第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)が判断したものであります。

 

(1) 財政状態の状況

当第2四半期連結会計期間末の総資産は、有形固定資産及びその他の金融資産の増加などにより前連結会計年度末に比べて777億5千3百万円増加し、1兆1,693億9千8百万円となりました。負債は、社債及び借入金の増加などにより前連結会計年度末に比べて489億1千4百万円増加し、6,940億7千6百万円となりました。資本は、その他の資本の構成要素の増加及び親会社の所有者に帰属する四半期利益の積み上げなどにより前連結会計年度末に比べて288億3千9百万円増加し、4,753億2千1百万円となりました。

なお、1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度の1,892.36円から2,007.88円に増加し、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度の39.4%から39.1%となりました。

 

(2) 経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間の我が国経済は、新型コロナウイルス禍から社会経済活動の正常化が進み、人流が回復しましたが、製造業の景況感は、業種により好不調がまだら模様の状態で推移し、全般的に力強さに欠ける状況となりました。また、世界的な半導体需要の落ち込みや中国をはじめとする海外経済の下振れリスクの高まりなどから、依然として先行き不透明な状況が継続しました。

このような経営環境の下、ユニット経営を基軸としたグループ一体経営によって、2023年3月期業績で売上収益1兆円を達成した当社グループは、2つの成長軸である「地球環境」と「ウェルネス」に沿って、「多様な事業、人材、技術」の全体最適化によるグループシナジーの追求を図りました。そして、成長のための3つの基本戦略として、成長領域の拡大、国内既存事業の収益力強化、社会課題の解決に貢献する新事業の創出に取り組みました。

成長領域の拡大では、産業ガスの供給に不可欠なエンジニアリング機能とグローバル展開の強化に向け「グローバル&エンジニアリンググループ」を組織するとともに、ガス供給プラントの基幹工場の増強投資に着手しました。また、北米で複数のガスディーラーを買収するとともに、ニューヨーク州では北米初の自社製造拠点となる大型ガスプラント建設に着手したほか、ヘリウム事業にも参入しました。インドでは、新たに国営製鉄会社であるSAIL(Steel Authority of India Limited)社の製鉄所向けオンサイトガスプラントの受注を獲得するなど、今後の事業拡大に向けた布石を打ちました。さらに、エレクトロニクス事業では、大手半導体工場向けのガス供給プラントの設備投資を継続したほか、熊本地区で特殊ガス・ケミカルの供給をはじめとしたグループ複合拠点の整備を進めました。

既存事業の収益力強化では、エレクトロニクス、医療機器、北海道における農産・加工やエネルギー分野でグループ会社の統合再編を実施し、人員の最適配置や業務の効率化をはじめとしたグループシナジーの創出に取り組みました。合わせて、製品・サービスの価値に見合った利益水準を確保するための価格改定を継続するとともに、販管費の抑制や低採算案件の見直しなどに取り組んだ結果、地域事業会社社を中心に稼ぐ力が着実に向上しました。

新事業の創出では、脱炭素ソリューションとして、ガス精製・分離技術と北海道の事業基盤を活用し、家畜ふん尿を原料とした「液化バイオメタン」のサプライチェーン構築に取り組みました。また、食料安全保障や食料自給率の向上が社会課題となる中、農産・加工分野において業界大手企業2社との資本業務提携による新たな青果流通加工事業や、酸素、人工海水、鮮度保持などの商材と技術を活かした陸上養殖プラットフォーム提供事業に注力しました。

 

中長期的な企業価値創造に向けては、技術、ブランド、知的財産など無形資産への投資の一環として、大阪府摂津市に「ウェルネス」に関わる新事業の創出・発信拠点「エア・ウォーター健都」を開設し、産官学民連携によるオープンイノベーションの取り組みを開始しました。さらに、社内公募をはじめとした従業員の自律的な成長やスキルアップを後押しする人事制度改革を進め、持続的成長を支える人的資本の強化に取り組みました。

 

当第2四半期連結累計期間の業績といたしましては、各種コスト上昇に対応した収益構造の改善にグループ全社を挙げて取り組んだ効果が順調に発現するなど、総じて回復基調で推移し、第2四半期は、第1四半期から一転して大幅な増益となりました。

コスト上昇の影響を受けた産業ガスや業務用塩は、生産・物流面の効率化をはじめとしたコスト低減と価格改定効果が寄与しました。また、液化水素タンクなどの旺盛な需要を背景に海外エンジニアリング事業が拡大したことに加え、前年度の業績に大きな影響を与えた木質バイオマス発電事業も発電燃料の海上輸送コストが低下傾向となったことから回復基調で推移しました。さらに、人流回復を背景に化粧品をはじめとしたコンシューマーヘルス分野や飲料分野が拡大しました。

 

以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上収益は4,769億7千5百万円(前年同期比102.9%)、営業利益は283億7千5百万円(同109.5%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は173億1千2百万円(同106.0%)となりました。

 

各セグメントの概況は次の通りであります。

第1四半期連結会計期間より、従来「デジタル&インダストリー」に区分していた国内のエンジニアリング事業及び海外エンジニアリング(インド産業ガス等)事業を「その他の事業」に、「エネルギーソリューション」に区分していた炭酸ガス・水素事業を「デジタル&インダストリー」に移しました。

なお、前第2四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の報告セグメント区分に基づき作成したものを開示しております。

 

<デジタル&インダストリー>

当セグメントの売上収益は1,662億5千1百万円(前年同期比105.3%)、営業利益は135億2千5百万円(同116.7%)となりました。

事業全体では、産業ガスの販売数量は前年同期を下回りましたが、価格改定が順調に進展し、収益性が大きく改善しました。また、大手半導体工場向けのオンサイトガス供給は堅調に推移しましたが、半導体市況の低迷による在庫調整等の影響を受け、機能材料や半導体関連機器・装置の販売が低調となりました。

エレクトロニクス事業は、大手半導体工場向けのオンサイトガス供給が高い稼働率を維持し、半導体工場向け材料販売事業は、高純度薬品や塗布材料などの販売が順調に推移しました。一方、半導体市況の低迷による在庫調整等の影響を受け、ガス関連装置や半導体製造装置向け熱制御関連機器・部品の販売が低調となりました。

機能材料事業は、トップシェアを有する電磁鋼板用マグネシアや食品機能材が安定的な需要に支えられ堅調に推移しました。しかしながら、市況低迷の影響を受けた精密研磨パッドをはじめとした半導体関連製品や、中国の景気減速を背景に農薬向けナフトキノンの販売が低調に推移しました。

インダストリアルガス事業は、価格改定をはじめとするコスト上昇への対応を継続したことで、売上収益が増加しました。また、炭酸ガス供給においても第1四半期に影響を受けた原料ガス不足が解消し、回復基調で推移しました。同時に、物流の効率化やコスト削減等の効果も発現し、収益性が改善しました。

 

 

<エネルギーソリューション>

当セグメントの売上収益は252億6千6百万円(前年同期比91.0%)、営業利益は5億3千3百万円(同45.7%)となりました。

エネルギー事業は、低・脱炭素需要が高まる中、燃料転換の推進により工業用LPガスの販売数量が増加しました。また、主要エリアである北海道において、グループ会社の統合再編や家庭向けLPガスの直売比率を高める施策を行い、収益力の強化を図りました。一方で、LPガスの販売単価が輸入価格に連動して急落したため、売上収益が減少するとともに、利益面においても第1四半期を中心に在庫評価損の影響があったことで、前年同期を下回りました。

グリーンイノベーション事業は、脱炭素社会の実現に貢献する新事業の創出に向けて、小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」やLNG代替燃料として利用可能な「液化バイオメタン」の各種実証を進めました。

 

<ヘルス&セーフティー>

当セグメントの売上収益は1,078億6千6百万円(前年同期比98.4%)、営業利益は57億5千万円(同98.4%)となりました。

事業全体では、新型コロナウイルスの5類感染症移行に伴い、酸素濃縮装置のリース契約終了や感染管理製品の需要が減少した一方、防災事業とコンシューマーヘルス事業は順調に推移しました。また、原材料価格の高騰や人件費の上昇に対して生産の合理化を行うとともに、適切なタイミングで価格改定を実施したことで、利益面では前年同期に近い水準まで回復しました。

メディカルプロダクツ事業は、医療ガス分野において、価格改定や低採算案件の見直し等により収益性の向上を図りました。一方、酸素濃縮装置の自治体向けリース契約が前年度末に終了した影響を受けました。

防災事業は、工事部材費や人件費上昇の影響を受けたものの、病院のリニューアル工事やデータセンター向けのガス消火設備工事は堅調となり、シンガポールの病院設備工事も回復基調で推移しました。

サービス事業は、病院の経営効率を高める施策の提案を通じて新規顧客を獲得しましたが、一部の大型病院との契約が終了した影響を受けました。

コンシューマーヘルス事業は、コロナ禍からの回復により、衛生材料ではマスクや手指消毒剤など感染管理製品の需要が減少した影響を受けました。一方、化粧品メーカーへの積極的な営業展開により、液体充填品の受託製造が伸長したことに加え、海外を中心に美容針やデンタル針の販売が増加し、堅調に推移しました。

 

<アグリ&フーズ>

当セグメントの売上収益は800億6千万円(前年同期比105.6%)、営業利益は38億5千2百万円(同112.0%)となりました。

事業全体では、豚肉や鶏卵等の原材料価格が上昇する中、価格改定や生産効率の改善など収益力強化に取り組みました。ハム・デリカ分野で価格転嫁の遅れがあったものの、茶系・果実系飲料の受託製造の増加や農産物直売所の新規出店効果により増収増益となりました。

フーズ事業は、市販用冷凍食品の販売拡大やコンビニエンスストア向け総菜などの新規採用が進んだものの、利益面では原材料費の上昇に伴う価格改定時期の遅れが影響しました。また、スイーツ分野は第1四半期を中心に鶏卵不足による主力製品の休売が影響し、低調に推移しました。

ナチュラルフーズ事業は、飲料充填ラインの増強投資や自社ブランド商品の拡充とともに、人流の回復や夏場に高温が続いたことで茶系・果実系飲料の受託製造が増加し、好調に推移しました。

アグリ事業は、北海道を中心とする農産・加工分野において、前年度に収穫した農産物の在庫ロスが発生した影響を受けましたが、農産物直売所の新規出店効果や、青果小売分野において不採算店舗の見直し等による収益改善が寄与し、事業全体では前年同期並みで推移しました。

 

 

<その他の事業>

当セグメントの売上収益は975億2千9百万円(前年同期比105.3%)、営業利益は39億1千6百万円(同202.1%)となりました。

物流事業は、EC関連の幹線輸送は堅調に推移しましたが、前年同期に好調だった感染性廃棄物の取扱量が減少しました。また、人件費の増加やエネルギーコストの上昇に対応した価格改定を進めましたが、新たに建設した低温物流センターが本格稼働するまでのコスト影響がありました。

㈱日本海水は、業務用塩の価格改定効果により、石炭価格の上昇影響を打ち返し、安定的な利益水準を確保しました。電力分野では、発電燃料の海上輸送コストが低下したことに加え、苅田バイオマス発電所(福岡県苅田町)が2023年8月より営業運転を開始し、順調に推移しました。

グローバル&エンジニアリング事業では、インド産業ガス事業は、鉄鋼向けオンサイトガス供給及び外販ガス供給ともに、堅調に推移しました。北米産業ガス事業は、材料調達などに起因する生産停滞が解消したことで液化水素タンクや炭酸ガス関連機器の販売が回復し、米国ニューヨーク州における産業ガスの販売も堅調に推移しました。なお、北米事業の拡大に向けて複数のM&Aを実施しており、それらの新規連結効果は第3四半期以降に発現する見込みです。高出力UPS(無停電電源装置)事業は、アジアや欧州における工事遅延などの解消に加え、東南アジアを中心に大型データセンターの新規プロジェクトを受注したことで、業績が大きく改善しました。

電力事業は、小名浜バイオマス発電所の安定操業が継続するとともに、発電燃料の海上輸送コストが低下傾向で推移したことに加え、荷揚げ港湾施設における滞船緩和施策を進めたことから、業績が大きく改善しました。

 

 

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益及び減価償却費などから法人所得税の支払などを差し引いた結果、前第2四半期連結累計期間に比べ61億5百万円収入が増加し、345億9千5百万円の収入となりました。

当第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出及び投資有価証券の取得による支出が増加したことなどにより、前第2四半期連結累計期間に比べ300億1千9百万円支出額が増加し、642億3千5百万円の支出となりました。

当第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入が増加したことなどにより、前第2四半期連結累計期間に比べ203億7百万円増加し、243億7千4百万円の収入となりました。

以上の結果、現金及び現金同等物の当第2四半期連結会計期間末残高は、前第2四半期連結会計期間末残高に比べ31億4千3百万円増加し、632億5千万円となりました。

 

 

(4) 研究開発活動

当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は23億5千6百万円であります。

 

 

(5) 主要な設備

前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、重要な変更はありません。

当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は次のとおりであります。

 

会社名

事業所名
(所在地)

セグメントの
名称

設備の内容

投資予定額
(百万円)

完成予定年月

ゴールドパック(株)

あずみ野工場
(長野県安曇野市)

アグリ&フーズ

小型紙容器飲料充填ライン

1,987

2025年4月

エア・ウォーター北海道(株)

エア・ウォーターの森

(北海道札幌市)

その他

オープンイノベーション推進施設

5,930

2024年10月

AIR WATER INDIA

PVT.LTD.

ドゥルガプル

オンサイト工場
 (西ベンガル州デュルガプル)

その他

液化ガス製造プラント

13,500

2025年10月

AIR WATER GAS

SOLUTIONS INC.

ロチェスター工場

(ニューヨーク州ロチェスター市)

その他

液化ガス製造プラント

4,000

2025年9月

 

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。