当社グループの経営方針、経営環境及び対応すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは、「経営理念」に掲げる「楽しい社会の実現」を不変のものとして受け継ぎ、「経営基本方針」を環境と戦略の変化に合わせて柔軟に見直しながら発展を続ける所存です。
経営理念
我がグループの「あらゆる技術」を高め、革新的な製品をもって、夢あるさまざまなモノをグローバルに生み出し、楽しい社会を実現します。
経営基本方針
1.我がグループは利益を生み出し企業価値を高めることで、お客様・地域社会・株主及び従業者の幸福と繁栄に寄与します。
2.我がグループは経営理念の達成にあたり法令遵守、環境保護、品質管理の徹底、社会貢献を含め企業の社会的責任を全うします。
3.我がグループはグローバル体制を活用し、常に優れた製品とサービスの提供を行います。
4.我がグループは常に従業者が挑戦し成長できる機会を生み出し、自ら目標を立て、その実現に向けて高い志を持つ集団を目指します。
5.我がグループは「スピード&コミュニケーション」をキーワードに、グループ内各社の連携と全員のチームワークを活性化することで、企業総合力を高めます。
6.我がグループは絶えず技術革新に努め、新製品や新事業を創造することで、楽しい社会の実現に貢献できるグローバル企業を目指します。
(2)目標とする経営指標
2022年3月期を初年度とする2031年3月期までの長期経営構想「Beyond Imagination 2030」における目標は次のとおりです。
|
経営指標 |
目標 |
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ROE(自己資本利益率) |
18%以上 |
|
DOE(株主資本配当率) |
5%以上維持 |
(3)経営環境、経営戦略、並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
経営環境
当期(2022年4月1日から2023年3月31日まで)における世界経済は、変異株による新型コロナウイルス感染症の流行の長期化やロシア連邦・ウクライナ情勢等地政学リスクの高まりによる資源・食料価格の高騰、欧米諸国での政策金利の引き上げや為替変動リスクなど不透明感が高まる状況が継続しました。
① エレクトロニクス業界
エレクトロニクス業界は、半導体産業の影響を強く受けます。半導体産業においては、IoT・AI・仮想空間等の社会への浸透に伴い、データ収集・集積・分析へのニーズが高まっており、それに応えるべく電子機器・部材の技術革新や積極的な研究開発・設備投資が期待されています。特に、第5世代移動通信システム(5G)の普及やオンライン化・リモート化の定着が、半導体をはじめとする関連需要の拡大につながっています。また、自動車産業においてはEV・ハイブリッド車の普及に伴う電動化や、自動運転の普及に伴う電装化による車載関連部材の拡大につながっています。
② 医療・医薬品業界
医療・医薬品業界は、医療保険財政への影響から薬価制度の見直しが継続的に進められる中、製薬産業の構造変化や医療ニーズの多様化が進んでいます。製薬産業の構造変化においては、先発医薬品の価格抑制や後発医薬品の使用促進などの医療費抑制政策が図られ、さらなる医療制度改革の議論が続けられています。一方で、後発医薬品業界では品質問題やそれに伴う製品の欠品等が頻発しており、品質管理体制の見直しや安定供給といった信頼性が求められています。医療ニーズの多様化においては、技術革新や産官学連携による革新的医薬品の創出が期待されています。
経営戦略
このような状況の中、当社は、当社グループが持つ「化学」というキーワードを軸に、当社グループの経営理念である「楽しい社会」の実現に向けて、企業活動を行っていきます。
また、短期的な変化に翻弄されることなく、長期的視点に立った経営がより重要になると考え、2021年6月に長期経営構想「Beyond Imagination 2030」を策定いたしました。
長期経営構想「Beyond Imagination 2030」基本方針
① 多様化する組織や社会に対応する自律型人材の育成・活用
② エレクトロニクス事業の継続した成長と新規事業領域の創造
③ 医療・医薬品事業の更なる成長
④ デジタルトランスフォーメーションによる進化と変革
⑤ 新たな事業の創出
⑥ 戦略的なM&A
⑦ SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み強化
2030年は、テクノロジーの進化、環境への想い、世界中の様々な取り組みの中で、私たちの想像を超えた未来が広がっていると想定されます。当社グループはそのような未来のために、夢ある様々なモノを生み出す会社でありたいと考えています。当社グループの自律型人材が、変化の多い環境下においても、中核事業であるエレクトロニクス事業、医療・医薬品事業をさらに発展させると同時に、エネルギー事業とデジタルトランスフォーメーションをグループ全体の取り組みとして展開してまいります。
当社は、単なる規模の拡大を目指すのではなく、社会的責任を果たすと同時に、株主価値の最大化を目指しています。長期にわたり、利益を拡大しながら資本効率を高めていくこと、また、株主の皆様に十分な利益を還元することに取り組んでまいります。これらの活動を推進するため、ROE18%及びDOE5%以上維持を長期経営構想「Beyond Imagination 2030」における当社の目標として設定いたしました。
具体的な取り組み内容としては基本方針ごとにグループ全体で各種施策に取り組んでおり、特に次の施策を重点的に取り組んでいます。
<グループ共通>
1.多様化する組織や社会に対応する自律型人材の育成・活用
(長期経営構想「Beyond Imagination 2030」基本方針①)
多様化する組織や社会に対応し、企業として成長していくには、それを支えていく人材の育成が重要な課題と考えています。自ら目標を立て、目標の実現に向け高い志を持つ自律型人材の育成に努めています。教育・人事ローテーションといった、従業者が成長し挑戦できる機会を創出していきます。
2.デジタルトランスフォーメーションによる進化と変革
(長期経営構想「Beyond Imagination 2030」基本方針④)
急速な事業環境の変化をとらえつつ、グローバルな競争力を強化していくには、当社グループの業務・仕組み・ビジネスモデルを不断に高度化・革新していくことが重要な課題と考えています。デジタルトランスフォーメーションの推進により、受発注・生産管理・研究開発・新事業開発など、あらゆる業務・仕組みを変革し、新しい価値を顧客に提供していきます。
3.新たな事業の創出
(長期経営構想「Beyond Imagination 2030」基本方針⑤)
当社は、中長期的な企業価値の向上のために、既存の事業の強化に加え、新たな事業を継続的に創出するための取り組みを重視しています。エレクトロニクス、医療・医薬品、エネルギー、食糧に続く、当社グループの収益の柱となる新たな事業展開に今後も注力していきます。
4.戦略的なM&A
(長期経営構想「Beyond Imagination 2030」基本方針⑥)
既存事業の強化、新規事業の立ち上げ加速のために、当社グループの保有する経営資源の活用だけではなく、戦略的に他社との業務提携や資本提携、M&Aを今後も積極的に行っていきます。
5.SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み強化
(長期経営構想「Beyond Imagination 2030」基本方針⑦)
当社グループは、SDGsの重要性が世界的に広く注目される以前より、持続的な企業価値の向上に不可欠なものとして、SDGsと親和性のある取り組みを進めてきました。
エレクトロニクス事業の主力製品であるSRは、テクノロジーの進化を実現し、産業と技術革新の基盤を形成するうえで重要な役割を果たします。医療・医薬品事業においては、社会ニーズに応える「あるべき薬」の製造・安定供給・販売に加え、再生医療や遺伝子治療など新しい領域での製造基盤も構築しています。それ以外にも、事業を通じて実現する取り組みとして、気候変動を見据えた「再生可能エネルギー」の普及促進をはじめ、将来的な食料不足への対応として食糧事業、ICT事業などを行っています。
また、企業として貢献する取り組みとして、地域のイベントやボランティア活動への参加、社員食堂での地元食材の使用など、地域社会に根差した活動や、LGBTトイレの導入や女性取締役比率の向上など、ジェンダー平等に向けた取り組みを行っています。
さらに、コーポレート・ガバナンスに対する取り組みとして、内部統制システムの強化や、高い水準の独立社外取締役比率など、経営の透明性と健全性を高め、経営環境の変化に迅速に対応できる業務執行とその監督の体制を整えています。
当社グループのステークホルダーから信頼され、共感される企業であり続けるために、これからも事業を通じて社会的責任を果たしていきます。
<エレクトロニクス事業>
エレクトロニクス事業の継続した成長と新規事業領域の創造
(長期経営構想「Beyond Imagination 2030」基本方針②)
当社グループのエレクトロニクス事業は、主力製品であるSRの市場において世界トップクラスのシェアを有し、また、海外での売上比率が9割を超えています。このような状況において、当社グループのエレクトロニクス事業は、SRの顧客基盤強化(既存顧客×既存技術)、継続的な新製品の上市の迅速化(既存顧客×新規技術)、用途開発の推進(新規顧客×既存技術)の3つの施策を主として、SRについては市場のシェアを拡大し、その他のエレクトロニクス部材についてはSRに続く利益の柱となるような事業を迅速に立ち上げていくことで、当社グループとして永続的に成長していくことができるものと考えています。
当社グループは、当期において将来に向けた半導体などの電子部品・デバイス向け部材の需要拡大に対応するため、太陽ホールディングス嵐山事業所敷地内に当事業における研究開発を目的とした新開発棟を建設しています。 また、圏央鶴ヶ島インターチェンジ東側地区の土地を取得し、主力製品であるDFタイプのSRの技術開発を目的とした生産技術センターの建設を予定しており、製品開発を迅速に進める体制を構築しています。
さらに、エレクトロニクス事業においては特に次の施策について重点的に取り組んでいます。
① 研究開発体制の整備
当社グループが継続的に事業を生み出すためには、研究開発体制を整備することが重要な課題であると認識しています。時間軸を基準に研究と開発の役割分担を整理し、製品化にとらわれない中長期的な研究に特化した研究チームを編成することで、基礎研究力の向上を図るとともに、実用化に向けた新技術の開発や既存技術の応用を行う開発部門を設置し、基礎研究の成果を新製品の開発に結び付ける力を高めていきます。
また、新開発棟や生産技術センター等、研究開発のための積極的な設備投資を行い、国内外の優秀な研究者・技術者の採用と育成にも注力していきます。さらに、外部連携を強めさらなる事業開発を推進していきます。
② 新製品の迅速な事業化
当社グループでは、新製品の開発は事業化により利益を獲得すること、すなわち、事業開発と同義であると考えています。つきましては、製品化の目処が立ったところで、営業部門・製造部門・開発部門から選抜した専属プロジェクトを立ち上げ、一定の責任と権限を付与して新製品の事業化に専念できる環境を構築することにより、製品化から事業化までの障壁を乗り越える力を高めていきます。近年では、ディスプレイ関連事業に関して、開発した新製品での事業拡大を目的に、継続して開発に注力しています。
③ 為替リスク対策
当社グループ製品の販売価格は外貨建となっていることが多く、為替レートの変動が業績の変動につながりやすいため、為替リスク対策が重要な課題であると認識しています。そこで、「地産地販」(「現地(各市場)で販売する製品は現地で生産する」という方針)を推し進めるとともに、原材料の現地調達比率を高めることにより、収入と支出の取引通貨の一致を図っています。
また、これらの施策は同時に顧客ニーズにあった製品の迅速な開発やオーダーリードタイムの短縮といった顧客対応力の強化や、原材料価格の低減、さらには原材料調達先の複数化による事業継続リスクの低減にも資するものとなります。
<医療・医薬品事業>
医療・医薬品事業の更なる成長
(長期経営構想「Beyond Imagination 2030」基本方針③)
医療・医薬品業界は、後発医薬品の製造管理や品質管理の不備等による問題が発覚し行政処分等が行われ、一部の製品供給が滞るなど、業界の信頼を揺るがす事件が起きています。
こうした後発医薬品での事件をきっかけに、今後、医薬品の品質への要求がますます厳格化されると予想されています。一方で、医薬品の品質を追求することはコストアップにつながるものの、政府による薬価抑制政策が続いている影響で、当社グループのような医薬品製造受託機関(CMO)、医薬品製造開発受託機関(CDMO)に対する製造委託元からのコスト削減要求が強まっています。そのため、これからのCMOやCDMOは、より高品質な医薬品を、製造コストを抑えながら生産し、市場に安定供給していかなければならない環境にあります。国内において急速に進展する少子高齢化等により医療保険財政が悪化する中、先発医薬品の価格抑制や後発医薬品の使用促進などの医療費抑制政策が図られ、さらなる医療制度改革の議論が続けられるなど、予見可能性が低下している環境にあります。
このような状況において、当社グループは環境要因に影響されにくい事業形態を模索するとともに、将来を通じて既存製品を安定的に供給するために必要な体制の構築、また、医療機関・患者様のニーズに合致した新しい医薬品の提供を目指します。
① 医療用医薬品製造受託事業の継続
太陽ファルマテック株式会社は、医療用医薬品の製造受託事業を行っています。従来どおり既存のお客様に対する安定供給だけでなく、国内外の受託先との共同開発や提携及び新規の受託案件の獲得、医薬品製造受託(CMO)から製剤開発も含めた医薬品開発製造受託(CDMO)への展開も進めています。また、将来的な市場成長が期待される再生医療・遺伝子治療分野にも参入し、最先端の医療技術の商業化を担うことにより、技術力をより一層高めていきます。これらの取り組みにより、医療・医薬品事業の幅を広げ、より強固な体制を構築してまいります。中長期的には、国内工場の強化だけでなく、海外工場へ事業展開及び再生医療分野・遺伝子治療分野CDMOのグローバル展開を含めた、さらなる飛躍を目指します。
② 医療用医薬品製造販売事業の安定的な継続
太陽ファルマ株式会社は、中外製薬株式会社及び、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社、アストラゼネカ株式会社より資産譲受を完了した長期収載品18製品をラインナップしており、医療用医薬品を確実かつ安定的に医療現場へ提供し続けています。今後も積極的に長期収載品の取得を進めるとともに、新しい医薬品の提供を実現できるよう取り組んでまいります。
③ 医薬品の副作用等リスクへの対策
医薬品の製造販売には、製品回収や販売中止、健康被害に関する賠償責任等に関するリスクが伴います。薬機法(注)及び関連する規制の遵守を徹底するとともに、必要な賠償責任保険に加入することにより、このような事態が発生した場合の財政的負担を最小限に留めるべく対応していきます。
(注)医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
サステナビリティに関する考え方及び取組については、コーポレート・ガバナンス報告書に記載のとおり長期経営構想「Beyond Imagination 2030」において、「SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み強化」を基本方針の一つとして掲げています。詳細な取り組みについては以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。また、コーポレート・ガバナンス報告書は、当社ウェブサイト(
(1)サステナビリティ
① ガバナンス
サステナビリティ全般の業務執行については、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会が担っています。サステナビリティ推進委員会は、サステナビリティに関する活動の方向性や、重要課題に基づき設定した目標に関する進捗等を全社グループ横断的に議論しています。重要事項については、取締役会の提言を受けることとしています。
② リスク管理
当社グループでは、事業に関連する短期、中期、長期のリスク及び機会に対応するため、年に複数回、事業ごとにリスク及び機会の見直しを行っています。特に重大な影響を及ぼす可能性のあるサステナビリティ関連事項については全社的にリスク管理を図るため、評価・識別したリスクを実行部門で対応し、サステナビリティ推進委員会及び取締役会にて対応を管理・モニタリングする一連の体制を構築しています。
(2)気候変動への対応
当社グループでは、2014年から水上太陽光発電事業を開始するなど、サステナビリティについての取り組みを積極的に行っています。気候変動対応はグローバル社会が直面している重要な社会課題であり、当社にとっても重要な経営課題の一つであることから、2022年3月にTCFD※の提言に賛同を表明し、TCFDの枠組みに沿った取り組みを推進しています。
※TCFD:G20の要請を受け金融機安定理事会(FSB)が設立した、企業の気候変動に関する情報開示及び金融機関の対応を検討する気候関連財務情報開示タスクフォース
① ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティのガバナンスに組み込まれています。詳細については
② 戦略
長期的に予想される気候変動について、IPCC※1第6次評価報告書及びIEA※2世界エネルギー見通し等を参考に1.5℃シナリオ及び4℃シナリオを考慮した分析を実施し、リスク及び機会の特定を行っています。
※1 気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)
※2 国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)
脱炭素社会の進展がもたらす機会事例 1
電気自動車(EV)は、走行中にCO2を排出しないという気候変動の観点から今後一層需要が高まることが予想されています。EVに搭載される車載基板面積は、ガソリン車と比較すると約1.5倍になると見込まれ、EVの需要増加は当社グループの車載関連部材の売上増加に繋がり、事業機会になると捉えています。
車載基板の販売数量予測※
※富士キメラ総研「車載デバイス&コンポーネンツ総調査2022」(2020年は実績、2025年、2030年、2035年は予測)
脱炭素社会の進展がもたらす機会事例 2
当社グループは、エレクトロニクス事業の各種製品の梱包形態を変更することでプラスチック容器や段ボール等の廃棄物を削減しています。特に製品出荷量が多い中国や日本、台湾などの工場において積極的に製品の梱包形態をパウチへ変更しています。2023年3月期においては、SRの約15%の製品の梱包形態をパウチへ置き換え、顧客先の廃棄物削減に貢献しました。
③ リスク管理
気候変動に関するリスク管理は、サステナビリティのリスク管理に組み込まれています。詳細については
④ 指標と目標
政府目標である2050年カーボンニュートラル達成に向け、従来よりもさらに一段高いCO2排出量削減目標として、「2031年3月期までにグループ全体で2017年3月期比40%削減」を掲げました。また、「2031年3月期までに国内エレクトロニクス事業においては、カーボンニュートラル達成」、「国内医療・医薬品事業においてはCO2排出量70%削減」を目指し、「2050年までにグループ全体でカーボンニュートラル達成」を実現します。
CO2排出量実績と目標は、以下のとおりです。なお、CO2排出量削減目標における基準年は、2017年3月期に設定しています。
2017年3月期及び2022年3月期のCO2排出量、2031年3月期の目標CO2排出量
(単位:kt-CO2)
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セグメント |
CO2排出量 |
2017年3月期 (基準年) |
2022年3月期 (実績) |
2031年3月期 (目標)※1 |
|
グループ全体 |
Scope1+2 |
41 |
49 |
24 |
|
Scope1 |
16 |
16 |
|
|
|
Scope2 |
25 |
33 |
|
|
|
国内エレクトロニクス事業 |
Scope1+2 |
7 |
9 |
0 |
|
国内医療・医薬品事業 |
Scope1+2 |
18 |
19 |
5 |
|
その他※2 |
Scope1+2 |
15 |
20 |
|
※1 グループ全体及び国内エレクトロニクス事業、国内医療・医薬品事業のScope1+2における目標値
※2 その他:海外エレクトロニクス事業、国内その他事業における製造・販売・サービス拠点
今後も、TCFD提言の枠組みに沿って、気候変動がもたらすリスク・機会が事業に与える影響を評価し、それらのリスク低減及び機会獲得への対応を推進することで、事業を通じた気候変動への対応及び情報開示に取り組んでまいります。
(3)人的資本
人的資本等への投資については、長期経営構想「Beyond Imagination 2030」において「多様化する社会や組織に対応する自律型人材の育成・活用」を第一の基本方針として掲げています。当社では、「仕事のやりがい」「職場環境」「公正な評価・給与」の3つをバランス良く整えることで、自ら目標を立て、目標の実現に向け高い志を持つ自律型人材の育成に努めます。
① 戦略
a.組織開発・人材開発方針
社会やビジネス環境のめまぐるしい変化の中、経営理念を実現するため、自らの意志で未来を描き、物事の本質を捉えた判断と周囲を巻き込んだ業務遂行ができる自律型人材を個人と組織の両面から育成すべく「未来共創イニシアティブ」の取り組みを行っています。
未来共創イニシアティブの取り組みの一つとして、2019年4月から「未来共創ミーティング」を部門ごとに実施しています。このミーティングは、グロース・マインドセットを獲得すること、チームの関係性や行動の質を高めることを通じて、強い個人や強い組織になることを狙いとしています。
また、2021年10月にはグループ社員全員で共有し大切にしていく価値観として「太陽バリュー」を、約2年間にわたる社員参加型のグループダイアログセッションを経て策定しました。現在は、部署ごとにリーダーを選出して太陽バリューを具現化する取り組みを継続しており、組織横断的にそれぞれの取り組みを共有できる仕組みづくりを行っています。
b.社内環境整備方針
昨今の法令や社会の要請の変化、就業先、就業形態の多様化等により、労働環境や労働に対する価値観が大きく変化しています。当社グループでは、常に変化する環境下においても社員一人ひとりが自律的に仕事をしていける環境を整えるために、経営陣から社員への3つのコミットメントとして「仕事のやりがい」「職場環境」「公正な評価・給与」の3つをバランス良く整えることで、自律型人材の育成・活用に注力しています。
② 指標及び目標
a.組織開発・人材開発方針
未来共創イニシアティブの取り組みの一つである未来共創ミーティングは、2023年3月末までに131部門で実施され、参加者は1,292名となりました。(部門数、参加者数はのべ数)今後も継続的に実施するとともに、グループ会社への展開を広げていきます。
また、太陽バリューにおいては策定から約1年半が経ち、日常的に意識している社員の割合が向上しています。(以下、グループ社員へのヒアリング結果の推移)今後も、恒常的な日々の仕事のよりどころとなる価値観として根付くことを目指し、取り組みを継続していきます。

未来共創ミーティングの実施と太陽バリュー具現化の活動により、人や組織の関係性は向上し、グループとして大切にしていきたい価値観も根付いてきていると感じています。この流れを、より仕事や事業の成果につなげるべく「パフォーマンス・マネジメント」の強化も進めています。具体的には部下が最大限能力を発揮できるように支援するためのチームマネジメントについてまとめたマネジメント向けのハンドブックを作成し、同ハンドブックを教材にした新任の課長研修の実施、及び部課長全員(50名)に対してハンドブックを配布しました。今後もマネジメントハンドブックのコンテンツを活用した研修等の取り組みを実施していくとともに、現場から見えてきたナレッジ等をハンドブックに取り入れ、当社らしいマネジメントのあり方を追求していきたいと考えています。
人材の開発という点において、上記、未来共創イニシアティブに関する取り組みに加え、社員教育への投資にも注力しています。各個人の知識向上、スキルアップを支援する取り組みとして、会社が推奨する資格の取得費用、新入社員に対する新聞購読費用、業務上必要な書籍の購入費用に対する支援をしています。(2023年3月期実績:当社社員一人あたり約6万円)また成長機会の提供として社内外のセミナーや研修にも力を入れています。(2023年3月期実績:当社社員一人あたり約41万円 ※社内研修の費用においては設計に係る費用等も含まれています。)
b.社内環境整備方針
当社ならびに一部の国内子会社で全社員を対象に実施しているストレスチェックにおいて、法定の要素だけではなく従業員の満足度等も総合的な指標として広く参考にしています。経営陣のコミットメントである「仕事のやりがい」「職場環境」「公正な評価・給与」に対する社員の満足度についても、同ストレスチェックの結果を参考にしています。各種取り組みの成果もあり、個別項目においては全36項目中、31項目が全国平均を上回っており、総合的な指標も全国平均と比較して良好な数値が出ています。
「職場環境」に対する取り組みについては、ただ単に最新の設備が整っていて、きれいで快適な職場を目指すだけではなく、社員の成長や気づきを促す人材開発も意識した職場環境づくりを目指しています。例えば、職場には多くの芸術作品を展示していますが、これは「その芸術作品を見ることで、一流のアーティストがプロになるまでにどれだけの努力をしてきたかを社員に想像してもらい、自身の仕事への向き合い方に目を向けてほしい」という経営陣からのメッセージが込められています。また、ハード面だけでなくソフト面においても、背景の異なる多様な人材の視点を取り入れるため、中途採用も積極的に進めています。(提出会社における2023年3月期中途採用比率:22.7%)
2023年4月には、昨今の環境変化へ適応した形での「公正な評価・給与」を実現することを狙いとし、社員の給与制度を改定しました。今後も様々な環境の変化を予測しながら「仕事のやりがい」「職場環境」「公正な評価・給与」をバランスよく見直していくとともに、社員一人ひとりが自律型人材としてさらに活躍できる環境・仕組みづくりを通じ、楽しい社会の実現を目指します。
当社グループの事業展開について影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。
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財務リスク |
関連するリスク |
主要な取り組み |
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社会課題への対応に係るリスク |
・ 気候変動等の環境課題を含む社会課題への 取り組みが不十分である場合の企業評価の 低下、事業機会の損失。 |
・ 取締役会、サステナビリティ推進委員会 の重要課題の特定。 ・ リスクと機会の分析とリスク管理の徹底。 |
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為替変動リスク |
・ 為替の変動による海外での事業活動の停 滞。 ・ 為替・金利の変動による海外子会社業績 の円貨への換算への影響。 |
・ 為替予約等の実施。 ・ 親会社を含めた為替変動リスクの低い国 での資金調達。 ・ 地産地販の推進。 |
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カントリーリスク |
・ 法規制、税制の変更。 ・ 戦争や紛争等の発生。 |
・ 進出国の適度な分散。 ・ 顧客や各国政府等の動向の調査。 |
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感染症のリスク |
・ 当社グループの役員、従業員の罹患によ る事業活動の制約。 |
・ 政府方針に合わせた対策。 ・ テレワーク環境の採用。 ・ 社員の出勤時検温や消毒の徹底。 |
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原材料等の調達に係るリスク |
・ 原材料メーカーの罹災や供給不足等に より、当社グループの生産に生じる支障。 ・ 石油等市況の影響等から、一部の原材料 価格が上昇。 |
・ 様々なサプライヤーからの材料調達。 |
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競合他社との価格競争激化 |
・ 当社グループの製品の価格低下圧力。 |
・ 低価格製品の生産・販売。 ・ 競合他社の企業調査。 |
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顧客の経営破綻 |
・ 海外を含めた予期せぬ顧客の経営破綻。 |
・ 情報収集、与信管理等、債権保全。 |
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技術革新リスク |
・ 革新的な技術発展により電子機器にPCB を使用しない方法等の普及。 ・ PCBの製造でSRを使用しない方法等の適用。 |
・ 新しい工法の技術開発。 |
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特許に伴うリスク |
・ 権利保護が受けられない可能性。 ・ 当社グループによる他社の特許・知的財 産権の侵害。 |
・ 知的財産のリスクマネジメントの実施。 |
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医薬品の副作用等 |
・ 予期せぬ重大な副作用や安全性の問題の 発現。 |
・ 薬機法及び関連する規制の遵守を徹底、 必要な損害保険に加入。 |
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医薬行政の動向 |
・ 薬価改定を含む国・自治体の医療政策、 医療保険制度の変更等。 |
・ 適切な業務運営体制や管理・監査体制の 構築。 |
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減損リスク |
・ 資産の時価が著しく下落した場合、又は 事業の収益性が悪化した場合には、減損 会計の適用により固定資産の減損損失が 発生。 |
・ 取締役会における買収価格の適切性に関 する審議。 ・ 買収後のシナジー実現に向けたフォロー アップやマクロ経済環境の定期的なモニ タリング。 |
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移転価格税制等の 国際税務リスク |
・ 税務当局の調査における税務当局との見 解の相違により、追徴課税や二重課税が 発生。 |
・ 各国税制遵守の徹底。 ・ 外部専門家の活用。 |
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人材確保に係るリスク |
・ 人材育成の遅れや少子高齢化、人口減少を 背景とした社員流出や採用難による労働人 口の減少。 |
・ 多様化する組織や社会に対応する自律型 人材の育成・活用。 ・ 仕事のやりがいや職場環境、公正な評価・ 給与の整備。 |
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情報セキュリティに係るリスク |
・ サイバー攻撃等による情報の漏洩・改ざん 等の発生。 ・ コンピュータシステムの停止や誤作動。 |
・ 情報管理体制の強化・整理。 ・ 従業員への教育・訓練の実施。 |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態
当連結会計年度の資産、負債及び純資産の状況と主な要因は下表のとおりです。
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前連結 会計年度 (百万円) |
当連結 会計年度 (百万円) |
増減額 (百万円) |
主な要因 (前連結会計年度との比較) |
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流動資産 |
98,766 |
90,050 |
△8,715 |
受取手形及び売掛金4,823百万円、現金及び預金4,435百万円の減少 |
|
固定資産 |
90,507 |
97,212 |
6,705 |
建設仮勘定5,346百万円、建物及び構築物1,924百万円、土地1,021百万円の増加 販売権1,648百万円の減少 |
|
資産合計 |
189,273 |
187,263 |
△2,009 |
|
|
負債合計 |
103,806 |
94,523 |
△9,282 |
短期借入金7,807百万円、支払手形及び買掛金2,742百万円の減少 長期借入金(1年内返済予定含む)1,155百万円の増加 |
|
純資産合計 |
85,466 |
92,739 |
7,272 |
親会社株主に帰属する当期純利益11,405百万円の計上、為替換算調整勘定1,036百万円の増加 剰余金の配当4,165百万円、自己株式の取得1,500百万円による減少 |
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負債純資産合計 |
189,273 |
187,263 |
△2,009 |
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② 経営成績
当連結会計年度の売上高は97,338百万円(前年同期比0.6%減)、営業利益は15,972百万円(前年同期比11.1%減)、経常利益は15,462百万円(前年同期比14.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,405百万円(前年同期比3.4%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
当社グループは、事業子会社を基礎としたセグメントから構成されており、「エレクトロニクス事業」「医療・医薬品事業」の2つを報告セグメントとしています。
エレクトロニクス事業
当事業については、海外での売上高比率が9割を超えていることから、為替が円安に推移することで増収、増益に寄与します。当期累計期間における期中平均為替レートは1米ドル135.0円であり、前年同期の期中平均為替レートである1米ドル112.9円と比較し22.1円の円安に推移しました。
リジッド基板用部材については、低調に推移し、特にディスプレイ関連部材、民生用関連部材において販売数量が前年同期を下回りました。当部材は中国での売上高比率が高く、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴うロックダウンや顧客の従業員出勤率低下による稼働率の急減、PC・タブレットや民生機器等の最終需要の減少により販売数量が減少しました。
PKG基板用部材についても、販売数量が前年同期を下回りました。特に、DF製品においては、第2四半期連結累計期間まで世界的なリモートワークの定着や第5世代移動通信システム(5G)の普及に伴うデータ量の飛躍的な増大を背景に販売数量が過去最高水準となりましたが、スマートフォンやPC・タブレット等の最終需要の減少を背景に顧客の在庫水準が増加し、第3四半期連結会計期間からメモリ向け製品の需要が急速に減少したことにより販売数量が減少しました。なお、当部材の売上高では、為替が円安に推移したことにより前年同期を上回りました。
その結果、売上高は68,419百万円(前年同期比3.8%減)、セグメント利益は15,845百万円(前年同期比6.4%減)となりました。
医療・医薬品事業
太陽ファルマ株式会社が行う医療用医薬品の製造販売事業については、売上高が前年同期を下回りました。前年同期と比較し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う一部製品の需要の増加があったものの、薬価改定の影響や他社同効薬等の限定出荷解除に伴う需要の減少により低調に推移しました。
太陽ファルマテック株式会社が行う医療用医薬品の製造受託事業については、売上高が前年同期を上回りました。製造委託元からの要請による受託数量の増加やプロダクトミックスの変化により、好調に推移しました。
その結果、売上高は25,447百万円(前年同期比8.4%増)、セグメント利益は1,906百万円(前年同期比20.6%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況と主な要因は下表のとおりです。
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前連結 会計年度 (百万円) |
当連結 会計年度 (百万円) |
主な要因 |
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営業活動による キャッシュ・フロー |
18,308 |
22,736 |
税金等調整前当期純利益15,462百万円、減価償却費7,441百万円、売上債権の減少額5,597百万円、法人税等の支払額△6,987百万円 |
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投資活動による キャッシュ・フロー |
△11,258 |
△13,160 |
有形固定資産の取得による支出△11,667百万円、投資有価証券の取得による支出△950百万円 |
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財務活動による キャッシュ・フロー |
△11,279 |
△13,942 |
長期借入れによる収入18,672百万円、長期借入金の返済による支出△17,492百万円、短期借入金の純減額△8,926百万円、配当金の支払額△4,164百万円、自己株式の取得による支出△1,520百万円 |
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現金及び現金同等物の増減額 |
△3,157 |
△4,079 |
|
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
51,152 |
47,088 |
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④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(単位:百万円)
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年 4月 1日 至 2023年 3月31日) |
前年同期比(%) |
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エレクトロニクス事業 |
52,548 |
91.8 |
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医療・医薬品事業 |
14,345 |
110.4 |
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報告セグメント計 |
66,893 |
95.2 |
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その他 |
1,459 |
99.1 |
|
合計 |
68,353 |
95.3 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2.医療・医薬品事業の金額には、製造委託は含まれていません。
b 受注状況
当社グループは見込生産を主体としているため受注状況の記載を省略しています。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(単位:百万円)
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年 4月 1日 至 2023年 3月31日) |
前年同期比(%) |
|
エレクトロニクス事業 |
68,419 |
96.2 |
|
医療・医薬品事業 |
25,447 |
108.4 |
|
報告セグメント計 |
93,866 |
99.3 |
|
その他 |
3,472 |
102.0 |
|
合計 |
97,338 |
99.4 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。連結財務諸表の作成に当たって採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
当社グループは、新型コロナウイルス感染症との共存(ウィズコロナ)への移行により、入国規制等の行動制限の緩和や社会経済活動の正常化が進むものとして会計上の見積りを行っており、現時点において重要な影響を与えるものではないと判断しています。しかしながら、変異株により新型コロナウイルス感染症の感染再拡大等の不確定要素が多く翌連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 当社グループの当連結会計年度の経営成績等
当社グループの当連結会計年度の経営成績等につきましては、「第2 事業の状況、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1)経営成績等の状況の概要、② 経営成績」を参照ください。
b 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況、3 事業等のリスク」を参照ください。
c 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、適切な流動性の維持及び健全なバランスシートの維持を財務方針としています。必要資金については、主に営業活動から得られる資金及び銀行借入金などによりまかなっており、現在必要とされる資金水準を十分確保していると考えています。当連結会計年度末の短期借入金及び長期借入金の合計は71,501百万円です。当社グループの借入必要額に、重要な季節的変動はありません。
また、当社グループは、当連結会計年度末の現金及び現金同等物47,088百万円を主に円建てを中心として保有していますが、その他の外貨建でも保有しています。当社グループの現金及び現金同等物は、売上収益の約5.8ヶ月相当の水準となっており、当社グループの事業運営上、十分な流動性を確保していると考えています。しかしながら、景気後退による市場の縮小や金融市場・為替市場の混乱などにより、流動性に一部支障をきたす場合も考えられます。このため、金融機関と限度額24,928百万円の当座借越契約を締結しています。
d 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、2022年3月期を初年度とする2031年3月期までの長期経営構想「Beyond Imagination 2030」を策定しました。2021年3月期の経営指標を参考として加えた各指標の達成状況は次のとおりです。
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経営指標 |
目標 |
2021年3月期 (参考) |
2022年3月期
|
2023年3月期
|
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ROE(自己資本利益率) |
18%以上 |
13.1% |
14.6% |
12.8% |
|
DOE(株主資本配当率) |
5%以上維持 |
6.3% ( - ) |
5.1% |
6.0% (達成) |
ROEにつきましては、長期経営構想「Beyond Imagination 2030」で掲げた2031年3月期での18%以上の達成を目指しています。当連結会計年度末は12.8%と前連結会計年度末の14.6%から低下しています。今後は、エレクトロニクス事業、医療・医薬品事業だけでなく、食糧・エネルギーなどの新たな事業分野での成長をしながら、達成に向けて活動を行ってまいります。
DOEにつきましては、2018年3月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画「NEXT STAGE 2020」に引き続き、長期経営構想「Beyond Imagination 2030」においても5%以上維持を目標としており、当連結会計年度においては6.0%と前連結会計年度より継続して達成しています。今後は長期経営構想に沿い、SRの収益力の強化、SR以外のPCB関連領域の拡充、医療・医薬品事業の事業戦略の遂行、株主への利益還元及び経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行等を行い、企業価値の向上へ尽力いたします。
e セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1)経営成績等の状況の概要、② 経営成績」を参照ください。
該当事項はありません。
当社グループは「我がグループの「あらゆる技術」を高め、革新的な製品をもって、夢あるさまざまなモノをグローバルに生み出し、楽しい社会を実現します。」という経営理念のもと、電子機器分野で高度情報化社会や快適な環境に貢献する各種絶縁材料、導電性材料、ディスプレイ向け材料等の研究開発を行っています。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
エレクトロニクス事業に係る研究開発費は、
医療・医薬品事業に係る研究開発費は、
その他の研究開発費は、134百万円です。
注力した研究内容と成果は以下のとおりです。
(1)SR
当社グループの主力製品であるSRは、リジッド基板やPKG基板に広く使用されています。年々、各製品の要求される特性が厳しくなる中で、いち早く市場の要求に応えるために顧客とのコミュニケーションと開発スピードの向上を重視してSRの開発を推進しています。リジッド基板の分野では、スマートフォンに使用される高密度実装配線(HDI)基板用途と車載基板用途の開発に注力しています。近年、第5世代移動通信システム(5G)関連の開発要求が増えていく中で、他社に先駆けて伝送損失の低い材料を新たに開発し、顧客に採用される段階まで来ています。今後は、薄膜化への対応において液状タイプからDFタイプへの移行が考えられることから、DFタイプのSRを開発し顧客への紹介を開始しています。車載基板は、ガソリン車からハイブリッド車、電気自動車へ急速な移行が世界的にみられSRに求められる特性が多様化しています。過酷な状況下で使用される車載基板用SRは、特に高温と低温との熱サイクルにおける特性が重要視されていることから、新たに原料を見直すことでSRに要求される特性を達成しました。現在は、次期車載基板用SRとして最終顧客認証を得ることができ、採用が決定しました。また、コンソーシアムに参加するなど外部連携をはかりながら事業開発を進めています。
一方、PKG基板は半導体チップの保護、半導体との接続や実装性能を確保するために無くてはならないものであり、近年はオンライン需要の増加によりPC、スマートフォンやタブレット端末を始めとする電子機器を中心に市場が拡大しています。そのPKG基板に使用されるSRには回路間の絶縁性のみならず、PKGの信頼性を左右する特有の性質が求められます。PCでは、中央演算処理を行う半導体チップのCPUや3Dグラフィックスなどの画像描写を行う際に必要となる計算処理を行う半導体チップのGPU、モバイル端末では通信や動作を司るアプリケーションプロセッサ、記憶媒体であるDRAM、NANDフラッシュメモリなど主要な半導体デバイス向けPKG基板に当社グループのSRが広く使用されています。モバイル端末の薄型化や小型化のニーズを背景とした搭載部品の小型化・高性能化に伴い、半導体や電子部品に隣接して使用されるSRはデバイスの信頼性を大きく左右する重要な役割を担うことになります。例えばPKGの寸法精度や接続信頼性を向上させるための厚み精度や表面平坦性、最先端の半導体チップを搭載するために必要な開口精度などが挙げられます。近年はこれらの要求や課題を解決するためにDFタイプのSRの採用が増加しています。DFタイプの製品により従来の液状製品では実現できなかった仕様の実現を可能とし、加えてPKG基板を製造する当社グループの顧客においても生産性のみならず品質の向上にも貢献しています。今後、世界中で拡大が見込まれる5G通信関連やIoT関連に必要な半導体デバイスにおいても、当社グループのDFタイプの製品が技術の発展に大きく寄与します。近年では表面の凹凸加工技術を生かしたDFタイプで艶消し(マット)製品の開発など、当社グループのコア技術を生かして新しい価値、性能を付与した製品開発を通じて新しい市場の創造を目指していきます。
(2)層間絶縁材
近年のPKG基板の高集積化を支える様々なDFタイプの層間絶縁材料を開発・販売しています。最近では5G高速通信基板向けのニーズに対応した低誘電特性を有した層間絶縁材料の開発を進め、顧客評価まで進行しています。今後、さらなる微細配線化に向けた感光性DFの開発・技術提案を行っています。また層間絶縁材料の知見に基づきフィルムタイプの封止材の開発も進めており、顧客の採用につながっています。今後も顧客の新しい要求に応えられる製品を開発・提案していきます。
(3)感光性カバーレイ
スマートフォンやタブレット端末の軽量薄型化により、基板を搭載する内蔵スペースが狭小化してきたため、従来のリジッド基板主体から、柔軟で折りたたみ収納できるフレキシブル基板の使用が増加しています。当社グループが開発した感光性カバーレイフィルムは市場のニーズである微細加工性と耐熱性・折り曲げ性等の機械特性の両立を可能にし、スマートフォンのカメラを初めとした様々な電子機器用途で採用されています。引き続きこの新材料の用途拡大に向けて、様々な分野での技術提案と新規開発を行っていきます。
(4)高周波対応配線形成用新シードフィルム
5Gの普及に伴い、使用周波数帯域である6GHz未満のSub6やSub6以上の高周波帯域であるミリ波帯で高周波信号をロスなく伝送する銅配線形成技術が重要となります。高周波伝送では、高周波帯域になるほど電気信号が銅配線表層に流れやすくなります。この電気信号に対する伝送損失を抑えるためには、銅配線表層の形状を平滑にすることが求められています。本フィルム材料を用いることで、基材フィルムと銅配線の界面を極めて平滑な状態で密着させることができます。また、より精度の高い銅配線を形成する方法として、従来用いられている銅シード・モディファイドセミアディティブプロセス(MSAP)は、シード層の銅をエッチングする際に銅配線が同時に溶解するため、配線の表面や側面の凹凸が大きくなる課題がありました。一方、本フィルム材料では、銅とは異なる金属をシード層に用いるためシード層のみをエッチングすることが可能となり、銅配線表面や側面が平滑なファインパターンを得ることができます。
(5)ウェアラブル端末用部材
新規市場として注目されているウェアラブル端末市場は、医療ヘルスケア向けデバイスとして、アプリケーションの具体化が進み、新しい市場の誕生が近づいてきています。医療ヘルスケア向けデバイスは「体に密着させて使用する電子製品」です。ここには柔らかさも備えた「ストレッチャブル性」が必要とされ、当社グループが展開するストレッチャブルな導電材料の採用が広がり始めています。
(6)インクジェット印刷対応SR
インクジェット塗布機に対応したSRについて、車載基板向けに顧客での採用が決定し量産を開始しました。インクジェット法は工程の大幅な短縮が可能となり、基板の製造コスト削減や環境負荷の低減に有効です。市場拡大の期待されるフレキシブル基板向けに引き続き開発を進めていきます。また当社グループではSR用途だけでなく、マーキングインキ、めっきレジスト、エッチングレジスト、ディスプレイ用材料等、様々な用途に向けインクジェット法に対応した製品の開発を進めています。
(7)ディスプレイ用材料
高画質、高輝度、省エネに対するディスプレイへの要求に応えるためにMini LEDの採用が始まり、Micro LEDの研究開発が進められています。当社グループはこれらLEDディスプレイの部材としてバックライトユニットに使用される高反射材等を開発しています。LEDの反射材(LEDの明るさを向上、保持させるための部材)としてDFタイプ、液状タイプまた、インクジェット法で塗布、形成できる部材を開発し市場に提供しています。白色のDFタイプ、白色の液状タイプに関しては、多くのLEDディスプレイのバックライトユニットに採用されています。一方、遮蔽材はブラックマトリックスとしてバックライトの光もれやRGBの混色を防止する役割を担っており、この遮蔽材を従来の印刷法に加え、工程を簡略化でき環境への負荷が小さいインクジェット法で塗布、形成できる部材の開発に取り組んでいます。また、当社グループが展開するストレッチャブルな導電材料特有のストレッチャブル性が注目されフォルダブルディスプレイ向けに評価が進行しています。