第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 会社の経営の基本方針

<経営理念>

当社グループは、社員・お客様・株主の皆様との共存共栄を企業活動の原点として、常に最先端のIT技術を探求し、人や社会に役立つソリューションの創造・提供を通じて、社会の健全な発展に積極的に貢献することを経営理念として活動しております。

 

<経営の基本方針>
(社員とともに)

社員が最大の財産であることを認識し、

社員一人ひとりの持つ無限の可能性を信じ、

健全で働きやすい環境を提供し、

夢と誇りを持てる働きがいのある会社にしていきます。

(お客様とともに)

お客様の発展に寄与し、お客様の期待に応え、

お客様から常に信頼される企業をめざします。

(株主の皆様へ)

公平で透明性の高い経営を推進し、

効率的な事業活動を通じて、企業価値の向上をめざします。

 

<サステナビリティ宣言>

NSDグループは、社員・お客様・株主の皆様との共存共栄という企業活動の原点に立ち、人や社会に役立つソリューションの創造・提供を通じて社会の健全な発展に積極的に貢献するため、持続可能な社会の実現が大切なものとの認識を皆で共有し、そのための社会的責任を果たしてまいります。 同時に、自らの持続的な成長にも努め、その基盤となるESGに関する取り組みを全員一丸となって進めてまいります。

 

<健康経営宣言>

NSDの最大の財産は社員です。社員一人ひとりが能力を十分に発揮し活躍するには、心身の健康や私生活の充実が不可欠です。当社は社員の健康を経営の重要課題と位置づけ、社員が健康で安全に働ける環境の整備と維持に努め、この取り組みを通じて、会社の持続的な成長を目指します。

 

(2) 目標とする経営指標

近時のデジタル化の流れは急激で、お客様もこの流れを取り込み、ビジネスモデルや業務プロセスを変革しようとしています。当社もそうした進化に対応すべく、DX・AIソリューション事業への取り組みを加速し、より付加価値の高い企業体質への変革を図ります。2026年3月期では、達成すべき経営指標として次の計数目標を掲げております。

(2026年3月期 計数目標)

・連結売上高                 1,132億円

 うち、DX・AI・ソリューション事業      525億円

・営業利益                    171億円

・当期純利益                  120億円

 

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社は、創業以来、金融業をはじめとするさまざまなお客様のシステム開発に携わり、多くのお客様から信頼を得、長いお取引をいただいております。

その結果、IT業界のなかでも高い利益率、厚い自己資本、社内に多くの優秀なシステムエンジニアを確保するなど、安定的・効率的な経営基盤を構築することができました。中期経営計画では、長期的に目指す姿として「人とITの未来」を提案する会社を目指し、以下の基本戦略を強力に展開しております。

 

① システム開発事業における持続的な成長の達成

当社グループの中核であるシステム開発事業において、お客様の業界の業務知識やシステム特性、DXやAI分野への対応等、専門性に対するニーズは高度化・多様化してきております。

当社グループは、長年にわたり、幅広い業種の有力企業との取引を通じ、技術力・業務知識を蓄積し、ニーズへの対応力を磨いてまいりました。

今後も急速にデジタル化を進めるお客様のニーズの変化にお応えすべく、お客様に役立つDXやAI分野への対応力を向上してまいります。

 

② DXやAI分野への一層の注力

今後のIT業界では、お客様に寄り添ったコンサルティングとAIを始めとした新技術を融合させたDXが必要と認識しています。

当社では、位置情報ソリューション、画像解析、音声認識などのAI・IoT製品開発や営業基盤の拡充などにより、事業展開のスピードアップを図っております。また、お客様との協業の深化と共創の実現、DXやAI分野での外部ネットワークの拡大、「イノベーション戦略事業本部」と子会社である「NSD-DXテクノロジー」から当社グループ内への知見やノウハウの横展開、人材の育成などに取り組んでいます。

「NSD-DXテクノロジー」では、「次世代を担うITを、お客様とともに創出」を経営ビジョンとし、各業界を代表する大手企業とパートナーシップを組み、研究開発に取り組むというユニークな体制をとりながら、DX関連技術の研究・概念実証支援を進めています。

 

③ コンサルティング事業の強化

当社は、新技術の知見を有する人材をベースに、お客様の業務と課題を的確に理解した当社だからこそできる提案を積極的に行っていくコンサルティングの強化を進めています。これまでも、お客様先に常駐している社員が業務に精通したITコンサルティング人材として密接に関わり合いながら、お客様の経営課題に対応したIT戦略の立案をサポートしてきました。成果が確立するまでお客様に伴走するのはもちろんのこと、提案力を強化し、お客様も認識していない課題を見出し、提案を行うという、攻めの体制を強化していきたいと考えています。

 

④ ソリューション事業における規模の拡大

ITの力でお客様の成長を支えるという当社のミッションの下、ユニークな発想に基づく課題解決型ソリューションによりお客様のDXを加速していくことが、お客様とともに成長を遂げてきた当社らしいソリューション事業であると考えています。

当社では、医療・ヘルスケア、ヒューマンリソース、物流、株主優待サービス、RFID(*1)、セキュリティ等、お客様のご要望に応える新たなソリューションを創出・開発し、当社グループの第二の柱にするべく注力しています。

(*1)RFID(Radio Frequency Identification)は、小さな無線チップを用いて人や物を識別・管理するソリューションです。

 

⑤ SDGs/ESG(環境、社会、ガバナンス)に対する取り組みの強化

当社グループはSDGs/ESG(環境、社会、ガバナンス)に対する取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に資する経営に取り組んでおります。サステナビリティ宣言を採択し、当社が優先的に取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定のうえ、マテリアリティの各項目における「戦略」、「施策」、「目標」を設定し、サステナビリティ活動のための態勢や方針を明確化し、サステナビリティ推進委員会を中心に長期的なビジョンに立って全社的な取り組みを推進しています。

 

⑥ 優秀な人材の確保

当社では、エンジニア不足に対応するため、積極的に採用活動を行い新卒採用人数及びキャリア採用人数を増やし、多種多様な人材が活躍する環境を整えております。加えて、地方の優秀な人材の採用や現地のパートナーとの連携を通じてエンジニアを確保することを目的に開設した仙台と広島の地方事業所においても、順調に要員を拡大しております。また、2023年4月に子会社化した、北陸地方を地盤とする株式会社アートテクノロジー等との協業も進めており、シナジーが具現化しております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① DX・AI・ソリューション事業の拡大

当社グループでは、お客様固有の業務や課題を適確に理解したうえで、独自の付加価値のある新しい解を導き出すために、DXやAI分野に注力しております。同時に、医療・ヘルスケア、ヒューマンリソース、物流、株主優待サービス、RFID、セキュリティ等を含めた独自性のあるソリューション力を高めるべく努めております。これら当社グループにおけるDX・AI・ソリューション事業を拡大することで、ITによる社会イノベーションへの貢献を果たしてまいります。

 

② 人材開発

人材が当社グループの最大の財産という考えのもと、DX・AI・ソリューション事業への対応に不可欠な技術スキルの取得、プロジェクトマネジメント力の向上、その他より高度な技術スキルやビジネススキルの向上を目指しております。そのため、社内研修やインセンティブ制度等の諸制度の整備・充実を通じて、優秀で、かつ多様な人材が活躍し、さらには働きがいを感じることのできる場を積極的に提供してまいります。

 

③ サステナビリティ活動への取り組み強化

当社グループではサステナビリティ活動により、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。その中でもとりわけ、ESG(環境・社会・ガバナンス)への対応を強化していくことが大切であると認識しております。そのための社内の組織横断的な組織としてサステナビリティ推進委員会を設置し、同委員会では特定したマテリアリティ(重要課題)項目に沿って、「戦略」、「施策」、「目標」を協議する等、各種の取り組みに関わる企画立案や推進を行っております。

 

④ リスクマネジメントの強化

地震や台風、地球温暖化等の自然災害に伴うリスク、情報セキュリティや知的財産権に関するリスク、システム開発に伴うリスク、ハラスメントや労務管理、サプライチェーンに関するリスク等の様々なリスクの中から、リスク・マネジメント委員会は、当社全体で優先的に対処すべき重要なリスクを選定し、重点的にリスク管理を行っております。また、コンプライアンスリスク、情報セキュリティリスク等の重要なリスクにつきましては、リスク・マネジメント委員会の下に設けた各委員会による機動的な活動によりコンプライアンス、情報セキュリティの強化を図っております。

 

⑤ 健康経営への取り組み

当社は健康経営への取り組みが評価され、「健康経営銘柄2025」に選定されるとともに「健康経営優良法人2025(大規模法人部門・ホワイト500)」に認定されました。「健康経営銘柄」への選定は2年連続2度目、「健康経営優良法人(大規模法人部門・ホワイト500)」への認定は2年連続4度目となります。

当社では、社員が最大の財産であることを経営の基本方針としており、代表取締役を最高責任者、人事担当役員を施策の企画・実行のトップとし、人事部が関連部署・NSD健康保険組合と連携して健康経営を推進しております。

健診結果に応じたきめ細やかな面談等、病気の発生を未然に防ぐための取り組みに力を入れ、治療・育児・介護中も働きやすい社内制度の浸透に努めています。

加えて、自社開発アプリを活用し、ウォーキングイベントの実施や自宅でできる運動の動画・心身の健康に関する情報を配信し、社員の意識向上を図っています。

当社は今後も、社員一人ひとりの持つ力を最大限に発揮できるよう努めてまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

サステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

当社グループは、「人や社会に役立つソリューションの創造・提供を通じて、社会の健全な発展に積極的に貢献」することを経営理念に掲げ、企業活動を通じてサステナビリティ(持続可能な社会の実現)に貢献してまいりました。

当社では、サステナビリティに関する活動を推進するため、「サステナビリティ推進委員会」を設置しています。同委員会は、取締役会による監督のもと、代表取締役社長を委員長とし、コーポレートガバナンス、気候、資源・エネルギー管理、サプライチェーン、人的資本、健康管理、対外開示などを担当し当該領域に知見を有する部署の責任者で構成され、情報収集や推進活動を組織横断的に行うほか、サステナビリティ活動の企画から推進までの役割を担います。

当社は、サステナビリティ宣言を採択するとともに、ESGに関連する多岐にわたる課題の中から、当社グループの強みや業界特性を踏まえ、サステナビリティ推進委員会を中心にマテリアリティ(重要課題)の選出、および優先度の妥当性を議論し、取締役会で審議のうえ、マテリアリティを確定しました。マテリアリティの選出にあたっては、「ステークホルダーにとっての重要度」と「当社グループにとっての重要度」の二つの観点を踏まえて、社外の専門家のアドバイスも交えながら、そのプロセスを進めました。(マテリアリティの特定プロセスについては、当社HP https://www.nsd.co.jp/sustainability/materiality.htmlもご参照ください)

サステナビリティ推進委員会は、特定したマテリアリティ項目に沿って、当社グループのサステナビリティに関する取り組み方針の審議、取り組み状況のモニタリング、情報収集や役員・社員への啓発を主な役割としており、マテリアリティ上、特に優先度の高い項目を中心に対応を推進しております。同委員会で審議・検討された方針、決議事項や活動状況等は定期的に経営会議及び取締役会へ付議又は報告され、重要事項は取締役会が審議・決議するといった監督態勢を取っております。

 

(2) 戦略

社会のサステナビリティの実現に実効的に貢献していくためには、ESGに関連する多岐にわたる課題のなかから、当社グループの強みや業界特性を踏まえて取り組んでいくことが重要です。当社グループではシステム開発や先端技術、DX分野でのノウハウを発揮し、お客様が抱える環境課題を含む様々な社会課題をソリューションの創出・提供を通じて解決することで、社会のサステナビリティに貢献しています。

当社グループの抱える課題に対しては、環境面(E)では、気候変動・環境保全に係る課題解決に貢献するため、事業活動により発生するエネルギーの管理や廃棄物処理への対応等に取り組んでまいります。当社はデータセンター等の膨大なエネルギーを消費する施設は保有しておりませんので、オフィス電力を削減し温室効果ガスである二酸化炭素(以下、CO2)の排出量を削減すること等に注力しています。

社会面(S)では、当社の事業にとっての最も重要な資本は人材であるとの認識から、健康経営の推進をはじめ、人材開発の強化、社員の働きがいの向上等を図るほか、ビジネスパートナーとの公正な労働慣行の確保などを推進してまいります。加えて、DX時代に対応するIT企業として、情報セキュリティに対しても堅確に取り組み、お客様をはじめ社会の信頼に応えてまいります。

ガバナンス面(G)では、実効性のあるコーポレートガバナンスとコンプライアンスが企業経営において不可欠な存立基盤であると認識しています。これらの体制を着実に運営し、堅実かつ透明性の高い経営を実践するとともに、コンプライアンス意識の醸成・徹底に努め、持続的成長のための経営基盤を確固たるものにしてまいります。

 

当社が特に重要と考え注力する、人的資本に関する取り組みは次のとおりです。

(人的資本)

当社は、「社員が最大の財産であることを認識し、社員一人ひとりの持つ無限の可能性を信じ、健全で働きやすい環境を提供し、夢と誇りを持てる働きがいのある会社」にしていくことを経営の基本方針に掲げています。

これまでシステムの受託開発をメインとした事業を展開してきましたが、現在はそれに加えて、DX分野に関連した技術の研究開発を推進するとともに、若手社員を積極的に抜擢し、生成AIをはじめとする時代をリードする技術力を強化しています。2026年3月期までの中期経営計画では、DX・AI・ソリューション事業への一層の注力、実績の積み上げを重点項目の一つとして掲げています。例えば生成AIを活用した新たなソリューションの展開やビッグデータを用いたデータ解析など、これまでに幅広く、かつ深く密接な繋がりを築いてきた顧客基盤と、DX分野に関連した技術という新たな軸を掛け合わせ、多面的なアプローチで事業展開をしています。

 

こうした事業を支え経営戦略を実現し、人的資本経営を推進するためには、もっとも重要な資本は人材であると認識し、人的資本への積極的な投資を行っています。これまでの新卒採用を中心とした人材獲得に加え、事業目的に沿ったキャリア採用も積極的に進めながら、社員に対する適切で十分な能力開発機会提供としての教育・研修や、社員が最大限のパフォーマンスを発揮するための健康経営等の取り組みを推進しています。さらに、ベースアップを継続的に実施する等、優秀な人材の確保や従業員エンゲージメントに対する取り組みも行っています。こうして“NSD人材の力を最大化する”ことで、今後とも企業価値の向上を実現していきます。

 

① 人的資本投資とその効果

当社は、これまで多くのお客様から信頼をいただきながら成長を続けてきました。その成長を支えるのは、信頼にお応えする真面目な組織風土と、お客様の業務への深い理解を含む確かな技術力であり、それらを築き上げてきた、誠実で、熱意や強靭さを内に秘めた「人」です。

当社は、社員が最大の財産であり、一人ひとりの成長が、会社の長期的な発展や社会への貢献につながると考えています。この考えのもと、さらなる成長と競争力を強化する「攻めのNSD」として、人的資本経営の取り組みを進めています。「お客様から信頼される“NSD人材” の創造」と、「高いパフォーマンスを発揮できる環境」作りのため、下記の施策に年間約30億円の人的資本投資を行い、効果を生み出しています。

<お客様から信頼される“NSD人材” の創造>

(施策)

・戦略的な人材獲得:ポテンシャル人材の新卒採用、事業目的に沿った即戦力人材のキャリア採用

・NSDならではの人材育成:ITスキルの高度化と業務理解の深化、「NSDならでは」を体現する“真面目さ”の継承

(施策の効果)

・事業創造・推進に必要な人材の確保

・高い専門性を持つ技術者・PMの育成

・“NSD人材”としてのマインドの醸成

<高いパフォーマンスを発揮できる環境>

(施策)

・魅力的な職場環境に向けた整備:多様な人材が健康で活躍する環境、自律型人材が創造性を発揮する環境(下記②~④をご参照ください)

・組織の一体感醸成:部門を超えたコミュニケーションの活性化(創立記念式典、運動会、各種イベント)

(施策の効果)

・多様な人材が能力を発揮する職場

・エンゲージメントの高い組織

・イノベーションを後押しする企業文化

これらの施策効果を通して、長年のプロジェクト完遂実績に基づくお客様との信頼関係の基盤の上に、「継続的な受注」「若年層の着実な戦力化」「不採算案件の発生抑制」「社員の高いパフォーマンス発揮」等を実現しています。これらの成果のうち定量化できるものは、年間30億円を上回る収益効果に相当します。

こうした「人的資本投資の効果」を循環(再投資)させることで、永続的な組織の成長を目指しています。

 

②  人材開発

当社では経営理念に「常に最先端のIT技術を探求」することを掲げ、IT技術の進展により急速に多様化・高度化するお客様のニーズにお応えすべく社員が最先端の技術を習得できるよう多様な技術研修を実施しています。DX分野関連技術の研究部門の社員が講師を務めるなど、社内の技術展開の場にもなっています。

また、自律的な学びを推進するため、幅広い資格を対象として資格取得褒賞金を設定しており、対象資格や褒賞金額を随時見直しています。(<表2>No8、9)

こうしたITスキルの向上と合わせて、ヒューマンスキルを向上させるための研修も手厚く実施しており、入社3年目までを対象に社会人としての基本スキルを学ぶ研修を毎年実施しているほか、昇格時には自身のビジョンを考える研修、マネジメントに関する研修などを実施しています。

研修のカリキュラムは、技術と品質の専門部門と、ヒューマンスキルを扱う人事部門とで相互に補完しながら策定しています。

 

 

③  健康経営の推進

当社は健康経営への取り組みが評価され、2年連続「健康経営銘柄2025」に選定されるとともに「健康経営優良法人2025(大規模法人部門・ホワイト500)に認定されました。当社では、代表取締役を最高責任者、人事担当役員を施策の企画・実行のトップとし、人事部が、関連部署・NSD健康保険組合と連携して、健康経営を推進しております。

健診結果に応じたきめ細やかな面談等、罹患を未然に防ぐための取り組みに力を入れ、治療・育児・介護中も働きやすい社内制度の浸透に努めております。加えて、自社開発アプリを活用し、ウォーキングイベントの実施や自宅でできる運動の動画・心身の健康に関する情報の配信などを通じ、社員の意識向上を図っております。当社は今後も、社員一人ひとりの持つ力を最大限に発揮できるよう努めていきます。(<表2>No10、11、13~16)

 

④  育児・介護・治療と就業の両立支援

子育て中の社員が無理なく安心して働き続けられるよう、手厚い制度を整備しており、男性社員の育児休業取得率が向上しております。また、介護との両立のために休業や短時間勤務等の制度を整備するとともに、がんや心臓・脳疾患で治療中の社員に対しては産業医や保健師が面談を行い、治療と就業の両立をサポートしています。また、ワークライフバランスに関するトップメッセージの発信や啓発冊子の配布、説明会の実施等、制度を活用しやすい社内風土の醸成に積極的に努めています。(<表2>No1、2、6)

 

 ⑤  ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)

性別、性的指向、年齢、学歴、人種、民族、国籍、思想、信条、身体的・知的・精神的障がい等に関係なく、多様な人材が働きがいをもって活躍できる職場づくりを推進しています。女性活躍推進に全社を挙げて取り組んでいるほか、労働力の多様性、機会均等への取り組みとして、ワークライフバランスに関する制度面の拡充や、制度を活用しやすい社内風土の醸成にも積極的に努めています。また、差別のない職場づくりに向けて、D&I研修等の実施を通じて、社員の多様性を尊重し相互理解を推進しています。(<表2>No3~5)

 

 ⑥  社員の働きがい

上記①から⑤の取り組みを通じて、適切で十分な能力開発機会の提供や、働きやすい環境の整備に取り組むとともに、貢献に報いる公正な人事制度の運用により、社員の自己成長の促進と支援に取り組んでいます。(<表2>No7~9、12)

 

 

(気候変動関連)

当社グループは、「サステナビリティ宣言」に則り、持続可能な社会を実現していくため、気候変動問題への対応をはじめとした地球環境保全に計画的かつ継続的に取り組み、多様な業界にわたるお客様やビジネスパートナーと連携しながら、豊かでより良い地球環境の実現を目指しています。

当社はソフトウェア開発事業を主業としており、膨大なエネルギーを消費するデータセンター等の施設を保有していないため、気候変動問題に大きく関係する「CO2」の直接的な排出量としては、他業種と比べ相対的に僅少ではありますが、地球規模で進行する同問題への対応は重要課題のひとつであると認識しています。

上記を踏まえ、当社グループの事業に影響を及ぼすと予想される気候変動に関連する「リスク」と「機会」について、TCFD提言のフレームワークに基づいて、次の<表1>に整理しました。

 

<表1>気候変動に関連する「リスク」と「機会」および財務への影響

種類

予想される財務への影響

移行リスク

• 気候変動に起因する取引先の業界再編や衰退、これに伴う当社の取引先数の減少

• 取引先からの気候変動への取り組みの要請に当社が対応できず、これに伴う当社の受注量の減少

• 当社の気候変動対策に伴う必要な経費支出(例:カーボンオフセット費用)の増加

• 取引先からの気候変動に関連する新たな技術・製品開発の要請、これに伴う当社の研究開発費や設備投資の増加

• 気候変動対策を起因とする新たな環境税(例:炭素税)の導入、これに伴う当社の税負担の増加

• 株主からの気候変動に関する情報開示の要請に当社が対応できず、これに伴う当社の株価の下落

物理リスク

• 平均気温の上昇など異常気象の発生による当社の役員・社員の健康面への悪影響、これに伴う生産性の低下

• 台風や洪水などの極端な気象事象の多発、これに伴う当社の事業運営の不安定化

機会

• 異常気象の激甚化に備えた取引先のBCP関連のシステム化ニーズの高まり、これに伴う当社のビジネス拡大

• 社会における健康への関心の高まり、これに伴う当社の医療・ヘルスケア領域のビジネス拡大

• 当社が積極的に気候変動に関する情報の開示を行うことによる各ステークホルダー(例:取引先・株主など)からの評価向上、これに伴う当社の取引拡大や株価上昇

 

 

(3) リスク管理

当社では、グループの事業に影響を及ぼすと予想される気候変動に関連するリスクと機会を特定し、それらも踏まえ、ESG(環境・社会・ガバナンス)の各項目について、サステナビリティ活動に関する指標と目標を設定しております。その取り組みの推進はコーポレートガバナンス、気候、資源・エネルギー管理、サプライチェーン、人的資本、健康管理、対外開示などを担当する各担当部署で執り行っており、活動状況をサステナビリティ推進委員会に報告し、モニタリングを実施し評価しており、その結果を定期的に当社の取締役会に報告しております。

当社の全社的なリスクはリスク・マネジメント委員会で統括・管理しています。同委員会では、毎年度、サステナビリティ関連のリスクも含む各リスク項目に沿って個別リスクを洗い出し、個別リスクから有効なリスク管理を実行した後に残る残存リスクを、顕在化した時の大きさ(影響度)と顕在化する可能性(発生頻度)により評価しております。その評価結果より、全社的に優先的に対応すべきリスクを重点リスク項目とし、1年間リスク・マネジメント委員会で管理する体制を採っています。

また、当社の事業に影響を及ぼすと予想される気候変動に関連する「リスク」と「機会」については、TCFD提言のフレームワークに基づいて整理しております。(当社HP https://www.nsd.co.jp/sustainability/tcfd.htmlもご参照ください)

 

(4) 指標及び目標

当社では、上記「(2) 戦略」において記載した「人的資本」、「気候変動関連」の指標及び目標を設定しております。

 

① 人的資本

人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次の<表2>のとおりであります。

 

<表2>人的資本の指標、2024年度実績及び目標

No

指標

2024年度実績

目標

1

時間外労働時間

16.9時間

20.0時間未満を継続

2

有給休暇取得率

72.3

75%以上

3

女性新入社員比率

49.7

50%以上

4

女性社員比率

22.8

2030年度30%以上

5

女性管理職比率 (注1)

11.6

2030年度20%以上

6

男性社員の育児休業取得率 (注2)

66.7

2030年度80%以上

7

平均勤続年数

15.3

(実績開示)

8

情報処理関連の有資格者数 (注3)

5,095

(実績開示)

9

技術研修の受講者数

1,925

(実績開示)

 

社員のパフォーマンス指標

 

 

10

 

アブセンティーイズム

傷病による欠勤、    休職日数の全社員平均(注4)

2.2

1.8

11

プレゼンティーイズム

Wfun (Work Functioning Impairment Scale)に よる判定 (注5)

B判定

A判定

12

ワークエンゲイジメント

仕事に対して意欲的かつ仕事に誇りを感じている度合を示す指標の全回答平均 (注6)

2.3

2.4

13

ストレスチェック受検率

95.6

(実績開示)

14

高ストレス者率 (注7)

14.4

(実績開示)

15

健康ポイント制度の利用者数 (注8)

2,464

(実績開示)

16

健康ポイント制度参加者の平均歩数

7,071

(実績開示)

 

(注1) 管理職とは、部下を持つ職務以上の者、部下を持たなくてもそれと同等の地位にある者を指します。

(注2) 4月から翌年3月までに子女が誕生した男性社員数のうち、同期間中に育児休業を取得した男性社員数の割合を記載しています。

(注3) 複数資格を有する場合は、資格毎に1名としてカウントしています。なお、情報処理関連の有資格者数の内訳は当社HP (https://www.nsd.co.jp/sustainability/goals.html)をご参照ください。

(注4) 全社員が入力する勤怠システムからデータを抽出して集計しています。

(注5) 産業医科大学で開発された、健康問題による労働機能障害の程度を測定するための調査票です。

(注6) 全社員に対し実施したストレスチェックの項番79「仕事をしていると活力がみなぎるように感じる」、項番80「自分の仕事に誇りを感じる」の設問を使用しています。得点は4点満点で、得点が高いほどワークエンゲイジメントが高い状態を指します。

(注7)高ストレス者とは、厚生労働省の定める「ストレスチェック制度」に基づいて実施する「ストレスチェック」の結果、本人に自覚症状があり、かつ「仕事のストレス要因」が大きく、「周囲のサポート」を受けられていない状況にある者を指します。

(注8) 健康ポイント制度とは、社員の健康リテラシーを向上させることを目的に当社で導入している制度です。

健康アプリへのバイタルデータの登録や健康増進イベントへの参加等により、健康関連グッズ等に交換できるポイントを付与しています。

 

当社グループに占める子会社の現在の規模や影響度に照らし、目標及び実績は提出会社を対象としております。今後、グループにおいて占める度合いの変化等の状況や、必要に応じて国内の重要子会社も対象としていく予定です。また、重点的に対応する指標について目標を設定しております。現在実績のみ開示している指標は、今後目標設定が有効と判断される場合に設定していく予定です。

 

 気候変動関連

当社グループでは、世界規模で深刻化する気候変動の問題に対処するため、気候変動・エネルギー管理を当社のマテリアリティ(重要課題)の一つとして位置付けており、CO2の排出量の削減に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次の<表3>のとおりであります。

 

<表3>気候変動関連の指標、2024年度実績及び目標

No

指標

2024年度実績

目標

1

CO2排出量(Scope1・2合算) (注1)

1,806t-CO2

(基準年△24.9%)

2030年度:基準年(2020年度)比 42%削減

2044年度:ネットゼロ達成

2

CO2排出量(Scope3) (注1)

50,524t-CO2

(実績開示)

3

印刷用紙の利用枚数

61万枚

(基準年△32.2%)

2030年度:基準年(2020年度)比 45%削減

 

(注1) 2024年度実績は速報値となります。外部審査機関による第三者保証取得後、当社ホームページ上に確定値を掲載いたします。

 

CO2排出量は、提出会社、国内及び海外子会社を対象としております。また、印刷用紙の利用枚数は、提出会社を対象としております。今後、必要に応じて国内の重要子会社も対象としていく予定です。

また、重点的に対応する指標について目標を設定しております。現在実績のみ開示している指標は、今後目標設定が有効と判断される場合に設定していく予定です。

なお、当社のCO2排出量詳細及び算定に際し選択した基準等については<表4>で示すとおりです。

 

<表4>CO2排出量詳細及び算定に際し選択した基準等

2024年度CO2排出量

 

Scope1:491t-CO2

Scope2(マーケット基準)1,315t-CO2

Scope2(ロケーション基準)1,638t-CO2

Scope3:50,524t-CO2

CO2 排出量の測定方法

活動量×排出原単位

<主な活動量>

電力・燃料等の使用量、支出金額、従業員数等

<主な排出原単位>

・サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための

排出原単位データベース

・算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧

・電気事業者別排出係数一覧

集計範囲

当社グループ全社

期間

2024年度実績(2024/4/1~2025/3/31)

選択した基準

当社では、環境施策が排出量削減に寄与できているかを明確化するため、

マーケット基準を採用しています。

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。

なお、当社では、全社的リスクに適切に対応するため、取締役会の下にリスク・マネジメント委員会を設置しております。同委員会で個別リスクを年1回洗い出し、顕在化したときの大きさ(影響度)及び顕在化する可能性(発生頻度)から評価し、取締役会で、当社全体で優先的に対応すべきリスクを重点リスク項目として選定し、それらへの対応方針及び対応策を決定しております。

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

また、下記のリスク項目は影響の程度が高いと判断した項目であり、当社グループに係る全てのリスクを網羅・列挙したものではありません。

 

(1) 事業全般におけるリスク

当社グループの事業全般におけるリスクにつきましては、社会・経済情勢の変化、IT技術の変革、システム投資動向、海外企業を含む業界他社との競合状況、お客様の信用状況、大型案件成約の成否、個別プロジェクトの進捗状況や採算性、協力会社とのアライアンス状況などにより、当社グループの業績が変動する可能性があります。

そのリスクに対しましては、プロジェクト管理を含むリスクマネジメントを徹底しております。

 

(2) DXやAI分野への対応の遅れによるリスク

DXやAI分野への対応の遅れから生じる受注機会の逸失などにより、当社グループの業績が変動する可能性があります。

そのリスクに対し、「イノベーション戦略事業本部」と「NSD‐DXテクノロジー株式会社」を中心に、DX分野に関連した技術・ノウハウの蓄積及び研究開発、優秀な人材の確保・育成、経営資源の有効で効率的な活用を進め、AIガバナンスに則った責任ある技術の提供を行ってまいります。

 

(3) 人材の確保・育成に関するリスク

当社グループが安定的に事業を運営し、かつ持続的に成長を遂げていくには、優秀な社員の採用・育成、ならびに協力会社からの適時適切な人材の提供が必要です。これらの人材確保が想定どおりに進まない場合、生産性低下やコスト増大等、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

当社グループでは、多様な人材が活躍できるよう、人事制度や職場環境等の整備、適正な労働時間の管理や健康保持・増進のための取り組み等を行い人材確保に努めるとともに、資格取得支援や研修制度等の充実を図ることで人材育成に注力しております。また、協力会社とはコミュニケーションを十分にとりつつ、友好な関係構築に努めております。

 

(4) 情報セキュリティ及び知的財産権に関するリスク

当社グループの主力事業である情報サービス事業は、業務の性質上、お客様からお預かりした個人情報や機密情報など、お客様の重要な情報に接することになり、情報資産の流失や、外部からのウィルスなどの侵入、知的財産権の侵害などが発生した場合、社会的信用の失墜や訴訟提起、損害賠償などの事態を招く可能性があります。

そのリスクに対しましては、情報セキュリティ委員会、コンプライアンス委員会などの各委員会による指導や教育の実施ならびに全社的な取り組みの推進、外部への情報流出や外部からの不正侵入を防ぐセキュリティ対策などを徹底しております。

 

(5) 自然災害・感染症等の発生に伴うリスク

巨大地震や大型台風などの自然災害の発生により、当社グループの主要な事業所などが壊滅的な損害を被った場合や従業員の多くが被害を受けた場合は、その修復又は対応のために巨額な費用を要するなど当社グループの業績に影響を与える可能性があります。そのリスクに対しましては、それらが発生した場合や発生するおそれが生じた場合に備え、安否確認訓練等の実施や事業継続計画書の改善に取り組んでおります。

新型コロナウイルス感染症を含め、今後も世界規模の感染症等が発生する可能性があります。そのリスクに対しましては、日頃から事業継続計画の改善を進めるとともに、感染防止のための対策基準の運用の徹底、テレワーク、柔軟な働き方(オフピーク通勤やサテライトオフィス等)、各種感染症予防策の導入・改善で対応しております。

また、こうした取り組みは、自然災害や感染症等に限らず、今後も進展する働き方の多様化にも有効であるものと認識しております。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1) 経営成績

[環境認識]

当期における我が国経済につきましては、引き続き好調な企業業績を背景とした設備投資の増加や、労働力の確保等に向けた雇用・所得環境の改善もあり、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米国の経済政策による影響や中国の景気停滞等、我が国の景気を下押しするリスクがあり、今後の動向には引き続き留意が必要です。

このようななか、当社グループが属する情報サービス産業につきましては、堅調な企業業績を支えに、引き続きDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けたIT投資が進むとともに、基幹システムの刷新ニーズ等もあり、受注環境は良好に推移しました。

 

[当期の取り組み]

当社グループは、5ヵ年の中期経営計画において、2026年3月期までに連結売上高1,000億円を超える企業グループを目標に掲げ、DX領域への対応強化やM&Aを活用した業績拡大を進めた結果、2024年3月期において2年前倒しで当該目標を達成することができました。残る2ヵ年においても中期経営計画に掲げた施策を着実に実行し、一層、業績を拡大すべく、当期においてもさまざまな取り組みを進めてきました。

システム開発事業につきましては、社会的ニーズの強い新技術やDX関連のシステム開発を成長ドライバーとし、加えて、上流工程におけるコンサルティング力の強化により、システム開発事業の持続的な拡大を進めています。

ソリューション事業につきましては、第2の収益の柱とするため、市場ニーズを捉えた新たなソリューションの創出と販売力の強化に取り組んでいます。

以上の施策の下、2024年4月にイノベーション戦略事業本部を設置し、商品・サービスの企画から開発、販売までを一気通貫で行うことでソリューションの創出力等を強化しています。同7月には、コンサルティング事業本部を設置するとともに、2022年10月に子会社化したTrigger株式会社を吸収合併し、上流工程におけるコンサルティング力を強化しています。また、2025年1月に総合IT開発事業本部を新設し、事業横断的な情報や知見の共有を通じて、より柔軟かつ機動的に顧客ニーズに対応しています。

一方で、株式会社日立製作所とDX及び生成AI分野における協業等について、2024年12月に業務提携に関する基本合意を行いました。これにより技術水準の向上に向けた協働や海外リソースの活用等も視野に、より付加価値のあるサービスやソリューションの提供を行っていきます。

また、当社の開発実績を活かした社会課題解決への取り組みとして、水道事業体が対応を進めている「次世代水道事業DX」に関して課題抽出・対策検討等を実施しており、2024年3月の仙台市水道局に続き、2025年3月には松本市上下水道局とDX推進に関する連携協定を締結しました。当該取り組みを今後も積極的に推進し、水道ライフラインの安全・安定的な運営をITの側面から支援していきます。

 

 

[当期の実績]

当期の実績につきましては、受注環境が良好に推移したことから、以下のとおりとなりました。

単位:百万円

 

2024年3月期

2025年3月期

 

前期比

 

システム開発事業

86,721

92,392

5,671

6.5%

 

ソリューション事業

14,542

15,398

856

5.9%

売上高

101,263

107,791

6,528

6.4%

 

うち DAS事業

44,209

49,702

5,492

12.4%

営業利益

15,180

16,849

1,669

11.0%

経常利益

15,340

17,038

1,697

11.1%

親会社株主に帰属する当期純利益

10,262

11,795

1,532

14.9%

 

 

EBITDA

17,751

19,472

1,721

9.7%

EBITDAマージン

17.5%

18.1%

0.5ポイント

 

  DAS事業とは、当社グループの注力事業で、DXを目的としたシステム開発事業、AI等の新技術を活用したシステム開発事業、及びソリューション事業をいいます(従来、新コア事業と定義していたもので、DASはDX・AI・Solutionの頭文字です)。

  EBITDAは「営業利益+減価償却費+のれん償却額」により算出しています。

 

売上高につきましては、システム開発事業で、社会基盤ITの受注が大きく伸長したことに加え、金融IT・産業ITの受注も堅調に推移した結果、前期比6.4%増収の107,791百万円となりました。このうち注力分野であるDAS事業につきましては、クラウドを利用したDX関連のシステム開発事業が大きく伸長し、前期比12.4%増収の49,702百万円となりました。

営業利益は、ベースアップや研究開発費に加え、創立55周年関連の一時的な費用が発生しましたが、これらを吸収し、前期比11.0%増益の16,849百万円となりました。

以上の結果、経常利益は前期比11.1%増益の17,038百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比14.9%増益の11,795百万円となりました。

 

中期経営計画(2023年5月に上方修正)については、前述のとおり2年前倒しで最終年度の目標を達成しました。また、当期の収益性指標については、営業利益率は目標14.6%に対して15.6%、EBITDAマージンは目標17.2%に対して18.1%、ROEは目標15.9%に対して18.2%となり、いずれも目標を上回る実績となりました。

 

[セグメント別の実績]

セグメント別の実績は以下のとおりとなりました。

 

(セグメント別売上高)                                  単位:百万円

 

2024年3月期

2025年3月期

 

前期比

システム

開発事業

金融IT

30,921

32,487

1,565

5.1%

産業IT

23,939

25,635

1,696

7.1%

社会基盤IT

20,306

22,441

2,135

10.5%

ITインフラ

11,870

12,403

533

4.5%

ソリューション事業

14,555

15,411

855

5.9%

調整額

△330

△588

△257

合   計

101,263

107,791

6,528

6.4%

 

 

(セグメント別営業利益)                                 単位:百万円

 

2024年3月期

2025年3月期

 

前期比

システム

開発事業

金融IT

5,739

6,326

586

10.2%

産業IT

2,931

3,746

815

27.8%

社会基盤IT

3,963

4,552

588

14.8%

ITインフラ

2,055

2,167

111

5.4%

ソリューション事業

870

772

△98

調整額

△380

△715

△334

合   計

15,180

16,849

1,669

11.0%

 

  セグメント間の内部取引を含んだ計数を記載しています。

  調整額とは、セグメント間取引消去額及び全社費用(セグメントに帰属しない一般管理費等)をいいます。

 

<システム開発事業(金融IT)>

金融向けソフトウエア開発事業につきましては、基幹システムの更改案件をはじめ既存案件の拡大により大手銀行を中心に堅調に伸長したほか、地方銀行や証券会社からの受注も伸長したこと等から、売上高は前期比5.1%増収の32,487百万円となり、営業利益は10.2%増益の6,326百万円となりました。

 

<システム開発事業(産業IT)>

産業向けソフトウエア開発事業につきましては、物流等の運輸業や製造業を中心に受注が順調に推移したことにより、売上高は前期比7.1%増収の25,635百万円となりました。営業利益は利益率改善等もあり27.8%増益の3,746百万円となりました。

 

<システム開発事業(社会基盤IT)>

社会基盤向けソフトウエア開発事業につきましては、既存案件の拡大等により公共団体からの受注が大きく伸長したほか、通信業や電気・ガス・水道業からの受注も堅調に推移したことから、売上高は前期比10.5%増収の22,441百万円となり、営業利益は14.8%増益の4,552百万円となりました。

 

<システム開発事業(ITインフラ)>

ITインフラ事業につきましては、銀行等の金融業や公共団体からのインフラ構築案件等の受注が引き続き堅調に推移したことにより、売上高は前期比4.5%増収の12,403百万円となり、営業利益は5.4%増益の2,167百万円となりました。

 

<ソリューション事業>

ソリューション事業につきましては、セキュリティ製品やRFID関連ソリューション、株主優待サービス等の受注が拡大したことにより、売上高は、前期比5.9%増収の15,411百万円となりました。一方で、営業利益は一部ソリューションの利益率低下等により98百万円減益の772百万円となりました。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

前連結会計年度比

システム

開発事業

金融IT

32,487

百万円

5.2

産業IT

25,182

百万円

6.3

社会基盤IT

22,398

百万円

10.3

ITインフラ

12,324

百万円

4.1

ソリューション事業

15,398

百万円

5.9

合計

107,791

百万円

6.4

 

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

受注高

 

受注残高

 

前連結

会計年度比

前連結

会計年度比

システム

開発事業

金融IT

33,065

百万円

6.0

10,669

百万円

5.7

産業IT

26,802

百万円

15.8

5,496

百万円

41.8

社会基盤IT

23,198

百万円

11.2

6,072

百万円

15.2

ITインフラ

12,518

百万円

4.0

2,856

百万円

7.3

ソリューション事業

15,882

百万円

9.0

2,862

百万円

20.3

合計

111,467

百万円

9.5

27,956

百万円

15.1

 

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

前連結会計年度比

システム

開発事業

金融IT

32,487

百万円

5.1

産業IT

25,635

百万円

7.1

社会基盤IT

22,441

百万円

10.5

ITインフラ

12,403

百万円

4.5

ソリューション事業

15,411

百万円

5.9

調整額

△588

百万円

 

合計

107,791

百万円

6.4

 

(注) 調整額とは、セグメント間取引消去額及び全社費用(セグメントに帰属しない一般管理費等)です。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加3,377百万円、有価証券の増加800百万円、退職給付に係る資産の増加590百万円及び、のれんの減少802百万円などから前連結会計年度末比4,079百万円増加し、90,485百万円となりました。

負債は、買掛金の増加781百万円、未払法人税等の増加1,213百万円及び、短期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の減少1,056百万円、長期借入金の減少305百万円、その他流動負債の減少712百万円などから前連結会計年度末比139百万円減少し、22,233百万円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益による増加11,795百万円、配当金支払いによる減少5,535百万円、自己株式の取得による減少(単元未満株式買取請求分含む)1,701百万円、自己株式の処分による増加247百万円などから前連結会計年度末比4,219百万円増加し、68,252百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

① キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、29,903百万円となり、前連結会計年度末比2,915百万円の増加となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益17,080百万円による資金の増加、法人税等の支払額4,353百万円による資金の減少を主因に、12,298百万円の資金の増加となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の償還による収入2,200百万円、有形固定資産の取得による支出589百万円、定期預金の預入による支出454百万円を主因に、904百万円の資金の増加となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額5,535百万円、自己株式の取得による支出(単元未満株式買取請求分含む)1,701百万円を主因に、10,272百万円の資金の減少となりました。

 

② 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要は、主に従業員への給与や賞与等の人件費、協力会社への外注費、事務所の賃借料等があります。投資資金需要については、先端技術の調査及び研究開発、自社独自サービス及びソフトウェアの開発、M&A資金等があります。

これらの資金需要に対しては、内部資金及び営業キャッシュ・フローでまかなうことを基本としております。また、M&A等で一時的に巨額の資金需要が発生する場合には財務健全性や調達コストを勘案しつつ、内部資金以外の金融機関からの借入等も含め、柔軟に資金調達を行います。

 

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

・収益認識における原価総額の見積り

請負契約による取引については、開発作業の進捗に伴って顧客に成果が移転し、一定の期間にわたり履行義務を充足することから、その進捗度に応じて収益を認識しております。期末日における見積原価総額に対する実際発生原価の割合に基づくインプット法を使用して進捗度を合理的に測定し、収益を認識しております。

進捗度に応じた収益の認識においては、プロジェクト毎に合理的かつ信頼性の高い総原価の見積りを行うとともに、適宜適切に、経営環境の変化及びプロジェクトの実態に即した総原価の見直しを行うことで進捗率及び売上高の精度を確保しております。また、見積り時点では予見できないような経営環境の大幅な変化が発生し、見積りが変更になった場合には、当連結会計年度においてその影響額を損益として認識することになります。

 

なお、連結財務諸表の作成において適用する会計基準等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(重要な会計上の見積り)及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項」の(重要な会計上の見積り)に記載しております。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、最先端の技術を常に探求するとともに、新しいビジネスを展開するための新製品を開発することを主目的として推進してまいりました。

当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は501百万円で、全社(共通)に係るものです。

 

・全社(共通)

販売目的製品の研究開発

販売目的として以下の研究開発を行いました。

(1)オンプレミス環境下での生成AIのニーズ検証とソリューション化の研究開発

(2)発話等音声データ資産化、データ活用促進ソリューションの研究開発

(3)大規模飲食チェーン店等販売強化ソリューションの研究開発

(4)製造・物流向けデジタル化促進ソリューションの研究開発

(5)医療インシデント管理システムへのAI分析機能の実装

(6)健康経営推進プラットフォームの利用者増加に向けた機能、性能強化

(7)「次世代水道事業DX」に関する課題抽出・対策検討

(8)政策動向(医療DX等)に関する研究開発

(9)次世代歯科予約システム等、製品機能強化に関する研究開発

 

など、成長分野への技術開発を行いました。