第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(注) 文中の将来に関する事項は、2023年6月期末現在において当社が判断したものです。

 

(1)経営方針

当社は「次代の情報化社会の安全性と利便性を創出する」という経営理念のもと、ITの力を通じた社会への貢献を推進してきました。高速、安全、高品質で利便性の高いIT基盤の提供により、人々の生活を支え、次世代のあたりまえを創ることを目指し、企業価値の最大化に取組んでいます。

当社は、クレジットカード決済や証券取引等のオンライン、リアルタイムのネットワーク接続技術を強みとしてシステム開発を行い、顧客企業に提供しています。こうしたシステムは、社会にとって必要不可欠なIT基盤(インフラストラクチャー)であり、システムの安定性を必須の条件として、高速かつ安全に取引を完遂するために、高い水準の品質が求められています。また、情報セキュリティ対策製品の開発販売とサイバーセキュリティ対策製品の販売を行い、顧客企業の安全な事業運営に貢献しています。

当社は、多くの開発実績と安定的な運用実績を有しており、この実績によって顧客から得られる信頼が、当社の事業を支え、発展させる基盤になるものと考えています。

当社は、今後ともより多くの顧客に信頼されるIT基盤の提供を通じて、当社の事業基盤を拡大、発展させていくことで、当社のステークホルダーの期待に応えることを経営方針にしています。

 

(2)経営環境

当事業年度の国内経済は、緩やかに回復しています。当社の主要な事業領域であるクレジットカード業界においては、個人消費の持ち直しにより、クレジットカード会社の取扱高も、前年の実績を引き続き上回り推移しています。経済産業省の算出によると2022年のキャッシュレス決済比率は36.0%、キャッシュレス決済金額は111兆円と初めて100兆円を超えました。経済産業省は、キャッシュレス決済比率を2025年までに4割程度にするという目標を掲げています。国内のキャッシュレス決済の普及は着実に進行しており、カード決済事業に新規参入する事業者も増加しています。

クレジットカード業界においては、不正検知のニーズが急速に高まっており、システム基盤はモダナイゼーションや費用対効果の向上のためにクラウド導入の動きが加速化、また業界を問わずセキュリティに対するIT 投資意欲も高まり、当社の事業は順調に推移しています。

決済だけでなく、データエコノミーと称される近未来の社会においては、社会全体で生成され、流通するデータ量は、爆発的に増えることが予想されており、こうしたデータの利活用が、企業や社会の競争力の新たな源泉になるものとされています。こうした社会においては、データ流通と利用を支えるIT基盤の重要性が増すことは確実で、異なるネットワーク間の接続、データ交換の需要は増加するものと予想されます。

企業社会においては、単に、ネットワーク間を接続するだけでなく、データの利活用に資する付加価値が求められることが予想されます。当社の製品に例えれば、ネットワーク接続にオーソリゼーション(認証)や、不正検知からデータの監視、セキュリティ対策等の機能がより重要性を増すことを意味するものと考えています。また、金融取引のデータばかりでなく、画像や映像データをリアルタイムに分析して、新たな活用方法を提案し、多様な業種業態の生産性を高めるシステムへの需要が高まることも予想されます。

こうした社会情勢の変化を背景に、当社の事業機会は今後とも拡大するものと予想され、当社は、これを最大限に活かしていく方針です。

 

(3)経営課題

1 事業規模拡大

2024年6月期は、売上高150億円、営業利益22.5億円(営業利益率15.0%)の達成を計画しています。

 当社の主要な収益源であるシステム開発業務は、主に顧客の都合で契約の規模や売上が変動することから、「フ ロー型」の収益形態に分類されます。一方で、クラウドサービスのように、当社が開発したシステムの利用期間に応じて、一定の規模の売上を継続的に計上できる業務は、「ストック型」と分類されます。

 当社は、従来の「フロー型」に「ストック型」の事業を加えて、より安定的な収益の確保と、事業規模の拡大を 進めています。2023年6月期に「ストック型」事業の売上比率は49%まで拡大しており、さらに成長させることで、新たな収益源を確保し、事業規模を拡大する方針です。 

 また、当社は、これまで金融業界の開発業務で培った知識と経験を利用して、金融業界以外の企業向けに新製品 を開発、新市場の開拓にも挑戦しています。

大量データのリアルタイム、高速処理を基盤にする当社の技術で、異業種の業務における潜在的な課題を発見し、解決することで新市場を開拓し、新しい収益の柱として育成します。

 

人財育成

 当社の従業員が、プロフェッショナルとしての使命感を常にもち、業務執行において高いレベルを実現すべく、継続的に社内教育のプログラムを整備、充実させていきます。特に、技術分野だけでなく各業務における専門分野の業務遂行能力を高め、人間力を育む施策を重点的に導入します。

 

企業風土改革

 当社は、人財の多様性を活用し、組織の能力が最大限発揮できる環境整備を進めることで、企業価値を向上する組織づくりを志向しています。

当社は、従業員が働きやすい、働きがいのある環境を整え、生産性の向上と従業員の成長を促進します。物理的な労務環境の整備、公正な評価制度の導入等を通じて、従業員が事業の推進と当社の成長に参画関与する意識を高めていけるよう努めます。従業員間のコミュニケーションを活性化し、新しい技術や事業に挑戦する企業文化の醸成に努めます。

 

4 ESG課題への取組み

 2021年4月に代表取締役社長を委員長、常勤取締役を主な委員としてサステナビリティ委員会を設置しました。「社会への貢献」「良い企業風土の構築」「多様性の尊重」「地球環境への配慮」その他の実践に係る方針を定め、全社的な活動推進の継続性を確保するための基幹的な組織として活動しています。

 重要な社会インフラを担うシステム開発会社である当社にとって、人的資本である従業員等は最も重要な経営資源であり、健康経営宣言のもと健康増進を進め、2022年3月9日、経済産業省指定の「健康経営優良法人2022(大規模法人部門)」に認定されました。また、大規模法人部門のうち、上位500法人を顕彰する「ホワイト500」に初の認定となりました。当事業年度では、サステナビリティに関する4つの重要課題(マテリアリティ)を特定しています。

当社は、ESG経営の考えを社内に浸透させると同時にリスク分析、管理を進め、当社の強みを生かした新たなソリューションの創出につなげ、社会に貢献してまいります。

 

(4)経営指標

当社は、継続的な収益力の向上の指標として営業利益率を主要な経営指標とし、2024年6月期には15.0%の達成を計画しています。営業利益率の向上は、当社のROE(自己資本利益率)の向上に繋がるものと考えられます。営業利益率の向上を、収益力の向上と事業の効率性の向上を示す指標と位置付け、ROEは当社の資本効率を示す指標とします。

また、当社の資本コストは、7.7%と見積っています。資本コストを上回るROEを追求することで、当社の株主価値の向上を目指します。

 

 

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

計画

営業利益率

8.8%

9.5%

10.1%

13.2%

11.6%

15.0%

ROE

11.3%

11.4%

11.6%

13.5%

13.8%

 

 

 また、事業の効率性を示すもう一つの指標として、従業員一人当たり売上高を指標にしています。

 

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

目標

一人当たり

売上高

25.3百万円

25.1百万円

25.4百万円

25.5百万円

28.0百万円

30.0百万円

 

 

(5)今後の見通し

当社は中期計画の最終年度である2024年6月期に、当初計画どおりの売上高150億円、営業利益22.5億円(営業利益率15.0%)の達成を目指します。2022年8月3日、当社は中期事業計画のローリング方式にて新たな3ヵ年の数値目標を見直し、2025年6月期に売上高165億円、営業利益25億円を開示しましたが、今回ローリング方式による数値目標の見直しは行わず、改めて2025年6月期から3年間の成長戦略を開示することを予定しています。事業構造の変革や事業領域の拡大による事業基盤の強化、拡大を進めるとともに、持続的成長に向けて、人財基盤と共創基盤の確立に取り組み、次の成長戦略に向けての土台を固めます。

a. 事業基盤の強化・拡大

事業構造の変革や事業領域の拡大に取り組むとともに、重要な社会インフラを支える高い品質と性能を維持、向上するために必要な投資を実施し、持続的成長を目指します。

   クラウドサービスを中心としたストックビジネスの拡大

   クラウドサービスのさらなる利用ユーザー増加を見据えたインフラ環境と運用体制の整備

   決済・金融事業におけるFEPシステムのクラウド対応と顧客のIT戦略支援

   決済・金融事業で培った技術と経験を活用した新製品開発と事業領域拡大

   セキュリティ事業におけるプロダクト販売からセキュリティサービス提供へのモデル転換

   システム運用体制の整備と運用品質のさらなる向上

※FEPシステム:クレジットカード決済処理に必要なネットワーク接続やカードの使用認証等の機能をもつハードウェア、及びソフトウェア

 

b.  人財基盤の確立

人的資本経営推進室を新設し、事業戦略に合致した人財戦略を推進します。人的資本投資も計画的に実行し、多様な人財を採用、活用し、人財育成施策を推進することで、高い技術と専門性、及び柔軟な発想を持った人財を育成します。また、働きやすさと働きがいの両立を目指した人事制度の変革により、持続的成長を支える人財基盤の確立を進めます。

 

c.  共創基盤の確立

共創を軸にビジネスリライアビリティプロジェクトやIWIらしい新しい働き方プロジェクト等を通して組織横断型、社員全員参加型の取り組み、対話を深めてきました。社内においては組織の縦割りを廃し、対話の活性化による有機的な組織連携を推進し、社員間の共創に取り組みます。また、様々な社会問題に対して、ESGへの取り組みを本格化させます。

 

2024年6月期の業績予想は、売上高150億円(前期比12.2%増)、営業利益22.5億円(前期比44.5%増)、営業利益率15.0%としています。決済事業では不正検知を加速させるほか、事業領域の拡大を図ります。クラウドサービス事業は、2022年6月期以降受注の拡大が続いており、売上を大幅に伸ばす見込みです。利用ユーザー増加を見据えたインフラ環境と運用体制の整備を進めながら、規模拡大を図ります。セキュリティ事業においてもCWATなどの主力製品のクラウド化を加速するほか、アジアでの事業展開を推進、また新規事業ではAIを活用した省人店舗向けソリューション、AIによる日本語校正ツール等が具体化しており、拡大を目指します。2024年6月期も構造改革を推進しますが、品質強化、人的資本、ESG課題等に向けて経営資源を積極的に投入しながら、営業利益最高益を目指します。

 

(参考)中期事業計画

                                          (単位:百万円)

 

2022年6月期

(実績)

2023年6月期

(実績)

2024年6月期

(計画)

2025年6月期

(計画)

売上高

11,493

13,374

15,000

16,500

営業利益(率)

1,519

(13.2%)

1,556

(11.6%)

2,250

(15.0%)

2,500

(15.2%)

 

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(注) 文中の将来に関する事項は、2023年6月期末現在において当社が判断したものです。

 

当社は、ESG課題への取り組みの成果が、当社事業の持続可能性(サステナビリティ)を高め、企業価値を高めるものと考え、年々活動の幅を広げ、進化させています。

当社は、現在発表の3カ年の中期事業計画に沿って、事業基盤の強化・拡大を進め、人財基盤と共創基盤の確立に取り組んでいます。具体的には、「働きやすさ」と「働きがい」を追求し、自分らしさが活かせる働き方の実現や社員が新しいことに挑戦し、会社と自らが成長していくための自律的な行動を支える環境づくり、年齢、出身、国籍など多様な背景を持つ社員一人ひとりを尊重する組織文化の醸成に努めています。また、社内外のステークホルダーとの共創という観点から、対話の活性化による有機的な組織連携を推進し、社員間の共創及び様々な社会問題に対してのESGへの取り組みを実施しています。

 

(1)マテリアリティ

当社は、事業の信頼性を高め、持続可能な社会に貢献することを目指しています。

そのために取り組むマテリアリティ(重要課題)を「環境にやさしい持続可能な未来社会を創る」「自分らしく輝ける未来社会を創る」「イノベーションを通じ、安全で豊かな未来社会を創る」「社会からの信頼を高めるリスク管理とガバナンス」と特定し、それぞれの重要テーマと目標及び行動計画を2023年4月に定めました。

 

(2)サステナビリティ全般に関するガバナンス

当社は、2021年4月にサステナビリティ委員会を設置しました。代表取締役社長 佐藤邦光を委員長とし、常勤取締役、執行役員から構成されています。

サステナビリティ委員会は、当社の企業行動基準が掲げる「社会への貢献」「良い企業風土の構築」「人権の尊重」「多様性の尊重」「健康経営の推進」「地球環境への配慮」その他の実践に係る方針を定め、全社的な活動推進の継続性を確保するための基幹的な組織として活動しています。

当委員会は四半期に一回の頻度で開催され、気候変動関連課題を含むサステナビリティ課題についてのリスクや機会の特定、評価、対応の進捗などについて討議し、その内容は取締役会へ報告されます。サステナビリティ委員会より報告された事項のうち、重要な意思決定事項については、取締役会でさらなる議論を行い、審議・決議を行います。

 

(3)サステナビリティ全般に関するリスク管理

気候変動をはじめとしたサステナビリティに関するリスクは、サステナビリティ委員会で特定、評価されます。その中で重要と判断されたリスクは取締役会へ報告され気候変動以外の全社的なリスクと統合、再評価が行われ最終的な対応が審議、決定されます。決定された気候変動課題をはじめとしたサステナビリティへの対応はサステナビリティ委員会を中心に実施される他、進捗状況について定期的なモニタリングを行うなどリスクの管理も行っています。なお、リスクの特定や評価、対応についてはリスク管理委員会と情報を共有するなど連携を強化しています。

 

(4)環境への取り組み

気候変動対応に関する戦略

 2023年6月期では、当社は気候変動に起因するリスク並びに機会を特定・評価するため、脱炭素化が進む世界と地球温暖化が進行する世界の2パターンの前提条件をベースとしたシナリオ分析から、影響の特定とレジリエンス性の確認及び対策の検討を実施しました。

 シナリオ分析では、脱炭素へ向かう世界観を想定した2℃未満シナリオと、現状の状態が続く4℃シナリオを用い2030年及び2050年を対象として当社の事業活動への影響を定性・定量の両面から分析し、以下のようにリスクと機会を特定しました。

 

<想定した世界観>

・世界観の概要

2℃未満シナリオでは、脱炭素への移行が進み、そのための政策や規制、市場の変化などが顕著になると想定されます。産業革命前から2100年まで2℃未満の気温上昇が起こる世界観を想定しています。

4℃シナリオでは、現状の政策や規制のみ考慮されており、地球温暖化が緩やかに進むと想定されます。

産業革命前から2100年まで約4℃の気温上昇が起こる世界観を想定しています。

 

・影響が顕著になるリスクや機会

2℃未満シナリオ:移行リスク・移行機会

4℃シナリオ    :物理リスク・物理機会

 

 

・使用した具体的なシナリオ

2℃未満シナリオ:RCP2.6(IPCC AR5)

          GHGの排出を抑えることで放射強制力が2100年に2.6W/m2に保たれるシナリオ

         Net Zero Emissions by 2050 Scenario (IEA WEO 2022)

          2050年世界全体でネットゼロに到達すると仮定し、そこから逆算的に考えられたシナリオ

 Sustainable Development Scenario (IEA WEO 2019)

 先進国は2050年までに、中国は2060年頃に、その他の国は遅くとも2070年までにネットゼロに到達すると仮定し、そこから逆算的に考えられたシナリオ

 

4℃シナリオ    :RCP8.5(IPCC AR5)

                    温室効果ガス(GHG)の排出が多く放射強制力が2100年に8.5W/m2に達するシナリオ

         Stated Polices Scenario(IEA WEO 2022)

          世界各国で現在実施されている政策や規制のみ考慮したシナリオ
 
  <リスク緩和に向けて>

主なリスクとして炭素税導入による操業コストの増加(移行リスク)や異常気象の激甚化に伴う営業停止による減収(物理リスク)が想定されます。

炭素税導入によるリスクを低減するため、当社では、Scope1、2の削減目標や電力使用量の削減目標を設定し、目標の達成に向けオフィスのLED化や省エネ性能の高いパブリッククラウドの採用を進めています。

また、データセンターについても省エネ性能を重視し採用を進めています。

一方で異常気象の激甚化によるリスクを低減するため、当社では、テレワークができる環境の整備を進めています。全社員がテレワークできる環境を整えることにより、異常気象の激甚化に伴う営業停止日数等の抑制につながると考えています。

 

<機会拡大に向けて>

主な機会として脱炭素や省エネへ寄与する製品やサービスの需要/売上の増加(移行機会)や異常気象の激甚化に伴う拠点の被災やデータ損失に備えたセキュリティサービスの需要/売上の増加(物理機会)が想定されます。

脱炭素へ向けた機会を拡大するため、当社では、キャッシュレス化の更なる促進に寄与すべく決済サービス関連事業を推進しています。

キャッシュレス決済は、貨幣の鋳造や紙幣の発行に伴うGHG排出量の削減ができることなど社会全体のGHG排出量の削減につながると考えています。当社では既にキャッシュレス決済関連の多様なサービスを展開していますが、キャッシュレス決済の浸透に向け今後さらに注力していきます。

 

②気候変動対応に関する方針に関する指標及び目標

当社では、気候関連リスク及び機会を管理するための指標をGHG排出量としています。GHG排出量については2023年度比で2030年度に25%削減、2050年度で実質ゼロにすることを目標としています。2023年の実績はScope1で32.0 (tCO2)、Scope2で692.1 (tCO2)でした。

GHG排出量削減の目標達成に向け、オフィスのLED化や省エネ性能の高いパブリッククラウドの採用を進めています。今後は削減活動をより一層活発化させるよう努めていきます。

 

(5)人的資本に関する戦略及び具体的取り組み

①人材の育成、及び社内環境整備に関する方針、戦略

   ・挑戦・成長・自律する人財と組織を育てる

「次代の情報化社会の安全性と利便性を創出する」という『経営理念』の実現を支えるためには、人的資本の更なる拡充が必要であり、その中でも、当社のビジネス戦略に合致したプロフェッショナル人財の育成は不可欠です。将来に向けての、ビジネスや技術の潮流を踏まえ、「挑戦・成長・自律」する人財と組織を育てるため、これまでビジネスアイデアコンテストを実施するほか、クロスジョブ制度の導入などを行ってまいりました。今後は、ビジネスアイデアコンテストをインキュベーションまで見据え拡充するほか、キャリアプランの明確化、教育制度の充実化などの強化策を通じて、より多くのプロフェッショナル人財の育成に取り組んでいきます。

 

   ・長時間労働の削減

社員一人ひとりの「well-being」と当社の持続的な成長を目指し、健康経営に力を入れていますが、中でも長時間労働削減は、社員の心身の健康や安全、ワークライフバランスに直結すると考えています。これまでも、全社員がテレワークを実施できる環境を整備し、休暇取得の促進活動等の施策を行ってきました。今後は、業務の属人化の排除等による労働時間の平準化など、社員の生産性改善に取り組み、長時間労働の改善を促進します。

 

 

   ・多様で個性豊かな人財が集う、ワクワクする会社

性別、国籍、年齢、障がいの有無など、さまざまな属性の違いを活かし、付加価値を生み出すために、多様な価値観を持つ人財の採用を進めています。こうした多様性を持つ社員に適した職場環境や制度を整備することは、中長期的な成長に欠かせない取り組みです。

特に女性活躍推進には力を入れており、さまざまな施策を強化しています。具体的には、女性社員同士によるメンター制度「Intelligent Women's Wave」の継続的な活動に取り組んでいます。また、育児休業中の男女社員に向けて、オンライン懇親会を実施しました。職場環境の変化に関する情報の提供や、復帰に関する不安や疑問に応じ育児休業取得経験のある社員からアドバイスを提供するなどして、職場復帰をサポートしています。さらに、仕事と育児の両立を支援するために、配偶者が出産した際に使用できる3日間の特別休暇や、子どもが中学校就学の始期まで1日上限2時間の勤務時間短縮制度を設けています。また、乳幼児一時保育サービス費用補助制度を新たに設け、ベビーシッター等を利用した際の費用を補助し、支援しています。

 

②人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標及び目標

     <挑戦・成長・自律する人財と組織の育成>

2023年6月期においては、挑戦・成長・自律する人財と組織の育成については、課題整理の過程にあります。2024年6月期中に、挑戦・成長・自律する人財と組織の育成に関する戦略策定、指標及び目標の定めを進めていきます。

 

     <月平均残業時間>   

        2022年6月期:31時間15分

2023年6月期:27時間51分

 

     <女性管理職・女性高度専門職の合計人数>

    2022年6月期:11名

2023年6月期:11名

         (2025年6月期目標:23名)

 

   <管理職に占める女性労働者の割合>

    2022年6月期:8.0%

2023年6月期:11.0%

 

     <男性労働者の育児休業取得率>

    2022年6月期:64.0%

2023年6月期:81.8%

 

 

 

3 【事業等のリスク】

当社の事業に係るリスクとして、投資者の判断に影響を与える可能性のある事項は以下のとおりです。
 これらは、当社が推定したリスクのうち代表的なものを表示したものであり、実際に起こり得るリスクを網羅したものではありません。また、文中の将来に関する事項は、2023年6月期末現在において当社が判断したものです。

なお、各項目に分類される潜在的なリスク事案については、個別に取締役会及びリスク管理委員会において報告され、検討が加えられており、重大なリスクの具現を未然に防止する体制は確保されています。

 

1.業界の動向について

電子マネーの普及、ネットショッピングやモバイル端末によるクレジットカード決済の普及と拡大等の社会的な変化に伴って、クレジットカード会社以外の事業会社がカード決済業務に参入する事例もあり、当社にとっては新規の事業機会となりますが、当社の主要な事業領域であるクレジットカード業界は、メガバンクが主導する業界再編を経て、長期的には更なる業界再編等によって当社の市場は収縮する可能性があります。

業界再編によって当社の顧客が統合されることにより、当社の顧客数が減少し、長期的には、顧客からのシステム開発の発注が減少、当社の売上高が減少する可能性があります。反面、顧客の統合によってシステムが大型化することによって、顧客の発注の規模が拡大する可能性もあります。

また、当社の業績は、多くの部分がクレジットカード業界各社からの発注で成立っており、各社の業績の推移や法規制等による動向によっては、一時的に当社への発注が減少する等により、当社の業績が影響を受ける可能性があります。

 

2.システム開発について

当社はシステム開発業務の受注時点において、特に長期間に及ぶプロジェクトにおいては、工程を複数の期間に分割して段階的に契約を締結するほか、見積金額の精度向上及びリスク管理の徹底並びに開発手法の管理等によるプロジェクト管理体制を整備強化することにより不採算プロジェクトの発生をなくすよう日々研鑽を重ねています。

受注時点では利益が見込まれるプロジェクトであっても、諸要件の変更や当初の見積を超える作業工数の発生、または納期の遅延等の理由から不採算プロジェクトが発生する場合があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

受注の規模や業務の内容からより重要性の高いプロジェクトについては、当社の品質管理部門が状況の評価を継続的に行っており、その結果をリスク管理委員会に報告しているほか、当初の計画より採算が著しく悪化しているプロジェクトについては、取締役会において状況が報告され、改善の対策が討議検討されています。

一般に、システム開発業務においては、システムの企画、要件定義工程における仕様の曖昧さがその後の工程の混乱を招き、システムの品質の低下や開発作業の遅延等の結果を生じさせることがあり、受注額を超える費用が発生し、開発プロジェクトの採算が悪化する可能性があります。

開発工程の進行に伴って曖昧であった事項が確定したり、想定していなかった事項が発生したりして、後工程の前提条件に影響が生じ、開発費用が増加することがあります。

テスト工程において発見されたプログラムの瑕疵(バグ)等を修正しつつ、顧客と約束した納期を守るために見積を超える工数や人員の投入による経費が増加し、プロジェクトが不採算化する可能性があります。

受注額が相対的に大きいプロジェクトが不採算化した場合は、当社の利益予想に影響が生じる可能性があります。

また、システム開発の過程において、故意にまたは誤って第三者の知的財産権を侵害する等の事案が発生した場合は、第三者から損害賠償請求を受ける可能性がある等、業務の遂行と当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 3.人財確保について

当社の事業を推進するためには、専門的、技術的な能力や知見を有する人財の確保が重要であるため、採用活動や教育を通じて人財の確保に努め、また外部企業への委託も活用しています。しかし、こうした人財の確保が当社の計画どおり進まず、また、外部企業による協力を得られない場合には、当社の事業遂行や業績に影響を及ぼす可能性があります。より具体的には、人財の確保に問題が生じ、開発プロジェクトを推進する体制を構築できない場合は、計画どおりに開発案件を受注できない事態が生じ、結果的に売上高が減少する等の影響が及ぶ可能性があります。

また、固有の技術や知識を豊富に蓄えた技術者が大量に離職、退職する等により、従来どおりの体制で開発業務が行えない事態に至った場合は、当社の事業や業績に影響が及ぶ可能性があります。開発業務の成果物の品質が低下し、当社に対する顧客の長期的な信頼と評価が失われ、企業価値が減少する等の影響が生じる可能性があります。

 

4.労働環境について

当社の主な事業であるシステム開発業務は、業務の遂行と成果の品質について、社員の能力や専門性及び知見に少なからず依存する特性があり、前述のとおり、人財の確保は事業の継続性にとって、重要な課題のひとつです。

こうした認識に基づいて、当社は、社員の多様性に配慮しつつ、過重な労働を防止する取組みや職場の環境改善を不断に進めていますが、なんらかの事情で労働環境が悪化した場合、労働生産性の低下や人財の流出を通じて、業績が悪化する可能性があります。

人財が流出した結果、開発プロジェクトを推進する体制を構築できない等の問題が生じた場合は、受注高の減少や売上高が減少する等の影響が生じる可能性があります。より長期的には、開発業務の成果物やサービスの品質が低下することにより顧客の信頼が失われ、長期的に当社の企業価値が毀損する等の影響が生じる可能性があります。

当社は、従業員の安全衛生管理や超過勤務の削減等、労働環境の改善整備の状況について定期的にリスク管理委員会に報告し、個別の事案について検討を加えることで、重大なリスクの具現化を防いでいます。

 

5.クラウドサービス事業について

顧客の業務を担うために個別にシステムを開発して納入するのではなく、当社が用意したシステムやインフラ(ハードウェアやネットワークなど)を複数の顧客が利用することで、顧客が業務を運用することができる共同利用型のクラウドサービス事業は、顧客にサービスを提供するためのシステム開発や、インフラの整備等に係る初期投資が必要な事業であり、相対的に大規模な金額の投資が短期間に行われ、当社の業績や資金繰りが一時的に影響を受ける可能性があります。
 また、当社がシステムやインフラを運用するための費用は、顧客が当社に支払う月額のサービス利用料によって賄われ、事業の売上として計上されますが、顧客の数が少ない間は初期投資によって生じる減価償却費の負担等により、事業の単年度の損益は悪化する可能性があります。同様に、初期投資の回収は、サービスの開始後数年間かかることが予見できるため、顧客と複数年間のサービス提供契約を締結する等により、投資回収をより確実なものにするための施策を講じて運用を開始しますが、顧客の事情や不慮の事情等によりサービス提供が中断し、収益が途絶える可能性もあります。そのような場合、事業の損益が悪化するほか資金繰りも悪化する可能性があり、併せてクラウドサービス事業用資産の減損評価によって、業績が悪化する可能性があります。

また、当社が、顧客に代わってクラウドサービスのシステムを運用する場合、運用上の失敗が起きた場合には、顧客の業務に何らかの損害を与える可能性があり、その損害について顧客から賠償を請求される可能性があります。損害賠償の金額が大きい場合には、当社の業績に影響が及ぶほか、顧客の信頼を失うことで中期的に売上高が減少する等、業績に影響が生じる可能性があります。

 

6.価格競争について

 一般的に、システム開発業においては、顧客のシステム投資に対する慎重な姿勢と、受注獲得のための事業者間の競争によって、また、既存の技術を代替する効率的な新技術の台頭によって、従来どおりのシステム開発業務やサービスの提供価格を上昇させることは難しくなっています。

 当社は、特定の機能分野のシステム構築に強みを持っており、当社の専門的な知見と実績によって、多くの顧客から信頼と評価を得ています。取引が開始した顧客とは長期的に安定した関係を構築することができており、この事実は当社の事業基盤の重要な要素になっていますが、顧客にとって望ましい付加価値を提供し続けることができなければ、競合他社との価格競争に敗れ、受注高、売上高の減少につながる可能性があります。

 

7.技術革新について

当社は、主にクレジットカード業界を中心に、オンラインの取引を完遂するために必要なネットワークへの接続や、データの受渡し等、固有の技術や機能分野に知見を蓄積し、事業上の強みとしています。
 将来、いわゆる破壊的な技術革新によって、決済業務を支える社会インフラとしてのネットワークで利用される既存の技術体系が完全に置換えられる等の事態が惹起した場合は、当社の事業体系や業績に大きな影響が及ぶ可能性があります。この結果、当社が強みを持つFEPシステムの市場でシェアを喪失することになれば、長期的に当社の業績が悪化する等の悪影響が生じる可能性があります。  

 

8.製品開発について

当社は、顧客にとって最適なサービスやソリューションを提供するために、新製品や既存の製品の改良や機能強化等の研究開発を行っています。
 研究開発の開始に際しては必要経費や販売計画等を総合的に事業計画として検討したうえ決定していますが、こうした無形資産(販売用ソフトウェア)としての先行投資の回収可能性に疑義が生じた場合は、減損評価によって損失を計上する等当社の業績が影響を受ける可能性があります。 

 

9.社会インフラの大規模な損壊等の影響について

当社は、クレジットカード決済に不可欠な機能を提供するシステムの開発や運用を担っており、その社会的な使命を正しく認識し、業務を継続するために必要な設備や体制を整備しつつ業務を推進しています。

当社の事業所は、本社(東京都中央区)と函館事業所(函館市)にあり、全従業員と当社の開発プロジェクト等に従事する外部協力者が勤務しています。一部の従業員は、顧客の運営する事業所で勤務しています。

システム開発業務については、業務遂行において顧客から預かった情報やデータ、作業中または完成したプログラムデータ、テストツール等の情報資産についてバックアップ体制を保持運用することで、業務の継続性を確保しています。また、業務に従事する全員が在宅勤務を行えるよう、従業員と外部協力者を含む約700名が在宅勤務できる環境を整備し、各種保険によるリスク移転も図っています。

しかし、甚大な自然災害や新型コロナウイルス等感染症の流行が発生し、予想を超える社会インフラの大規模な損壊、停止、機能低下が発生し長期に及んだ場合は、営業活動と生産活動の停滞、情報資産の毀損によって、当社の業績が一時的に減少する可能性があります。また、各企業の設備投資が減退する等によって、より中長期的に当社の業績が減少する可能性があります。

システムの運用業務については、事業所が被災した場合を想定した代替策の確保や人員の確保と配置についての事業継続計画を策定していますが、大規模な災害等によって社員が事業所に到達できない場合、通信ネットワークの毀損等により、社員がシステムにアクセスできない場合には、一時的に運用業務が停止することで顧客の信頼を失い、中期的に業績に影響が生じる可能性があります。当社では、事業継続計画の定期的見直し及び訓練の実施、被災時の訓練、リモートワーク体制の構築等により、事業継続力を一層強化してまいります。

 

10.情報セキュリティについて

PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)とは、クレジットカード会員の情報を保護することを目的として定められた、クレジットカード業界の情報セキュリティ基準です。当社は、審査機関の審査を経てPCI DSS認証を取得しており、基準に準拠した業務運用を行っています。また、業務遂行の一環として当社が取り扱う個人情報や機密情報については、プライバシーマークの付与認定を得て、適正な管理と運営を行っていますが、こうした情報について紛失や漏えい等が発生した場合、顧客からの損害賠償請求や信頼失墜により、当社の業績が影響を受ける可能性があります。また、外部からのサイバー攻撃等により情報漏えいが発生した場合等、同様に顧客からの損害賠償や信頼失墜により、当社の事業と業績が影響を受ける可能性があります。

当社は、情報セキュリティの確保に係る業務上の基準や規程の体系を整備し運用しており、情報セキュリティ対策についての定期的な社員研修も実施しています。

セキュリティ委員会を設置して、社内のシステム、ネットワーク全般の情報セキュリティ対策の検討評価を行うほか、関係企業のセキュリティ対策について情報を集約し評価しています。より重要な事案や事象については、リスク管理委員会に報告し検討しています。このような取組みによって、情報セキュリティに係るリスクの未然防止に努めています。

 

11.法令、規制について

当社の事業遂行上の全ての局面において、国内外の法令や規制に違反する等の事案が発生した場合は、当社の事業と業績が影響を受ける可能性があります。当社の名声は失墜し、顧客の信頼を喪失することで、中長期的に売上高が減少する等の影響が生じる可能性があります。

当社は、社員が各種法制度に係る理解を深めリスクについての認識を高めることで、コンプライアンス違反を未然に防ぐことを目的として、定期的に社内研修を実施しており、全ての社員に受講を義務付けています。受講の実績を管理して徹底しています。業務運用管理委員会において研修内容について評価するほか、法制度の改正等についても業務に正しく反映されるよう管理しています。業務運用管理委員会で潜在的なコンプライアンスリスクの評価を行っており、発見した場合は速やかに対応策を導入し、リスク管理委員会に報告することとしています。

 

 12.投資有価証券等の評価損の計上

当社は、事業戦略上必要と判断された会社には投資を行いつつ、金融商品会計基準、また社内管理規程等に基づき決算期毎に投資に対する適切な評価を行っています。
 今後、一定の規模を超える投資を実行した会社の業績が悪化し、その純資産が著しく毀損、減少した場合には、評価損が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 

 

13. 国際情勢の影響について 

ウクライナをめぐる国際情勢は、社会情勢の不安定化、世界経済の減速、対ロシア制裁によるサプライチェーンの混乱のほか、予見困難なリスクも潜在しています。急激な円安の進行、原材料費、エネルギー費、輸送費等の高騰の影響、半導体等の部材の需給関係の乱れにより、ハードウェア、ソフトウェアの仕入価格高騰や納期遅延が当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

14. 気候変動への対応について 

気候変動への取組みは地球レベルでの社会課題となっており、製品・サービスの環境配慮につながる取組みが求められています。また、気候変動対応や環境政策に関する法規制、それらへの取組みの開示強化等社会全体から脱炭素への取組みに対する要求が加速しています。

エネルギー価格の上昇や省エネ・再エネ対応の追加設備投資、炭素税導入の影響により事業コストが増加する可能性があります。また、顧客からの要求や法規制への対応が十分に取れない場合、事業機会の損失が生じる可能性があります。

 

 

 15.親会社の影響力について

当社は、継続的な業績の向上を目的として、親会社である大日本印刷株式会社と業務上の協力関係を維持しつつ、独立した経営と業務を遂行しています。
 大日本印刷株式会社とは、定常的に一定規模の取引が発生しており、当社からみて大日本印刷株式会社は重要な顧客のひとつといえます。大日本印刷株式会社は、クレジットカードやプリペイドカードの印刷業務だけでなく、これらのカードの決済や運営業務を担うクラウドサービス事業を行っており、ネットワーク接続機能等、当社が得意な分野のシステムの一部の開発や運用を当社に委託しています。キャッシュレス社会の進展に伴って、この事業は規模を拡大していくことが予想され、当社と親会社との事業上の関係はより深くなる方向にあるといえます。金融業界向けの業務に限らず、サイバーセキュリティ対策の製品販売の分野においても当社と親会社とは協力関係にあり、この分野においても関係は深くなるものと思われます。
 大日本印刷株式会社は、こうした関係と影響力とを背景に、自らの利益にとって最善ながら他の株主にとってはそうはならない行動をとる可能性があります。 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

2023年6月期における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。また、文中の将来に関する事項は、2023年6月期末現在において当社が判断したものです。

 ① 経営成績の状況

事業年度における国内の経済状況は、3年間続いた新型コロナウイルス感染症による経済活動等への制約から正常化が徐々に進み、個人消費の持ち直しが顕著になってきました。国際間の移動が活発化する一方、ウクライナ情勢・ロシア紛争の長期化、世界的インフレ及び各国の金融引締め等により、取り巻く環境は国内外で不確実性が高まっています。

 当社の主要な事業領域であるクレジットカード業界においては、コロナ禍を経てクレジットカード、コード決済を中心にキャッシュレス決済が加速しており、民間消費支出に占めるキャッシュレス決済比率、キャッシュレス決済額はともに上昇し、市場の成長が続いています。経済産業省の算出によると2022年のキャッシュレス決済比率は前年の32.5%から36.0%と順調に伸び、その決済額は111兆円と初めて100兆円を超えました。

 また、不正検知のニーズが急速に高まっており、システム基盤はモダナイゼーションや費用対効果の向上のためにクラウド導入の動きが加速化、また業界を問わずセキュリティに対するIT投資意欲も高まっています。

 

こうした事業環境の中、当社は2025年6月期を最終年度とする3カ年中期事業計画を推進しています。事業構造の変革や事業領域の拡大による事業基盤の強化、拡大を進めるとともに、自らの持続的成長に向けて、人財基盤と共創基盤の確立に取り組んでいます。

事業基盤の強化、拡大においては、当社が強みを持つ決済業務に係るシステム開発を基礎として、クラウドサービスの成長によるストックビジネスの拡大と、決済データの利活用や顧客のIT戦略支援による決済事業領域の拡大、及び、決済・金融以外の産業の DX に貢献する IT 基盤の提供による事業領域の拡大を進めています。人財基盤については、人的資本経営推進室を新設し、事業戦略に合致した人財戦略を進め、共創基盤については、ビジネスリライアビリティプロジェクトやIWIらしい新しい働き方プロジェクト等を通して組織横断型、社員全員参加型の取組み、対話を深めています。

 

当事業年度の業績は、売上高13,374百万円(前期比16.4%増)、営業利益1,556百万円(前期比2.4%増)、経常利益1,603百万円(前期比3.0%増)、当期純利益1,165百万円(前期比10.4%増)となり、売上高、当期純利益ともに過去最高、営業利益は直近20年間での最高益を更新しました。

注力してきたストック売上は大幅に増加し、売上高に占めるストック比率はほぼ5割に高まり、その結果として総受注残高が10,974百万円(前期比14.8%増)と初めて100億円を突破、各月の売上高は安定的に10億円を計上できる体質に変革しました。

 

売上高は決済、金融におけるシステム開発、クラウドサービスが大幅に伸長、ハードウェア更改、セキュリティ関連も増加して大幅増収となり、4期連続で増収となりました。営業利益については、売上総利益が前期比15.4%増とほぼ目標どおり推移した一方、販売管理費はベースアップを含む人的資本投資、オフィス環境整備、IT投資等が計画外で増加しましたが、5期連続での増益を達成しました。当期純利益は賃上げ促進税制による税額控除が寄与し、前期比10.4%増加し、最高益を更新しました。

 

クラウドサービス事業については、売上高は1,867百万円(前期比59.2%増)となりました。受注実績については、当期も大型案件を複数受注し、受注高は4,421百万円(前期比27.7%増)、受注残高は6,695百万円(前期比61.6%増)となりました。クレジットカード会社だけでなく、新規にカード事業や決済事業を起ち上げる事業会社にとって当社のクラウドサービスは有力な選択肢の一つになっており、これらの受注が当事業年度から売上に大きく寄与しています。2024年6月期は売上高25億円、2025年6月期は売上高30億円以上を計画しています。

特に不正検知のクラウドサービス「IFINDS」は、AIスコアリングによる不正検知やイシュア間の不正検知情報共有サービスを追加し、顧客数が順調に増えて利益率も向上しました。また、業界横断の共同利用型プラットフォーム開発を始めており、これからもトップベンダーとして、不正利用防止策の進化を目指しています。

ネットワーク接続スイッチングサービス「IGATES」は大規模の業界横断の共同利用型プラットフォーム開発を受注し、総受注残高に寄与しています。

 

当社は、決済領域では主にクレジットカード会社のFEP(Front End Processing)システム※や不正検知システムの開発を行っています。システムの中核は「NET+1(ネットプラスワン)」「ACEPlus(エースプラス)」等の自社製品で構成しており、例えば、FEPシステムの開発では、自社製品販売と、顧客の機能要件に合わせてカスタマイズするシステム開発、開発したソフトウェアを搭載するハードウェア販売の売上がそれぞれ計上されます。

また、セキュリティ領域では、企業組織の内部情報漏えいを防ぐ自社製品と、サイバーセキュリティ対策のための他社製品の開発・販売を行っています。

 

※FEPシステム:クレジットカード決済処理に必要なネットワーク接続やカード使用認証等の機能をもつハードウェア、及びソフトウェア

 

 ② 財政状態の状況

当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末に比べ942百万円増加し、13,683百万円となりました。うち流動資産は、前事業年度末に比べ410百万円減少し、7,863百万円となりました。これは主に、現金及び預金が761百万円増加したものの、受取手形、売掛金及び契約資産740百万円及び有価証券300百万円の減少があったためです。固定資産は、前事業年度末に比べ1,353百万円増加し、5,820百万円となりました。これは主に、ソフトウェア700百万円及び投資有価証券263百万円、工具、器具及び備品214百万円の増加があったためです。

負債の残高は、前事業年度末に比べ182百万円増加し、4,883百万円となりました。これは主に、買掛金が467百万円減少したものの、前受金439百万円及び退職給付引当金53百万円の増加があったためです。

純資産の残高は、前事業年度末に比べ760百万円増加し、8,799百万円となりました。これは主に、利益剰余金718百万円の増加によるものです。

 

 ③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は、4,694百万円となり、前事業年度末に比べて、761百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、3,122百万円の収入(前事業年度比110.1%増)となりました。これは主に、税引前当期純利益が1,603百万円あったこと、非資金項目として減価償却費970百万円を計上したこと等によるものです。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは1,913百万円の支出(前事業年度は1,516百万円の支出)となりました。これは主に、販売目的及び自社利用のソフトウェアの構築を主とする無形固定資産の取得による支出1,415百万円があったためです。 

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、448百万円の支出(前事業年度は350百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額446百万円があったためです。 

 

キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。

 

 

2022年6月

2023年6月

自己資本比率(%)

63.1

64.3

時価ベースの自己資本比率(%)

161.9

147.1

債務償還年数(年)

0.0

0.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

 

(注)1 自己資本比率:自己資本/総資産

  2 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

    株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。

3 債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー 

有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としています。

  4 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

 

 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

の主要な資金需要は、システム開発に係る人件費や商品の仕入、販売管理費などの営業費用、新製品開発を行う研究開発、設備の新設や改修等に係る投資等です。これらの資金需要は、手許の資金と営業活動によるキャッシュ・フローを財源とすることを基本方針としています。なお、必要と判断した場合には金融機関等外部からの資金調達も検討します。また、取引金融機関4行及び生命保険会社1社と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、機動的かつ安定的な資金調達体制を構築し、資金の流動性を確保しています。

 

 ④ 生産、受注及び販売の実績

 a.生産実績

前事業年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

当事業年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

生産高(千円)

前年同期比(%)

4,681,046

5,151,809

110.1

 

(注)1 生産実績は、販売価格により表示しています。

2 前事業年度の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しています。比較対象となる会計処理方法が異なるため、前事業年度については増減率を記載していません。

 

  b.仕入実績

前事業年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

当事業年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

1,703,697

1,749,724

102.7

 

(注)1 当社の仕入はソフトウェア及びサービスであり、数量表示は困難ですので、金額のみで表示しています。

2 前事業年度の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しています。比較対象となる会計処理方法が異なるため、前事業年度については増減率を記載していません。

 

 c.受注実績

前事業年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

当事業年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

受注高
(千円)

 

受注残高
(千円)

 

受注高
(千円)

 

受注残高
(千円)

 

前年同期比
(%)

前年同期比
(%)

前年同期比
(%)

前年同期比
(%)

15,722,870

9,563,740

14,785,799

94.0

10,974,602

114.8

 

(注) 前事業年度の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しています。比較対象となる会計処理方法が異なるため、前事業年度については増減率を記載していません。

 

 d販売実績

前事業年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

当事業年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

11,493,480

13,374,937

116.4

 

(注)1 当社の製品は多岐にわたっており、数量表示は困難ですので、金額のみで表示しています。

2 前事業年度の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しています。比較対象となる会計処理方法が異なるため、前事業年度については増減率を記載していません。

3 主な相手先別の販売実績が当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

 

相手先

前事業年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

当事業年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

TIS㈱

891,028

7.8

1,658,155

12.4

大日本印刷㈱

1,204,806

10.5

1,303,456

9.7

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①経営成績について

 1)経営成績の推移    

                                   (単位:百万円)

 

2019年6月

2020年6月

2021年6月

2022年6月

2023年6月

売上高

10,443

10,920

11,187

11,493

13,374

営業利益

921

1,036

1,130

1,519

1,556

営業利益率

8.8%

9.5%

10.1%

13.2%

11.6%

EBITDA*

1,628

1,641

1,881

2,349

2,526

当期純利益

683

762

840

1,055

1,165

純資産額

6,372

6,983

7,567

8,039

8,799

総資産額

10,032

10,552

11,140

12,740

13,683

ROE

11.3%

11.4%

11.6%

13.5%

13.8%

従業員数(人)

413

435

441

449

476

 

*EBITDA=営業利益+減価償却費

 

当社は、これまで、事業規模の拡大と事業モデルの変化を重要な要素として、会社と事業の“進化”を追求してきました。

クレジットカード会社向けに特定の機能を提供するシステム開発を主な事業として、安定的な事業基盤を維持してきましたが、決済手段の多様化やキャッシュレス社会の進展という社会情勢の変化を成長機会として、既存のシステム開発事業を伸ばすだけでなく、新たな収益機会の獲得に取り組んでいます。

 

2019年6月期から3年間の年平均成長率は、売上高が3.5%、営業利益が10.8%の実績でした。2022年6月期から2024年6月期までの3カ年中期事業計画においては、売上高12.8%、営業利益18.1%の年平均成長率を目標にして、進化の速度を上げていきます。2024年6月期には、売上高150億円、営業利益率15.0%を目標とする、“15ALL(フィフティーンオール)”を掲げています。当社が強みを持つ決済業務に係るシステム開発を基礎として、クラウドサービスの成長や決済事業領域の拡大、また決済・金融の開発業務で培った知識と経験を活用した新市場の開拓にも挑戦し、規模拡大を目指します。

 

事業モデルの変化の一つに、ストックビジネスの拡大があります。当社の主要な収益源であるシステム開発業務は、契約の規模や成立時期が定常的ではないため「フロー型」の収益形態に分類されますが、一定規模の売上を継続的に計上できる業務は「ストック型」に分類しています。

2016年6月期から開始したクラウドサービス事業は「ストック型」であり、従来、顧客ごとに開発し納入していたクレジットカード関連の業務システムを、当社が運営するデータセンターから期間貸しすることにより、当社は、同一の顧客から安定的に収益をあげることができるようになりました。一方で顧客は、当社のサービスを利用することで、多額の初期投資を回避してカード業務を開始することができるため、新規にカード事業や決済事業を起ち上げる事業会社にとって有力な選択肢の一つになっています。クラウドサービス事業は、2022年6月期以降、受注の拡大が続いており、今後、当社の成長を牽引する事業として期待しています。

 

(注) 文中の将来に関する事項は、2023年6月期末現在において当社が判断したものです。

 

2)クラウドサービス事業の推移

                                      (単位:百万円)

 

2019年6月

2020年6月

2021年6月

2022年6月

2023年6月

2024年6月

(計画)

2025年6月

(計画)

売上高

637

828

942

1,173

1,867

2,500

3,000

売上総利益

△105

△24

△81

120

140

 

 

②キャッシュ・フローについて

 1)キャッシュ・フローの推移

                                    (単位:百万円)

 

2019年6月

2020年6月

2021年6月

2022年6月

2023年6月

営業CF

1,237

1,547

1,700

1,486

3,122

投資CF

△601

△752

△742

△1,516

△1,913

財務CF

△219

△407

△292

△350

△448

現金同等物

3,254

3,641

4,307

3,932

4,694

EBITDA

1,628

1,641

1,881

2,349

2,526

 

 

キャッシュ創出力を示す指標であるEBITDAは着実に成長しています。当社は、事業活動から産み出されるキャッシュと手元資金を原資として、成長投資を行います。投資案件によっては外部からの資金調達を行う可能性もありますが、その場合も案件の収益性と財務の健全性を考慮して検討します。

2023年6月期には、主にクラウドサービス事業の顧客数増加に必要な設備投資、開発投資を行いました。クラウドサービス事業は、今後収益性の改善が見込まれ、当社にとって新たな収益源として期待されます。

今後は、新規事業に対する投資も積極的に行い、クラウドサービス事業に続く新しい収益源として成長させる方針です。

 

③株主還元について

 1)配当金の推移

                                     (単位:百万円)

 

2019年6月

2020年6月

2021年6月

2022年6月

2023年6月

配当金

237

262

341

446

525

配当性向

34.6%

34.5%

40.6%

42.3%

45.1%

 

 

当社は、株主の皆様に対する利益還元を重要な経営課題と位置付け、経営基盤強化のための内部留保に留意しながら、安定的な配当を維持することを基本方針としています。2024年6月期からは配当性向を4割程度から5割程度へと方針変更し、株主還元をより充実させていきます。

 

④経営指標について

当社は、継続的な収益力の向上の指標として営業利益率を主要な経営指標としています。営業利益率の向上は、当社のROE(株主資本利益率)の向上に繋がるものと考えられます。経営指標の推移については以下のとおりです。

 

 1)経営指標の推移

                                     (単位:百万円)

 

2019年6月

2020年6月

2021年6月

2022年6月

2023年6月

営業利益

921

1,036

1,130

1,519

1,556

利益率(営業利益)

8.8%

9.5%

10.1%

13.2%

11.6%

ROE

11.3%

11.4%

11.6%

13.5%

13.8%

総資産回転率 (売上高/総資産)

1.11

1.06

1.03

0.96

1.01

利益率(純利益)

6.6%

7.0%

7.5%

9.2%

8.7%

財務レバレッジ(総資産/純資産)

1.56

1.54

1.49

1.53

1.57

一人あたり売上高

25.3

25.1

25.4

25.5

28.0

 

 

                                     (単位:百万円)

 

2019年6月

2020年6月

2021年6月

2022年6月

2023年6月

総資産額

10,032

10,552

11,140

12,740

13,683

うち流動資産額

6,054

6,381

6,975

8,274

7,863

うち無形固定資産額

1,341

1,465

1,317

2,049

2,738

 

 

 

 

2)ROEについて

売上高の増加に合わせて資産も増加していますが、直近3年間の総資産回転率は、0.96から1.11の範囲で推移しました。総資産のうち無形固定資産は、当社製のソフトウェア(販売用のソフトウェアやクラウドサービスに提供されるソフトウェア)が大部分を占めています。この知的資産を有効に活用し、売上高の増加を促進することで、総資産回転率は改善の余地があるものとみています。

 

営業利益率の向上は、システム開発業務の効率化や成果物の品質を上げることによって実現されるほか、システム開発業務の収益性を超える事業の売上高比率を増やすことによっても実現されます。当社事業の場合、営業利益率の向上は純利益率の向上に直結します。

従業員一人あたり売上高の増加は、売上高の成長の効率性を示す指標と考えられます。より長期的には、一人あたり売上高の増加に伴う効率的な売上高の増加によって、規模的な成長とともに収益性も高めることができ、営業利益率を向上させることと期待します。

 

また、当社の株主資本コストは7.7%と見積もっています。資本コストを上回るROEを追求することで、当社の株主価値の向上を目指します。

 

 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しています。

 財務諸表の作成に際し、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。

 

  財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。

 

(a) 市場販売目的のソフトウェアの減価償却の方法

  市場販売目的のソフトウェアの減価償却費については、製品ごとに未償却残高を、見込販売収益を基礎として当事業年度の実績販売収益に対して計算した金額と残存有効期間(3年)に基づく定額償却額のいずれか大きい金額で償却を行うものとしています。今後、見込販売収益が減少した場合、減価償却費が増加する可能性があります。

 

  (b) 固定資産の減損判定

固定資産については、当事業年度末に、有形固定資産及び無形固定資産が減損している可能性を示す兆候の有無を判断しています。減損の兆候がある資産又は資産グループについて、サービスの提供に用いるソフトウェアや資産計上したサーバ等の当該資産から得られる割引前キャッシュフローの総額が、事業環境の悪化や開発コストの増加等により帳簿価額を下回る場合には、固定資産の減損処理を実施する可能性があります。

 

  (c) 繰延税金資産の回収可能性の判断

繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上していますが、繰延税金資産は将来の課税所得の見積りに依存するため、将来の不確実な経済条件の変動等や税制改正による法定実効税率等の変化があった場合には、繰延税金資産の回収可能性が変動する場合があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社は、市場及び技術環境の変化を捉え、付加価値の高い有用な製品を提供するために、常に新技術の研究及び開発に注力しています。

当事業年度における研究開発活動の総額は、35,450千円となりました。

主な内容としては、ハイパフォーマンスコンピューティング・分散処理に関する新たなコア技術獲得に向けた調査や、クラウド鍵管理サービスのプロトタイプ開発等を行いました。