文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、経営基本方針である「エンジニアリングアプローチによる製品事業の付加価値向上」「受託事業からエンジニアリングサービス事業への転換」「早い変化と多様性に対応できる経営基盤の整備」のもと、事業活動を行っております。
この経営基本方針は、当社グループの価値として掲げる「塗る・切る・磨く」の3つの領域にわたるコア技術により、付加価値の高い製品・サービスの提供を目指すものであります。
① エンジニアリングアプローチによる製品事業の付加価値向上
ハイテク関連である精密分野と一般研磨分野の双方でお客様に対する付加価値の高い製品を提供するため、積極的な研究開発や、新事業への取組みを図ってまいります。
② 受託事業からエンジニアリングサービス事業への転換
単に受託業という枠に留まらず、お客様にとってのカスタマーズサクセスを創り上げるエンジニアリングパートナーとなるため、お客様のニーズに対してよりスピーディーで包括的なサービスが提供できる体制づくりを図ってまいります。
③ 早い変化と多様性に対応できる経営基盤の整備
積極的なIT投資によるさらなる効率化とともに、多様性を尊重した働き方や人材育成の推進を図ってまいります。また、IT等を活用した場所を選ばない働きかたの促進により、従来より多くの社内コミュニケーションやステークホルダーの皆様との繋がりを促進してまいります。
当社グループでは、創立100周年となる2026年3月期に向け、MipoxWayとして定める使命、価値、志に基づく事業活動を多角的かつ積極的に進めてまいります。また、経営基本方針に基づく安定的で継続的な成長を重視しており、各段階利益を主な経営指標としております。
当社グループでは、上記3つの経営基本方針をもとに、各種課題への取組みを図ってまいります。
安定収益を確保し、成長し続けるためには、既存製品・サービスの伸長に加え、当社独自の技術で新たな製品・サービスを創出していくことが重要な課題と認識しており、次世代半導体の「課題」解決に対するニーズにMipoxのコア技術を組み合わせた「創造」×「エンジニアリング」で応えてまいります。
受託請負ではなく、課題に一緒に取組むエンジニアリングパートナーとしてMipoxにしか出来ない付加価値を提供してまいります。
製品事業・受託事業の両事業の設備・ノウハウ・人材の共有により製品能力・開発力を向上させることで両事業で最先端のニーズに対応してまいります。
さらに、通信インフラやデータセンター関連等への注目も引き続き高まっていることから、電子デバイス関連と同様に当分野へ取組み強化が重要と捉え、取組みの強化を図り、将来の安定利益の実現へつなげてまいります。
当社グループ生産拠点の再編、製品の安定供給を目的とした製造設備の有効活用、原材料における複数購買及び代替品の調査や不測の事態等へ速やかに対処することが出来るよう努めており、2022年4月1日に栃木県鹿沼市に工場を取得いたしました。受託事業生産能力の拡大、事業成長のための場所の確保、BCPの観点からの生産体制の分散となります。
現在稼働に向けて、受託事業を中心に設備、機械、人材の移動・新規導入、増強を実施しており、順次立上げを行っており、グループ内での製造・受注等の複雑化の解消と日本国内での一気通貫体制の構築、生産体制の再編を行ってまいります。
このような活動によりステークホルダーの皆様へ安定的な供給を図っております。
人・もの・情報全てとつながる工場、スマートファクトリー化の強化に向けて、引き続きデジタルデータ活用により業務プロセスの改革、品質・生産性の向上を継続発展的に実現する工場へ向けた取組強化を進めてまいります。
その中で、工場やシステムだけでなく、働く人のDX化にも注力してまいります。組織内でのDX人材を中長期的に育成し、各製造部門や、開発部門、生産管理部門等でDXに関わる知識やスキルを持つことで、スマートファクトリー化に向けた動きをより加速させることができます。
カスタマーエクスペリエンス(CX)向上の実現に向け製品・サービスの提供能力を強化していきます。
セールス部門の細分化により、リード獲得までの連携とフォローアップ体制の強化生産リードタイムの短縮と適正在庫の見直しによる即納体制の構築エンジニアリングによる製品・サービスの向上及び新しいニーズにあった新製品の開発メーカーとして「モノをつくって売る」だけのビジネスから、「価値を提供する」ビジネスへ、様々な取組みや改革でカスタマーエクスペリエンスの向上を実現してまいります。
当社は、サスティナビリティに責任ある会社となるため、環境・社会・ガバナンスを重視しております。またその中でも特に環境への配慮を最重要課題として、品質・環境方針を定めております。今後も環境に配慮した設備を設置し、大気への有害物の排出量を削減するとともに、エネルギーの効率化に努めてまいります。
2026年には創業100周年を迎えますが、その次の100年も見据えた経営を目指してまいります。
当社は、長期的利益を重視しております。企業が長期的に企業価値を高めていくためには、「お客様」(お取引先や地域社会等)を満足させること、そして、お客様を満足させる良い製品を作るためには、優れた従業員の企業貢献意欲が必要となります。
当社は、株主の皆様より提供された資本を安全に、正確かつ有効に活用し、公正な収益を生み出し、その企業利益を「株主の皆様」、「お客様」、「従業員」へ適正に配分すること、つまり、企業のさまざまな利害関係者に共通の企業利益を極大化することを企業の目的とし、経営の意思決定を行う際には、これらの利害関係者を公平にかつ同等に考慮する多元的な企業概念に基づいて経営を行い、企業価値・株主価値の増大を目指しコーポレート・ガバナンスや経営の透明性が有効に発揮するよう努めております。
当社の経営基本方針は、以下のとおりでございます。
・エンジニアリングアプローチによる製品事業の付加価値向上
・受託事業からエンジニアリングサービス事業への転換
・早い変化と多様性に対応できる経営基盤の整備
当社の「エンジニアリング」とは、社会やお客様に付加価値を創造し続ける精神、姿勢を表します。我々のコア技術「塗る・切る・磨く」で、その分野のプロフェッショナルとしてチャレンジし続け、社会やお客様が実現したいことを具現化し、世界を変えていきます。さらに、お客様の成功のための付加価値を創造する環境をつくるため、多様な働き方を推進してまいります。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針
当社が100周年を迎え、さらなる先の100年を視野に入れた経営を目指すためには、社員一人ひとりの「個」の相乗効果が不可欠です。自律的にキャリアを構築できる人材づくりと、心理的安全を基に組織風土の醸成を進めてまいります。
1.多様性を活かす
多様な考え方、バックグラウンドを持つ人材を活かす土台として、立場に関係なく本音で話せる心理的安全性の高い職場づくりに向けた取り組みを強化します。そのためには、組織づくりとして重要なポジションである管理職のマインド・スキルを向上させるための施策を講じてまいります。
2.自律的にキャリアを構築できる人材づくり
経営戦略の実現のためには、当社で働く一人ひとりが自ら考え、自ら行動をする「考動」が重要な要素となります。全社員が「自律自走」ができる仕組みづくりを進め、強いMipoxを作ってまいります。
当社は、サスティナビリティに責任ある会社となるため、担当部署を中心に全社的にリスク管理を行っております。特に環境面においては、環境に配慮した設備を設置し、大気への有害物の排出量を削減するとともに、エネルギーの効率化に努めております。
当社北杜事業所にはLNG(液化天然ガス)ボイラが設置されています。LNG(液化天然ガス)はCO2やNOx(窒素酸化物)の排出量が石油に比べて少なく、SOx(硫黄酸化物)や煤塵がまったく発生しない燃料となっております。北杜事業所では最新鋭の機器を設置し、熱源をLNG化することにより大気への有害物の排出量を削減するとともに、エネルギーの効率化に努めています。また、鹿沼事業所、福山事業所では同じくLNGを主燃料とした都市ガスを利用しております。
また、蓄熱式直接燃焼装置(RTO)を北杜・鹿沼事業所に設置し、研磨フィルム等を製造する際、コーティングの乾燥工程から発生する有機溶剤ガス(揮発性有機化合物:VOC)を集め、燃焼することにより無害化しております。
当社は、サスティナビリティに責任ある会社となるため、経済産業省が公表した「GX(グリーントランスフォーメーション)リーグ基本構想」に賛同しております。2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を目指すことが宣言され、2030年度の新たな温室効果ガス排出削減目標として、2013年度から46%削減することを目指し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けるとの新たな方針が示されました。当社はこの新たな方針を達成するために設立されたGXリーグの基本構想に賛同し、他の企業と協力しながら目標達成に向けて新しい取り組みを検討して参ります。
また、女性の管理職比率、男性の育児休業取得率においては、厚生労働省が発表している雇用均等基本調査結果における全国平均よりも低い数値となっております。まずは、全国平均に到達できる様に、今後も継続して環境整備を始めとした取り組みを推進してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
EUV露光装置の登場等、半導体を筆頭とする電子部品業界で数年ごとに生じる製造プロセスの世代交代に伴い、半導体メモリー市場は、定期的に需給バランスが大きく崩れ、季節変動が激しくなるリスクがあります。
当社グループの営業収入は国内外のエレクトロニクス業界の需要動向と密接に関係があります。従いまして、当社グループの業績は、エレクトロニクス業界を取巻く市場における景気後退と回復、並びにそれに伴う需要の増減に影響され、財務状況にも影響が及ぶ可能性があります。この市場を避けたニッチ戦略を目指し対応を進めてまいります。
また、受託事業においては、委託先の生産量によって工場稼働率が左右してしまう可能性があります。お客様・装置・最終製品用途を一極集中することなく、分散させ工場稼働率安定化を図るような営業活動を行うなど、対応を進めてまいります。
(2) 海外情勢の変化によるリスク
ウクライナ情勢緊迫化による各国間の制裁措置で、原油と天然ガス、電気といったエネルギー価格の高騰と切迫が起こり、レアガス(希ガス)やレアメタル(希少金属)などの半導体に必要な部品の製造が滞る可能性があります。電子機器材料不足はエレクトロニクス業界のサプライチェーンに影響し、当社研磨フィルムの販売数の増減やマーケットエリアの大幅変更が考えられます。
当社グループと密接な関係にあるエレクトロニクス業界の技術変化は、目覚ましいものがあります。従来から継続的に活用されている技術にとって代わる新技術が台頭する可能性があります。技術革新動向については、細心の注意を払っておりますが、予想だにしない代替の技術開発が世の中に提供された場合は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
技術情報漏洩、自社従業員、退職者、取引先、外部からの不正アクセス等、情報流出のリスクがあります。それに対して、法的保護、秘密管理体制の構築が必要となります。
当社が主に事業展開しているエレクトロニクス市場は需要動向の変動が激しい産業構造となっております。また、技術革新も目覚ましく当社で取り扱っているハードディスクビジネスにおいては新記録方式リリース時に使用部材変更の可能性の恐れがあります。また、最先端受託研磨ビジネスにおいては常に高品質化が求められており、技術革新により新たな競合が現れる可能性あります。技術革新動向については、外部環境含めて最新の注意を払っておりますが、自社開発スケジュールが著しく遅延した場合、競合他社に参入される恐れがあります。
(5) 商品在庫に関するリスク
当社グループは、お客様の多様な商品ニーズに対する即納体制の確立のために、多品種の在庫を有しています。そのため、市況の変化により過剰在庫を抱える可能性があり、また、商品評価損の計上により当社グループの業績及び財務状態に影響を与え、キャッシュ・フローが滞る可能性があります。
当社グループは、今後も継続的な成長を維持するため、新規事業への取組みを行ってまいりますが、その内容によっては研究開発・設備投資・人材確保のための費用が発生する可能性があり、また、安定的な収益を得るまでに一定期間が必要であることから、その期間の当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの外国通貨建取引については、為替変動リスクを軽減するための施策を実行しておりますが、完全にリスクを排除できるとは限らず、為替相場の変動によっては、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、連結財務諸表作成にあたっては、在外連結子会社の現地通貨建ての報告数値を円換算しております。換算時の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらない場合でも、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
(8) 災害によるリスク
当社グループには、国内及び海外に活動拠点があり、これらの拠点、特に工場では、予想を遥かに超える地震や火災等により重大な被害が発生した場合には、相当期間にわたって生産活動が停止し、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクについて、事業継続計画(BCP)や危機管理規程を策定し迅速な復旧対応ができるように体制を整備するなど防災体制づくりを進めております。
また、感染症蔓延防止のため、テレワークができる体制を整えております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウィルス感染症(以下、感染症といいます。)による経済活動の制限が限定的になりつつも、世界的なウクライナ情勢の長期化や米中関係の地政学的リスク、インフレ抑制を図った金融引き締めの影響により、エネルギー価格の高騰や円安基調の為替変動等を起因とした物価上昇も見られました。足許ではウィズコロナの下、外国人旅行者の増加や、個人消費の持ち直しがあるものの、欧米での金融機関の破綻・経営不安等の影響の拡大も懸念され、我が国の景気への下押し圧力や、今後の金利政策や為替動向に注意を要する状況です。
このような状況の中、当社グループは、経営基本方針である「エンジニアリングアプローチによる製品事業の付加価値向上」「受託事業からエンジニアリングサービス事業への転換」「早い変化と多様性に対応できる経営基盤の整備」のもと、当社グループの価値として掲げる「塗る・切る・磨くで世界を変える」ための取り組みを継続してまいりました。
当社グループの事業環境におきましては、当連結会計年度上半期は、前連結会計年度から引き続き半導体市場が堅調であったものの、世界的なインフレ抑制を図った金融引き締めの影響もあり、下半期頃から半導体やハイテク製品の在庫調整および米国GAFAMを中心とした雇用調整と投資抑制等、急速に当社の主な顧客マーケットである、データセンター向け投資の抑制、ハードディスク関連や光ファイバー関連、PC、電子デバイス需要に係る半導体関連の需要の減退が見られました。一方、当連結会計年度に取得し、稼働を開始した鹿沼事業所を軸とした生産体制の再編は一定の進捗と成果が見られており、新たな受託ニーズの獲得を含む生産能力の拡大と生産体制の効率化を進めております。
その結果、当連結会計年度における当社グループの業績は売上高100億29百万円(前年同期比4.0%減)、営業利益は2億12百万円(前年同期比85.5%減)、経常利益は4億26百万円(前年同期比73.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は45百万円(前年同期比97.1%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
製品事業の売上高は、79億48百万円(前年同期比5.0%増)、セグメント利益は7億53百万円(前年同期比14.9%減)となりました。自動車や鉄鋼関連向けの一般研磨製品の売上が安定的に推移した一方、世界的なデータセンターへの投資抑制や電子デバイス関連市場の低迷により、ハードディスク関連製品の売上が減少し、増収減益となりました。
受託事業の売上高は、20億80百万円(前年同期比27.7%減)、セグメント損失は5億40百万円(前年同期は5億82百万円のセグメント利益)となりました。受注元の在庫調整や生産変更などによる受注減の影響を受け売上が減少し、事業所維持費を中心とした固定費等が増加したことにより減収減益となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ15億88百万円増加の161億95百万円となりました。
主な内容は、現金及び預金の増加2億19百万円、仕掛品の増加3億43百万円、その他流動資産の増加4億96百万円、有形固定資産の増加33億13百万円、前払金の減少27億55百万円、繰延税金資産の減少1億99百万円等であります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ16億82百万円増加の81億97百万円となりました。
主な内容は、短期借入金の増加14億69百万円、長期借入金の増加6億79百万円、繰延税金負債の増加1億5百万円、未払法人税等の減少2億75百万円、前受金の減少2億円等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ93百万円減少の79億97百万円となりました。
主な内容は、親会社株主に帰属する当期純利益45百万円、為替換算調整勘定の増加75百万円、配当金の支払による利益剰余金の減少2億13百万円等であります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、49.4%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ2億18百万円増加の24億52百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、4億23百万円の減少(前年同期は16億56百万円の増加)となりました。
主な内容は、税金等調整前当期純利益4億29百万円、減価償却費5億27百万円、賞与引当金の減少83百万円、関係会社整理損失引当金の減少87百万円、棚卸資産の増加による減少3億21百万円、未収入金の増加による減少1億71百万円、前受金の減少2億円、法人税等の支払額4億29百万円等であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、10億68百万円の減少(前年同期は33億36百万円の減少)となりました。
主な内容は、有形固定資産の取得による支出9億84百万円、関係会社株式の取得による支出38百万円、事業譲受による支出30百万円等であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、16億38百万円の増加(前年同期は9億32百万円の増加)となりました。
主な内容は、短期借入金の純増額14億69百万円、長期借入れによる収入20億34百万円、長期借入金の返済による支出13億34百万円、リース債務の返済による支出2億18百万円、配当金の支払額2億12百万円等であります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当社グループの事業は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度は、新型コロナウィルス感染症(以下、感染症といいます。)による影響が限定的になりつつも、地政学的リスクやインフレ抑制のための金融引締め、原材料価格やエネルギー価格の高騰等により、世界経済の先行きに対する不透明な状況が続いております。
当連結会計年度の下半期頃から上記における外部環境の影響もあり、半導体やハイテク製品の在庫調整および米国GAFAMを中心としたデータセンター向け投資の抑制が見られました。これらのマーケットは当社の製品事業ハイテク関連分野において主な顧客マーケットであり、当該関連製品は当社の世界シェアが高く、利益率が相対的に高い製品であります。上記以外の製品事業ハイテク関連分野において売上増加があったものの、当該セールスミックスの変化から利益率は減少いたしました。また、主にPCやタブレット、スマートフォン等のエレクトロニクス製品の需要減退により受託事業にも影響しております。
なお、当連結会計年度は2022年4月において取得した鹿沼事業所を軸とした生産体制の再編を進めており、概ね想定通りの進捗であります。引き続き、生産体制の効率化と鹿沼事業所のキャパシティーを活かした事業拡大を目指してまいります。
2024年3月期の業績予想につきましては、安定的な売上高を見込む製品事業の一般研磨関連があるものの、ハイテク関連および受託事業は、当連結会計年度の下期における外部環境の影響が一定程度継続する見通しであり、下半期頃からの回復を見込んでおります。そのため、売上高は105億円、営業利益は5億円、経常利益は6億円、親会社株主に帰属する当期純利益は5億円を見込んでおります。
当社グループは、国内外での事業活動について中長期的な視野から資金需要を認識しており、運転資金及び設備投資資金については、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金の他、社債の発行、エクイティファイナンス及び金融機関からの借入等による資金調達にて対応しております。
資金調達については、調達コストとリスク分散を勘案し、調達手段の多様化を図ることで、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。
また、これらの資金需要に対応するため、GCMS(グローバル・キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、当社グループにおける資金の可視化、資金の有効活用や金融費用の削減、またリスク管理の高度化を図っております。
当連結会計年度末における社債及び借入金、リース債務を含む有利子負債残高は、19億24百万円増加し、60億14百万円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は24億52百万円となりました。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、重要となる会計方針、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響や主要顧客の情勢等については、先行きが不透明な状況ではありますが、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、翌連結会計年度の前半までは足元の状況が継続し、その後緩やかに回復するという一定の仮定のもと、会計上の見積りを行っております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項」の「追加情報」に記載のとおりであります。
なお、見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、過去の実績や状況に応じて最も合理的と考えられる方法等に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。
当社は、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行4行と総額28億円のコミットメントライン契約を締結しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結貸借対照表関係)」及び「第5 経理の状況 2.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (貸借対照表関係)」に記載しております。
当連結会計年度における研究開発活動におきましては、当社経営基本方針に掲げる「エンジニアリングアプローチによる製品事業の付加価値向上」「受託事業からエンジニアリングサービス事業への転換」「早い変化と多様性に対応できる経営基盤の整備」に基づき進めてまいりました。
当社では、SiCを中心とする次世代半導体材料・ウェーハの加工や結晶評価に重点をおきつつ、加工と常温接合をつなぐ洗浄技術、データストレージや光ファイバー、プリント基板など高付加価値分野での研究開発に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は
主な研究開発活動は次のとおりであります。
(1) ハードディスク関連
既存の垂直磁気記録方式のハードディスクに対して、大容量化に向けて近い将来登場する記録方式であるエネルギーアシスト磁気記録方式のハードディスク向け研磨フィルム用に、新しい研磨材を用いる塗布技術の確立に向けた開発に取り組んでまいりました。
(2) 光ファイバー関連
5Gをはじめとする、高速・大容量通信ネットワークの普及によるデータセンター用コネクタ市場の拡大に伴い、同コネクタ向けの初期工程の粗研磨用フィルムから最終工程の精密仕上げ用の研磨フィルム及び研磨スラリーの製品化を進めてまいりました。
(3) ウェーハ関連
今後、需要が急増する可能性がある、大口径SiCウェーハ(8インチ)に対応した研磨フィルム式エッジポリッシャーの開発を進めてまいりました。SiCウェーハ製造用途向けでは、同ウェーハを安定した状態でハンドリング出来る新機構を開発、SiCデバイス用途向けでは、薄化工程時の歩留まり改善に効果が認められているエッジトリミング用途に特化した専用機構を開発し、各テスト加工、引合いを進めております。また、以前から取組みを開始したダイヤモンド砥粒を積極的に使用する新アプリケーションの開発を今期も継続し、大口径SiCウェーハ向けに適用し、当社独自のエッジ研磨プロセスの確立に挑んでおります。
(4) PCB向け研磨ホイールの開発
PCB研磨工程で使われる各種研磨材の開発に取り組んでまいりました。高精細化するPCB市場のニーズ合わせた砥石と不織布の研磨ホイールを開発、提案し高評価に繋がりました。このうち砥石タイプの研磨ホイールは、安定した仕上げ面粗さと優れた耐久性を評価されております。
(5) 半導体結晶観察装置の開発
国立研究開発法人からの事業委託を受け半導体結晶インゴットの内部歪を観察する装置を開発してまいりました。また、大学と共同研究開発も継続して行っており、これらの研究開発をベースにした観察サービスの提供を2、3年以内で予定しております。
この結果、当連結会計年度における製品事業の研究開発費は
鹿沼事業所内に新設したクリーンルーム(北杜事業所と比較して大幅増床)により、新たに環境を得た各種ウェーハ向け精密洗浄プロセスの開発に取り組んでまいりました。精密洗浄処理は、その前工程に位置するポリシング及びCMPや、後工程となる接合処理をつなぐ重要な工程であり、当社が目指すエンジニアリングの実現に不可欠なプロセスの一つであります。新設した専用洗浄装置を用い、洗浄剤の開発、洗浄条件の最適化を図り、CMP、接合処理共に、従来にないレンジでお客様のニーズに応えられる受け入れ態勢の構築を達成しております。
この結果、当連結会計年度における受託事業の研究開発費は