第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

(経営の基本方針)

当企業グループは道路建設機械事業を通じて、国土開発という社会事業に貢献することを経営の基本方針としています。ユーザの方々に信頼のおける製品とサービスを提供すること、道路建設機械のスペシャリストとして常に技術の深耕を図り、道路事業の発展に有益な技術を創造して行くこと、そして道路建設機械で培った専門技術を周辺分野の事業にも役立てて行くことが、当企業グループの存在意義であり、責務であると考えております。

この基本方針に基づき、株主の皆様より出資された資金並びに社員の能力を最大限生かせる会社運営を行うことにより、株主の皆様の期待に応えられる業績を上げて行くことに全力を尽くして参ります。

(中期的な会社の経営戦略)

当企業グループは、国内建設投資の成熟化と激動する世界経済の中で現在成長の踊り場を迎えております。我々と致しましては、強みである道路建設機械事業の更なる専門化と国際化を会社の進むべき方向とし、事業構造革新を強力に進めて行く方針であります。この為、①国内事業の安定化、②海外事業の更なる拡大、③魅力ある新製品開発とサービスの提供を中期経営課題として定め、国際競争力の向上と国内外事業による安定的収益構造確立によって、中長期的な持続的成長と国際市場におけるトップメーカとしての地位を目指して参ります。

(中期的な経営方針)

当社は、2022年3月期から2026年3月期の5ヶ年を対象とした、中期的な経営方針を策定し、2021年6月に公表致しました。

1.当社の目指す企業像

(1)あるべき当社の姿

・ 道路建設機械における世界一流のグローバルニッチ企業

・ 中期経営計画として、売上規模300億円の基盤固め

・ 長期目標として、売上規模500億円企業への成長

(2)プライム市場への上場維持確保

・ これまでの安定志向の経営から脱却し、質実ともにグローバル水準の企業経営への脱皮

・ 「事業成長」と「資本政策」を二本柱とした経営への転換と、これを通じた企業価値の向上

 

2.中期的目標

売上高300億円、ROE8%を実現し、安定的に配当性向50%(DOE4%)を維持

 

3.KPI

KPI

21/3実績

24/3目標

26/3目標

売上高

216億円

265億円

300億円

営業利益

7億円

20億円

31億円

ROE

0.0%

5.5%

8.0%

配当政策

ROE3%を下回る場合は配当性向100%の還元

ROE3%~6%の間はDOE3%の還元

ROE6%を超えた場合は配当性向50%の還元

自己株買い

5~20億円規模を上限とした機動的な自己株買い

 

(経営環境)

国内市場

・ 政府建設投資

今年の政府建設投資見通しは、インフレを加味した実質ベースでも増加基調に推移し、引き続き高い建設投資水準が維持される見通しです。

・ 国土強靭化計画

今年は総額15兆円の防災・減災・国土強靭化加速化対策が最終年度を迎え、新たに国土強靭化実施中期計画の策定が開始します。災害の激甚化、巨大地震リスク、DX・新技術による効率化など、防災分野への投資とDXによる効率化に向けて、引き続き高水準のインフラ投資が継続される見通しです。

・ 国内ローラ需要

昨年は、供給制約時の前倒し発注や建設機械価格値上げ前の駆け込み発注によってレンタル業界の設備保有台数が過多になるとともに、仕入原価上昇に伴うレンタル単価改善と経営効率化に向けた設備投資抑制が進みました。その結果、77期通期のローラ需要予想値は、前年同期比36%減の1,275台まで大幅に落ち込む見通しです。

レンタル業界は繰返し投資が必要な事業構造ですので、在庫構造と収益構造の適正化とともに需要回復に向かうものと予想しています。

令和6年の建設機械損料改訂では、ローラの1日当り損料が3%改善(5年で15%価格UPに相当)されていますので、レンタル単価上昇を後押しする原資になります。

・ i-Construction 2.0

国土交通省は昨年新たなDX戦略として、i-Construction 2.0を打ち出しました。建設現場のオートメーション化を進め、2040年度までに3割の省人化(生産性1.5倍向上)を目指しています。その柱を次の3つとし、直轄工事からデジタル化を強力に進める方針です。

(1)施工のオートメーション化

(2)データ連携のオートメーション化

(3)施工管理のオートメーション化

当社が進めている自律走行式ローラ、転圧管理システム、切削工事出来形管理システムの実用化水準を高め、次世代事業として着実にビジネス化して行きたいと思います。

・ 国内インフレ動向

企業間物価指数は2024年も更に上昇しましたが、素材系については23.7%UPの高値安定でほぼ収束しつつあります。

一方で企業向けサービス価格指数は8.7%UPとなり引き続き上昇傾向にあります。労働生産人口が益々減少する中で賃金上昇が続き、人手を伴うモノとサービスの価格は引き続き上昇するものと予想されます。

販売においては改定価格の維持、ものづくりにおいては現場人材の強化と省人化、DXによる効率化とコストダウン、インド・中国を活用したコストダウンを進めて行かねばなりません。

海外市場

・ 北米市場

北米の建設投資は引き続き高水準に推移中です。特に道路建設投資については、インフラ投資法を背景として、2022年から5ヵ年連邦予算が前計画比35%増の3,030億ドル確保されていますので、引き続き高水準の建設投資が期待されます。

ローラ需要は、2023年の12,111台から2024年5月に13,423台のピークを付けた後減少に転じ、9月時点で12,428台まで減少して来ています。代理店及びレンタル業界が過剰流通在庫の調整を進めており、過剰在庫解消と金融緩和進行とともに底入れする見通しです。

・ アメリカ政権交代

米大統領選挙の結果、これまでの民主党バイデン政権から、とても強いリーダーシップを発揮する共和党トランプ政権に交替し、世界のパワーバランスが大きな変わり目を迎えるものと思います。

2022年から開始したインフラ投資法は民主党と共和党の超党派で決まった予算法案ですので、政権が代わっても大きな変化は無いと予想していますが、サプライチェーンについては見直しと修正が必要になります。

・ ASEAN市場

中国経済の低迷や自国通貨安、選挙に伴う政策停滞などで、ASEAN全体は景気減速が続いています。

ローラ需要についても前年同期比21%減の3,402台と減少基調にある中で、インド及び中国製の廉価製品が参入し、市場競争が激化しています。

今後はインドネシアやタイなど新政権による経済政策や中国代替輸出基地化、底堅いインフラ需要や鉱山開発など底入れを期待しています。

世界ローラ需要

世界のローラ総需要は、前年同期の53,835台から10%減の48,506台に減少しました。当社主要市場では、日本・ASEAN・オセアニア・中国がすべて減少に転じるとともに、北米でも5月にピークを付けた後減少に転じています。

一方で中近東・アフリカ・インドなどでは需要拡大基調が続いており、グローバルサウス市場へも視野を広げて行く必要があります。

(優先的に対処すべき事業上の課題)

今後世界の建設機械市場は、短期的にはコロナ後の需要拡大期からの調整局面がしばらく続くものの、中期的には日米の大型インフラ投資計画や新興諸国におけるインフラ投資と鉱山開発の活発化、更には老朽化インフラの更新需要や災害対策など、建設機械の底堅い潜在需要が期待されますので、景気循環を経て底入れするものと予想しております。

一方足元では、第二次トランプ政権の誕生と世界の政治的パワーバランスの変化に伴い、これまでの自由貿易や安全保障体制の枠組みが大きく変化しつつあり、世界情勢の先行きは予断を許しません。

このような情勢の下で当企業グループでは、米国向け関税対策とサプライチェーンの修正を急ぐとともに、収益構造と人的組織能力の強化、市場環境変化に伴う競争戦略の再強化、ものづくり品質の底上げなど、この需要調整期間に経営の基礎基盤を固め直すことにより、市場回復期に向けた企業体質づくりを進めて参ります。

また引き続き、中長期成長戦略として、アジア市場深耕と北米市場展開、海外事業領域拡大、新技術活用による次世代事業開発、需要変化対応力強化を進めるとともに、積極的にESGを推進し、中長期的な事業成長と企業価値向上を目指して参ります。

(目標とする経営指標等)

当企業グループは、道路機械という専門技術が求められるニッチマーケットにおいて、業界唯一の独立企業として自由で健全な成長と世界のインフラ整備に貢献できるグローバルニッチメーカを目指しており、売上高、営業利益を重要な経営指標として位置づけ、本業からの収益の着実な積み上げを目指します。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当企業グループは、以下のとおり、サステナビリティ基本方針を制定し、サステナビリティにおける課題に取り組んでおります。

 

 

サステナビリティ基本方針

 

当企業グループは、道路建設機械事業を通じて、世界の国土開発という社会事業に貢

献するという経営の基本方針のもと、ESG経営の推進・実践を通じて、持続可能な

社会の実現への貢献とグループの持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上を目指

します。

 

1.(環境)

自社のCO2排出量削減に取り組むとともに、新技術の開発による付加価値創造

を通じて、脱炭素社会の実現に貢献します。

 

2.(社会)

道路建設機械事業を通じて社会的課題の解決と社会的価値の創造に取り組みます。

 

3.(人権)

性別・国籍・年齢等個人の属性に基づく差別を行わず、事業活動に関わるすべて

のステークホルダーの人権を尊重します。

 

4.(人材)

人材は企業発展のための原動力であり、安全・安心に働ける環境を整備するとと

もに、多様性を認め、人材の確保・育成に努めます。

 

5.(企業統治)

コーポレートガバナンス・コードに基づいた経営体制作りを進め、すべてのステ

ークホルダーとの信頼関係構築に努めます。

 

 

 

サステナビリティに関する重要事項につきましては、マネジメント・ボードとしての取締役会に報告、マネジメント・ボードにて審議され、モニタリング・ボードとしての取締役会にて監督がなされる体制を整備しております。なお、取締役会の運営に関する情報は、第4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要「② 企業統治の体制」に記載しております。

(1)気候変動への取り組み

気候変動への対応については、リスクと機会の両面において当企業グループの事業活動への影響が大きいことから、重要課題と位置づけ、2022年6月より、TCFDの提言に沿った気候変動に関する情報を開示しております。

① ガバナンス

気候変動問題への取組を加速化させることを目的として、2021年12月にカーボンニュートラル委員会を設立致しました。カーボンニュートラル委員会は、気候変動への対応の進捗状況、課題等を毎月、マネジメント・ボードとしての取締役会に報告する体制を整備しております。カーボンニュートラル委員会の構成員は、執行役員を筆頭に全社横断的なメンバーで構成されており、全社的な気候変動への対応についての議論、具体的な活動を推進しております。

② 戦略

TCFDの提言にて例示されている気候変動がもたらすリスク・機会を基にシナリオ分析を実施しており、2℃以下シナリオと4℃シナリオの2つのシナリオで分析しております。

a.2℃以下シナリオ

政府の環境規制強化に伴う炭素税導入、再生可能エネルギー需要の増加による価格上昇など費用の増加、電力消費量を削減するための設備投資の増加が想定されます。また、省資源・低炭素化の推進から厚板や鋼材などの部材価格が高騰することにより、製造コストが上昇し、当社の収益に多大な影響が及ぼされることが想定されます。

上記のリスクに対して、当社では、販売価格改定と物流効率改善に加え、再生可能エネルギーの導入、製造現場での省エネ等に取り組むことで財務的な負の影響を軽減させて参ります。また、ローラのEV化、DX化、自律走行式ローラの実用化等を推進することでお客様の建設施工現場のCO2削減に貢献することを新たな付加価値として提供して参ります。当社の道路建設機械事業を通じての環境問題への取組は、社会的課題解決に資するだけでなく、環境・社会リスクのマネージを通じて、ビジネスチャンスを的確につかむことにより、企業価値向上にもつながり、さらには資本市場からの評価の向上につながることが考えられます。

b.4℃シナリオ

異常気象の増加、激甚化による自社工場の被災、さらにはサプライヤーの被災による部品供給の断絶が想定されます。平均気温の上昇や気象パターンの変化に伴う異常気象の慢性化からは、労働環境の悪化による従業員の生産効率の低下、良好な労働環境を維持するための対応コストの発生が想定されます。一方で気象パターンの変化に伴う堤防、盛土の強靭化、また自然災害により被害を受けたインフラ復旧の必要性から、当社の建設機械の需要が増加することも想定されます。

③ リスク管理

全ての部門が参加するカーボンニュートラル委員会にて、CO2排出量の削減計画を策定し、対応策を議論・検討するとともに、排出量削減の進捗管理を実施します。活動の中で認識されたリスクは、カーボンニュートラル委員会にて共有され、対応策について協議されるとともに、カーボンニュートラル委員会よりマネジメント・ボードとしての取締役会へ報告を行います。マネジメント・ボードは、当該報告に基づき、対応策等について審議を行い、カーボンニュートラル委員会に対して指示を行います。別途、モニタリング・ボードとしての取締役会にて監督がなされます。

かかるリスク管理を通じて、気候変動に伴うリスク、機会への対応を行っております。

④ 指標と目標

国内の2019年度におけるScope1+2のCO2排出量3,300tを対象に、「2030年度までに50%削減」「2050年度までにカーボンニュートラル」を達成する目標を設定しております。

(2)人的資本経営に関する取り組み

人材は企業発展のための原動力であり、人材の確保・強化は経営の最重要項目の1つと位置付けております。

① 戦略

a.人材の多様性の確保を含む人材育成方針

当企業グループは、中長期成長戦略の実現の為、当企業グループの強みである道路建設機械の専門的知見、成長戦略の中核であるグローバル活動力、そして国際的道路建設機械メーカ特有の管理力・モノづくり力・マーケティング力を持つ「プロ人材の育成」と「戦力化」を進めます。戦力化にあたっては、三現主義(現場、現物、現実)の経験に基づく本質的な仕事力を重視します。

当社の専門的技術力の源泉である開発部門においては、製品開発者が、製品企画から試験、量産化、建設施工現場でのユーザ使用まで一気通貫で業務に携わっております。このように、一般的な教育システムに加え、徹底したOJTを通じた現場経験の積上げによる人材育成に取り組んでおります。

また、多様性の観点では、女性社員、外国人社員、中途採用者の採用を引き続き積極的に進めます。当企業グループでは、グループ社員の約半数が外国人社員であり、日本においても、日本語コミュニケーション能力のある外国人人材を多数採用し、海外事業において活躍しております。中途採用者については役員、経営幹部、管理職層も含め多数在籍しております。

女性の管理職登用については、特に注力すべき課題として認識しております。今後は、女性が活躍できる環境づくりを進め、公平な管理職登用を徹底するとともに、積極的な登用を進めて参ります。

 

b.社内環境整備方針

企業発展の原動力である人材が働く職場を「社員による価値創造の場」とします。

安全・安心に働ける場、多様な情報や人材が集まる場、社員の創造性や成長を誘発する場、活発なチームワークを醸成する場、健全で躍動感ある場とすべく、職場環境の整備を進め、会社の持続的な成長を目指した職場づくりを進めて参ります。

また、社員の自律的なキャリアパス構築と人材育成を取り入れた人事政策の導入を検討して参ります。

② 指標と目標

上記「① 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材育成方針及び社内環境整備方針について、以下のとおり指標と目標を設定しております。

目標の水準につきましては、女性社員に占める女性管理職比率を全社員に占める管理職比率とほぼ同水準まで引き上げることを基本的な考え方として設定しております。従いまして、今後の従業員数、管理職数等の変動により、目標が変動する可能性があります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2026年3月まで16

4.0

(注)上記「① 戦略」において記載した方針につきましては、当企業グループとしての方針ではありますが、指標の設定にあたりましては、データ管理の制約から提出会社での開示としております。

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当企業グループの経営成績及び財務状況等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。

当企業グループと致しましては、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

(1)当企業グループがとっている特異な経営方針

当企業グループは国内市場の販売力の強化はもとより、海外市場の開拓を積極的に進めております。売上高にしめる海外売上比率は、2023年3月期は51.7%、2024年3月期は56.6%、2025年3月期は56.9%となっております。主として、販売先であるアジア、北米の経済状況の影響を受けております。

これらの情報は第5[経理の状況]のセグメント情報等として開示しております。

また、当企業グループの事業では新規製品を継続的に市場に投入していく必要があるため研究開発力が経営の重要な要素となっております。そのため、将来の企業成長には主に新製品の開発の成果に依存するというリスクがあります。

前連結会計年度から引き続き、各国の排出ガス規制に対応すべく新型エンジンの全機種への適用を推進しております。

(2)研究開発活動及び人材育成について

当企業グループは、道路建設機械関連の専門メーカとして、市場において新規製品を継続的に投入していく必要があります。研究開発費の過去3年間の推移をみますと、2023年3月期は955,073千円、2024年3月期は944,433千円、2025年3月期は984,815千円となっており、新製品の開発等に積極的に取り組んでおります。

当連結会計年度においては、北米ユーザから要望のあった舗装用振動ローラSW884/SW994 Guardmanの複数台による並走転圧(Echelon)対応機能の開発を行いました。また、国土交通省が推進するi-Construction要請に対応すべく「転圧管理システム(Compaction Meister)」の全締固め機械への展開を推進しております。自動運転ローラの研究開発では、現場環境や作業状況に応じた3つの運転モード「自動運転・遠隔運転・手動運転」を搭載したSV514D ARMs(12t)を開発いたしました。また、国内の主要ゼネコン各社に共同体メンバーとして参画していただき、各社の工事現場において共同実験を積極的に展開し、仕様の向上を継続・推進しております。

研究開発の成果は不確実なものであり、必ずしも成果に結びつかないというリスクがあります。また、当企業グループの企業成長のためには、特に研究開発に係わる有能な人材に依存しますので、技術スキルの高い人材の確保と育成並びに研究成果の適正な評価が重要となっております。

このような人材を確保又は育成できなかった場合には、当企業グループの企業成長、経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3)海外活動に係わるリスクについて

当企業グループは、海外市場の開拓を積極的に進めている中で、海外の各国における次のようなリスクがあるため、これらの事象が発生した場合は当企業グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

① 予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更

② 社会的共通資本(インフラ)が、未整備なことによる当企業グループの活動への影響

③ 不利な政治的要因の発生

④ 戦争等による社会的混乱

⑤ 主要な市場である北米、アジアにおける景気及びそれに伴う予測を超えた需要変動

当企業グループと致しましては、このような猶予ない事態が発生した際には、政府関係機関及び各業界団体等より正確な情報収集に努め、臨機応変かつ積極的に対応策を講じ解決を図る所存であります。

 

(4)法的規制等について

当企業グループは、国内の法的規制のほかに事業展開している各国の法的規制、たとえば事業・投資の許可、関税・輸出入規制等の適用を受けております。また、将来において現在予期し得ない法的規制等が設けられる可能性があります。

(5)株式保有リスクについて

当企業グループは、金融機関や販売又は仕入に係る取引会社の株式を保有しているため、株式市場の価格変動リスクを負っております。株式の価格変動リスクについては特別のヘッジ手段を用いておりません。なお、有価証券に係る時価に関する情報は、第5[経理の状況]の有価証券関係の注記に記載しております。

(6)重要な訴訟等について

当企業グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟、紛争、その他の法律的手続きの対象となるリスクがあります。これらの法的なリスクについては当企業グループの管理部門が一括管理しており、必要に応じて取締役会及び監査等委員会に報告する管理体制となっております。また、契約中の顧問弁護士と連携を図りながらこれらの法的リスクに対応して参ります。当連結会計年度において当企業グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来重要な訴訟等が提起された場合には、当企業グループの経営成績及び財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(7)為替変動リスクについて

当企業グループの事業は、北米、インドネシア、中国に製品等の生産拠点を設け、全世界に販売を行っております。各地域における売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより、これらの項目は円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円高は、当企業グループの事業に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。

当企業グループが生産を行う地域の通貨価値の下落は、それらの地域における製造の調達コストを押し上げる可能性があり、コストの増加は、利益と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの悪影響を最小限にくい止めるために為替予約等を行ってはおりますが、中期的な通貨変動により、計画された調達、製造、流通及び販売活動を確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は当企業グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当連結会計年度において、為替差損59,925千円を計上しております。

(8)製品保証及び生産物賠償責任リスクについて

当企業グループは道路転圧用各種ロードローラ等を製造しており、厳しい管理基準に基づき製品の設計・製造を行っておりますが、将来にわたり製品に欠陥が生じる可能性を完全に否定することはできません。製品の欠陥は将来の製品保証に係る費用の増加につながり、重大な欠陥が発生した場合には大規模な製品回収(リコール)や生産物賠償責任により多額の費用や賠償金を必要とするだけではなく当企業グループの評価に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、生産物賠償責任については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありませんし、引き続き当企業グループがこのような保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。生産物賠償責任につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当企業グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上高が低下し、当企業グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当企業グループと致しましては、大規模な製品回収や生産物賠償責任を負う事の無いよう徹底した製品の品質管理やISO9001規格の維持等に努めて参ります。

(9)売上債権管理上のリスクについて

当企業グループの販売形態については、商社及び有力代理店を通した間接販売とユーザへの直接販売があります。販売先において資金繰り等の財政困難な状況にあった場合、当企業グループの事業及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当連結会計年度において、重大な貸倒れの発生はありません。

 

(10)繰延税金資産の回収可能性について

繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

(11)感染症の拡大等に関するリスクについて

新型コロナウイルス等の感染症の流行により、国内外において都市封鎖、外出制限等実施された場合、また、役員及び従業員が感染症に罹患した場合には、需要の減少や生産ラインの閉鎖等により当企業グループの事業運営に支障を来たし、財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当企業グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)における当企業グループを取り囲む事業環境は、世界経済が調整局面に入る中、物価上昇と金利高止まりが続くとともに、世界的選挙イヤーによる政策停滞、ウクライナ戦争とイスラエル戦争の混迷、米中対立に伴う保護貿易拡大など先行きの不確実性が高まり、建設機械市場も減速基調のまま推移しました。

このような情勢の下で当企業グループでは、価格改定と高付加価値化による収益構造改革、人的資本投資による雇用環境向上と現場技能者増強、生産調整強化による在庫適正化により、収益構造と人的組織能力と財務体質の強化を進めて参りました。

その結果、当連結会計年度における売上高は、建設機械市場全体の在庫調整局面の中で国内外ともに販売が減少し、前連結会計年度比15.6%減の27,854,055千円となりました。営業利益は、売上減少とこれに伴う生産調整に伴い、前連結会計年度比52.3%減の1,583,765千円、経常利益は同55.0%減の1,494,446千円、親会社株主に帰属する当期純利益は、政策保有株式残高の調整に伴う投資有価証券売却益366,167千円の嵩上げにより、前連結会計年度比41.2%減の1,435,953千円となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

日本

レンタル業界の在庫調整により国内販売が振るわず、総売上高は前年同期比15.2%減の19,847,745千円。営業利益は、在庫適正化に向けた生産調整を当第4四半期会計期間に断行しました結果、280,000千円相当の原価差損が発生し、前年同期比83.1%減の165,962千円となりました。

海外

米国では、ディーラの在庫調整により販売が減少し、総売上高は前年同期比21.9%減の7,588,124千円。営業利益は、売上高の減少に伴い、前年同期比28.9%減の826,660千円となりました。

インドネシアでは、国内販売及び第三国向け輸出の双方が減少し、総売上高は前年同期比10.7%減の6,145,563千円。営業利益は前年同期比44.6%減の556,544千円となりました。

中国では、国内販売並びにグループ企業向け製品・部品輸出が伸び悩み、総売上高は前年同期比27.4%減の1,437,477千円。営業利益は前年同期比65.1%減の72,942千円となりました。

財政状態は次のとおりであります。

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,612,757千円減少し、42,624,601千円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,577,395千円減少し、12,494,096千円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ964,637千円増加し、30,130,504千円となりました。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、売上債権の減少と仕入債務の減少等により、前連結会計年度末に比べ645,237千円減少し、当連結会計年度末には7,599,293千円(前連結会計年度比7.8%減)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果増加した資金は、399,367千円(前連結会計年度は2,482,054千円の増加)であります。

これは主に、税金等調整前当期純利益1,861,128千円や、棚卸資産の増加額632,157千円、仕入債務の減少額2,731,291千円、売上債権の減少額2,558,148千円及び減価償却費、製品保証引当金等の非資金的損益項目を反映したものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果増加した資金は、39,188千円(前連結会計年度は353,700千円の減少)であります。

これは主に、投資有価証券の売却による収入449,411千円、有形固定資産の取得による支出324,544千円、無形固定資産の取得による支出86,820千円を反映したものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果減少した資金は、1,220,429千円(前連結会計年度は1,422,384千円の減少)であります。

これは主に、配当金の支払額1,191,456千円、短期借入金の増加額175,344千円を反映したものであります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前連結会計年度比(%)

日本(千円)

17,416,070

81.2

米国(千円)

6,575,545

93.5

インドネシア(千円)

2,004,192

65.3

中国(千円)

261,967

107.3

合計(千円)

26,257,776

82.6

(注)金額は、売価換算額によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

b.受注実績

当企業グループ製品のほとんどが見込生産であるため、受注状況の記載は省略しております。

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前連結会計年度比(%)

日本(千円)

16,645,122

86.6

米国(千円)

7,574,612

78.1

インドネシア(千円)

3,470,804

91.5

中国(千円)

163,515

54.4

合計(千円)

27,854,055

84.4

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績

当連結会計年度における売上高は、建設機械市場全体の在庫調整局面の中で国内外ともに販売が減少し、前連結会計年度比5,166,743千円減(15.6%減)の27,854,055千円となりました。営業利益は、売上減少とこれに伴う生産調整に伴い、前連結会計年度比1,735,170千円減(52.3%減)の1,583,765千円、経常利益は同1,829,830千円減(55.0%減)の1,494,446千円、親会社株主に帰属する当期純利益は政策保有株式残高の調整に伴う投資有価証券売却益366,167千円の嵩上げにより、1,004,587千円減(41.2%減)の1,435,953千円となりました。

連結地域区分別売上高につきましては、次のとおりであります。

国内向け売上高は、国土強靭化加速化対策を背景とした堅調な政府建設投資が続きましたものの、度重なる価格改定前の駆込み需要と物流と建設の残業上限規制に対して、だぶついた建設機械の流通在庫調整が続き、前連結会計年度比16.2%減の12,000,474千円となりました。

海外向け売上高は、世界的に建設機械市場の調整局面が続き、前連結会計年度比15.2%減の15,853,581千円となりました。

北米向け売上高は、インフラ投資法を背景とした道路建設投資が続きましたものの、金利の高止まりが続く中でディーラ段階の在庫調整が強まり、前連結会計年度比21.9%減の7,574,612千円となりました。アジア向け売上高は、選挙イヤーでASEAN市場全般の需要が停滞していましたが、タイとマレーシアで底入れの兆しが見られ、前連結会計年度比7.2%減の7,021,448千円となりました。

その他市場向け売上高は、主要市場が停滞する中、ODAによる道路維持補修機械案件が増加し、前連結会計年度比12.2%減の1,257,519千円となりました。

当連結会計年度の業績及び事業活動の状況は、以下のとおりとなります。

1.第77期業績概要

・ 建設機械市場全体の在庫調整局面の中で国内外ともに販売が減少(連結売上高前年比15.6%減)

・ 売上減少と、これに伴う生産調整に伴い減益(営業利益前年比52.3%減)

・ 国内販売:国土強靭化加速化対策を背景とした堅調な政府建設投資が続きましたものの、度重なる価格改定前の駆込み需要と物流と建設の残業上限規制に対して、だぶついた建設機械の在庫調整が継続(前年比16.2%減)

・ 北米販売:インフラ投資法を背景とした道路建設投資が続きましたものの、金利の高止まりが続く中でディーラ段階の在庫調整が加速(前年比21.9%減)

・ アジア販売:選挙イヤーでASEAN市場全般の需要が停滞していましたが、タイとマレーシアで底入れの兆し(前年比7.2%減)

2.事業環境変化対応

(1)資本収益性向上に向けた取組み

・中期経営方針の進捗

5ヵ年中期計画:売上高300億円、営業利益31億円、ROE8.0%

第4年度実績 :売上高278億円、営業利益15.8億円、ROE4.9%

2023年4月13日付適時開示「資本収益性の向上に向けた取組状況について」にて取り組み方針を開示

(2)価格改定とコスト低減による収益構造改革

原価率悪化:72.4%(前年比0.8ポイント悪化)

生産調整に伴う原価差損

(3)人的資本投資の強化

・賃金改善と雇用安定化:賃上げ(23年度5.1%、24年度6.0%、25年度6.0%)

・現場技能者増強と職場環境整備:工場・サービス現場増強と健全な職場環境づくり

(4)需要変化対応

棚卸資産回転数:2.4回転(前年比0.68回転減(22%減))…106億円 → 115億円

世界経済が減速する中で建設機械市場も調整期を迎え、適正在庫水準へ調整強化中

 

3.中長期成長戦略

(1)アジア市場深耕  インドネシア拠点を中核としたASEAN市場拡大(鉱山・舗装市場への営業展開)

(2)海外事業領域拡大 道路維持機械の海外市場展開(ODA案件増加、現地生産開始、インドネシアにおける道路再生工法の基準化完了)

(3)北米市場開拓   ニッチマーケティングによるシェア拡大(差別化商品による技術営業強化)

(4)次世代事業開発  緊急ブレーキ、転圧管理システム、切削管理システムの市場展開

自律走行式ローラ、EVローラの事業化開始(土木ゼネコン向け営業展開)

 

b.財政状態

当連結会計年度末における総資産は42,624,601千円となり、前連結会計年度末に比べ1,612,757千円の減少となりました。

流動資産につきましては、棚卸資産が879,818千円増加し、受取手形及び売掛金が1,758,511千円減少、現金及び預金が715,350千円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,026,040千円減少し、26,611,283千円となりました。

固定資産につきましては、有形固定資産が310,926千円増加、無形固定資産が263,664千円増加し、投資有価証券が374,172千円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ413,282千円増加し、16,013,317千円となりました。

流動負債につきましては、短期借入金が175,169千円増加し、電子記録債務が2,577,029千円減少、未払法人税等が233,892千円減少、支払手形及び買掛金が72,676千円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,751,052千円減少し、10,429,707千円となりました。

固定負債につきましては、リース債務が228,842千円増加し、繰延税金負債が85,279千円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ173,657千円増加し、2,064,388千円となりました。

純資産につきましては、為替換算調整勘定が819,052千円増加、利益剰余金が244,497千円増加し、その他有価証券評価差額金が198,479千円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ964,637千円増加し、30,130,504千円となりました。

これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ4.7ポイント増加し、70.5%となりました。

②キャッシュ・フローの状況及び資本の財源及び資金の流動性

(キャッシュ・フロー)

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、(1)経営成績等の状況の概要「② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

(資金需要及び流動性について)

当連結会計年度において、有形固定資産と無形固定資産(ソフトウェア等)411,364千円の設備投資を行っております。所要資金は自己資金及び銀行借入等によって賄い、新株式発行等による資金の調達は行っておりません。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当企業グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 連結財務諸表 「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

a.貸倒引当金の計上基準

当企業グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。しかし、この計算は本質的に将来に対する見積りであり不確実性を含んでおります。実際に発生する貸倒れは見積りと異なる事があり、見積額以上の貸倒損失計上の必要性が生じる可能性があります。

b.製品保証引当金

製品の保証期間に発生した費用の支出に備えるため、過去の実績の製品売上高に対する比率を算定して当連結会計年度の売上高に乗じた額を計上しております。

また、個別に保証対応が見込まれる場合は、将来発生する保証費用の見積額を計上しております。しかし、この計算は本質的に将来に対する見積りであり不確実性を含んでおります。実際の保証額、保証費用は見積りと異なる事があり、製品保証引当金の追加計上の必要性が生じる可能性があります。

 

c.繰延税金資産の回収可能性の評価

当企業グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。しかし、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合に繰延税金資産が減額され税金費用を計上する可能性があります。

d.有形固定資産の減損

当企業グループは、固定資産の減損に係る会計上の見積りにあたり、他の資産又は資産グループのキャッシュ・フローから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でグルーピングを行った上で、グルーピングごとに減損の兆候の有無を判定し、減損の兆候が識別された場合には、将来キャッシュ・フローを利用して減損損失の計上の要否を検討しております。

対象資産グループの割引前将来キャッシュ・フローが当初計画を下回り、回収可能価額が減少し帳簿価額を下回る状況となった場合には、減損損失が発生し当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

5【重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

6【研究開発活動】

研究開発活動は、主に開発本部において行われております。

開発本部は、製品開発部と新技術開発部の二部から構成され、製品開発部では開発手法改革として、CAE解析ツール活用による開発アウトプットの3倍化と、開発管理強化による新製品のQCDの更なる向上を引き続き実施しております。一方、新技術開発部では、中長期経営戦略に基づく新技術とその応用製品の研究開発を行っております。例えば、次世代スマートローラ、自律走行式ローラ及びカーボンニュートラル対応の電動(EV)機の研究開発などです。

当連結会計年度の主な活動状況としては、次のとおりです。

前連結会計年度から引き続き、各国の排出ガス規制に対応すべく新型エンジンの全機種への適用を推進しております。

次世代スマートローラ「緊急ブレーキ装置(Guardman)」の研究開発では、北米ユーザから要望のあった舗装用振動ローラSW884/SW994 Guardmanの複数台による並走転圧(Echelon)対応機能の開発を行いました。また、国土交通省が推進するi-Construction要請に対応すべく「転圧管理システム(Compaction Meister)」の全締固め機械への展開を推進しております。自動運転ローラの研究開発では、現場環境や作業状況に応じた3つの運転モード「自動運転・遠隔運転・手動運転」を搭載したSV514D ARMs(12t)を開発いたしました。また、国内の主要ゼネコン各社に共同体メンバーとして参画していただき、各社の工事現場において共同実験を積極的に展開し、仕様の向上を継続・推進しております。低炭素・脱炭素(カーボンニュートラル)の国策に向けた電動(EV)ローラの研究開発では、バッテリ交換式の電動ハンドガイドローラHV620 evo(0.6t)を開発いたしました。また、4tクラスの電動舗装用振動ローラの研究機を開発し、国内施工業者様の工事現場でデモ機として使用していただき、仕様の見極めなど製品開発に向けて継続・推進しております。

当連結会計年度における産業財産権の総数は、123件(出願件数170件)となっております。

なお、当連結会計年度における研究開発費は984,815千円(前連結会計年度は944,433千円)で、全額日本で発生しております。