第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、創業の精神「飛脚の精神(こころ)」のもと、

一.お客様と社会の信頼に応え 共に成長します

一.新しい価値を創造し 社会の発展に貢献します

一.常に挑戦を続け あらゆる可能性を追求します

を企業理念とし、お客様から「安心」「満足」「信頼」をいただけるサービス・品質向上を図っております。今後も社会の変化・顧客のニーズに迅速に対応し、トータルなソリューションの提供を実現させ、一層社会に必要とされる企業体を目指してまいります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標

 現在の我が国における物流事業環境は、物価上昇等の影響を受けた景気後退が懸念されるなど、不安定な事業環境が継続しております。また、中長期的な観点では、内需型産業である宅配便は国内人口減少等の影響が見込まれる一方で、商取引金額に対するeコマース(以下「EC」という)取引金額割合の高まりとともに、宅配便に対する需要も緩やかに増加すると想定しております。一方で、少子高齢化を背景に労働需給が一段とひっ迫する中、長時間労働の是正や同一労働同一賃金を目的とした働き方改革関連法が順次施行されているほか、急速にインフレが進行するなど、宅配便ネットワークを維持するための社内外の人材確保や生産性向上の取組みが必要となっております。

 また、国外における物流事業環境は、新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」という)拡大に端を発した世界的なサプライチェーンの混乱が収束する中で、世界経済の減速に伴う需要の縮小が一部でみられるなど、先行きは不透明な状況が続いております。

 マクロ環境におきましては、気候変動による激甚災害が世界的に増加する中、企業における脱炭素の取組みがより一層求められております。

 このような環境の中、当社グループは2023年3月期から2025年3月期までの中期経営計画「SGH Story 2024」に基づき、重点戦略である、総合物流ソリューション「GOAL」の高度化、競争優位創出につながる経営資源の拡充、ガバナンスの更なる高度化に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

(中期経営計画の経営戦略)

① 総合物流ソリューションの高度化

② 競争優位創出につながる経営資源の拡充

③ ガバナンスの更なる高度化

 

(2025年3月期計数目標)

営業収益

1兆6,500億円

営業利益

1,600億円

親会社株主に帰属する当期純利益

1,050億円

 

 中期経営計画では、「持続可能な成長を実現する次世代の競争優位性創出」を基本方針に掲げ、次に記載の経営戦略に取り組んでまいります。

 特に2024年3月期は、インフレの進行や世界経済の停滞といった中期経営計画策定時からの環境変化も踏まえ、持続的成長を実現するために、社内外リソースの強靭化とサービス領域拡張による成長基盤の確立を強化ポイントとして各種施策に取り組んでまいります。

 社内外リソースの強靭化の具体的な取組みとしては、宅配便ネットワークを維持するための人材確保のため、インフレ環境下における実質賃金の低下に対応し、従業員の給与の引き上げを実施いたします。また、デリバリー事業において幹線輸送や個人宅への配達を委託しているパートナー企業(以下「パートナー企業」という)に対しては、2024年4月から適用される自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制(以下「2024年問題」という)への対応も考慮し、委託費の見直しや業務効率化の取組みを進め、関係強化を進めてまいります。これらのリソース確保のため必要となるコスト増加に対応し、一層の効率化に取り組むとともに、適正運賃収受の取組みを継続してまいります。

 サービス領域の拡張の具体的な取組みとしては、国際・海外向けサービスの強化のほか、DX(デジタル・トランスフォーメーション)投資を推進するための人材育成やオープンイノベーションの取組みを加速してまいります。

① 総合物流ソリューションの高度化

・脱炭素をはじめとした社会・環境課題解決に向けたサービスの推進

 世界的な気候変動問題への意識は一層高まりを見せており、日本国内においても政府による削減目標の引き上げ、コーポレートガバナンス・コード改訂による気候変動対応の開示等への対応が必要となってまいります。

 このような環境下において、当社グループが提供する物流ソリューションを通じて、お客様にとってより効率的なサプライチェーンの構築、社会・環境課題の解決に貢献していくことを目指してまいります。加えて、車両のEV化や再生可能エネルギー創出への施設投資など、自社の取組みを進めることによりお客様の温室効果ガス排出削減にも寄与してまいります。

 

・TMS・3PLネットワークの拡充と周辺ソリューションの高度化

 EC貨物の増加を背景に国内の宅配便市場は成長が続き、お客様のサービス差別化において物流は大きな役割を担っており、運送事業者へ求めるロジスティクス高度化への要求は高まりを見せております。

 佐川急便株式会社を中心とした当社グループの顧客基盤と、グループ横断の先進的ロジスティクスプロジェクトチーム「GOAL」を強みとして、TMS・3PLソリューションによりお客様のサプライチェーン全体へと提案領域を広げてまいります。より最適な物流提案を実現し、お客様の抱える物流課題の解決を図ってまいります。

 

・国際・海外向けサービスの強化

 国際サービスでは、日本国内の営業リソース及び集配ネットワークを強みに、国際通販・国際TMS・国際エクスプレス等、日本発着貨物の獲得を強化してまいります。また、海外サービスでは、アジア発のフォワーディング事業を中心に既存顧客のウォレットシェア拡大、新規レーンの拡大、新規顧客層の開拓により、取扱貨物量の増加に取り組んでまいります。

 

・宅配便のサービス向上と効率化による収益性向上

 宅配便サービスは、感染症に端を発したEC化の加速により、取扱個数は今後も増加すると想定しております。一方で、低価格帯のポストインサービスの急伸、大手ECプラットフォーマーの自社配送網拡大及び異業種からの新たな参入など、競争の激化が見込まれます。

 このような環境下において、市場成長を見据えたキャパシティ向上への投資、業務効率化を実現するDX投資を加速させ、サービス向上と収益性向上による宅配便の安定的事業成長を目指してまいります。特に、2024年3月期以降は、エネルギーや車両等様々なコスト上昇の影響や、このようなインフレ環境下における給与水準や委託費といった人に関わる費用の見直しの必要性等を踏まえ、一層の効率化に取り組むとともに、引き続き適正運賃収受の取組みも推進してまいります。

 

② 競争優位創出につながる経営資源の拡充

・アライアンスを含めた国内外輸配送ネットワークの強化

 宅配便以外の収益拡大に向けたネットワークの強化においては、自社の力だけではなくパートナーとのアライアンスを積極的に進めることで、多様で高品質なサービスの提供とネットワークの強化による拡販を目指してまいります。

 宅配便におきましては、市場成長による取扱個数増加への対応として、中継センターの拡充、営業所への最適投資及びパートナー企業の増加による戦力増強に取り組んでまいります。また、特に2024年3月期においては、インフレの進行や「2024年問題」への対応の推進を見据え、パートナー企業との連携を一層強化するため、委託費の見直しや業務効率化の取組みを進めてまいります。

 

・人的資本への投資及びエンゲージメントの向上

 次世代の競争優位を創出するための「人材」への投資として、グローバルやDX等の専門人材の獲得及び育成に注力してまいります。また、各種制度や教育の充実を図り、新しいことに挑戦できる企業風土を醸成してまいります。さらに、特に2024年3月期においては、進行するインフレ環境下における実質賃金の低下に対応し、給与を引き上げることで人材の維持・確保に努め、持続的な成長の基盤を確保してまいります。

 

・DXへの投資による競争優位の創出

 社会・顧客の課題解決を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目的に、「デジタル基盤の進化」、「業務の効率化」、「サービスの強化」の3つの施策に取り組んでまいります。また、R&Dによる新たな事業モデルの研究等、将来の競争優位を高めるための取組みも同時に進めてまいります。加えて、これらの施策を推進するために必要なDX人材の育成強化を行ってまいります。

・オープンイノベーションなどによる新たな価値の創造

 スタートアップや異業種企業が持つ革新的アイデア、テクノロジー及びITソリューションなどのノウハウと、当社グループが持つリソースを融合し、新たな価値の創造を目指してまいります。これに向けて、スピード感を持った概念実証を行うための体制の構築や、グループ内でのノウハウの蓄積も進めてまいります。

 

③ ガバナンスの更なる高度化

・グローバル化に対応したガバナンスの構築

 海外における当社の主要な連結子会社であるEXPOLANKA HOLDINGS PLC等におきましては、J-SOX対応等、管理体制を高度化してまいります。また、海外現地法人のガバナンスの一層の強化に取り組み、内部統制の定着化を推進してまいります。

 

・コンプライアンスの継続的な高度化

 不正・不祥事(ハラスメント含む)の発見から対応、再発防止までのサイクルを高度化するとともに、コンプライアンス意識向上への教育等、コンプライアンス体制の更なる強化に取り組んでまいります。

 

(3)経営環境と対応方針

① 全般

 現在の我が国経済は、感染症による経済社会活動の制限が緩和される中、景気は緩やかに持ち直してきましたが、物価上昇や為替相場での円安の継続等のほか、消費者マインドに弱い動きがみられるなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。物流業界におきましては、インフレの進行等を背景に足元の宅配便需要は不安定な状況にありますが、コロナ禍を契機に新たな生活様式として幅広い世代でEC利用が定着し、宅配便に対するニーズは多様化しております。また、「2024年問題」に向けた対応や、急激なインフレの進行等を背景に、当社グループを含む大手事業者を中心に価格改定の動きが加速しております。

 今後の我が国経済の見通しにつきましては、感染症による落ち込みから緩やかな回復基調にありますが、物価上昇、為替相場での円安の継続等、先行きは依然として不透明な状況が続いております。世界に目を向けると、金融引き締めの継続や地政学リスクの拡大などを背景に一部で景気後退が懸念されております。

 当社グループの主力事業である国内におけるデリバリー事業や、ロジスティクス事業におきましては、足元では物価上昇や為替相場での円安の継続等のほか、消費者マインドに弱い動きがみられるなど、需要の状況が不安定になっております。中長期的にはEC市場の拡大を背景に成長トレンドが続くと想定しておりますが、国際物流におきましては、インフレの進行とこれに対応した金融引き締め政策の継続、地政学リスクの拡大などを背景に一部で景気後退が懸念されるなど、先行きの見通しが難しい状況が続いております。また、当社グループとして中長期的に対応すべき外部環境として、インフレの進行、国内の労働人口減少、物流業界としての長時間労働問題への対応、AI・IoT技術や物流ロボティクスといったテクノロジーの進化、さらに2050年カーボンニュートラルに向けた温室効果ガス排出削減などを想定しており、今後もこのような社会・経済環境の変化はスピードを増していくものと考えております。

 このような状況のもと、当社グループにおきましては、社会インフラの一部を担う物流企業グループとして、持続可能な社会の実現に貢献するため、2030年に向けた長期ビジョン「Grow the new Story. 新しい物流で、新しい社会を、共に育む。」を掲げ、社会に必要とされ続ける物流を創ることに挑んでまいります。

 

 

② デリバリー事業

 第3四半期連結会計期間の前半頃までは経済社会活動の制限緩和やEC市場規模が拡大したものの、後半頃からは物価調整後の家計消費支出の弱まり等も影響し、当連結会計年度の宅配便の取扱個数は、前期比0.9%減の1,410百万個となりました。

 当社グループでは、労働力不足やインフレの進行等リソースの制約の厳しさが増す中で、次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」を代表とする中継センター等、物流施設の最適化やデジタライゼーションによる業務効率化、多様な働き方への対応等、生産性の向上や労働環境の改善に積極的に取り組み、経営基盤の強化を進めてまいりました。特に、エネルギーや車両等様々なコスト上昇の影響や、このようなインフレ環境下における給与水準や委託費といった人に関わる費用の見直しの必要性等を踏まえ、一層の効率化に取り組むとともに、適正運賃収受の取組みを継続してまいります。また、「GOAL」による総合物流ソリューションの取組みにより、「TMS」や越境EC等、かねてより開拓に注力してきた分野の成果が出始めております。今後も「TMS」や3PLといった物流ソリューションの拡充や、越境EC等、国際・海外向けサービスの強化、脱炭素を始めとした社会・環境課題解決に向けたサービスの推進、また、中長期的には増加が見込まれる宅配便の需要に対するサービス向上と効率化等に取り組み、総合物流ソリューションの高度化を進めてまいります。

 特に、宅配便に次ぐ第二の主力商品と位置付けている「TMS」につきましては、中期経営計画の3年間において、営業収益を7割増とするなど高い目標を掲げ、お客様の輸送ニーズに幅広く対応していくとともに、新しい収益の柱として成長させていきたいと考えております。

 

③ ロジスティクス事業

 物価上昇と金融引き締めなどを背景とした景気後退懸念や、サプライチェーンの混乱が招いた米国内での過剰な在庫水準が継続したほか、地政学リスクの拡大もあり先行きが不透明な中、当社の連結子会社であるEXPOLANKA HOLDINGS PLCでは、海上・航空輸送需要の減少と運賃下落の大きな影響を受けました。そのような中でも、中長期的な成長に向けては、アメリカの通関事業者やカナダのフォワーディングを中心とした物流事業者を子会社化するなど、国際輸送サービス強化のための取組みを実施してまいりました。

 国内におきましては、「GOAL」による包括的なソリューション提案により、3PL等の案件受託も増加しております。また、デリバリー事業と連携した越境ECや日本発着の国際物流に関しても、本格展開に向けた体制強化を進めております。

 今後も、アライアンスを含めた更なるグローバルネットワークの拡充や、EXPOLANKA HOLDINGS PLCと国内で展開する事業とのシナジーの創出などにも注力してまいります。

 

④ 不動産事業

 日本のEC化率は、中国や欧米に対し未だ低い水準にあることから上昇が継続すると考えられ、宅配便の取扱個数は今後も緩やかに増加することが見込まれます。また、サプライチェーンの複雑化やテクノロジーの進化に伴い、企業物流も高度化していくことが予想されます。このような宅配便の需要増や、高度化する物流ニーズに対応するため、当社グループの輸送ネットワークにおける適切なキャパシティの確保や安定的な稼働・効率化を実現する物流施設の開発・改修に努めるとともに、不動産を含めた総合物流ソリューションの提供を進めてまいります。

 

⑤ その他

 その他の事業は、効率的な物流ソリューションを提供するための基盤となる様々な機能で構成されております。高度化する物流ニーズや生産年齢人口の減少が続く中、効率的で安定的な物流を実現するために、デジタル化による生産性の向上や顧客の利便性の向上に取り組んでおります。

 

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、次のとおりであります。

 

(連結業績見通し)

 

(単位:百万円)

 

2024年3月期

業績予想

前期比(%)

営業収益

1,380,000

96.2

営業利益

105,500

78.0

経常利益

106,500

77.2

親会社株主に帰属する当期純利益

71,500

56.5

 

 

(セグメント別業績見通し)

 

(単位:百万円)

 

2024年3月期

業績予想

前期比(%)

営業収益 合計

1,380,000

96.2

 

デリバリー事業

1,062,000

101.4

ロジスティクス事業

245,000

77.8

不動産事業

12,500

63.9

その他

60,500

114.5

営業利益 合計

105,500

78.0

 

デリバリー事業

83,000

83.2

ロジスティクス事業

9,500

49.4

不動産事業

7,500

75.5

その他

4,500

104.8

調整額

1,000

49.3

(注)営業収益は外部顧客に対する売上高を示しております。

 

 2024年3月期の連結業績予想

 当社グループの2024年3月期連結業績予想は、主力のデリバリー事業の取扱個数については当期と同程度の数量とセールスミックスを前提とし作成しております。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ

 当社グループは、経営の考え方のベースとして「ステークホルダー経営」を掲げており、第1に「顧客」に対してサービスレベルの持続的な向上、第2に「従業員」とその家族の生活基盤の安定と向上、第3に「地域社会」に対して安全、環境、さらに様々な事業活動、社会活動を通じた貢献、第4に「株主」に対して企業価値の向上、第5に「取引先」に対して公平・公正な取引を行うことにより、様々なステークホルダーの期待に応える事業活動を推進しております。また、当該ステークホルダー経営の実現のためには、環境や社会への配慮、コーポレート・ガバナンスの充実・強化といったサステナビリティを実現する経営管理体制の構築こそが最重要課題の一つであるとの認識のもと、各体制整備を行っております。

 

① ガバナンス

 当社グループは、ESGを含む経営上の重要課題(マテリアリティ)として特定した中期経営計画の重点戦略に含まれる気候変動、人的資本、サプライチェーン、コンプライアンス・ガバナンス等に関する施策や管理体系について議論し、それらの持続的な改善活動の推進を目的としたサステナビリティ委員会を設置しております。本委員会は、当社の代表取締役会長を委員長、常勤取締役を委員とし、原則年4回開催しております。

 このサステナビリティ委員会での議論の結果は、取締役会での脱炭素施策の予算承認など具体的な施策の意思決定に反映されております。

 

② リスク管理

 当社グループは、サステナビリティ関連リスクについて、当社グループのリスクマネジメント機関であるグループリスクマネジメント会議において、他の事業リスクと同様に評価・管理しております。これらのリスクは、当社グループのリスクマネジメント評価基準(1~9段階評価)を基に、影響度「小」=2、「中」=5、「大」=8を基本として、各リスクをレーティングし、定期的にモニタリングを行っております。

 2022年度は、「気候変動への適応と緩和」のほか、「労働時間管理」「ハラスメント」「人材不足・人材流出」「人材投資」といった人権・人的資本関連リスク及び不正・不祥事関連リスクを当社グループの重点対策リスクとして特定し、リスクマネジメントを行いました。

 2023年度は、「気候変動への適応と緩和」を継続するほか、マテリアリティとして特定した「アライアンスを含めた国内外輸送ネットワークの強化」「人的資本への投資及びエンゲージメントの向上」「グローバル化に対応したガバナンス基盤・体制の整備」をサステナビリティ関連リスクに特定しております。

 

当社グループのリスクマネジメント評価基準

影響度

評価の目安

定性評価

定量評価

人の安全・衛生

民事・刑事・行政上の処分

社会的批判

営業利益の

計画に対する

損失の割合

9

・人命に関わるレベル

・全事業所での活動停止レベル

・営業所単位での活動停止レベル

・新聞、テレビ等の主要マスメディアで全国的に報道されるレベル

・消費者団体等にボイコット(不買)運動されるレベル

5%以上

8

7

・重傷レベル

6

・軽傷レベル

・活動停止には至らないレベル(改善命令・罰金レベル)

・一部メディア、地域で報道されるレベル

・苦情、問合せがコールセンターに多数寄せられるレベル

1%以上

5%未満

5

・体調不良につながるレベル

4

3

・無傷レベル

・注意指導レベル

・報道の対象とならないレベル

・世間の人々は知らないレベル

1%未満

2

1

※大=8、中=5、小=2の評価を基本とし、各々±1の調整を可能とする。

※定量評価は、想定される損失の大きさを金額に換算することが可能な場合に任意に実施する。

 

 

(2)その他の項目

 当社グループが掲げる長期ビジョンでは、営業収益の成長イメージとともに、2050年カーボンニュートラルに向けた中長期の温室効果ガス排出削減目標を当社ホームページ上にて公表しており、2030年度においては、CO2排出量を基準年度である2013年度比で46%削減することを目標としております。なお、バウンダリ(対象範囲)は国内グループ会社のスコープ1・2としており、海外グループ会社については順次対応を検討してまいります。本目標は、第6次エネルギー基本計画における2030年度の電源構成の実現を前提条件としており、社会情勢により国の削減水準や前提条件に変更があった場合は、排出削減目標を再検討する可能性があります。また、中期経営計画では、KPIに営業収益・営業利益と合わせて温室効果ガス排出削減目標を設定するとともに、重点戦略に「脱炭素をはじめとした社会・環境課題解決に向けたサービスの推進」を掲げ、気候変動課題に対する方針「SGホールディングスグループ脱炭素ビジョン」と整合性をとった内容にしております。

 さらに、中長期にわたる気候変動関連リスク・機会について、今後の経営判断の一助とするべく、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに沿ったシナリオ分析を行い、結果をTCFDレポートにまとめ、当社ホームページ上にて公表しております。

 

① 気候変動

イ.ガバナンス

 当社は、サステナビリティ委員会の下部組織として専門部会「TCFDワーキンググループ」を設置し、TCFDの枠組みに沿った気候関連のリスクと機会の分析・検討等を行い、サステナビリティ委員会へ上申・付議することとしております。その後、サステナビリティ委員会での検討を踏まえ、分析結果を取締役会へ報告し、管理・監督を行う体制を整えております。

 

ロ.戦略

 シナリオ分析では、1.5℃、4℃の2つのシナリオを使用し、定性分析・定量分析を行いました。定性分析では、事業と関連する社会経済の動向予測を参照し、気候変動により想定されるリスク・機会の洗い出しを実施いたしました。定量分析では、特定した気候関連リスク・機会のうち、影響度が大きくかつ定量化可能な項目について財務影響を試算いたしました。

 当社グループは、貨物自動車を使用するデリバリー事業を中核とすることから、化石燃料由来のCO2排出量が多いため、1.5℃シナリオの移行リスクにおける「炭素税によるコスト増加」「車両の脱炭素化に伴うコスト増加」の影響度が大きいと評価し、重要リスクに位置付けております。それらの影響額を試算した結果、CO2排出削減による炭素税回避額は、気候変動対策に伴うコスト増加額を上回ることとなり、気候変動対策の推進が当社グループの事業においてプラスの影響を及ぼすことが判明いたしました。

 今後は、これまでの排出削減の取組みを継続しながら、気候関連のリスク・機会を重要な経営課題と捉え、中長期のネガティブインパクト低減と新たな事業機会創出に向けた効果的な施策を検討してまいります。

 

ハ.リスク管理

 気候関連リスクは、当社グループのリスクマネジメント機関であるグループリスクマネジメント会議とも情報連携し、他の事業リスクと同様に評価・管理を実施しております。当社グループのリスクマネジメント評価基準(1~9段階評価)を基に、影響度「小」=2、「中」=5、「大」=8を基本としてレーティングし、定期的にモニタリングを行っております。

 

ニ.指標及び目標

 日本でも脱炭素社会への移行が加速する中、当社グループは、脱炭素に取り組む意思表明として「SGホールディングスグループ脱炭素ビジョン」を掲げました。同ビジョンの中で、中長期のCO2排出削減目標と排出削減策の方向性を明示し、社会インフラを担う物流企業グループとして取り組んでまいります。

 

 

 

■温室効果ガス排出削減目標

スコープ1・2

2030年度:CO2排出量46%減(2013年度比)

2050年度:カーボンニュートラルを目指します

スコープ3

サプライチェーン全体での排出削減に取り組みます

 

■削減水準・前提条件

削減水準

・日本の排出削減目標に沿うものとする

・カーボン・クレジット等の活用によるオフセット分も含める

前提条件

・第6次エネルギー基本計画における2030年度の電源構成(※)の実現

(※非化石59%:再エネ36~38%、原子力20~22%、水素・アンモニア1%)

※社会情勢により国の削減水準や前提条件に変更があった場合、排出削減目標を再検討する可能性があります。

 

■温室効果ガス排出削減実績(2022年度 国内グループ会社)

スコープ1・2

基準年度(2013年度)比較削減率・量:13.4%(57,414t-CO2)

2022年度排出量:370,847t-CO2

※上記数値は第三者保証前の暫定値であります。

 

■移行計画(佐川急便株式会社)

 

2022年度実績

2030年度目標

EVを含む環境対応車導入率

64%

98%

電力使用量に占める再エネ率

30%

40%

※2022年度実績のうち「電力使用量に占める再エネ率」は四捨五入した数値であり、かつ、第三者保証前の暫定値であります。

 

(3)人的資本

① 戦略

 当社グループが掲げる長期ビジョンでは、宅配便事業の収益性維持、生産性向上による事業基盤強化、宅配便以外のTMS、3PL及び国際事業などを成長エンジンとする事業規模の拡大により、2030年度営業収益2兆2,000億円を目指しております。人的資本の側面におきましては、事業基盤としての宅配便事業の収益性維持と生産性向上を担うセールスドライバーをはじめとする現場のオペレーションを支える人材を「オペレーション人材」、成長エンジンとするTMS、3PL及び国際事業(宅配便以外)の拡大を担う人材を「ソリューション人材」として戦略を策定しております。当社グループのマテリアリティの一つにも「人的資本への投資及びエンゲージメントの向上」を据えており、次の図で示した「経営人材」「ソリューション人材」「オペレーション人材」からなる人的資本ピラミッドを軸に、その達成を目指してまいります。

 

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 まず、成長エンジンとしてのTMS、3PL及び国際事業(宅配便以外)の拡大を担う「ソリューション人材」の育成が急務と考えております。

 特にソリューション人材の中でも、総合物流ソリューションの高度化を支えるGOAL人材やDX人材及びグローバル人材の層を更に厚くする必要があります。そのため、「SGHグループ新卒採用」を窓口として素養のある新卒を採用後、5年間で主力事業をローテーションし早期育成を図っております。新卒採用だけではなく、専門知識を持った人材を確保するため、中途採用にも力を入れております。それらの人材は、OJTで学び、「フォローアップ研修」「海外赴任研修短期派遣」「DX研修」を取り入れて育成、スキルの可視化、評価、配置を考慮したタレントマネジメントを実行しております。

 併せて、当社グループの経営方針の策定やその舵取りに必要な「経営人材」の育成・登用も重要課題と捉えております。部長職及び役員への登用に至る過程において、能力と意欲のある多様な人材を育成・登用するべく、「新規GM認定者セミナー」(GM:グループマネジャー)「経営者育成プログラム」「次期リーダー研修」「女性キャリア支援研修」等、様々な人事施策を行っております。さらには、年功序列や経験年数を重視する考え方から脱却する施策の一環として、優秀な人材については2階級上の役職への登用を図り、早期に挑戦と成長する機会を得られる「チャレンジ制度」を導入いたしました。

 他方、事業基盤としての宅配便事業の収益維持及び生産性向上のために、既存の宅配便事業を担う「オペレーション人材」の維持・定着も必要であります。少子高齢化に伴い人材の採用・確保が難しくなっている中、限られた人材で効率的に収益を維持するためには生産性の向上が必要であり、IT・先端技術を活用したオペレーションの見直しや人員配置の最適化と併せて、働き方改革を中心とした就労環境の整備が、人材の維持・定着及び生産性向上に必要な人材の長期育成につながると考えております。

 これらの実現には、多様な人材が活躍できる、働きやすく働きがいのある職場環境が必要であります。そのため、多様性(D&I:Diversity and Inclusion)を尊重し、女性活躍推進を中心に、働き方や組織風土を変革するための取組みを継続的に実施しております。

 上記の人的資本への投資及び人的資本ピラミッドを取り巻く社内環境の整備が、従業員のエンゲージメントを高め、挑戦ができる企業風土を醸成するものと考えております。そして、従業員エンゲージメントと風通しの良い企業風土により、人材の価値を最大限に引き出すとともに、組織と従業員の結びつきを強め、人材の成長や維持・定着を目指してまいります。

※グループマネジャー:グループ経営人材である部長級の従業員を指しております。

 

② 指標及び目標

 上記①に記載のある戦略を実現するためには、従業員エンゲージメント、従業員を活かす環境、女性の活躍を含む多様性といった人的資本ピラミッド全体を取り巻く社内環境の改善・整備が必要となります。

 2022年度に実施した従業員意識調査では、従業員エンゲージメントが57.0%、従業員を活かす環境が54.0%(両指標とも肯定的回答率)という結果になりました。また、女性従業員比率は33.1%、女性管理職比率は10.5%というそれぞれの指標結果となりました。2023年度については、従業員エンゲージメント58.0%、従業員を活かす環境55.0%、女性従業員比率及び女性管理職比率は現在の数値を維持することを目指してまいります。

※これらの指標は、「5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 ③ 国内グループ会社」に記載の国内グループ会社を対象範囲としております。

 

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のようなものがあります。なお、当社グループとしましては、これらの各リスクの発生可能性を認識した上でその発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は本項及び本項以外の記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 また、次の事項については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断した内容であり、当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。

 

(1)事業に関するリスク

① デリバリー事業への依存

 デリバリー事業は、当社グループの連結営業収益の7割程度を占める主要な事業であります。

 当社グループでは、当事業において顧客に対し「GOAL」の推進等により総合物流サービスを提案・提供することで、デリバリー事業のみならず、ロジスティクス事業等の収益拡大も図ってまいります。付加価値の高いサービス提供を行うほか、人件費、外注費及び安全確保のための諸費用等、増加するコストを適正に運賃に反映させるべく、過年度から各顧客との個別価格交渉を行うことにより、収益性の安定化に努めてまいりました。

 当社グループとしましては、今後においてもこれらの取組みを継続的に実施していく方針でありますが、景気低迷等による個人の消費や企業物流の減少等により、これらの取組みが想定どおりに進展しない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 燃料価格等の上昇

 当社グループは、事業を行うに当たり多数のトラック等輸送機材を使用しており、その燃料費は原油価格や為替相場の動向により変動いたします。

 当社グループとしましては、天然ガストラック等の環境対応車を導入し、原油価格の変動による費用増加リスクの抑制に努めており、また、今後も新技術の導入による省エネルギーや代替エネルギーに対応した車両が開発されれば、積極的に導入していく方針であります。しかしながら、急激な燃料価格等の上昇が生じた場合や、当該費用増加を運賃等の販売価格に転嫁できない場合、販売価格への転嫁により当社グループのサービスへの需要が減少した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競争環境の激化

 デリバリー事業の主要サービスである宅配便については、当社グループを含めた大手3社での競争が激化しております。また、ロジスティクス事業においても3PLやフォワーディングの各業務サービスにおける同業他社との競争が高まっているものと認識しております。

 当社グループとしましては、「GOAL」に基づく複合的なサービスを提供することで、顧客にとってより効率的かつ付加価値の高い物流ソリューション提案を行い、当該競争環境下でのシェア向上を図っていく所存であります。しかしながら、今後、当社グループの優位性が相対的に低下した場合や、更なる競争激化による価格下落が生じた場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 輸送トラブル

 デリバリー事業では、法人・個人を含めた顧客所有の物品を顧客の指定どおりに輸送することが中心となります。このため、当社グループによるサービス提供の過程において、輸送品の破損、配達先の誤り及び輸送量の変動に伴い予定時間内の輸送ができない場合は、当社グループによるサービスの信用を損なう可能性があります。

 当社グループとしましては、こうしたトラブルの発生を抑制するべく、発生要因等をデータベース化し、ミスの低減やセールスドライバーの教育等の改善策を継続的に実施しておりますが、今後これらに起因するトラブルが頻発するような場合や、当該トラブルを理由とした損害賠償が増加するような場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑤ 不動産事業における継続的な資産流動化

 不動産事業では、SGリアルティ株式会社が中心となって当社グループ拠点における資産管理・運営、大型施設の開発及び既存施設の転用等の資産活用を行っております。また、当社グループが所有、利用している物流施設及び開発したマルチテナント型の物流施設を信託受益権化し、売却することにより、資産の有効活用、財政状態の改善等を図っており、これにより営業収益及び営業利益が計上されます。

 当社グループとしましては、今後も継続的に収益性が見込まれる物件の取得、施設の開発及びこれらの売却を行っていく方針ではありますが、不動産市況の変動、建設資材や人件費の高騰、物件の開発遅延等を要因として、物件の仕入価格、簿価及び販売価格等が変動することにより、適時かつ適切な価格による不動産及び信託受益権の売買が困難となる可能性があり、また、会計処理の複雑性を起因として、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 不正等の発生

 当社グループは、日本全国を網羅する拠点網を有し、また、アジアを中心とした海外各国でも事業を展開しており、実際の業務運営について当社グループ内の各社・各拠点の業務従事者に委任しております。また、グループ内で対応できない場合は、外部業者を利用してサービス提供を行うケースもあります。このため、代金引換サービスによる収受金の着服や売上の不正計上等が生じる可能性は否定できません。

 当社グループとしましては、業務運営上必要な規程・手順書を整備するとともに、内部監査や委託先選定時のチェック等を通じた牽制体制を敷くことでこれらの不正等が生じることがないよう努めておりますが、今後、不正等が発生又は発覚し、また、その金額が多大なものとなる場合は、当社グループへの社会的信用が低下するとともに、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 重大事故

 当社グループは、デリバリー事業を中心に公道を利用した陸上輸送業を営んでおります。昨今、「運輸の安全性向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律」(いわゆる「運輸安全一括法」)等により安全運転に係る規制が強化される中、運送事業運営者への安全配慮に対する社会的責任は一層強く求められております。

 当社グループとしましては、安全を最優先とした対策を実施しておりますが、重大事故が生じた場合は車両の使用停止等の行政処分が行われ、当社グループの一部又は全部の事業の停止を余儀なくされるとともに、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。また、国土交通省報告事故の違反点数が累積した場合には、事業停止命令を受けたり、事業許可の取消しがなされたりすることによって、当社グループの事業の継続が困難となる可能性があります。このような事象が発生した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 委託先の活用

 当社グループのデリバリー事業では、当社グループが保有する経営資源を企業からの物流業務受託(from B)の獲得に最大限活用しております。そのため、個人宅(to C)への輸送業務のうち7割程度を、また、路線運行(東京・大阪間等物流拠点間の長距離輸送)のうち大部分を外部業者に委託しております。当社グループは、想定輸送量に応じ複数の委託先の確保に努めておりますが、十分な委託先が確保できない場合は、当社グループドライバーの業務時間が長時間化することで労務費の想定以上の増加や、配達の遅延が発生する可能性があります。また、今後、「2024年問題」に向けた対応やドライバー不足により外注費が高騰する場合は、当社グループの費用が増加する可能性があります。加えて、当社グループの委託先にて不祥事が発生した場合や委託先の輸送品質が顧客の要求に応えることができない場合には、当社グループの社会的信用の低下を招く可能性があります。これらのリスクが顕在化する場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑨ 海外展開

 当社グループは、アジアを中心に海外各国へ事業展開しております。また、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載のとおり、国際・海外向けサービスのグローバル強化を図る所存であります。

 このため、今後、為替及び海上・航空運賃の急激な変動や、当社グループの拠点がある地域での経済情勢・事業環境の悪化、予期せぬ法律・規則等の変更、政情の悪化やテロ活動の活発化、商慣習の相違、自然災害や各種感染症の発生等のリスクが顕在化した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。特に、当連結会計年度においては、感染症拡大に端を発した世界的なサプライチェーンの混乱が収束へと向かう中、海上・航空運賃の下落が急速に進んだことに加え、各国での物価上昇や金融引き締めなどを背景とした景気後退懸念や、サプライチェーンの混乱の中で荷主企業が在庫を増加させたことなどが影響し、海上・航空取扱量についても当初予想を大幅に下回ったことで、ロジスティクス事業における国際輸送の業績のボラティリティの高さが連結ベースの財政状態及び経営成績にも影響を及ぼす結果となりました。今後も同様に、マクロ環境の変動に伴う国際輸送の業績の変動が当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社の連結子会社であるEXPOLANKA HOLDINGS PLCは、スリランカを本社所在地としており、当該国においては、2022年4月頃からいわゆる「スリランカ経済危機」と呼ばれる大規模な政治・経済の混乱が発生しております。しかしながら、スリランカに対しては、2023年3月に国際通貨基金理事会で金融支援が承認されるなど国際的な支援が開始されているほか、同社の主要事業であるフォワーディング事業においては、基本的な取引通貨は米国ドルであり、スリランカ以外での取引が中心であること、また、同社の金融機能についてはシンガポールを拠点としていることから、「スリランカ経済危機」による同社の事業、財政状態及び経営成績への影響は、本有価証券報告書提出日現在においては軽微と考えております。

 

⑩ 人材の育成・確保

 当社グループでは、長期ビジョンの実現に向け、人的資本の側面からは、事業基盤としての宅配便事業の収益性維持と生産性向上を担うセールスドライバーをはじめとする現場のオペレーションを支える人材を「オペレーション人材」、成長エンジンとするTMS、3PL及び国際事業(宅配便以外)の拡大を担う人材を「ソリューション人材」として戦略を策定しており、持続的な成長の実現に向けては、これらの人材の育成・確保が必要であると認識しております。しかしながら、少子高齢化に伴い、人材の採用・確保競争は今後も激化することが想定されます。

 当社グループとしましては、多様な人材が活躍できる働きやすく働きがいのある職場環境の整備や、多様な働き方の提供、業務に見合った報酬体系の構築、IT・先端技術を活用した業務の効率化に加え、採用後も定期的な研修を重ねることで長期ビジョンの実現に向けて十分な人材確保に努める方針ですが、これらの取組みが効果を発揮できなかった場合、長期ビジョン・中期経営計画における目標の未達、営業収益の減少や費用増加等により当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ M&A、事業提携

 当社グループでは、事業拡大及び企業価値向上のためにM&A及び事業提携を積極的に活用しております。特にこれらの経営戦略を実施する場合は、対象会社への十分なデューディリジェンスを実施するとともに、社外取締役・監査役も参加する投資検討委員会にて出資・取得価額の妥当性について十分に検討した上で実行することとしております。しかしながら、当該M&Aや資本提携等実施時に見込んだ成果が計画どおりに進捗しないこと等によるのれんや株式取得価額の減損等、当初予期していなかった事業上の問題の発生、取引関連費用の負担等によって当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、特に資本業務提携や共同出資によるジョイントベンチャー設立等については、提携等実施当初に企図する成果が得られないと判断される場合は、契約の解消による出資の解消や提携会社の解散等が生じる可能性があります。この場合も、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社及び佐川急便株式会社(以下、本項目において「佐川急便」という)は、2016年3月30日付でロジスティード株式会社(2023年4月1日付で株式会社日立物流から商号変更 以下、本項目において「ロジスティード」という)との間で資本業務提携契約を締結しております。当該契約に基づき、当社は、前連結会計年度末においてはロジスティードの普通株式8,210,600株を保有しておりましたが、当連結会計年度においてその全てを売却し、特別利益として投資有価証券売却益を計上いたしました。これにより、同社との資本関係は解消されましたが、業務提携については引き続き継続し、佐川急便・ロジスティード両社の物流機能を相互に活用すること等を通じ、両社の提供するサービスの付加価値向上を目指し、協業を推進してまいります。

 

 

⑫ 役員との取引関係

 当社代表取締役会長である栗和田榮一が理事長を務める当社グループの外郭団体として、公益財団法人SGH文化スポーツ振興財団及び公益財団法人SGH財団があります。当社グループとしましては、CSR活動の一環として両財団の活動方針に賛同し、美術品の無償寄託及び人材支援等の活動を今後も継続して実施する方針としております。

 なお、両財団については、当連結会計年度末現在、合計で当社普通株式の58,636,362株(発行済株式総数対比9.16%)を保有しております。両財団が当社株式に係る議決権を行使する際は、定款により理事会の3分の2以上の賛成を得る必要がある旨定められております。当社グループとしましては、両財団の議決権行使に係る独立性確保のため、当該議決権行使に係る理事会決議に当社グループ役職員を兼務する理事は参加しないこととしております。また、両財団の理事選任に当たり、当社グループ役職員を兼務する評議員は、当社グループ役職員を兼務する理事の選任に当たっては評議会の決議に参加しないこととしております。

 

⑬ 中期経営計画

 当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、中期経営計画を策定しており、経営戦略に基づいた2024年3月期の連結業績予想については、当社ホームページ上にて公表しております。しかしながら、当該中期経営計画は、デリバリー事業における平均単価・取扱個数、人件費・外注費、ロジスティクス事業における為替及び海上・航空運賃など、様々な前提に基づくものであり、前提が想定どおりとならない場合等には、当該計画における目標を達成できず、その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑭ 今後の設備投資について

 当社グループでは、継続的に物流施設の開発を行っており、2021年3月期には、路線輸送の効率的な運用やキャパシティの向上を目的として、東京都江東区に建設した「Xフロンティア」を本稼働させました。今後も継続的にインフラの強化を図っていく方針でありますが、施設の建設に関連して想定以上のコストが発生する場合や、完成後において想定どおりの効果を発揮しない場合等においては、費用負担の増加や減損の発生等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑮ 気候変動について

 当社グループは、総合物流事業を展開し、多くの貨物自動車を使用しております。社会インフラの一部を担う物流企業グループとして、脱炭素社会に向けた取組みが責務であると認識し、世界的な喫緊の課題である地球温暖化防止への対策をこれまで以上に強化するべきであると捉えております。長期ビジョンにおいては、2050年カーボンニュートラルに向けた中長期の温室効果ガス排出削減目標を当社ホームページ上にて公表しており、2030年度においては、CO2排出量を基準年度である2013年度比で46%削減することを目標としております。また、中期経営計画では、KPIに営業収益・営業利益と合わせて温室効果ガス排出削減目標を設定するとともに、重点戦略に「脱炭素をはじめとした社会・環境課題解決に向けたサービスの推進」を掲げ、脱炭素に向けた取組みを推進しております。具体的には、EV等の環境対応車の導入、大型中継センターや物流倉庫・輸配送拠点一体型の物流センターの活用による輸配送の効率化、列車や船を活用したモーダルシフト、物流施設での再生可能エネルギー由来による電力の活用、森林保全活動など自社の脱炭素化の取組みに加え、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量の削減を実現する物流サービスの開発も検討しております。

 このように当社グループでは、2050年カーボンニュートラルに向けた取組みを進めておりますが、温室効果ガスの排出規制や削減義務の強化、炭素税の引き上げ等が実施される場合や、当社の各種施策が計画どおり進捗しない、あるいは期待される効果を発揮できない場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、中長期的な影響として、脱炭素化が実現されないことによる自然災害の激甚化・多頻度化が生じる場合、輸送経路の遮断や設備・施設の破損が生じたり、停電等の電力供給の停止により設備稼働が停止したりすることで、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(2)規制、コンプライアンスに関するリスク

 当社グループの事業運営に当たっては、次のような法規制を含む様々な法令の遵守が必要となります。今後、法規制の強化や、新たな法規制の適用等がなされた場合には、かかる法規制への対応に追加費用を要したり、当社グループの事業運営方法の変更を余儀なくされたりすること等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

① 事業上の重要な許認可等

 当社グループの事業運営に当たっては、主に次のような許認可等が必要となっております。当社グループでは、これら許認可等の規制に係る関係法令等の遵守に努めており、事業運営上の支障を来すような状況は生じておりません。しかしながら、今後、法令違反等が発生することでこれらの許認可等が停止又は取消しとなった場合や法規制の厳格化が生じる場合は、当社グループの事業の継続が困難となり、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

[主要な事業上の許認可等]

 

許認可事業

法律

監督官庁

許認可等

の内容

有効

期限

許認可等の

取消事由

セグメント

一般貨物自動車運送事業

貨物自動車運送事業法

国土交通省

許可

なし

同法第33条

デリバリー事業

ロジスティクス事業

第一種貨物利用運送事業

貨物利用運送事業法

国土交通省

登録

なし

同法第16条

デリバリー事業

ロジスティクス事業

第二種貨物利用運送事業

貨物利用運送事業法

国土交通省

許可

なし

同法第33条

デリバリー事業

ロジスティクス事業

倉庫業

倉庫業法

国土交通省

登録

なし

同法第21条

デリバリー事業

ロジスティクス事業

通関業

通関業法

財務省

許可

なし

同法第11条

ロジスティクス事業

宅地建物取引業

宅地建物取引業法

国土交通省

免許

2026年

8月23日

同法第66条

不動産事業

第二種金融商品取引業

金融商品取引法

金融庁

登録

なし

同法第52条

不動産事業

指定自動車整備事業

道路運送車両法

国土交通省

指定

なし

同法第93条

その他

自動車分解整備事業

道路運送車両法

国土交通省

認証

なし

同法第93条

その他

労働者派遣事業

労働者派遣法

厚生労働省

許可

2024年

6月30日

同法第14条

その他

 

② 労務関連法令

 当社グループは、2023年3月期末現在において従業員52,268人、パートナー社員等41,819人(期中平均人員数)が在籍しており、そのうち大半を占める国内従業者については、「労働基準法」に従って36協定の遵守や休憩時間の確保等が義務付けられております。当社グループでは、これらの法令遵守のみならず中期経営計画において多様な働き方推進を掲げるなど、従業員の働きやすさの改善に向けて積極的に制度設計を行っております。

 このように、当社グループでは継続的に労働環境の改善を進めておりますが、労務管理に関する不祥事が発生した場合、当社グループのレピュテーションが低下することに加え、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3)情報セキュリティ、システムに関するリスク

① 情報漏えい

 当社グループは、役職員情報のみならず、事業運営の過程において集荷先・配達先情報や顧客企業担当者情報等の多数の個人情報を取得しております。また、顧客企業向けサービスにおいては、顧客企業の営業秘密を保有する場合があります。こうした機密情報を保護するため、データに関するパスワード管理・アクセス制限及びハードコピーに関する施錠管理の徹底に加え、従業員に対して情報セキュリティ教育による啓発を継続的に行う等、情報の厳重な管理に努めております。さらに、近年世界的に被害が急増しているランサムウェアを始めとした外部からのサイバー攻撃に備え、インターネット出入口対策を講じるなど、情報セキュリティ対策を強化するとともに、当社グループ内にサイバー攻撃専門の対応組織SGH-CSIRT(SG Holdings Computer Security Incident Response Team)を設置し、日本コンピュータセキュリティインシデント対応チーム協議会に加盟するなど、情報セキュリティ対策の高度化に取り組んでおります。しかしながら、今後システムトラブル若しくは当社グループ従業員の故意・過失、又はサイバー攻撃等による不正アクセスやコンピュータウイルス感染等により、情報の漏えい又は喪失等が生じた場合は、当社グループの社会的信用の低下につながるとともに、損害賠償請求や情報セキュリティ対策に要する追加費用の発生等によって、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② システムトラブル

 当社グループの事業の中で、特にデリバリー事業やロジスティクス事業においては、リアルタイムでの輸送状況管理や、倉庫運営における在庫管理等の観点から、ITの活用は不可欠となっております。また、大量の取引をシステムにより集約管理していることから、会計処理においてもシステムへの依存度が高い状況であります。当社グループでは、子会社にシステム開発・保守・運用を行うSGシステム株式会社を有しており、グループ内外における物流システムの開発・提供を行っております。

 現時点で問題は生じておらず、また、リスク回避に向け適宜開発等を行っているものの、重大なバグの露見及びサイバー攻撃等による不正アクセスやコンピュータウイルス感染等を起因としたシステムトラブルの発生並びにシステム提供先におけるトラブルがあった場合は、当社グループの各事業の業務が停止する可能性や、システム上の問題への対応や当社顧客からの損害賠償請求等により多額の費用が生じる可能性があり、その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)訴訟その他の法的手続・災害等に関するリスク

① 訴訟その他の法的手続

 当社グループの事業運営において、予期せぬトラブル・問題が生じた場合、当社グループの瑕疵にかかわらず、これらに起因する損害賠償の請求や、訴訟の提起を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合は、訴訟提起内容や損害賠償請求額の状況及びその結果によっては当社グループの社会的信用が低下することに加え、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 自然災害等の発生

 当社グループは、車両や大規模な物流拠点を利用するデリバリー事業が中核事業であり、また、当該事業のみならず、各事業について情報管理を行うコンピュータシステム、荷物の自動仕分け機、冷凍・冷蔵倉庫等電気供給が必要な設備による業務運営が前提となっているものがあります。また、車両以外にも、鉄道・航空機・船舶など様々なインフラを活用して事業を営んでおります。

 このため、自然災害が発生することで輸送経路の遮断や一部設備の破損が生じたり、停電等の電力供給の停止により設備稼働が停止したりする場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、各種感染症の感染拡大が発生した場合、行動制限による輸送の遮断や量的制限、経済の停滞などにより、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、感染症による経済社会活動の制限が緩和される中、景気は緩やかに持ち直してきましたが、物価上昇や為替相場での円安の継続等のほか、消費者マインドに弱い動きがみられるなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。世界に目を向けると、インフレの進行とこれに対応した金融引き締め政策の継続、地政学リスクの拡大などを背景に一部で景気後退が懸念されるなど、不確実性がより高まっております。

 物流業界におきましては、国内では、インフレの進行等を背景に足元の宅配便需要は不安定な状況にありますが、コロナ禍を契機に新たな生活様式として幅広い世代でEC利用が定着し、宅配便に対するニーズは多様化しております。また、「2024年問題」に向けた対応や、急激なインフレの進行等を背景に、当社グループを含む大手事業者を中心に価格改定の動きが加速しております。国際物流市場では、世界経済の減速等に伴い、海上・航空貨物の需要は縮小傾向にあり、海上・航空運賃については前第3四半期連結会計期間をピークに平常化が進行する中で、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

 当社グループにおきましては、2023年3月期から2025年3月期までの中期経営計画の初年度として、総合物流ソリューションの高度化を推し進め、グループ横断の先進的ロジスティクスプロジェクトチーム 「GOAL」を中心に、脱炭素をはじめとした社会・環境課題解決に向けたサービスや、宅配便以外の付加価値を提供するソリューション「TMS」等の提案営業を積極的に行ってまいりました。また、2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、再生可能エネルギーの活用や環境に配慮した物流施設の開発等、当社グループの温室効果ガス排出量を削減することにとどまらず、効率的な物流サービスの提供によりお客様の環境負荷低減に貢献するなど、サプライチェーン全体を見据えた環境負荷低減の取組みを進めてまいりました。その結果、国際環境非営利団体CDPから、気候変動対応における世界の先進企業として最高評価である「気候変動Aリスト」に2年連続で選定されました。

 このような状況のもと、当社グループの中核事業であるデリバリー事業におきましては、第3四半期連結会計期間の前半頃までは経済社会活動の制限緩和やEC市場規模の拡大等を背景に、宅配便の取扱個数は堅調に推移しておりましたが、物価調整後の家計消費支出の弱まり等も影響し、第3四半期連結会計期間の後半頃からは荷動きが鈍化いたしました。他方で、「GOAL」を中心とした積極的な営業活動により、「TMS」は前期を上回って推移いたしました。また、コスト上昇については、当連結会計年度においては取扱量に応じた人員配置や継続的な生産性向上の取組みにより、業績に大きな影響を与えない範囲でコントロールしてまいりました。しかしながら、燃料・電力等のエネルギーに関連する費用や人件費、外注費など様々な費用の上昇圧力が高まっていることを踏まえ、宅配便の輸送インフラとその品質を維持・向上することを目的に、2023年4月1日からの宅配便届出運賃等の改定を公表いたしました。ロジスティクス事業におきましては、物価上昇と金融引き締めなどを背景とした景気後退懸念や、米国での消費財を中心とした在庫過多等の影響を受け、海上・航空貨物ともに取扱量が大幅に減少いたしました。また、海上・航空運賃についても下落いたしました。不動産事業におきましては、計画的に保有不動産を売却いたしました。その他の事業におきましては、「GOAL」でのトータルロジスティクス提案による物流IT案件の取引が増加したものの、半導体不足等の影響により新車販売が減少いたしました。なお、当連結会計年度において特別利益として投資有価証券売却益を497億87百万円計上しておりますが、これは当社が保有していたロジスティード株式会社の株式について、2022年11月のHTSK株式会社による公開買付けへの応募等により全てを売却したことによるものであります。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。

 

 

イ.財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は4,065億47百万円となり、前連結会計年度末に比べ168億60百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金が908億51百万円増加した一方で、受取手形、営業未収金及び契約資産が624億61百万円、販売用不動産が76億77百万円、前払金の減少等によりその他流動資産が27億78百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定資産は4,984億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ336億97百万円減少いたしました。主な要因は、ロジスティード株式会社の株式売却等により投資有価証券が523億7百万円減少した一方で、ロジスティクス事業における子会社株式の取得に伴うのれんの計上等によりのれんが97億28百万円、その他有形固定資産が52億96百万円それぞれ増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は9,049億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ168億37百万円減少いたしました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は2,289億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ489億30百万円減少いたしました。主な要因は、支払手形及び営業未払金が172億8百万円、短期借入金が150億9百万円、1年内返済予定の長期借入金が76億35百万円、賞与引当金が69億98百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は1,086億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ234億9百万円減少いたしました。主な要因は、長期借入金の返済等により有利子負債が151億53百万円、繰延税金負債の減少等によりその他固定負債が86億62百万円それぞれ減少したことによるものであります。

 この結果、負債合計は3,375億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ723億40百万円減少いたしました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は5,674億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ555億3百万円増加いたしました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,265億11百万円を計上した一方で、剰余金の配当349億38百万円の実施、ロジスティード株式会社の株式売却等によりその他有価証券評価差額金が211億46百万円減少したことに加え、自己株式の取得により自己株式が100億円増加(純資産への影響は減少)したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は61.2%となり、前連結会計年度末に比べ7.4ポイント上昇いたしました。

 

ロ.経営成績

(営業収益)

 デリバリー事業におきましては、第3四半期連結会計期間の前半頃までは経済社会活動の制限緩和やEC市場規模の拡大等を背景に、宅配便の取扱個数は堅調に推移しておりましたが、物価調整後の家計消費支出の弱まり等も影響し、第3四半期連結会計期間の後半頃からは荷動きが鈍化いたしました。他方で、「GOAL」を中心とした積極的な営業活動により、「TMS」は前期を上回って推移いたしました。ロジスティクス事業におきましては、物価上昇と金融引き締めなどを背景とした景気後退懸念や、米国での消費財を中心とした在庫過多等の影響を受け、海上・航空貨物ともに取扱量が大幅に減少いたしました。不動産事業におきましては、計画的に保有不動産を売却いたしました。その他の事業におきましては、「GOAL」でのトータルロジスティクス提案による物流IT案件の取引が増加したものの、半導体不足等の影響により新車販売が減少いたしました。

 この結果、営業収益は1兆4,346億9百万円となり、前連結会計年度に比べ9.7%の減少となりました。

 

(営業原価、販売費及び一般管理費、営業利益)

 デリバリー事業を中心に、取扱量に応じた人員配置や継続的な生産性向上の取組みにより、業績に大きな影響を与えない範囲でコントロールしてまいりました。

 この結果、営業原価は1兆2,375億66百万円(前期比10.1%減)、販売費及び一般管理費は617億67百万円(同9.6%増)となりました。営業利益は1,352億75百万円(同13.1%減)となり、営業利益率は9.4%と前連結会計年度に比べ0.4%ポイント低下いたしました。

 

(営業外損益、経常利益)

 営業外収益は、受取保険配当金や為替差益の計上等により45億79百万円(前期比31.4%減)となりました。営業外費用は、支払利息の計上等により19億13百万円(同8.7%減)となりました。

 この結果、経常利益は1,379億41百万円となり、前連結会計年度に比べ13.9%の減少となりました。

 

 

(特別損益、税金等調整前当期純利益)

 特別利益は、投資有価証券売却益の計上等により498億40百万円(前期は30億40百万円)となりました。特別損失は、減損損失の計上等により3億23百万円(前期比88.1%減)となりました。

 この結果、税金等調整前当期純利益は1,874億58百万円となり、前連結会計年度に比べ16.7%の増加となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 法人税等577億36百万円(前期比30.9%増)、非支配株主に帰属する当期純利益32億10百万円(同67.1%減)を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,265億11百万円となり、前連結会計年度に比べ18.5%の増加となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

・デリバリー事業

 デリバリー事業におきましては、第3四半期連結会計期間の前半頃までは経済社会活動の制限緩和やEC市場規模の拡大等を背景に、BtoB・BtoCの荷物はともに堅調に推移いたしました。第3四半期連結会計期間の後半頃からは物価調整後の家計消費支出の弱まり等も影響し、いずれも荷動きが鈍化いたしました。平均単価は、適正運賃収受の取組みを継続しているものの、大型荷物の取扱いが減少した影響等により、わずかに低下いたしました。他方で、「TMS」は「GOAL」による提案営業の成果として、前期を上回って推移いたしました。2022年10月には、当社の連結子会社である佐川急便株式会社の大型中継センター新設計画(兵庫県尼崎市、2026年7月稼働予定)を公表するなど、宅配便市場の中長期的な成長等を見据えた宅配便ネットワークの維持・向上のための投資も継続しております。また、コスト上昇については、当連結会計年度においては取扱量に応じた人員配置や継続的な生産性向上の取組みにより、業績に大きな影響を与えない範囲でコントロールしてまいりました。しかしながら、燃料・電力等のエネルギーに関連する費用や人件費、外注費など様々な費用の上昇圧力が高まっていることを踏まえ、宅配便の輸送インフラとその品質を維持・向上することを目的に、2023年4月1日からの宅配便届出運賃等の改定を公表いたしました。

 この結果、当セグメントの営業収益は1兆473億64百万円(前期比0.4%増)、営業利益は997億74百万円(同7.0%増)となりました。

 

・ロジスティクス事業

 ロジスティクス事業におきましては、海上・航空運賃ともに前第3四半期連結会計期間をピークに下落しております。海上・航空貨物の取扱量につきましては、物価上昇と金融引き締めなどを背景とした景気後退懸念や、米国での消費財を中心とした在庫過多等の影響等により、大幅に減少いたしました。中長期的な成長に向けては、当社の連結子会社であるEFL GLOBAL LLCがアメリカの通関事業者を、同EFL GLOBAL LOGISTICS (PTE.) LTD.がカナダのフォワーディングを中心とした物流事業者を子会社化するなど、国際輸送サービス強化のための取組みを実施してまいりました。国内におきましては、「GOAL」による包括的なソリューション提案等により、新規案件を受託するなど堅調に推移いたしました。

 この結果、当セグメントの営業収益は3,148億77百万円(前期比34.0%減)、営業利益は192億39百万円(同60.3%減)となりました。

 

・不動産事業

 不動産事業におきましては、計画的に保有不動産を売却いたしました。

 この結果、当セグメントの営業収益は195億49百万円(前期比73.1%増)、営業利益は99億38百万円(同50.3%増)となりました。

 

・その他

 その他の事業におきましては、「GOAL」でのトータルロジスティクス提案による物流IT案件の取引が増加したものの、半導体不足等の影響により新車販売が減少いたしました。

 この結果、当セグメントの営業収益は528億18百万円(前期比7.1%減)、営業利益は42億94百万円(同7.8%減)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ908億51百万円増加し1,782億49百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により得た資金は1,653億85百万円(前期比102.1%増)となりました。

 主な要因は、収入要因として税金等調整前当期純利益1,874億58百万円、売上債権の減少額686億43百万円をそれぞれ計上した一方で、支出要因として法人税等の支払額530億55百万円、投資有価証券売却益497億87百万円をそれぞれ計上したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により得た資金は280億28百万円(前期は452億70百万円の支出)となりました。

 主な要因は、収入要因として投資有価証券の売却による収入720億68百万円を計上した一方で、支出要因として有形固定資産の取得による支出246億42百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出120億52百万円をそれぞれ計上したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動に使用した資金は1,054億69百万円(前期は253億72百万円の支出)となりました。

 主な要因は、支出要因として配当金の支払額349億40百万円、長期借入金の返済による支出264億42百万円、短期借入金の純減額179億7百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出112億38百万円をそれぞれ計上したことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 セグメント別の営業収益及び当社グループの中核事業であるデリバリー事業の商品別取扱個数は次のとおりであります。

 なお、当社グループは、デリバリー事業、ロジスティクス事業、不動産事業を中心とするサービス提供を主たる業務としているため、生産及び受注の状況は記載しておりません。

 

イ.セグメント別の営業収益

 当連結会計年度のセグメント別の営業収益は、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

金額(百万円)

前期比(%)

デリバリー事業

1,043,186

102.8

1,047,364

100.4

ロジスティクス事業

477,031

229.6

314,877

66.0

不動産事業

11,292

49.4

19,549

173.1

その他

56,864

85.5

52,818

92.9

合計

1,588,375

121.1

1,434,609

90.3

(注)営業収益は外部顧客に対する売上高を示しております。

 

ロ.デリバリー事業の商品別取扱個数

 当連結会計年度のデリバリー事業の商品別取扱個数は、次のとおりであります。

商品の名称

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

取扱個数

(百万個)

1,423

1,410

 

飛脚宅配便

(百万個)

1,369

1,359

その他

(百万個)

54

50

(注)1.取扱個数は、当社グループの主要商品の取扱個数であります。

2.飛脚宅配便は、佐川急便株式会社が国土交通省に届け出ている宅配便の個数であります。

3.その他は、佐川急便株式会社の提供する飛脚ラージサイズ宅配便及びその他の会社の取扱個数であります。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの事業セグメントは、デリバリー事業、ロジスティクス事業、不動産事業とその他で構成され、主要セグメントであるデリバリー事業が、当連結会計年度において営業収益の7割程度を占めております。

 

・デリバリー事業

 デリバリー事業におきましては、主力の宅配便に加え、あらゆる「運ぶ」で付加価値を提供する「TMS」をはじめとした、「GOAL」による付加価値の高い物流ソリューションの開発・提供を行っております。また、これらの物流ソリューションの提供は、自社のセールスドライバーや外部輸送業者を通じて行うことから、営業費用の80%以上を人件費と外注費が占めております。そのため、働き方改革の推進、輸送品質の維持・向上や輸送インフラの強化、デジタライゼーションによる生産性向上等に継続的に取り組み、人件費・外注費の適切なコストコントロールに注力しております。

 当連結会計年度の宅配便の取扱個数は、第3四半期連結会計期間の前半頃までは経済社会活動の制限緩和やEC市場規模の拡大等を背景に堅調に推移しておりましたが、物価調整後の家計消費支出の弱まり等も影響し、第3四半期連結会計期間の後半頃からは荷動きが鈍化したことにより、通期で1,410百万個(前期比0.9%減)となりました。一方、平均単価は、適正運賃収受の取組みを継続しているものの、大型荷物の取扱いが減少した影響等により、643円(同0.5%減)とわずかに低下いたしました。また、「TMS」は、「GOAL」による提案営業の成果として、通期で営業収益1,197億44百万円(同16.9%増)となりました(前連結会計年度のTMSの営業収益には一部グループ内取引が含まれていたため、当連結会計年度では当該取引を除いた金額で算出し、前期比を算出しております)。この結果、当セグメントの営業収益は1兆473億64百万円(同0.4%増)となりました。

 人件費及び外注費につきましては、それぞれ3,578億83百万円(同4.5%減)、4,968億41百万円(同3.0%増)となりました。人件費減少の主な要因は、取扱量に応じた人員配置や継続的な生産性向上の取組みの効果であります。また、前連結会計年度の特殊要因であった一時金支給が当連結会計年度では発生しなかったことも影響しております。一方、外注費増加の主な要因は、「TMS」の売上が増加したことに伴う費用の増加であります。この結果、営業利益は997億74百万円(同7.0%増)となり、営業利益率は9.5%と前連結会計年度から0.6ポイント上昇いたしました。

 

・ロジスティクス事業

 ロジスティクス事業におきましては、主に当社の連結子会社であるEXPOLANKA HOLDINGS PLCを中心に海外で展開するフレイトフォワーディングに加え、デリバリー事業と連携した3PLや日本発着の国際輸送を展開しております。当セグメントは、フレイトフォワーディングを中心とする国際物流事業と3PLを中心とする国内物流事業とに区分しており、営業収益の構成比は、それぞれおおよそ7割程度、3割程度となっております。

 当連結会計年度におきましては、物価上昇と金融引き締めなどを背景とした景気後退懸念や、米国での消費財を中心とした在庫過多等の影響を受け、海上・航空貨物ともに取扱量が大幅に減少いたしました。また、海上・航空運賃についても下落いたしました。一方、国内におきましては、「GOAL」による包括的なソリューション提案等により、新規案件を受託するなど堅調に推移いたしました。これらにより、営業収益は3,148億77百万円(前期比34.0%減)、営業利益は192億39百万円(同60.3%減)となりました。この結果、営業利益率は6.1%と前連結会計年度から4.1ポイント低下いたしました。

 

・不動産事業

 不動産事業におきましては、当社グループの物流施設を中心に不動産の開発、賃貸、管理を行っております。

 当連結会計年度におきましては、物流施設にかかる保有不動産の売却額が前連結会計年度に比べ約80億円増加したことを主因に、営業収益は195億49百万円(前期比73.1%増)となりました。また、保有不動産の売却額増加を主因に、営業利益は99億38百万円(同50.3%増)となりましたが、営業利益率は50.8%と前連結会計年度から7.8ポイント低下いたしました。

 

 

・その他

 その他の事業におきましては、人材派遣・請負、宅配便の代金引換サービスや物流システムの開発・運用等の物流附帯サービスを提供しております。

 当連結会計年度におきましては、「GOAL」でのトータルロジスティクス提案による物流IT案件の取引が増加したものの、半導体不足等の影響により新車販売が減少し、営業収益は528億18百万円(前期比7.1%減)、営業利益は42億94百万円(同7.8%減)となり、営業利益率は8.1%と前連結会計年度から0.1ポイント低下いたしました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

・財務戦略の基本的な考え方

 当社グループは、高い財務健全性と資本効率を両立しつつ、中長期的な企業価値向上のための成長投資の実施と株主還元の充実を図ることを財務戦略の基本方針としております。

 

・財務健全性の状況

 当社グループは、中長期的な企業価値向上のための成長投資を支える強固な財務基盤が必要と考えております。当連結会計年度末の自己資本比率は61.2%となり、前連結会計年度末に比べ7.4%ポイント上昇いたしました。今後も財務健全性の維持に努めてまいります。

 

・資本効率の向上

 当社グループは資本コストを重視し、投資において投下資本利益率が資本コストを上回るよう管理し、ROEの維持・向上を意識した経営を実施しております。当連結会計年度のROEは24.1%と、前連結会計年度から0.2ポイント上昇いたしました。今後も成長が期待される分野へ規律ある投資を行うことで、企業価値の最大化に努めてまいります。

 

・フリーキャッシュ・フローの状況

 当社グループは、フリーキャッシュ・フローを営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計と定義し、成長投資、内部留保や株主還元などを検討する際の指標の一つとして重視しております。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

81,822

165,385

83,562

投資活動によるキャッシュ・フロー

△45,270

28,028

73,298

フリーキャッシュ・フロー

36,552

193,413

156,861

 

・株主還元

 当社グループは、株主へ配当金による利益還元を実施しております。配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。また、当連結会計年度におきましては、株主還元の強化と資本効率の向上を図ることを目的として、2022年10月3日から2023年3月24日までの間に自己株式5,036,600株(取得価額100億円)を取得いたしました。

 

・流動性の状況

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、1,782億49百万円となりました。当連結会計年度末の短期借入金153億96百万円と、1年内返済予定の長期借入金186億66百万円の返済に必要な流動性を十分に満たしていると認識しております。

 

 

・資金調達手段

 当社グループの事業活動における運転資金については、原則として手持資金(利益等の内部留保資金)で賄っております。設備資金等については、手持資金とのバランスを勘案し、必要に応じて外部から長期借入金で調達しております。

 当社グループは、当社及び国内子会社を対象に、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を利用し、グループ内資金の包括的管理を実施しており、国内子会社において、設備投資等に伴う大規模な資金が必要となる場合は、当社が国内各子会社に長期貸付を行っております。

 海外子会社においては、当社が、投資計画・資金計画に基づいて貸付又は増資引受けを行い、地域に所在する海外各子会社の資金を管理する体制としております。また、外貨資金需要への機動的な対応と調達手段の多様化を目的として、金融機関との間に外貨建貸越極度枠を設定しております。なお、当社の連結子会社であるEXPOLANKA HOLDINGS PLC及び上海虹迪物流科技有限公司においては、資金調達の一部を金融機関から直接行っております。

 翌連結会計年度につきましても、上記の方針に基づき資金調達を行う予定であります。なお、重要な設備の新設計画については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設」に記載のとおりであります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。当社グループは連結財務諸表を作成するに当たり、退職給付に係る負債、税効果会計、貸倒引当金の計上等において、過去の実績等を勘案するなど合理的な見積りを行い、その結果を反映させておりますが、実際の結果は見積りの不確実性があるためこれらの見積りとは異なる場合があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。