文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、確約されたものではありません。
当社グループは、100年企業へ向けて以下の「グループ経営ビジョン」を定めております。
・お客様の立場に立ち、誠心を込めて高性能かつ高品質な製品とサービスをご提供できる、活力と新規性に満ちた開発型企業となる。
・コストダウンや社内コア技術を中心とした改良型商品開発から、市場のニーズを確実に捉え、さまざまな企業とコラボレーションする柔軟な企業となる。
・世界No.1を目指して、グループの全従業員が一丸となり、お客様満足度の最大化に努め、革新的な技術・製品を常に生み出していく、「真のグローバルワン・エクセレントメーカ」になることを目指す。
3ヶ年にわたる新たな中期経営計画に基づく事業活動を2026年3月期より開始しております。
この計画に基づき、成長市場を海外と位置付け、「真の開発型企業」として、「全ての顧客に感動を与える商品開発」と「高性能・高品質」を提供し続けてまいります。
目標(2028年3月期)評価指標(KGI)
連結売上高620億円以上、連結営業利益61.7億円以上、EPS132.0円以上、ROE11.0%以上
新中期経営計画は、2036年3月期に連結売上高1,000億円の達成を目指す「Vision2035」実現の第一段階として、第一次中期経営計画と位置づけています。従業員一人ひとりの意識改革を促すことで行動変容を推進し、変革への第一歩を踏み出します。

既存事業にしっかりと軸足を置きながらも従来の領域にとらわれることなく、周辺分野や新規領域におけるM&Aを含むインオーガニックな「新領域の創出」及び海外の重点地域を中心とした販路拡大に注力します。

詳細については、当社ウェブサイト(URL:https://www.anestiwata-corp.com/jp/ir/news)にて、2025年5月15日に開示した「2025年3月期 決算説明会資料」をご参照ください。
2026年3月期においては、新たな中期経営計画をもとに、各国の通商政策や金融市場の動向及び地政学的リスクなどを含む様々な不確実性に左右されない、強力な経営基盤の確立を実現してまいります。事業拡大の主戦場を海外市場と位置付け、エリアの特性に対応した成長戦略を個別に策定し、世界的に不確実性が高まる状況においてもグループ全社を挙げて経営資源の有効活用を進めます。
このような経営環境の中、当社グループは、持続的な成長を確保するためにM&Aを含む多角的な投資を強化いたします。新たなニーズを開拓する新規事業の開発や、グローバル展開を推進する多様な人材を育成すべく人的投資や開発投資を拡大し、100周年を超えて全てのお客様に感動を提供する「真の開発型企業」を目指してまいります。
エアエナジー事業では、当社が世界で初めて開発・発売したオイルフリースクロールコンプレッサをさらに進化させてエネルギー効率を高め、省エネ性を実現することによりCO2の排出削減に貢献してまいります。また、オイルフリー機の販売比率を高めることで、工業用潤滑油の生成時に排出されるCO2を削減し環境負荷の低減を目指してまいります。
コーティング事業では、塗装時に発生するVOC(揮発性有機化合物)の排出量を削減するため、コーティング技術の追求を継続するとともに、塗装・乾燥・搬送時におけるエネルギーコストを最大限に抑えるためのコーティング機器と設備の開発に注力してまいります。また、排水処理等の点で環境負荷が高いメッキや、導入コストが高い蒸着の代替工法として、低コストで環境にやさしく、かつ精度の高い均一薄膜を実現できる、インジウムミラーコーティングシステムの普及に努めてまいります。
当社は、次の成長段階へと進むため、従来の事業領域に依存することなく、新たな戦略を模索しております。中長期的な目標として、2036年3月期に売上規模1,000億円を達成することを掲げており、そのためには大胆なM&Aや新規事業の確立が不可欠であると考えています。
M&Aの推進については、潜在的なターゲット企業の選定から企業価値算定及び統合プロセスのスムーズな進行まで、効率的に行うべく体制の強化を進めています。戦略的に価値のある企業との連携や統合を通じてシナジー効果を生み出し、企業の競争力を高めます。
新規事業については、様々なパートナーとの協働を通じて、新市場での可能性を探り、具体的な成果を得るための実践的な知見を積み重ねています。これにより、新たな収益源を確立し、会社全体の成長を支えていく計画です。これらの取り組みを通じて、当社は、変化に柔軟に対応できるたくましい企業体質で新たな挑戦を続け、企業としての総合力をさらに向上させてまいります。
当社は、収益体質の強化と価値提供の進化を実現するため、DXの推進が極めて重要であると認識しています。生産現場や営業活動においては、データやデジタル技術を活用した取り組みが既に進んでおり、これらの取り組みを拡大・深化させることで、業務効率の向上や新たなビジネスモデルの構築を目指しています。
また、DX推進のためには、専門技術を有する人材の育成及びデジタル技術を効果的に活用できる組織体制への改革が急務であると認識しています。加えて、サイバーリスクの高まりに対応するため、最新のセキュリティ技術の導入と適切なリスク管理体制の構築も重要な取り組みとして位置付けています。
これらの課題に対し、当社はシステムの統合やクラウド環境への移行、人材育成プログラムの充実、さらにセキュリティ対策の強化を通じて、持続的な企業成長と競争力向上を目指してまいります。
様々な不確実性によるサプライチェーンの分断を回避するため、サプライヤーごとのBCP(事業継続計画)を策定し、特に特殊な材料や加工、処理を必要とする部品や海外における一国集中生産等に関しては、サプライヤーへの取引条件に関する支援等とともに、サプライヤー並びに生産地の追加等を進めています。
また、かねてより生産効率の向上とサプライチェーンの安定化を目指した生産計画改革を進めてまいりましたが、安定した生産と製品供給を実現するため、この改革をさらに強力に推進してまいります。
当社グループが豊かな社会の実現に貢献し持続的な成長を遂げるためには、従業員の健康とやりがいを重視し、健全な職場環境を整えることが必要であると認識しています。当社は、代表取締役社長執行役員を健康経営推進最高責任者とし、健康経営推進委員会をはじめとした関連部署が一体となり、ヘルスリテラシーの向上やライフワークバランスの確保に向けた働き方改革に取り組んでいます。当連結会計年度は、一連の活動が評価され、経済産業省と日本健康会議から「健康経営優良法人(ホワイト500)」に5年連続で認定されました。
さらに、従業員のモチベーションと「働きがい」の向上は、パフォーマンス最大化の重要な要素であると認識し、人事制度の見直しを積極的に進めています。従業員が成果に応じて適正に評価される制度を確立し、「働きがい」を感じられる職場環境の整備に努めています。
これらの取り組みを通じて、当社は引き続き、従業員の健康と「働きがい」を支える施策を強化・推進し、そのパフォーマンスを最大限に引き出すことにより企業全体の競争力向上を実現してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「社是」「グループ経営理念」を中核とした「アネスト岩田フィロソフィ」を作成し、当社グループのステークホルダーで共有しています。この中には、当社グループの基本方針を定めており、サステナビリティに関する項目も含めており、製品開発や情報開示など各部門が役割に応じた取り組みを推進しています。そのほか、これらの実現を推進するため、執行役員会傘下に任意の委員会として、サステナビリティ推進委員会を設置しています。本委員会は、社長執行役員と関連部門の責任者で構成し、委員長は社長執行役員、事務局は経営企画部門が担当します。サステナビリティ推進活動に関する事項を中心に定期的に報告及び協議を行うことで、課題の共有を図ってます。また、必要に応じて経営会議や執行役員会に答申・報告をしています。
<サステナビリティ推進体制>

当社グループは、上記「(1)ガバナンス」において記載した推進体制を構築するとともに、サステナビリティを含む全社的なリスクマネジメントの一環として、1年ごとに執行役員(取締役兼務を含む)が当社の企業価値や経営成績などに重要な影響を与える可能性があるリスクの特定と評価を行っています。その結果を経営会議や執行役員会で審議することによって、リスク・危機対応時の体制整備を図っています。その他にも、サステナビリティ推進委員会を定期的に開催し、ESGに関するリスクと機会について議論することで、リスク管理体制の強化を推進しています。
人材に関するリスクの内容については、
創業100周年に向けて「真のグローバルワン・エクセレントメーカ」となり持続的な成長を続けていくために、経営資源の根幹をなす人材への投資を積極的に実施しております。多様な人材を適材適所に配置して個々のパフォーマンスを引き出し、個の強みをかけ合わせることで組織としてのシナジーを発揮し、より大きな付加価値を生み出せるようにタレントマネジメントを推進していきます。具体的には、人材一人ひとりの力量、経験、個性、資質、成果など様々なデータや情報を集約管理し、それに基づいた人材の配置転換を実現していきます。
また、優秀な人材を惹きつける為には「働きやすさ」と「働きがい」を両立する必要があります。全社を挙げた健康経営、ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、年功序列的な考えではなく、個々の力量や成果を重視した任用及び評価をすることで、従業員一人ひとりの挑戦・成長・活躍を促します。
なお、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針については、各国・地域の法制度や文化的背景が密接に関係しているため、当社グループ全体において一律に導入することは困難であることから、当社グループの主要な事業を営む提出会社の方針を記載いたします。なお、連結子会社については、代表者の職務権限に基づき、各国の制度・実情に適合した運用方針に対する裁量を認めたうえで、様々な施策を実施しています。
人材育成方針として「変革と成長」をキーワードに掲げ、「Be an OWNER 当事者であれ」「WILL 志を持つ、やり抜く」「OPEN 外に目を向ける」という、従業員が目指すべき3つの姿を定めています。失敗を恐れずに挑戦する従業員を尊重し、成長・活躍・自己表現の機会を創出することで、当社が目指す「真のグローバルワン・エクセレントメーカ」の実現に近づくものと考えています。具体的な取り組みとして下記施策を実施しています。
従業員のキャリア形成を目的とし、全従業員を対象としたキャリア研修、上司との面談及びキャリアコンサルタントによる面談を実施しています。
また、継続的な取り組みとして、年に一度、全従業員を対象にキャリアプランニングに関するアンケートを実施し、研修等の取り組みの効果を振り返っています。これにより、従業員一人ひとりが自身のキャリアについて主体的に考え、成長できるよう継続して支援を行っています。
従業員一人ひとりが自発的に学ぶ文化を醸成し、会社の重要な資産である「ヒト」の成長を支援するため、通信教育やセミナー受講費などの学習にかかる費用を会社が補助しています。通信教育に加え、eラーニングサービス、英語学習アプリ、書籍、セミナーなど、自己啓発の手段は問わず、現業務に活かせるスキルや知識の習得に加え、将来のキャリア形成を見据えたスキルアップのための学習も対象としています。
2024年度は、課長以上の管理職を対象に、成果を高めていくための組織構築に必要な「対話力」を学ぶ研修プログラムを実施しました。対話の重要性を理解し、学び、実践することで、組織の関係性及び成果の向上を図っています。
また、中堅社員を対象に「経験型学習サイクル」をテーマとした研修プログラムを実施しました。PDCAサイクルにおけるCheckとAction、そして振り返りに重点を置いた業務姿勢を身につけ、経験から学び、その教訓を次に活かす習慣を定着させることで、自ら成長し続ける力を養うことを目指しています。
当社グループは、社内環境整備方針として「ダイバーシティ&インクルージョン」と「健康経営」の推進を重要なテーマとして、積極的に取り組んでいます。
年齢や性別などの属性やライフスタイルに関わらず、長い職業人生を通じて誰もが活躍し輝ける環境を整備し、多様性の確保に努めてまいります。具体的な活動は以下の通りであります。
管理職を対象にLGBTQ研修を実施し、LGBTQに関する基礎的知識や業務上配慮すべき事項やハラスメント防止などへの理解を深めました。また、実際に当事者の体験談を公聴する機会を設けることで、自身の認知バイアスを自覚する機会につながりました。今後も、互いを尊重し支え合う企業風土を醸成するとともに、多様な価値観を持つ人材が活躍できる環境の実現に向けた取り組みを実施してまいります。
実際に介護を行っている従業員へのヒアリングや、全従業員へ向けたアンケートを実施し、当社従業員が介護において直面する課題の洗い出しを行いました。その上で、ケアマネジャーを招いて、仕事と介護の両立を支援するセミナーを開催しました。セミナーでは、介護保険制度や当社の介護支援制度の説明に加え、介護中の本人や家族のメンタルヘルスのケア方法についても情報提供を行い、介護をしながらも働き続けることが可能であることへの理解を促しました。
当社グループは、企業の発展には一人ひとりの「生産性の向上」と「モチベーション」が重要であり、その基盤は従業員及びその家族の健康であると考えています。代表取締役社長執行役員を健康経営推進の最高責任者とし、人事制度・福利厚生の充実のほか、食事・運動・コミュニケーションに関する各種施策を実施しています。今後も従業員及びその家族が「笑顔でイキイキと輝ける」よう、様々な健康維持・増進活動を戦略的に推進してまいります。具体的な活動は以下の通りであります。
コミュニケーションの活性化及び健康意識の向上を目的として、従業員の家族も参加可能な全社運動会を開催しました。本イベントは、本社・秋田・福島の三拠点で開催し、約半数の従業員が参加しました。従業員同士のコミュニケーションやチームワークの醸成に寄与する有意義な機会となりました。
健康経営に関する詳細な取り組みについては、当社ウェブサイト(
そのほかのESGに関する取り組みを含むサステナビリティ情報については、2025年9月に当社ウェブサイト(URL https://www.anestiwata-corp.com/jp/ir/library/integrated-report)において公表予定の
当社グループでは、上記「(3)戦略」において記載した方針について、次の指標を用いております。これらの指標に関する目標及び実績は、連結会社における主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した
ものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)
の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
有価証券報告書に記載した「事業の状況」、「経理の状況」等に関する事項のうち、経営者が当社グループの企業価値並びに財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という)に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
当社グループは創業以来、塗装機器及び空気圧縮機といった製品及びこれに付随するサービスを市場へ提供することにより、世界のモノづくりに貢献してまいりました。その結果、海外販売比率が過半を占め、人材、製品・サービス、資金の流れが多様化する中で、急速に変化する事業環境の影響を一層強く受ける状況となっております。
このため、既存の市場や製品、ビジネスモデルに固執することは、各国市場における構造の変化や既存製品の需要減少等、市場環境の変化に起因するリスクを増大させ、当社グループの持続的成長及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、グローバルな事業展開に伴い、当社グループの販売や資材調達等の取引には外貨建ての取引が含まれるため、予測困難かつ急激な為替変動により経営成績等に影響が生じるリスクも存在いたします。さらに、各国の法令及び規制の変更に伴う不確実性も事業環境の変化を促進する要因として認識しており、状況に応じた迅速な対応策及びリスク管理体制の強化に努めております。
このようなリスクを未然に防ぐため、既存事業においては品質向上への不断の努力と、グローバルな視点に立脚したモノづくりを通じ、気候変動をはじめとする社会的課題の解決に資する製品開発を継続するとともに、新規事業の積極的な開拓及び柱となる事業基盤の構築を推進してまいります。そのため、失敗を恐れず果敢な挑戦を促す企業文化の醸成と、事業ポートフォリオ・マネジメントに基づく事業基盤の強化及び多角化に向け、様々な協力企業との業務提携を積極的に推進いたします。また、当社グループ内での交流及び情報収集をさらに強化し、市場ニーズの的確な把握に努め、国や地域ごとの特性を十分に考慮した上で、柔軟かつ迅速に事業環境の変化へ対応する体制と経営戦略の確立を目指します。合わせて、需要増加や物流費の上昇等の局面においても製品の安定供給を実現するため、複数購買の活用や物流網の再構築など、サプライチェーンの強化策を着実に講じております。なお、持続的成長が達成できず経営成績等に悪影響が生じた場合には、取締役会をはじめとする意思決定機関において速やかに協議を行い、事業戦略の再構築と必要なリスク管理措置の展開を図る方針です。
当社グループにおいては、製品の開発、設計、部材の調達、加工、組立等の各工程において、万一の欠陥により品質基準を満たさない製品が市場に供給され、欠陥に起因する損害が発生すると、賠償責任、クレーム対応、製品回収及び交換等に起因して多大な費用が発生するとともに、お客様の信頼喪失により当社グループの経営成績等に重大な影響を及ぼすリスクが存在いたします。
このため、当社グループは、製品の欠陥発生を未然に防止するため、厳格な品質基準を定める規程、規格及び標準の順守を徹底するとともに、製品開発の初期段階から品質保証部門が客観的な立場で介在し、潜在的な課題の早期発見と是正に努めております。さらに、国内のみならず、海外の生産拠点においても、ISO9001認証の取得又は現地に適合した品質管理システムの運用等を通じ、各国の市場要求や品質基準に確実に適合する体制を整備しております。
また、不測の事態が発生した際には、速やかに経営会議又は執行役員会並びに品質保証委員会へ報告し、品質保証部門を中心にリコール等の必要な措置を迅速に講じるとともに、国内においては当社グループの100%子会社であるサービス会社を中心としたサービス体制、海外においては各子会社が販売からサービスまで一貫して対応する体制を一層強化しております。
当社グループは、事業基盤の強化を加速し持続的な成長を確保するため、必要と認識した企業への資本参加、買収を含む協働先との包括的な業務提携等を積極的に推進しております。
しかしながら、M&A実施後においては、統合プロセスにおける経営方針や戦略の共有不備、または協業体制の不整合等に起因して、対象企業の従来の販売エリアにおける顧客からの信頼が損なわれる可能性があるとともに、当初想定した効果や利益が十分に実現されず、対象企業の業績低迷のほか、期待した収益性を維持できず実質の価値が著しく低下した場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。このようなリスクに対して、当社は、M&Aに関連する確認項目を明確に定め、事前にリスクやリターン、対象企業の財務状況、契約関係その他の重要事項について慎重な検討を実施し、デューデリジェンスを経た上で、十分なシナジー効果が得られるとの判断のもとで取引を実行しております。加えて、M&A成立後には、統合計画(PMI)を適切に実行し、経営陣及び担当事業部門による密接な経営支援体制を構築し各リスクの早期発見及び未然防止に努めております。
やむを得ずこれらのリスクが実現した場合には、契約継続の可否判断、損失の確定及び状況に応じた迅速な対策の実施により、速やかに適切な経営判断を下すとともに、損失の拡大防止に努めます。
当社グループは、持続的成長の実現及び市場環境の急速な変化に柔軟に対応するため、個性と能力の多様性に富む人材の確保及び育成が極めて重要であると認識しております。そのため、国内においては通年採用を実施し、新卒採用に加え幅広い職種におけるキャリア採用の強化に取り組んでおります。
しかしながら、現行の採用戦略並びに採用後の育成方針や人事評価制度に対して、市場環境及び事業戦略の変化に応じた見直しや改善が不十分な場合、将来にわたり必要な水準の人材確保が困難となるリスクが存在し、これに起因して企業価値向上に向けた施策が計画通りに進展しない可能性が懸念されます。さらに、勤務条件や報酬制度の見直しが不十分な場合には、人材流出のリスクも併発するおそれがあります。
このようなリスクに対応するため、当社は、適正な労務管理のもと、各部門における適材適所の人材配置を実現するための人材開発プログラムの充実及びグローバルな視点を取り入れた人事評価制度の再構築とダイバーシティ・マネジメントの強化を重点的に推進いたします。加えて、多国籍人材の採用体制のさらなる強化や評価者への研修制度の充実並びに雇用条件や報酬制度の見直しを図るとともに、業務の自動化及びデジタル化を積極的に推進することにより、労働力の有効活用と組織全体の効率化を目指してまいります。さらに、事業環境や市場動向の変化に迅速かつ柔軟に対応するため、当該リスクに関する継続的なモニタリングと、必要に応じた採用戦略及び人材育成施策の抜本的な見直しを実施する体制を整備しております。
当社グループは、組織パフォーマンスの強化及び競争力の継続的向上を図るため、事業活動の基盤となる従業員一人ひとりの健康維持及び増進に関して、代表取締役社長執行役員を健康経営推進の最高責任者とし、「健康経営宣言」のもと各種施策を積極的に実施しております。
しかしながら、健康経営に関する施策が計画通りに進捗せず、活動の停滞または縮小が生じた場合、従業員の健康リスクが増大し、それに伴う労働環境の悪化及び組織全体のパフォーマンス低下が発生するリスクが懸念され、これが経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対応するため、当社グループでは、定期的な健康状態の評価及び労働環境のモニタリングを実施するとともに、健康経営施策の効果検証を実施し、必要に応じた改善策の早期実施を図っています。また、ライフワークバランスの推進及びヘルスリテラシーの向上を目的とした研修・啓発活動並びに労務管理体制の強化など、組織全体における健康管理の取り組みを一層強化するとともに、リスク発生時の速やかな対応体制を整備しております。
なお、当社グループは、過去において「機械セクターにおけるホワイト企業トップ」を目指す取り組みの成果が評価され、経済産業省及び日本健康会議から「健康経営優良法人(ホワイト500)」に5年連続で認定される成果を上げており、今後も、常にいきいきとした活力及び技術革新に支えられた創造力とチームワークを最大限に発揮する企業風土の確立を通じ、健康経営の効果を持続的に高めてまいります。
当社グループは、従業員の過半数が海外拠点に勤務する外国人によって構成されています。各国の社会情勢や労働環境に応じた働き方が求められる状況下では、国内外における労働組合等との間で勤務条件などを巡る問題が生じるリスクがあります。労働争議が発生し早期に解決しない場合、事業運営の安定性や製品供給に深刻な悪影響をもたらし、顧客からの信頼低下を通じて企業価値や経営成績に直接影響する可能性があります。
当社は、社是「誠心(まことのこころ)」を中核とするアネスト岩田フィロソフィの浸透や、各国の制度に適合した雇用条件及び評価制度の運用を通じた帰属意識の向上を図るとともに、海外では各子会社が販売からサービスまで一貫して対応する体制を確立しており、現地における労働問題の未然防止や早期解決並びに事業運営の安定に寄与すると考えております。
グローバル展開における競争力強化のため、絶え間ない革新が続くITの導入によってビジネスモデルの改革、高付加価値製品の開発及び業務効率の向上を実現することは不可欠であると考えております。しかし、突発的な事態により社内に蓄積されたITに関する知見やノウハウが失われ、IT戦略の実行が滞るか、最新のITトレンドに沿った製品開発に遅れが生じる場合、競争力や経営効率が低下し経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは、経営計画に基づいた中長期的なIT戦略を策定し、IT投資が企業成長に与える効果を定期的に検証しております。
なお、リスクが顕在化した場合には、IT専門人材の積極的な登用やパートナー企業との連携拡大並びに陳腐化したIT資産の適時償却によって迅速に経営基盤の立て直しを図る体制を講じることで、リスクの影響を最小限に抑える措置を実施いたします。
事業活動を安定的かつ持続的に推進するため、情報システムの安全性・信頼性の維持の重要性は年々増しております。当社グループは、事業活動において取得した技術開発や営業に関する機密情報並びに個人情報について厳重に管理しておりますが、自然災害、予期しないサイバー攻撃、コンピュータウイルスによる不正アクセス並びに従業員の故意又は過失による情報流出に起因して、情報の漏えいや改ざん、システム障害が発生するリスクが存在し、さらにこれらの情報が悪用された場合の損害賠償責任等を通じて経営成績に悪影響を及ぼす可能性があると認識しております。
これに対応するため、当社グループは適切な情報セキュリティ体制を整備し、重要データの適切なバックアップの取得をはじめとする必要かつ十分なセキュリティ対策を講じ、従業員に対しても継続的な教育を実施しております。
万一、これらのリスクが実現した際には、その要因・経緯を速やかに把握し、適切な対処を実行する体制を構築するとともに、必要に応じて被害内容を開示し二次被害の最小化並びに信頼回復に努めてまいります。
当社グループの事業は、多様な国や地域で展開されており、それぞれの国や地域における各種法規制や基準への対応が不可欠です。近年は、国際的な合意や国内制度の整備により、企業に求められる社会的責任やガバナンスへの期待が一層高まっております。具体的には、輸出入の管理や製品安全、知的財産権、労働環境や個人情報保護、さらには自社の事業活動及びサプライチェーン全体にわたる人権・環境への配慮等、その対象分野は多岐にわたります。さらに、規制の新設・改正や行政当局の監督強化が進んだり、法規制が想定を上回るスピードや範囲で強化されたりした場合、想定外のコスト負担や事業計画の変更を迫られることにより、当社グループの事業及び業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループでは、これら多岐にわたる法規制の動向や、ビジネス環境の変化を的確に把握できるよう、各地域の事業拠点を中心に情報収集の体制を構築しております。特に、地域や対象分野特有の見直し等が加速した場合に備え、関連する情報を精査し、事業拡大の方向性や製品開発・サービス提供の見直しを機動的に行います。
近年、企業の不祥事が報道される中、当社グループにおいて知的財産権の侵害、品質不正、贈収賄及びハラスメント等の不正行為が発生した場合、短期的には賠償責任などで経営成績に影響が出るのみならず、信用の著しい失墜により販売活動や採用活動に支障を来すなど、長期的には企業価値の低下や最悪の場合、企業存立に関わる事態に陥る可能性があります。
これに対応するため、当社グループでは、役員及び従業員が不正行為を行わないための体制や仕組みの構築、グループ会社への健全な経営支援を推進しています。また、海外子会社を含む内部通報制度の整備や、監査等委員会及び内部監査部門によるモニタリング体制を確立し、法令違反等の不正行為が発生しないよう努めています。
万一、事態が発生した場合には、速やかに取締役会へ報告するとともに第三者による調査、事実の開示、該当者への適切な処分を実施し、再発防止策の策定と迅速な開示を行う体制を整えています。
当社グループは、世界中のお客様に高性能かつ高品質な製品とサービスを提供するため、活力と新規性に満ちた開発型企業を目指しています。その取り組みの中で、現時点で保有している、または将来開発する製品や技術、ビジネスモデルが、第三者に模倣される恐れや、意図せずに第三者の知的財産権、特許権、商標権を侵害してしまうリスクが存在します。
万一、そのような事態が発生した場合、損害賠償や訴訟費用の発生に加えて、技術自体の利用制限や不利な条件での利用を強いられることで、当社グループの経営成績等に悪影響が及ぶ可能性があります。
これを踏まえ、当社グループでは、技術や製品について、特許権や意匠権、商標権など関連する権利を国内外で取得し、グローバルな権利網を構築しています。加えて、開発内容ごとに侵害予防調査や定期的な他社出願調査を実施し、第三者の知的財産を尊重するとともに、意図しない侵害を防止しています。さらに、管理体制の強化と、関係する外部機関との協力によるリスクの回避や影響の最小化を図っています。
当社グループは、世界の主要な地域に子会社を有し、グローバルな事業活動を展開しています。グループ会社間取引に際し、移転価格税制などの法規制を遵守し、適正な取引価格の設定に努めることで国際税務リスクに対応しています。しかしながら、税務当局との見解の相違により指摘を受けた場合、追徴課税などが発生し、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
これに対応するため、当社グループは国際税務の動向に注視するとともに、外部専門機関と連携し、正確な法的理解に基づいた取引を実現することで、税務当局との見解相違を未然に防ぐ体制を整えています。
固定資産の減損損失等の適切な会計処理のためには、将来キャッシュ・フローを適切に見積った事業計画が必要になります。当社グループでは、(1)③で触れましたようにM&Aを含む子会社等への投資を積極的に行っておりますので、特に以下の会計処理を判断する場合において、各子会社等の適切な事業計画が必要となります。
・当社の個別財務諸表における関係会社株式等の減損損失の判定
・連結財務諸表の基礎データとなる子会社等の保有する固定資産の減損損失の判定
・連結財務諸表におけるのれんの計上時の償却年数の算定、及び、減損損失の判定
これらの判断時点における事業計画が適切なものではない場合には、結果として不適切な会計処理をおこなったことになり、当社の信用が著しく失われるリスクがあるものと理解しております。
このため、各子会社等の事業計画の策定にあたっては、主管である当社の事業部門及び経理部門が積極的に関与しております。また、これらの事業計画は経営及び会計に知見のある社外取締役が過半数を占める取締役会に報告されており、その指導・監督を受けております。これらの透明性のある手続きにより、事業計画の適切性を確保しております。
当社グループは、世界各国で事業を展開しているため、予測不能な政治的・経済的変動、戦争・テロ、感染症の流行、大規模な自然災害など、様々な地政学的リスクにさらされる可能性があります。これらの事象により、事業所の損壊や保護主義による規制強化、貿易摩擦から原材料調達や物流が停滞し、コストが増大することで、製品供給に甚大な影響が及ぶ恐れがあります。さらに、リスクが長期化または拡大すると、収益性の低下や固定資産の減損を通じ、当社グループの経営成績等に重大な悪影響を与える可能性があります。
これに対応するため、当社グループはBCPの策定、生産拠点の分散、グループ間での代替調達の検討などにより、供給体制の強化と経営環境の的確な把握を進め、事業活動の強靭化に努めています。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当連結会計年度の業績は、売上高54,411百万円(前連結会計年度比1.8%増)、営業利益5,903百万円(同4.4%減)、経常利益7,139百万円(同10.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益4,276百万円(同13.3%減)となりました。
(単位:百万円)
(注)1.事業別の連結営業利益は、当社グループ独自の基準により算定しております。
2.当連結会計年度より、製品区分の変更を行っております。従来、塗装時の作業環境を改善する環境装置は「塗装機器」に区分しておりましたが、製品の性質や販売体制等の観点から、「塗装設備」に区分変更しました。加えて、「エアエナジー事業」及び「コーティング事業」に含まれていたECサイト販売をはじめとするコンシューマービジネスの収益は、事業戦略上の重要性の観点から比較を容易にするため「その他」の区分に変更しました。なお、製品区分ごとの比較情報については、前連結会計年度の数値を変更後の事業・製品区分に組み替えた数値で比較しております。
3.「その他」には、コンシューマービジネスやモビリティアフターサービスなどに関する収益が含まれます。
資産は、流動資産が、45,229百万円(前連結会計年度比11.5%増)となりました。これは主に、「現金及び預金」が4,404百万円増加したことなどによるものです。固定資産は、23,973百万円(同6.3%減)となりました。これは主に、「投資有価証券」が3,096百万円減少したことなどによるものです。その結果、総資産は69,202百万円(同4.6%増)となりました。
負債は、流動負債が、12,161百万円(同4.9%減)となりました。これは主に、「未払法人税等」が845百万円減少したことなどによるものです。固定負債は、3,479百万円(同6.1%増)となりました。これは主に、「長期借入金」が89百万円増加したことや「退職給付に係る負債」が50百万円増加したことなどによるものです。その結果、負債合計は15,641百万円(同2.7%減)となりました。
純資産は、53,561百万円(同7.0%増)となりました。これは主に、「利益剰余金」が2,324百万円増加したことや「為替換算調整勘定」が1,528百万円増加したことなどによるものです。また、純資産より非支配株主持分を除いた自己資本は46,853百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の66.8%から0.9ポイント増加し67.7%となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ3,077百万円増加し、当連結会計年度末には17,686百万円(同21.1%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果、資金収支は9,746百万円の収入(同44.0%増)となり、前連結会計年度末に比べ2,976百万円の増加となりました。これは主に、持分法適用会社からの配当により「持分法による投資損益」が2,420百万円増加したことや「棚卸資産の増減額」の変動により収入が518百万円増加したことなどによるものです。
投資活動の結果、資金収支は3,255百万円の支出(同158.2%増)となり、前連結会計年度末に比べ1,994百万円の支出の増加となりました。これは主に、「定期預金の預入による支出」が1,745百万円増加したことなどによるものです。
財務活動の結果、資金収支は3,932百万円の支出(同9.7%増)となり、前連結会計年度末に比べ347百万円の支出の増加となりました。これは主に、「短期借入金の純増減額」の変動により支出が233百万円増加したことなどによるものです。
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
(注) 欧州の増加は、主に塗装機器の生産の伸長などによるものです。
②受注及び受注残高
当連結会計年度における塗装設備の受注状況は、次のとおりであります。
(注) 1.この受注及び受注残高は、塗装設備製品のものです。塗装設備製品以外は受注から販売までが短期間であり、受注及び受注残高の管理対象としておりません。
2.当連結会計年度より、製品区分の変更を行っております。従来、塗装時の作業環境を改善する環境装置は「塗装機器」に区分しておりましたが、製品の性質や販売体制等の観点から、「塗装設備」に区分変更しております。なお、前連結会計年度との比較にあたっては、当該変更を適用した数値を使用しています。
3.日本の受注及び受注残高の増加は、主に自動車の生産に関連した設備投資案件を獲得したことなどによるものです。
4.中国の受注及び受注残高の増加は、主に塗料メーカ向け設備投資案件を獲得したことなどによるものです。
5.その他の受注の減少は、主にインドにおける自動車の生産に関連した設備投資案件の獲得ペースが緩やかになったことなどによるものです。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における世界経済は、アメリカを中心に雇用や個人消費の堅調さが見られた一方で、欧州や中国では高金利や不動産市場の低迷などにより回復に地域差が見られました。総じて、金融引き締めや地政学リスクなどの影響も継続しており、設備投資の伸び悩みがみられたことで、世界経済は緩やかな回復にとどまりました。日本経済においては、賃上げの浸透や物価上昇の一服感が個人消費の回復を下支えしましたが、世界経済の減速により、輸出や設備投資は伸び悩みました。企業業績や雇用環境は総じて堅調に推移した一方で、日銀の金融政策動向や為替変動などの影響もあり、先行き不透明感が残るものの、全体としては緩やかな回復基調が続きました。
このような状況の中、当連結会計年度の業績は、売上高54,411百万円(前連結会計年度比1.8%増)、営業利益5,903百万円(同4.4%減)、経常利益7,139百万円(同10.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益4,276百万円(同13.3%減)となりました。これらの結果により、当連結会計年度のROEは9.4%(同2.3ポイント減)となり、自己資本比率は67.7%と0.9ポイント上昇しております。
当社グループで採用しております地域別のセグメントの状況は以下のとおりであります。セグメントの業績の詳細については、「第5〔経理の状況〕-1〔連結財務諸表等〕-(1)〔連結財務諸表〕-〔注記事項〕」の(セグメント情報等)をご参照ください。
売上高は24,847百万円(前連結会計年度比5.6%減)、セグメント利益は2,620百万円(同23.6%減)となりました。利益の減少は、真空機器など利益率の高い製品を主とした製品全般の売上減少などによるものです。
圧縮機製品では、小形圧縮機において業界全体の出荷台数が伸び悩んでいるものの、価格改定の浸透や販促キャンペーンの効果などにより売上は伸長しました。
真空機器製品では、最終の向け先である中国市場の需要が縮小したことにより、半導体製造関連装置メーカ向け真空ポンプの売上が減少しました。
塗装機器製品では、ハンドスプレーガンの売上は横ばいで推移した一方で、塗料供給機器や塗料以外の液体を塗布する機器の販売が拡大したことで、総じて売上は伸長しました。
塗装設備製品では、自動車生産を中心とした塗装設備において少ない期初受注残を期中の受注獲得でカバーできず、売上が減少しました。
(欧州)
売上高は10,137百万円(前連結会計年度比8.1%増)、セグメント利益は828百万円(同0.1%減)となりました。利益の減少は、主に利益率が高いオイルフリー圧縮機の売上減少などによるものです。
圧縮機製品では、OEM先における需要動向の変化などにより、オイルフリー圧縮機の売上が減少しました。また、この状況を改善すべく欧州の子会社及び全域での販売体制の再構築に着手しました。
塗装機器製品では、自動車補修市場向けスプレーガン及び木工市場向け塗装用ユニットの販売が継続して堅調に推移したことや、ドイツ子会社にてエアーブラシの売上が好調なことから欧州全域で売上が伸長しました。
売上高は7,446百万円(前連結会計年度比2.6%増)、セグメント利益は898百万円(同3.2%減)となりました。利益の減少は、主に南米における利益率の高いオイルフリー圧縮機の売上減少などによるものです。
圧縮機製品では、アメリカにおいて主に医療市場向けオイルフリースクロール圧縮機の売上が増加しました。
真空機器製品では、アメリカにおいて前連結会計年度に見られたスポット需要がなく売上が減少しました。並行して新規の販路開拓に注力しております。
塗装機器製品では、アメリカにおいて木工市場向け塗装ユニットの販売が堅調に推移したことや、ブラジルにおいてもハンドスプレーガンの販売が好調に推移したことで、売上が伸長しました。
(中国)
売上高は12,567百万円(前連結会計年度比1.3%増)、セグメント利益は882百万円(同9.1%増)となりました。
圧縮機製品では、現地子会社による輸出販売が堅調に推移したものの年度末にかけては伸び悩みが見られました。また、国内販売は依然として厳しい状態が続いており、総じて売上は減少しました。
真空機器製品では、リチウムイオン電池製造関連装置向け真空ポンプ売上が業績を下支えしましたが、年度末にかけて需要は縮小しました。
塗装機器製品では、中国経済低迷の影響が続いており、売上は減少しました。
塗装設備製品では、主に機械部品や樹脂成型品の生産に関連する塗装設備の納入が完了したことにより、売上が伸長しました。
売上高は9,948百万円(前連結会計年度比1.2%減)、セグメント利益は1,546百万円(同3.4%減)となりました。
圧縮機製品では、インドの汎用市場において中形圧縮機の売上は前年度を下回ったものの、小形圧縮機の売上は伸長しました。東アジアにおいては汎用市場向け小形圧縮機の需要が拡大し、全体を牽引しました。
塗装機器製品では、インドやオーストラリアにおいて自動車補修市場向けや工業塗装市場向けハンドスプレーガンの売上が伸長しました。
塗装設備製品では、東南アジアにおいて期初の受注残のみならず期中の受注獲得も厳しい状態が続きました。インドにおいても引き合い案件が期中の売上に至らず、売上は減少しました。
当社グループの財源については自己資本を基本としつつも、一部、金融機関等からの借り入れにより調達しています。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要は、海外子会社を含む設備投資、M&A等によるものであります。
また、当社グループの当連結会計年度末において、短期借入金858百万円に対して現金及び現金同等物の期末残高17,686百万円と資金の流動性を確保しています。なお、当座貸越極度額及びコミットメントライン契約額7,949百万円を結んでおり、これらの契約に基づく当連結会計年度末の借入実行残高は96百万円です。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。当社が採用する重要な会計方針については、「第5〔経理の状況〕-1〔連結財務諸表等〕-(1)〔連結財務諸表〕-〔注記事項〕」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、権限を明確に定め、適切な情報に基づく判断に努めていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。なお、詳細については、「第5〔経理の状況〕-1〔連結財務諸表等〕-(1)〔連結財務諸表〕-〔注記事項〕」の(重要な会計上の見積り)をご参照ください。
固定資産の減損損失の認識の判定においては、将来キャッシュ・フローを見積った事業計画をもとに行っております。当社グループは事業拡大を目的としてM&Aを含む子会社等への投資を積極的に行っているため、特に関係会社等の保有する固定資産、のれんの減損損失の判定、及びのれん計上時の償却年数の算定は当社グループの業績等に重要な影響を及ぼすと認識しており、その際に使用される見積りや前提条件については慎重に検討し取締役会が監督することで適切性を確保しています。しかしながら、市場環境の変化等により、将来キャッシュ・フローの見積りの前提条件が変化した場合には、減損損失が認識されるか否かの判定及び減損金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、当社が主体となり関係会社と共同推進する形をとっており、環境保全を技術開発の大きな目的にするとともに、固有技術の進化と先端技術の応用展開を進めながら、顧客ニーズに応えるための新製品開発と既存製品の改良を積極的に進めております。
なお、当期の研究開発費の総額は