.4%

欧州

1,699

2,052

+20.7%

日本

901

1,234

+36.9%

オーストラリア

435

478

+9.9%

その他

24

15

-36.0%

事業収益合計

4,588

6,934

+51.1%

 

 

米国における製品販売は、3,152百万円となり前期比106.4%増となりました。消化器内視鏡領域においては、高い成長を維持しており四半期ごとに過去最高額を達成し計画を大幅に超えるトレンドが継続しております。既存顧客における製品販売額の伸びが進捗することに加え、新規顧客獲得数が想定以上のスピードで増加しており、市場からの大きな需要がうかがえる状況です。また、販売活動強化のため営業人員を拡大する施策も功を奏し、コストの増加分以上に事業収益の成長が進捗し、貢献利益(※)も継続的に拡大しております。耳鼻咽喉科領域においては、アピールポイントを止血から創傷治癒や癒着防止へ転換する戦略が引き続き効果を発揮し、貢献利益の黒字を継続化している状況です。これらの結果、米国子会社は当連結会計年度において、財務会計上の黒字化を達成しております。

欧州における製品販売は、2,052百万円となり前期比20.7%増となりました。主要製品である消化器内視鏡領域の止血材においては、一部代理店販売において営業力確保に想定よりも時間を要していることから、計画未達となっております。心臓血管外科領域に関しては、直販体制を見直し代理店による販売体制に回帰することで営業コストを削減し、貢献利益の拡大を図っております。耳鼻咽喉科領域及び泌尿器科領域においては、小規模の体制で販売を行っております。販売額は小さいものの、高い成長を記録しており計画を達成しております。

日本における製品販売は、1,234百万円となり前期比36.9%増となりました。新規顧客獲得に加え、既存顧客の製品使用量を増やす施策が奏功しており、引き続き高い成長と貢献利益の黒字拡大を達成しております。

オーストラリアにおける製品販売は、478百万円となり前期比9.9%増となりました。政府による民間保険価格の見直しによる製品販売価格の低下の影響を受けておりましたが、2024年7月時点で見直しも終結したとされております。主に価格低下の影響で販売額は計画を下回ったものの、販売本数は計画を上回っており成長を維持しております。

 

このような結果、当連結会計年度については、止血材の製品販売は米国で3,152百万円、欧州で2,052百万円、日本で1,234百万円、オーストラリアで478百万円を計上し、その他事業収益15百万円を含めると、事業収益6,934百万円(前期比2,345百万円の増加)と前期比51.1%増となり、計画を上回る結果となりました。

 

※ 貢献利益:売上総利益から営業費用を控除した数値

 

費用面に関しては、製品と原材料の評価損を計上したことにより、原価が一時的に増加しております。

製品の評価損としては、401百万円を原価に計上しております。主に欧州における消化器内視鏡以外の心臓血管/耳鼻咽喉科分野への拡販用製品が対象となっております。製品製造後、拡販活動に動いたものの市場立ち上げにはまだ時間を要すると判断し、消化器内視鏡分野への営業リソースの集中を実行したことから、製品の消費期限までの販売可能性を検討し評価損として計上いたしました。

原材料の評価損としては、218百万円を原価に計上しております。主に製品の原材料となるペプチドパウダーであり、ペプチド原材料のセカンドサプライヤーから仕入れたものが対象となっております。ペプチドパウダーに有効期限はないものの、仕入からの経過年数、当該サプライヤーからの品質保証の担保に時間を要すること等を検討し評価損として計上いたしました。

この結果、営業損失は1,156百万円と前連結会計年度より960百万円改善し、営業赤字の縮小を実現しております。

また、見込んでいた為替レートからさらに円高に進み(期首1ドル=156.92円→期末1ドル=142.57円)、為替差損が増加した影響から、経常利益以下は赤字が拡大しました。為替換算により大きく変動する可能性のある「子会社貸付金(24百万ユーロ+28百万米ドル)の評価」等の為替差損益の集計を進めた結果、1,128百万円の差損となったため、経常損失は2,483百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は2,501百万円となりました。

 

②財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は6,513百万円(前連結会計年度末比626百万円の増加)、総負債は4,296百万円(同1,236百万円の減少)及び純資産は2,216百万円(同1,862百万円の増加)となりました。

当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況に関する分析は以下のとおりです。

(流動資産)

当連結会計年度末における残高は6,418百万円(同627百万円の増加)となりました。これは主に、現金及び預金の増加216百万円、売掛金の増加745百万円及びその他流動資産の増加75百万円がある一方で、棚卸資産の減少369百万円及び前渡金の減少50百万円があることによるものです。

(固定資産)

当連結会計年度末における残高は94百万円(同0百万円の減少)となりました。これは、投資その他の資産の減少によるものです。

(流動負債)

当連結会計年度末における残高は1,578百万円(同42百万円の増加)となりました。これは主に、未払金の増加248百万円、未払費用の増加16百万円及びその他流動負債の増加23百万円がある一方で、未払法人税等の減少246百万円があることによるものです。

(固定負債)

当連結会計年度末における残高は2,718百万円(同1,278百万円の減少)となりました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債の減少1,233百万円があることによるものです。

(純資産)

当連結会計年度末における残高は2,216百万円(同1,862百万円の増加)となりました。これは主に、資本金及び資本剰余金のそれぞれ1,671百万円の増加及び為替換算調整勘定の増加1,039百万円がある一方で、親会社株主に帰属する当期純損失による利益剰余金の減少2,501百万円があることによるものです。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ216百万円増加し、1,580百万円となりました。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果、減少した資金は1,714百万円(前連結会計年度は1,899百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が2,479百万円であり、増加原因として為替差損1,187百万円、棚卸資産の減少294百万円や前渡金の減少49百万円、未払金の増加270百万円及び未払費用の増加48百万円等があるものの、減少要因として売上債権の増加815百万円及び法人税等の支払額250百万円があることによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果、減少した資金は33百万円(同29百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出11百万円及び長期前払費用の取得による支出17百万円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果、得られた資金は2,013百万円(同2,062百万円の増加)となりました。これは主に、株式の発行による収入2,616百万円があるものの、減少要因として転換社債型新株予約権付社債の償還による支出599百万円があることによるものです。

 

(2) 生産、受注及び販売の状況

 当社グループは、医療製品事業の単一セグメントであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期増減比(%)

医療製品事業

1,756,471

+56.3

合計

1,756,471

+56.3

 

(注) 上記の金額は、製造原価によっております。

 

② 受注実績

当社グループは、販売計画に基づいた生産計画を基礎として見込生産を行っており、かつ、受注から納品までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期増減比(%)

医療製品事業

6,934,144

+51.1

合計

6,934,144

+51.1

 

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

Fujifilm Europe B.V.

1,163,576

25.4

1,269,375

18.3

 

 

(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りを用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては第5経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)及び2.財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりです。

 

② 当連結会計年度の経営成績の分析

「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ①経営成績の分析」に記載のとおりです。

 

③ 当連結会計年度の財政状態の分析

「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ②財政状態の分析」に記載のとおりです。

 

④ 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析

「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性について

  (資金の需要)

当社グループは、自己組織化ペプチド技術を基盤技術とした医療製品の開発・製造・販売を行っております。当社グループの資金需要のうち主なものは、研究開発費用、販売費及び一般管理費等の事業運営費用であります。

  (資金の調達及び流動性)

当社グループは医療製品事業においてグローバルに展開している止血材の製品販売による売上収入を計上してまいります。また親子会社間での研究開発成果の共有・事業運営上の効率化も進んでいることから、諸経費の節減等にも注力し販売費及び一般管理費の圧縮にも取り組んでまいります。

当社グループの事業運営及び研究開発を進めるための十分な資金確保に向けて、米国においてバイオ業界への投資に多くの実績を有する投資ファンドのハイツ・キャピタル・マネジメント・インクに対し、2024年4月に第39回新株予約権を発行いたしました。これにより、当連結会計年度において、第39回新株予約権の権利行使により2,628,560千円を調達することができました。一方で、既発行の社債について早期償還条項の適用による一部償還により、2024年9月に第7回無担保転換社債型新株予約権付社債のうち62,500千円を、2024年10月に第6回無担保転換社債型新株予約権付社債のうち256,250千円を、2024年11月に第5回無担保転換社債型新株予約権付社債のうち220,636千円を償還しております。

また、株式会社りそな銀行とコミットメントライン契約を締結しており、安定的な事業資金の確保に取り組んでおります。今後も引き続き、金融機関からの借入を含む様々な資金調達を検討し、継続的な財務基盤の強化に努めてまいります。

 

⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等及び(3)目標とする経営指標」に記載のとおりとなっております。当期の経営成績並びに研究開発活動の詳細につきましては「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」及び「第2 事業の状況 5研究開発活動 (2)研究開発活動」をご覧ください。

 

 

5 【重要な契約等】

当社グループの経営上の重要な契約は以下のとおりです。

 

(1) 技術導入契約

契約会社名

子会社(3-D Matrix,Inc.)

契約相手方名

MIT

主な契約内容

MITは3-D Matrix,Inc.に対し、MITの有する自己組織化ペプチド技術に係る特許権(出願中のものを含む。)の全世界における独占的実施権(再実施許諾権付)を許諾する。

 

 

(2) 止血材製品に関する契約

契約会社名

当社

契約先名

扶桑薬品工業株式会社(以下「扶桑」という。)

主な契約内容

当社は、扶桑に対し、当社製品の製造を委託する。

 

 

契約会社名

当社

契約先名

Pharmpur GMBH(以下「Pharmpur」という。)

主な契約内容

当社は、Pharmpurに対し、当社製品の製造を委託する。

 

 

<欧州>

契約会社名

子会社(3-D Matrix Europe SAS)

契約先名

FUJIFILM Europe B.V.(以下「FUJIFILM」という。)

主な契約内容

当社は、FUJIFILMに対し、欧州地域において消化器内視鏡領域の止血材製品にかかる独占的販売権を許諾する。

 

 

(3) その他の契約

<企業・株主間の合意に関する契約>

当社は、ハイツ・キャピタル・マネジメント・インクにより運用されるファンド(以下「割当先」という。)が保有する第6回無担保転換社債型新株予約権付社債、第9回無担保転換社債型新株予約権付社債及び第36回新株予約権の発行に際して、それぞれ2022年9月30日付、2025年6月24日付及び2023年6月29日付で、以下の合意の内容が含まれるSecurities Purchase Agreementを締結しております。

 

① 2022年9月30日付Securities Purchase Agreement

契約会社名

当社

契約先名

CVI Investments, Inc.

契約先住所

Maples Corporate Services Limited, PO Box 309, Ugland House, Grand Cayman KY1-1104, Cayman Islands

合意の内容

(ロックアップ)

当社は、本契約の締結日から第6回無担保転換社債型新株予約権付社債が残存している期間中、割当先の事前の書面による承諾を受けることなく、(i)その保有者に当社普通株式を取得する権利を与えることを内容とする当社又は当社の子会社が発行者となる証券等で、当該証券等の発行後に、当該証券等における当社普通株式の取得に係る行使価額若しくは転換価額等が、(A)当社普通株式の時価等に連動して決定又は変更されるもの、若しくは(B)当社の事業若しくは当社普通株式の取引市場に関連する事由の発生により調整されるものの発行若しくは処分、又は(ii)当社が将来決定される価格に基づき証券を売却することを内容とする契約の締結を行わない旨を合意しております。

(オーナーシップキャップ)

割当先の実質的保有株式に係る議決権数が、当社の議決権総数の9.9%を上回ることとなるような当社普通株式の発行を行わない旨を合意しております。

合意の目的

ハイツ・キャピタル・マネジメント・インクより提案を受けた上記合意の内容を含む資金調達のスキームに基づき、当社の事業運営費用を調達することを目的としております。

取締役会における検討状況その他の当該提出会社における当該合意に係る意思決定に至る過程

資金調達の可能性に関し複数社から提案を受けるなど検討を進めていたところ、ハイツ・キャピタル・マネジメント・インクより、具体的な資金調達提案を受けるに至りました。当該内容を社内で協議・検討した後に、提案を受けた資金調達のスキームが、既存株主の利益に配慮しながら当社の将来の資金ニーズに対応しうる点において、当社のニーズを満たしていると判断しております。

当該合意が当該提出会社の企業統治に及ぼす影響

ロックアップの合意に基づき、当社が上記の行為を行う場合には、割当先の事前の書面による承諾を得ることとなっており、資金調達に対する一定の制約となりうるものの、現時点においては、当該合意が当社のガバナンスに与える影響は軽微であると考えております。

 

 

② 2025年6月24日付Securities Purchase Agreement

契約会社名

当社

契約先名

CVI Investments, Inc.

契約先住所

Maples Corporate Services Limited, PO Box 309, Ugland House, Grand Cayman KY1-1104, Cayman Islands

合意の内容

(ロックアップ)

当社は、本契約の締結日から割当先が第9回無担保転換社債型新株予約権付社債を保有している間、(i)当該新株予約権付社債の下限転換価額を下回る払込金額にて当社普通株式の発行等を行わず、また(ii)その保有者に当社普通株式を取得する権利を与えることを内容とする当社又は当社の子会社が発行者となる証券等で、当該証券等における当社普通株式の取得に係る行使価額若しくは転換価額等が当該新株予約権付社債の下限転換価額を下回るものの発行等を、割当先の事前の書面による承諾(但し、割当先は、当社の長期的な戦略的パートナーに対して当社普通株式の発行等を行う場合にはかかる承諾を不合理に留保又は遅延しないものとする。)を受けることなく行わない旨を合意しております。

(オーナーシップキャップ)

割当先の実質的保有株式に係る議決権数が、当社の議決権総数の9.9%を上回ることとなるような当社普通株式の発行を行わない旨を合意しております。

合意の目的

ハイツ・キャピタル・マネジメント・インクより提案を受けた上記合意の内容を含む資金調達のスキームに基づき、当社の第5回無担保転換社債型新株予約権付社債を買入れることを目的としております。

取締役会における検討状況その他の当該提出会社における当該合意に係る意思決定に至る過程

資金調達の可能性に関し複数社から提案を受けるなど検討を進めていたところ、ハイツ・キャピタル・マネジメント・インクより、具体的な資金調達提案を受けるに至りました。当該内容を社内で協議・検討した後に、第9回無担保転換社債型新株予約権付社債の発行と第5回無担保転換社債型新株予約権付社債の買入を同時に実施するリファイナンスが、既存株主の利益に配慮しながら既存新株予約権付社債の償還義務の不履行を回避できることや、株式への段階的な転換の促進を図ることで今後発生する償還義務を回避する点において、当社のニーズを満たしていると判断しております。

当該合意が当該提出会社の企業統治に及ぼす影響

ロックアップの合意に基づき、当社が上記の行為を行う場合には、割当先の事前の書面による承諾を得ることとなっており、資金調達に対する一定の制約となりうるものの、当社の長期的な戦略的パートナーに対して当社普通株式の発行等を行う場合には、かかる承諾を不合理に留保又は遅延しないこととされていることも踏まえると、現時点においては、当該合意が当社のガバナンスに与える影響は軽微であると考えております。

 

 

③ 2023年6月29日付Securities Purchase Agreement

契約会社名

当社

契約先名

CVI Investments, Inc.

契約先住所

Maples Corporate Services Limited, PO Box 309, Ugland House, Grand Cayman KY1-1104, Cayman Islands

合意の内容

(ロックアップ)

当社は、本契約の締結日から第36回新株予約権が残存している期間中、割当先の事前の書面による承諾を受けることなく、(i)その保有者に当社普通株式を取得する権利を与えることを内容とする当社又は当社の子会社が発行者となる証券等で、当該証券等の発行後に、当該証券等における当社普通株式の取得に係る行使価額若しくは転換価額等が、(A)当社普通株式の時価等に連動して決定又は変更されるもの、若しくは(B)当社の事業若しくは当社普通株式の取引市場に関連する事由の発生により調整されるものの発行若しくは処分、又は(ii)当社が将来決定される価格に基づき証券を売却することを内容とする契約の締結を行わない旨を合意しております。

(オーナーシップキャップ)

割当先の実質的保有株式に係る議決権数が、当社の議決権総数の9.9%を上回ることとなるような当社普通株式の発行を行わない旨を合意しております。

合意の目的

ハイツ・キャピタル・マネジメント・インクより提案を受けた上記合意の内容を含む資金調達のスキームに基づき、当社の事業運営費用を調達することを目的としております。

取締役会における検討状況その他の当該提出会社における当該合意に係る意思決定に至る過程

資金調達の可能性に関し複数社から提案を受けるなど検討を進めていたところ、ハイツ・キャピタル・マネジメント・インクより、具体的な資金調達提案を受けるに至りました。当該内容を社内で協議・検討した後に、提案を受けた資金調達のスキームが、既存株主の利益に配慮しながら当社の将来の資金ニーズに対応しうる点において、当社のニーズを満たしていると判断しております。

当該合意が当該提出会社の企業統治に及ぼす影響

ロックアップの合意に基づき、当社が上記の行為を行う場合には、割当先の事前の書面による承諾を得ることとなっており、資金調達に対する一定の制約となりうるものの、現時点においては、当該合意が当社のガバナンスに与える影響は軽微であると考えております。

 

 

<財務上の特約:短期借入金>

当社は、財務上の特約が付された金銭消費貸借契約を締結しております。

契約締結日

相手先

期末残高

(千円)

弁済期限

担保の内容

2025年4月25日

株式会社りそな銀行

300,000

2025年10月31日

無担保・無保証

 

財務上の特約の内容等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(連結貸借対照表関係)に記載しているため、記載を省略しております。

 

<財務上の特約:新株予約権付社債>

当社は、財務上の特約が付された新株予約権付社債を発行しております。

新株予約権付社債の内容等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の ⑤連結附属明細表 に記載しているため、記載を省略しております。また、財務上の特約の内容等も、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(連結貸借対照表関係)に記載しているため、記載を省略しております。

 

 

6 【研究開発活動】

(1) 研究開発目的・体制

当社グループは、自己組織化ペプチド技術を外科領域では吸収性局所止血材、粘膜隆起材、後出血予防材や癒着防止材等、組織再生領域では創傷治癒材及び歯槽骨再建材等、DDS領域では核酸医薬等のパイプラインへ応用し、製品化に向けた研究開発活動を行っております。

当社の研究開発活動は、製造販売承認申請と品質管理体制等を管掌する薬事開発部、臨床試験における臨床施設・治験医師・治験モニタリング等を担当する事業開発部の2部門で行っており、全体を代表取締役社長が統括・管掌する体制を取っております。また、外部機関に対する一部検査・試験等の委託やCROを活用する等、少人数で効率的に研究開発が進められる体制を整備しております。子会社においても、当社のサポートの下で、外部の薬事コンサルタント等の支援を得て、研究開発活動を進めております。

 

(2) 研究開発活動

当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は498,200千円であり、主な研究開発活動として下記のとおり実施いたしました。

 

[表3]研究開発プロジェクトの状況

 

プロジェクト

ニーズと特徴

状況

小児の心臓手術の止血

小児向けに承認を受けている安全な止血材がない。塗布後に膨張せず、術後癒着が抑えられ、狭い領域でも視野が確保されることが臨床ニーズ。ピュアスタットは第一候補になりうる。

欧州、米国で承認申請準備中。欧州における臨床データ収集終了。解析中。

頭部・頸部の止血

ピュアスタットで止血することで、焼灼止血に起因する組織障害が減り、術後の痛み軽減、手術部位に留置したドレーンからの排液量が減少し早期の抜管、早期の退院が可能。病院において大幅なコスト削減となりうる。

欧州において販売中。論文準備中。米国承認申請準備中。咽頭領域に関しては臨床データ収集終了。頭頚部領域についてはデータ収集中。

オスラー病(HHT)の止血(鼻)

オスラー病は遺伝性の疾患で約8割は繰り返す鼻血をきたす。鼻血の止血処置は都市部の病院で対応するため、地方に住む患者は長時間かけて通う必要がある。在宅医療にてピュアスタットを用いることにより、患者QOLを向上させる。

欧州で学会にてポスター発表済。欧州で臨床研究を追加で準備中。米国においても症例蓄積中。論文発表後、承認申請予定。

生検後の止血

経内視鏡の生検鉗子による組織採取では肺等部位によって出血した場合、有効な止血手立てがなく十分なサンプルの取得が困難。ピュアスタットはこれら止血困難な部位にて使用可能であり十分量のサンプル取得を可能とする。

米国承認申請準備中。

前立腺肥大手術の止血

ロボット手術で肥大部を削る際に出るウージングの経尿道カテーテルによる止血。焼灼を減らすことにより術後に男性生殖機能を低下させることを防げる。

欧州で販売中。手術ロボット企業とテストマーケティングを2025年5月より開始。

米国にて承認申請検討中。

脳外科における止血

経鼻の内視鏡による脳手術において、焼灼以外で使える唯一の止血材となる可能性。当社が独自に開発した新規ペプチドを用いる。

当初は2025年4月に承認予定であったが、審査が長引き2025年夏に承認見込。

内視鏡用粘膜下注入材(ピュアリフト)

消化器内視鏡的に腫瘍を切除する際に、病変部を挙上させる目的で粘膜下に注入する。粘膜下注入後にゲル化するため、注入しやすく、治療中の粘膜切開・剥離によっても流出しにくいため、腫瘍を切除しやすくなる。注入量や注入回数も減少できる可能性があり消化器内視鏡治療の質の向上に貢献できる。

薬事承認時の製造所との契約解除により、現在販売を中止している。新規製造所と契約締結済。製造開始に向けて準備中。

放射線直腸炎の治癒

放射線治療の副作用。難治性の潰瘍と出血。現在は治療法がないアンメットの状態。ピュアスタットを塗布することで潰瘍の治癒が観察されている。

欧州の内視鏡学会で論文発表済。欧州ガイドラインにピュアスタット追加済。欧州での承認を目指し、臨床研究において症例追加開始。

放射線膀胱炎の治癒

放射線治療の副作用。難治性の潰瘍と出血。現在は治療法がないアンメットの状態。ピュアスタットを塗布することで潰瘍の治癒が観察されている。

欧州で実施した前立腺肥大手術における臨床研究データを活用し、米国にて承認申請予定。

 

 

プロジェクト

ニーズと特徴

状況

炎症性腸疾患の粘膜の治癒

消化管の難治性炎症。原因不明で、一度発症すると再燃と寛解を繰り返し、生涯治療が必要となる特定疾患。現在多数の抗炎症剤が用いられているが、粘膜を治癒することで治療効果があがる可能性。ピュアスタットで粘膜の治癒を目指す。

群馬大学で症例組入中、4例終了(症例報告論文準備中)札幌医大で症例組入中。基礎研究を複数の研究機関にて実施中。

粘膜の創傷治癒

消化管、尿道、膀胱、鼻腔等の粘膜の創傷治癒材としての有効性はこれまでに様々なスタディで確認されている。正式な薬事承認を得ることで拡販に繋げ、また、難治性炎症の更なる症例蓄積に繋げる。

米国において2025年5月に承認申請済。10月末に承認取得見込。

放射線治療用吸収性組織スペーサ

前立腺がんや子宮がんの放射線治療の際に、直腸へのダメージを減少させることを目的として、直腸と前立腺や子宮の臓器間に経皮的に注入される。当社ペプチドの生体分解性と高い生体適合性がニーズにマッチすると考えられる。特に子宮がんで注入可能なスペーサは国内未承認であり、早期の開発が待たれている状況。

日本で大学と共同研究中。

動物実験終了。臨床応用検討中。

食道狭窄予防

予防方法の確立していないESD後食道狭窄に対して、内視鏡的塗布による、防止効果を実証。後出血や瘢痕化による創傷治癒の遅延も抑制。

欧州の動物実験で有効性確認。広島大学で臨床研究患者20例の組入終了。解析後、論文投稿予定。

嚥下障害予防

咽頭癌の抗癌剤/放射線治療後に実施する内視鏡下咽喉頭手術後の嚥下障害は、QOLの悪化を招くが予防方法が存在しない。この嚥下障害に対し、内視鏡的塗布による予防効果を目指す。

広島大学、関西医科大学において2025年6月より特定臨床研究開始。

心筋機能低下の回復(再生)

注入型の心筋機能回復デバイスとしての開発を目指し、当社ペプチドにより心筋再生の足場環境を構築するとともに、幹細胞及び成長因子タンパク質との混合注入による心筋再生の促進を確認した。

米国ハーバード大学で論文準備中。

骨充填材(再生)

患者本人以外の生物由来物質を使用しない、安全性が高く低侵襲で大型の骨欠損にも対応した注入型骨再生材料としての開発を目指す。ピュアスタットを骨再生の足場材料とし、患者本人の体液由来の成長因子を保持させることで低侵襲かつ注入可能な骨再生充填剤としての開発を目指す。歯槽骨再建にとどまらず、腫瘍切除後の骨欠損などの大型な骨欠損への再生材料を目指す。

骨充填剤として米国で早期に承認申請予定。

乳がんを対象としたsiRNAのデリバリー

がんの悪玉とされる「がん幹細胞」を抑制するsiRNAを、当社ペプチドでドラッグデリバリーすることで、腫瘍縮小だけでなく乳がんの再発や転移抑制にも寄与することも期待して開発中。国内治験において、ヒトへの安全性と腫瘍抑制メカニズム発揮を確認。

全身投与に最適化したDDSペプチドを開発中。トリプルネガティブ乳がんにおいて、特に予後が悪いフェノタイプと、RPN2発現プロファイルの相関解明に向けた研究を複数の研究機関にて実施中。

悪性胸膜中皮腫を対象としたmiRNAのデリバリー

アスベスト(石綿)に暴露された後、数十年の潜伏期間を経て発症するがん。症例数は向こう10年間増え続けるとされている。発症後は薬剤療法に決め手がなく、非常に侵襲性の高い外科手術をしても予後が悪い。マイクロRNA(miRNA)を、画期的新薬として当社ペプチドでドラッグデリバリーして治療する。

導出先のPURMX社によるグローバルPhase1/2治験準備中。新たに国内において頭頚部癌に対する治験を開始。

ワクチンのデリバリー

当社ペプチドと抗原(タンパク質あるいはmRNA)を複合した徐放作用をもつワクチンで、抗体価の上昇、単回投与での抗体獲得、炎症抑制に基づく副作用の低減を目指す。さらに、内包した抗原の安定性を高め、室温保存可能なワクチンとして輸送、貯蔵でのコールドチェーンを不要にできることも期待。

米国のワクチン開発企業、北海道大学と共同研究中。