第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「私たちは、食を通じて社会に貢献します。」をフィロソフィー(企業哲学)としており、人々が生きていく上で最も大切な「食」を事業の柱とし、潤いのある、楽しい食事の機会を提供することにより、豊かな暮らしを実現することをめざし、地域になくてはならない企業として、「最も顧客に信頼されるレストランの実現」を基本方針としております。

 

(2) 中期的な会社の経営戦略

基本方針である「最も顧客に信頼されるレストランの実現」に向け、経営ビジョンとして「100年企業として必要不可欠な社会インフラになること」を掲げ、令和3年5月に新たに策定した中期経営計画にて下記6点を重点テーマとして、さまざまな経営課題に取り組んでまいります。

①ウィズコロナ、アフターコロナに対応した既存店の収益力向上

②スマート化社会への対応

③中食需要の取り込み

④顧客視点に立ったマーケティング戦略への転換

⑤新規出店の継続

⑥持続型社会への貢献とSDGs取り組み課題の推進

 

(3) 目標とする経営指標

わが国の社会情勢としましては、令和5年5月の新型コロナウイルス感染症の感染法上の分類の5類への引き下げや、入国制限解除に伴うインバウンドの回復、全国旅行支援の延長に伴う国内旅行の活発化、賃上げトレンドの継続等により、個人消費に徐々に持ち直しの動きがみられる一方、地政学的リスクの高まりや、為替相場の円安進行、原材料価格やエネルギー価格の高騰、国内のインフレや人手不足による人件費コストの上昇、2024年問題に伴う物流コストの上昇等、依然として内外経済の先行きは不透明な状況が続くと予想されます。

このような状況に対応するため当社グループは、新型コロナウイルスの影響からの早期回復と、ウィズコロナ、アフターコロナを踏まえた既存事業の収益力強化を第一の経営課題とし、令和3年5月に策定した中期経営計画にて、売上高、経常利益、店舗数の目標を設定しております。具体的な目標数値につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。

 

(4) グループ全体の今後の取組み

今後の見通しにつきましては、社会経済活動の正常化や消費者の購買活動の活発化により、堅調な需要は引き続き見込めるものの、エネルギー資源や原材料価格の更なる高騰、国内のインフレ継続に伴う消費者マインドの低下により、厳しい環境が続くものと思われます。

当社グループは、フィロソフィー(企業哲学)である「私たちは、食を通じて社会に貢献します。」を実現すべく、従業員、お客様の安全を確保しながら、中期経営計画で掲げた6つの重点テーマに合わせた各種施策を継続的に実施すると共に、固定費の圧縮や、食材、備品購買のグループシナジー創出に向けた取り組みに注力しながら、中期経営計画の達成に向けて、各事業を早期に成長軌道に乗せるべく、諸施策を進めてまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(サステナビリティ基本方針)

 当社グループは、「私たちは、食を通じて社会に貢献します。」をフィロソフィーとした事業活動を通じて、お客様、従業員、取引先、株主・投資家、地域社会などすべてのステークホルダーと共に成長し、持続可能な社会の実現に向けて、社会課題の解決と価値の創造に取り組んでまいります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループのサステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、及び管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続については、次のとおりであります。

 

○サステナビリティ課題に対するガバナンス体制図

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○各部門の役割

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○サステナビリティ関連リスク及び機会を評価・管理する上での経営者の役割

 当社取締役会において、取締役会長、取締役執行役員社長、取締役執行役員経営戦略本部長が、社外取締役や監査等委員の取締役との協議を経て、気候変動問題や食品廃棄物の削減等の環境課題によってもたらされるリスク及び機会を決定しております。サステナビリティに関する課題については、グループ横断的な統制と重要事項の審議及び決定を目的とし、取締役執行役員社長が委員長を、各取締役等が委員を務めるサステナビリティ委員会を設置すると共に、取締役執行役員経営戦略本部長が委員長を務めるサステナビリティ小委員会で、各事業会社が取り組むべき課題について進捗を管理し、定期的にサステナビリティ委員会に報告を行っております。

 

(2)戦略

 当社グループの経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会に対処するための取組は次のとおりであります。

 

○気候変動が及ぼす事業・財務への影響が大きいリスク、機会

 気候変動により平均気温が上昇することは、社会に非常に大きな影響を及ぼすと認識しており、当社グループでは、1.5℃、4℃シナリオでシナリオ分析を実施しております。

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○人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針

 当社グループのサステナビリティ基本方針の実現に向けて、もっとも重要な要素が人的資本の取り組みであります。当社グループでは経営理念のひとつに「DREAM パートナーと共に、夢の実現をめざします。」を掲げ、継続的な企業価値向上とワークエンゲージメントのための重点施策として、「多様性の推進」と「安心して働ける職場環境の整備」に取り組んでおります。

 多様性の推進においては、異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観の存在が、持続的な成長を進めるために必要な要素の一つであると捉え、性別、国籍、障がいの有無などを問わない多様な人材を積極的に登用する施策を推進しております。具体的には、多様なライフスタイルに応じた勤務形態を選択できるように「短時間正社員制度」を導入し、それまでパートタイマーとして勤務していた従業員を正社員として登用し、女性の一層の活躍を推進しております。また、令和元年より外国人人材を新規学卒社員として採用するとともに、令和4年より特定技能1号資格による店舗営業職での外国人人材も採用を開始いたしました。

 安心して働ける職場環境の整備においては、当社で働く社員が「より良い人生」を送れるよう環境を整えることが企業の重要な社会的責任であると考え、年間所定休日日数の拡大、7日間連続の長期休暇制度の導入、傷病積立有休制度の導入、小学生の子を持つ従業員への子の看護休暇や時間外労働の制限等の適用拡大、中学生までの子を持つ従業員への割引制度の導入、テレワーク勤務制度の導入など、労働環境の改善に努めております。

 

(3)リスク管理

 サステナビリティ関連のリスク評価については、他のリスクと同様に、影響度と発生頻度、顕在化の速度、対応策の有効性を掛け合わせ、それぞれのリスクに対してリスクレベルを算出し、3段階のリスクランクを選定、コンプライアンス委員会でリスクランクの高いものから、当社グループの特性と政策・法規制等による移行リスク、物理リスクを総合的に検討し、事業に重大な影響を与える重大リスクを特定しています。特定されたリスクについては、取締役会へ報告を行うプロセスを通じて、全社のリスク管理プロセスと統合しております。

 なお、当社グループが認識している具体的なリスクについては、「3 事業等のリスク」に記載しております。

 

(4)指標及び目標

○GHG削減目標

 当社グループは省エネ法の定める削減目標に準拠し、「エネルギー消費原単位」の継続的な低減を目標とし、スコープ1、2における「エネルギー消費原単位」の前年度比99%を削減目標に掲げ、諸施策を進めております。スコープ3排出量の算定、中長期的な削減目標については、当社グループの事業活動とエネルギー排出の関連性及び今後の政策や法規制、市場の動向を見ながら、目標の設定および開示を検討してまいります。

 温室効果ガス排出量及びエネルギー消費原単位実績につきましては、当社ウェブサイト「サステナビリティ(各種データ)」(URL:https://srs-holdings.co.jp/sustainability/data/)にて開示しております。

 

○人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容

 人的資本に関する重点施策である「多様性の推進」と「安心して働ける職場環境の整備」における指標は次のとおりであります。

 

令和3年

3月期

令和4年

3月期

令和5年

3月期

令和6年

3月期

中期目標

女性管理職比率

6.4%

7.2%

7.8%

10%以上

男性労働者の育児休業取得率

15.8%

29.4%

40.9%

30%以上

女性労働者の育児休業取得率

100.0%

100.0%

100.0%

100%

新規学卒者の女性比率

34.5%

37.5%

54.5%

64.7%

50%

新規学卒者の外国人比率

0.0%

3.1%

18.2%

5.9%

20%

キャリア採用者の女性比率

18.5%

24.6%

47.3%

51.9%

50%

キャリア採用者の外国人比率

0.0%

0.0%

18.3%

20.1%

20%

年次有給休暇取得率

47.3%

52.4%

54.2%

51.9%

50%以上

離職率

7.5%

8.8%

11.3%

10.9%

10%未満

(注)1.当社及び国内の連結子会社の正規雇用労働者を集計しております。

2.新規学卒者は各事業年度において内定し、翌事業年度から新たに入社する社員を対象に集計しております。

3.キャリア採用者には、短時間正社員採用者を含んで集計しております。

4.「離職率=当該事業年度の退職者数÷期初の在籍者×100%」として算出しております。

3【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 売上高の変動について

当社グループは飲食店の経営を事業としており、消費者の外食動機の大幅な減少を生じさせる事象、すなわち大規模な自然災害、戦争やテロによる社会的混乱、新たな伝染性の疾病、繁忙期における異常気象等の悪影響の発生等により売上高が大きく低下した場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 仕入の価格変動と安定確保について

異常気象や大規模な自然災害、国際的な紛争、残留農薬や食品添加物等の安全性問題、家畜類に係る伝染病、急激な為替変動、エネルギーコストの更なる高騰、物流ドライバーの不足等による供給体制に問題が生じた場合、原材料価格、物流費の高騰や供給量の不足が見込まれます。産地の分散、配送効率の見直し等対策を講じておりますが、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 自然災害、パンデミックについて

地震や台風等の自然災害によって、店舗、工場等の施設や情報システムに損害が生じ、営業活動や仕入、物流に支障が生じた場合、お客様、従業員に人的被害があった場合、新型インフルエンザ等感染症によるパンデミックが発生した場合等には、関係会社との連携、BCP(事業継続計画)の策定等対策を講じて備えておりますが、影響を完全に防止又は軽減出来るとは限りません。売上高の減少、事業規模の縮小により当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 減損損失及び閉店損失について

当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、当社グループの店舗において、外部環境の著しい変化等により収益性が著しく低下した場合、減損損失を計上する可能性があり、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、閉店基準に基づき不採算店舗等の閉店を実施しております。閉店に際し、固定資産除却損及び賃借物件の違約金・転貸費用等が発生する場合、また当該閉店に際し見込まれる損失に対して引当を行う場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) のれんの減損について

当社グループは、企業買収に伴い発生した相当額ののれん(令和6年3月31日現在 ㈱NIS 557百万円、㈱フーズネット 397百万円)を連結貸借対照表に計上しております。当該のれんについては将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、事業環境の変化等により期待する成果が得られない場合、当該のれんについて減損損失を計上し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 人材の確保と育成について

当社グループの事業において円滑な運営を継続するためには、女性、外国人労働者を含めた多様な人材の確保が重要な課題であり、新卒社員の継続的な採用に加え、通年採用の実施、短時間正社員登用制度の活用など、人材の確保に注力しております。また、当社グループが持続的に成長するためには確保した人材を教育し技能の向上を図る必要があります。国内における労働人口の減少が先々見込まれる状況下、計画に沿った人材の確保が困難な場合、確保した人材の育成が遅延または不足した状況、人材の流出が激化した状況等が継続した場合、当初の計画が達成できなくなる可能性があります。また採用環境に起因し人件費が想定以上に高騰した場合は当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 労務関連諸制度の改正等に伴う人件費の高騰について

当社グループでは、正社員、嘱託社員、パートタイマー等働き方の異なる多くの従業員が従事しておりますが、労働・労務関連法規の改正や社会保険制度の変更等、現行制度の改変による人件費高騰の発生可能性があります。人事制度改定による対応はもとより、中期的な会社の経営戦略の重点テーマとして「スマート化社会への対応」を掲げ、積極的にデジタル化を推進し生産性の向上に取り組んでおりますが、関連法令や労働環境に関わる変化への対応に遅延または不足が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 食品の安全性について

当社グループは、食品衛生法に基づく「飲食業」としての飲食店の経営を行っております。事業の最重要課題として、「SRSグループ監査室 安全衛生担当」を設置する等の社内体制を従前から整備するとともに、国の定める基準に準拠し、食材の品質管理状況や店舗の衛生管理状態を定期的に確認しておりますが、食品の安全性が問われる重大な問題が社内外において万が一発生した場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 競合の動向について

当社グループの事業領域である外食業界においては競合他社に加え、コンビニエンスストアや惣菜店などの中食産業との競争は今後更に激化することが予想されます。当社グループが消費者のニーズにあった付加価値の高い商品を提供できない場合には、市場におけるシェアや商品ブランド力の低下につながり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(10) 主力業態への依存について

当社グループでは、連結売上高の44.3%(令和6年3月31日時点)を「和食さと」業態に依存しております。単一業態に対する依存から脱却すべく「天丼・天ぷら本舗 さん天」・「にぎり長次郎」・「家族亭」・「得得」・「宮本むなし」・「かつや」といった他業態の育成に注力しておりますが、「和食さと」業態の業績如何により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(11) 有利子負債について

当社グループは、有利子負債残高の圧縮等を含め保守的な財務方針で経営に当たっておりますが、令和6年3月31日現在で有利子負債依存度は28.8%の水準にあるため、今後金利が上昇した場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(12) 出退店について

当社グループは、適切な出店用地が計画どおり確保できない場合や、出店地周辺の道路や開発状況の想定外の変化や、競合店の出店等で立地環境が大幅に変化し、退店を余儀なくされる場合、また建築資材の高騰、建築業者の人員不足により当初の計画が達成できなくなり経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(13) 店舗の賃借物件への依存について

当社グループは、事務所や大部分の土地建物を貸借しております。賃貸借期間は賃貸人との合意により更新可能でありますが、賃貸人側の事情により賃貸借契約を解約される場合や、賃貸借契約の期限前解約により、計画外の退店を行う可能性があります。

また賃貸人に対して契約に基づき保証金を令和6年3月31日現在で3,947百万円差入れております。保証金を確実に回収するため賃貸人の状況には十分留意しておりますが、賃貸人の倒産等の事由により、回収が困難となった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(14) フランチャイジーとの取引について

当社グループでは、フランチャイズあるいはサブ・フランチャイズ(ライセンス)契約及び商品売買契約を締結しておりますが、これらに基づき各社に対し取引上の与信リスクが生じております。日常的な取引を通じて与信管理には十分留意しておりますが、当該会社に何らかの事由が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(15) 情報システムへの依存について

当社グループは、店舗運営、食材の仕入れ、配送等の業務を、情報システムに依存しております。様々な障害に対して迅速に対応するための体制を構築し、リスク低減を図っておりますが、通信障害、プログラムの不具合等やコンピューターウィルス、外部からのサイバー攻撃等により、当社グループの情報システムに様々な障害が生じた場合には、店舗の効率的な運営やお客様へのサービス提供が阻害され、重要なデータの喪失や対応費用が発生する等、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(16) 個人情報の管理について

当社グループは、営業を目的とした大量の顧客情報や、特定個人情報を取り扱っております。収集した個人情報(特定個人情報を含みます。)はその取扱いに関するルールを定め、厳重な管理取扱いをグループ内に周知しており、いわゆるマイナンバーにつきましては外部専門業者に委託するなど個人情報の管理に関しては万全を期しておりますが、何らかの理由で個人情報が漏洩した場合には、損害賠償の発生や社会的信用の低下等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(17) 風評について

当社グループは、コンプライアンス意識の徹底と定着に継続的に取り組んでおりますが、当社グループに対する悪質な風評が、マスコミ報道やインターネット上の書き込みなどにより発生・流布した場合は、それが正確な事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社グループの社会的信用が毀損し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

またインターネット上において、当社グループ及びその関係者に関連し不適切な書き込みや画像等の公開によって風評被害が発生した場合、その内容の真偽にかかわらず、当社グループの事業、業績、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18) 海外事業リスク

海外での事業を展開する上で、当社グループが事業を行っている国の法令、制度、政治・経済・社会情勢、文化、商慣習、為替等をはじめとした様々な潜在的リスクが存在し、それらのリスクに対処できないことなどにより事業の展開等が計画どおりに進まない場合、出資の減損処理(投資有価証券の減損処理等)を行う必要が生じる等、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(19) ESG対応に関するリスク

当社は、フィロソフィー・経営理念を具現化するべく、根幹規定として企業倫理憲章を据え、コーポレート・ガバナンス体制および内部統制システムを整備・構築し、これらを土台として基本的・義務的責任を完遂します。また、サステナビリティの推進が当社の持続的な成長の大前提であるという考え方のもと、サステナビリティに関するグループ横断的な統制と重要事項の審議及び決定を目的に、サステナビリティ委員会を取締役会による監督体制下に設置しています。また気候変動や自然災害等、様々なリスクについては、コンプライアンス委員会にて管理し、特に重要なリスクが発生した場合については個別に委員会を設置し、取締役会の管理の下、グループ横断的な管理体制を構築します。当社は、ESG経営、CSR活動に努めていきますが、その活動内容や告知が十分でない場合、株価下落等や、エシカル消費の取り込み遅れによる売上の低迷により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

(経営成績)

(単位:百万円)

 

令和5年3月期

令和6年3月期

実績

対前年同期増減額

対前年同期増減率

実績

対前年同期増減額

対前年同期増減率

売上高

54,505

11,619

27.1%

60,228

5,723

10.5%

営業利益

△606

4,028

2,157

2,764

経常利益

△669

△3,338

2,162

2,831

親会社株主に帰属する当期純利益

△1,451

△3,025

1,798

3,249

当連結会計年度における連結業績は、令和5年5月の新型コロナウイルス感染症の感染法上の分類の5類への引き下げや訪日外国人の増加、政府や自治体による全国旅行支援の延長、プレミアム付商品券施策の実施、賃上げトレンドの継続等に伴い、社会経済活動の正常化や、消費者の購買活動の活発化が図られ、来店客数も回復基調となり、売上高は新型コロナウイルス第7波、第8波の影響を受けた前年実績を大きく上回りました。一方、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の緊迫化に伴う地政学的リスクの高まりや、為替相場の円安進行、原材料価格やエネルギー価格の高騰、国内のインフレや人手不足による人件費コストの上昇等、依然として厳しい経営環境が継続しているものの、前連結会計年度に実施した収益性改善に向けた諸施策の効果や政府による光熱費の負担軽減策の支援により、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、黒字転換し前年実績に対して大きく増益となりました。

このような状況下、当社グループは、「コロナ影響からの早期回復と既存事業の収益力強化」を基本方針とする中期経営計画の達成に向けて、「天丼・天ぷら本舗 さん天」「得得」の既存業態を、より収益性の高い新モデル店舗へ転換を進めたほか、収益性の高い既存業態の新規出店の継続、グループアプリの機能の拡充やチェックイン機の導入、配膳ロボット導入店舗の拡大等のDX施策を推進いたしました。また、中期経営計画の重点テーマのひとつである「中食需要の取り込み」の推進を目的とし、東京の阿佐ヶ谷で人気の持ち帰り餃子専門店「一福」の関西1号店を兵庫県尼崎市に開店いたしました。

 

〔当社グループ 業態別店舗数〕

業態名

前連結会計

年度末

出店実績

閉店実績

当連結会計

年度末

当連結

会計年度

出店計画

和食さと

197 (-)

1(-)

1(-)

197 (-)

にぎり長次郎・CHOJIRO

67 (-)

3(-)

2(-)

68 (-)

家族亭※

63 (8)

1(-)

5(1)

59 (7)

得得・とくとく※

60 (49)

1(-)

3(2)

58 (47)

かつや

45 (15)

3(-)

-(-)

48 (15)

天丼・天ぷら本舗 さん天

36 (1)

1(-)

3(-)

34 (1)

宮本むなし

26 (2)

-(-)

2(1)

24 (1)

宅配寿司業態

11 (3)

2(-)

-(-)

13 (3)

ひまわり

8 (-)

-(-)

-(-)

8 (-)

からやま

6 (-)

5(-)

-(-)

11 (-)

M&S FC事業※

24 (-)

3(-)

-(-)

27 (-)

その他

13 (-)

2(-)

1(-)

14 (-)

鶏笑

223(223)

20(20)

63(63)

180(180)

52

国内合計

779(301)

42(20)

80(67)

741(254)

84

海外店舗

27 (23)

2(2)

5(5)

24 (20)

10

国内外合計

806(324)

44(22)

85(72)

765(274)

94

( )内はFC・のれん分け及び合弁事業店舗数

※「家族亭」業態には「花旬庵」「三宝庵」「家族庵」「蕎旬」「蕎菜」業態を含んでおります。

※「得得」業態の出店実績、閉店実績には、FC店舗1店舗の直営店転換を含んでおります。

※「M&S FC事業」は、M&Sフードサービス株式会社が運営する「ポポラマーマ」「ミスタードーナツ」「ドトールコーヒー」「大釜屋」「しんぱち食堂」業態の合計店舗数です。

 

(財政状態)

令和5年2月1日に行われた当社と株式会社NISの企業結合について、前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定しております。この暫定的な会計処理の確定に伴い、当連結会計年度の連結財務諸表に含まれる比較情報において取得原価の当初配分額に重要な見直しが反映されております。前連結会計年度末との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額を用いております。

 

当連結会計年度末における総資産は、35,733百万円(前連結会計年度末比1,357百万円の増加)となりました。

流動資産は、17,028百万円(前連結会計年度末比514百万円の増加)となりました。これは主に、売掛金の増加570百万円、流動資産その他の減少297百万円、現金及び預金の増加221百万円などであります。

固定資産は、18,595百万円(前連結会計年度末比867百万円の増加)となりました。これは主に、建物及び構築物(純額)の増加561百万円、投資有価証券の増加334百万円などであります。

流動負債は、9,919百万円(前連結会計年度末比730百万円の増加)となりました。これは主に、未払金の増加455百万円、未払法人税等の増加423百万円などであります。

固定負債は、9,654百万円(前連結会計年度末比1,476百万円の減少)となりました。これは主に、社債の減少972百万円、固定負債その他の減少212百万円、長期借入金の減少200百万円などであります。

純資産は、16,159百万円(前連結会計年度末比2,103百万円の増加)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ221百万円増加し、12,371百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、3,727百万円(前連結会計年度は同2,075百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,971百万円、減価償却費1,650百万円などであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、2,292百万円(前連結会計年度は同2,801百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,116百万円、差入保証金の回収による収入210百万円、資産除去債務の履行による支出122百万円などであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、1,216百万円(前連結会計年度は同30百万円)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,087百万円、長期借入れによる収入1,000百万円、社債の償還による支出935百万円などであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績はなく、記載を省略しております。

 

b.仕入実績

原材料の仕入高、使用高

 

仕入高(千円)

前年同期比(%)

使用高(千円)

前年同期比(%)

店舗飲食原材料

19,839,972

+7.8

18,530,917

+3.6

合計

19,839,972

+7.8

18,530,917

+3.6

(注)1.当社グループは、外食事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

2.上記仕入高の内訳は次のとおりであります。

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

魚貝類及び加工品

6,145,267

+3.7

肉類及び加工品

3,748,047

+14.1

米及び調味料

2,362,495

+12.6

野菜・果物

1,807,193

+14.1

酒及び飲料水

1,235,550

+7.3

玉子及び加工品

1,275,712

+28.5

乾物類

390,067

+15.4

その他

2,875,638

△5.2

合計

19,839,972

+7.8

 

c.受注実績

当社グループは、最終消費者へ直接販売する飲食業を行っておりますので、受注実績は記載しておりません。

 

d.販売実績

 当連結会計年度の販売実績を地域別に示すと、次のとおりであります。

地域

金額

(千円)

構成比

(%)

前年

同期比

(%)

客席数

(千席)

構成比

(%)

前年

同期比

(%)

来客数

(千人)

構成比

(%)

前年

同期比

(%)

期末

店舗数

(店)

関西地区

44,339,699

73.6

110.7

9,682

70.0

96.4

30,511

75.6

104.9

369

関東地区

6,676,077

11.1

103.2

1,853

13.4

88.3

4,299

10.7

89.8

55

中部地区

6,923,909

11.5

111.4

2,025

14.6

96.1

4,575

11.3

102.0

58

国内その他

730,526

1.2

115.2

111

0.8

91.8

771

1.9

111.0

5

海  外

273,844

0.5

118.1

162

1.2

88.4

191

0.5

103.3

4

その他売上

1,284,414

2.1

144.2

-

-

-

-

-

-

-

合計

60,228,472

100.0

110.5

13,835

100.0

94.4

40,349

100.0

102.5

491

(注)1.客席数は各店舗の客席数を営業日数で換算しております。

2.当社グループは、外食事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

3.期末店舗数は直営店舗のみ記載しております。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 ア 経営成績の状況に関する分析

(和食さと)

和食さと業態では、更なる生産性の向上を目的とし、配膳ロボットの導入を196店舗に拡大したほか、お客様の利便性向上を目的として、アプリで来店受付ができるチェックイン機を全店舗に導入いたしました。また、さと式焼肉やさとしゃぶなどの食べ放題コースにおいて、「天然真ふぐ食べ放題」や「牡蠣食べ放題」などの高付加価値商品の販売と、タレントの渋谷凪咲さんを起用したTVCMやSNS配信、折込チラシなどの様々な媒体を組み合わせることで、効果的なマーケティング施策を推進しました。同期間の出退店実績は、1店舗を開店し、1店舗を閉店したことにより197店舗となりました。以上の結果、売上高は26,667百万円(前年同期比111.0%)となりました。

(にぎり長次郎)

にぎり長次郎業態では、更なる生産性向上を目的として、セルフレジを10店舗に導入したほか、お客様の利便性向上を目的として、アプリで来店受付ができるチェックイン機の実験導入を開始いたしました。さらに、来店頻度の向上を目的とし、「長次郎公式アプリ」を用いて積極的な情報発信やお得なクーポンを配信したほか、更なる売上高の獲得を目的とし、職人の技と寿司のあふれる躍動感が伝わる新たなTVCMによるプロモーションを実施しました。また、「旬寒の煌めき第3弾」フェアとして、ぷりぷりの食感と甘みが際立つ「車海老」や、かに味噌とだしの旨味がつまった「蟹の焼き雑炊」を販売いたしました。同期間の出退店実績は、3店舗を開店し、2店舗を閉店したことにより68店舗となりました。以上の結果、売上高は13,381百万円(前年同期比109.4%)となりました。

(天丼・天ぷら本舗 さん天)

天丼・天ぷら本舗 さん天業態では、更なる生産性の向上を目的としたセルフ型の新型店舗を開発し、既存店の鳴海店を建替え改装することにより令和5年6月にその1号店として開店し、令和6年1月に2号店として泉大津店を新規開店、令和6年3月に尼崎立花店を改装することにより3号店として開店いたしました。そのほか、昨今の原材料価格高騰の影響を受け悪化した収益性の改善を目的とし、最低価格の改定を含めたグランドメニューの刷新を行いました。また、LINEやInstagramによるプロモーションと並行して、アプリ会員限定クーポンやお得なキャンペーン情報を配信したほか、お客様の利便性向上を目的として、アプリでお持ち帰り注文ができるモバイルオーダーを全店に導入しました。同期間の出退店実績は、1店舗を開店し、3店舗を閉店したことにより34店舗となりました。以上の結果、売上高は2,419百万円(前年同期比85.4%)となりました。

(家族亭)

家族亭業態では、更なる生産性向上を目的としたスマホオーダーの導入店舗を29店舗に拡大したほか、「家族亭公式アプリ」でお持ち帰り予約を開始し、お客様の利便性向上とテイクアウトの利用を促進いたしました。また、アプリ会員に対してキャンペーンの情報発信やお得なクーポンを配信し、来店頻度の向上を図ったほか、新たな顧客層獲得を目的とした「X(旧Twitter)フォロー&リポスト」キャンペーンを毎月実施いたしました。また、2月には九州地方の食材を使用した産地フェア「九州うまかもん 九州の食をめぐり旅」を開催し、「九州産アジ」の丼ぶりや「九州産太刀魚」「佐賀県産白石れんこん」などを使用した「九州うまかもん天ざるそば」を販売いたしました。同期間の出退店実績は、1店舗を開店し、5店舗を閉店したことにより59店舗となりました。以上の結果、売上高は4,751百万円(前年同期比109.2%)となりました。

 

イ 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、原材料費、人件費の更なる高騰が挙げられます。当社グループといたしましては、海外も含めた原材料の調達先の多様化、幅広く和食チェーンを展開している当社グループの強みを活かした安価な原材料の利用、メニュー作成段階で調整、物流コストの抑制等を行い、原材料費の抑制に努めております。また、人件費の高騰については、労働集約型からの脱却による効率的な店舗運営実現のために、人的資源をより生産性の高い業務に集約させながら、DXが生み出す付加価値と、人が提供するサービスの融合による、新たな付加価値の創造に取り組みます。具体的には、配膳ロボットの導入、予約受付から入店、注文、決済までの流れを効率化するアプリの機能の拡充や、自動ワークスケジュール作成システムの導入等、DXを活用した店舗の生産性改善を目指し、順次実験を進めてまいります。

次期については、国内経済の正常化に伴い堅調な需要は引き続き見込めるものの、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の各種コスト上昇要因や2024年問題に伴う物流コストの上昇等により、厳しい環境が続くものと思われます。このような環境の中、令和4年3月期よりスタートした新中期経営計画の達成に向けて、令和6年3月期に取り組んだ各諸施策を継続することにより、令和7年3月期以降も更なる業績の向上を見込んでおります。

 

ウ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入の他、人件費、水道光熱費及び地代家賃を中心とした販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新店や改装といった店舗設備に係るものであります。

短期運転資金は自己資金によって賄う事を基本としており、また、設備資金の調達につきましては、自己資金ないし金融機関からの調達により賄っております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は10,300百万円となっており、現金及び現金同等物の残高は12,371百万円となっております。また、コミットメントライン契約の締結により1,500百万円の融資枠を設定しており、流動性を十分に確保するよう対処しております。

 

エ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について

当社グループは新型コロナウイルス感染症の影響からの早期回復と、ウィズコロナ、アフターコロナを踏まえた既存事業の収益力強化を第一の経営課題とし、令和3年5月に新中期経営計画を策定いたしました。

この中期経営計画の中で、下記のとおり各年度の売上、経常利益、店舗数の数値目標を設定し、令和8年3月期には売上74,000百万円、経常利益3,000百万円を目指すこととしております。

令和8年3月期までの各年度の数値目標は下記のとおりであります。

 

(中期経営計画)

 

令和4年3月期

令和5年3月期

令和6年3月期

令和7年3月期

令和8年3月期

売上高(百万円)

51,000

58,000

62,000

68,000

74,000

経常利益(百万円)

△1,200

1,100

1,600

2,200

3,000

店舗数

630店舗

650店舗

690店舗

740店舗

800店舗

 

(実績値・業績予想値)

 

令和4年3月期

(実績)

令和5年3月期

(実績)

令和6年3月期

(実績)

令和7年3月期

(業績予想)

売上高(百万円)

42,885

54,505

60,228

64,000

経常利益(百万円)

2,669

△669

2,162

2,300

店舗数

611店舗

806店舗

765店舗

793店舗

 

当社グループは、外食産業の単一セグメントであるため、セグメントの業績に関する記載を省略しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。