第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

① Our Philosophy

当社は、将来予測が困難な事業環境において、当社グループが一丸となって変化に対応していくための判断と行動の軸となる「Purpose(パーパス)」を“「Material Revolution®」の力で世界を持続可能で豊かにする。”と制定しました。また、「Purpose(パーパス)」を起点として、当社グループが将来目指す姿である「Vision(ビジョン)」及び当社グループ独自の提供価値を生み出す「Value Creation Process(価値創造プロセス)」を再定義し、これら3つを合わせて企業グループ理念体系「Our Philosophy」として制定しました。同時に、「Purpose(パーパス)」を実現するために優先的に取り組むべきテーマとして6つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、これらを2022年11月29日に公表しております。

当社グループは、全ての役職員が「Purpose(パーパス)」を共有し、マテリアリティ(重要課題)の重要性を認識した上で、実効性のある経営、事業活動に取り組み、不適切行為の再発防止につなげていくことはもとより、様々な社会課題を解決する産業機械と新素材の開発・実装を通じ、将来にわたって全てのステークホルダーに貢献し、社会価値の創出と持続的な企業価値の向上を同時に実現してまいります。

Purpose(パーパス)を起点とした日本製鋼所グループの企業理念体系及びマテリアリティの概要は以下のとおりです。

 

<Purpose(パーパス)を起点とした日本製鋼所グループの企業理念体系「Our Philosophy」>

 

○Philosophy Structure

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○Purpose(パーパス)

Material Revolution®

「Material Revolution®」の力で世界を持続可能で豊かにする。

 

○Vision(ビジョン)

社会課題を解決する産業機械と新素材の開発・実装を通じて全てのステークホルダーに貢献する。

 

 

○Value Creation Process(価値創造プロセス)

当社グループは、「プラスチック」加工機械の開発においては、装置内で素材を「溶かす」、均一に「混ぜる」、求められる形に「固める」技術をベースとし、これに「機械要素技術」「精密制御技術」を加えて、広範な業種にわたる顧客の多種多様なニーズに応えて来ました。

結晶材料においても、容器内で原材料を「溶かす」、「固める」技術に「精密制御技術」を加えて、良質で用途が多岐にわたる結晶を製造して来ました。

当社グループは、これらの「溶かす」「混ぜる」「固める」技術と「機械要素技術」「精密制御技術」というコア・コンピタンスをより一層磨き、社会課題を解決する産業機械と新素材を開発・実装する「Value Creation Process(価値創造プロセス)」により、社会価値の創出と持続的な企業価値の向上を同時に実現していきます。

 

<マテリアリティ(重要課題)>

○価値創造領域:当社グループの事業を通じた価値創造と社会課題の解決

・プラスチック資源循環社会の実現

・低炭素社会への貢献

・超スマート社会への貢献

 

○経営基盤領域:当社グループの持続的成長に向けた経営基盤の強化

・人的資本の強化とダイバーシティ&インクルージョン

・未来への投資とイノベーションマネジメント

・JSWグループにおけるガバナンス強化

 

なお、当社ホームページに「Purpose(パーパス)」及びマテリアリティ(重要課題)の詳細を掲載しておりますのでご参照ください。当社ホームページは随時、最新の情報に更新しておりますが、下記の参照先につきましては、第97期有価証券報告書の提出日現在において更新の予定はございません。

Purpose(パーパス)

(https://www.jsw.co.jp/ja/guide/vision.html)

マテリアリティ(重要課題)

(https://www.jsw.co.jp/ja/sustainability/materiality.html)

 

② 日本製鋼所グループ 企業行動基準

当社グループは、持続可能な社会の実現を目指す企業として、次の10原則に基づき、国の内外において、全ての法律、国際ルール及びその精神を遵守するとともに、高い倫理観をもって社会的責任を果たしてまいります。

 

1.持続可能な経済成長と社会的課題の解決を図るために、イノベーションを通じて、社会に有用で安全性に配慮した製品・技術・サービスを開発・提供する。

2.公正かつ自由な競争に基づく適正な取引、責任ある調達を行う。また、政治、行政とは健全な関係を維持する。

3.企業価値向上のため、適切な企業情報を積極的かつ公正に開示し、幅広いステークホルダーとの建設的な対話を行う。

4.全ての人々の人権を尊重する。

5.市場や顧客のニーズを製品・技術・サービスに反映した上で、顧客からの問い合わせ等に速やかに対応することにより、社会と顧客の満足と信頼を獲得する。

6.従業員の多様性、人格、個性を尊重する働き方を実現し、良好な職場環境を確保する。

7.環境問題への取り組みは企業としての重要な責務であることを認識し、主体的に活動する。

8.企業市民として、社会に参画し、その発展に貢献する。

9.市民社会や企業活動に脅威を与える反社会的勢力やテロ、サイバー攻撃、自然災害等に対して、組織的な危機管理を徹底する。

10.経営トップは、この行動基準の精神の実現が自らの役割であることを認識し、実効あるガバナンスを構築した上で、当社および関連会社に周知徹底を図り、あわせてサプライチェーンにも本行動基準の精神に基づく行動を促す。

また、本行動基準の精神に反し、社会からの信頼を失うような事態が発生した時には、経営トップが率先して問題解決、原因究明、再発防止等に努め、その責任を果たす。

 

(2)経営環境と対処すべき課題

① 製品検査に関する不適切行為について

当社グループでは、2022年2月下旬に日本製鋼所M&E株式会社(以下「M&E社」といいます。)の製品検査についての内部通報を受け、当社としてM&E社に対し抜き打ちによる社内検査を実施したところ、同年3月下旬に、M&E社が製造する一部製品の検査において、不適切行為がなされている事実を確認し、それらを検証しました。これを受けて、2022年5月9日に同事案を対外公表したうえで、外部弁護士から構成される特別調査委員会を設置して調査を実施し、2022年11月14日付で不適切行為の内容、原因分析に係る調査結果と再発防止に向けた提言を受領しました。調査の結果、電力製品や鋳鍛鋼製品などで検査結果・分析値の改ざん、ねつ造、虚偽記載などが確認され、原子力製品においても手続仕様の逸脱が確認されるところとなりました。本件不適切行為が、M&E社の扱う様々な製品において長期に亘って行われてきたこと、また、過去の他社事例を戒めとして自らの行為を是正できなかったことは誠に遺憾であり、お客様や株主の皆様をはじめとする関係各位に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしたことを改めて深くお詫び申し上げます。

当社グループでは、不適切行為の原因やその背景に真摯に向き合うとともに、後述の再発防止策を最優先課題として、全力でこれに取り組んでいるところであります。「高い倫理観とチャレンジ精神」「心理的安全性」を醸成・両立することで、皆様からの信頼を取り戻し、企業価値の向上に資するよう引き続き努力してまいります。

 

<原因分析>

1.牽制機能が働きにくい不十分な組織管理体制

M&E社では、製品部がお客様との仕様調整から、製品の製造・品質確認に係る各工程を計画・指示しており、権限が集中していました。また、素材製造という性質上、製造工程に関わる部門が限定的となり、かつ製品部が直接・間接に関与し指導していたことから、工程間での牽制機能が働きにくい体制となっていました。一方、機械製造を事業とする他製作所では、設計・機械加工・組立など一連の製造工程が、生産管理部門による工程管理を軸として各々分業体制を基本としており、工程間で一定の牽制機能が働く体制となっており、同様の不適切行為は確認されておりません。

2.品質コンプライアンス意識の低さ

M&E社では、製品の最終品質に重きを置き、お客様と取り決めた製造工程における仕様・検査の一つひとつの積み重ねによって品質がつくり込まれるという意識が十分とは言えず、品質保証の「プロセス」を軽視しがちでした。また、独自の基準による品質上の問題がなければ、ある程度の仕様違反は許容されるといった誤った考えや、規定や仕様の定義や解釈を独自に変えることで、問題の解決を図ろうとする傾向が見られました。

3.経験・実績への過信とお客様要求・対話へのプレッシャー

M&E社では、高度な品質や納期確保に対しても完全を期する姿勢が強く見られます。このような背景のもと、品質トラブルを生じた場合、お客様との十分なコミュニケーションを行うことなく対策することを個人や組織レベルで正当化し、不適切行為に至っていました。

4.紙ベースや手作業を中心とした検査業務プロセスと慢性的な人員不足

紙ベースでの管理かつ手作業による記録では、検査結果の書き換えなどが可能な環境となっています。また、M&E社では、手作業の多さや管理の煩雑さは、特に突発事象対応において業務負荷の増加や人的リソースの逼迫を招き、効率化の名のもとでの必要な業務の省略などの誘因となりました。

 

<主要な再発防止策>

当社は、原因分析に基づき、特別調査委員会からの提言も踏まえつつ、本件不適切行為に対する以下の再発防止策を策定し、実施しております。また、取締役会で、当社グループにおける再発防止に向けた取組みの全体像を決議したうえで、その進捗状況と効果を定期的にモニタリングしていくこととしています。

1.組織管理体制の構築

ア)全社的な品質保証体制の構築

事業部あるいは製作所における自己完結型の品質保証マネジメント体制に対して、コーポレートとしての監視・監督機能を強化するために、各事業部・製作所における品質保証機能を統括する部門として全社品質担当役員をトップとする「品質統括室」を2022年9月16日付で新設し、以下の業務を行っています。

a. 全社品質方針および品質基本行動指針の策定

b. 当社の経営戦略と各事業・製作所(M&E社を含む)における品質活動方針との整合指導

c. 各事業部・製作所における品質保証活動の監督および評価(独自監査を含む)

d. 当該評価に基づく業務改善指導・勧告

e. 品質保証活動に係る全社的な教育・研修の実施

f. 各事業部・製作所における有用な品質改善活動や問題、共有すべき情報の全社水平展開

g. 重大な製品事故や品質不正問題発生時の対処指揮

h. 全社的または各事業部・製作所の重要な品質保証活動に係る経営報告

また、各製作所の品質管理部門長を兼務者として当社品質統括室に組み入れることで人的統制を図るほか、各製作所の品質管理部門が当社品質統括室からの品質監査を受けることにより、親会社からの監視・監督機能を強化しました。

イ)M&E社における品質保証機能の独立性強化

M&E社においては、納期およびコストに責任を有する製品部による品質管理業務への干渉を防ぐために、品質保証機能を品質管理部に集約し、M&E社の社長直轄組織とします。当該組織改正は2022年6月1日付で実施済みです。また、2023年1月1日付で、製作所の有する人員・設備能力を適切に検証・管理するため、納期およびコストの管理に関わる機能を製品部から分離・再編しております。

 

2.品質コンプライアンス意識の強化・向上

ア)経営トップからのメッセージ発信

経営幹部による品質コンプライアンスに対する真摯なコミットメントを示すことで、その下で働く従業員への啓発活動としています。また、当社社長による従業員とのタウンホールミーティングを定期的に開催しており、対話を重ねることで、品質コンプライアンス意識の醸成を図り、また風通しの良い職場風土へと刷新します。

イ)「品質コンプライアンス月間」の制定

不適切行為に関わる教訓を風化させないために、毎年5月を「品質コンプライアンス月間」と定めました。経営トップメッセージやポスターの掲示等のほかに、当社グループ全体を対象とし、品質コンプライアンスに係る教育・研修に加え、eラーニングなどを実施し、品質コンプライアンス意識の向上に取り組んでいます。

ウ)組織風土の改革と人事ローテーション

特別調査委員会の報告では、社内の問題を指摘することが容易でない企業風土があることがうかがえると指摘されています。恐れずに間違いを指摘でき、それが受入れられ、自由に意見が言える、風通しの良い職場風土にしていきます。当社では、「何でも気軽に相談できる風通しの良い組織」「チャレンジが推奨できる組織」への変革を目指して、組織風土改革プロジェクトを2023年3月に立ち上げ、活動を推進しています。

また、人材が固定化しがちな部門では同調圧力が働きやすいことから、業務プロセスの見直しと並行して、部門の壁を越えた人事ローテーションも進めます。その有効性は、定期的な社内意識アンケート調査などを通じて検証していきます。

 

3.ガバナンス・内部統制の強化

ア)内部監査機能の強化

本社監査室の内部統制機能を強化し、品質統括室による品質検査を含めた品質管理プロセスにおける内部統制の整備および運用状況の監査を適宜実施し、マテリアリティの一部として取締役会および経営戦略会議に報告します。

イ)内部通報制度の強化

内部通報制度の一層の周知を図るとともに、社内での自己申告に対するリニエンシー(処分軽減)制度の検討などを含む制度のさらなる強化を行います。

ウ)取締役会の体制の整備

今後、取締役会の機能をよりモニタリング型に移行していきます。

2023年4月1日からは、業務執行取締役の「管掌」業務を原則廃止するとともに、本社部門は取締役または執行役員が、事業部門は執行役員または使用人が、それぞれ取締役会から委嘱・任命された業務を総括・執行する体制としました。これにより事業部門の業務執行と取締役会による監督を明確に区分しました。

また、今後、取締役会の構成において、社外取締役(独立役員)の割合を増やすほか、多様性も確保します。

 

4.検査業務のデジタル化と適正な経営資源の投入

検査成績書作成過程における故意・過失による検査データの誤記入、記入漏れなどを防ぐために、デジタル化した検査業務システムを構築します。DX推進室(2022年7月1日発足)が主導して、M&E社を含めた各製作所における検査業務のデジタル化を順次進めており、M&E社においては2023年度下期中にシステムの部分運用開始を目指しています。

また、検査を含む品質管理に必要な人員、設備の不足が不適切行為への要因となったことを踏まえて、所要の人員の増強、検査員の養成のための教育投資やデジタル化を含め必要な設備・計測機器などへの設備投資を継続的に行います。

 

② 経営環境

今後の経済見通しにつきましては、物価高騰、ウクライナ危機、世界的な金融引締めに伴う海外景気の下振れリスク、各国の安全保障政策の動向等のリスクはあるものの、アフターコロナへの経済活動の適応とともに、環境規制・人手不足を背景とする省力化投資が進むなど、企業の設備投資は着実に進展していくものと考えます。

当社グループを取り巻く経営環境は、産業機械事業では、低炭素社会の実現に向けたEV普及の動きを背景とするリチウムイオン電池素材の需要拡大に加え、プラスチック資源循環に不可欠な3R+Renewableを実現する各種プラスチック加工機械の需要の高まりも見込まれます。素形材・エンジニアリング事業では、多様なエネルギー関連投資の高まりを背景に鋳鍛鋼製品の安定的な需要が見込まれます。

 

(3)中期経営計画「JGP2025」

当社グループは、2022年3月期を初年度とする5ヵ年の中期経営計画「JGP2025」を推進しております。中期経営計画「JGP2025」の概要は以下のとおりです。

 

1)当社グループにおける「JGP2025」の数値目標は以下のとおりです。

 

○数値目標

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2)「JGP2025」においては、以下の4つの基本方針を掲げて事業に取り組んでまいります。

① 世界に類を見ないプラスチック総合加工機械メーカーへ

② 素形材・エンジニアリング事業の継続的な利益の確保

③ 新たな中核事業の創出

④ ESG経営の推進

 

それぞれの基本方針に対する事業戦略は以下のとおりです。

 

① 世界に類を見ないプラスチック総合加工機械メーカーへ

現有製品の競争力強化によって各製品でグローバルシェアNo.1を目指すとともに、プラスチック加工機械コンプレックス化を推進します。

主な事業戦略は次のとおりです。

○造粒機

・好調な中国市場を中心に更なるシェア拡大を目指します。

○二軸混練押出機

・中国・東南アジアを中心に海外展開の強化を進めます。

○フィルム・シート製造装置

・セパレータフィルム用装置の高品質化対応を更に進めます。

・ポストセパレータとして、5G関連フィルムなど成長分野への対応に注力します。

○射出成形機

・グローバル生産体制の最適化を図るとともに、生産能力を拡大します。

○プラスチック加工機械コンプレックス化

・M&Aを活用した新たな製品の取り込みと育成を進めます。

 

② 素形材・エンジニアリング事業の継続的な利益の確保

2020年4月1日に設立した日本製鋼所M&E株式会社を中心に、継続的な利益の確保に向けた体制の強化と変革を進めます。

主な事業戦略は次のとおりです。

○鋳鍛鋼製品

・付加価値の高い機能性材料の取り込みによる収益拡大を図ります。

・中小型製品・量産品の生産体制を確立し、受注拡大に努めます。

○クラッド製品

・工場変動費・固定費を圧縮し、操業負荷変動に強い生産体制の構築を進めます。

○エンジニアリングサービス

・水素関連製品の製品競争力を強化し、海外展開を図ります。

・国土強靭化政策に対応したプラント・インフラ溶接構造物の取り込みを図ります。

・独自技術を活用し、検査サービス事業を拡大します。

 

③ 新たな中核事業の創出

M&Aを活用して新たな産業機械製品を取り込むとともに、「フォトニクス」、「複合材料」、「金属材料」の3つの分野における新事業を早期に収益事業化し、新たな中核事業の創出を図ります。

 

④ ESG経営の推進

組織横断的な「ESG推進委員会」を新設し、ESG活動を効果的に推進します。

○Environment:環境

・環境と調和した社会の持続的な発展のため、CO2排出量の削減、省資源・リサイクルの推進、製品による環境負荷の低減などの環境に配慮した事業活動を展開します。

○Society:社会

・持続的成長に資する人材基盤を形成するため、「働き方」重視から「働きがい」重視への取り組みを行うとともに、次世代リーダーの育成・人材の多様性確保を図ります。

○Governance:企業統治

・成長性と資本収益性を確保するため、4象限フレームワークによる事業ポートフォリオ評価を行うとともに、事業撤退基準の制定と投資採択基準の高度化を行います。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般に関する事項

当社は、1907年創業以来の“鋼”、戦後から着手した“プラスチック”、近年では窒化ガリウム(GaN)などの“結晶”と、創業から100年を超える長きにわたり、一貫して「素材を革新」することにより社会課題を解決し続けてきました。これが当社グループの存在意義であると考え、“「Material Revolution®」の力で世界を持続可能で豊かにする。”というパーパスを掲げています。さらに、パーパスを実現するために優先的に取り組むべきテーマとして、6つのマテリアリティを特定しました。これらを当社グループの事業活動を行う際の判断の軸・解決すべき課題と位置づけて事業を展開することで社会価値を創出していきます。加えて、当社グループは「社会課題を解決する産業機械と新素材の開発・実装を通じて全てのステークホルダーに貢献する。」ことをビジョンとして掲げています。これを将来に向けて実現し続けるべく企業戦略・事業戦略を定め、日々の事業活動に落とし込むことで、当社グループの企業価値につなげていきます。この社会価値の創出と持続的な企業価値の向上とを同時に実現することが、当社グループにとってのサステナビリティです。更に当社グループがサステナビリティを実現するにあたっては、そこに属する全ての者がグループ企業行動基準に基づき、高い倫理観をもって行動していきます。

 

① ガバナンス

サステナビリティの推進活動は、2021年4月に設立した、ESG推進担当取締役を委員長とする“ESG推進委員会”が行っています。気候変動に関わる戦略の検討のほか、ESGに関連する各種議題の協議も行われています。取締役会はESG推進委員会の活動に関する報告を受け、これを審議するなど、適切に監督を実施しています。なお、当社はESG活動を全社的に推進する専属組織として“ESG推進室”を2022年4月に新設しました。当社グループの気候変動対応やESGに関わる活動に関しては、ESG推進室が事務局となるESG推進委員会が中心となって、本社部門、事業部、製作所、グループ会社が連携しながらこれを推進しています。

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② 戦略・リスク管理

当社はパーパスを実現し、世界を持続可能で豊かにするために、「事業を通じた価値創造と社会課題の解決」と「持続的成長に向けた経営基盤の強化」という2つの視点から、6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。当社グループにおいては、特定したマテリアリティの重要性・リスク・機会を認識した上で、課題解決に向けた実行力ある経営、事業活動に取り組んでいきます。

 

表1:マテリアリティ

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(2)気候変動への対応

気候変動は地球環境や社会・経済に対して大きな影響を与える一方、長期的で不確実性の高い問題です。当社は、気候変動を経営上の重要な課題の一つと捉えており、2022年6月にTCFDに賛同を表明いたしました。当社グループは気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益などに与える影響について分析・検討し、TCFD開示フレームワークに沿った情報開示に取り組んでいます。

詳細報告はホームページをご参照ください。なお、今夏以降に記載の更新を予定しております。

https://www.jsw.co.jp/ja/sustainability/environment/climatechange.html

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※TCFD:金融安定理事会(FSB)により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース

 

(3)人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針

① 戦略

当社グループが持続的な企業価値の向上と、社会価値の創出を同時に実現していくためには、“「Material Revolution®」の力で世界を持続可能で豊かにする。”というパーパスの体現に向け、コア・コンピタンス強化に資する現業部門も含めた技術人材、そして当社が提供する価値を世界に広めるための経営戦略を支えるコーポレート人材の獲得・育成がまずは重要となります。加えて、これらの人材にとどまらず当社従業員が広くグローバルで活躍できるよう、それに向けた教育機会の充実も必要です。

そこで、当社グループの人材構成と、エンゲージメントサーベイで把握した組織状態を踏まえた上で、当社グループが目指す姿の実現に貢献する多様な人材の「獲得」「育成」に向けた施策を、取締役会での審議を経て中期人事計画として策定し実行してまいります。計画の進捗状況については、経営層が定期的にモニタリングするとともに、経営環境の変化に応じて適宜修正を加えてまいります。

特に「育成」に関する施策は、階層別での研修をベースとしつつも、社員各々のニーズや特徴を踏まえた教育コンテンツを充実させるとともに、若手ハイパフォーマーの早期育成を狙った選抜型研修や、成長意欲の高い社員が自ら積極的に学ぶことができる環境の整備に注力してまいります。

 

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従業員の多様性確保に関しましては、女性・シニア・障がい者・経験者採用の方々といった多様な人材が活躍することによって、様々な考え方やアイデアを新たな付加価値につなげることが、経営戦略実行に必要と認識しております。

そのため、優秀な人材については性別・国籍を問わず積極的に中核人材へ登用してまいります。多様な人材の採用についても積極的に取り組んでおり、現時点では少数にとどまる女性及び外国人の従業員数を増やすことで、結果として管理職への登用人数も拡大させていきます。

加えて、当社では全ての社員が存分に安心して働けるようワーク・ライフ・バランスの実現と働きやすさ向上に向けた人事諸制度の策定を進めるとともに、制度を利用しやすい環境整備にも注力し、育児・介護と仕事の両立を支援しております。

今後は当社グループでの人材の多様性による付加価値創出のため、D&I推進に向けた従業員の意識改革を促す教育活動を、広く継続的に実施してまいります。

 

② 多様性の確保に向けた主な指標及び目標

当社グループでは、上記「① 戦略」において記載した、従業員の多様性確保を含む社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。

指標

2022年度実績

2028年度目標

総合職新卒女性採用比率

15.6%

20%

障がい者雇用率

2.46%(2022年6月1日時点)

法定雇用率達成

男性従業員の育児休業取得率

40.3%

60.0%

※連結グループにおける記載が困難であるため、指標の実績及び目標は、提出会社のものを記載しております。

※総合職新卒女性採用比率は、対象事業年度中に採用内定し次年度4月1日に入社した人数比率となります。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。2023年4月からは経営管理部門がリスク管理事務局となり、スリーラインモデルのリスクマネジメント体制を再構築し、第2線のリスク管理部門の強化により全社的リスクマネジメントを推進いたします。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境

設備投資関連事業が中心の当社グループの事業は、国内外の景気動向に左右されます。また製品の納期も長いことから調達価格や為替の変動等による収益性の低下や追加費用の発生によって当初見積り以上のコストが発生する可能性があります。

当社グループは、グローバルでの経済状況とその変動に伴う影響に留意するとともに、業績に影響を与える事象が発生した場合は、その影響を織り込んで業績予測に反映し、月次の部門業績報告会議の討議を経て、状況に応じた経営資源の再配分を行っております。また、製品のライフサイクルを注視して中長期的な製品・事業ポートフォリオを意識した経営に努めております。

 

(2)設備の減損に係るリスク

当社グループは、既存事業の競争力強化並びに新規事業や新規製品の開拓・開発のため、設備投資を行っております。固定資産の減損に係る会計基準に従い、同資産の貸借対照表計上額について、将来キャッシュ・フローにより回収することができるかを、定期的に検証しています。充分なキャッシュ・フローが見込めない場合は、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの設備投資計画については、社内規程に基づき取締役会・経営戦略会議等において投資計画の妥当性の審議を行い実施の可否を決定しております。また、重要な投資に関しては、部門業績報告会議にて投資後の業績が計画を大きく乖離していないかを確認し、必要に応じて関係部門は対策を検討・実行しております。

 

(3)原材料・部品等の調達

当社グループの原材料・部品等の調達は、為替・市況・エネルギー価格の変動影響を受けます。これら原材料・部品等の品質上の問題、供給不足、納入遅延、災害に伴う生産停止等の発生及び市況の急激な変動による原材料・部品等の調達価格の高騰は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは原材料・部品等の市況変動に柔軟に対応するため、調達品の複数購買の推進、代替調達品の検討と選定を適宜実施し、当社グループの業績及び財政状況に与える影響を軽減する対応を行っております。

 

(4)品質管理・製造物責任

当社グループは、主にメーカーとして製品を個別受注し製造・販売しているため、製品の性能不良や欠陥等の契約不適合に起因する損害賠償等の負担により業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、各製作所の品質管理部門が設計・調達・製造における品質管理を指導するとともに、品質保証部門が品質管理のプロセスを統制・チェックします。毎月、各製作所では不良の発生と対策状況を審議し、その結果を部門業績報告会議にて報告することで管理の充実に努めております。そのほか、製造物責任に起因する損害賠償については、製造物賠償責任保険及び企業包括賠償責任保険に加入して付保内容を毎年見直し、当社グループの業績及び財政状況に与える影響を軽減する対応を行っております。

(不適切行為の影響)

当社グループでは、不適切行為を踏まえて策定したグループ全体の再発防止策を当社取締役会にて決議し、品質管理体制の見直しによる相互牽制が機能する組織の構築、品質統括室の設置による品質保証機能の監視・監督など、再発防止に向けた諸施策を着実に実行し、その実施状況を継続的にモニタリングしております。これまでに不適切行為に起因した製品の品質・性能に影響する問題は確認されておりませんが、今後の進捗次第では、お客様への補償費用をはじめとする損失の発生等により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5)為替レートの変動リスク

当社グループの製品は、輸出比率が毎年50%程度で推移しており、製品の受注から売上までに比較的長期間を要するほか、原材料の輸入等海外調達の一部において外貨建取引を行っております。従って、当社グループの業績は、受注から売上までの間の為替動向により、受注時点の予想に比べて売上時点の損益に相違が生じ、影響を受ける可能性があります。また、為替レートにより海外競合企業との相対的競争力が変動し、当社グループの業績や財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

為替レートの変動対策として、社内規程に基づき米ドル、ユーロ及びその他主要通貨の変動影響を最小限に抑えるため、金融機関と為替予約等のヘッジ取引を行っております。

 

(6)安全衛生

当社グループは製作所(構内協力会社を含む)及び活動拠点において労働災害の防止、社員の健康管理に万全の対策を講じていますが、万一不測の事故・災害等が発生した場合には、生産活動に支障をきたし、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは製造拠点である製作所を中心に安全対策設備の導入、安全な作業を確保できる基準の見直し、従業員の健康や精神衛生面でのトータルケアのほか、教育の徹底による安全衛生活動を推進しております。ここで策定された安全衛生活動を支店・営業所・出張所・各サービス拠点にも展開し、年2回の全社安全衛生会議で対応策の協議を実施しております。また、各種損害保険については付保内容を毎年見直しております。

 

(7)知的財産

当社グループでは保有する知的財産の適切な保全(特許・実用新案・先使用権の取得)に努めておりますが、第三者によって製品や技術等が模倣されたり、意図せぬ技術流失が発生した場合、当社グループの製品や技術等が陳腐化するなどの影響が発生し、売上高の減少等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループが将来に向けて開発している製品・技術が、意図せず他社等の知的財産権を侵害してしまう場合には当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、これらの影響を低減するため、知的財産部を設置して適切な管理体制を構築し、事案の内容に応じて適宜適切に対応するとともに、当社グループの事業成長を推進するための知財戦略を構築し、当社グループ保有の知的財産の価値を高める活動を推進しております。

 

(8)環境保全

当社グループは、環境汚染防止、省エネルギー、省資源等環境負荷低減に取り組むとともに、関連法令等の遵守など環境マネジメントの徹底に取り組んでおりますが、関連する法令変更への対応が遅れた場合、あるいは不測の事態等により環境汚染が発生した場合は、社会的信用の失墜を招くとともに損害賠償責任が生じ、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

環境マネジメントシステムの運用により環境関連規制を遵守するとともに、年2回の環境マネジメント委員会で規制等の変更に即した管理と対応への協議を実施しております。また、2022年4月よりESG推進室を設置し、気候変動対応・環境負荷低減に関わる諸施策の立案と推進を行っております。

 

(9)企業買収・他社提携等に係るリスク

当社グループは、“「Material Revolution®」の力で世界を持続可能で豊かにする。”というパーパスの実現に向け、新規事業や新規製品の開拓・開発のため、他社の買収、他社との業務提携や合弁会社設立、他社との共同開発、他社への出資などを行っています。これらの戦略的提携において、相手先との協業が円滑に進まない場合、あるいは期待した成果が十分に得られない場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、買収や他社との提携についてM&A・アライアンス協議会、経営戦略会議、取締役会にて、投資効果・リスク等を審議し、可否を決定しております。

 

(10)自然災害等による影響

当社グループは、地震・風水害・火災・感染症の世界的流行(パンデミック)等の各種災害による物的・人的被害の発生及び社会インフラの機能低下により事業活動が影響を受ける可能性があります。

当社グループは、各種災害に対して損害の発生及び発生時の損害の拡大を最小限に抑えるため、設備点検・訓練の実施、連絡体制・事業継続計画(BCP)を整備して、被災時でも重要な事業を継続し早期に事業復旧できるよう準備を行っております。また、損害保険等の付保内容を毎年見直しております。

 

 

(11)地政学リスク

当社グループはグローバルに事業を展開し、日本及び海外各国・地域の法規制に従って事業活動を行っており、国際関係の変化に伴う政策や法規制の変更は事業活動に大きく影響します。今後、各種法規制の改廃や厳格化、技術移転の制限、関税の引き上げ等により、当社グループの事業活動の再構築や法規制遵守のための費用が増加する可能性があります。その結果、当社グループの業績や財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、国内外の法規制の運用・解釈の変更について早期の情報収集に努め迅速な対応を実施しています。ロシアのウクライナ侵攻による当社への影響についても、商社・顧客からの情報を基に適宜適切な対応を行っております。

 

(12)情報セキュリティ

当社グループは、事業活動を通じて取引先及び自社の営業情報や個人情報等の機密情報を保有しております。外部からのサイバー攻撃や不正アクセス等により、パソコン・サーバー等から、機密情報が流出あるいは消失した場合、生産や業務の停止が発生するほか、社会的信用の失墜等により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは重要な経営資源の一つであるデータは複数のデータセンターにてバックアップを取るとともに、情報機器管理、システム管理体制の強化を実施し、機密情報保護に細心の注意を払っております。また、外部からの悪質メールをブロックするシステムの導入によるビジネスメール詐欺の予防、情報漏洩、システム障害に備えた訓練も併せて実施しております。

 

(13)人材育成・確保

当社グループが持続的な企業価値の向上と、社会価値の創出を同時に実現するためには、“「Material Revolution®」の力で世界を持続可能で豊かにする。”というパーパスの実現に向け、コア・コンピタンス強化に資する技術人材、当社の経営戦略を支えるコーポレート人材やグローバルで活躍できる人材の獲得・育成が重要となります。このような有能な人材の確保が達成できない場合は、当社グループの事業活動、業績や財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

有能な人材の確保については、知名度向上を図り、新卒だけでなく経験者採用にも注力し、多様な採用手法の実施、各種待遇向上、働きがいに満ちた職場づくり等の推進に取り組んでおります。また、ベテランから若手への技術技能の伝承は、各製作所にて長期の事業計画に基づき、着実に実行しております。

 

(14)社会・人権

当社グループは、事業活動が極めて幅広い分野にわたり、またその関係者も多様であることから、事業活動において直接的・間接的に人権への負の影響を生じさせた場合、社会的信用の失墜により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」などの国際規範に則った「日本製鋼所グループ人権方針」を策定し、同方針に基づき、サプライチェーンを含めた事業活動全般に関わるすべての人権尊重の取組を推進しております。サプライヤー、ビジネスパートナーに対しては、人権デューデリジェンスを通じたリスクの軽減に取り組んでおります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績等の状況

当連結会計年度における海外経済は、半導体需給の逼迫や物流費の高騰が続く中、急激な資源・原材料の価格高騰、中国経済の減速なども加わり、景気持ち直しの足踏みが続きました。わが国経済も、世界経済の回復足踏みを受けて、当初の期待より設備投資の勢いが鈍く、景気は緩やかな回復に留まりました。

当社グループを取り巻く経営環境は、産業機械事業では、全般に需要は堅調で、期末では過去最高の受注残高となりました。但し、成形機においては、上期に自動車や家電業界における供給制約の影響を受けたほか、下期においては需要の停滞もあり、期初予想に比して伸び悩みました。また、樹脂製造・加工機械の需要自体は極めて堅調に推移しておりますが、顧客における投資決定の遅れ等の影響を受け、期初予想を下回りました。素形材・エンジニアリング事業では、鋳鍛鋼製品の需要自体は底堅く推移しましたが、不適切行為に起因し、一部で受注の自主制限や出荷済製品の品質調査を行った影響を受けました。

このような状況のもと、当社グループは2021年5月に策定しました2022年3月期を初年度とする5カ年の中期経営計画「JGP2025」に沿って、①世界に類を見ないプラスチック総合加工機械メーカーへ、②素形材・エンジニアリング事業の継続的な利益の確保、③新たな中核事業の創出、④ESG経営の推進の4つを基本方針とした事業活動を推進してまいりました。とりわけ、2023年3月期においては、産業機械事業、素形材・エンジニアリング事業とも、新規需要開拓、製品付加価値向上や競争力強化とともに、お客様のご理解を得ながら調達品、原材料・エネルギー等の価格高騰に応じた一段の販売価格改善に向けた活動を強力に推進してまいりました。

当社グループにおける当連結会計年度の業績につきましては、前年同期に比し、受注高は、産業機械事業及び素形材・エンジニアリング事業が共に増加したことから、2,760億70百万円(前年同期比2.9%増)となりました。売上高は、素形材・エンジニアリング事業が減少したものの、産業機械事業が増加したことから、2,387億21百万円(前年同期比11.7%増)となりました。損益面では、当連結会計年度においては販売価格改善活動の効果が、調達費高騰の影響を吸収しきれず、営業利益は138億46百万円(前年同期比10.4%減)、経常利益は149億58百万円(前年同期比10.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、不動産の譲渡による固定資産売却益を計上したものの、119億74百万円(前年同期比14.1%減)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

(産業機械事業)

受注高は、成形機は減少しましたが、その他の産業機械が増加したほか、樹脂製造・加工機械が堅調に推移したことから、2,331億3百万円(前年同期比3.7%増)となりました。

売上高は、樹脂製造・加工機械が、堅調な受注に加え一部販売価格改善の効果により伸長し、2,029億44百万円(前年同期比18.6%増)となりました。

営業利益は、売上高が増加したことから、189億49百万円(前年同期比6.5%増)となりました。

 

(素形材・エンジニアリング事業)

受注高は、鋳鍛鋼製品が増加したことに加え、エンジニアリングサービス分野で大口案件を受注したことから、411億49百万円(前年同期比2.4%増)となりました。

売上高は、不適切行為に起因する生産・出荷の遅延により鋳鍛鋼製品が減少したことから、339億73百万円(前年同期比15.2%減)となりました。

営業損益は、原材料やエネルギーのコスト増大に加え、不適切行為に起因する売上減や操業の低下が影響し、営業損失8億44百万円(前年同期は営業利益13億33百万円)となりました。

 

(その他事業)

受注高は18億17百万円、売上高は18億3百万円、営業損失は4億18百万円となりました。

 

② キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末比193億99百万円減少し、864億円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果支出した資金は、9億86百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を計上した一方、運転資金が増加したことによるものです。なお、前年同期は223億25百万円の獲得でした。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は、9億47百万円となりました。これは主に、固定資産の取得による支出があった一方、投資有価証券及び固定資産の売却による収入があったことによるものです。なお、前年同期は29億76百万円の支出でした。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は、201億12百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済及び配当金の支払による支出があったことによるものです。なお、前年同期は28億60百万円の支出でした。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

1.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自2022年4月1日 至2023年3月31日)

前期比 (%)

産業機械事業(百万円)

203,978

+17.4

素形材・エンジニアリング事業(百万円)

34,067

△15.3

その他事業(百万円)

1,803

△30.0

合計(百万円)

239,849

+10.8

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は、販売価格によっております。

 

2.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度(自2022年4月1日 至2023年3月31日)

受注高(百万円)

前期比 (%)

受注残高

(百万円)

前期比 (%)

産業機械事業

233,103

+3.7

210,397

+17.5

素形材・エンジニアリング事業

41,149

+2.4

42,202

+20.5

その他事業

1,817

△45.0

154

△88.7

合計

276,070

+2.9

252,754

+17.3

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

3.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自2022年4月1日 至2023年3月31日)

前期比 (%)

産業機械事業(百万円)

202,944

+18.6

素形材・エンジニアリング事業(百万円)

33,973

△15.2

その他事業(百万円)

1,803

△30.1

合計(百万円)

238,721

+11.7

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

当連結会計年度(自2022年4月1日 至2023年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

丸紅テクノシステム(株)

32,121

13.5

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 財政状態

1.総資産

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比86億28百万円増加し、3,483億58百万円となりました。これは主に、売掛金や仕掛品などの流動資産が増加したためであります。

 

2.負債

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末比9億24百万円減少し、1,877億21百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債などの固定負債が減少したためであります。

 

3.純資産

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末比95億53百万円増加し、1,606億36百万円となりました。これは主に、利益剰余金が増加したためであります。

 

③ 経営成績

1.売上高

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比249億30百万円(11.7%)増の2,387億21百万円となりました。これは、産業機械事業及び素形材・エンジニアリング事業が共に増加したことによるものです。

 

2.売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度比15億64百万円(3.3%)増の493億80百万円となりました。

 

3.販売費及び一般管理費、営業利益

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比31億78百万円(9.8%)増の355億33百万円となりました。

この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度比16億13百万円(10.4%)減の138億46百万円となりました。営業利益率は、前連結会計年度比1.4ポイント減少し、5.8%となりました。

 

4.営業外損益、経常利益

当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度比1億74百万円(9.4%)増の20億39百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度比3億74百万円(67.6%)増の9億27百万円となりました。

この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度比18億13百万円(10.8%)減の149億58百万円となりました。経常利益率は、前連結会計年度比1.6ポイント減少し、6.3%となりました。

 

5.特別損益、税金等調整前当期純損益

当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度比23億36百万円(66.7%)増の58億40百万円となりました。特別損失は、前連結会計年度比17億40百万円(322.7%)増の22億80百万円となりました。

この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比12億17百万円(6.2%)減の185億18百万円となりました。

 

6.親会社株主に帰属する当期純損益

当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は、前連結会計年度比9億65百万円(17.2%)増の65億78百万円となりました。以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比19億73百万円(14.1%)減の119億74百万円となりました。また、当連結会計年度の1株当たり当期純利益金額は162.75円となりました。

 

④ 経営上の目標の達成状況

当社グループは、2026年3月期を最終年度とする5カ年の中期経営計画「JGP2025」を策定しております。「JGP2025」において掲げる4つの基本方針に基づき、当連結会計年度までに実施又は計画した具体的な施策は以下のとおりであります。

 

① 世界に類を見ないプラスチック総合加工機械メーカーへ

○EV向けに大幅な需要増加が見込まれるセパレータ用フィルム・シート製造装置について、60ライン製造に向けて生産体制を着実に増強

○コンデンサー用などのフィルム・シート製造装置への取り組み強化

○広島製作所にケミカルリサイクル対応の技術開発センターを開設

○二軸混練押出機の世界標準機を開発し、中国、東南アジア市場へ展開

○自動車の軽量化に伴い需要拡大が見込まれる大型マグネシウム射出成形機を上市

○欧州に射出成形機の生産拠点を開設

 

② 素形材・エンジニアリング事業の継続的な利益の確保

○鋳鍛鋼製品における高収益化を目的とした製品ポートフォリオの見直しを鋭意推進

○原材料・エネルギー費高騰に対応するための製品価格の適正化

 

③ 新たな中核事業の創出

○次世代半導体関連装置などを開発・上市し、電子デバイス関連装置事業における製品ラインナップを更に充実

○窒化ガリウム基板の量産に向けて大型実証設備の稼働を開始

○世界最先端の銅合金素材製造設備による高強度銅合金の量産化

○イノベーション創出のための研究開発体制・組織を整備・集約することを計画

(2023年4月1日付イノベーションマネジメント本部の設立)

 

④ ESG経営の推進

○ESG推進委員会を中心にESG活動に対する取り組みを強化

○コーポレート組織にESG推進室を新設

○TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明

○Purpose(パーパス)を起点とした日本製鋼所グループの企業理念体系を制定

○Purpose(パーパス)実現のために優先的に取り組むべきテーマとしてマテリアリティを特定

 

(3)資本の源泉及び資金の流動性

① キャッシュ・フロー

○当連結会計年度の概要

 

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

14,712

22,325

△986

△23,311

投資活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

△3,243

△2,976

947

3,923

財務活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

2,767

△2,860

△20,112

△17,252

現金及び現金同等物に係る換算差額

(百万円)

△46

551

752

200

現金及び現金同等物の増減額(百万円)

14,189

17,040

△19,399

△36,439

新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額

(百万円)

92

現金及び現金同等物の期末残高

(百万円)

88,759

105,799

86,400

△19,399

借入金等及び社債の期末残高(百万円)

58,041

58,442

43,421

△15,020

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末比193億99百万円減少し、864億円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。

 

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

自己資本比率(%)

44.0

44.4

44.0

45.7

時価ベースの自己資本比率(%)

32.4

61.1

82.7

52.4

債務償還年数(年)

2.8

4.0

2.6

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

68.8

46.9

79.5

 

② 流動性と資金の源泉

当社グループは、現在及び将来の事業活動のための適切な水準の流動性を維持すると同時に、資本効率の最適化を重要な財務活動の方針としております。上記目的の為、日常的に運転資金の効率化活動を推進すると共に、投融資・設備投資にあたっては、資本効率向上の観点から厳選しております。

当社グループは、営業活動により創出されるキャッシュ・フローと現金及び現金同等物を内部的な資金の主な源泉と考えております。また、資金需要に応じて株式等の資本性証券や社債の発行及び金融機関からの借入も可能と考えております。

 

③ 財務政策

当社グループは現在、運転資金等の短期資金については、主として短期借入金により、当社及び各々連結子会社が調達しています。2023年3月31日現在、1年以内に返済予定の長期借入金を除く短期借入金の残高は109億5百万円です。

これに対して、機械設備の新設などの有形固定資産の取得やアライアンスの推進等の長期資金については、原則として自己資本・長期借入金にて調達しております。2023年3月31日現在、1年以内に返済予定のものを含む長期借入金残高は316億42百万円で、全て金融機関からの借入によるものであります。

借入金等の概要については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 ⑤連結附属明細表」のとおりであります。

当社グループは、引き続き財務の健全性を保ち、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出すとともに、資金需要に応じて株式等の資本性証券や社債の発行及び金融機関からの借入も実施することで、将来必要な運転資金、設備投資資金及びアライアンスの推進資金を調達することが可能と考えています。

5【経営上の重要な契約等】

○技術受入契約

契約会社名

相手先の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

㈱日本製鋼所

BAE SYSTEMS

米国

62口径5インチ砲Mk45

1.技術的知識、情報及びノウハウの提供

2.日本国内における独占的製造権及び販売権

2019年7月16日から8年間

 

○賃借契約

契約会社名

相手先の名称

契約品目

契約内容

契約期間

㈱日本製鋼所

日本通運㈱

工場建設敷地

事業用定期借地権設定契約

2009年2月1日から49年間

 

○その他の契約等

契約会社名

相手先の名称

締結日

内容

㈱日本製鋼所

月島機械㈱

2018年3月29日

両社の製造分野の協業に関する、当社室蘭製作所内の製造設備賃貸借及び機械加工に対する当社への業務委託、当社の大型圧力容器ほかについての製造委託に関する基本協定書

(注)月島機械株式会社は、2023年4月1日付で月島ホールディングス株式会社に商号変更しております。

 

○固定資産の譲渡

当社は、2023年1月26日開催の取締役会において「不動産売買に関する基本合意書」の締結を決議、2023年3月20日の経営戦略会議において固定資産の譲渡を決議し、2023年3月29日付で売買契約を締結しました。

 

(1) 譲渡の理由

経営資源の有効活用による資産効率の向上を図るため、当該資産を譲渡することといたしました。

 

(2) 譲渡資産の概要

名称

府中A3ビル

所在地

地番

東京都府中市日鋼町1番26

面積

土地

11,329.65㎡

建物

19,225.61㎡

現況

賃貸用不動産

 

(3) 譲渡先の概要

譲渡先との取り決めにより開示を控えさせていただきます。なお、当社及び連結子会社と当該譲渡先との間に資本関係、人的関係及び取引関係はなく、当社及び連結子会社の関連当事者には該当しません。

 

(4) 譲渡の時期

2023年3月29日

 

(5) 損益に与える影響

当該固定資産の譲渡に伴い、当連結会計年度において、特別利益として固定資産売却益50億48百万円を計上いたしました。

 

 

6【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、提出会社及び日本製鋼所M&E株式会社がその殆どを担っており、産業機械事業、素形材・エンジニアリング事業及びその他事業を合わせて、当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は5,020百万円であります。

提出会社は「社会課題を解決する産業機械と新素材の開発・実装を通じて全てのステークホルダーに貢献する企業」を目指しており持続的な社会の発展に貢献するために、自社技術による新製品及び生産技術の開発に努めるとともに、その早期戦力化を図るために積極的に多方面と技術提携、共同開発を推進しております。

当社グループは、「溶かす」「混ぜる」「固める」技術と「機械要素技術」「精密制御技術」というコア・コンピタンスをより一層磨き、社会課題を解決する産業機械と新素材を開発・実装する「Value Creation Process(価値創造プロセス)」により、①現有主力製品の高機能・高性能化、信頼性の向上、②保有するコア・差別化技術をベースとした新分野製品の開発・育成の推進、③グループ会社とのシナジー効果による新製品の開発・事業化の推進等を各事業部門、グループ会社が協力して推進しております。

なお、企業グループ理念体系に適合する新しい事業・製品の種の探索・立案及び新しい基盤技術の研究開発といった全社的なイノベーション創出の機能を集約し、強化を図っていくことを目的に、2023年4月1日付でイノベーションマネジメント本部を設立しました。更に当社及び当社の子会社である日本製鋼所M&E株式会社の研究開発組織の再編を実施し、当社の研究開発拠点として先端技術研究所(広島市安芸区)、マテリアル技術研究所(北海道室蘭市)及び電子デバイス技術研究所(横浜市金沢区)を新設いたしました。これに伴い従来の当社広島製作所技術開発部及び横浜製作所技術開発部並びに日本製鋼所M&E株式会社室蘭製作所室蘭研究所を廃止し、その機能を先端技術研究所、マテリアル技術研究所及び電子デバイス技術研究所に移管・統合いたしました。

 

研究開発の基本方針は次のとおりであります。

(1)製品・新規事業化の推進は、新エネルギー・省エネルギー、情報・通信、ナノテク・材料、航空機部材、新製造技術といった自社の事業に直結した技術分野の研究開発をイノベーションマネジメント本部を中心に新事業推進本部を含む各事業部と連携して優先的に推進させます。

(2)未来技術、21世紀の社会ニーズを睨んだ基盤技術の研究はもちろん、現有製品に関わる要素技術の研究開発を推進し、将来の新製品、新事業のみならず現有製品の革新及び新たな展開に繋がる研究開発アイテムに発展させます。

(3)機械製品分野においては樹脂機械、IT装置をはじめとする産業機械の拡充を強力に推進し、AI/IoT技術の実機への応用と、M&A及びアライアンスをも念頭に置いた事業化構想を明確にして、経営資源の重点投資を行います。また、鉄鋼関連の製品開発においては、現有製品の収益性改善を図るとともに、新規分野製品の事業化に取り組みます。

 

セグメントの状況は次のとおりであります。

(産業機械事業)

機械関連の製品開発においては、プラスチック成形機における高度成形加工技術開発、AI/IoT技術を応用した成形支援サービス・機械部品の予知保全、プラスチック押出機の高性能化、フィルム・シート製造装置の高機能化・高性能化、マグネシウム射出成形機の高性能化・低コスト化技術開発、繊維強化樹脂複合材部品の製造装置などの開発を実施しています。当連結会計年度中の研究開発費は2,182百万円であります。

 

(素形材・エンジニアリング事業)

材料を中心とする鉄鋼関連の製品開発においては、各種大型鋳鍛鋼素材・高合金材料等の材料開発及び製造プロセス技術開発並びに水素ステーション用蓄圧器、水素吸蔵合金を用いたMHタンク等のグリーンエネルギー分野の事業化・事業拡大に取り組んでおり、既存製品の材料・要素技術高度化のための技術開発を実施しています。当連結会計年度中の研究開発費は376百万円であります。

 

(その他事業)

フォトニクス事業では光学用及び通信用の人工水晶・ニオブ酸リチウムの結晶育成と加工、また高周波デバイス用及びパワーデバイス用の窒化ガリウム基板の開発を行っています。金属材料事業では主に情報通信機器用銅箔の素材となる銅合金の製造を開始しました。複合材料事業では航空機用、自動車用等の軽量かつ高強度の炭素繊維樹脂複合材部品製造技術開発に取り組んでいます。当連結会計年度中の研究開発費は2,462百万円であります。