ヤマトグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在においてヤマトグループが判断したものであります。
(1) 経営方針
ヤマトグループは、社会的インフラとしての宅急便ネットワークの高度化、より便利で快適な生活関連サービスの創造、革新的な物流システムの開発を通じて、豊かな社会の実現に貢献することを経営理念に掲げ、生活利便性の向上に役立つ商品・サービスを開発してまいりました。
今後も、社会インフラの一員として社会の課題に正面から向き合い、お客様、社会のニーズに応える「新たな物流のエコシステム」を創出することで、豊かな社会の創造に持続的に貢献してまいります。また、生産性の向上を図るなど効率化を推進し、収益力の強化に努めることで、安定した経営を目指してまいります。
(2) 経営環境、経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度における経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響は弱まり、経済活動の正常化に向けた動きが進んでいるものの、国際情勢の不安定化に伴うエネルギー価格の高止まりや原材料価格の高騰などの世界的なインフレに対し、米欧主要中央銀行の継続的な金融引き締めなどにより、世界経済の減速傾向が強まっています。さらに国内においても物価上昇に伴い、個人消費が停滞しているなど、依然として本格的な景気回復が見通しづらい状況にあります。
また、新型コロナウイルス感染症を契機としたテレワークの定着、診療や教育分野におけるサービスのオンライン化など、消費行動や生活様式が変化し、産業のEC化が進展しています。
このような状況下、ヤマトグループは経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、グループ各社の経営資源を結集したグループ経営体制の下、中期経営計画「Oneヤマト2023」に基づき、生活様式の変化と流通構造の変化に対応するサプライチェーンの変革に向けて、お客様や社会のニーズに対し総合的な価値提供に取り組んでいます。
なお、当該中期経営計画の最終年度となる2024年3月期は、物価高や消費動向など外的環境の変化などを考慮し、連結営業収益1兆8,600億円、連結営業利益800億円(連結営業利益率4.3%)、ROE8.3%に見直しております。
今後につきましては、外的環境の変化、およびこれまでの経営構造改革の進展を踏まえ、事業構造改革の取組みを深化させていきます。ネットワーク・オペレーション構造改革では、事業基盤である宅急便ネットワークの変革に取り組み、「EC物流ネットワーク」や「保冷専用ネットワーク」、「法人専用輸配送ネットワーク」などセグメントした成長領域の物流ニーズに最適化した専用ネットワークを構築・拡大するとともに、営業所の集約・大型化を起点とした既存のネットワークの強靭化を推進します。この新たな事業基盤をもとに、国内のみならずグローバルに広がる顧客のサプライチェーンの「End to End」に対する提供価値の拡大を図るとともに、事業構造改革を支えるデジタル戦略、人事戦略、環境戦略を推進することで、収益性と成長力を高めていきます。また、引き続き、サステナブル経営の強化およびコーポレート・ガバナンスの強化に取り組むことで、持続的な企業価値向上の基盤を強化していきます。
なお、ヤマト運輸株式会社は、生産年齢人口の中長期的な減少傾向への対応や、2018年に公布された働き方改革関連法に伴う「時間外労働の上限規制(2024年問題)」への対応などの課題や物価上昇等に伴う継続的なコスト上昇に対応していくため、2023年4月3日より届出運賃等を改定しました。今後も外部環境の変化による影響を踏まえ、毎年、届出運賃等を見直しながら、物流パートナー等に対し適時適切に対応していくことなどにより、輸配送ネットワークの維持・強化と、お客様により良いサービスを提供し続ける環境を構築していきます。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
ヤマトグループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症の影響は弱まり、経済活動の正常化に向けた動きが進んでいるものの、国際情勢の不安定化に伴うエネルギー価格や原材料価格の高止まりなどの世界的なインフレに対し、米欧主要中央銀行の継続的な金融引き締めなどにより、世界経済の減速傾向が強まっています。さらに、国内においても物価上昇に伴い、個人消費が停滞しているなど、依然として本格的な景気回復が見通しづらい状況にあります。また、物流業界においては、生産年齢人口の中長期的な減少傾向への対応や、2018年に公布された働き方改革関連法に伴う「時間外労働の上限規制(2024年問題)」への対応などの課題に直面しています。このような中、ヤマトグループは、経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、引き続き、以下①~③の取組みを加速させていきます。
なお、当社は、上記の物流業界における課題や物価上昇等に伴う継続的なコスト上昇に対応していくため、2023年4月3日より届出運賃等を改定しました。今後も外部環境の変化による影響を踏まえ、毎年、届出運賃等を見直しながら、物流パートナー等に対し適時適切に対応していくことなどにより、輸配送ネットワークの維持・強化と、お客様により良いサービスを提供し続ける環境を構築していきます。
① ネットワーク・オペレーションの構造改革
変化、多様化するお客様のニーズに応えるとともに、業務量の繁閑に応じて、より柔軟に対応していくため、ネットワーク・オペレーションの構造改革を推進しています。既存の宅急便ネットワークとオペレーションの安全・品質および、働きやすさや働きがいの維持・向上とオペレーティングコストの適正化を図るため、引き続き、拠点の集約・大型化を進めるとともに、職務定義の細分化・専門化、ITシステムを活用した作業オペレーションの効率化により、各拠点における働き方や人材配置、体制を刷新していきます。さらに、第一線の社員の管理間接業務を削減するため、業務の標準化、電子化によるBPR(業務プロセス改革)にも継続して取り組みます。
② 法人ビジネス領域の拡大
ヤマトグループは、世界の政治・経済とサプライチェーンのブロック化や環境問題などのリスク要因が増大する中、サプライチェーン全体に拡がる顧客の経営課題の解決を目指すソリューションビジネスを新たな成長領域と位置付けて注力しています。
ソリューションの提供においては、営業とオペレーションが一体となり、お客様の産業、ビジネスの目的と戦略を深く理解した上で、国内外の拠点と輸配送のネットワーク、コントラクト・ロジスティクスや、国際フォワーディングなどの物流機能、ファイナンスやITシステムなど、ヤマトグループが持つ経営資源を最大限活用し、お客様の物流の管理や運営にとどまらず、ロジスティクスの戦略・企画まで関与するLLP(リード・ロジスティクス・パートナー)となることを目指しています。そして、これまで宅急便で培った国内の膨大な顧客基盤を活かしながら、本社に集約した営業情報に基づく最適な提案を創出し、第一線の営業活動を促進させるとともに、ソリューション設計やオペレーション設計の高度化を図り、店舗やECの運営に係るバックヤード業務の効率化や、販売機会ロスの削減、在庫の最適化など、お客様に対し、国内からグローバルに拡がるサプライチェーン全体にわたる価値を提供していきます。
さらに、2050年の温室効果ガス(GHG)自社排出実質ゼロに向けて、EVの導入やドライアイスを使わない保冷輸送などのグリーン物流を推進し、当社の排出量を削減すると同時に、お客様のGHG排出量を可視化し、より環境負荷の少ないサプライチェーンを構築しながら、お客様が保有する在庫や生産活動の最適化とお客様のGHG排出量削減を実現するなど、サステナブルな物流の実現に貢献していきます。
③ 持続的な企業価値向上を実現する戦略の推進
ヤマトグループは、サプライチェーンの「End to End」に対する提供価値を拡大し、持続的な企業価値向上を実現するための基盤として、デジタル戦略、人事戦略、サステナブル経営の強化、ガバナンスの強化に取り組んでいます。
デジタル戦略については、DX推進体制を強化し、デジタル基盤を活用したお客様への提供価値の拡大や経営資源の適正化など、事業と一体となったDX推進に取り組んでいます。また、人事戦略については、新たな付加価値創出に向けた最適な人材ポートフォリオの構築や、多様な社員の働きやすさと働きがいの向上に取り組んでいます。
サステナブル経営の強化については、中長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に向けた2つのビジョン「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」に基づき、特定した各重要課題(マテリアリティ)に取り組んでいます。環境については、「2050年温室効果ガス(GHG)排出実質ゼロ(自社排出)」および「2030年温室効果ガス(GHG)排出量48%削減(2020年度比)」の実現に向け、引き続き「EV20,000台の導入」「太陽光発電設備810基の導入」「再生可能エネルギー由来電力の使用率向上」などの施策を推進していきます。また、社会については、引き続き、人材の多様性を尊重し、社員が活躍できる職場環境を整備するとともに、社会の諸課題に向き合い、共創による地域づくりを推進するなど、豊かな社会の実現に向けて取り組みます。
ガバナンスの強化については、引き続き、経営の監督と執行の分離、経営の透明性の維持・強化など、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組むとともに、意思決定のスピードを重視したガバナンス体制の下で、構造改革を推進します。
ヤマトグループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在においてヤマトグループが判断したものであります。
(1)サステナブル経営の推進
気候変動や労働人口の減少、人権・格差など、社会全体で取り組まねばならない喫緊の課題に直面している中、各企業もこのような社会的な課題に応えていく必要性が高まっています。ヤマトグループは、このような状況を踏まえ、中長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指し、サステナブル経営を推進しています。
①ガバナンス
当社は、サステナビリティに関する重要事項について、経営会議および取締役会で審議・決議を実施しています。また、サステナブル経営を推進するため、代表取締役社長を委員長、ヤマト運輸の役員(専務/常務執行役員等)および主要グループ会社社長を構成員とする、ヤマトグループ環境委員会および、ヤマトグループ社会領域推進委員会を年1回開催し、サステナビリティに関する課題についての審議や決議を実施しています。そして、環境の分野では4つの部会(エネルギー・気候・大気、資源・廃棄物、マネジメント・協働、商品・サービス)、社会の分野では3つの部会(人権・ダイバーシティ、サプライチェーンマネジメント、地域コミュニティ)をそれぞれ年3回開催し、施策の検討や進捗確認を実施しています。
(サステナビリティ推進体制)
(ヤマトグループ環境委員会および社会領域推進委員会の役割)
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ヤマトグループ 環境委員会 |
① ヤマトグループの環境に関わる取組みの意思決定機関として、環境マネジメントシステムの運用を確認するとともに、取組みの方向性を明確にし、検討、審議、決議を行う ② 会議メンバーより報告を受け、トップマネジメントである環境統括責任者(ヤマトホールディングス代表取締役社長)が活動実績の評価および見直し(トップマネジメントレビュー)を行い、今後の施策などについて決定する |
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ヤマトグループ 社会領域推進委員会 |
① ヤマトグループの社会に関わる取組みの意思決定機関として、社会領域の重要課題に対する取組みの方向性を明確にし、推進施策の検討、審議、決議を行う ② ヤマトグループ社会部会およびヤマトグループ各社の報告を受け、トップマネジメントであるヤマトホールディングス代表取締役社長が活動実績の評価および見直しを行い、今後の施策などについて決定する |
②戦略
当社は、中長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に向けて、中長期の経営のグランドデザイン「YAMATO NEXT100」において、環境・社会に関するビジョンを掲げるとともに、重要かつ優先的に取り組むマテリアリティを特定しました。そして、「ヤマトグループ環境方針」「ヤマトグループ人権方針」「ダイバーシティ基本方針」「ヤマトグループ責任ある調達方針」の下、マテリアリティへの具体的な行動と2023年の到達目標を定めた「サステナブル中期計画2023」に基づき、取組みを推進しています。
(環境・社会ビジョン)
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環境ビジョン |
「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」 「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」へヤマトグループはさらに進化します。人や資源、情報を高度につなぎ、輸送をより効率化させ、環境や生活、経済によりよい物流を実現します。温室効果ガス(GHG)排出実質ゼロ*1に挑戦し、持続可能な資源の利用・消費モデルを創造し、強く、スマートな社会を支えます。 *1 自社排出(Scope1とScope2) |
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社会ビジョン |
「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない*2”社会の実現への貢献」 ヤマトグループは社会的インフラを担う企業として、フェアで効率的な事業プロセスを通じて、あらゆる人々にものや価値を届けることで、社会における様々な格差や障害を解消・低減し、社員やお客様など様々な人々の生活の質(QOL)向上に貢献します。 リアルの強みとデジタルイノベーションの推進、そして多様なパートナーとの共創により、社会課題の解決を目指し、“誰一人取り残さない”社会の実現にリーディングカンパニーとして貢献していきます。 *2 誰一人取り残さない:SDGsが掲げる基本理念 |
(マテリアリティ)
③リスク管理
当社は、サステナブル経営を推進していく上での課題やリスクについて、ヤマトグループ環境委員会およびヤマトグループ社会領域推進委員会で審議・決議を実施しています。また、重要事項については、適宜、経営会議や取締役会で審議・決議を実施しています。
気候変動に関するリスク管理については、「
④指標及び目標
当社は、「サステナブル中期計画2023」において、マテリアリティへの到達目標を定めています。具体的な目標および進捗については、
(統合レポート2022_サステナブル経営の強化)
https://www.yamato-hd.co.jp/investors/library/annualreport/pdf/j_ir2022_3_03_07.pdf
なお、2023年3月期の進捗については、2024年3月期に公表する「
(2)経営戦略を支える人事戦略の推進
ヤマトグループは、経営資源を結集したヤマト運輸を中核とする「Oneヤマト体制」の下、お客様のサプライチェーンの「End to End」に対する提供価値の拡大による持続的な事業成長の実現に向けた取組みを進めています。そのために必要な人材像ならびに人材マネジメントに関する考え方を示した「ヤマトグループ 人材マネジメント方針」に基づき、経営戦略と連動した人事戦略を推進することで、経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値向上を実現していきます。
①戦略
ヤマトグループは、これまでの宅急便を中心とした事業構造を変革し、お客様のサプライチェーンの「End to End」に対する提供価値の拡大に向け、事業構造改革に取り組んでいます。この取組みを支える人材マネジメント体系を構築し、職務を基点とした人材マネジメント活動を展開するための基盤となる考え方を「ヤマトグループ 人材マネジメント方針」として明文化しました。この方針に基づく人事諸施策の推進を通じて、社員一人ひとりの活躍と貢献を最大限に引き出し、より高い付加価値を創出していきます。
(ヤマトグループ 人材マネジメント方針)
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ヤマトグループは、 未来への価値創出に挑戦し、豊かな社会の実現に貢献する企業であり続けるために成長します 公正な評価とフィードバックを通じて社員の貢献や成長を称え、社員一人ひとりが働きがいを実感できる職場風土を目指します 顧客起点の思考と当事者意識を持って誠実に行動し、たゆまぬ挑戦や努力を続ける社員に対して、仕事を通じた成長の機会を提供します |
ⅰ.付加価値創出に向けた最適な人材ポートフォリオの構築
経営戦略の柱の一つである「ネットワーク・オペレーション構造改革」で推進する営業所の集約・大型化およびターミナルの機能見直しと連動し、宅急便の事務および作業オペレーションを担う人材の再配置を推進していきます。また、従来、集荷・配達・営業など多機能を担っていた「セールスドライバー」の職務定義を細分化し、需要が集中する都市部においては、配達業務に特化する職務を新設するなど、お客様および働く社員のニーズに即した職務を定義し人材を適正に配置していくことにより、働きがいと生産性の向上につなげていきます。
また、成長領域で顧客価値を創出するために必要な人材の採用・育成を推進していきます。採用面では、人材要件と水準を明示し、将来のマネジメント候補人材と併せ、法人営業・コントラクトロジスティクスオペレーション、デジタルなど領域ごとの専門人材の採用を強化していきます。育成面では、社長後継者の人材要件を最上位とし、人材モデル別の標準キャリアパスを提示するとともに、事業経営に必要な知識・スキルを養成する専門教育を拡充し、各領域の中核人材を育成していきます。
具体的には、グローバルビジネスで活躍できる法人営業人材の育成に向けて、2022年3月期より、国内外の法人営業人材を対象に、求められるマインド、ナレッジ、スキルを身に付ける体系的な研修を実施しています。また、実際の営業活動におけるアクションの質と量をマネージャーが評価、支援する体制を作ることで、パフォーマンスの最大化を図っています。
2023年3月期には、顧客の産業、ビジネス、サプライチェーンの全体を深く理解し、顧客の経営課題に対する具体的なソリューション提案を行うためのナレッジ、スキルの向上を図るため、経営分析に関する研修や、より実践的な法人営業講座、ソリューション営業スキルアップ研修の実施、関連資格の取得や語学力の向上などに取り組みました。
また、2022年3月期より、階層ごとの研修カリキュラムからなるデジタル教育プログラムを開始しており、経営層を含む社員のデジタルリテラシーの底上げと、デジタル人材の育成に取り組んでいます。
このような経営戦略と連動する最適な人材ポートフォリオの構築に向けて、適所適材の考え方に基づく人的資本への投資が必要であり、「人的生産性」を主要な指標として設定するなど、投資と効果の実現を中長期でモニタリングするための体制を整備し、取組みを推進していきます。
ⅱ.多様な社員の働きやすさと働きがいの向上
持続的な成長を実現する基盤を構築するため、人権と多様性を尊重する企業風土の醸成と、社員が生き生きと活躍できる労働環境を整備する施策を推進しています。そして、仕事を通じた社員自身の成長実感ならびに、会社の成長・発展への貢献実感を高める施策を通じて、社員の働きやすさや働きがいの向上、さらにはエンゲージメントの向上につなげていきます。
ヤマトグループは「職場において外国籍社員が取り残されない環境整備」と、「多様な人材が活躍できる環境整備と女性活躍の支援」を優先課題に位置付けています。現在、ヤマトグループに在籍している約9,500名の外国籍社員の約9割が勤務するヤマト運輸のターミナルにおいて職場環境を調査した結果、言語に起因した、入社後の待遇や業務内容に関する説明・理解不足が、外国籍社員の不便や働きづらさにつながっていることが判明しました。この問題を解消するため、就業規則や業務内容の理解に資する多言語マニュアルを整備し、職場での活用を促進しています。また、女性管理職の登用に向けた施策として、「営業所長を目指す女性社員を対象とした育成プログラム」を推進しています。本プログラムにおいては、プログラム参加者の育成プランの作成や、「無意識の思い込みや偏見(アンコンシャス・バイアス)の払拭」をテーマとした研修を、参加者のみならずその上司とともに実施し、意欲ある女性社員の活躍を後押ししています。
②指標及び目標
(2027年3月期に向けた指標)
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指標 |
期間 |
伸率 |
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労働生産性の向上 |
人的生産性*1 |
2023年3月期→2027年3月期 |
+15%(目安) |
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2019年3月期→2023年3月期 |
+ 9%(実績) |
||
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2015年3月期→2019年3月期 |
0%(実績) |
*1 (連結営業収益-連結下払経費)÷連結人件費
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指標 |
過去最高値 |
2023年3月期 |
2027年3月期 |
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エンゲージメント の向上 |
社員 意識 調査*2 |
働きやすさ |
72% |
66% |
過去最高値*3を 上回る水準 |
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働きがい |
68% |
61% |
|||
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働き続けたい |
75% |
70% |
|||
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社員の成長実感 |
72% |
67% |
|||
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会社への貢献実感 |
74% |
68% |
|||
*2 対象範囲:国内連結会社および株式会社スワン
*3 対象期間:2017年3月期以降
(2024年3月期を最終年度とするサステナブル中期計画の指標及び目標)
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マテリアリティ |
指標及び2024年3月期目標 |
2022年3月期実績 |
2023年3月期実績 |
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労働 |
社員1人当たり営業収益向上 (対2021年3月期伸率) |
+7.9% |
+11.2% |
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社員1人当たり残業時間削減 2021年3月期比 20%削減*1 |
11.4%削減 |
7.0%削減 |
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有給休暇取得率 90%*2 |
90.5% |
98.1% |
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人権・ ダイバーシティ |
女性管理職(役職者)数 2021年3月期比2倍(672名)/ 女性管理職比率 10%*2 |
1.0倍(348名)/ 5.6% |
1.1倍(369名)/ 5.7% |
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障がい者雇用率 2.5%*2 |
2.6% |
2.9% |
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全社員(フルタイマー)の 人権教育受講率 100%*2 |
新任業務役職者に 人権教育実施 |
全ての対象社員に 人権教育実施 |
*1 対象範囲:国内連結会社
*2 対象範囲:国内連結会社および株式会社スワン
(3)気候変動への対応
ヤマトグループは、気候変動問題が社会と企業に与えるリスクと機会を洗い出し、影響を評価し、対応策を立案していくことが、事業の持続可能性に不可欠であると認識し、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言に基づいて、2022年3月期にヤマト運輸を対象としてシナリオ分析を行いました。気候変動問題の事業インパクトを明確化し、影響の大きな事項を中心に対応策に取り組むことで、事業の持続性を向上させるとともに、ステークホルダーとの対話を重ねることにより、企業価値向上につなげていきます。
①ガバナンス
ヤマトグループは、気候変動を含む環境課題に対し、環境委員会を意思決定機関とした環境マネジメント体制に基づき、審議・決議を実施しており、取締役会は執行状況を監督しています。
具体的には、代表取締役社長が環境委員会の委員長を務め、環境マネジメントの統括責任を担っています。そして、環境委員会で審議された気候変動を含む環境課題に関する基本方針などの重要事項については、上位にある経営会議や取締役会で審議・決議を実施します。
また、環境分野を担当する執行役員や各地域を統括する執行役員、グループ会社の社長は環境責任者として、必要な経営資源を整えるなど、環境マネジメントの確実な実施と維持、管理に責任を持ちます。
さらに、原則としてすべての部長や現場組織の責任者は「環境管理者」として、気候変動を含む環境に関するリスクと機会の管理に責任を持ちます。
②戦略
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STEP1 |
リスク重要度の評価 |
[重要度の評価基準]
1年間に発生する収益・費用における財務影響の評価基準を基に重要度を3段階(大・中・小)で設定しています。
大=100億円以上、中=10億円以上~100億円未満、小=10億円未満
[発現時期]
短期(~2023年)、中期(2024年~2030年)、長期(2031年~)
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STEP2 |
シナリオ群の定義 |
2022年3月期に実施したシナリオ分析では、ヤマト運輸を対象とし、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)や国際エネルギー機関(IEA)の情報*1などをもとに下記2つのシナリオを想定しました。
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(ⅰ)1.5℃シナリオ*2 |
:規制強化や燃料・電力の価格上昇に加えて炭素排出低減に対応するコストが必要になる一方で、サステナブルが製品の競争力につながる社会 |
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(ⅱ)4℃シナリオ |
:従来型の経営が継続されるが、各所での自然災害等に対応するためのコストが必要となる社会 |
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*1 |
IPCC…RCP8.5 |
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IEA …Net Zero Emissions by 2050 Scenario、Sustainable Development Scenario、Stated Policies Scenarioなど |
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*2 |
1.5℃でシナリオがない項目は2℃シナリオを参照 |
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STEP3 |
事業インパクト評価 |
2022年3月期は、抽出したリスクの中でも炭素税導入や異常気象・災害が収益・費用について大きな影響を与える可能性があることを認識し、以下の分析・事業インパクト評価を実施しました。
●評価を実施した項目
(ⅰ)炭素税導入による財務影響
(ⅱ)異常気象・災害による収益の減少や施設・設備の修理費用増加の財務影響
●詳細
(ⅰ)炭素税導入による財務影響評価
炭素税が本格導入された際の精算に関わる2030年、2050年の事業インパクトを算出しました。2030年は炭素税価格を130ドル/t、2050年は250ドル/tと想定し費用増加影響を試算した結果、2030年には133億円、2050年には256億円と算出しました。
(ⅱ)異常気象・災害による収益の減少や施設・設備の修理費用増加の財務影響評価
台風の激甚化や線状降水帯による豪雨など異常気象による収益の減少や施設・設備の修理費用*3について事業インパクトを試算した結果、2030年には19億円、2050年には38億円と算出しました。
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*3 |
過去に発生した災害を参考に試算 |
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STEP4 |
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対応策の方向性
(ⅰ)炭素税導入
ヤマトグループは、温室効果ガス(GHG)排出量削減に向け2050年自社排出実質ゼロの高い目標を掲げて取り組んでいます。
a.2030年の目標値を2021年3月期比48%削減と掲げ、実現に向けて主な施策として2030年までに低炭素車両(主にEV)20,000台の導入や太陽光発電設備810基の設置などを計画しています。これにより、取り組まなかった場合と比較して、2030年には61億円の削減効果があると試算しています。
b.2050年に向けて、カートリッジ式EVを含む低炭素車両の導入やさらなる太陽光発電設備の設置により再生可能エネルギー由来電力の使用率を高めるなど、他の施策も強化することで自社排出実質ゼロを達成した場合、炭素税の財務影響は解消すると想定しております。
c.低炭素化に向けた設備投資が積極的に行われることを目指し、インターナルカーボンプライシングの導入を検討しています。
(ⅱ)異常気象・災害による収益の減少や施設・設備の修理費用の増加
ヤマトグループでは、ハザードマップを活用した出店やBCPマニュアルの定期的な更新に加え、社内やパートナーへの気候変動に適応する情報の発信を検討しております。今後、レジリエンスを高める再生可能エネルギーやカートリッジ式EVの利用モデルの実証を行っていきます。
さらに発生場所や発生規模の想定を高めるなど、前提条件を加えながら事業インパクトを再評価することで、対応策の検討を継続します。
③リスク管理
ヤマトグループ全体の気候変動に関わる対応の推進統括のための専任部署を当社に設けています。また、各グループ会社にも環境責任者(代表取締役社長)や環境推進代表(推進担当者)を配置し、グループを挙げて気候変動への対応を推進しています。
代表取締役社長を委員長、ヤマト運輸執行役員地域統括および主要グループ会社社長を主要構成員とする、ヤマトグループ環境委員会を毎年1回開催し、気候変動を含む環境に関する課題やリスクについての審議・決議を実施しています。また、重要事項については適宜、経営会議や取締役会で審議・決議を実施しています。
④指標及び目標
(ⅰ)戦略・リスク管理プロセスに則して気候関連リスク・機会評価に用いる指標
ヤマトグループでは気候変動への対応を管理する指標として、移行リスクに関しては、[IEA]World Energy Outlookにて公表される「炭素税価格」などのエネルギー関連指標を参照しています。また、物理的リスクに関しては、国土交通省や文部科学省、気象庁が公表している気候変動を踏まえた資料などから、洪水の発生頻度などを参考とし傾向の変化を把握しています。
(ⅱ)温室効果ガス(GHG)排出量
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(単位:tCO2e) |
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2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
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Scope1 |
668,367 |
661,193 |
668,554 |
673,213 |
|
Scope2 |
268,228 |
255,694 |
252,307 |
229,042 |
|
Scope1 & 2合計(自社排出) |
936,594 |
916,887 |
920,861 |
902,254 |
|
Scope3 |
1,381,380 |
1,716,512 |
1,750,716 |
2,297,206 |
|
Scope1 & 2 & 3合計 |
2,317,975 |
2,633,398 |
2,671,577 |
3,199,460 |
・Scope1とScope2の範囲:国内連結会社および株式会社スワン
・Scope3の範囲:カテゴリー1,2,3,4,5,6,7,11,12
(ⅲ)気候関連リスク・機会の管理に用いる目標及び実績
[GHG排出削減量目標*]
短期:2023年までに2021年3月期比10%削減
中期:2030年までに2021年3月期比48%削減
長期:2050年までに排出実質ゼロ
*自社排出(Scope1とScope2)
[GHG排出量実績*]
2022年3月期 902,254tCO2e(2021年3月期比2%削減)
*自社排出(Scope1とScope2)
[再生可能エネルギー由来電力使用率目標]
短期:2023年までに全体の40%使用*
中期:2030年までに全体の70%使用
*GHG排出削減量の短期目標達成に向けて、環境中期計画策定時の目標(全体の30%使用)から引き上げました
[再生可能エネルギー由来電力使用率実績]
2022年3月期 11%使用
なお、2023年3月期の実績については、2024年3月期に公表する「統合レポート2023」にて掲載を予定しております。
上記目標の達成に向けた施策を実施することと並行して、SBT1.5℃認証の取得も検討しています。
なお、「2[サステナビリティに関する考え方及び取組]」について、当社および連結子会社の状況と非連結子会社等を含むヤマトグループの状況に大きな差異はないものと判断し、開示しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、ヤマトグループの経営成績等に重要な影響を与えると認識している主要なリスクについて、経営への影響と顕在化する可能性の観点から重要なものを、事業環境及びそれに対応した戦略に係るリスクと、事業運営に係るリスクに分類して、以下のように取り纏めております。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在においてヤマトグループが判断したものであります。
(1) 事業環境及びそれに対応した戦略に係るリスク
①市場・競争環境の変化によるリスク
国際情勢の不安定化に伴うエネルギー価格の高止まりや原材料価格の高騰などの世界的なインフレに対し、米欧主要中央銀行の継続的な金融引き締めなどにより、世界経済の減速傾向が強まっています。また、EC化の進展に伴い、物流事業者との競争の激化のみならず、自社物流化を進めるECプラットフォーマーとの戦略的な関係性がより重要となることに加え、デジタルで商慣習を変える可能性があるスタートアップ企業を意識する必要があるなど、ヤマトグループを取り巻く競争環境も変化しています。かかる中、変化、多様化する生活者のニーズや、既存の流通構造を再構築する法人顧客の物流ニーズに対応できない場合、営業収益の減少や成長機会の逸失によりヤマトグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、持続可能な社会の発展に向けた企業活動に取り組まない場合、お客様の支持が低下することや地域社会との関係が悪化すること、優秀な人材確保が困難になること、資金調達コストが上昇することなどにより、中長期的に、ヤマトグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、ヤマトグループは、お客様や社会の多様化するニーズに対し、サプライチェーンの「End to End」に対する提供価値の拡大による持続的な成長の実現に取り組んでいます。
法人ビジネス領域の拡大においては、拡大するEC需要や法人のお客様のサプライチェーンの変化に対応し、在庫の適正化と納品・配送のリードタイム短縮を両立させて物流コストの最適化を支援するなど、お客様のサプライチェーン全体に対する価値提供に取り組んでいます。
また、ネットワーク・オペレーションの構造改革においては、拡大するEC需要に対し、都市部を中心としたEC物流ネットワークの構築を進めるとともに、小規模・多店舗展開してきた宅急便営業所の集約・大型化やターミナル機能の再定義、ITシステムを活用した作業オペレーションの効率化を推進するなど、物流ネットワーク全体の生産性向上およびオペレーティングコストの適正化に取り組んでいます。
そして、これらの事業構造改革を支えるデジタル戦略、人事戦略、環境戦略を推進するとともに、持続的な企業価値向上への取組みの基盤となるサステナブル経営の強化およびコーポレート・ガバナンスの強化に努めています。
②労働人口の減少によるリスク
ヤマトグループの展開する事業は労働集約型の事業が多く、労働力としての質の高い人材の確保、適正な要員配置が必要不可欠です。国内の労働人口の減少により労働需給がさらに逼迫し、輸配送パートナーを含め人材を十分に確保できない場合や、人材獲得競争の激化によりコストが大幅に増加した場合、ヤマトグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、ヤマトグループは、人材の獲得・定着に資する魅力ある人事・評価制度により、社員が働きがいを持ちイキイキと活躍する環境を構築していくとともに、知識やノウハウを有する定年到達者の再雇用を推進しています。また、人権や多様性が尊重され、より安心して働くことができる職場環境の整備や、安全面や品質面も含めた輸配送パートナーとの連携強化に取り組んでいます。さらに、データ分析に基づく経営資源の最適配置や、幹線を含む輸送工程の最適化と標準化、拠点の集約・大型化による拠点間輸送の削減、作業のオペレーション改革や自動化・デジタル化を通じたネットワーク全体の生産性向上に取り組むとともに、管理・間接業務を標準化、電子化、集約化する業務プロセス改革(BPR)を推進しています。
③テクノロジーの進化に係るリスク
ヤマトグループが事業を展開する物流業界において、AI・IoT・ビッグデータ等の活用によるリソースの最適化や、ロボティクスの活用による倉庫業務の自動化、ドローン・自動運転の活用による幹線輸送やラストワンマイルの変革等、テクノロジーの進化に伴う様々な変化が生じています。短中期的に見込まれる新たなビジネスモデルの出現に対してヤマトグループが適切に対応できない場合や、技術トレンドの誤った理解および先端テクノロジーの導入手法に不備が発生した場合、期待通りの投資効果を得られず、ヤマトグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、ヤマトグループは、社内外のデジタル専門人材を結集して先端テクノロジーの導入を進めるとともに、デジタル分野への直接投資やCVCファンドを通じて、ヤマトグループの脅威となりうるテクノロジーや事業モデルの早期察知、およびオープンイノベーションによる新たな成長モデルの創出に取り組んでいます。
④情報セキュリティに係るリスク
ヤマトグループは、営業上の機密情報に加え、物流業務や情報処理の受託等を通じて多くの個人情報・顧客情報を保有しています。サイバー攻撃や管理の不徹底等により情報が外部に漏洩した場合やデータ喪失が発生した場合、社会的信用の低下や損害賠償請求の発生、さらには推進しているデジタル戦略に疑念が生じることなどにより、ヤマトグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、サイバー攻撃等によりシステムがダウンし、全国で宅急便の荷受けを停止した場合、収益機会の逸失等によりヤマトグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、ヤマトグループは、サイバー攻撃の高度化・巧妙化を想定した上で、組織的・人的な対策と多層防御による技術的対策に取り組んでおります。セキュリティ対策としては、ネットワークへの不正アクセスや施設への不正侵入に対する監視を24時間365日実施しています。また、広域災害によるシステム停止への対策として、重要なシステムのデータセンターを分散し、相互にバックアップする運用を行っています。加えて、システム故障への対策として、ハードウェアの経年劣化や製品の潜在的なバグに対応するため、メーカーとの保守契約を結び、常に不具合情報の連携を図っています。
⑤地域の過疎化によるリスク
ヤマトグループの主な市場である日本国内は、総人口が減少するとともに、地域生活、地域経済において様々な課題が発生しています。過疎化や高齢化が進む地域では、配送効率の低下や集配を担う人材不足が顕在化しており、今後、地域経済が縮小することにより地域社会インフラの衰退などの問題が深刻化する場合や、そのような地域における収益性が低下することで、中長期的な観点で全国をきめ細かくカバーする物流ネットワークの維持が困難になる場合、ヤマトグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、ヤマトグループは、物流ネットワーク全体の生産性を向上させるため、都市部を中心とした拠点の集約・大型化、職務定義の細分化・専門化による社員の働き方の刷新および、それに連動した人材の適正配置など、既存ネットワークの強靭化に取り組んでいます。そして、地域統括が主体となり、自治体を含めた地域のステークホルダーと連携の上、地域のインフラとしてのサプライチェーンを再構築し、地域社会の持続可能性に貢献する取組みを推進していきます。
⑥気候変動に係るリスク
ヤマトグループは、事業を行うにあたり多数の車両を使用しております。気候変動をはじめとした地球規模の環境問題がさらに深刻化し、温室効果ガス(GHG)の排出規制や削減義務の強化、炭素税の引き上げ等がされる場合、低炭素車両の導入や設備改修などの費用が増加し、ヤマトグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、生活者の環境に配慮した消費意識や、顧客企業のサプライチェーン全体での温室効果ガス(GHG)排出量削減に向けた要請が高まる中、期待される低炭素輸送に対応できない場合、お客様の支持が低下することなどにより営業収益が減少し、ヤマトグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。加えて、低炭素社会への移行が進まない場合、長期的な影響として、自然災害の激甚化や頻度上昇による社員や施設の被災、道路寸断、電力・燃料供給停止などにより頻繁に事業活動が停止し、ヤマトグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、ヤマトグループは、長期目標である「2050年までの温室効果ガス(GHG)排出実質ゼロ(自社排出)」の実現に向け、中期目標として「2030年温室効果ガス(GHG)排出量48%削減(2021年3月期比)」を設定し、「EV20,000台」「太陽光発電設備810基の導入」「再生可能エネルギー由来電力の使用率向上」などの施策を推進しています。また、自然災害による様々な緊急事態を想定し危機管理体制の強化を図るなど、グループ全体でレジリエンスの向上に取り組んでいます。具体的には、BCPに基づく訓練や施設の水害リスク評価、拠点の再配置、発災後の対応や予期せぬ災害に備えた集配停止・保全作業等に係るマニュアルの継続的な見直しなどを進めています。
⑦M&A及び資本業務提携に係るリスク
ヤマトグループは、持続的成長に向けて、クロスボーダー物流の拡大に対応するため、海外物流事業者等との資本業務提携等を実施してきました。しかしながら、事業環境や競争状況の変化により期待する成果が得られない場合や、予期せぬ事業上の問題が発生する場合、経営成績等に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、ヤマトグループは、出資案件について、フィージビリティスタディの結果等を踏まえ目指すべきビジネスモデルを十分に検討した上で判断するとともに、出資後は、事業性判定ルールに照らし合わせ、 定期的なモニタリングを継続実施しています。
(2) 事業運営に係るリスク
①コンプライアンスに係るリスク
ヤマトグループは、コンプライアンスを最優先とした経営を推進しています。しかしながら、商品・サービスや労働・安全、サプライチェーン全体におけるコンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、各種法令に抵触する事態が発生した場合、ヤマトグループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した事象に対する追加的な費用の発生等により、ヤマトグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、ヤマトグループは、グループ経営の健全性を高めるため、商品管理規程に基づく商品管理プロセスの適切な運用や、社員への理念教育の実施、社内通報制度及び協力会社・パートナーに対するアンケートを通じた不適正事案の早期発見と適切な対応など、グループガバナンスの強化に取り組んでいます。
②大規模自然災害に係るリスク
ヤマトグループは、車両による荷物の輸送が主要な業務であり、社員の安全と健康、車両や施設の保全と燃料、電気の安定供給等を前提に事業を運営しております。予期せぬ大規模自然災害が発生した場合、社員の被災等による人材の不足、車両・情報機器・施設等の損壊・水没、停電・断水や燃料・備品の供給不足等による事業停止、および車両、施設等の修理・買替費用等の発生、ならびに顧客の被災による出荷量の減少が発災直後から中長期に渡り生じることなどにより、ヤマトグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、ヤマトグループは、社会的インフラを担う企業グループとして、不測の事態においても安定したサービス提供が継続できるよう、事業継続計画(BCP)を策定しています。また、2011年に発生した東日本大震災等の経験を踏まえ、様々な緊急事態を想定し、グループ全体で危機管理体制の強化を図っています。そして、BCP訓練や施設の水害リスク評価、拠点の再配置等を行うとともに、発災後の対応や予期せぬ災害に備えた集配停止・保全作業等に係るマニュアルの継続的な見直しなどに取り組んでいます。緊急事態の発生時には、「人命を最優先する」「グループ各社の事業の早期復旧を目指す」「社会的インフラとして地域社会からの期待に応える」を柱とするBCP基本方針のもと、基準にもとづき当社内に対策本部を立ち上げ、グループ各社と連携して対応するとともに、被災した地域や顧客の課題に対する価値提供に取り組んでまいります。
③重大交通事故・労働災害に係るリスク
ヤマトグループは、公道を使用して車両により営業活動を行っており、重大交通事故を発生させてしまった場合は、社会的信用が低下するとともに、行政処分による車両の使用停止や、「違反点数制度」による事業所の営業停止、事業許可の取り消し等が行われ、事業の中断や中止の可能性があります。また、社員等の労働安全を損なう重大な労働災害を発生させてしまった場合も、ヤマトグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、ヤマトグループは、人命の尊重を最優先に、運輸安全マネジメントの推進や安全確保のためのルールの策定・遵守と設備・システムの整備、社員への安全教育および安全意識の浸透、監査部による運行・整備管理の法令遵守状況の定期的な確認、労働安全の確保などに取り組んでいます。
④労務関連法制に係るリスク
ヤマトグループの展開する事業は労働集約型の事業が多く、労働力としての質の高い人材の確保、適正な要員配置が必要不可欠です。労働や社会保険等に係る法令や制度等が改正された場合、対応するための費用の大幅な増加などにより、ヤマトグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、2024年4月から自動車運転業務に時間外労働の上限規制が適用開始されることに伴い、運送業界における長距離輸送のキャパシティが減少し、輸送パートナーへの委託コストが上昇することなどにより、ヤマトグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、ヤマトグループは、法制度に適切に対応した労働環境や人事制度の整備を推進するとともに、輸配送パートナーとの関係強化、デジタルトランスフォーメーションの推進などによる生産性の向上に取り組んでいます。また、長距離輸送の効率化に資するスーパーフルトレーラSF25をはじめとしたトレーラの活用拡大、モーダルシフトの推進、データ分析に基づく輸送の効率化などを推進するとともに、持続的な物流ネットワークの構築に向けて、これまで長距離輸送を担ってきたトラック、鉄道、フェリー、旅客機床下貨物スペースに加え、2024年4月から新たな輸送手段として貨物専用機(フレイター)の運航を開始します。
⑤国際情勢等の影響によるリスク
ヤマトグループが営業活動を行っている地域や、主要な取引先が営業活動を行っている地域がテロ・戦争等の国際紛争や貿易摩擦の影響を被った場合、サプライチェーンの寸断等による物流の停滞や社員の避難等により、ヤマトグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、ヤマトグループは、車両による荷物の輸送を主要な事業としており、軽油等燃料が常時安定的かつ適正に供給されることは事業を行う上で不可欠であります。国際情勢等の影響により供給に制約が発生した場合や、燃料価格が高騰した場合、ヤマトグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、ヤマトグループは、海外も含めて「Oneヤマト」で法人顧客に向き合うアカウントマネジメント体制を整備し、グローバルに拡がる顧客のサプライチェーンに対して、陸海空の多様な輸送手段を組み合わせて提供価値の拡大に向けた取組みを推進しています。また、データ分析に基づく輸配送の効率化、モーダルシフト、より燃費効率の良い車両の導入、台車集配の推進等、使用燃料を抑制する施策を推進するとともに、燃料価格等の高騰を踏まえた、顧客へのプライシングの適正化に取り組んでいます。
⑥感染症に係るリスク
ヤマトグループの展開する事業は労働集約型の事業が多く、社員の安全と健康を前提に事業を運営しております。予期せぬ感染症の流行等が発生した場合、社員の罹患等による人材の不足や、衛生用品の供与等に係る費用の発生、さらには事業継続が困難になることなどによりヤマトグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、ヤマトグループは、予期せぬ感染症の大規模な流行が発生した場合には、対策連絡室を構え、社内の感染状況や行政施策を踏まえた対策を立案・推進していきます。そして、お客様に安心して宅急便をご利用いただくため、社員の衛生管理に最大限留意するとともに、非対面での荷物のお届けへの対応や接客時の感染防止対策の実施、ホームページなどを活用した情報発信などに取り組み、お客様、社員の安全を最優先に、宅急便をはじめとする物流サービスの継続に努めていきます。
⑦金融市場の影響によるリスク
ヤマトグループは、事業継続および事業成長に対する投資計画に照らし、必要資金についてはグループ資金を活用するとともに、金融機関からの借入および社債発行により対応しております。今後の国内外の経済情勢により、金融市場が機能不全となった場合や、金融機関の貸出先選別により、資金調達が困難になる可能性や、金利上昇により支払利息が増大する可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、キャッシュ創出状況、保有現預金や自己資本比率水準等の財務の健全性を維持・強化するとともに、資金調達先および時期の適度な分散を図ってまいります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるヤマトグループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在においてヤマトグループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
ⅰ.財政状態
総資産は1兆1,075億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ207億32百万円増加しました。
負債は4,911億56百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億35百万円増加しました。
純資産は6,164億30百万円となり、前連結会計年度末に比べ181億96百万円増加しました。
ⅱ.経営成績
当連結会計年度における経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響は弱まり、経済活動の正常化に向けた動きが進んでいるものの、国際情勢の不安定化に伴うエネルギー価格の高止まりや原材料価格の高騰などの世界的なインフレに対し、米欧主要中央銀行の継続的な金融引き締めなどにより、世界経済の減速傾向が強まっています。さらに国内においても物価上昇に伴い、個人消費が停滞しているなど、依然として本格的な景気回復が見通しづらい状況にあります。
また、新型コロナウイルス感染症を契機としたテレワークの定着、診療や教育分野におけるサービスのオンライン化など、消費行動や生活様式が変化し、産業のEC化が進展しています。
このような状況下、ヤマトグループは経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、グループ各社の経営資源を結集したグループ経営体制の下、2024年3月期を最終年度とする中期経営計画「Oneヤマト2023」に基づき、生活様式の変化と流通構造の変化に対応するサプライチェーンの変革に向けて、お客様や社会のニーズに対し総合的な価値提供に取り組みました。
当連結会計年度の連結業績は、以下のとおりとなりました。
|
区分 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
伸率(%) |
|
|
営業収益 |
(百万円) |
1,793,618 |
1,800,668 |
7,050 |
0.4 |
|
営業利益 |
(百万円) |
77,199 |
60,085 |
△17,114 |
△22.2 |
|
経常利益 |
(百万円) |
84,330 |
58,066 |
△26,264 |
△31.1 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
(百万円) |
55,956 |
45,898 |
△10,057 |
△18.0 |
当連結会計年度の営業収益は1兆8,006億68百万円となり、前連結会計年度に比べ70億50百万円の増収となりました。これは、成長が続くEC領域への対応により荷物の取扱数量が増加したことや、お客様の物流最適化に注力したことなどによるものです。
営業費用は1兆7,405億83百万円となり、前連結会計年度に比べ241億64百万円増加しました。これは、時給単価や燃料単価、電気代などの上昇に加え、拡大するEC需要に対応するために構築しているEC物流ネットワークと既存ネットワークにおける輸配送オペレーションの適正化を進める途上にあることなど、中期経営計画「Oneヤマト2023」の推進に伴う費用が増加したことによるものです。
この結果、当連結会計年度の営業利益は600億85百万円となり、前連結会計年度に比べ171億14百万円の減益となりました。
<ヤマトグループ全体としての取組み>
ヤマトグループは、引き続き、社員の衛生管理に留意しながら、宅急便をはじめとする物流サービスの安定提供に取り組みました。そして、中期経営計画「Oneヤマト2023」に基づき、お客様や社会の多様化するニーズに対し総合的な価値提供を拡大させるため、以下の取組みを進めています。
イ.法人顧客への価値提供の拡大
拡大するEC需要や法人のお客様のサプライチェーンの変化に対応し、セールスドライバーと法人営業担当者が連携してお客様の課題解決に取り組むとともに、拠点と輸配送ネットワークを最大活用し、在庫の適正化と納品・配送のリードタイム短縮を両立させて物流コストの最適化を支援するなど、引き続き、お客様のサプライチェーン全体に対する価値提供に取り組みました。
ロ.ネットワーク・オペレーションの構造改革
拡大するEC需要に対し、都市部を中心に、仕分け・輸送からラストマイルまでのオペレーションプロセスを簡素化したEC物流ネットワークの構築を進めています。その上で、業務量の繁閑に応じて、より柔軟に対応するため、小規模・多店舗展開してきた宅急便営業所の集約・大型化やターミナル機能の再定義、ITシステムを活用した作業オペレーションの効率化を進めるとともに、安全・品質・働きやすさの向上などの取組みを推進するなど、引き続き、物流ネットワーク全体の生産性向上および、オペレーティングコストの適正化に取り組みました。
ハ.持続的な企業価値向上を実現する戦略の推進
持続的な企業価値向上を実現すべく、中期経営計画「Oneヤマト2023」では、データ戦略とイノベーション戦略の推進、経営体制の刷新とガバナンスの強化、人事戦略、資本効率の向上、およびサステナブル経営の強化に取り組んでいます。
デジタル戦略については、データ活用のさらなる高度化に向けて、引き続きデジタルデータの整備とデジタル基盤の強化を図るとともに、デジタルデータを活用したサービスおよび、オペレーションの改善を進めています。
イノベーション戦略については、スタートアップの発掘と連携、投資を通じた新規事業の共創など、オープンイノベーションに向けた取組みを進めています。
人事戦略については、社員が自らの成長に自律的に取り組み、多様な人材が活躍できる複線型人材マネジメント体系の構築を進めるなど、社員が創出する価値を最大化するための環境整備に取り組んでいます。
ガバナンスの強化については、経営の監督と執行の分離、経営の透明性の維持、強化など、コーポレート・ガバナンスの高度化に継続して取り組むとともに、意思決定のスピードを重視したガバナンスの強化を進めています。
サステナブル経営の強化については、持続的な成長と持続可能な社会の発展を両立するため「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」という2つのビジョンのもと、人や資源、情報を高度につなぎ、輸送をより効率化させるなど、環境と社会に配慮した経営を推進しています。特に環境については、「2050年温室効果ガス(GHG)排出実質ゼロ(自社排出)」および「2030年温室効果ガス(GHG)排出量48%削減(2020年度比)」の実現に向け、「EV20,000台の導入」「太陽光発電設備810基の導入」「再生可能エネルギー由来電力の使用率向上」などの施策を推進しています。また、2022年9月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明するとともに、同提言に基づき、事業活動に影響を及ぼす気候変動のリスクと機会に関する情報を、当社コーポレートサイトに開示しました。今後も気候変動や社会課題への対応など、サステナビリティの取組みを加速させ、持続可能な企業成長を推進していきます。
<セグメント別の概況>
○リテール部門
イ.リテール部門は、宅急便をはじめとする高品質な小口輸送サービスを提供しています。そして、グループ全体のビジネスの起点として、生活様式やビジネス環境に伴うお客様の変化を第一線の社員が汲み取り、法人営業担当者と連携してグループの経営資源を活用したソリューション提案を行うなど、宅急便のサービス提供によって生み出されるお客様との接点という利点を活かし、お客様のニーズに応える価値提供に取り組んでいます。また、5,000万人以上にご登録いただいている「クロネコメンバーズ」、法人のお客様150万社以上にご利用いただいている「ヤマトビジネスメンバーズ」を中心に「送る」「受け取る」をより便利にするサービスの提供や、輸送以外の生活・ビジネスに役立つ様々なサービスの拡充に取り組んでいます。
ロ.当連結会計年度は、さらなる顧客体験の向上に向け、スマートフォンを使って法人のお客様における宅急便の発送手続きを効率化するサービスを開始するとともに、キャッシュレス化の促進に向けて、スマートフォンに対応した新たな決済サービス「にゃんPay」を開始しました。また、宅急便のweb集荷依頼サービスにおける機能の拡充や、フリマ事業者様、マンションの宅配ロッカーサービス事業者様と連携し、マンションの宅配ロッカーから非対面で商品を発送できる機能を拡充するなど、お客様の利便性向上に取り組みました。
ハ.外部顧客への営業収益は、多様化するニーズに応じた最適な荷物の発送やお届けに取り組んだ結果8,945億74百万円となり、前連結会計年度に比べ0.1%増加しました。営業費用は、中期経営計画「Oneヤマト2023」の推進に伴う費用が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ5.1%増加し、営業利益は前連結会計年度に比べ121億65百万円減少しました。
○法人部門
イ.法人部門は、ビジネスの中・上流領域を含む企業物流のサプライチェーン全体への価値提供を推進するため、物流オペレーションの改善や効率化に留まらず、お客様の経営判断に資するサプライチェーンマネジメント(SCM)戦略の企画立案、より実効性のあるプロジェクトの構築や管理運営まで担うアカウント営業の強化に取り組んでいます。
ロ.成長が続くEC需要が集中する都市部において、仕分け・輸送からラストマイルまでのオペレーションプロセスを簡素化したEC物流ネットワークの構築を推進しています。また、大手EC事業者様との連携のもと、オンラインショッピングモールに出店するEC事業者様の物流最適化に向けて、受注から出荷・配送までの全部または一部の機能を代行するサービスの拡販とさらなる利便性の向上に取り組んでいます。さらに、需要が拡大する越境ECにおいては、輸入通関に関わるシステムと国内配送ネットワークを円滑に連携し、お届けまでのリードタイム短縮を実現する取組みを推進しています。
ハ.また、実店舗とECのオムニチャネルでの販売体制の構築を進める小売業の事業者様に対し、集約・大型化した拠点と輸配送ネットワークを組み合わせ、お客様のオムニチャネルでの販売在庫を流動化し、在庫と物流を一元管理して最適化する取組みを推進しています。さらに、店舗向け商品ならびに公式通販サイト向け商品の調達から保管、梱包、配送までのすべての物流業務をヤマトグループが一括管理するなど、総合的な価値提供に資する提案営業に注力しています。
ニ.当連結会計年度においては、総合食品メーカー様と原材料調達から販売に至るサプライチェーン全体の最適化に向けた「共創ロジスティクスパートナーシップ協定」を締結するとともに、タイヤメーカー様の物流・在庫の最適化による総ロジスティクスコストの削減、タイヤメーカー様のお客様に対する価値向上、GHG排出量の可視化・削減による環境負荷が少ない物流の実現などを目指す「リードロジスティクスパートナー契約」を締結しました。また、ヤマト運輸株式会社の仕分けターミナルと保冷機能が一体となった拠点を活用した、食品販売事業者様のD2C(Direct to Consumer/消費者直接取引)流通スキームを構築するとともに、ファッション企業様とサステナブルなサプライチェーン実現に向けた「ロジスティクスパートナーシップ協定」や、外食産業の事業環境の変化に対応した持続可能なサプライチェーン構築に向けた「リードロジスティクスパートナー協定」を締結するなど、引き続き、ヤマトグループの経営資源を最大限に活用し、サプライチェーンの「End to End」に対する提供価値の拡大に取り組んでいます。
ホ.外部顧客への営業収益は、EC需要拡大への対応や法人顧客の物流最適化に向けた取組みを推進したことなどにより8,460億53百万円となり、前連結会計年度に比べ4.2%増加しました。営業費用は、中期経営計画「Oneヤマト2023」の推進に伴う費用が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ3.4%増加し、営業利益は前連結会計年度に比べ40億40百万円減少しました。
(参考)
|
区分 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
伸率(%) |
|
|
宅急便・宅急便コンパクト・EAZY |
(百万個) |
1,890 |
1,926 |
35 |
1.9 |
|
ネコポス |
(百万個) |
384 |
413 |
28 |
7.4 |
|
クロネコDM便 |
(百万冊) |
824 |
800 |
△23 |
△2.9 |
○その他
イ.当連結会計年度においては、引き続き、複数の企業グループのネットワークを用いたボックス輸送や車両整備サービスの拡販に取り組みました。
ロ.外部顧客への営業収益は600億40百万円となり、前連結会計年度に比べ31.8%減少しました。また、営業利益は139億円となり、前連結会計年度に比べ26億58百万円減少しました。
<ESGの取組み>
イ.ヤマトグループは、人命の尊重を最優先とし、安全に対する様々な取組みを実施しており、輸送を主な事業とするグループ各社を中心に、安全管理規程の策定および管理体制の構築、年度計画の策定など、運輸安全マネジメントに取り組んでいます。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて開催を見送っていた「こども交通安全教室」を幼稚園・小学校などで再開しました。また、安全の意識向上を図るため、グループ全体で「交通事故ゼロ運動」「労働災害防止運動」を実施しました。
ロ.ヤマトグループは、企業価値の最大化を経営上の最重要課題の一つとして位置付け、コーポレート・ガバナンスの取組みの中で、経営体制の強化に向けた施策を実践しています。そして、グループ企業理念に基づき、法と社会的規範に則った事業活動を展開するとともに、コンプライアンス経営を推進しています。
ハ.ヤマトグループは、中長期の経営のグランドデザインである経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」で掲げた2つのビジョン「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」と「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」のもと、「サステナブル中期計画2023[環境・社会]」を策定し、サステナブル経営の強化に取り組んでいます。
ニ.このうち「環境」の分野では、事業活動の環境負荷を減らすため総量目標に加え、資材や車など、物流業界として革新的な技術の普及に貢献できる分野についても目標を定めるとともに、多様なパートナーと協働したグリーン物流や、環境負荷が少ない商品・サービスの提供を目標とし、環境価値の創出に取り組んでいます。また、カーボンニュートラルの実現に向けた取組みとして、2022年7月、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に採択された、当社単独提案事業「グリーンデリバリーの実現に向けたEVの導入・運用」と、共同提案事業「商用電動車普及に向けたエネルギーマネジメントシステムの構築・大規模実証」についても引き続き推進しています。
ホ.また、「社会」の分野では、人材の多様性を尊重し、社員が活躍できる職場環境を整備するとともに、社会の諸課題に向き合い、共創による地域づくりを推進するなど、豊かな社会の実現に取り組んでいます。引き続き、ヤマトグループ社員向けの「ユニバーサルマナー検定」により、障がい者のご自宅や宅急便営業所での荷物の受け取り・発送における適切なサポートなど、ユニバーサルマナー向上のための知識の習得と、顧客対応責任者を中心とした浸透活動を通じて、人権・多様性を尊重する社会の実現に貢献します。
ヘ.ヤマトグループは、より持続的な社会的価値の創造に向けて、社会と価値を共有するCSV(クリエーティング・シェアード・バリュー=共有価値の創造)という概念に基づいた取組みを推進しています。引き続き、地域社会の健全で持続的な発展と地域の皆様の安心・快適な生活をサポートする地域密着のコミュニティ拠点として「ネコサポステーション」を運営し、家事サポートサービスや、IoT電球「HelloLight」を活用した「クロネコ見守りサービスハローライト訪問プラン」を展開するなど、生活全般に関わる相談窓口の設置、地域の皆様が交流できるイベント開催などに取り組んでいます。また、2023年3月、地域社会の一員として地域社会との共生を図るスポーツビジネスを手掛ける事業者様と物流パートナーシップ契約を締結しました。今後、オフィシャルロジスティクスパートナーとして、ヤマトグループの物流ネットワークや経営資源を活かし、スポーツ施設内の景観やお客様の導線を配慮した最適な物流を構築することで、スポーツ施設と街が一体となった持続可能な地域社会の実現に貢献していきます。
ト.ヤマトグループは、社会とともに持続的に発展する企業を目指し、公益財団法人ヤマト福祉財団を中心に、障がい者が自主的に働く喜びを実感できる社会の実現に向けて様々な活動を行っています。具体的には、パン製造・販売を営むスワンベーカリーにおける積極的な雇用や、クロネコDM便の委託配達を通じた働く場の提供、就労に必要な技術や知識の訓練を行う就労支援施設の運営など、障がい者の経済的な自立支援を継続的に行っています。
② キャッシュ・フローの状況
○営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは899億53百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入が379億37百万円増加しました。これは主に、未払消費税等の増減額が270億53百万円増加したこと、法人税等の支払額が255億78百万円減少したことおよび税金等調整前当期純利益が568億15百万円となり、収入が242億24百万円減少したことによるものであります。
○投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは494億20百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が95億22百万円減少しました。これは主に、前連結会計年度において連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出が73億13百万円あったことおよびその他の支出が77億69百万円、有形固定資産の取得による支出が53億43百万円減少した一方で、投資有価証券の売却による収入が139億22百万円減少したことによるものであります。
○財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは386億17百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が158億38百万円減少しました。これは主に、前連結会計年度において長期借入金を140億円返済したことによるものであります。
以上により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,832億25百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億21百万円増加しました。
③ 生産、受注及び販売の実績
セグメントごとの営業収益は次のとおりであります。
なお、ヤマトグループは、貨物運送事業を中心とするサービスを主要な商品としているため、生産および受注の実績は記載を省略しております。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
比 較 増減率 (%) |
|||
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|
収入 |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
|
|
リテール部門 |
運送収入 |
1,144,359 |
63.8 |
1,191,264 |
66.2 |
4.1 |
|
物流支援収入 |
3,587 |
0.2 |
3,352 |
0.2 |
△6.6 |
|
|
その他 |
28,183 |
1.6 |
25,858 |
1.4 |
△8.3 |
|
|
内部売上消去 |
△282,733 |
△15.8 |
△325,901 |
△18.1 |
15.3 |
|
|
計 |
893,396 |
49.8 |
894,574 |
49.7 |
0.1 |
|
|
法人部門 |
運送収入 |
598,306 |
33.4 |
617,221 |
34.3 |
3.2 |
|
物流支援収入 |
249,637 |
13.9 |
259,525 |
14.4 |
4.0 |
|
|
その他 |
33,022 |
1.8 |
33,357 |
1.9 |
1.0 |
|
|
内部売上消去 |
△68,780 |
△3.8 |
△64,051 |
△3.6 |
△6.9 |
|
|
計 |
812,185 |
45.3 |
846,053 |
47.0 |
4.2 |
|
|
その他 |
運送収入 |
50,967 |
2.8 |
24,616 |
1.4 |
△51.7 |
|
その他 |
176,558 |
9.8 |
155,187 |
8.6 |
△12.1 |
|
|
内部売上消去 |
△139,490 |
△7.8 |
△119,763 |
△6.7 |
△14.1 |
|
|
計 |
88,035 |
4.9 |
60,040 |
3.3 |
△31.8 |
|
|
合 計 |
1,793,618 |
100.0 |
1,800,668 |
100.0 |
0.4 |
|
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるヤマトグループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在においてヤマトグループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ.財政状態
総資産は1兆1,075億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ207億32百万円増加しました。これは主に、リテール部門を中心に拠点の新設をしたことや車両運搬具を取得したことにより有形固定資産が131億38百万円、および繰延税金資産が100億93百万円増加したことによるものであります。
負債は4,911億56百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億35百万円増加しました。これは主に、リース債務が73億84百万円増加した一方で、短期借入金が50億円減少したことによるものであります。
純資産は6,164億30百万円となり、前連結会計年度末に比べ181億96百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益が458億98百万円となった一方で、剰余金の配当を167億83百万円実施したことに加え、自己株式を100億1百万円取得したことなどによるものであります。
以上により、自己資本比率は前連結会計年度の54.3%から55.1%となりました。
ⅱ.経営成績
当連結会計年度の営業収益は1兆8,006億68百万円となり、前連結会計年度に比べ70億50百万円の増収となりました。これは、成長が続くEC領域への対応により荷物の取扱数量が増加したことや、お客様の物流最適化に注力したことなどによるものです。
営業費用は1兆7,405億83百万円となり、前連結会計年度に比べ241億64百万円増加しました。これは、時給単価や燃料単価、電気代などの上昇に加え、拡大するEC需要に対応するために構築しているEC物流ネットワークと既存ネットワークにおける輸配送オペレーションの適正化を進める途上にあることなど、中期経営計画「Oneヤマト2023」の推進に伴う費用が増加したことによるものです。
この結果、当連結会計年度の営業利益は600億85百万円となり、前連結会計年度に比べ171億14百万円の減益となりました。
経常利益は、持分法による投資損失が39億15百万円増加したことに加え、前連結会計年度において投資事業組合運用益を45億10百万円計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ262億64百万円減益の580億66百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益が133億42百万円減少した一方で、前連結会計年度において退職給付制度改定費用を149億99百万円計上したことおよび当連結会計年度において海外連結子会社の清算が承認され繰延税金資産を計上したことなどに伴い法人税等調整額が62億98百万円減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ100億57百万円減益の458億98百万円となりました。
1株当たり当期純利益は126.64円となり、前連結会計年度に比べ24.39円減少しました。
○リテール部門
外部顧客への営業収益は、多様化するニーズに応じた最適な荷物の発送やお届けに取り組んだ結果8,945億74百万円となり、前連結会計年度に比べ0.1%増加しました。営業費用は、中期経営計画「Oneヤマト2023」の推進に伴う費用が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ5.1%増加し、営業利益は前連結会計年度に比べ121億65百万円減少しました。
○法人部門
外部顧客への営業収益は、EC需要拡大への対応や法人顧客の物流最適化に向けた取組みを推進したことなどにより8,460億53百万円となり、前連結会計年度に比べ4.2%増加しました。営業費用は、中期経営計画「Oneヤマト2023」の推進に伴う費用が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ3.4%増加し、営業利益は前連結会計年度に比べ40億40百万円減少しました。
○その他
外部顧客への営業収益は600億40百万円となり、前連結会計年度に比べ31.8%減少しました。また、営業利益は139億円となり、前連結会計年度に比べ26億58百万円減少しました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
ⅰ.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ⅱ.資本の財源及び資金の流動性
ヤマトグループは、ネットワーク構築、デジタル・イノベーション関連などの事業継続および事業成長に対する投資計画に照らし、キャッシュ創出状況、保有現預金や自己資本比率水準等の財務の健全性と効率性を意識しながら、必要資金についてはグループ資金を活用するとともに、金融機関からの借入および社債発行により対応しております。
なお、財務の健全性の観点から自己資本比率は50%前後を意識し、格付け水準(R&I格付投資情報センター/AA-)の維持に努めてまいります。株主還元については、親会社株主に帰属する当期純利益を基準とする配当性向30%、総還元性向50%を目安とし実施してまいります。
③ 目標とする指標の達成状況等
ヤマトグループは、サプライチェーン全体の変革を支援することで、個人、法人のお客様、そして社会全体に対する価値提供を目指す中期経営計画「Oneヤマト2023」の最終年度となる2024年3月期において、連結営業収益2兆円、連結営業利益1,200億円(連結営業利益率6.0%)、ROE10.0%の達成を目標としております。
当連結会計年度の営業収益は1兆8,006億68百万円となり、前連結会計年度に比べ70億50百万円の増収となりました。これは、成長が続くEC領域への対応により荷物の取扱数量が増加したことや、お客様の物流最適化に注力したことなどによるものです。
営業費用は1兆7,405億83百万円となり、前連結会計年度に比べ241億64百万円増加しました。これは、時給単価や燃料単価、電気代などの上昇に加え、拡大するEC需要に対応するために構築しているEC物流ネットワークと既存ネットワークにおける輸配送オペレーションの適正化を進める途上にあることなど、中期経営計画「Oneヤマト2023」の推進に伴う費用が増加したことによるものです。この結果、当連結会計年度の営業利益は600億85百万円となり、前連結会計年度に比べ171億14百万円の減益となりました。
中期経営計画の最終年度である2024年3月期の連結業績見通しについては、物価高や消費動向など外的環境の変化などを考慮し、連結営業収益1兆8,600億円、連結営業利益800億円(連結営業利益率4.3%)、ROE8.3%に見直しております。
なお、ヤマト運輸株式会社は、2023年4月3日より届出運賃等を改定しました。今後も外部環境の変化による影響を踏まえ、毎年、届出運賃等を見直しながら、物流パートナー等に対し適時適切に対応していくことなどにより、輸配送ネットワークの維持・強化と、お客様により良いサービスを提供し続ける環境を構築していきます。
また、引き続き、ネットワーク・オペレーションの構造改革および、法人ビジネス領域の拡大に取り組むことで、持続的な事業成長を実現していきます。
④ 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
ヤマトグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
ヤマトグループでは、物流サービスの高度化を実現するデジタルテクノロジーに関する研究開発などに取り組んでおります。当連結会計年度における研究開発活動の総額は