文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略
ドラッグストア業界をめぐる環境は近年めまぐるしく変化しており、少子高齢化の進展や医療費抑制などの動きは、消費者に否応なくセルフメディケーションを迫っております。こうしたなかで、当社グループは設立以来一貫して社訓の冒頭に次の理念を掲げております。
「クスリのアオキは、健康と美と衛生を通じて、社会から期待される企業作りを目指します。」
これは当社グループの経営基本方針の根幹をなす考え方でもあります。
このような基本理念のもと、当社グループは地域のお客様の美や健康づくりのために、他社が真似のできないスキルやノウハウをもったサービスを日常的に提供し、多様化する消費者の要望や欲求に的確に応えることによって、ドラッグストアに対するお客様の支持向上を目指し、積極的に活動する方針であります。
経営戦略といたしましては、当社グループはお客様の視点に立った店舗開発や売場づくりを進めながら、北信越地区のドミナントを深耕し、東北地区、関東地区、東海地区並びに関西地区等の新規エリアへの進出を含めて、ドミナントエリアを拡大して行きます。また、ドラッグストアに調剤薬局を併設して、地域の「かかりつけ薬局」を目指していきます。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、「2022年5月期を初年度とし、2026年5月期売上高5,000億円を達成する」という第三次中期経営計画(Vision2026)を策定いたしました。今後も売上高並びに利益確保を念頭に、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、目標の達成に向けて邁進してまいります。
(3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①ドラッグストア業界の競争激化
ドラッグストア業界は厳しい出店競争や価格競争、M&Aによる業界再編に加え、他業種の参入によって競争環境が激化しており、今後、中長期的な企業価値向上を図り、持続的な成長を実現させるためには、経営における迅速な意思決定やM&A等を活用した事業規模の拡大を実現できる組織体制が求められています。
当社は、2016年11月21日付でクスリのアオキの持株会社に移行し、クスリのアオキを含むグループ全体の経営戦略機能や経営管理機能を発揮できるよう組織体制の整備を図っております。
さらに、経営の意思決定機能と業務執行機能を分社化し、コーポレート・ガバナンスの強化・充実に努めております。
また、店舗開発力を強化し、今後さらに多店舗出店を進めても店舗オペレーションの生産性が維持、向上できるように、人材の確保と育成を行ってまいります。その上、店舗オペレーションの生産性向上を支えるために、各種の業務システムの整備を推進して、顧客満足を実現できる適正な売場面積や品揃えは何か、常に仮説を立案して、検証、修正及び実施というマネジメントサイクルを確立し運用すると同時に財務体質の強化を図っていく所存であります。
②薬剤師の確保及び登録販売者の養成
当社グループは医薬品の販売を行っており、調剤薬局を併設したドラッグストアの出店により、地域に密着した「かかりつけ薬局」を目指しているため、薬剤師の確保は重要な課題と認識しております。また、2009年6月の薬事法の改正に伴い、登録販売者の養成も重要な課題となっております。
これらの課題に対処するため、薬剤師の確保につきましては、薬学部在籍者に対し、社内外での会社説明会や店舗見学を実施するなど、幅広くリクルート活動を行っており、中途採用につきましても人材斡旋業者に仲介を依頼するほかに、ウェブサイトや販促用チラシに募集広告を掲載するなど、積極的な採用活動を行っております。
また、登録販売者の養成につきましては、eラーニングや、社内研修等の教育体系を構築して、全社的に取り組んでおります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティの基本方針
当社グループは、「健康と美と衛生」を通じて地域のお客様の「便利な暮らし」と「笑顔に繋がる健康」を支え、地域社会の持続可能な発展に貢献するとともに、従業員にとっても働きやすい企業を目指すことを基本方針としております。
(2)サステナビリティにおける3つの使命
①地域のお客様の生活の質の向上を目的として、地域のニーズに応じた品揃え及びお買い得感のある価格を追求し続けるとともに調剤薬局の併設を推進する。
②持続可能な地域社会づくりへの貢献を目的として、地域社会との繋がりを根ざすための活動や環境に配慮した取り組みをする。
③従業員にとって働きやすい環境をつくることを目的として、労働条件の整備及びキャリアアップを通じた自己成長の実現をする。
(3)サステナビリティに対する具体的な取組
2026年5月期売上高5,000億円達成を目指す第三次中期経営計画(Vision2026)の中で、達成年度にありたい姿として『クスリのアオキによって、その町で暮らす人々の暮らしが豊かに便利になり、健康に暮らして笑顔になっていく。そのような地域の暮らしを支えるドラッグストア』を掲げております。そのため、下記の3つの重点施策に取り組んでおります。
①フード&ドラッグへの転換
地域の皆様の利便性向上を目的として、生鮮食品を含む食品の取り扱いを拡大しワンストップショッピングによるショートタイムショッピングを実現させる。
②調剤併設率70%
セルフメディケーション時代の中で、調剤併設率を向上して、専門知識を持った薬剤師が地域の皆様の日々の予防や簡単な疾病の治療からOTC医薬品や健康食品、サプリメントの提供等、健康に関わる全般的なサポートを実現させる。
③ドミナント化への移行
少子高齢化や共働き世帯の増加等を背景に、一定地域に多店舗展開を図ることで、近くて便利なドラッグストア、かかりつけ薬局をつくり、地域の皆様に十分なサービスを提供し、利便性の向上を実現させる。
この3つの重点施策に取り組むことにより、地域社会の持続可能な発展に貢献していきます。
(4)ガバナンス
当社グループは、コンプライアンス、環境、災害、品質及び情報セキュリティ等、企業価値向上及びサステナビリティに影響するリスクの管理が重要であるという認識のもと、取締役会がリスク管理を監督する責任を持ちます。
そのため当社グループは、これらのリスクの発生及び取締役会が把握していない新たなリスクが発生した場合、取締役会に対して速やかに報告するための「危機管理委員会」を常設機関として設置しております。
(5)戦略(人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針)
当社グループでは『地域のお客様の「便利な暮らし」と「笑顔に繋がる健康」を支える人財を育成する』ことを人財育成方針とし、このありたい姿の実現に向け、各階層に必要な知識やスキルを取得するために、階層別研修や社内マニュアルのテスト等を通して、従業員一人ひとりの習得度や習熟度を確認しております。教育で得た知識やスキルを「見える化」し、従業員一人ひとりの補完すべき知識やスキルに対し、知識のアップデートやリスキリングを進めております。企業の競争力を維持する上で、知識のアップデートやリスキリングは大変重要であると考えております。従業員をコストでなく資本として捉え、積極的に人財に投資して企業価値を高めていきます。
また、中長期的、継続的に必要な能力や経験を持つ人財を確保するための人財育成のプログラムとして、2018年5月期よりCDP(キャリア・ディベロップメント・プログラム)を導入し、個々の従業員のキャリア形成を中長期的な視点で支援しております。「採用」「教育」「評価」「配置」をキャリア全体の構成する要素として捉え、全体の中で必要な時期に能力開発を行い、個人の希望や適性を考慮しながら、育成的な人事異動やOJT、社外での自己啓発も含めた多様な実践と組み合わせて、総合的に能力・職務開発を進めていきます。
その他、ドラッグストア業界の競争が激化する中で、他社との差別化を図るため、従業員一人ひとりの自律的なキャリア形成を促進しております。2018年5月期には、従来の属人的な給与体系を廃し、従業員が担う職務に対する期待と役割を基準とする職務給の要素が強い賃金制度を導入しました。また、勤務する地域を限定できるエリア区分選択制の導入や性別や年齢、国籍に関係なく、従業員が自ら働き方を選び、能力や成果を重視した処遇や評価によって、従業員のライフスタイルの多様化を踏まえた公平性・納得性のある人事制度に見直しました。今後も、経営理念の実現に向けて、全従業員が活躍できる雇用環境の整備を進めていきます。
<医薬品登録販売者及び生鮮業務習得者の養成>
当社グループは、地域のお客様の「笑顔に繋がる健康」を支えるため、1985年の設立以来一貫して、お客様の「健康と美と衛生」に適切なアドバイスができる企業づくりを目指し、2009年からは登録販売者の専門知識やスキルの向上に日々努力してまいりました。
登録販売者の養成につきましては、eラーニングや社内研修等の教育体系を構築して、全社的に取り組んでおります。登録販売者一人ひとりが、セルフメディケーション支援者として適正な情報提供、相談応需できるようにOTC医薬品の最新情報を研修で学び、専門知識やスキルの習得を進めております。また、お客様の健康に対するお悩みに適切なアドバイスをするために、デジタルツールを導入し活用しております。併せて、定期的に医薬品の接客応対調査をおこない、学んだことが実践されているかを確認し、知識のアップデートやリスキリングを行い、専門知識やスキルの習熟度を高めております。
また、当社グループは、第三次中期経営計画(Vision2026)において、重点施策の一つに「フード&ドラッグへの転換」を掲げ、目標達成のために、生鮮事業の拡大に取り組んでおります。ドラッグストアでありながら食品を豊富に取り扱うスタイルは、他社に先駆けて当社グループが早期より導入しており、当社グループの競争優位性となる取り組みです。地域のお客様に新鮮かつお手頃な価格で生鮮食品をご提供するために、生鮮の知識とスキルを有した専門部署が中心となり、生鮮食品の取り扱い店舗の従業員一人ひとりに生鮮知識やスキルの習得を進めております。また、デジタルツールやカメラ等のインフラ設備の活用と合わせ、専門部署が定期的に現場確認を行い、学んだことが実践されているかを確認し、知識のアップデートやリスキリングを行い、生鮮知識やスキルの習熟度を高めております。
2023年5月期より新たに、生鮮業務を担当職務とする従業員を対象とした、職務要件とキャリアプランを導入しましたので、分析・検証を行いながら、引き続き、社内環境の整備を進めていきます。
<かかりつけ薬局を目指した薬剤師の養成>
地域のお客様の健康をサポートするドラッグストアに調剤機能は不可欠です。薬剤師によるセルフメディケーションのサポートや在宅患者様への訪問指導、介護のアドバイス等を行い、地域のお客様の健康を支える「かかりつけ薬局」を目指し、薬剤師の専門知識やスキルの向上に日々努めております。薬剤師の養成につきましては、eラーニングや社内研修等の教育体系を構築して、全社的に取り組んでおります。薬剤師一人ひとりが、専門医師による充実したコンテンツによる学習と疾病の治療・予防に活かすコミュニケーション・スキルを研修で学び、専門知識やスキルの習得を進めております。また、デジタルツールやカメラ等のインフラ設備の活用と合わせ、専門部署より定期的に現場確認を行い、学んだことが実践されているかを確認し、知識のアップデートやリスキリングを行い、専門知識やスキルの習熟度を高めております。
また、当社グループは、第三次中期経営計画(Vision2026)において、重点施策の一つに「調剤併設率70%」を掲げており、この目標達成のためには、人財の確保が必要不可欠と考えております。優秀な人財の流出防止のため、柔軟な働き方が可能な雇用環境の整備を進めております。
具体的には、2023年5月期より、薬剤師一般社員を対象に、転勤可能範囲に応じたエリア区分選択制、早番固定(育児又は介護を理由に就業時間に制限を設ける働き方)選択制等を導入しました。なお、当該制度の導入は、薬剤師中途社員の採用にも繋がると考えております。
(6)リスク管理
<当社グループのリスク管理全般>
当社グループは、「内部統制システム構築の基本方針」に則って、内部統制推進室が会社のリスクの識別、評価及び必要とされる対応策の提案を行っております。また、「リスク管理規程」に則って、危機管理委員会がサステナビリティ及び企業価値向上に関連するリスク発生について取締役会に報告し、取締役会において責任者を選任することにより、リスクに対して迅速かつ適切に対応する体制を構築しております。
<当社グループの気候変動関連リスク>
当社グループは、気候変動による問題に対処するために、サステナビリティの重要性を認識し、次の取り組みを行っております。まず、店舗設備の省電力化に取り組んでおります。具体的には、店舗照明をLED化することで、電力使用の効率化と削減を実現しております。さらに、空調機器や冷蔵冷凍機器についても、高効率なタイプへの切り替えを進めております。これにより、店舗内の冷暖房や冷蔵・冷凍設備の運転に伴う電力消費を削減することができます。
また、再生可能なクリーンエネルギーの活用にも力を入れております。具体的には、店舗に太陽光発電システムを導入することで、店舗内で使用される電力の一部を自家発電し、温室効果ガスの排出削減に貢献しております。
この取り組みは、使用電力の効率化・削減とともに、再生可能エネルギー導入による環境負荷の軽減に繋がりますので、定期的な評価と改善を行い、環境への配慮をさらに進めていきます。
(7)指標及び目標
<指導監督的立場にある女性管理者比率の向上>
全従業員が活躍できる雇用環境として、2018年5月期に従業員の自律的なキャリア形成や柔軟な働き方が可能となる諸制度を整備した結果、2023年5月期における指導監督的立場にある女性管理者比率(管理職ならびに店長・薬局長を含み、担当部内・店舗等の従業員を指導管理する役割を担っている立場にある者)は、グループ全体(※)で24.7%となりました。2030年5月期には、当該比率を25%以上とすることを目標に、引き続き、雇用環境の整備を進めていきます。
※連結子会社3社(㈱クスリのアオキ、㈱ナルックス、㈱フクヤ)の合計数値です。
当社グループは、様々なリスクに対して、事前に適正な対応策を検討・準備し、リスク回避のための組織的な対応をとっております。当社グループは、リスク管理体制の重要性を認識しており、その基礎として「リスク管理規程」を定め、代表取締役社長が委員長である危機管理委員会において、コンプライアンス、環境、災害、品質及び情報セキュリティ等に係るリスク発生時における迅速に対応可能な体制を整えております。また、対応策が検討されていない新たなリスクが生じ、そのリスクの影響が重大である場合にも、速やかに取締役会に報告し、取締役会において責任者を選任することにより、新たなリスクに対して迅速かつ適切に対応可能です。
当社グループの事業等に係るリスクとして、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載は当社グループの事業等及び当社株式への投資に係るリスクをすべて網羅するものではありません。
(1)法的規制について
① 「医薬品、医療機器の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下「医薬品医療機器等法」といいます。)等による規制について
当社グループは、「医薬品医療機器等法」で定義する医薬品等を販売するにあたり、各都道府県の許可、登録、指定、免許及び届出を必要としております。また、食品、たばこ、酒類等を販売するにあたり、食品衛生法等それぞれ関係法令に基づき、所轄官公庁の許可・免許・登録等を必要としております。今後当該法令等の改正により、当社グループの出店及び商品政策は影響を受ける可能性があります。
② 薬価基準の改正及び調剤報酬の改定について
当社グループの調剤売上は、健康保険法に定められた薬価基準に基づく薬剤収入と、同法に定められた調剤報酬点数に基づく調剤技術に係る収入との合計額であります。薬剤収入については、薬価基準の改正によって薬価基準が引き下げられる一方、各医薬品卸売業者との価格交渉により、仕入価格が同程度引き下げられなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、調剤報酬の改定によって調剤報酬点数の引下げ等があった場合にも当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
③ 有資格者の確保について
医薬品医療機器等法により、医薬品販売業務や調剤業務は、医薬品の分類に基づき、薬剤師や登録販売者(2009年6月の旧薬事法の改正により新設)の配置が義務づけられており、薬剤師や登録販売者の確保は重要な課題であると認識しております。そのため当社グループは、積極的な採用活動を繰り広げるとともに、登録販売者の育成に努力しておりますが、薬剤師や登録販売者が十分確保できない場合には、当社グループの出店政策に影響を及ぼす可能性があります。
④ 医薬品の販売規制緩和について
当社グループは、医薬品販売業許可及び薬局開設許可等の許可を受けて営業しております。2009年6月の旧薬事法の改正に伴い、リスクの低い医薬品については新設の登録販売者が販売可能となったことや、2014年6月の旧薬事法の改正に伴い、インターネット販売が解禁になったことにより、他業種が医薬品販売に参入する障壁が低くなっております。今後医薬品の販売規制がさらに緩和され、一般小売店における販売の自由化が進展した場合や他業種との競争が激化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 出店に関する規制について
当社グループはドラッグストア及び調剤薬局の多店舗展開を行っておりますが、売場面積が1,000㎡超の店舗を新規出店する場合及び増床により売場面積が1,000㎡超の店舗となる場合において、「大規模小売店舗立地法」の規定に基づき、騒音やゴミ処理法等、出店近隣住民の生活を守る立場から、都道府県又は政令指定都市から一定の審査を受けます。当社グループは地域住民や自治体との調整を図りながら、「大規模小売店舗立地法」を遵守していきますが、この審査の進捗状況によっては、新規出店や増床計画の遅延及び変更が生じ、当社グループの出店政策に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業展開について
① 出店政策について
当社グループは、2023年5月20日現在、北陸を地盤に東北、関東から東海近畿に及ぶ23府県においてドラッグストア896店舗(内調剤併設店526店舗)、調剤専門薬局6店舗、スーパーマーケット1店舗を経営しております。今後も北信越5県での新規出店とともに、新しい商圏である東北、関東、東海、関西等に新規での出店を進めて行く予定でありますが、物件確保の状況により、当社グループの出店政策が影響を受ける可能性があります。
また、新しい商圏における出店では一定のドミナントが形成されるまで、ドミナント戦略(店舗間の距離を近づけることでお客様の認知度を高め、広告宣伝費等のコストを低く抑える戦略)のメリットを享受することができません。したがって、物件確保の状況や同業他社との出店競争等により、ドミナントの形成までに時間を要する場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 医薬分業率の動向について
医薬分業制度は、医療の質的な向上を図るために国の政策として推進されてきております。しかしながら、当社グループが調剤薬局を展開している北陸3県は、全国平均と比較して医薬分業率の進行度が低いという状況にあり、今後の医薬分業率の進行状況は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 個人情報の保護について
当社グループは、メンバーズカードシステムの運用に伴う顧客情報、調剤薬局における顧客の薬歴等、多くの個人情報を有しております。情報管理については、社内規程を定めるなど十分に注意して漏洩防止に努めておりますが、万一個人情報が漏洩した場合には、社会的信用の失墜や訴訟の提起による損害賠償、「個人情報の保護に関する法律」に基づく行政処分等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 調剤過誤について
当社グループは、薬剤師の調剤技術や薬剤知識の向上に取り組んでおり、調剤過誤防止のために調剤室の環境整備や調剤業務の運用において細心の注意を払っております。薬剤交付前には最終鑑査を行い、複数の薬剤師が配置されている薬局では相互チェックを行う等、鑑査体制の充実を図っております。また、万一の場合に備えて、全調剤薬局において「薬剤師賠償保険」に加入しております。しかしながら、将来において調剤過誤による訴訟を受けるようなことがあった場合は、社会的信用の失墜や多額の損害賠償金額の支払等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 食品の安全性について
当社グループは、日配食品、生鮮食品等の食品を販売しております。安心・安全な食品を提供するため、鮮度管理、温度管理等に関するマニュアルの整備と適正な運用に努めております。しかしながら、万一、食中毒や社会全般にわたる一般的な衛生問題等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 自然災害について
当社グループは、自然災害に対する備えとして災害マニュアルを作成し、従業員等への教育を行い、被害を最小限に抑える体制の構築に努めております。しかしながら、当社グループの店舗等の所在地域において、想定外の大規模な地震や台風等の自然災害が発生し、店舗等設備の物理的損害、物流網の障害、情報システムの障害及び従業員の人的被害等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績
当連結会計年度(2022年5月21日~2023年5月20日)のわが国の経済情勢は、新型コロナウイルスの感染が再拡大しておりましたが、年明け以降は感染者数が減少し、3月13日以降はマスクの着用が個人の判断になり、5月8日には新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが「5類」へ移行し、経済社会活動の正常化に向けた動きが着実に進行しています。一方で、ウクライナ情勢の長期化等に伴う原材料価格やエネルギー価格の高騰、急激な為替相場の変動など、依然として先行き不透明な状況は継続すると想定されます。
ドラッグストア業界におきましては、物価上昇やコロナ禍による需要動向の変化に加え、異業種を含む競合他社との熾烈な出店競争や価格競争、さらには業界上位企業による経営統合やM&Aによる規模拡大等、経営環境は一層厳しさを増しております。
当社グループでは、このような環境のもと各種感染拡大の予防対策を徹底し、お客様が安心して来店できる店舗づくりに注力いたしました。また当期は、新型コロナウイルス感染症の感染不安を感じる地域の皆様に向けて、PCR・抗原検査キットの無料検査事業に参画いたしました。引き続き、地域のかかりつけ薬局として調剤併設率の向上を図るとともに、既存店の改装を中心に生鮮食品等の品揃えを強化することで「フード&ドラッグ」を実現し、お客様により一層、利便性を提供できるよう努めてまいります。
店舗の新設につきましては、ドラッグストアを北信越に29店舗、東北に16店舗、関東に19店舗、東海に14店舗、関西に12店舗の合計90店舗の出店を行い、さらなるドミナント化を推進いたしました。
また、ドラッグストア併設調剤薬局を北信越に20薬局、東北に9薬局、関東に19薬局、東海に9薬局、関西に9薬局の合計66薬局を新規に開設いたしました。一方、ドラッグストア13店舗を閉店いたしました。
なお、2022年12月1日付で、当社の子会社である株式会社クスリのアオキは食品スーパーを展開する株式会社三崎ストアー(石川県)が行う食品スーパー事業を譲り受けました。また、2023年3月1日付で、当社の子会社である株式会社クスリのアオキは食品スーパーを展開する株式会社サンエー(新潟県)が行う食品スーパー事業を譲り受けました。
これにより当連結会計年度末の当社グループの店舗数は、ドラッグストア896店舗(うち調剤薬局併設526店舗)、調剤専門薬局6店舗、スーパーマーケット1店舗の合計903店舗となっております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高3,788億74百万円(前年同期比15.4%増)、営業利益152億96百万円(同8.7%増)、経常利益191億29百万円(同21.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益123億26百万円(同25.3%増)となりました。
当社グループは、当連結会計年度を含む、直近3連結会計年度において、過去最高の売上高を更新し、安定した財務基盤の構築と収益性の向上に努めてまいりました。今後も持続的な成長の実現に向けて、企業価値の向上を引き続き推進してまいります。
商品部門別の売上高の概況は次のとおりです。
① ヘルス部門(医薬品や健康食品等)
セルフメディケーション(自己治療)意識の高まりに応え、専門性の強化と品揃えの充実を行ってまいりました。その結果、ヘルス部門の売上高は410億21百万円(売上構成比10.8%、前年同期比12.7%増)となりました。
② ビューティ部門(カウンセリング化粧品やフェイスケア商品等)
お客様の健康と美に対する関心の高まりに応え、品揃えの拡充やカウンセリング化粧品・フェイスケア商品・ヘアケア商品の販売強化を行ってまいりました。その結果、ビューティ部門の売上高は517億10百万円(同13.6%、同7.2%増)となりました。
③ ライフ部門(ベビー関連商品、家庭用品、衣料品等)
お客様の利便性の向上を図るために、主として家庭用品の品揃えの充実に、より一層努めてまいりました。その結果、ライフ部門の売上高は735億42百万円(同19.4%、同6.4%増)となりました。
④ フード部門(食料や飲料等)
お客様の日常生活を支えるために、食品や飲料の品揃えの充実に、より一層努めてまいりました。その結果、フード部門の売上高は1,697億48百万円(同44.8%、同22.1%増)となりました。
⑤ 調剤部門(薬局にて処方する医療用医薬品)
新規にドラッグストア併設調剤薬局66薬局を開局するとともに、接遇の充実に努めてまいりました。その結果、院外処方箋の枚数が増加し、調剤部門の売上高は428億51百万円(同11.3%、同20.6%増)となりました。
(2)財政状態
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は2,743億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ401億円増加いたしました。主な増加要因は、新規出店等による建物及び構築物の増加138億48百万円、現金及び預金の増加165億21百万円、商品の増加58億24百万円、売掛金の増加33億42百万円等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は1,757億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ284億円84百万円増加いたしました。主な増加要因は、新規店舗の設備投資を使途とする長期借入金(1年以内返済含む)の増加105億37百万円、支払手形及び買掛金の増加108億24百万円、未払金の増加10億27百万円、賞与引当金の増加9億8百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は985億46百万円となり、前連結会計年度末に比べ116億15百万円増加いたしました。
また、当連結会計年度末の自己資本比率は35.9%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は428億70百万円(前年同期比62.7%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、312億49百万円(前年同期は202億86百万円の収入)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益167億60百万円に対して、収入の主な内訳は非資金費用である減価償却費114億64百万円、仕入債務の増加108億24百万円であり、支出の主な内訳は棚卸資産の増加58億24百万円、法人税等の支払額55億40百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、222億60百万円(前年同期は277億71百万円の支出)となりました。
これは主に、新規出店等による有形固定資産の取得による支出204億10百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は75億33百万円(前年同期は180億98百万円の収入)となりました。
これは主に、新規店舗の建物建築資金等を使途とする長期借入れによる収入209億円75百万円、長期借入金の返済による支出104億38百万円、リース債務の返済による支出21億27百万円、配当金の支払額8億67百万円等によるものであります。
(4)仕入及び販売の実績
当社グループは医薬品・化粧品等の小売業という単一セグメントであるため、仕入実績は商品部門別に、販売実績は商品部門別及び地域別に記載しております。
① 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を商品部門別に示すと、次のとおりであります。
|
区分 |
当連結会計年度 (自 2022年5月21日 至 2023年5月20日) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
|
|
ヘルス |
(百万円) |
27,867 |
9.9 |
117.2 |
|
ビューティ |
(百万円) |
34,514 |
12.3 |
107.3 |
|
ライフ |
(百万円) |
55,851 |
19.9 |
108.5 |
|
フード |
(百万円) |
137,110 |
48.8 |
124.7 |
|
調剤 |
(百万円) |
25,677 |
9.1 |
112.5 |
|
合計 |
(百万円) |
281,021 |
100.0 |
117.0 |
(注)1.上記の金額は、物流益等(店舗への直送受託収入から直送委託費用を控除した物流益及び発注にかかるデ
ータ収入)を控除しておりません。
2.ヘルス、ビューティ、ライフ、フード、調剤の主な取扱品目は以下のとおりであります。
ヘルス …医薬品、ビタミンサプリメントやダイエットサプリメント等の健康食品、救急用品や健康管理用品等の医療用品
ビューティ…カウンセリング化粧品、洗顔料等のフェイスケア商品、ボディソープ等のボディケア商品、シャンプー等のヘアケア商品、歯磨等のオーラルケア商品
ライフ …オムツ等のベビー関連商品、介護用品、生理用品、洗剤、家庭用品、ペットフード、靴下や肌着等の衣料用品、家電用品
フード …加工食品、日配食品、生鮮食品、調味料、菓子、飲料、酒等の食品
調剤 …薬局にて処方する医療用医薬品
② 販売実績
a.商品部門別販売実績
当連結会計年度の販売実績を商品部門別に示すと、次のとおりであります。
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区分 |
当連結会計年度 (自 2022年5月21日 至 2023年5月20日) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
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ヘルス |
(百万円) |
41,021 |
10.8 |
112.7 |
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ビューティ |
(百万円) |
51,710 |
13.6 |
107.2 |
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ライフ |
(百万円) |
73,542 |
19.4 |
106.4 |
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フード |
(百万円) |
169,748 |
44.8 |
122.1 |
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調剤 |
(百万円) |
42,851 |
11.3 |
120.6 |
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合計 |
(百万円) |
378,874 |
100.0 |
115.4 |
b.地域別販売実績
当連結会計年度の販売実績を地域別に示すと、次のとおりであります。
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区分 |
店舗数(店) |
当連結会計年度 (自 2022年5月21日 至 2023年5月20日) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
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北信越 |
(百万円) |
356 |
178,733 |
47.2 |
110.3 |
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東北 |
(百万円) |
63 |
24,436 |
6.4 |
166.9 |
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関東 |
(百万円) |
252 |
90,838 |
24.0 |
111.0 |
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東海 |
(百万円) |
161 |
58,763 |
15.5 |
116.0 |
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関西 |
(百万円) |
71 |
26,102 |
6.9 |
135.9 |
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合計 |
(百万円) |
903 |
378,874 |
100.0 |
115.4 |
(注)店舗数は当連結会計年度末現在のものであります。
(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りを合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは重要な店舗資産を有しており、市場価額の著しい下落又は収益性の悪化により、回収可能価額が帳簿価額を下回った資産グループについては、回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失に計上しております。回収可能価額の算定にあたっては、決算時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の業績は、売上高3,788億74百万円、営業利益152億96百万円、経常利益191億29百万円、親会社株主に帰属する当期純利益123億26百万円となりました。
なお、この詳細は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績」に記載しております。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
ドラッグストア業界におきましては、出店・価格競争に加え、経営統合や業務・資本提携の動きがさらに進み、より一層激しい企業間競争が予想され、客数の減少や売上総利益率の低下、物件の確保など懸念材料が存在しております。これらは当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。これらに加えて法的規制等の影響も受けております。
なお、この詳細は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
④ 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は2,743億1百万円、負債の合計は1,757億55百万円、純資産は985億46百万円となりました。
なお、この詳細は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)財政状態」に記載しております。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは主に営業活動によって得られた資金により、また必要に応じて、経済動向、金融市況を踏まえた調達手段によって得られた資金により、新規出店及び既存店舗の改装に係る設備投資をおこなっています。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの詳細は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
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契約会社名 |
相手先 |
締結年月日 |
契約期間 |
契約の概要 |
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株式会社 クスリのアオキ (連結子会社) |
株式会社ツルハ |
1997年12月8日 |
契約期間の定めはありません。 |
次の課題に関する業務提携と資本提携を行っております。 |
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1.業務提携 商品の仕入・開発等に関する相互協力 店舗の開発及び運営等に関する相互協力 人材教育に関する相互協力 システムの相互研究と経営ノウハウの交流 |
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2.資本提携 クスリのアオキが1997年12月に実施した第三者割当増資のうち380株の引受及び2003年4月に実施した第三者割当増資のうち25株の引受 |
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イオン株式会社 |
2003年1月22日 |
契約期間の定めはありません。 |
次の課題に関する業務提携と資本提携を行っております。 |
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1.業務提携 「イオン・ウエルシア・ストアーズ(現 ハピコム)」の事業活動への参加 医薬品の共同開発への取組み 什器・資材・備品等の共同調達への取組み イオン株式会社の開発商品等の供給 薬剤師の採用・教育活動における協力 |
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2.資本提携 クスリのアオキが2003年4月に実施した第三者割当増資、及び自己株式380株譲渡を含め合計405株の引受 |
該当事項はありません。