当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
森六グループは、未来を先取りする創造力と優れた技術で高い価値を共創し、時を越えて、グローバル社会に貢献します。
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・行 動 指 針 |
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(法令遵守) |
国内外の法令を遵守し、公平で公正な企業活動を通じ、信頼される企業グループをめざします。 |
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(人間尊重) |
社員一人ひとりが自主性、創造性を発揮し、一緒に働く仲間の人格や個性を尊重します。 |
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(顧客満足) |
お客様に満足いただける、価値ある情報、質の高いサービス、優れた製品を提供します。 |
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(社会貢献) |
地球環境に配慮し、地域に根ざした企業活動を通し、「良き企業市民」として社会に貢献します。 |
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・大切にする価値観 |
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(進取の精神) |
時代を先取りし、継続的に企業価値向上に努めます。 |
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(同心協力) |
チームワークを尊重し、理想を追求する企業グループをめざします。 |
(2)経営戦略等
創業362年を迎えた当社グループは、時代とともに変化する課題に応え続けていくため、長期的な視点での企業の在り方を再定義し、2035年長期ビジョンを策定しました。当社グループは「ものづくりの技と化学の力で、社会に価値あるソリューションを提供する」ことをミッションとし、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
・2035年長期ビジョン/Our Mission
CREATE THE NEW VALUE
ものづくりの技と化学の力で、社会に価値あるソリューションを提供する
2035年ビジョンの実現に向けた中間ステップとして、2026年3月期よりスタートした第14次中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)を「戦略実行フェーズ」と位置づけ、変化に敏捷かつ柔軟に対応するアジリティ経営を通じて、組織の適応力と競争力を高めます。また、強固な事業基盤のもと、成長が見込まれる分野への重点投資と事業構造の高度化を推進するとともに、事業戦略とコーポレート機能戦略を一体的に展開してまいります。
第14次中期経営計画の概要につきましては、以下のとおりであります。
・基本方針
アジリティ経営で未来を拓く-柔軟性と利益追求で成長を加速する-
・基本戦略
Ⅰ.主力事業の更なる利益追求
Ⅱ.将来の製品化に向けた開発の推進
Ⅲ.事業シナジーによる新たな価値創造
Ⅳ.事業基盤の更なる強化
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは主な経営指標として、企業の事業活動の成果を示す営業利益に注視し、収益性判断の指標に営業利益率を掲げているほか、資本および資産の効率性判断の指標にROE(自己資本利益率)、財務の安定性判断の指標に自己資本比率を掲げております。
また、プライム上場企業としてのマネジメント機能向上に注力し、グループ連携によってサステナビリティ経営を深化させるため、サステナビリティに関する指標を導入しています。具体的には環境に配慮した事業活動の視点においてGHG排出量の削減、多様な人材の確保と育成の視点において社員エンゲージメントの向上、女性管理職の増加を目指しております。
第14次中期経営計画においては、最終年度である2028年3月期の目標値を営業利益伸長率110%以上(2026年3月期実績比)、ROE(自己資本利益率)6%以上、GHG排出量を2019年度比45%削減、社員エンゲージメントは2024年3月期実施の社員意識調査での肯定回答率より5ポイント上昇に設定しております。
(4)経営環境
当連結会計年度における世界経済は、中国の成長鈍化が続く一方、日本や米国では持ち直しの動きが見られたものの、金利や物価の影響を受け、先行きは依然として不透明な状況が続きました。
当社グループの主な事業領域である自動車業界では、為替が円安基調で推移する中、日本や北米では車種や地域により、堅調に推移しました。一方、中国ではEV化の加速や現地メーカーとの競合により、日系自動車メーカーの販売低迷が続き、アジア全体でも経済・政治情勢の影響から販売が落ち込むなど、厳しい事業環境が継続しました。また、原材料やエネルギー価格の高止まり、人件費の上昇も引き続きコスト負担となりました。
化学品業界では、ナフサ価格が一時高水準で推移したものの、中国の需要減退などにより、市況は全体として弱含みに推移しました。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当面は、原材料価格の高騰や為替変動等による市況影響の最小化に注力するとともに、主要顧客の生産計画に合わせた合理的な稼働体制を確保いたします。さらに次世代自動車の安全性、快適性、環境性能の向上に繋がる技術、製品、材料開発をグループ横断で追求し、グローバルで持続的な成長に向けた新たな市場獲得を進めることで、強固な経営基盤を構築してまいります。
当社グループは、柔軟性と利益追求を両立する“アジリティ経営”のもと、第14次中期経営計画において、以下の課題に重点的に取り組んでまいります。
・主力事業の更なる利益追求
グローバル市場拡大、新規顧客獲得および製品・商材ポートフォリオの確立により、収益力の強化を図ってまいります。あわせて、生産技術開発と高効率生産による環境負荷低減と利益最大化の両立を目指します。
・将来の製品化に向けた開発の推進
「ものづくり」の強化を軸とし、独自性・付加価値の高い製品開発を推進するとともに、マーケティングやオープンイノベーションを活用し、将来に向けた差別化技術の具現化を図ってまいります。
・事業シナジーによる新たな価値創造
樹脂加工製品事業とケミカル事業の知見と資源を結集し、事業戦略の加速を目指します。
・事業基盤の更なる強化
コーポレート機能戦略と事業戦略の融合、多様な人材の採用・育成を通じた人材力の最大化を進め、グローバルな競争環境において強固な経営基盤の構築を目指してまいります。
・事業戦略とサステナビリティ経営の統合
事業戦略とサステナビリティ経営を統合し、社会的価値と経済的価値の両立を目指します。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在ならびに有価証券報告書提出日時点において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全体に関する考え方及び取り組み
当社グループは、1663年の創業以来、長年にわたりお客様やお取引先様との信頼関係を礎に、社会課題の解決に貢献する事業活動を展開してまいりました。360年以上の歴史の中で、常に時代の変化を先取りしながら、事業ポートフォリオの見直しと進化を重ねてきました。現在は、樹脂成形部品の製造を担うメーカー機能と、幅広い領域をカバーする化学品商社機能を併せ持ち、世界各地のお客様の多様なニーズに応える、付加価値の高い事業活動を行っています。
グローバルな社会課題への対応に向けて、中長期的な目指す姿を明確にするとともに、国際社会やステークホルダーからの要請、事業環境の変化を踏まえてサステナビリティ重要課題を特定しています。これらを基軸に、事業活動を通じて社会課題の解決と企業価値の向上を図るサステナビリティ経営を推進しています。
当社グループは、2035年ビジョン「CREATE THE NEW VALUE」の実現に向けて、持続的な成長と価値創造を目指しています。その中間ステップである2026年3月期を初年度とした第14次中期経営計画では、基本方針を「アジリティ経営で未来を拓く」とし、変化の激しい経営環境に柔軟かつ迅速に対応する体制の構築を進めています。第14次中期経営計画では、戦略のひとつに「事業基盤のさらなる強化戦略」を掲げ、サステナビリティの視点を事業戦略に組み込み、サステナビリティ経営の実行と深化に取り組んでいきます。
①ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティ経営を推進する体制として、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。
取締役会は、中長期的な企業価値向上に向けて、サステナビリティに関する方針や重要課題、目標の設定およびその進捗状況をモニタリング・監督しています。
サステナビリティ委員会は、国際社会やステークホルダーからの要請、事業環境の変化を踏まえた課題について審議し、その内容を取締役会に報告、取締役会の監督のもと、グループ全体でサステナビリティ経営を推進しています。
<森六グループ サステナビリティ推進体制>
※上記推進体制は、第14次中期経営計画に基づくものです。
<サステナビリティ委員会>
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役割 |
重点議論テーマ(2024年度) |
構成 |
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サステナビリティと事業戦略との統合に向けて、コーポレート部門、事業部門・グループ会社連携によるサステナビリティ重要課題の議論・進捗管理および取締役会への報告 |
・気候変動 ・サプライチエーンマネジメント ・人権の尊重(人権DD) ・ESG動向 ・徳島での森林づくり ・マテリアリティの進捗管理 等 |
委員長 :代表取締役社長 副委員長:サステナビリティ担当役員 委員 :当社全役員(社外役員除く)、経営企画部長、人事部長、経理部長、法務知財部長、コーポレートコミュニケーション室長 事務局 :サステナビリティ推進部 |
②戦略
当社グループは、「森六グループ経営理念」のもと、「進取の精神」と「同心協力」の価値観を共有し、「法令遵守」「人間尊重」「顧客満足」「社会貢献」を重視しながら、360年以上にわたり事業活動を展開してきました。こうした理念を土台として、2035年ビジョン「CREATE THE NEW VALUE」の実現に向け、持続的な成長の指針となる「森六グループ サステナビリティ方針」を策定しています。
当社グループは、サステナビリティと事業戦略を一体的に推進し、社会的価値・経済的価値を共に創出することを目指しており、その実現に向けて中期経営計画とサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)を連動させています。第14次中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)においては、事業戦略の進展や社会的要請の変化を踏まえ、マテリアリティの再評価および見直しを実施しました。これにより、より強固な事業基盤の構築を図っています。
<理念・価値観・指針とサステナビリティの関係性>
<森六グループ サステナビリティ方針>
私たちは、経営理念に基づき、新たな時代に必要とされる価値をステークホルダーと共創し、社会の持続的成長に貢献します。
1.グループの機能・リソースを最大限に活用し、従来のビジネス領域を越えた社会課題解決に挑戦します。
2.カーボンニュートラルおよび資源の循環利用に貢献する革新的なものづくりで、持続可能なモビリティ社会を目指します。
3.サプライチェーン全体を通してグリーンケミカルを提供し、エコロジカルな循環型社会の実現に貢献します。
4.人権の尊重を基盤にすべての従業員の幸福を追求し、多様な人材が働きがいをもって活躍する組織から、新たな価値を生み出し続けます。
5.ステークホルダーとの対話を通じて社会の期待・要請を理解し、透明性が高く誠実な企業活動によって相互の信頼を育みます。
<サステナビリティ重要課題(第13次中期経営計画)>
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サステナビリティ重要課題 |
実施事項 |
主な実績 |
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1.社会課題解決型製品・ソリューションの開発・販売 |
・環境配慮型材料開発 ・低環境負荷型部品開発 ・スタートアップ企業への出資 |
・石油由来材とその物性を強化する添加物(タルク等)の代替材として卵殻を使用した材料開発 ・同上 ・バイオものづくり事業参入を目指しdigzymeへの出資 |
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2.働きがいのある職場づくり |
・エンゲージメント向上活動 ・パルスサーベイ定点調査 ・技能継承活動 |
・エンゲージメント向上事例のヒアリングおよび社内発信による浸透 ・短時間勤務制度見直しによる環境改善 ・鈴鹿工場/関東工場 技能大会実施 |
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3.気候変動問題への対応 |
・CO2排出量削減活動 ・再生可能エネルギー導入 ・環境保全(森林づくり)活動着手 |
・厨房の電化、コージェネシステム導入 ・太陽光発電(自家発電/PPA)、CO2フリー電力 ・とくしま協働の森づくり事業参画 |
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4.資源の循環利用 |
・マテリアルリサイクル ・水資源の循環利用 ・エネルギーの循環利用 |
・再生材の使用 ・塗料カス自動収集による水資源の有効利用 ・コージェネシステム導入 |
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5.CSRマネジメントの確立 |
・サステナビリティ委員会の運営 ・統合報告書の発行準備 ・サステナビリティ浸透活動実施 |
・期中計12回開催、気候変動対応への強化 ・2024年度 統合報告書初発行 ・国内外拠点でのサステナビリティ説明会開催 |
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6.D&Iの推進 |
・女性社員の計画的育成 ・男性の育児休業取得推進 ・D&I教育の実施 |
・女性活躍研修実施 ・男性育休取得経験者座談会の社内報掲載 ・アンコンシャスバイアス研修実施 |
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7.労働安全衛生の強化 |
・労働災害の発生防止活動 ・労働安全衛生教育強化 |
・安全および5Sパトロールの定期開催、交通安全啓蒙活動 ・新入社員研修、注意喚起ポスター掲示 |
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8.人権の尊重 |
・人権方針の整備 ・人権教育の実施 ・人権デューデリジェンス着手 |
・人権週間にポスター掲示等による社内啓蒙活動 ・e-ラーニングによる研修実施 ・人権リスクの洗い出し |
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9.CSR調達の推進 |
・購買方針説明会実施 ・CSR調達の実施 ・サプライヤーエンゲージメントの強化 |
・購買方針説明会でのCSR調達方針説明 ・SAQの実施 ・取引先訪問によるCO2排出量削減アドバイス実施 |
③リスク管理
当社グループのリスク管理の基本的な考え方、対応については「森六グループリスク管理基本方針」「森六グループリスク管理基本規定」「森六グループリスク管理マニュアル」を制定し、グループ全体のリスク低減を図るとともに従業員一人ひとりのリスク管理意識の向上を目指しています。リスク管理体制については、取締役の管理のもとに「グループリスク管理委員会(以下「委員会」)」を設置しています。委員会のもとで、事業部門や海外子会社における潜在的なリスクをグローバルに予見し、事前に対応することで、リスクの極小化を図るとともに、機会の識別・評価・管理を行うことを目指しています。
事業部門・国内外子会社は年に1回、グループ共通のリスク項目、評価基準(事業への影響・発生の可能性)に基づきリスクを評価、特定、優先順位付けをしており、その結果を基に年間対応計画を策定・実行しています。これらのリスク管理プロセスは、委員会に報告され、委員会は事業部門・国内外子会社が適切なリスクコントロールを出来るように指示を行っています。委員会にて報告、指示された内容は、取締役会にも報告され、取締役会は業務遂行の適正を確保するための体制整備などを指示しています。また、コーポレート共通リスクに対応する部門は、事業部門・国内外子会社に対し、リスク対応の助言・支援を担っています。リスクが顕在化し、危機が発生した場合は「森六グループリスク管理基本規定」に則り、速やかに経営層・関係部署に報告され、迅速に対応を行える仕組みを構築しています。
サステナビリティ課題については「森六グループリスク管理マニュアル」の業務遂行におけるリスクの中に規定されており、グループ全体のリスク管理と機会の識別と評価の管理プロセスに組み込まれています。
④指標および目標
サステナビリティ重要課題では、気候変動問題への対応を最重要課題の一つであると位置づけ、2030年までに達成する最重要KGIとして設定し、グループ全体で目標達成に向けた取り組みを行っています。なお、KGIの進捗については、中期経営計画・年度ごとに落とし込み、モニタリングを行いながら進捗を管理しており、サステナビリティ推進活動の実効性を高めるため、取締役の報酬とも連動させています。
<サステナビリティ重要課題の最重要KGI>
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項目 |
基準年 |
2023年度実績 |
目標数値 |
目標年度 |
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GHG排出量削減率 |
2019年度 |
37.61% |
50% |
2030年度 |
(2)気候変動
当社グループは、気候変動が中長期的に事業に与える影響を重要な経営課題の一つと認識しており、気候変動の緩和および適応に向けた取り組みを加速しています。
これまでTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同し、同提言に基づく開示を進めてまいりましたが、現在はその枠組みを引き継ぐISSB(国際サステナビリティ基準審議会)によるIFRS S2(気候関連開示)の趣旨を踏まえた開示の高度化にも取り組んでいます。
今後起こり得る気候変動シナリオを想定し、関連するリスクと機会を体系的に評価した上で、戦略や施策に反映し、<リスクと機会>の表のとおり具体的な対応を推進しています。その結果、2019年度を基準年としたCO2排出量は2023年度時点で37.61%削減されました。今後も、気候関連リスク・機会の適切な把握と対応を通じ、脱炭素社会の実現と持続可能な成長の両立を目指してまいります。
①ガバナンス
気候変動への対応は、グローバル社会における最重要課題の一つであるとともに、当社グループの中長期的な持続可能性に直結する重要な経営課題と位置づけています。この認識のもと、サステナビリティ委員会をはじめとする推進体制を通じて、気候関連課題に関するリスク・機会の評価および対応方針を策定し、中期経営計画に反映しています。また、重要事項については取締役会への報告・審議・決議を通じて、取締役会での監督機能の強化を図っています。
②戦略
当社グループは、脱炭素社会の実現に向けて、気候変動に関する重要なリスクおよび機会を特定し、それらに対する対応策の検討と事業戦略への反映を進めています。具体的な取り組みとしては、省エネルギーの推進をはじめ、原材料や生産設備の低炭素化に向けた対応や、再生可能エネルギーの導入拡大などを加速させています。これらの施策を通じて、気候変動の緩和(排出削減)および適応(影響への対応)の両面からの対応を図り、事業の持続可能性の向上に取り組んでいます。
今後も、事業環境の変化や事業戦略の進展に応じて、気候関連リスクおよび機会の見直しを継続的に行い、サステナビリティ委員会にて審議のうえ、必要に応じて取締役会へ提言・報告を行ってまいります。
<リスクと機会>
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気候変動関連リスク項目 |
リスク |
機会 |
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移行リスク (1.5~2℃シナリオ分析) |
政策・規制 |
プラスチック規制 |
・プラスチック規制によるプラスチック製品需要減および収益減 ・バイオマスプラスチックへの切替に伴うコスト増 |
・プラスチック代替材料での新規部品開発による競争力向上 ・プラスチックリサイクルによる製造過程の効率化 ・バイオマスプラスチックなどの新規材料の拡販による売上増 |
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再エネ政策 |
・再生可能エネルギー導入による投資コスト増 ・エネルギー市場の構造変化による、エネルギー価格の不安定化 |
・エネルギーコスト低減による、競争力向上 ・環境への配慮やエネルギー効率の向上による市場競争力向上 ・社会的責任や企業の持続可能性向上による、ステークホルダーとの信頼関係構築 |
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技術 |
低炭素技術の進展 |
・既存の製品・サ-ビスが低炭素製品に置き換わることによる、既存の製品・サ-ビスの需要低下 |
・生産事業・商事事業の協業により、環境配慮型材料開発を行うことでの環境配慮型製品・材料の需要増加 ・EV化に伴うビジネス機会の拡大 ・低炭素設備の導入によるエネルギー効率向上とコストの削減 |
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市場 |
製品と サービス |
・資源循環型材料開発の遅れによる機会損失 ・規制や環境変化によるプラスチック製品の使用制限 ・原材料の調達や物流への影響による供給難 |
・新たな市場や顧客を開拓することでの事業拡大や事業多様化 ・サプライチェーン全体での環境負荷削減への取り組みによる調達網構築 ・消費者ニーズの変化への対応による収益増加 |
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物理リスク (4℃シナリオ分析) |
急性 |
異常気象の激甚化(台風、豪雨、土砂等) |
・異常気象による製造停止やサプライチェーンの遮断 |
・グローバル複数拠点での供給対応力を活かした調達リスク回避 |
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気候変動関連リスク項目 |
2024年度 実施事項 |
今後の対応策 |
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移行リスク (1.5~2℃シナリオ分析) |
政策・規制 |
プラスチック規制 |
・マテリアルリサイクルプロセスの改善 ・環境配慮型商材の拡販 ・廃プラスチックのマテリアルリサイクル(アプトン、養生フィルム、食品フィルムの製造) |
・環境配慮型プラスチックでの製品開発の拡大 ・プラスチック使用量や廃棄量の目標設定 ・マテリアルリサイクルの促進 ・環境配慮型商材の更なる拡販 |
|
再エネ政策 |
・太陽光発電の増強および拡張 ・CO2フリー電力の導入拡大 ・自社拠点での蓄電池運用(太陽光由来の再エネ有効活用と独自運用) ・製造プロセスや設備の改善によるエネルギー活用効率向上 |
・太陽光+蓄電池による再生可能エネルギーの長時間活用 ・太陽光軽量化発電セルの導入 ・蓄電池システムの拡張ならびに新設 ・自社拠点での風力発電導入 |
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技術 |
低炭素技術の進展 |
・環境配慮型材料開発とそれを利用した部品(試作品)の製造 ・太陽光発電の増強および拡張 ・自社拠点での蓄電池運用 ・コージェネレーション設備の活用 ・低炭素製造設備(油圧式から電気)への切り替え ・バイオ由来のバイオスティミラントの開発 ・環境配慮型商材の拡販 ・カーボンナノチューブの展開 |
・開発部品の量産へ向けた取り組み ・再生可能エネルギー導入拠点の拡大 ・低炭素技術開発とイノベーションを促進するための投資拡大 ・環境配慮型製品につながる技術開発(製品の更なる軽量化、資源の循環利用 ・環境配慮型商材の更なる拡販 ・バイオ由来のバイオスティミュラントの開発継続 ・カーボンナノチューブの展開推進 |
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市場 |
製品と サービス |
・サプライチェーンの可視化と評価(CSR調達) ・環境配慮型製品開発 (環境材30%のプラスチックを用いた部品開発) ・プラスチック資源循環法に則ったガイドライン策定 ・加飾技術開発の進化による環境負荷低減 |
・化学物質の安全性や環境への影響評価 ・持続可能な製品開発やイノベーションへの更なる投資 ・更なる軽量化技術の開発および仕様の標準化 ・サーキュラーエコノミーの推進による循環型ビジネスモデルの構築 ・気候変動に対応・適応するための新たな商材の供給 |
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物理リスク (4℃シナリオ分析) |
急性 |
異常気象の激甚化(台風、豪雨、土砂等) |
・BCPの構築による自然災害への備え ・太陽光発電+蓄電池活用による給電システム構築 |
・自然災害対策の更なる強化(各拠点の状況に合わせた安全対策強化) ・カーポートタイプ太陽光発電+蓄電池活用による重要設備への電源供給、近隣住民への給電 |
③リスク管理
気候変動に関連するリスクについては、サステナビリティ委員会において、事業への影響や対応方針について審議を行っています。あわせて、課題解決に向けた取り組み状況や、非財務KGI等による指標のモニタリングも実施しており、委員会での審議内容は取締役会へ報告のうえ、社外取締役による監督・助言を経て、中期経営計画等の経営戦略に反映しています。
④指標および目標
気候変動への対応として、当社ではGHG排出量削減に向けた中長期的な目標を設定するとともに、進捗を定量的な指標に基づき管理しています。以下に、基準年・実績・目標値・達成期限を含めた主要な指標を示します。
本指標はScope1(自社の直接排出)、Scope2(他社から供給されたエネルギーの間接排出)を対象としており、2023年度実績については国内主要拠点におけるGHG排出量に基づき算定しています。
測定方法については、エネルギー使用量等の実績値に、環境省「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル」等に基づく排出係数を適用しています。
Scope3(その他の間接排出)については、当社事業に関連性の高いカテゴリーを選定のうえ、一部項目について算定を進めています。現時点では中長期目標は設定しておらず、今後も引き続き関連情報の把握・精緻化に取り組んでまいります。
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項目 |
基準年 |
2023年度実績 |
目標数値 |
目標年度 |
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GHG排出量削減率 |
2019年度 |
37.61% |
30% |
2024年度 |
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50% |
2030年度 |
(3)人的資本・多様性
当社グループでは、経営のレジリエンス向上の実現に向けては、多様な人材が集まり、従業員が当社グループでの仕事を通じて成長し、活躍することが不可欠であると考えています。実現に向けた取り組みの1つ目は、「多様な人材の確保と育成」です。既存事業の強化はもちろん、新たな事業を創出していくには、多様な人材を継続的に採用・育成して、一人ひとりが自主性、創造性を発揮できる環境づくりが欠かせません。2つ目は、「人材と組織の活性化」です。当社グループを支える人材や組織がポテンシャルを最大限発揮できるよう従業員エンゲージメント向上に取り組んでいます。3つ目は、「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」です。多様な人材が活躍してこそイノベーションが生まれるという考え方のもと、性別・年齢・国籍を問わない人材の採用・登用を積極的に進めています。
①ガバナンス
当社グループでは、人的資本への取り組みを重点施策の1つとして設定し、多様な人材の採用や登用等に取り組んでいます。
また、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)として「働きがいのある職場づくり」、「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」を設けており、サステナビリティ委員会において進捗報告や課題の議論が実施され、取締役会への報告も行っています。人的資本に係る課題はKPIとして設定されており、取締役の報酬にも連動しています。
②戦略
1)人事ポリシーの策定
当社グループでは、全従業員が目指すべき姿を示す「人事ポリシー」を策定し、多様な能力・スキルを発揮できる人材の育成に取り組んでいます。また、会社の持続的な成長には、経営戦略の実行とともに、従業員一人ひとりの成長が不可欠です。そのため、日々の業務を通じて成長の機会を得られ、意欲的に活躍できる環境づくりを重視しています。従業員の成長とエンゲージメントを大切にし、誰もが働きがいを感じられる職場を目指します。
2)ダイバーシティ&インクルージョンの推進
当社グループは、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進の一環として、社長メッセージの発信やリーダー層向けのアンコンシャス・バイアスワークショップを実施し、D&Iへの理解を深めました。特に、リーダー層に対しては、意識改革を通じて職場風土改善につなげるために、約70名を対象に多様な視点を共有する機会を設けました。
また、女性社員が能力を最大限発揮できる環境整備を進め、研修やeラーニングを実施しています。2024年度には女性活躍推進をグループ全体で強化し、多様な人材を積極的に採用しました。今後もエンゲージメントサーベイを活用しながら、継続的な意識改革とグループ全体への浸透を目指します。
3)社員が力を発揮できる環境の整備
当社グループでは、従業員一人ひとりの力を最大限に引き出すため、柔軟で働きやすい環境づくりを推進しています。フレックスタイム制度やリモートワークの導入により、多様なライフスタイルや働き方に対応するとともに、努力や成果を正当に評価する制度を整え、社員の挑戦意欲とモチベーションの向上につなげています。
これらの取り組みに加え、従業員意識調査「MI400 Our Voice」を通じて職場の実態を継続的に把握しています。「社員エンゲージメント」と「社員を活かす環境」の向上を重要な指標とし、2021年には「個人の尊重」「協力体制」「リーダーシップ」を重点テーマに設定しました。継続的な改善に取り組んだ結果、2024年度の調査では全項目でスコアが上昇しました。
また、従業員が自ら挑戦できる機会と活躍を支援する仕組みを提供するため、第14次中期経営計画では心理的安全性を重視した職場づくりや、より高い役割へチャレンジ可能な社内公募、リスキリング等の施策を計画しています。
4)成長を支え、働きがいを高める研修
当社グループでは、従業員が自らのキャリアを描き、挑戦を続けられるよう、学びの環境を進化させています。従来の階層別研修や専門性を高める教育に加え、キャリアビジョン形成を後押しする教育プログラムやeラーニングを導入し、いつでもどこでも学べる仕組みを整備し、対面とオンラインを柔軟に組み合わせた研修体系により、キャリアやスキルに応じた学習機会を提供しています。
単なる知識習得にとどまらず、実践力の強化や視野の広がりにもつながる内容とすることで、社員が継続的にスキルを磨き、より高度な業務へとステップアップできるよう支援しています。
5)多様な働き方とライフステージに寄り添う支援制度
当社グループは、多様な働き方を実現するため、フレックスタイム制度や在宅勤務制度の導入、年次有給休暇の半日単位や時間単位取得制度を整備するなど、ワークライフバランスに配慮した柔軟な働き方を支援しています。また、産休・育休、看護休暇、介護短期休暇に加え、万が一の病気やけがに備えた「あんしん休暇(失効有給休暇積立制度)」など、ライフステージの変化に応じた働き方をサポートする制度を充実させています。
これらの取り組みの結果、2025年3月には「子育てサポート企業」として「くるみん認定」を取得しました。今後も育児や介護、看護など、さまざまなライフイベントに対応し、社員が自分らしく長期的に活躍できる職場作りを推進していきます。第14次中期経営計画の初年度である2026年3月期からは、時短勤務の対象となる子の年齢を小学校3年生修了まで延長し、さらに安心して働ける環境を整備いたします。女性従業員のみならず、男性社員においても育児休暇や時短勤務の取得が増加し、働きやすい職場環境の風土醸成が進んでいます。
③リスク管理
人的資本は、サステナビリティ重要課題の中に組み込まれており、当社グループのリスク管理項目の1つとして取り組みを行っています。リスク管理は人事部が主導となり、関係部署と連携のうえ人事部よりサステナビリティ委員会や取締役会にて進捗報告や課題の共有を行っています。
④指標および目標
サステナビリティ重要課題において、社員エンゲージメントの向上を最重要課題の一つであると位置づけ、取り組んでいます。
従業員意識調査「MI400 Our Voice」においては、「社員エンゲージメント」と「社員を活かす環境」を重点カテゴリーとし、第14次中期経営計画策定時に見直しを行った結果、期中におけるモニタリングとして各項目に関する肯定回答の5ポイントアップを新たな目標として掲げました。期中は、毎年パルスサーベイ(簡易調査)を実施し、その結果を基に各職場は改善に向けたアクションに取り組んでいきます。
<重点カテゴリーにおける肯定回答率>
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重点カテゴリー |
基準年 |
目標数値 |
目標年度 |
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2024年度 |
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※本指標および目標は、提出会社である森六株式会社を対象範囲としているため連結子会社は含んでおりません。
(4)人権
当社グループは、経営理念・行動指針の中に人間尊重を掲げており、2023年に「森六グループ人権方針」を策定しました。この方針は、当社グループの経営理念、行動指針と一貫性のあるものであり、当社グループの事業活動における人権尊重に関わる全ての文書や規範、方針の上位に位置付けています。
①ガバナンス
人権への取り組みは、サステナビリティの重要課題における重点施策の一つとして位置づけています。サステナビリティ委員会では「人権の尊重(人権デューデリジェンス)」を重点的な議論テーマの一つとし、進捗状況の報告や課題の検討を行っています。また取締役会にも定期的に報告を行い、取締役会が人権の遵守およびその取り組み状況を監督しています。
②戦略
人権への取り組みは、当社グループの持続的な事業活動を支える基盤と認識し、グループのすべての役員・従業員ならびにお取引先様を含むビジネスパートナーの皆さまと共に推進しています。取り組みを通じて、従業員一人ひとりの自主性や創造性の発揮、サプライチェーン全体での共創を通じた持続的な成長を目指しています。
具体的な取り組みとして、事業活動を進めるうえで配慮すべき人権に関する事項について、幅広い視点から把握に努め、潜在的なリスクにも配慮し、その防止または軽減に向けた対応を進めています。また、こうした取り組みの実効性を検証しながら、必要に応じた情報開示の仕組みを整備し、人権デューデリジェンスを継続的に進めていきます。当社グループが人権への影響を及ぼしたことが判明した場合には、適切な手段を通じて誠実に対応してまいります。
1)人権に関する配慮事項の把握
人権デューデリジェンスの一環として、当社グループの事業運営において特に留意すべき人権課題について整理を進めています。当社事業の特性や国際的な人権基準などを参考にしながら、リスクの程度や発生の可能性などを踏まえて、対応の優先度を検討しています。その過程で、従業員に関わる人権課題として、「ハラスメント」「労働安全衛生」「長時間労働」「賃金・生活賃金」「ジェンダー関連」「環境・気候変動」「知的財産権」「児童の権利」「強制労働」「賄賂・腐敗」「差別」など、配慮すべき点があることを認識しています。
サプライチェーンに関しては、持続可能な社会の実現と全体での成長を図るため、2023年に「森六グループ CSR調達ガイドライン」を策定し、その中で人権尊重を重要な柱の一つとして位置付けています。このガイドラインはお取引先様に広く共有されており、人権に関する自己評価アンケートも実施しています。今後は、サプライチェーン全体において、人権に関する配慮事項をより丁寧に把握し、必要に応じた対応を進めていく計画です。
2)人権に配慮した施策の推進
把握した人権課題については関係部門と連携し、その未然防止や影響の軽減に取り組んでいます。また、社内での意識醸成を目的として、世界人権デーに合わせて全従業員を対象としたeラーニングを実施するなど、啓発活動にも注力しています。
③リスク管理
サステナビリティ重要課題に人権に関するリスクが含まれており、当社グループ全体のリスク管理項目にも組み込まれています。人事部が主導となり、関係部署と連携のうえ人事部よりサステナビリティ委員会や取締役会にて進捗報告や課題の共有を行っています。
④指標および目標
2026年3月期を初年度とする第14次中期経営計画の策定に伴い、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)の見直しを行い、グローバルにおけるサプライチェーンの人権リスクの評価、情報開示などのPDCAサイクル確立に向けた取り組みを指標および目標としています。
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2025年度計画 |
2025年度目標 |
2026年度計画 |
2027年度計画 |
2027年度目標 |
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サプライチェーンの人権リスク洗い出し着手 |
海外拠点での人権リスクの調査・分析 |
高リスク地域でのリスク評価 |
高リスク地域でのリスク評価(拡充) |
情報開示 |
(5)知的財産
当社グループでは、知的財産を事業競争力の源泉であると認識し、知的財産と事業・開発が三位一体となった経営戦略を推進しています。その強化に向けてグループ会社の開発・設計等の技術部門と連携し、国内外で知的財産リエゾンの配備をグローバルで展開する等、グループ全体での知的財産への取り組みを強化しています。
①ガバナンス
当社グループの知的財産強化に向けた推進体制として、コーポレート部門である法務知財部が中心を担っております。知的財産活動の取り組みは中期経営計画の重点施策となっており、その重要性から知的財産投資に関する報告を取締役会にて定期的に実施し、取り組み進捗について取締役会がモニタリング・監督を行っています。取締役を始めとし、知的財産に関わる施策強化や意識浸透のための取り組みをグループ全体で進めています。
②戦略
1)当社グループの開発・設計等の技術部門との取り組み
知的財産の取り組みにおいては、主要グループ会社における開発・設計等の技術部門と連携し、現状に則した施策の策定・実施を行っています。具体的には知的財産情報を分析し、経営戦略に組み込んでいく仕組みづくりを進めております。新規事業の創出においてもM&Aを行う際には、買収先企業の知的財産を分析・評価する機能強化を進めています。
また、知的財産を質・量ともに充実させていくにあたり、発明群をテーマごとにカテゴリー分類し、グローバルでの権利網の配備を目指しています。権利網の配備に向けては、「森六と言えば○○」と言われるような独創的な技術に関わる発明群、あるいは潜在的なアイデア発明など従来よりも幅広い視野に立った発明の取得を進め、さらにその可視化を進め、競合他社の状況も分析し、グローバルでの権利網の戦略的な構築に取り組んでいます。
2)発明の発掘に向けたネットワーク基盤の構築
知的財産戦略を推進していくための基盤づくりとして、主要グループ会社の開発・設計等の部門において知的財産リエゾンを選任しています。法務知財部と各部門のリエゾン担当者が連携して発明の発掘に取り組み、出願件数の増加、知的財産力の向上を図っていきます。また、同様のリエゾン担当者を、主要海外マーケットである米国、中国拠点でも選任完了し、今後は海外拠点においてもさらにネットワーク強化を図っていきます。
3)従業員の意識醸成
従業員における知的財産への意識向上には、草の根的な活動も欠かせません。新入社員向けの研修に「知財基礎知識」カリキュラムを追加するなど様々な取り組みを展開しています。一方、法務知財部のスキル向上に向け、知的財産に関わる資格の取得などにも取り組んでいます。
③リスク管理
知的財産は、事業等のリスク項目の1つに特定されており、当社グループのリスク管理に組み込まれています。当社グループは独自の技術とノウハウの蓄積および知的財産権の取得に努めています。当社知的財産権への侵害によって当社の事業活動に影響を与える可能性があります。また、製品や技術の開発・設計等において、第三者の知的財産権を侵害、損害賠償等の訴訟等を起こされた場合、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性もあります。
これらのリスクに対し当社グループは、当社知的財産権の侵害発見に努めるとともに、他社の知的財産権を尊重し、侵害のないようリスク管理に努めています。
④指標および目標
第13次中期経営計画では「付加価値の創造」をテーマに、技術領域の拡張と独自技術の保有を重点施策として、樹脂製品加工事業の保有特許50件、出願件数35件を目標値としました。その他にも国内主要拠点での特許リエゾン制度の導入や知財新システム利用による効率化を目指し取り組みを進めました。
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項目 |
実績 |
目標 |
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樹脂製品加工事業 保有特許 |
60件 |
50件 |
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特許出願件数 |
51件 |
35件 |
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特許リエゾン制度 (樹脂製品加工事業) |
・開発部、生産技術部、米国、 中国への設置完了 ・国内のリエゾン教育実施 |
国内主要拠点への人選・ 制度導入開始 |
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、以下の事項は当社グループのリスクのうち主要なものを記載しており、当社グループのリスクを網羅的に記載したものではなく、これら以外にも予測しがたいリスクが存在する可能性があると考えております。
なお、記載事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
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リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
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市場の変化 |
当社グループは、日本、北米、欧州およびアジアを含む世界各国で事業を展開しております。これらの市場における景気低迷、疫病の流行による社会的かつ経済的混乱、およびそれに伴う需要の低下は、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、世界各国の経済状況の変化を随時把握し、本社と各海外拠点が一体となり、状況に応じた対策を行っております。
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海外活動 |
当社グループは、海外市場への進出を積極的に進めており、海外では予期しない法的規制の変更、慣習等に起因する予測不能な事態の発生等、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、現地の法的規制や慣習等へ適切に対応するために、現地情報の収集を積極的に行い、当社グループ内で情報共有しております。これらについて、社内セミナー等を開催し、社員教育をさらに充実させてまいります。 |
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特定の得意先への依存 |
当社グループの主要な販売先は、本田技研工業㈱およびそのグループ会社(以下、「同社」)であり、樹脂加工製品事業においては、売上高の90%以上を占めております。 同社の自動車生産台数および販売動向の変動は、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、独自の樹脂加工技術、ケミカル材料技術を融合することで新たな技術革新を行い、モビリティ領域での新規顧客獲得を推進しております。 また、新事業育成への資源配分やポートフォリオの最適化を進め、他業種への参入を目指しております。 |
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原材料、部品および商品の一部の取引先への依存 |
当社グループは、多数の外部取引先から原材料、商品および部品(以下、「購入品」)を購入しております。製品の製造および販売に使用するいくつかの購入品については、一部の取引先に依存しております。このため、これらの購入品について、何らかの理由により主要な取引先から安定的な供給を受けられない場合は、当社グループの生産活動および販売活動に影響を及ぼし、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、購入品の安定調達において、顧客との確認を行いながら複数の調達先を確保できるよう、サプライチェーンの多様化を推進しております。 ・国内および海外の複数拠点からの調達 ・拠点がある地域でのサプライヤー確保 ・購入品を同一品質で供給できるサプライヤーの複数確保 |
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製品の品質 |
当社グループは、世界的に認められた品質管理基準に従って製品を製造しております。製造する製品に、重大な品質不具合が発生した場合には、多額のコストや当社グループの評価に影響を与え、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、品質マネジメントシステムISO9001や自動車産業品質マネジメントシステムISO/TS16949の認証を受け、当該規格下において各種製品の製造、品質管理を行い、品質の保持、向上に努めております。 万一、問題が発生したときには、市場対応が迅速かつ確実に行われるよう体制を整備しております。 |
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リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
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取引先の信用 |
当社グループは、多様な商取引により国内外の販売先に対して信用取引を行っており、信用リスクを負っております。安定かつ継続的な商品・製品の調達に努めておりますが、仕入先等の財務状況の悪化や経営破綻等により、商品・製品の継続的な供給が困難となる場合もあります。これらのリスクが顕在化することによって、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、取引先の信用情報を随時収集しております。これらの情報より、取引条件の見直し、事業推移や財務状況に応じた取引金額の制限を実施することで、信用リスクの軽減につながる与信管理、仕入先管理を行っております。 |
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研究開発活動 |
当社グループは、顧客の満足が得られるように新製品の開発を進めております。開発した新製品または新技術が顧客や市場からの支持を獲得できなかった場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、独創的な新製品、新技術の開発を展開しております。顧客への技術プレゼンテーション、国内外の展示会への開発製品の出展などにより、業界関係者との意見交換を行い、市場ニーズを捉えながら研究開発活動を実施しております。 |
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原材料の価格変動 |
当社グループは、ナフサを原料として製造される石油化学製品を取扱い、樹脂、工業薬品、有機化学、塗料、油脂加工、電子材料、自動車分野など多岐にわたる業界へ提供しています。石油化学製品はこれら原料市況ならびに需給バランスの要因から、製品ごとに固有の市況を形成しており、その変動は当社グループの経営成績および財務状況等に影響を与える可能性があります。 |
当社グループは、石油化学製品の価格設定をナフサ価格に連動する方式に基づく取引契約を締結するなど、市況変動のリスクの低減化を行っております。 在庫商品は、当該ロットに関して、数量・価格を決めた契約を取引先と締結するなど、市況影響を受けない取引条件締結を進めております。 |
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為替レートの変動 |
当社グループは、外貨建による取引を行っており、外貨建取引については為替変動により円換算後の価格が、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を与える可能性があります。また、当社グループは海外に現地法人を有しており、外貨建の財務諸表を作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、これらを日本円に換算する際の為替レート変動に伴う換算リスクがあります。 |
当社グループでは、外貨建による取引での為替変動リスクを最小限にするために、為替予約によるヘッジを実施しております。 |
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金利の変動 |
当社グループは、営業活動や投資活動に係る資金を金融機関からの借入等により資金調達しておりますが、有利子負債には変動金利条件となっているものがあり、今後の金利動向によっては、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を与える可能性があります。 |
当社グループは、今後の金利上昇に備えて、長期資金については、固定金利を選択するなど、金利動向に伴うリスクの軽減に努めております。 |
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株価の変動 |
当社グループは、市場性のある株式を有しており、これら株価の変動により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、保有株式を継続的に見直し、縮減する等リスクを軽減する施策を講じております。 |
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リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
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知的財産権 |
当社グループは、独自の技術とノウハウの蓄積および知的財産権の取得に努めております。第三者による知的財産権侵害により、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。また、当社グループでは、第三者の知的財産権に配慮しながら製品や技術の開発を行っていますが、第三者の知的財産権を侵害していると判断され、損害賠償等の訴訟等を起こされた場合、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、製造する製品に関する特許および商標を保有もしくはその権利を取得することで、当社グループが保有する技術等について保護しております。また、他社の知的財産権に対する侵害のないようリスク管理に努めております。 |
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自然災害 |
当社グループの日本における主要拠点は首都直下地震、南海トラフ巨大地震の予想震源域近傍に集中しています。そのため、巨大地震が発生した場合には、当社グループの主要拠点が直接に被害を受け、操業が遅延または中断し、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、従業員の安全を最優先としたBCP基本方針を策定し、平時から防災体制の整備・強化、備蓄品の準備、全役職員を対象とした避難訓練や防災訓練を実施しております。また、被災後の早期復旧を可能にするための事業継続計画を策定し、毎年見直しを行い、形骸化させない体制を整備しております。 |
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戦争・テロ・感染症・暴動・ストライキ等の人為災害 |
当社グループは、世界各国において事業展開しており、戦争、テロ、暴動、ストライキ等が発生した地域においては、原材料や部品の購入、製品の生産・販売および物流サービス等に遅延、混乱および停止が生じる可能性があります。それらが長引く場合には、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、従業員の健康と安全確保を最優先とし、事象発生内容に応じて危機管理に関する方針とガイドラインに従い、対策を実施しております。事象の被害内容によっては、社長を本部長とする対策本部を設置し、グループ一体で事態対応を行っております。 |
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法的規制 |
当社グループは、事業展開する各国において、商品の販売、安全基準、有害物質や生産工場からの汚染物質排出レベルなどの様々な法的規制の適用を受け、これらの関連法規を遵守した事業活動を行っております。 しかしながら、将来においてこれらの法的規制の強化や新たな規制の制定が行われた場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性や、これらの規制を遵守するための費用増加につながる可能性があり、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、法的規制等の変化へ適切に対応するために、情報の収集を積極的に行い、当社グループ内で情報共有しております。 万一、法的規制に抵触したときには、市場対応が迅速かつ確実に行われるよう体制を整備しております。 |
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情報セキュリティ |
当社グループは、業務上必要な機密情報や個人情報を有しております。外部からのサイバーテロやコンピュータウイルスの侵入、自然災害によるインフラ障害等により機密情報の漏洩や喪失があった場合、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、情報システム資源に対する適切な取り扱い方法を明確にした情報システムセキュリティ規定を策定し、ハードウエア、ソフトウエア、データなどの情報資産を保護するための安全対策を実施しております。また、従業員へ情報セキュリティ教育を実施し、情報セキュリティの知識と意識付けの定着を推進しております。 |
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固定資産の減損損失 |
当社グループは、有形固定資産などの固定資産を保有しております。このため、当該資産または資産グループが属する事業の経営環境の著しい変化や収益状況の悪化などにより、固定資産の減損損失を計上する必要が生じた場合には、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、取締役会において各拠点等の業績や設備の稼働状況をモニタリングし、減損の兆候が見られる資産を早期に把握したうえで、必要な管理・監督を実施しております。 また新規の固定資産投資においては、NPV(正味現在価値)やIRR(内部収益率)等の経済性評価指標を用いて投資の妥当性を検証し、その結果を取締役会において十分に議論したうえで、投資の可否を決定しております。 |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、中国で成長の鈍化が見られた一方、日本や米国では緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、米国の関税措置がもたらす景気の下振れリスクから、先行きは依然として不透明な状況が続いています。
当社グループの主な事業領域である自動車業界では、為替が円安基調で推移する中、日本や北米は概ね堅調に推移しました。一方、中国ではEV化の加速や現地メーカーとの競合により、日系自動車メーカーの販売低迷が続き、アジアでも政治・経済情勢の影響から自動車の販売が落ち込むなど、厳しい事業環境が続きました。また、原材料・エネルギー価格の高止まりや人件費の上昇も、引き続きコスト面での重荷となりました。
化学品業界では、販売価格形成の基準となるナフサ価格は高水準で推移したものの、中国の需要低迷などが影響し、相場は軟調に推移しました。
このような事業環境のもと、当社グループは生産・供給体制の更なる合理化や販売価格の適正化に向けた顧客との交渉を重ね、収益確保に努めるとともに、2025年3月期を最終年度とする第13次中期経営計画で定めた成長戦略を推進してまいりました。樹脂加工製品事業では、市場の変化や顧客ニーズを先取りした提案型開発に注力するとともに、展示会の開催などを通じて新規顧客の獲得に努めました。また、ドイツ系顧客向けビジネスを展開していたメキシコ子会社の譲渡を決定し、不採算部門の整理を進めるとともに、将来の成長が見込まれるインドで大規模な設備投資を行い、次期中期経営計画に向けた事業ポートフォリオの選択と集中を図りました。ケミカル事業では、「ものづくり事業の強化」と「グローバルビジネスの拡大」を掲げ、付加価値の高いコンパウンド材料の販売強化や、近年拠点を新設したインドやベトナムにおけるビジネス拡大に注力しました。また、新規事業の創出に向けたスタートアップ企業との連携や、サステナビリティ活動の深化にも取り組み、持続的な企業価値の向上を図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は、中国やアジアの減産はあったものの、円安の影響により、146,174百万円(前期比0.4%増)となりました。営業利益は、コスト改善や販売価格の適正化に努めたものの、減産が影響し、4,135百万円(同27.5%減)となりました。経常利益は、為替差損の計上により2,204百万円(同64.4%減)となりました。また、投資有価証券売却益2,042百万円を計上したものの、中国における減損損失やメキシコの子会社譲渡に伴う損失など特別損失11,769百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は7,814百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益3,022百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(樹脂加工製品事業)
中国やアジアの減産により、グローバルの生産台数は減少しましたが、国内は堅調に推移し、さらに北米の増産と円安の追い風もあり、売上高は前期を上回りました。一方、営業利益は、原価低減や生産性向上などのコスト改善を進めたものの、中国やアジアの減産に加えて、北米で顧客の生産変動に伴う対応コストの増加や、メキシコ子会社の業績悪化などが影響し、前期を下回りました。
このような結果、当連結会計年度の売上高は120,103百万円(前期比1.1%増)、営業利益は3,445百万円(同25.2%減)となりました。
(ケミカル事業)
日系自動車メーカーの減産の影響により自動車向け原材料の販売が伸び悩んだほか、前期の下期に発生した一過性の金型利益の反動減も影響しました。ものづくり分野では、顧客の生産調整の影響により医療向け高機能フィルムの販売が減少しました。一方、パソコン・スマートフォン市場の復調や生成AI市場の拡大に伴い、電機・電子分野は好調に推移しました。
このような結果、当連結会計年度の売上高は26,070百万円(前期比3.1%減)、営業利益は1,235百万円(同19.7%減)となりました。
また、地域別の売上高の状況は次のとおりであります。
(日本)
日本では、自動車生産台数が堅調に推移した一方、ケミカル事業では顧客の生産調整の影響等により販売が伸び悩みました。その結果、売上高は37,563百万円(前期比0.4%減)となりました。
(北米)
北米では、自動車生産台数が前期比で増加し、為替の影響もプラスに寄与しました。その結果、売上高は74,646百万円(前期比13.2%増)となりました。
(アジア)
中国では、日系自動車メーカーの販売苦戦により、樹脂加工製品事業、ケミカル事業とも苦戦しました。アセアンでも、タイやインドネシアで生産台数が減少しました。その結果、売上高は33,736百万円(前期比19.2%減)となりました。
(その他)
その他の地域の売上高は226百万円(前期比4.0%増)となりました。
②財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は72,793百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,419百万円減少しました。これは主に、売掛金が2,719百万円、商品及び製品が1,345百万円減少したこと等によるものであります。
また、固定資産は51,840百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,502百万円減少しました。これは主に、投資有価証券が4,990百万円、建物及び構築物が2,684百万円、工具、器具及び備品が1,776百万円減少したこと等によるものであります。
これらの結果、資産合計は124,634百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,921百万円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は52,805百万円となり、前連結会計年度末に比べ448百万円減少しました。これは主に、関係会社整理損失引当金が6,626百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が3,761百万円、短期借入金が1,267百万円、1年内返済予定の長期借入金が899百万円、電子記録債務が522百万円、その他が333百万円減少したこと等によるものであります。
また、固定負債は6,917百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,961百万円減少しました。これは主に、繰延税金負債が2,462百万円、長期借入金が1,642百万円減少したこと等によるものであります。
これらの結果、負債合計は59,723百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,409百万円減少しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は64,911百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,512百万円減少しました。これは主に、為替換算調整勘定が1,179百万円増加した一方、利益剰余金が9,400百万円、その他有価証券評価差額金が2,894百万円減少したこと等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より355百万円減少し、19,088百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは9,348百万円(前期は14,764百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失△6,571百万円、減価償却費7,899百万円、関係会社整理損失引当金の増加額6,626百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは△3,751百万円(前期は△6,630百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出△6,664百万円、投資有価証券の売却による収入3,478百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは△6,407百万円(前期は△7,221百万円)となりました。これは主に、短期借入金の純減額△1,649百万円、長期借入金の返済による支出△2,822百万円、配当金の支払額△1,530百万円等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
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樹脂加工製品事業(百万円) |
129,171 |
98.5 |
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ケミカル事業(百万円) |
10,998 |
95.8 |
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合計(百万円) |
140,169 |
98.3 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
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樹脂加工製品事業 |
115,675 |
97.2 |
4,913 |
92.4 |
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ケミカル事業 |
70,106 |
97.3 |
2,036 |
88.1 |
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合計 |
185,781 |
97.2 |
6,950 |
91.1 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当社グループの役割が代理人に該当する取引については純額で収益を認識しておりますが、受注高及び受注残高については総額の数値を記載しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
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樹脂加工製品事業(百万円) |
120,103 |
101.1 |
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ケミカル事業(百万円) |
26,070 |
96.9 |
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合計(百万円) |
146,174 |
100.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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Honda Development & Manufacturing of America, LLC |
48,423 |
33.2 |
52,156 |
35.7 |
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本田技研工業株式会社 |
21,776 |
15.0 |
22,081 |
15.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析、検討内容
経営成績等の状況に関する認識および分析、検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
経営成績に影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、コーポレート・ガバナンス体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合った商品・製品を提供することにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減した上で、適切な対応を図ってまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社グループの資金需要は、大きく分けて運転資金と設備資金の二つです。運転資金の主なものは、製品を製造するための原材料仕入と製造費、商社として機能するための商品の仕入、共通するものとして販売費及び一般管理費等があります。設備資金の主なものは、増産や自動化・効率化、生産品目のモデルチェンジ対応のための建物や機械装置、金型等の有形固定資産取得に加え、情報処理のための無形固定資産取得等があります。
(財務政策)
当社グループは、事業活動のために健全なバランスシートと適正な流動資産の保持を財務方針としております。運転資金、設備資金については、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を充当し、不足分について有利子負債での調達を実施しております。長期借入については、事業計画に基づく資金需要、金利動向、既存借入金の返済時期等を考慮の上、調達を行っており事業継続に必要な資金を十分に賄えていると考えております。なお、投資有価証券の売却により調達した資金は、設備資金のほか、企業価値向上に向けての新規事業投資等に充当いたします。
また、不測の事態に備え、取引金融機関と当座貸越契約およびコミットメントライン契約を締結し、代替流動性を確保しております。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、主な経営指標として、企業の事業活動の成果を示す営業利益に注視し、収益性判断の指標に営業利益率を掲げているほか、資本および資産の効率性判断の指標にROE(自己資本利益率)、財務の安定性判断の指標に自己資本比率を掲げております。また、当社グループは2023年3月期から2025年3月期までの中期経営計画を策定しており、最終年度である2025年3月期の目標値を営業利益率7.7%以上、ROE(自己資本利益率)9.0%以上に設定しております。当連結会計年度(2025年3月期)は、中国とアジアにおける主要顧客の減産に加えて、不採算部門の整理に伴う特別損失の計上も重なり、両指標とも未達となりました。
なお、株主還元については、将来における事業展開と経営環境の変化に対応するために必要な内部留保資金を確保しつつ、安定した配当を継続実施していくことを基本方針としております。配当につきましては、DOE(自己資本配当率)の指標を用いて、DOE 2.2%を目途に配当を実施し、将来的には3.0%の水準まで引き上げる方針としております。
当連結会計年度を含む、直近2会計年度の各指標の推移は、次のとおりであります。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
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前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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営業利益率 |
3.9% |
2.8% |
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ROE(自己資本利益率) |
4.2% |
- |
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自己資本比率 |
53.4% |
51.1% |
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DOE(自己資本配当率) |
2.2% |
2.1% |
(注)当連結会計年度に係るROE(自己資本利益率)については、当期純損失を計上しているため記載しておりません。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(連結子会社の吸収合併の中止および吸収分割の決定)
当社は、2024年5月14日開催の取締役会において、2023年5月12日開催の取締役会決議に基づく当社および当社の完全子会社である森六テクノロジー株式会社(以下「MT」)と森六ケミカルズ株式会社(以下「MC」)を対象とした吸収合併を中止し、MTとMCの外国法人管理事業以外のすべての事業をそれぞれ会社分割により当社に承継させることとすること、ならびに当社商号の変更および商号変更を含む定款の一部変更の内容を変更することを決議しました。吸収分割等の詳細は、「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
(連結子会社株式の譲渡)
当社は、2025年3月13日開催の取締役会において、当社の完全子会社であるMoriroku Technology De Mexico S.A. DE C.V.の全株式を譲渡することを決議し、2025年4月30日に実施しました。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
研究開発体制
当社グループでは、多様化・高度化する顧客ニーズに応える製品を研究開発し、提案・提供することを目的とし、顧客や社会の要請に応える新製品や高品質化技術およびコスト競争力強化のための製造技術の研究開発を行っております。
樹脂加工製品事業においては、主に自動車樹脂部品の研究開発を行っており、森六テクノロジー㈱開発センターを中心に、北米はMoriroku Technology North America Inc.(米国・オハイオ州)、中国は広州森六塑件有限公司、アジアはMoriroku Technology (Thailand) Co.,Ltd.に研究開発部門を設置しており、設計部門を主体とする新機種開発や開発部門を主体とする新製品および新技術の開発など各地域の顧客ニーズに合わせた取り組みを行っております。
また、ケミカル事業においては、四国化工㈱に共押出多層技術を核とした研究開発部門を設置しており、未来を見据えた環境に優しい製品、顧客ニーズに応える製品、顧客への提案製品、今までの包装という分野とは異なる新たな機能製品を研究開発しております。また、化学品の受託合成事業を行う五興化成工業㈱において、研究室と技術開発部を立ち上げ、受託合成事業に留まらないオリジナル製品の開発にも注力しております。
当連結会計年度の研究開発費は総額
(1)樹脂加工製品事業
日本国内では、当事業の強みである樹脂製品の成形および加工技術の活用拡大に向けて、大型で付加価値の高い外装・内装部品を対象とした開発品製作や品質試験等の研究開発活動を展開しております。また、北米、中国、タイの各開発拠点においても、日本国内の研究開発活動と連携しながら、現地生産機種を対象とした企画や提案モデルの試作品を製作し、現地の主要顧客や他の自動車メーカーに対してプレゼンテーションを実施しており、この活動は今後も他の開発拠点への拡大を予定しております。主な研究開発活動の内容は下記に記載しております。
これにより、樹脂加工製品事業に係る研究開発費は
①自動車の軽量化
自動車業界では環境に対する配慮から燃費向上とCO₂排出量削減が大きな課題となっており、EV・PHV等の次世代自動車へシフトする動きがグローバルで展開されております。これに伴い、自動車メーカー各社は車両の「軽量化」に取り組んでおり、当社グループも樹脂部品サプライヤーの強みを生かした貢献ができるよう注力しております。
近年では多層加飾技術に力を入れております。多層加飾技術の課題は、基材側、意匠側の二層構造による重量の増加ですが、当社グループでは多層加飾の外観をより魅力的にしながら軽量化を両立させる開発を行っており、基礎開発が完了し、次のステップとしてこの軽量多層成形に照明技術を融合させた研究に移行しております。当技術を国内顧客や海外顧客も含めてPRを行い、更なる受注拡大に向けて取り組むとともに、当社グループの持つ樹脂成形技術の高度化に向けた研究開発を継続しております。
② 加飾技術
従来からある塗装技術、また当社グループが得意とするフィルムシートを用いた真空貼合、インモールド、インサートなど幅広い加飾技術を生かし、魅力ある意匠と廉価な工法を兼ね備えた開発を進化継続させ、世界各地域での多様なニーズに適応しております。
また、自動運転が普及する中、車内の快適さや居住性を高める「内装のリビング化」に向けた研究開発や調査分析も進めております。当社グループが得意とする加飾技術や機構技術に、電装やイルミネーション技術を融合させることで、更なる魅力ある商品を展開していきます。
③ 地球環境保護への対応
当社グループは、自動車産業に携わる一員として、地球環境保護を重要課題と認識しており、環境に配慮した工法や素材開発に注力しております。
メッキ加工の代替技術として、既に自社技術として採用されているホットスタンプ工法(箔押し)については、内装部品への適用拡大に加え、大型外装部品への新規適用に向けた開発が完了しました。現在は海外拠点への提案も実施し、環境へ配慮した工法として適用拡大を図っています。近年では、従来は加工が困難であったデザインへの適用に向けた研究開発も進めております。
また、森六ケミカルズ㈱と共同で、サスティナブル材料として期待される植物繊維の活用に向けた基礎研究にも取り組んでおります。植物由来繊維は、その特徴を生かした外観部品や、剛性素材としての活用が期待されています。各々の自動車部品性能に適した材料の研究・選定を行い、適用に向けたアクションを進めていきます。
④ 顧客ニーズの吸上げ
近年激変する自動車業界において主要顧客と定期的にニーズや情報を共有、当社グループ独自の要素を反映した商品企画開発につなげております。
この様な最新の市場ニーズやトレンドを考慮した製品コンセプトの企画から設計、具現化、試作モデルの製作を行い、主要顧客と他の自動車メーカーへのプレゼンテーションを日本国内および海外において実施しております。また公共展示会へも出展し、積極的なPR活動を進めるとともに、魅力ある製品としての高付加価値化に取り組んでおります。
(2)ケミカル事業
当事業の主な研究開発活動は、四国化工㈱において、食品加工業界および医療業界向け用途拡大を図るべく、同社の中核技術である「共押出多層フィルム」の製造設備、生産技術の質的拡大および新製品の研究開発等を展開しております。
これにより、ケミカル事業に係る研究開発費の金額は