(1)住友の事業精神
当社グループは430余年にわたり「ものづくり」の会社として必要とされる製品を安定的にお客様に供給することを社会的責務とし、時代の変化に臨機応変に対応しながら事業を継続してきました。こうした思想、理念は「住友の事業精神」として創業から長きにわたり受け継いできました。当社グループは、この先人達が築き上げてきた「住友の事業精神」の持つ価値観、倫理観の重要性を今一度十分に認識し、当社グループの事業と事業に対する社会からの信頼を確固たるものにするべく、これからも努力を重ねてまいります。
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第1条 わが住友の営業は信用を重んじ、確実を旨とし、もってその鞏固(きょうこ)隆盛を期すべし 第2条 わが住友の営業は時勢の変遷理財の得失を計り、弛張(しちょう)興廃することあるべしといえども、いやしくも浮利に趨(はし)り軽進すべからず (1928年 住友合資会社社則「営業の要旨」より抜粋) |
(2)経営理念と経営ビジョン
当社グループは、住友の事業精神に基づき、当社が社会的な使命と責任を果たしていく指針として、次のとおりグループ経営理念とグループ経営ビジョンを定め、事業を進めています。
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「SMMグループ経営理念」 ・住友の事業精神に基づき、地球および社会との共存を図り、健全な企業活動を通じて社会への貢献とステーク ホルダーへの責任を果たし、より信頼される企業をめざします ・人間尊重を基本とし、その尊厳と価値を認め、明るく活力ある企業をめざします |
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「SMMグループ経営ビジョン」 ・技術力を高め、ものづくり企業としての社会的な使命と責任を果たします ・コンプライアンス、環境保全および安全確保を基本としたグローバルでの企業活動により、資源を確保し、 非鉄金属、機能性材料などの高品質な材料を提供し、企業価値の最大化をめざします |
(3)長期ビジョン
当社グループは、上記の経営理念や経営ビジョンを受け、その到達すべき目標として長期ビジョン「世界の非鉄リーダー」とそのターゲットを定めています。当社グループは、経営理念や経営ビジョンを基盤とし、資源を確保し、非鉄金属や電池・機能性材料など高品質な商品の提供を通じて、成長性と持続性を拡大させ、当社の企業価値を高めていきます。
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「世界の非鉄リーダー」とは ・資源権益やメタル生産量において、グローバルでの存在感(=世界Top5に入るメタル)がある ・資源メジャーでも容易に模倣できない、卓越した技術や独自のビジネスモデルを有している ・持続的成長を実現し、安定して一定規模の利益をあげている ・SDGs等の社会課題に積極的に取り組んでいる ・従業員がいきいきと働いている |
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長期ビジョンのターゲット ・ニッケル:生産量15万トン/年 ・ 銅:権益分生産量30万トン/年 ・ 金:優良権益獲得による鉱山オペレーションへの新規参画 ・材料事業:ポートフォリオ経営による税引前当期利益250億円/年の実現 ・ 利益:親会社の所有者に帰属する当期利益 1,500億円/年 |
(4)重要課題と2030年のありたい姿
「住友金属鉱山グループサステナビリティ方針」では、社会の持続的発展に貢献する経営課題に取り組み、事業の持続的な成長と企業価値の向上を図るとしています。当社グループは、このサステナビリティ方針に従い2020年3月に重要課題を定め、その重要課題に対応する「2030年のありたい姿」を実現するためにサステナビリティ活動に取り組んでまいりました。その後、気候変動の状況やDXをはじめとする技術革新などの変化を受け、持続可能な社会実現への貢献と企業価値の向上に対する社会的要請の高まりを踏まえ、11の重要課題を6つに集約しました。
また各重要課題における「2030年のありたい姿」を整理し、それぞれのありたい姿の実現度合いを測定するKPIおよび目標を設定しました。なお、6つの「重要課題」の詳細については、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組」の(2) 戦略をご参照ください。
(5)中期経営計画
当社グループは、2022年2月に公表した、2022年度から2024年度を対象とする「2021年中期経営計画」(以下、「21中計」という)を実行してまいりましたが、引き続き2025年度から2027年度を対象とする「中期経営計画2027」(以下、「中計27」という)を2025年5月に公表し、ものづくり力を高めて足元の課題を克服していくとともに、長期的な目線で企業価値の向上に取り組んでまいります。なお、これまで当社の中期経営計画の名称には当該計画の「編成年度」を付してきましたが、計画の対象期間をより意識するために、本中期経営計画より当該計画の「最終年度」を付すことと致しました。
なお、文中における将来に関する事項は、中計27を公表した時点において当社グループが判断したものであります。
① 21中計の総括
21中計では、「変革への新たな挑戦」をテーマに、長期ビジョン・ターゲットの実現にむけた戦略施策や、カーボンニュートラルやDX化などの社会課題にチャレンジしていく当社の姿勢を「4つの挑戦」としてまとめ、取り組んできました。
「挑戦1:企業価値拡大-大型プロジェクトの推進」では、ケブラダ・ブランカ2(QB2)プロジェクト及びコテ金開発プロジェクトに取り組み、コロナ禍による立ち上げ時期の遅れや世界的なインフレーションの影響によるコストの計画超過などが発生したものの、いずれのプロジェクトにおいても商業生産を実現させました。また、電池材料の新工場については予定どおり建設を進め、一部前倒しで量産ラインの立ち上げを行いました。ポマラプロジェクトについては許認可の取得に時間を要し、その結果、プロジェクト推進に関する時間軸についてビジネスパートナーと相違が生じたため、2022年4月に事業化検討を中止しました。
「挑戦2:コアビジネスの持続可能性向上」においては、リチウムイオン二次電池リサイクルプラントの建設に着手するなど、ニッケル・コバルト・リチウムのBattery to Batteryの再資源化に向けた取り組みを推進しました。また、パワー半導体材料向けのSiC(シリコンカーバイド)貼り合わせ基板8インチの量産ライン構築を決定しました。さらには新規事業創出の取り組みの一環として、近赤外線吸収材料の技術を活用した「SOLAMENT®」ブランドを立ち上げ、衣類向けなどに拡販を進めました。
「挑戦3:社会環境への適応」については、2050年カーボンニュートラルに向けた「ロードマップ」を策定し、省エネ活動、LNG転換、再生可能エネルギー由来の電力への切り替えなどを推進しました。また、「デジタル基盤グランドデザイン」を策定し、DX基盤の整備を進めるとともに、デジタルツールやデータを活用した全社的な業務改善を展開しました。総合職人事制度の改正、人材育成体系のブラッシュアップなど、人的資本経営の強化にも取り組みました。
「挑戦4:経営基盤強化」では、重機、自動運転設備との接触防止など安全への取り組み強化に努め、重篤災害件数を減少させました。また、サステナビリティ課題解決に向けて「2030年のありたい姿」を改正し、重要課題のKPIと目標設定および推進体制の整備を進めました。
② 当社を取り巻く経営環境
「中計27」の策定に際して考慮すべき中期的な経営環境として以下を挙げております。
a.資源開発の難易度は今後も上昇
・資源ナショナリズムの高揚
・鉱山の高地・奥地・深部・低品位化
・地域社会との良好な関係性構築の難度上昇
・環境規制強化
・投資及び電力・資材代などのランニングコスト上昇
b.非鉄金属の需給バランスは当面供給過多で推移
・ニッケルは中国、インドネシアでの生産増、電気自動車(EV)普及速度の低下により供給過多の状況が継続
・世界の銅地金の生産能力は増加が見込まれる反面、銅精鉱の供給増は限定的で、製錬マージン(TC/RC)の回復は2030年以降の想定
c.材料事業はまだら模様で回復には力強さを欠く
・電池材料はEV需要の鈍化と海外電池メーカーの台頭により事業環境が急速に変化し、価格・技術競争が激化
・機能性材料については、EV需要の鈍化と生成AI以外の牽引役不在のなか、ブロック経済の進行などにより先行きは不透明
③ 中計27の基本戦略
a.事業環境変化への対処
・ケブラダ・ブランカ銅鉱山とコテ金鉱山の戦力化
JVパートナーとの協働による操業の安定化、さらなる生産性向上追求
・電池材料事業の立て直し
事業規模に見合った体制への再構築、徹底した生産性改善、コスト削減の実施
全固体電池用/Ni系次世代電池材料、LFP電池材料等の開発継続
・製錬事業の競争力強化
高効率、低コスト操業の追求、原料対応力強化
・事業ポートフォリオ管理(ROCE経営の推進)
フェロニッケル事業:ニッケルマット製造炉新設による当社ニッケル事業全体のサプライチェーン強化
LT/LN事業(結晶):製造拠点集約、用途拡大追求
b.次の成長への準備
・ニッケル・銅・金開発プロジェクト
豪州カルグーリーニッケルプロジェクト グーンガリーハブの推進
豪州ウィヌ銅・金プロジェクトの推進
・リチウムイオン二次電池リサイクル事業
計画どおりのリサイクルプラント建設推進と稼働開始
・SiC(シリコンカーバイド)貼り合わせ基板
SiC貼り合わせ基板 SiCkrest®(8インチ)の拡販
貼り合わせ支持基板となるSiC多結晶の拡販
・近赤外線吸収材料の推進・拡大
SOLAMENT®農業領域への参入、新規用途開拓
c.持続的成長を支える資産・技術・人材の活用
優良な鉱山資産、卓越した技術、DX基盤、成長戦略を支える人材の活用による「ものづくり力(稼ぐ力)」の強化
d.経営基盤の維持・強化
・サーキュラーエコノミーやカーボンニュートラル社会への貢献をはじめとするサステナビリティ活動の推進
「2030年のありたい姿」に沿った重要課題への取り組みによる、社会課題への対応と事業の持続的な発展・企業価値向上の実現
2050年カーボンニュートラルに向けた「ロードマップ」に基づいた、GHG排出量の削減と低炭素貢献技術の開発推進
・資本コストや株価を意識した経営の推進
これまで推進してきた成長戦略の確実な刈り取り
棚卸資産圧縮、政策保有株式縮減などを含む資本効率の追求
ROCE経営の推進
株主還元の強化(下限指標DOEの水準引き上げ、機動的な自己株式の取得)
・コーポレートガバナンス体制の検討
役員株式報酬制度導入検討
取締役会をはじめとしたガバナンス体制の見直し検討
(6)その他
㈱ジェー・シー・オーは、施設の維持管理、低レベル放射性廃棄物の保管管理、施設の廃止措置に向けた準備のため、施設の解体や除染等を推進するための諸施策を進めております。当社は、同社がこれらに万全の態勢で取り組むことができるよう引き続き支援を行ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組の状況は、次のとおりです。なお、本項において、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
(1)サステナビリティ共通
1(経営方針、経営環境及び対処すべき課題等)に記載のとおり、当社は1590年より永きにわたり営まれてきた住友の源流事業である鉱山運営、製錬事業を受け継ぐ企業であり、住友の事業精神を企業行動の根本に据えています。住友の事業精神の第1条には、社会的な信用や相互の信頼関係を大切にし、何事も誠意をもって対応することが定められています。特に鉱山運営においては、目的の天然資源が存在する場所で採掘活動を行う必要があり、またその事業は一般に数十年といった長期間にわたることから、操業地域における様々なステークホルダーとの信頼関係の構築・維持が事業継続の大前提であることを示しています。
この住友の事業精神に基づいて定めた当社グループの経営理念では、「地球および社会との共存」を謳っており、事業精神が示す信頼関係構築・維持の手段を示すとともに、明るく活力ある企業の実現として「人間尊重」を掲げています。
そして、「地球および社会との共存」と「人間尊重」を通じて目指すサステナビリティへの取り組み姿勢を定めたものが住友金属鉱山グループサステナビリティ方針であり、社会の持続的発展への貢献を経営課題として明確に位置付けるとともに、貢献の持続性の担保と貢献度の向上を目的として自社の持続的な成長もあわせて定めています。これは、住友の精神として受け継がれる「自利利他公私一如」(住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない)によります。
当社グループは、このサステナビリティ方針の実現に向けて重要課題(マテリアリティ)を特定し、それぞれの重要課題に対応する「2030年のありたい姿」を2020年3月に定めました。
その後、気候変動の状況やDXをはじめとする技術革新などの外部環境の大きな変化を受けて、長期ビジョンである「世界の非鉄リーダー」を実現するために取り組むべき重要課題にも変化が生じてきました。
そこで、2020年の策定から目標年である2030年までの中間地点である2025年度を前に、重要課題と「2030年のありたい姿」の改正を行いました。改正にあたっては、持続可能な社会実現への貢献と企業価値の向上に対する社会的要請の高まりを踏まえ、重要課題を6つに集約しました。また、各重要課題における「2030年のありたい姿」を整理し、それぞれのありたい姿の実現度合いを測定するKPI・目標を設定しました。
(2)ガバナンス及びリスク管理
①サステナビリティ推進体制及びガバナンス
当社グループは、サステナビリティ委員会を中心にサステナビリティ活動を推進しています。サステナビリティ委員会は、委員長を社長とし、副委員長にサステナビリティ担当役員(経営企画部所管執行役員)、委員として各事業本部長、各事業室長、技術本部長、技術本部技術企画部長、工務本部長、工務本部生産技術部長、本社部室長が参加し、サステナビリティ推進部・経営企画部が事務局を務め、年2回以上開催しています。また、会長、社外取締役及び監査役はオブザーバーとして出席しています。
本委員会における主な審議項目は以下のとおりであり、サステナビリティ活動の進捗・各パフォーマンスの評価・次年度の活動計画のレビュー・見直しが行われ、PDCAサイクルを回しています。
・サステナビリティ方針、重要課題、「2030年のありたい姿」の改正
・サステナビリティ活動の年次計画など、サステナビリティ活動に関する重要事項及び「2030年のありたい姿」への到達度を評価するためのKPI・目標の選定・設定
・サステナビリティ活動に関する定期的な評価及び是正措置の発動
・サステナビリティ推進に関する情報提供、情報交換、重要な施策の説明、認識の共有化
・その他、サステナビリティ活動に関する重要な課題
2024年度は本委員会を6回、臨時委員会を4回開催し、重要課題と「2030年のありたい姿」の改正のほか、「住友金属鉱山グループ自然に関する方針」の策定や各種方針の改正等について審議を行いました。
なお、サステナビリティ活動の統制として、取締役会において、サステナビリティ活動の進捗状況報告及びサステナビリティ委員会の報告を都度行っているほか、取締役会においてサステナビリティ推進をテーマにした討議を年1回行っており、2024年度は10月に当社のサステナビリティの取り組み状況について討議を行いました。
②サステナビリティ個別課題の検討組織
2025年3月の重要課題と「2030年のありたい姿」改正に伴って推進体制の見直しを行い、サステナビリティ委員会の下部組織について、サステナビリティ部会、マネジメントシステム分科会、カーボンニュートラル推進委員会、企業価値向上戦略会議、DX推進委員会として整備いたしました。これらの各組織は、重要課題ごとの「2030年のありたい姿」の達成に向けたロードマップを策定し、年間計画に基づいて活動し、KPIによる進捗管理を行っています。
・サステナビリティ部会
重要課題と「2030年のありたい姿」改正に伴い、サステナビリティ部会として、それまでの7つの部会をサーキュラーエコノミー部会、地球環境保全部会、地域社会共存共栄部会、人的資本部会の4つに再編しました。各部会は事業部門及びコーポ―レート部門から参加する部会員によって社内横断的組織を構成しており、重要課題と「2030年のありたい姿」の実現に向けた取り組みの推進及び重要課題と「2030年のありたい姿」の検討・制定など、事業と一体となったサステナビリティ活動を推進しています。
・マネジメントシステム分科会
マネジメントシステム分科会は、当社グループの主要なマネジメントシステムを組織横断的に推進し、経営基盤を強化するために設置しています。重要課題と「2030年のありたい姿」の改正に伴い、従来から設置していたリスクマネジメント分科会、コンプライアンス分科会、品質分科会、「責任ある鉱物調達」分科会に加えて、サプライチェーンマネジメント分科会を設置しました。関連する事業部門及びコーポレート部門の長が参加し、それぞれのテーマに則って方針を策定し、活動の進捗を確認しています。
・カーボンニュートラル推進委員会
当社グループが目指すべきカーボンニュートラル実現に向けた方針とそれに基づくロードマップを明確にして、迅速かつ強力に全社的なカーボンニュートラルの取り組みを推進することを目的として、2022年4月にカーボンニュートラル推進委員会を設置しました。カーボンニュートラルの推進は、サステナビリティ活動の中でも、特に当社が技術力を生かして優先的に対応すべき課題であると考え、サステナビリティ部会とは別にカーボンニュートラル推進委員会を設置しています。委員長はカーボンニュートラル推進担当役員(技術本部所管執行役員)、副委員長は安全環境部所管執行役員、委員は各事業本部長及び関係部門長が担当し、年2回以上開催しています。
・企業価値向上戦略会議
当社グループの持続的な事業成長を実現し、企業価値を向上させることを目的として、企業価値向上戦略会議を設置しています。目的の達成をより確実にするために、下部組織として非鉄リーダー実現部会、全社人材部会、式年改革部会を設置しています。議長を経営企画部所管執行役員とし、各事業本部長及び関係部門長が参加し、年2回以上開催しています。具体的な取り組みとしては、大型プロジェクトのパイプライン管理などを行い、企業価値の向上に向けて各種課題に柔軟に対応し、環境適応を図っています。
・DX推進委員会
当社グループが目指すべき将来像を明確にし、DXの全社的な推進による経営への寄与を最大化することを目的として、DX推進委員会を設置しています。DX推進担当役員(技術本部所管執行役員)を委員長とし、各事業本部長及び関係部門長を委員として、年2回以上開催しています。
③リスク管理
当社グループは、以下の重要課題特定プロセスで示す、サステナビリティに関するリスク及び機会を識別・評価しており、今般の重要課題と「2030年のありたい姿」の改正もこのプロセスに沿って実施しました。この特定された重要課題は、前述の②「サステナビリティ個別課題の検討組織」に従って管理しています。
<重要課題特定及び改正プロセス>
a)「サステナビリティ課題」の抽出
国際金属・鉱業評議会(ICMM)の「10の基本原則」やGlobal Reporting Initiative(GRI)スタンダードなどの国際的なガイドラインや、OECDなどが予想する2030年の状況、及び同じ目標年であるSDGsの目標・ターゲットなどを整理し、89の「サステナビリティ課題」を抽出しました。
b)「サステナビリティ課題」重要性評価による重要課題案の特定
抽出された89の課題について、以下の3つの視点に基づき社会的側面、事業側面の2軸にて評価を実施、両側面に共通して重要度が高い11の課題を重要課題案として特定しました。この評価、特定はサステナビリティ部会、事業部門、当社グループ若手従業員、サステナビリティに関する有識者による議論を経て行われました。
・社会に与えるインパクトの程度
・積極的に取り組まないことで増大するリスク
・積極的に取り組むことで得られる機会
c)重要課題の改正
重要課題と「2030年のありたい姿」を策定した2020年当時と比べて、上記の3つの視点について様々な変化が生じてきたことから、2025年3月に11の重要課題を6つに集約し、以下のとおりそれぞれの「2030年のありたい姿」の改正を行いました。
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11の重要課題 |
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6つの重要課題 |
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非鉄金属資源の有効活用 |
非鉄金属の安定供給とサーキュラーエコノミーへの貢献 |
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気候変動 |
カーボンニュートラル社会への貢献 |
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重大環境事故 |
地球環境保全 |
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生物多様性 |
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従業員の安全・衛生 |
人的資本経営 |
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多様な人材 |
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人材の育成と活躍 |
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ステークホルダーとの対話 |
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先住民の権利 |
地域社会との共存共栄 |
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地域社会との共存共栄 |
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サプライチェーンにおける人権 |
サプライチェーンマネジメント |
d)KPI案の作成
改正した重要課題ごとの「2030年のありたい姿」及びKPI案をサステナビリティ部会及びカーボンニュートラル推進委員会にて検討しました。検討にあたっては、可能な限り定量的で測定可能なKPIを選定し、「2030年のありたい姿」の実現のために実効性のある目標値を設定しました。
e)経営層による議論と取締役会決議
重要課題と「2030年のありたい姿」、KPIの各案について、全執行役員及び監査役により議論を行い、最終案についてサステナビリティ委員会における承認を経て、取締役会で決議されました。
(3)戦略
改正された重要課題ごとの「2030年のありたい姿」実現に向けて、以下の方針及び考え方で取り組んでいます。
重要課題① 非鉄金属の安定供給とサーキュラーエコノミーへの貢献
a)2030年のありたい姿
高い技術力で非鉄金属資源を安定的に供給し、サーキュラーエコノミーの構築と維持に貢献する企業
b)方針・考え方
社会の発展に欠かせない非鉄金属をはじめとする資源は有限であり枯渇することが予想されています。また、資源の大量消費と廃棄を前提とした経済活動は地球環境への多大な負荷をかけており、社会全体でのサーキュラーエコノミーへの転換が求められています。当社グループは、事業戦略として生活に欠かせない銅・ニッケルを安定的に供給するため、鉱山権益の獲得や製錬技術の向上に取り組みます。また、サーキュラーエコノミーへの転換に向け特に資源利用に伴う環境影響の低減のため、リサイクル技術の活用に取り組みます。
c)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、当社グループの「ものづくり力」を通じたサーキュラーエコノミーへの貢献を重視してKPI・目標の集約を行いました。
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<改正前> |
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<改正後> |
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KPI |
目標(2030年度) |
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KPI |
目標(2030年度) |
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鉱山プロジェクトの推進 |
・銅権益生産量30万トン/年の達成と維持に向けJV鉱山の生産体制を強化 ・JV鉱山における鉱山周辺及び深部探鉱の強化、選鉱能力の拡張、IoT・AIを活用した操業改善等による着実な銅生産量の達成 ・ケブラダ・ブランカ銅鉱山Phase2以降のプロジェクト推進 |
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ニッケル生産量 |
10万トン/年(ニッケル量) |
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新規優良銅金資源の獲得 |
オペレーターシップを持つ新規鉱山の開発 |
銅権益生産量 (当社グループが権益を保有する銅鉱山) |
30万トン/年(銅量) |
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新技術導入による生産性改善 |
菱刈鉱山における坑内外の情報インフラ設備、重機の無人化、リモート化の推進 |
リチウムイオン電池リサイクル処理量 |
年間処理量1万トン/年 |
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銅リサイクル処理量 |
14万トン/年(銅量) |
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Ni鉱プロジェクトの推進と生産性の改善 |
・ニッケル生産量15万トン/年 ・実収率対2018年度比 +2% ・副産物スカンジウムの回収 ・副産物クロマイトの回収 |
製鋼煙灰リサイクル処理量(国内グループ会社) |
12万トン/年 |
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鉱山や製錬工程で発生する不純物を分離、固定、有用化する技術の開発 |
不純物を固定する技術開発:プロセスの開発と実証 |
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未利用非鉄金属資源の有用化技術の開発 |
・既存(海洋資源開発等) ・新規の開発プロジェクトへの貢献 |
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難処理資源からの非鉄金属回収 |
高不純物塩湖水からのリチウム回収技術と回収ビジネスへの参画 |
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車載二次電池リサイクル技術の実証と事業化 |
・コバルト回収が可能な車載リチウムイオン電池リサイクル技術実証並びに事業化及び規模拡大 ・プレ商業プラントの試運転と操業開始:2026年度 |
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自社の強みを活かし社会に貢献する新製品・新事業の創出 |
エネルギー、自動車、情報通信分野での新規機能性材料の研究開発、事業化 |
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自社原料保有による有利・安定調達 |
燃料電池用NiOの実証試験を経て事業化 |
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有利な自社ニッケル原料の安定調達による低コスト電池材料の販売拡大 |
拡大する電池材料市場で、世界シェアトップクラスを維持 |
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※改正後のKPIについて、対象範囲の記載がないものは連結とする。
重要課題② カーボンニュートラル社会への貢献
a)2030年のありたい姿
カーボンニュートラル実現に向けて、温室効果ガス(GHG)排出量削減とともに低炭素貢献技術の開発に積極的に取り組む企業
b)方針・考え方
カーボンニュートラル社会の実現に向けて社会全体での取り組みが必要であり、脱炭素社会に向けた関連リスクの緩和並びに機会の利用が求められています。当社グループは、2023年にカーボンニュートラルに向けたロードマップを見直し公表しています。気候変動の緩和策であるGHG排出量の削減に向け、省エネルギー化や再生可能エネルギー由来の電力利用の拡大、革新的製錬プロセスのための技術開発に取り組みます。また、社会全体のGHG排出削減に貢献する製品(低炭素貢献製品)・技術の開発による事業機会の創出、競争力強化に取り組みます。
c)ガバナンス
気候変動を含むサステナビリティに関する当社グループの重要課題の特定と、重要課題に応じた定量的で測定可能なKPIの設定は、経営層による議論を経て取締役会で決議されます。当社グループの気候変動リスク・機会と戦略に関しては、中期経営計画、年度予算、KPI及び目標などに反映され、取締役会で決議されます。カーボンニュートラル推進委員会で管理、審議された当社グループの気候変動に関する課題への取り組み、KPI及び目標に対するパフォーマンスなどは、社長を委員長とするサステナビリティ委員会でレビューされ、その概要は取締役会で報告されます。
d)戦略
事業、戦略、財務に重大な影響を及ぼす短期・中期・長期の気候変動リスク・機会は、規制、技術、市場の変化、自然災害などの当社グループを取り巻く外部環境において想定されうる様々な気候変動シナリオ(詳細後述)に基づいて抽出され、製品・サービス、研究開発投資、操業、GHG排出緩和策・適応策などの分野の事業、戦略への影響の検討を行います。その結果を踏まえて当社グループの気候変動リスク・機会に対する戦略は、3年ごとの中期経営計画に反映されます。また、これらの戦略は、カーボンニュートラル推進委員会で議論され、サステナビリティ委員会にてレビューされます。
e)リスク管理
シナリオ分析により特定された気候変動リスクは、カーボンニュートラル推進委員会で監視測定し、必要に応じて施策や戦略の見直しを行い、サステナビリティ委員会にてレビューされます。また、気候変動リスクは、当社グループのリスクマネジメントシステム及びリスクマネジメント分科会にて、労働災害、環境汚染、品質不良、法令違反などのその他の個別リスクへの影響を考慮したうえで、管理されています。
f)指標と目標
当社グループでは、2050年までにGHG排出量ネットゼロを目標に掲げています。そして2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップを策定し、2030年度におけるGHG排出量を2015年度比38%以上削減することを中期目標として掲げています。また、当社グループが生産する車載用二次電池材料や近赤外線吸収材料の供給を通じた社会全体のGHG排出量削減への貢献についてもKPIと目標を定め、取り組みを推進しています。
<実績:スコープ1及び2> 単位:千t-CO2e(CO2e:CO2equivalent:二酸化炭素換算)
※2024年度の実績は合理的な算定方法による概算値。確定値は「統合報告書2025」において記載予定。
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実績 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
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GHG排出量(総量) |
2,823 |
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2,358 |
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スコープ1 |
1,965 |
|
1,724 |
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スコープ2 |
858 |
|
634 |
<実績:スコープ3> 単位:千t-CO2e ※主な対象カテゴリのみ掲載
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カテゴリ |
2022年度 |
2023年度 |
算定方法 |
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スコープ3排出量合計 |
4,530 |
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1.購入した製品・サービス |
3,737 |
3,603 |
Σ(主要原材料重量×排出原単位)※1 |
|
2.資本財 |
518 |
551 |
Σ(設備投資額×排出原単位×1.05)※2 |
|
3.スコープ1、2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 |
239 |
221 |
Σ(購入電力・燃料の使用量×排出原単位(電力※2、燃料※1)) |
|
4.輸送、配送(上流) |
26 |
23 |
国内の輸送に係る排出量を「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」、「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づいて算定 |
|
その他 |
10 |
11 |
- |
※1 排出原単位は「国立研究開発法人産業技術総合研究所 IDEAラボLCLデータベースAIST―IDEA Ver.3.4」を使用
※2 排出原単位は「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.4)」を使用
<気候変動シナリオ分析>
|
シナ リオ |
|
区 分 |
ドライバー |
ビジネスインパクト |
影響 度 ※1 |
発生 時期 ※2 |
|
1.5 ℃ |
移 行 リ ス ク |
政 策 ・ 規 制 |
カーボンプライシングの導入(炭素税、排出量取引、化石燃料賦課金、欧州国境炭素調整措置) |
・炭素税負担 ・排出量取引コスト負担 ・化石燃料賦課金による燃料コスト増加 |
大 |
中長期 |
|
省エネ・脱炭素化規制の強化(欧州バッテリー規則) |
・省エネ・高効率化・電化への設備コスト増加 ・再エネ電力使用による電力コスト増加 ・再エネ電力調達競争激化 |
大 |
中長期 |
|||
|
サーキュラーエコノミー規制の強化(欧州エコデザイン規制、欧州バッテリー規制) |
・リサイクル原料使用による原料コスト増加 ・リサイクル原料調達競争激化 |
大 |
中長期 |
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市 場 |
当社製品の低・脱炭素化への要求の高まり (銅、ニッケル、電池材料等) |
・エネルギー転換によるエネルギーコスト増加 ・低CFP※3化の競争激化(高CFP製品の売上低下) ・既存製品・技術の陳腐化、技術開発コスト増加 |
大 |
中長期 |
||
|
資源国における過度な資源ナショナリズムの高揚 (銅、ニッケル、リチウム、コバルト等) |
・課税強化、ロイヤルティ引上げによるコスト増加 ・鉱石・中間原料の輸出禁止による原料不足 ・鉱山権益獲得の競争激化 |
大 |
中長期 |
|||
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機 会 |
政 策 ・ 規 制 |
電気自動車の普及拡大 |
・バッテリーの電池材料、電池材料に含まれているニッケル・コバルト、ワイヤーハーネスや駆動モーターに使用される銅の販売拡大 |
大 |
中長期 |
|
|
電化需要拡大、電力系統の増強 |
・送電用電線や変圧器に使用される銅の販売拡大 ・高効率パワー半導体に使用されるSiC(シリコンカーバイド)基板の販売拡大 |
大 |
中長期 |
|||
|
再エネ主力電源化 |
・風力発電用モーター・変圧器に使用される銅の販売拡大 ・再エネ電力の変動抑制のための蓄電池に使用される電池材料やニッケル・コバルトの販売拡大 |
大 |
中長期 |
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|
市 場 |
デジタル技術活用に向けた電子機器の高性能化 |
・電子機器に使用される高機能性材料の技術開発・販売拡大 |
中 |
中長期 |
||
|
次世代材料の開発 |
・水素製造触媒や人工光合成触媒、燃料電池材料の開発・新事業拡大 |
中 |
中長期 |
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|
4℃ |
物 理 リ ス ク |
慢 性 |
海水面上昇 |
・暴風雨における高潮・浸水による港湾・後背地(臨海工場等)の機能低下、設備被害の激甚化 ・復旧コストの増加、設備対策コストの増加 |
大 |
長期 |
|
気温上昇 |
・暑熱職場による熱ストレスによる生産性の低下 ・熱中症の増加 ・設備対策コストの増加 |
中 |
長期 |
|||
|
急 性 |
100年想定の熱波、豪雨、大型台風、干ばつの異常気象の増加 |
・暴風雨・洪水、土砂災害の激甚化 ・生産設備の毀損、生産停止による事業機会の逸失 ・復旧コストの増加、設備対策コストの増加 |
中 |
中長期 |
||
|
・テーリングダム越流・決壊の被害に対する多額の損害賠償の請求 ・保険料の上昇 ・復旧コストの増加、設備対策コストの増加 |
大 |
中長期 |
||||
|
・サプライチェーン途絶による事業中断・操業停止 ・生産停止による事業機会の逸失 |
中 |
中長期 |
※1 影響度 大:年間100億円以上、中:年間10億円~100億円
※2 発生時期 中期:~2030年頃、長期:~2050年頃
※3 CFP(Carbon Footprint of Products):製品単位の排出量
g)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、GHGを多く排出する産業を営む企業として、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みをより推進するために、当社グループの「ものづくり力」を通じた低炭素貢献製品に関するKPI・目標を設定しました。
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<改正前> |
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<改正後> |
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KPI |
目標(2030年度) |
|
KPI |
目標(2030年度) |
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GHG排出量の削減 |
GHG排出量を2015年度比38%以上削減(国内50%以上、海外24%以上)、“2050年までにGHG排出量ネットゼロ”に向けた諸施策を推進する |
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GHG排出量 |
《スコープ1、2》 2015年度比38%削減 (内訳:国内50%、海外24%) 《スコープ3》 現状の把握と目標設定:2025年度末 |
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GHG排出原単位を2013年度比26%以上削減 |
低炭素製錬技術の開発 |
・ニッケル酸化鉱の水素還元製錬技術の開発 ・リチウム直接回収技術の開発 |
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低炭素貢献製品GHG削減貢献量の拡大:60万t-CO2e以上 |
低炭素貢献製品供給によるGHG削減貢献量 |
110万t-CO2 (ストックベース法で算出) |
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低炭素貢献製品の開発と供給 |
・水素製造触媒材料の開発 ・全固体電池用正極材料の開発 |
※改正後のKPIについて、対象範囲の記載がないものは連結とする。
重要課題③ 地球環境保全
a)2030年のありたい姿
ネイチャーポジティブな未来へ貢献する企業
b)方針・考え方
生物の絶滅速度が急激に上昇するなど、経済活動によって自然資本・生物多様性が損なわれていることから、自然の損失を抑え、回復させ、地球全体で豊かにすることを目指すことが求められています。当社グループは、資源開発・製錬などの事業活動が自然に依存することを認識したうえで、自然関連リスクと機会を特定し、戦略的に対応を進めるため、2025年4月1日に自然に関する方針を定めました。これにより、事業活動が自然に与えるマイナスインパクトを回避・最小化します。特に、尾鉱ダムや鉱山開発に関する事故など自然の損失につながる重大環境事故を未然に防止することに取り組みます。
c)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、自然への影響が大きい事業を営む企業として、ネイチャーポジティブの姿勢をより明確にいたしました。
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<改正前> |
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<改正後> |
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KPI |
目標(2030年度) |
KPI |
目標(2030年度) |
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重大環境事故 ゼロ |
リスク・環境マネジメントシステムの活用による改善の推進 |
自然関連リスクと機会の特定・対応・開示 |
・当社グループ事業の優先地域への対応:2026年度末 ・重要なバリューチェーンへの対応:2030年度末 |
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自然危険源の増大に対応した設備やインフラの強化・改善 |
重大環境事故防止 |
重大環境事故件数0件 |
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有害物質排出量低減(対前年) |
・水使用の合理化、大気・水域への有害物資の排出量の低減 ・計画的植林ほか、多様な環境保全・生物多様性保全活動の推進 |
尾鉱ダム管理国際産業規格への適合状態の維持 |
||
※改正後のKPIについて、対象範囲の記載がないものは連結とする。
重要課題④ 人的資本経営
a)2030年のありたい姿
多様な人材が集い、成長し活躍できる企業
b)人的資本に関する考え方
人材を資本として捉え、その価値を最大限に引き出し、中長期的な企業価値の向上を目指す人的資本経営が求められています。組織全体の生産性向上や付加価値の創造につながるよう人的資本の価値を最大化することが重要です。当社グループは、自由闊達な風土のもと安全で安心な職場環境を提供します。また従業員の自律的な成長を促すことで一人ひとりが活き活きとその能力を発揮して活躍する企業の実現に向け取り組みます。
c)ガバナンス
経営戦略と人材戦略の連動を図るため、企業価値向上戦略会議の中に全社人材部会を設置し、四半期に1回以上の頻度で継続的に開催しています。運営体制としては、人事部所管執行役員が部会長、人事部長が副部会長となり、ポストに人材を配置する適材適所を推進するとともに、次世代経営層や次期管理者を計画的に育成するなど、人材の育成と活用に関わる全社横断的な人材戦略に係る議論をしています。
d)戦略
重要課題に対する「2030年のありたい姿」を実現するため、絶えず変化し続ける市場環境に適応し、持続可能な成長を遂げる企業へと進化していく必要があると考えています。その重要な鍵となるのが、継続的に「挑戦」「変革」「成長」ができる企業風土の実現です。この実現のためには、従業員一人ひとりの職務と職責に見合った報酬を実現し、一人ひとりの可能性を最大限に引き出していくことが重要であると考えています。
この戦略を具現化するための一歩として、2023年7月に総合職人事制度(職務等級制度)を導入しました。また、この制度の目的達成のため、キャリアチャレンジ制度(社内公募制度)を2023年12月に導入しました。本制度は従業員が自律的にキャリアプランを考え、その実現のための機会を提供するもので、従業員の自律的な成長と挑戦を通じた育成を意図しており、2024年度は4件の実績がありました。
(i) 人材育成の考え方
従業員一人ひとりの自律的な成長が、当社グループの持続的な成長につながると考えています。事業環境の変化に対応し新たなビジネスモデルを構築するため、従業員一人ひとりに能力向上の機会を提供し、成長戦略を確実に実行できる人材を育成しています。
従業員の成長の基本は、育成を意識した適切な配置とともに、日常業務を通じて計画的・継続的に行われる実践的教育OJT(On-the-Job Training)と従業員一人ひとりの自己啓発(OFF-JT)にあると考えています。OJTでは、仕事の知識やスキルを身に着けるだけでなく、業務を通じた自律的な成長も促しています。OFF-JTでは、通信教育、外国語講座、MBA関連講座、オンライン学習ツール、e-learning、語学検定試験などの自己啓発の機会を提供し、資格取得の際には祝金を支給するなど従業員の自律的な学びを促進しています。今般の「2030年のありたい姿」の改正では、各種自己啓発講座等の延べ受講率(自己啓発制度活用率)をKPIとして設定し、2030年の目標を60%としました。
目標管理制度では、従業員一人ひとりがキャリアについて自律的に考え、やりがいを持って仕事に取り組めるよう、中長期的な取り組みやチャレンジングな姿勢を評価するとともに、自己申告制度を含めたキャリア形成支援を積極的に行っています。また、上司と部下の関係性の質を上げ、一人ひとりの能力を引き出すために、1on1ミーティングを定期的に実施しています。
<全社人材育成体系>
(ii) 社内環境整備
当社では、入社、結婚、出産、育児、介護、治療、そして定年といった様々なライフステージの変化に応じた支援制度を設けており、研修等による情報提供と相談の機会を通じて「安心・安全なワークとライフの提供」に取り組んでいます。
具体的施策の1つとして、当社事業の立地特性を踏まえ、従業員の生活環境を支援するために、社有の社宅・寮もしくは借上げ社宅・寮を提供しています。また、社宅や寮を選択せず、持ち家や借家住まいを選択する社員については、住宅関連手当を支給し、住環境整備の支援を行っています。また、特定地域への転任に対する費用補助や、持ち家取得の際の引っ越し雑費支給や融資制度など、従業員が安心して働けるよう各種施策を実施しています。
・エンゲージメント
当社グループでは、年に一度の従業員意識調査を継続していましたが、2024年度からはエンゲージメントサーベイを導入し、エンゲージメントスコア(会社と従業員の相互理解・相思相愛度合いを数値化し偏差値で表したもの)を測定しています。エンゲージメントが高い状態を「会社・組織と従業員の間において、相互の理解ができており、会社・組織は従業員を大切にし、従業員は会社・組織の発展と活性化に力を注ぐ状態になっていること」と定義しています。2024年度のエンゲージメントスコアは、47.7となりました。
この結果を踏まえ、グループ全体のスコアを持続的に向上させていくために、それぞれの職場が自律的にアクションプランを策定・実践し、スコアの底上げを図る取り組みと、1on1による上司と部下の関係性の質の向上や自律的なキャリア開発の支援などのスコア絶対値の向上を意図した全社的な取り組みを行っています。
エンゲージメントサーベイを通じて、データから従業員の意識や意欲、満足度に関する課題を把握し、エンゲージメント向上の取り組みを通じて職場環境を改善することで、当社は持続可能な成長を達成し、社会に貢献していく企業を目指します。
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)
当社グループの持続的な成長には、従業員一人ひとりが持つ視点や考え方は様々であり、多様なメンバーがお互いを認め、信じ、自身の強みを活かしながら、公平な機会のもとで協働する企業風土を築くこと(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I))が必要だと考えています。性別・国籍・年齢といった属性の多様化に加えて、従業員の能力や経験の多様化を進めることで、新しいアイデアを生み出し、柔軟性と競争力を備えた組織を実現し、持続的な成長を目指します。
当社グループは2024年12月にDE&I宣言を行い、DE&Iの目的・意義を経営のトップメッセージとして公表しました。また、2025年4月より、全ての従業員がDE&Iに取り組み、全社で協創することを目的として、DE&I協創室を設置いたしました。今後もより一層、DE&Iを推進し、ジェンダーバランス、障がい者、外国人、性的マイノリティ(LGBTQ+)など、誰もが働きやすい職場環境構築に努めてまいります。
特に女性活躍推進については、管理職社員への登用、国内拠点のみならず海外拠点への派遣など、女性の活躍の場を拡大することに取り組んでいます。また、「2030年のありたい姿」では、女性管理職比率・人数をKPIとし、当社単体で女性管理職社員比率を7%、女性管理職社員数を50名以上とすること、当社グループ連結での女性管理職社員比率を18%以上とすることを目標として定めています。これに加え、2030年までに女性役員を4名登用することも目標に設定しました。これらの達成に向けて、定期・キャリア採用における女性採用比率の目標値設定、次世代リーダー育成を目的とした女性社員外部研修への派出、役員と女性管理職社員との懇談会の開催などを実施しています。
・健康経営
当社グループでは、労働安全衛生の観点から、以前より役員・従業員の安全と健康の確保に優先的に取り組んできました。当社グループで働くすべての人がより健康で活き活きと働けるよう、2022年8月に「住友金属鉱山グループ健康経営方針」を制定し、同年10月に中長期的な取り組みと目標を定めた「従業員の健康づくり推進ロードマップ」と単年度ベースでの「健康経営推進計画」を策定しました。これらの計画を踏まえ、住友金属鉱山健康保険組合とも協力し、効果的な心身の健康維持・増進施策を展開しています。
従業員に対しては、生活習慣病発生リスクと肥満リスク、女性の健康などをテーマとした健康セミナや、メンタルヘルス研修(セルフケア・ラインケア)を定期的に開催し、健康管理支援システム(スマートフォンアプリ)を活用したウォーキングイベントも実施しています。各種検診・人間ドック・脳ドックについては、費用の全額や一部を補助しており、人間ドック受診時は健康管理休暇(1年につき最大2日)を取得することもできます。また、禁煙施策として、喫煙所の削減や希望者にオンライン禁煙プログラムを提供しています。
今回の「2030年のありたい姿」の改正として、2024年度からは健康経営度調査による偏差値をKPIとし、定量的に状況を把握し取り組んでいます。2025年度は、専任組織として健康経営推進室を設置し、健康経営トップメッセージの発信、健康経営戦略マップの策定等、各種施策に取り組んでいます。
e)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、幅広い項目にわたっていたKPI・目標を集約し、人材を資本として捉え、多様な人材が集い、成長し活躍できる企業という「2030年のありたい姿」の実現のために必要な取り組みを明確にしました。
|
<改正前> |
|
<改正後> |
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KPI |
目標(2030年度) |
|
KPI |
目標(2030年度) |
|
|
労働災害の発生防止 |
・重篤災害:ゼロ (国内外、協力会社含む) ・全災害:対前年減少、最終的にゼロを目指す |
|
エンゲージメントスコア(当社+調査対象国内関係会社) |
スコア:55 |
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業務上疾病の発生防止 |
・健康リスクの高い作業場数:対前年削減 ・業務上疾病の発生:ゼロ |
|
重篤災害件数(協力会社を含めた安全統計対象事業場)) |
0件 |
|
|
働き方改革の推進とデジタルテクノロジー等を活用した、多様な人材が活躍できる職場づくり |
・従業員意識調査の「経営者・上司のマネジメント」「仕事の魅力」「職場環境」に関する各スコアの向上 ・女性管理職社員数50人 (当社) ・女性従業員比率20%以上 (当社) ・総合職外国人従業員の拡充 ・障害者雇用率3%以上 (当社) ・従業員のライフステージに対応した配置と支援 |
|
健康リスクのある作業場数(国内の安全統計対象事業場) |
0作業場 |
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健康経営度調査(単体) |
偏差値62 |
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自己啓発制度活用率(単体) |
60% |
||||
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女性管理職比率・人数(連結・単体) |
連結18%、単体7%(50人) |
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男性育児休業取得率(単体) |
100% |
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従業員の心身の健康づくりの支援 |
・長期休業者の減少 ・健康診断結果の「有所見者率」50%以下 |
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|||
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従業員ニーズ・業務ニーズを考慮した能力向上、機会の多様化 |
・上司と部下との定期的な対話を通じて、従業員一人ひとりのやる気や可能性を引き出し、部下の成長をさらに促進する「1on1ミーティング」の活用 ・役割に応じた人材育成体系の再構築によって、より良い従業員への能力向上機会の提供 ・個々人のライフプランや従業員ニーズに合わせた自己啓発機会の提供 |
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従業員への当社グループブランドの浸透 |
従業員意識調査の改善(会社で働くことに誇りを感じる従業員割合の向上) |
|
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|
重要課題⑤ 地域社会との共存共栄
a)2030年のありたい姿
信頼され続けるパートナーとして、地域とともに成長する企業
b)方針・考え方
企業だけが発展するのではなく、地域コミュニティとともに発展することが重要です。また、特に資源開発の影響を受ける先住民の権利を尊重することが求められています。当社グループは、資源開発・製錬の経験から事業地域のコミュニティへのマイナスインパクトを回避・最小化し、持続的であることは歴史的にも当社事業において戦略的に行われており、今後も継続していきます。そのためすべての事業地域において先住民を含む地域コミュニティとの対話を進め、地域の課題を把握し、その解決に貢献することに取り組みます。
c)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、従業員に関する項目は重要課題④に集約し、本重要課題において先住民の権利、地域社会との共存共栄への取り組みを明確化しました。
|
<改正前> |
|
<改正後> |
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KPI |
目標(2030年度) |
KPI |
目標(2030年度) |
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|
「世界の非鉄リーダー」レベルの情報発信及び対話の質と量の確保 |
・メディア、投資家との対話機会の拡充 ・統合報告書の外部評価での高評価獲得 |
地域住民・先住民との対話 |
地域の課題解決につながる継続的な対話を実施 |
|
|
目指している「世界の非鉄リーダー」としての認知・理解の向上及び共感を得ている |
社外機関調査結果の改善 (認知度・理解度など) |
社外ステークホルダーからの相談対応(グリーバンスメカニズム) |
適切な運用 |
|
|
対話と連携に基づく地域社会への参画 |
地域社会との対話を通じて、地域の課題を正確に把握し、施策を実行 |
地域の社会活動基盤の強化(単体) |
地域貢献プログラムの共同企画と参画 |
|
|
従業員参加型の地域支援 |
従業員参加プログラムの実施(2023年~) |
地域の次世代育成への貢献(単体) |
奨学金ほか支援プログラムを実施 |
|
|
現地雇用・現地調達 |
継続実施と実績把握 |
|
||
|
次世代育成への支援 |
・行政や地域団体・NPOなどと連携した次世代育成プログラムの実施(1回/年以上) ・国内奨学金の設立と給付(既存の海外奨学金維持)(2023年~) |
|
|
|
|
障害者・高齢者への支援 |
・行政や地域団体・NPOなどと連携した障害者・高齢者支援プログラムの実施(1回/年以上) |
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|
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災害時支援 |
大規模災害地域への支援 |
|
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先住民や先住民の伝統と文化の理解 |
社内教育を実施したSMMグループ拠点の割合:2023年度末までに100% |
|
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|
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先住民の伝統と文化の尊重につながる取り組みへの支援 |
・先住民を対象とする奨学金の実施(既存の取り組みの継続実施) ・NGO、学会等が実施する先住民に関連する取り組みへの支援:年1件以上の支援 |
|
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|
※改正後のKPIについて、対象範囲の記載がないものは連結とする。
重要課題⑥ サプライチェーンマネジメント
a)2030年のありたい姿
持続可能なサプライチェーンを構築している企業
b)方針・考え方
企業グループ内の活動だけでなくサプライチェーンの上流及び下流における社会への影響を把握し、そのリスク及び機会に対応することが求められています。持続可能なサプライチェーンの構築を事業活動全体の持続的成長に繋げる戦略として、当社グループは製造拠点における責任ある調達及び生産に関する国際認証の取得に取り組み、サプライチェーンにおける人権侵害や環境汚染、腐敗等を回避・是正することに取り組みます。また国際規範に則った苦情処理システム(グリーバンスメカニズム)を通じ、ステークホルダーの救済に取り組みます。
c)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、当社グループと協働するパートナーを含む、サプライチェーン全体が共に豊かに持続可能であるために必要なKPI・目標を新たに設定いたしました。
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<改正前> |
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<改正後> |
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KPI |
目標(2030年度) |
KPI |
目標(2030年度) |
|
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サステナビリティ調達、特に責任ある鉱物調達の推進 |
責任ある鉱物調達 ・国際基準に合致した責任ある鉱物調達マネジメントシステムの確立:2021年度末まで ・サプライチェーン上での、児童労働等人権侵害に加担する鉱山及び製錬所ゼロの維持 |
国際認証に適合した当社グループ製錬所の割合 |
100% |
|
|
サステナビリティ調達 ・「住友金属鉱山 グループサステナビリティ調達方針」を受領し同意した取引先企業:2030年度末までに100% ・国際基準に合致したサステナビリティ調達マネジメントシステムの確立:2024年度末まで ・デュー・ディリジェンスの継続実施 |
責任ある鉱物調達におけるデュー・ディリジェンスによる適切な調達先の割合 |
100% |
||
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|
サプライチェーン全体におけるESGデュー・ディリジェンスの実施 |
調達におけるデュー・ディリジェンス実施・結果開示:2026年度末 |
※改正後のKPIについて、対象範囲の記載がないものは連結とする。
(4)指標と目標、及び実績
下表は、改正後の重要課題と「2030年のありたい姿」に基づいて設定されたKPI・目標に対する2024年度の実績です。
①非鉄金属の安定供給とサーキュラーエコノミーへの貢献
|
KPI |
目標(2030年度) |
2024年度実績 |
|
ニッケル生産量 |
10万トン/年(ニッケル量) |
9.4万トン/年(ニッケル量) |
|
銅権益生産量(SMMグループが権益を保有する銅鉱山) |
30万トン/年(銅量) |
23.2万トン/年 |
|
リチウムイオン電池リサイクル処理量 |
1万トン/年 |
0万トン/年 |
|
銅リサイクル処理量 |
14万トン/年(銅量) |
10.4万トン/年(銅量) |
|
製鋼煙灰リサイクル処理量(国内グループ会社) |
12万トン/年 |
8.0万トン/年 |
②カーボンニュートラル社会への貢献
|
KPI |
目標(2030年度) |
2024年度実績 |
|
GHG排出量 |
《スコープ1,2》2015年度比38%削減(内訳:国内50%、海外24%) 《スコープ3》現状の把握と目標設定:2025年度末 |
《スコープ1,2》 GHG排出量:236万t-CO2e(2015年度比27%削減)※合理的な算定方法による概算値 《スコープ3》 ― |
|
低炭素製錬技術の開発 |
・ニッケル酸化鉱の水素還元製錬技術の開発 ・リチウム直接回収技術の開発 |
― |
|
低炭素貢献製品供給によるGHG削減貢献量 |
110万t-CO2 |
― |
|
低炭素貢献製品の開発と供給 |
・水素製造触媒材料の開発 ・全固体電池用正極材料の開発 |
― |
③地球環境保全
|
KPI |
目標(2030年度) |
2024年度実績 |
|
自然関連リスクと機会の特定・対応・開示 |
2026年度末:当社グループ事業の優先地域への対応 2030年度末:重要なバリューチェーンへの対応 |
・外部コンサル活用による自然関連情報の整理 ・「SMMG自然に関する方針」制定 |
|
重大環境事故防止 |
重大環境事故件数0件 |
重大環境事故件数0件 |
|
尾鉱ダム管理国際産業規格への適合状態の維持 |
尾鉱ダム管理国際産業規格への適合状態の維持 |
④人的資本経営
|
KPI |
|
2024年度実績 |
|
|
|
スコア(偏差値): |
|
|
|
|
|
(国内の安全統計対象事業場) |
|
|
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|
|
偏差値: |
|
|
|
― |
|
|
連結 |
単体 |
|
|
|
|
※連結は現時点で未算定。
⑤地域社会との共存共栄
|
KPI |
目標(2030年度) |
2024年度実績 |
|
地域住民・先住民との対話 |
地域の課題解決につながる継続的な対話を実施 |
― |
|
社外ステークホルダーからの相談対応 (グリーバンスメカニズム) |
適切な運用 |
― |
|
地域の社会活動基盤の強化(単体) |
地域貢献プログラムの共同企画と参画 |
地域貢献プログラムの協働企画と参画に関する取り組みの研究 |
|
地域の次世代育成への貢献(単体) |
奨学金他支援プログラムを実施 |
・奨学金制度 実運営 ・放課後児童学習支援プログラム 検討 |
⑥サプライチェーンマネジメント
|
KPI |
目標(2030年度) |
2024年度実績 |
|
国際認証に適合した当社グループ製錬所の割合 |
100% |
43% |
|
責任ある鉱物調達におけるデュー・ディリジェンスによる適切な調達先の割合 |
100% |
― |
|
サプライチェーン全体におけるESGデュー・ディリジェンスの実施 |
調達におけるデュー・ディリジェンス実施・結果開示(2026年度末) |
― |
(1)リスクマネジメント
① リスクの考え方
当社グループでは、リスクには目的に対して「好ましいもの」と「好ましくないもの」の両方があると捉え、事業及び組織における目的の達成に影響を及ぼし、価値の保護及び創造を不確かにする事象をリスクと定義しています。リスクマネジメントによって「好ましいもの」を最大化するよう目標及び施策などを見直し、「好ましくないもの」を最小化するようプロセスを点検し改善して「中期経営計画」の達成、さらに「2030年のありたい姿」や「長期ビジョン」の実現をより確実にしています。
② リスクマネジメント(RM)の体制・枠組
1999年に子会社である株式会社ジェー・シー・オーが起こした臨界事故を厳粛に受けとめ、リスクマネジメント方針及び重点施策の全社的取組など、リスクマネジメントの推進及び監視を行う機関として「リスクマネジメント分科会」を設置、社長を最高責任者として、当社グループを取り巻くリスク及びその変化に対応する体制(図1参照)を整えています。この体制によって運用される当社のリスクマネジメントは3つの枠組で構成され(図2参照)、経営RMにおいては、社長をはじめとする執行役員により議論され、成長戦略・事業戦略の遂行に伴う経営・事業リスクの中で特に重要なリスクを特定、対応方針及び責任部門を定め機関決定し、リスクマネジメント分科会が取組状況をモニタリングします。また拠点RMでは、主に産業事故、コンプライアンス違反、品質問題及び環境事故など、当社の経営基盤の安定を損なう個々の拠点に潜在する固有のリスクには拠点長が責任者となって取り組むことにしています。なお、社会的に影響が大きい産業事故や震災、感染症、海外有事などの緊急事態に対しては、全社危機管理体制で対処する枠組を整えています。

(2)事業等のリスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
① 優良鉱山の減少及び鉱山投資の不確実性増大
原料の安定確保に向けた鉱山開発・投資を行っていく中、新たに発見される鉱床の高地化・奥地化・低品位化などによって優良案件の権益獲得競争が激化するとともに、開発・参入コストは増大しています。これら鉱山投資の不確実性に起因する追加投資や採鉱コスト上昇の負担あるいは投資実行の断念が、当社グループの財政状態及び経営成績の悪化につながるリスクがあります。
このような状況に対し当社グループは、将来の鉱山権益獲得のために各地の探鉱活動を継続するとともに、候補案件の情報収集と評価を進め、あわせて海外等のビジネスパートナーとの連携を強化し、業界内のプレゼンス向上を図ることで、開発・投資案件候補のパイプライン拡充に努めています。また、長年にわたる探鉱経験及び鉱山評価ノウハウの蓄積に基づく慎重な採算性判断により、厳選した投資を実行することで、開発の準備段階よりかかる不確実性リスクの軽減・回避に努めています。
② 開発の長期化
材料事業が対象とする市場では、顧客要求が多様化し商品寿命が短くなる一方で、新商品の開発や既存商品の改良が長期化し、資金や人材など、多くの経営資源の投入を要することがあります。また、他社が開発した新技術・商品により当社技術・商品がコスト面等で競争優位性を喪失する可能性もあり、それが当社グループの財政状態及び経営成績へ影響を及ぼすリスクが考えられます。
当社グループでは、顧客との関係を深め、顧客及び市場ニーズを的確に把握し、それに基づく新商品開発を進めるために必要な営業及び開発体制を敷き、影響の軽減を図っています。また、国の支援制度の活用や社外との共同開発、産学連携等を通じて、開発を加速させていきます。
③ 人的資本経営の取組遅れ
当社グループは安定操業の継続と新規プロジェクトへの参入などの事業拡大を進めていくために必要な人材の確保・育成・活用に取り組んでいます。一方で国内における生産年齢人口の減少、若年層の就労観の変化に伴う採用競争の激化、定年退職の増加による労働力の不足への対応が急務です。
このような状況に対し当社グループでは、DXなどの導入によって合理化・省力化を進め労働時間の低減を進めるとともに、多様な人材が活躍できる組織であるために、経営戦略と連動した人材戦略の策定と実行、従業員一人ひとりの自律的な成長やキャリア形成を促進する人材育成体系・制度の構築、女性活躍、社員のライフスタイルに合った働き方推進やDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の理解・浸透、健康経営の推進などの社内環境の整備を進め、従業員エンゲージメントの向上に取り組んでいます。また、広報・ブランディング活動等による新卒・キャリアの採用競争力強化にも積極的に取り組んでいます。
④ 気候変動への社会的責任
気候変動や地球温暖化の原因とされるGHG排出量の削減を目的とした取組が世界的に進められ、環境対策に必要な設備投資の実施やカーボンフットプリントの削減、炭素税などの負担を排出責任者として果たしていくことが求められています。これにより、企業としての社会的責任が今まで以上に高まることが考えられます。
当社グループは2050年のGHG排出量ネットゼロに向けて、2030年度に向けた削減目標と、2050年に向けた取り組みのロードマップを策定しています。当社はこのロードマップに沿って工場の省エネ・高効率化、LNG・木質バイオマス燃料への転換、再エネ電力の利用拡大などによりGHG排出量の削減を進めるとともに、カーボンニュートラル社会の実現に資する低炭素貢献製品・技術の研究開発にも取り組んでいます。
⑤ 製造物責任及び請求訴訟
製造・販売する製品・サービスにおいて、厳しい品質管理の下、顧客からの要求事項を満足する品質の確保に努めています。しかしながら、例えば車載製品においては、その欠陥によって搭載されている最終商品のリコールや、それに基づく当社への損害賠償の発生、また製造物賠償責任保険でカバーできない賠償額の負担を求められることで、当社の信頼失墜及び巨額の財務負担が生じるリスクがあります。
当社グループでは顧客満足を得られる製品・サービスを提供するため、国際標準であるISO9001に基づき、当社グループが求める品質マネジメントシステムのあるべき姿として「SMM品質標準」を制定・運用し、品質の改善・向上やトレーサビリティの強化に取り組んでいます。また、品質分科会を運営し、品質方針・全社品質目標を定めて、施策の審議と実施状況の確認を行うとともに、当社製品が使われている最終製品のリコールが起きた場合への体制も構築し、リスク軽減を図っています。
⑥ 政治・社会情勢の変化
当社グループは、鉱山開発や投資を始め、製品の製造拠点及び販売の市場を海外に求め、国際的に事業を展開しています。また、銅精鉱やニッケルマットなどの主要原材料や資機材の一部については海外からの調達を行っており、これらの国々における、政情不安、紛争、法令及び規制の変化あるいは資源ナショナリズムの高まりといった政治的、社会的情勢の変化が当社のサプライチェーン、ひいては事業継続に影響を与えるリスクがあります。
なお、米国トランプ政権による追加関税を含む保護主義政策の強化は、各国による対抗措置と相まって販売価格の上昇、消費者の購買意欲の低下、世界的なサプライチェーンの混乱を招き、当社顧客の米国向け販売の減速や当社への値下げ要求などを引き起こすことによって、当社事業に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクに対応するために、事業部門及び海外拠点あるいは海外ビジネスパートナーの協力も得ながら、政治的・社会的情勢の変化をモニタリングし当社事業への影響分析のうえ、対策を講じています。
⑦ 経済情勢の変化
a. 非鉄金属価格の変動
銅、ニッケル、金などの非鉄金属の価格は、ロンドン金属取引所(LME:London Metal Exchange)、その他の国際市場において決定されます(以下、それらの市場において決定された価格を、LME相場等という)。LME相場等は、国際的な需給バランス、為替の状況、政治の状況、投機的取引などの影響を受けて変動し、当社グループの経営成績にプラスもしくはマイナスの影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループでは、資源事業及び製錬事業のコスト低減を図るとともに、非鉄金属価格の変動の影響を比較的受けにくい材料事業の収益安定化をめざし、また必要に応じて、非鉄金属価格のリスクヘッジを目的とした商品先物取引、商品オプション取引を利用しています。
b. 為替レートの変動
銅精鉱、ニッケルマットなどの輸入原料だけでなく、非鉄金属地金の国内価格も米ドル建てのLME相場等を基準に決定されることから、当社が製錬事業から得る製錬マージンは実質的に米ドル建てであり、海外への鉱山投資や製品等の輸出から得られる収入も外国通貨建てになります。したがって、為替レートの変動の状況及び期間しだいで、当社グループの経営成績にプラスもしくはマイナスの影響を及ぼす可能性がありま す。
当社グループは、為替レートの変動に対し、必要に応じて為替予約取引、通貨オプション取引、外国通貨建て口座の活用などにより対応しています。
2025年度の業績予想において、非鉄金属価格及び為替レートの変動が連結税引前利益に与える影響は、以下のとおり試算しております。
|
変動要素 |
変動幅 |
連結税引前利益に与える影響 |
|
銅 |
±100$/t |
34億円 |
|
ニッケル |
±10¢/lb |
16億円 |
|
金 |
±10$/TOZ |
3億円 |
|
為替レート(米ドル) |
±1円/$ |
13億円 |
(注)上記の為替レート変動の影響額は国内の製錬収入及び海外換算為替差の合計となります。
⑧ 拠点における事故・災害
当社グループが展開する国内外の製造拠点において、設備・計器の故障や誤操作、事故による破損などで有害物質の漏洩や火災・爆発のリスクがあります。また、国内各地に保有する休廃止鉱山では集中豪雨や地震などによる鉱害リスクがあります。
このようなリスクに対し当社グループでは、設備・計器の定期点検と予備品の確保、管理手順書の整備・更新と定期教育、堆積場の保全及び耐震補強工事や抗排水の水質管理を徹底しています。さらに、それらの取組状況をチェックするための日常的なパトロールに加え、本社の専門部門による定期的な巡視と是正指導も実施しています。
なお、各拠点においては、日常的なリスクマネジメント活動として、これらのリスクの前提となる環境や条件、例えば事業環境、操業環境、人、装置、作業手順、管理基準などに変化や変更があったとき、または毎年9 月に全社一斉に実施するリスク認識強化月間で対策内容を見直し、リスクの低減、事故・災害の未然防止に取り組んでいます。
⑨ 大規模自然災害や新型強毒性感染症、海外緊急事態
当社グループの製造拠点は、顧客との関係、原料調達上の有利性、グループ内関連事業との連携、経営資源の有効活用などの点を考慮し立地していますが、それらの地域で大規模な地震や風水害等により生産設備等が損壊する事態、海外においては政情不安による治安悪化、誘拐やテロ等により社員の身体生命の安全にかかわる事態、そしてそのような事態によって操業停止や生産性が大幅に低下するリスクがあります。また、今後新たな感染症の発生・流行により、従業員の感染、急激な需要収縮やサプライチェーンの途絶による操業停止など、当社グループの業績に影響が及ぶリスクもあります。
このようなリスクに対し当社グループでは、激甚化した自然災害対策として建屋の耐震補強や津波発生時における浸水対策工事、排水処理能力の増強、貯水タンク増設等を進め、二次的な影響を抑えるための体制の整備として、可能かつ妥当な範囲で保険を付し、また、感染症の発生や拡大など緊急事態も含めた操業やサプライチェーンへの影響を軽減するために原料などの代替調達先の確保などにも取り組み、生産縮小・停止による供給障害を極小化させるBCP(Business Continuity Plan)を整えています。海外緊急事態へは、外務省からの情報を始め、コンサルティング会社やセキュリティ会社も活用して海外危機情報を駐在員や出張者へ提供し、ケガや病気の際は医療サービス会社から支援を受けられる体制を整えて海外での安全確保を図り、新たな海外進出にあたってはカントリーリスクを総合的に考慮した上で経営判断を行っています。
また、拠点単独で対応できないような事態に備えるために常設機関として危機管理担当役員を委員長とする危機管理委員会を設け、危機に関する情報共有、事前対策の策定と改善、例えば事業継続については、2022年5月に東京都が見直した首都直下型地震の被害想定に基づき、他所支援を含めた全社震災対策本部体制や当社グループの事業継続のため本社機能の継続体制の構築、海外におけるテロ・暴動・誘拐等を想定した訓練を実施し、危機管理機能の維持及び強化に取り組んでいます。
⑩ サイバーセキュリティ
経営基盤の一部であるITにおいて、内部者の故意、過失による機密情報の流失のほか、テレワーク・クラウド利用等の増加といった環境変化により、第3者による意図的又は無差別な情報システムへの侵入・攻撃などが増加・増大しており、それらの弊害により、工場の操業や製品品質への影響、さらには社会的な影響が大きい産業事故の発生、ステークホルダーの当社に対する信用が失われるリスクがあります。
これらに対し当社グループでは、従業員に対する情報セキュリティ教育のほか、外部からの攻撃・侵入を防止する事前対策として、利用環境を問わず社内外のシステムを安全に利用できる仕組(ゼロトラストネットワーク)や高度なセキュリティ機能を持つクラウドサービスへの移行に取り組んでいます。また各拠点においても、第3者の侵入により被害を受けたシステムの復旧対策や、システムの一定期間停止を想定した業務・操業継続のためのBCP整備を進めており、さらに、大規模な首都直下型地震が発生した場合に想定し得るシステムと本社機能の一時停止への対策の想定も加え、サプライチェーンの強化を図っています。
(1)経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。
(注)「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載している金額のうち、「(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容 ⑤ キャッシュ・フロー」は、消費税等を含んだ金額であります。
① 経営成績
(単位:百万円)
|
|
売上高 |
税引前当期利益 |
親会社の所有者に 帰属する当期利益 |
|
当連結会計年度 |
1,593,348 |
31,383 |
16,487 |
|
前連結会計年度 |
1,445,388 |
95,795 |
58,601 |
|
増減 |
147,960 |
△64,412 |
△42,114 |
|
増減率(%) |
10.2 |
△67.2 |
△71.9 |
(年間平均海外相場、年間平均為替相場)
|
|
単位 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 (△は減少) |
|
銅 |
$/t |
8,362 |
9,370 |
1,008 |
|
ニッケル |
$/lb |
8.68 |
7.51 |
△1.17 |
|
金 |
$/TOZ |
1,989.0 |
2,584.7 |
595.7 |
|
為替(TTM) |
円/$ |
144.63 |
152.58 |
7.95 |
当連結会計年度の世界経済は、国や地域、産業等で違いはあるものの、全体としては緩やかに回復しました。米国では底堅い雇用・所得環境を背景に個人消費が伸び、景気は堅調に拡大しました。欧州では製造業に停滞感が見られる国があるものの、全体としては物価高が沈静化し、景気は緩やかな回復基調となりました。中国では期末にかけて政府補助金による景気刺激策などにより緩やかな回復が見られたものの、不動産不況による内需低迷が依然として続き、連結会計年度を通して景気が大きく回復するまでには至りませんでした。
主要非鉄金属価格につきましては、銅価格は、需給バランスや世界経済の見通しの変動を受けて上昇・下落を繰り返したものの、生成AI関連の通信量増大やそれに伴うデータセンター建設などを背景に需要が底堅く推移したことで、平均価格は前連結会計年度を上回りました。ニッケル価格は、インドネシアにおける増産などにより供給過多の状況が続き、平均価格は前連結会計年度を下回りました。金価格は、中東などの地政学的リスクや米国の利下げなどを背景に期を通して上昇基調で推移し、平均価格は前連結会計年度を大幅に上回りました。
為替相場につきましては、日米の金利差が縮小する観測が高まり、連結会計年度半ばには円高方向に転じた局面もあったものの、インフレ再燃の懸念から年末にかけて米国の長期金利が上昇し再び円安に転じました。その後、米国新政権が掲げる保護主義的な通商政策などにより米国の景気後退懸念が高まったことで再び円高に転じましたが、平均為替レートは前連結会計年度に比べ円安となりました。
材料事業の関連業界におきましては、2050年までのカーボンニュートラルの実現を各国が目標に掲げたことを追い風に、電気自動車市場はこれまで順調に拡大してきましたが、国や地域等で濃淡があるものの、当連結会計年度は調整の色合いが強まりました。このため、当社が生産する車載用電池材料に対する需要見通しにも影響が及び、製品の品種切替えなどの動きも進むなか、競争はより激化しました。一方、電子部品向け部材につきましては、在庫調整が進んだ上、生成AI向け市場などが拡大していることもあり、需要は概ね回復基調となりました。
このような状況のなか、当連結会計年度の連結売上高は、銅及び金の平均価格が前連結会計年度を上回ったことや円安の影響などにより、前連結会計年度に比べ1,479億60百万円増加し、1兆5,933億48百万円となりました。
連結税引前当期利益は、新規開発鉱山の順調な立ち上げにより増加したものの、Coral Bay Nickel Corporation(フィリピン)及び当社電池材料事業における減損損失の計上などにより、前連結会計年度に比べ644億12百万円減少し、313億83百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、連結税引前当期利益が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ421億14百万円減少し、164億87百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(資源セグメント)
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
増減率(%) |
|
売上高 |
166,006 |
210,716 |
44,710 |
26.9 |
|
セグメント利益 |
52,845 |
101,836 |
48,991 |
92.7 |
セグメント利益は、一部の海外鉱山において生産コストが増加傾向にあるものの、銅及び金価格の上昇や新規開発鉱山であるコテ金鉱山(カナダ)とケブラダ・ブランカ銅鉱山(チリ)の順調な立ち上げなどにより、前連結会計年度を上回りました。
主要鉱山の概況は以下のとおりであります。
菱刈鉱山は順調な操業を継続し、販売金量は計画どおりの4.0tとなりました。
モレンシー銅鉱山(米国)の生産量は、給鉱品位の低下などにより前連結会計年度を下回り、317千tとなりました(うち非支配持分を除く当社権益は25.0%)。
セロ・ベルデ銅鉱山(ペルー)の生産量は、給鉱品位の低下などにより前連結会計年度を下回り、431千tとなりました(うち非支配持分を除く当社権益は16.8%)。
ケブラダ・ブランカ銅鉱山の生産量は、200千tとなりました(うち非支配持分を除く当社権益は25.0%)。
コテ金鉱山の生産量は、6.2tとなりました(うち非支配持分を除く当社権益は30.0%)。なお、2024年11月30日に、連結子会社であるSMM GOLD COTE INC.(カナダ)と同鉱山を共同で運営しているIAMGOLD Corporation(同)が持分の買戻しオプションを行使したことにより、当社権益は39.7%から30.0%となっております。
(製錬セグメント)
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
増減率(%) |
|
売上高 |
1,067,863 |
1,230,694 |
162,831 |
15.2 |
|
セグメント利益又は 損失(△) |
62,199 |
△7,147 |
△69,346 |
- |
(当社の主な製品別生産量)
|
製品 |
単位 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 (△は減少) |
|
銅 |
t |
374,504 |
442,960 |
68,456 |
|
金 |
kg |
18,026 |
18,709 |
683 |
|
電気ニッケル |
t |
59,313 |
60,108 |
795 |
|
フェロニッケル |
t |
4,793 |
3,317 |
△1,476 |
(注)生産量には、受委託分を含めて表示しております。
セグメント損益は、銅・ニッケルの増販はあったものの、ニッケル価格の下落に加え、Coral Bay Nickel Corporationにおいて512億22百万円の減損損失を計上したことなどにより、セグメント利益は損失に転じ、前連結会計年度を下回りました。
電気銅の生産量及び販売量は、東予工場の定期炉修(大型休転)がなかったことなどにより前連結会計年度を上回りました。電気ニッケルの生産量及び販売量は、前連結会計年度を上回りました。金の生産量及び販売量は、前連結会計年度を上回りました。フェロニッケルの生産量及び販売量は、生産調整を行っており前連結会計年度を下回りました。
Coral Bay Nickel Corporation、Taganito HPAL Nickel Corporation(フィリピン)の生産量はともに前連結会計年度を下回りました。
(材料セグメント)
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
増減率(%) |
|
売上高 |
335,791 |
296,513 |
△39,278 |
△11.7 |
|
セグメント利益又は 損失(△) |
△7,203 |
△54,231 |
△47,028 |
- |
セグメント損益は、電子部品材料の需要は回復基調で推移したことで機能性材料事業は増益となり、車載用電池材料の販売量も前期並みとなりましたが、電池材料事業は、将来予定されている製品の品種切替えに伴い当社の生産能力の低下が見込まれたことから572億86百万円の減損損失を計上したため、前連結会計年度を下回りました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
主な要因として、資源・製錬セグメントは、非鉄金属価格及び為替レートの変動、材料セグメントは、市場動向の変化が挙げられます。詳細及び他の要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 財政状態
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度末 |
当連結会計年度末 |
増減 |
|
資産合計 |
3,027,714 |
3,068,622 |
40,908 |
|
負債合計 |
1,054,334 |
1,019,236 |
△35,098 |
|
資本合計 |
1,973,380 |
2,049,386 |
76,006 |
当連結会計年度末の資産合計は、当社及び海外連結子会社などでの減損や海外金鉱山に係る権益の買戻しオプションが行使されたことにより有形固定資産などが減少したものの、棚卸資産、持分法で会計処理されている投資、非流動資産のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産などが増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ増加しました。
負債合計は、流動負債の社債及び借入金が増加したものの、営業債務及びその他の債務、非流動負債の社債及び借入金、繰延税金負債などがそれぞれ減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ減少しました。
資本合計は、その他の資本の構成要素のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産が保有株式の価格下落により減少したものの、在外営業活動体の換算差額が円安により増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ増加しました。
④ 財務指標
当連結会計年度は2022年度から2024年度までの3年間を対象とする「21中計」の最終年度であります。「21中計」においては、財務体質の健全性を示す指標として連結自己資本比率50%以上の維持といたしました。当連結会計年度の連結自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)は、60.1%となりました。
⑤ キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
210,675 |
149,644 |
△61,031 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△298,887 |
△138,884 |
160,003 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
7,090 |
△6,180 |
△13,270 |
|
換算差額 |
17,137 |
4,110 |
△13,027 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
215,007 |
151,022 |
△63,985 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
151,022 |
159,712 |
8,690 |
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、利息や配当金の受取額などが増加したものの、棚卸資産、営業債権及びその他の債権が増加し、営業債務及びその他の債務が減少したことなどから、前連結会計年度に比べ収入が減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得については前連結会計年度並みの支出となった一方、長期貸付けや関係会社株式の取得による支出が減少したこと、権益譲渡による収入、投資有価証券の売却による収入が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ支出は減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入が増加した一方で、社債償還による支出が増加したこと、長期借入れによる収入が減少したことなどから、当連結会計年度は支出に転じました。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
a)財務戦略の基本的な考え方
当社グループでは、減耗する資源を取り扱っており、常に新たな資源権益獲得のための大型開発プロジェクト参画やM&Aに備える必要があります。また、新たな製錬所建設も含め、資源・製錬の開発プロジェクトは、投資を実行してから回収するまでに、比較的長期間を要します。従い一時的な大きなキャッシュ・アウトフローに耐えうる健全な財務体質を維持していくことが重要であり、当社はこのような考え方のもと、具体的には連結自己資本比率を50%超に保つことを財務戦略の基本としております。
b)資金調達と流動性マネジメント
当社は事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金を確保することを目標として取り組んでいます。資金調達にあたっては、社債等の直接金融と銀行借入等の間接金融のバランスを見極めつつ、その時々のマーケット状況での有利手段を追求しています。資源・製錬事業における海外大型プロジェクトでは、現地のカントリーリスクにさらされることも多く、政府系金融機関による各種支援メニューや複数の金融機関による協調型融資の活用、プロジェクトファイナンスの組成など、その都度最適な資金調達方法を検討しております。
また、当社はそのような大型プロジェクトや材料事業における戦略的増強対応など将来の投資計画を含めた全体の資金需要に対応しつつ、経営の安定化の観点から一定の手元流動性を維持することも必要であると考えています。
当社は、手元流動性の水準を考えるにあたり、流動性リスクとして連結売上高1.5ヶ月分と半年以内返済予定の借入金等の合計額を想定し、これに対し、現金・預金及び現金同等物(以下「手元現預金」)及びコマーシャル・ペーパー発行可能枠の未使用額を合わせた金額で賄うことで対応することとしています。また、金融市場の動向によりコマーシャル・ペーパーによる調達が一時的に困難になるリスクも想定し、発行に際してはコミットメントライン契約に基づく借入限度額の範囲内にとどめることを原則としています。
さらに、手元現預金が中長期にわたり必要額に満たなくなると想定される場合には、社債の発行や金融機関からの借入金等を通じて、必要な現預金残高を確保することを考えております。
なお、当社は、日本国内の市場において株式会社日本格付研究所(JCR)から「ダブルAマイナス」の長期発行体格付及び「J-ワンプラス」の国内CP格付を取得しており、資金調達にあたっては十分な信用力を保持しております。また、主要な国内金融機関と円貨及び外貨でのコミットメントライン契約を締結しており、金融・資本市場の流動性が逼迫した状況下でも、コミットメントラインを使用することによって十分な流動性を確保することができると考えております。
⑦ 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第
28号)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要性がある会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 及び 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、報告セグメントごとの生産実績及び受注実績を正確に把握することは困難なため、当社の主要な品目等についてのみ「(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容」において、各報告セグメントの業績に関連付けて記載しております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
資源 |
210,716 |
26.9 |
|
製錬 |
1,230,694 |
15.2 |
|
材料 |
296,513 |
△11.7 |
|
報告セグメント計 |
1,737,923 |
10.7 |
|
その他 |
11,164 |
9.2 |
|
調整額 |
△155,739 |
- |
|
連結財務諸表計上額 |
1,593,348 |
10.2 |
(注)1.セグメント間の販売実績は、各セグメントに含めて表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
パナソニックホールディングス㈱ |
290,646 |
20.1 |
260,188 |
16.3 |
|
住友電気工業㈱ |
144,656 |
10.0 |
172,588 |
10.8 |
(1)モレンシー銅鉱山の共同運営契約
当社の連結子会社でありますSumitomo Metal Mining Arizona Inc.及びSMM Morenci Inc.は、米国モレンシー銅鉱山を共同保有し、同鉱山の共同運営を行う契約を米国のFreeport-McMoRan Inc.の関係会社と締結しております。これにより、Sumitomo Metal Mining Arizona Inc.は、同鉱山の生産物の権益見合いの15%を、SMM Morenci Inc.は13%を引き取る権利・義務を保有しております。
(2)Compania Contractual Minera Candelariaの共同運営契約
当社の連結子会社でありますSMMA Candelaria Inc.は、チリ共和国のCompania Contractual Minera Candelariaの株式の20%を保有し、同社の共同運営を行う契約をカナダ国のLundin Mining Corporationと締結しております。これにより、SMMA Candelaria Inc.は、Compania Contractual Minera Candelariaの生産物の20%を購入する権利・義務を保有しております。
(3)Sociedad Minera Cerro Verde S.A.A.の共同運営契約
当社の連結子会社でありますSMM Cerro Verde Netherlands B.V.は、ペルー共和国のSociedad Minera Cerro Verde S.A.A.の株式の21%を保有し、当社はSociedad Minera Cerro Verde S.A.A.の共同運営を行う契約を、米国のFreeport-McMoRan Inc.及び同社の関係会社並びにペルー共和国のCompania de Minas Buenaventura S.A.A.と締結しております。これにより、当社は、Sociedad Minera Cerro Verde S.A.A.で生産された銅精鉱につき、生産量の21%を購入する権利・義務を保有しております。
(4)PT Vale Indonesia Tbkの共同運営契約
当社は、インドネシア共和国のPT Vale Indonesia Tbkの株式の11%を保有し、同社の共同運営を行う株主間契約を、カナダ国のVale Canda Limited及びインドネシア国営企業であるPT Mineral Industri Indonesia(Persero)と締結しております。またこの3社にPT Vale Indonesia Tbkを加えた4社による生産物を購入する権利・義務に関する契約を締結しております。これにより、当社は、PT Vale Indonesia Tbkのソロワコ鉱山の合意した年間生産量についてその20%を購入する権利・義務を保有しております。
(5)Taganito HPAL Nickel Corporationの共同運営契約
当社の連結子会社でありますTaganito HPAL Nickel Corporationは、三井物産㈱及びNickel Asia Corporationより合計25%の出資を受け、当社は、同二社とTaganito HPAL Nickel Corporationを共同運営する契約を締結しております。この為、Taganito HPAL Nickel Corporationは、Nickel Asia Corporationの子会社であるTaganito Mining Corporationが操業するタガニート鉱山のニッケル鉱のうち、HPAL法に適した鉱石を全量購入する権利を保有し、当社はTaganito HPAL Nickel Corporationの生産物を全量購入する権利・義務を保有しております。
(6)ケブラダ・ブランカ銅鉱山の株主間契約
当社の連結子会社でありますSMM Quebrada Blanca SpAは、チリ共和国ケブラダ・ブランカ銅鉱山に90%を出資するQuebrada Blanca Holdings SpAに33%の出資をしており、住友商事㈱及びカナダ国のTeck Resources Ltd.のチリ国子会社Teck Resources Chile Ltd.と同鉱山の共同運営を行う株主間契約を締結しております。これにより、SMM Quebrada Blanca SpAは、ケブラダ・ブランカ銅鉱山で生産された銅精鉱につき、生産量の33%を購入する権利・義務を保有しております。
(7)コテ金鉱山の共同運営契約
当社の連結子会社でありますSMM GOLD COTE INC.は、カナダ国のコテ金鉱山を同国のIAMGOLD Corporationと共同保有し、同鉱山の共同運営を行う契約を同社と締結しております。これにより、SMM GOLD COTE INC.は、同鉱山の生産物の30.0%を引き取る権利・義務を保有しております。(P41の資源セグメントをご参照ください。)
(8)連結子会社の吸収合併契約
当社は、2025年1月27日開催の取締役会において、2025年4月1日を効力発生日として、当社の完全子会社である株式会社サイコックスを吸収合併することを決議しました。この契約に基づき、当社は2025年4月1日付で同社を吸収合併しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。
(9)Coral Bay Nickel Corporationの完全子会社化及び同社の共同運営契約の解消について
当社は、2025年1月にフィリピン共和国のNickel Asia Corporationから当社の連結子会社でありますCoral Bay Nickel Corporationの発行済み株式16%を取得しCoral Bay Nickel Corporationを完全子会社化しました。これにより、当社とNickel Asia Corporation との間で締結していたCoral Bay Nickel Corporationを共同運営する契約を解消しております。
当社グループでは資源、製錬及び材料をコアビジネスとして選択と集中を進めておりますが、研究開発においても「製錬プロセス技術」、「粉体合成・表面処理技術」、「結晶育成・加工技術」、「探鉱・採鉱・選鉱技術」をコア技術、「評価解析技術」、「数理解析技術」を基盤技術と定め、技術ドメインを明確にして重点的な開発を実行しております。
具体的には、資源開発及び非鉄製錬分野における新規プロセス・技術開発、また、材料分野では、社会的ニーズの高い環境・エネルギー分野及び情報通信分野の高機能材料・新技術開発を中心に、国家プロジェクトへの参画や産学連携を含め取り組んでおります。
また、「2030年のありたい姿」実現に向け、資源、製錬、材料の3事業連携を推進し、電池リサイクル、新製錬技術等のプロセス開発を継続するとともに、温室効果ガス(GHG)排出を抑制できる製品として電池正極材、当社独自技術による近赤外線吸収材料(CWO®)の更なる高性能化を目指した開発にも引き続き取り組んでおります。
なお、当連結会計年度に投入した研究開発費は
報告セグメントごとの研究開発活動の状況は次のとおりであります。
(1)資源セグメント
鉱床を探す探鉱技術、鉱床から最大限に鉱石を取り出す採鉱技術、鉱石中の有価金属を分離濃縮する選鉱技術に関する技術開発を進めております。資源系人材育成の教育システムを強化・充実させるため、北海道大学大学院工学院と九州大学大学院工学府が民間企業及び公的機関と連携して設立した「資源系教育コンソーシアム」に参画しております。非鉄金属原料鉱石の処理に関して、実鉱石を活用した浮遊選鉱等の選鉱技術、さらには菱刈鉱山等における探鉱技術及び鉱石採掘法の効率化の技術開発等を行っております。
リチウム精製につきましては、塩湖かん水からリチウムを回収する「直接リチウム抽出法」のプロセスの開発に取り組んでおりますが、チリ共和国アントファガスタ州にパイロットプラントを設置し、中規模試験を開始しました。リチウム資源の安定調達、金属資源の有効活用、環境負荷の低減に向け、実証試験を通じて本技術の実用化を進めます。
当セグメントに係る研究開発費は
(2)製錬セグメント
非鉄金属事業において、原料対応力、コスト競争力強化、GHG排出量削減につながる製錬技術の開発や新プロセス技術の開発を行っております。また、ハイブリッド自動車や電気自動車の廃リチウムイオン二次電池からニッケル、コバルト、リチウム等のメタルを回収し、電池材料に再資源化するリサイクルプロセスの開発も進めております。本プロセスは、乾式製錬工程と湿式製錬工程とを組み合わせるもので、関東電化工業株式会社との共同開発により、乾式製錬工程にて回収されたスラグから電池材料として再利用可能なレベルの高純度リチウム化合物に再資源化する技術を世界で初めて確立しました。リサイクルリチウムを使用した LIB 用正極材を、天然資源由来のものと比較し、両者の性能が同等であることを確認しております。今後、全てのニッケル・コバルト・リチウムをリサイクル原料由来とした電池正極材の評価を顧客のもとで進める予定です。電池リサイクルプロセス開発につきましては「蓄電池リサイクルプロセスの開発と実証」とのテーマで国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金助成事業として採択され、2026年の事業化に向け実証試験を進めております。
国内非鉄金属製錬業の持続的発展のための研究を目的とし、2023年4月から2028年3月の5ヶ年にわたり、東北大学多元物質科学研究所に共同研究部門(第二期)を設置いたしました。引き続き、国内の非鉄製錬企業等とも連携を深め、非鉄金属製錬講座の維持・拡大を支援するとともに、技術者の育成と確保に貢献していくことを目指します。
また、九州大学と組織対応型連携契約を締結し、共同研究と人材育成を継続しております。九州大学全体のシーズを活用したさまざまなテーマでの連携を検討しております。
当セグメントに係る研究開発費は
(3)材料セグメント
カーボンニュートラル実現に貢献する新技術・プロセスの研究を推進しております。二次電池関連では、リチウムイオン二次電池の正極材料であるニッケル酸リチウムについて、コスト・容量・出力及び安全性確保などの機能向上を図り、ハイブリッド自動車、電気自動車用電池への積極的な展開に取り組んでおり、開発した新規材料の量産移行を進めております。また、次世代の高性能ニッケル正極材や全固体電池用正極材の開発に取り組んでおります。さらに、電池材料事業の拡大に資する高性能かつ低コストの正極材料及びその製造プロセスを開発する研究開発基盤を強化するため、パイロット設備の導入と電池研究所第2開発棟の建設を進めており、2025年12月の完成を見込んでおります。なお、全固体電池を含む高性能正極材料とGHG排出量低減プロセスの開発につきましては、「次世代蓄電池用高性能正極材料の開発と実証」とのテーマでNEDOのグリーンイノベーション基金助成事業として採択され、実用化を目指し活動を進めております。
また、GHG削減に貢献する新材料として、人工光合成光触媒材料の研究にも取り組んでおり、水分解による水素製造や二酸化炭素の再資源化など、太陽光エネルギーを利用し化学反応を促進する高性能光触媒材料の創出に取り組んでおります。また、京都大学内に開設した二酸化炭素有効利用に関する産学共同講座を通じて二酸化炭素を一酸化炭素に変換する二酸化炭素還元光触媒の研究開発を進めております。京都大学が長年培ってきた触媒の合成・評価技術と当社コア技術である粉体合成・表面処理技術を融合させ、助触媒の担持手法とサイズ・構造の最適化を行った結果、紫外光照射下で従来の半導体光触媒の約30倍となる一酸化炭素濃度が得られ、国内外の報告例と比較して非常に高い変換効率の実現に成功しております。
産学連携による研究開発推進のため、東北大学と包括的な共同研究と人材教育を進める組織的連携協力協定を締結し、同大学の広範囲にわたる研究機能を活用して、機能性材料や評価技術の開発及び人材育成を進める体制を整備しております。同大学とは、2050年に向けたビジョン共創型パートナーシップに基づく取り組みも行っております。この取り組みでは、2050年をターゲットとした「ありたい姿」と「ビジョン」からバックキャストして具体化した材料系素材の共同研究・開発に取り組み、それらの事業化・社会実装の実現によって新たな価値の創造を目指しております。このビジョン達成に向けて設置した共創研究所を通じてGX材料科学(注)に関する研究開発テーマの企画・計画立案を促進しております。
エネルギーハーベスティングを実現する材料として開発中のFe-Ga磁歪合金単結晶につきまして、国際展示会等へ出展し、脱炭素社会に貢献する機能性材料として紹介いたしました。また、フィルムなどの基材の上に印刷技術で電子回路やセンサーを形成する「プリンテッドエレクトロニクス」向けの導電性インクとして、当社は国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)、株式会社プリウェイズ(NIMS発ベンチャー企業)及び当社の持分法適用会社であるエヌ・イー ケムキャット株式会社と共同で厚膜導電性インクを開発いたしました。本インクには、プリンテッドエレクトロニクスで要求される膜厚制御と低温焼結性を実現すべく開発した微粒銅粉が添加されております。本微粒銅粉はアジア最大の展示会であるネプコンジャパン(第39回)に出展いたしました。
当セグメントに係る研究開発費は
(注)2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、GHGを発生させない再生可能なクリーンエネルギーに転換 し、経済社会システムや産業構造を変革させて成長につなげるための新材料開発に資する材料科学。