第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

<グループ企業理念>

 私たちは多くの人々に支えられて存在している社会の一員であることを自覚し、それらの人々との日々の出会いを通して“魅力ある価値”を創造します。

 そして、たゆみない質の向上と地球環境との共生をベースに、社会のニーズを先取りした“魅力ある商品・サービス”を創作し、多くの人々の豊かな“魅力ある社会”の実現に貢献します。

 

<グループ経営理念>

① 既成のビジネスモデルにとらわれず、新しい時代の新しい経済環境に即応し斬新で革新的な経営を考えることにより社員の叡智と創造力を高めもって自由闊達な社風作りと安定した成長を図るとともに社会との共存共栄を目指す。

② “住まいは人の心を創り人の生活を創る”ことを常に認識し、住まい本来の機能性や居住性の追求はもちろんのこと、地域社会や環境と調和し、時代や流行の変化を先取りする洗練された魅力的な商品を提供することにより、お客様のご要望に的確にお応えする経営を目指す。

③ 地域社会の生活を尊重したクリーンでフェアーな企業活動を通じて、“心豊かになるような住まい”を提供することにより、地域の住環境創りに寄与する経営を目指す。

④ 共に働く人々が、努力と研鑽を重ねることによって自分の能力を最大限に発揮することができ、生き生きと輝き夢のある楽しい人生を送れるような職場環境作りを目指す。

⑤ “お客様の満足度と社員の意欲が企業を支えるものである”ことを念頭に、利益の適切な還元を図ることによって社会との調和のある経営を目指す。

 

(2) 経営戦略等

 当社は、持続的成長と中長期的な企業価値向上をグループ経営における最重要課題と位置付けており、これらの実現に向けて、競争優位性の高い分野や継続的に高い成長が期待できる市場など、グループ経営資源を最大限に発揮できる新たな事業領域に挑戦し、引き続き事業ポートフォリオの拡大及び最適化を図ってまいります。

 新築不動産販売部門においては、収益不動産開発を主力とし、未来の一等地となるポテンシャルの高いエリアを中心に展開することで、住居系・商業系開発のブランド化を図っています。斬新で革新的な商品企画力を競争力の源泉とし、競合が少ないニッチな領域に特化することで、独自のポジションを確立しています。

 再生不動産販売部門においては、「都心一等地」「上質」をキーワードに厳選した仕入れ活動を行い、1億円以上の「プレミアム・リノベーション」シリーズ及び7,000万円以上1億円未満の「HiLaRe(ひらり)」を中心とした高価格帯に注力しています。富裕層のニーズに対応した企画・デザイン力により、価格競争に巻き込まれることのない競争優位性の高い高付加価値の商品を提供しています。

 不動産賃貸事業部門においては、事業規模を拡大していく上でフロービジネスだけでなく安定的な収益の確保が見込めるストックビジネスによる収益基盤の強化が不可欠であると考えており社会的ニーズが高いヘルスケア施設に経営資源を集中し積極的な投資を進めるとともに、既存オペレーターとのリレーション構築及び優秀な新規オペレーターの発掘に注力し、賃貸ポートフォリオの最適化により安定した収益の獲得を図ってまいります。

 新たな事業領域への挑戦としては、M&Aや他社との戦略的提携を活用し、再生可能エネルギー事業やDX事業などの成長分野への新規参入による新たな収益獲得の機会を目指し、中長期的な企業価値向上への取り組みを推進してまいります。

 これらにより、中期経営計画の数値目標達成を目指してまいります。

 

(3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標は、「売上高総利益率」「売上高経常利益率」「自己資本比率」「ROE(株主資本利益率)」であります。

 当該指標を採用した理由は、投資家が当社グループの経営方針・経営戦略等を理解する上で重要な指標であり、また、将来の成長投資の機会に機動的に対応できるよう多様な資金調達による強固な財務基盤を確保するために、財務健全性の向上を図っていくことが必要であるからであります。

 経営方針・経営戦略等の進捗状況や、実現可能性の評価等を行うことが可能となるため、2023年度においては「売上高総利益率」は20%以上、「売上高経常利益率」は10%以上、「自己資本比率」は20%以上、「ROE(株主資本利益率)」は20%以上を目標としております。

 

 これらの目標に対し、当連結会計年度の達成状況は次のとおりです。

経営指標

2022年度目標値

当連結会計年度

目標差異

2023年度目標値

売上高総利益率

18%以上

33%

+15%

20%以上

売上高経常利益率

7~8%以上

20%

+12%

10%以上

自己資本比率

20%以上

22%

+2%

20%以上

ROE(株主資本利益率)

20%以上

36%

+16%

20%以上

 

(4) 経営環境

 経営環境につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 財務基盤の強化

 持続的成長と企業価値向上の実現に向けて、財務基盤の強化を図りながら将来の成長投資と株主還元の両立を実現していくことを経営課題として認識しています。自己資本比率20%以上を維持しつつ、25%を目指すとともに、ROE(株主資本利益率)20%以上を目標とし、財務健全性を維持しながら資本効率の向上に努めてまいります。

② 既存事業の深化

 当社グループが安定的に成長していくためには、フロー型ビジネスの不動産販売事業とストック型ビジネスの不動産賃貸事業をバランスよく成長させていくことが重要だと考えております。新築不動産販売においては、競争優位性のある商品企画により更なる高付加価値化を追求し、継続的な利益成長を目指してまいります。また、株式会社ファンスタイルHDのグループ参画に伴い九州・沖縄地方での事業規模の拡大を図ってまいります。再生不動産販売においては、1億円以上の「Million-Renovation」シリーズ及び7,000万円以上1億円未満の「HiLaRe(ひらり)」シリーズを中心とする高価格帯物件に注力し、プレミアム領域での更なる事業成長を目指してまいります。不動産賃貸事業においては、社会的ニーズの高いヘルスケア施設への積極的な投資を行い、長期的に安定した収益の確保に努めてまいります。

③ 新規事業の創出

 当社グループは、中期経営計画の方針に基づき、新たな収益となる事業展開を目的として新規事業の創出を重点施策の一つとしております。これらの方針のもと、中小企業向け事業再生・事業承継ファンド及びベンチャーファンドへの出資やベンチャー企業を投資対象とするファンド設立等の投資事業に加え、再生可能エネルギー事業やDX事業への参入など、新たな価値創造を提供する新規事業を創出してまいります。また、M&Aによる事業拡大は成長戦略の重要テーマであり、今後も継続的な事業成長を実現する上で地方の中堅企業との連携などを進め、中長期的な企業価値向上に取り組んでまいります。

④ サステナビリティの取り組み

 持続可能な社会の実現に向けて、事業活動を通じた社会課題への貢献はSDGsの達成に向けた取り組みを推進する上で重要であると考えております。当社グループにおいては、循環型エネルギー社会の実現に向けた脱炭素への取り組み、少子高齢化社会に対応した商品供給を通じた安心・安全なまちづくり、ガバナンス体制の強化など、企業が取り組むべき社会課題の解決も同時に図り、社会価値と企業価値の両立を目指してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報から得られた当社グループの経営判断や予測に基づくものであります。

 

① 新型コロナウイルス感染症のリスクについて

 新型コロナウイルス感染症の影響については、今後の広がり方や収束時期等を正確に予測することは困難な状況であります。

 現時点では、新型コロナウイルス感染症が当社グループに与える影響は限定的でありますが、新型コロナウイルス感染症が、当社の想定を超える規模で拡大、長期化した場合やアフターコロナにおいて生活様式やマーケットに大きな変化が起こった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、従業員に対するマスク着用、アルコール消毒液の配備などにより、感染症防止対策の徹底に努めております。

 

② 経済情勢等の変動について

 当社グループの主力事業である不動産販売事業は、購買者の需要動向に左右される傾向があります。購買者の需要動向は景気・金利・地価等の動向や住宅税制等に影響を受けやすく、所得見通しの悪化、金利の上昇等があった場合には、購買者の住宅購入意欲の減退につながり、販売期間の長期化や販売在庫の増大など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、定期的な市況環境のモニタリング及び営業活動を通しての需要動向などにより、適宜情報収集を行い経済情勢等の変動の把握に努めております。

 

③ 災害等の発生

 地震、暴風雨、洪水等の自然災害、戦争、暴動、テロ、火災等の人災、サイバー攻撃その他予想し得ない状況の発生により事業活動が継続できない状況となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、災害の発生に対し、平常時からの対策、災害発生時の体制、対応、行動基準等の必要な事項を定めるなど、従業員等の安否確認及び復旧活動を迅速に行えるように備えております。また、サイバー保険等への加入により、万一の事態に備えております。

 

④ 個人情報の保護について

 当社グループは、事業活動を通じて個人情報を取得している他、当社グループの役職員に関する個人情報を有しております。何らかの理由により個人情報が当社グループから漏洩し、当社が適切な対応を行えず、当社の信用力が失墜し、又は損害賠償による損失が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社においては、「個人情報保護方針」をウェブサイト上に掲載するとともに、当社グループ社員には、個人情報保護の徹底を指示しており、個人情報の取り扱いには細心の注意を払っております。

 

⑤ 人材の育成・確保について

 当社グループの主力事業である不動産販売事業においては、その事業活動において複雑な権利調整や近隣対策などの特殊な技能が要求される場合があり、人材の育成・確保が予定どおりに進まない場合には、当社グループの業績及び今後の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは組織的に蓄積したノウハウをもって既存社員各人の能力を向上させるとともに、外部から優秀な人材を確保することで、より効率的な事業運営の実現に努めております。

 

⑥ 競合の状況について

 当社グループの主な活動エリアである首都圏における競争は激しい状態にあります。今後の競合他社の参入状況によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、主力事業である不動産販売事業において今までの経験と実績から、これまでの取引実績に基づく仕入・販売ルートとの関係強化、事業化に知見を要する開発物件の事業化、戸別マンション販売における高価格物件のシリーズ化など、当社グループ独自の仕入・販売手法により、他社との競合の回避に努めております。

 

 

⑦ 不動産物件の仕入れについて

 当社グループの主力事業である不動産販売事業においては、不動産市況の変化、物件の取得競争の激化等により優良な物件を仕入れることが困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 不動産販売事業においては、物件の仕入れの成否が販売に直結するため、人員の増強及び仕入提携先企業の拡充などにより情報収集力を強化し、収益性のある物件の確保に努めております。

 

⑧ 不動産物件及び事業用地の欠陥・瑕疵について

 使用履歴や事前調査上は問題ない土地・建物であっても、購入後又は分譲後に近隣地域から土壌汚染物質が流入し土壌汚染問題が発生する等、不動産物件及び事業用地の欠陥・瑕疵により、当社グループが予期しない形で対策・処置が求められた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、物件を購入する場合及び事業用地を仕入れる場合には、事前に、建物のアスベスト調査、土地の土壌汚染・地中埋設物等の調査等を実施しております。

 

⑨ 外部業者への工事の委託について

 工事現場における災害の発生、外部業者からの虚偽の報告、外部業者の倒産や契約不履行等、当社グループが予期しない事態が発生し、工事の遅延や停止が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、建築工事、リノベーション工事等を、当社グループの基準に適合した外部業者に委託しております。また、外注先との間で、品質の確保及び工程の管理のために、当社グループ社員が随時会議等に参加し、報告を受けるなど、当社グループの要求する品質、工期に合致するように確認作業を行っております。

 

⑩ 法的規制について

 当社グループの属する不動産業界は、国土利用計画法、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、建物の区分所有等に関する法律、住宅の品質確保の促進等に関する法律、金融商品取引法、不動産特定共同事業法、不動産投資顧問業登録規程等による、法的規制を受けております。これらの法令が変更され、規制が強化された場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、宅地建物取引業法に基づく「宅地建物取引業者免許」、不動産投資顧問業登録規程に基づく「一般不動産投資顧問業の登録」、金融商品取引法に基づく「第二種金融商品取引業の登録」、不動産特定共同事業法に基づく「不動産特定共同事業の許可」、建築士法に基づく「一級建築士事務所の登録」を受け事業を行っております。

 当該許認可の対象となる法令等の遵守に努めておりますが、将来何らかの法令違反となる事態が発生し、当社グループの許認可の取消や業務の一時停止処分等を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、各種業界団体へ加入するとともに、同団体主催の研修会に参加するなどして事前に業界動向の把握や規制の改廃その他新たな法的規制等についての情報収集に努めております。

a.宅地建物取引業者免許
 免許番号  :国土交通大臣(2)第8425号
 有効期間  :2018年4月5日から2023年4月4日まで

b.一般不動産投資顧問業の登録
 登録番号  :一般―第853号
 種  類  :一般不動産投資顧問業
 登録有効期間:2021年5月10日から2026年5月9日まで
c.第二種金融商品取引業の登録
 登録年月日 :2007年9月30日
 登録番号  :関東財務局長(金商)第1643号

d.不動産特定共同事業の許可
 許可年月日 :2016年11月29日
 許可番号  :金融庁長官・国土交通大臣第73号

e.一級建築士事務所の登録
 登録番号  :東京都知事登録 第64053号
 登録有効期限:2020年10月20日から2025年10月19日

⑪ 契約不適合責任(瑕疵担保責任)について

 当社グループが販売した不動産物件に欠陥等が存在する場合、契約不適合責任(瑕疵担保責任)が生じる可能性があります。特に、新築住宅を販売した場合には、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、構造耐力上主要な部分等について10年間責任を負います。販売物件において契約不適合(瑕疵)が発覚し、当社グループが責任を負うこととなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、仕入先及び施工業者にアフターサービス保証を負担させる等のリスク回避に努めております。また、当社グループ独自の物件調査体制により構造偽装等によるリスクの軽減に努めております。なお、2009年10月以降に引渡しを行った新築住宅については、「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」に基づき、構造耐力上主要な部分等に対する契約不適合責任(瑕疵担保責任)を履行するための措置を講じております。

 

⑫ 有利子負債への依存について

 当社グループの物件の仕入れは金融機関等からの借入に大きく依存しており、当連結会計年度末現在における当社グループの総資産額に占める有利子負債の比率は69.9%となっております。

 従って、金利変動による影響を受けやすい財務体質となっているため、金利動向に著しい変化が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、資金調達手段の多様化及び自己資本の充実などに努めております。

 なお、当連結会計年度末の有利子負債の状況は以下のとおりであります。

 

2021年12月期

2022年12月期

 

金額

比率

金額

比率

有利子負債合計

25,745,698千円

70.9%

35,397,879千円

69.9%

短期借入金

2,950,000千円

8.1%

4,197,600千円

8.3%

1年内返済予定の長期借入金

2,936,936千円

8.1%

8,948,282千円

17.7%

長期借入金

19,018,761千円

52.4%

21,321,997千円

42.1%

1年内返済予定の社債

10,000千円

0.0%

10,000千円

0.0%

社債

830,000千円

2.3%

920,000千円

1.8%

総資産額

36,332,523千円

100.0%

50,636,354千円

100.0%

 

⑬ 固定資産の減損会計及び棚卸資産の評価損について

 当社グループは、2006年3月期から「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」を適用しております。また、2009年3月期からは「棚卸資産の評価に関する会計基準」を適用しております。経済情勢や不動産市況の悪化等により当社グループが保有している固定資産又は棚卸資産の価値が低下し、減損処理や評価損の計上が必要となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、資産価値の高いエリアを中心とした仕入れ活動を行うとともに、定期的に固定資産又は棚卸資産の評価等を実施し、兆候の把握に努めております。

 

⑭ インカムゲイン型不動産事業の影響

 インカムゲイン型不動産事業においては、経済環境や消費者の現況及び将来の動向により賃貸相場の下落や賃借人の経済・財政状態の悪化が生じた場合には、賃料の減額、入居率の悪化等による賃貸収入の減少など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、賃貸市況を見定めながら賃貸ポートフォリオを形成し、リスクの低減に努めております。また、一部の事業系賃貸物件については、業務協力関係のある運営事業者等に物件単位で長期の定期賃貸借契約を締結するなど、賃料相場の下落リスク低減を図っております。

 

⑮ 海外事業展開のリスクについて

 当社グループは、カンボジア王国に連結子会社L'ATTRAIT PROPERTY DEVELOPMENT INC.を有し、海外事業を展開しております。為替レートによる連結財務諸表への影響のほか、同国の法的規制の変更、政治的・社会的要因、商習慣の相違、テロ等のカントリーリスクにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、現地の弁護士事務所及び監査法人など、専門家と連携しカントリーリスクの低減に努めております。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

[財政状態及び経営成績の状況]

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響の緩和に伴い社会経済活動は正常化に向かい、緩やかな持ち直しの動きがみられています。一方で、世界的なエネルギー・原材料価格の高騰、金融資本市場の変動等の影響により先行きについては引き続き注視する必要があります。

当社グループが属する不動産業界におきましては、不動産投資市場が緩和的な金融政策の継続を背景として国内外投資家の投資意欲は依然として堅調に推移しております。中古マンション市場は、首都圏における成約件数が前期比11%減となり2年ぶりに前年を下回ったものの、成約価格が1億円を超える中古マンションの成約件数は前期比30%増となり年々増加傾向にあります。

このような事業環境の中、当社グループは資金調達力の向上を背景に都心部の好立地にて大型案件の仕入れを強化し、更なる収益獲得を目指してまいりました。

新築不動産販売部門においては、高付加価値化が奏功し、主力とする収益不動産開発の生活利便施設の販売が利益に貢献いたしました。再生不動産販売部門においては、価格上昇を背景に「都心3区」「100㎡」「上質」をキーワードとした1戸当たり1億円以上の「プレミアム・リノベーション」シリーズの販売が好調に推移いたしました。また、1戸当たり7,000万円以上1億円未満をターゲット領域とするプレミアム・リノベーションの新ブランド「HiLaRe(ひらり)」の取扱いを開始いたしました。不動産賃貸事業部門においては、ヘルスケア施設の取得及び竣工に伴い賃貸資産が増加し、賃貸収益に貢献いたしました。

これらの結果、当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高18,253百万円(前年同期比24.4%増)、営業利益4,226百万円(同31.4%増)、経常利益3,730百万円(同31.0%増)、負ののれん発生益817百万円を特別利益に計上したことなどにより親会社株主に帰属する当期純利益3,397百万円(同73.5%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりです。

 

セグメント別売上高の概況

セグメント

前連結会計年度

(自2021年1月1日

 至2021年12月31日)

当連結会計年度

(自2022年1月1日

 至2022年12月31日)

構成比

前年同期比

 

千円

千円

不動産販売事業

13,839,946

17,227,037

94.4

24.5

 (新築不動産販売部門)

(5,717,910)

(11,159,525)

61.1

95.2

 (再生不動産販売部門)

(8,122,035)

(6,067,512)

33.3

△25.3

不動産賃貸事業部門

834,781

897,020

4.9

7.5

その他

2,700

129,050

0.7

14,677,428

18,253,108

100.0

24.4

(注)1.セグメント間の内部売上は除いております。

2.その他の前年同期比は1,000%を超えるため「-」と記載しております。

 

① 新築不動産販売部門

当連結会計年度の新築不動産販売部門は、土地企画販売2件の売却、収益不動産開発の地域密着型生活利便施設「A*G下高井戸」(東京都 世田谷区)、「A*G練馬」(東京都 練馬区)、「A*G成城学園前」(東京都 世田谷区)及び新しい住居系ブランド1号案件として「ON」と「OFF」を「SWiTCH」で切り替えるように暮らす新しい形の賃貸レジデンス「SWiTCH(スイッチ)」(東京都 目黒区)の販売などにより、売上高11,159百万円(前年同期比95.2%増)、セグメント利益3,942百万円(同211.2%増)となりました。

 

② 再生不動産販売部門

当連結会計年度の再生不動産販売部門は、主力である戸別リノベーションマンション販売において1戸当たり1億円以上の「プレミアム・リノベーション」シリーズの販売が好調に推移したことなどにより、売上高6,067百万円(前年同期比25.3%減)、セグメント利益640百万円(同74.1%減)となりました。

 

③ 不動産賃貸事業部門

 当連結会計年度の不動産賃貸事業部門は、既存の賃貸資産の稼働率向上、ヘルスケア施設「ヴェラス八軒」(北海道 札幌市)の取得及び住宅型有料老人ホーム「ベストライフ篠路」(北海道 札幌市)が竣工し賃貸を開始したことなどにより売上高897百万円(前年同期比7.5%増)、セグメント利益353百万円(同55.1%増)となりました。

(注)セグメント利益とは、各セグメントの売上総利益から販売費用及び営業外費用を差し引いたものであります。

 

[キャッシュ・フローの状況]

 現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,920百万円の増加となり、9,482百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益4,553百万円、棚卸資産の増加6,990百万円、法人税等の支払額894百万円などにより3,061百万円の資金支出(前連結会計年度は5,358百万円の資金支出)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,699百万円などにより1,479百万円の資金支出(前連結会計年度は1,173百万円の資金支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増加額1,247百万円、長期借入れによる収入15,870百万円、長期借入金の返済による支出9,680百万円などにより6,932百万円の資金獲得(前連結会計年度は10,496百万円の資金獲得)となりました。

 

[生産、受注及び販売の実績]

① 生産実績

 該当事項はありません。

 

② 受注実績

 当連結会計年度における契約実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

ⅰ.契約高

セグメントの名称

契約高(千円)

前年同期比(%)

新築不動産販売部門

15,834,668

276.6

再生不動産販売部門

7,450,135

7.4

合計

23,284,804

109.0

(注)1.本表におきまして「受注高」は「契約高」と読み替えております。

2.契約高については、契約時点での売上計上予定金額であり、契約時から引渡し時の間で、契約内容に変更等が発生した場合、実際の売上計上金額と差異が出る可能性があります。

 

ⅱ.契約残高

セグメントの名称

契約残高(千円)

前年同期比(%)

新築不動産販売部門

6,472,373

再生不動産販売部門

1,509,361

合計

7,981,734

(注)1.契約残高については、契約時点での売上計上予定金額であり、契約時から引渡し時の間で、契約内容に変更等が発生した場合、実際の売上計上金額と差異が出る可能性があります。

2.前年同期比は1,000%を超えるため「-」と記載しております。

 

③ 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

不動産販売事業

17,227,037

24.5

(新築不動産販売部門)

(11,159,525)

95.2

(再生不動産販売部門)

(6,067,512)

△25.3

不動産賃貸事業部門

897,020

7.5

その他

129,050

合計

18,253,108

24.4

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.その他の前年同期比は1,000%を超えるため「-」と記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

ⅰ.財政状態

[資産、負債及び純資産の状況]

a.資産

当連結会計年度末における総資産は前連結会計年度末に比べ、14,303百万円増加(前年同期比39.4%増)し、50,636百万円となりました。これは、現金及び預金が2,667百万円、事業用の不動産仕入及び開発用地取得などにより販売用不動産が5,268百万円及び仕掛販売用不動産が6,057百万円それぞれ増加したことなどによるものです。

 

b.負債

当連結会計年度末における負債は前連結会計年度末に比べ、10,212百万円増加(前年同期比35.2%増)し、39,202百万円となりました。これは、事業用の不動産仕入及び開発用地取得に係る資金調達などにより短期借入金が1,247百万円、1年内返済予定の長期借入金が6,011百万円及び長期借入金が2,303百万円それぞれ増加したことなどによるものです。

 

c.純資産

当連結会計年度末における純資産は前連結会計年度末に比べ、4,091百万円増加(前年同期比55.7%増)し、11,434百万円となりました。これは、配当の実施に伴い資本剰余金が711百万円減少した一方、新株予約権の行使により資本金が325百万円及び資本剰余金が325百万円、株式会社ファンスタイルHDとの株式交換に伴い資本剰余金が672百万円それぞれ増加したことに加え、親会社株主に帰属する当期純利益3,397百万円を計上したことなどによるものです

 

ⅱ.経営成績

 「(1)経営成績等の状況の概要 [財政状態及び経営成績の状況]」に記載のとおりであります。

 

ⅲ.セグメントごとの経営成績及び財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容について

 セグメントごとの経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要 [財政状態及び経営成績の状況]」に記載のとおりであります。セグメントごとの財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。

① 新築不動産販売部門(不動産販売事業)

 新築不動産販売部門は、当社グループの中核事業である収益不動産開発の「都市型商業ビル」、「高級賃貸レジデンス」及び新築分譲マンション販売が中心であります。当連結会計年度末の販売用不動産及び仕掛販売用不動産(以下、「棚卸資産」という。)の残高12,495百万円及び16,343百万円の合計28,839百万円のうち、当部門の残高は20,673百万円となっており、前年同期比で53.0%増加いたしました。この増加は、仕入件数の増加及び開発物件の大型化・高収益化が見込める事業用地の取得などによるものであります。新築不動産販売部門については、金融機関からの長期借入を中心に資金調達を行っており、今後においても、収益不動産開発及び新築分譲マンション開発を引き続き成長ドライバーとして積極的に展開していく方針であります。

 

② 再生不動産販売部門(不動産販売事業)

 再生不動産販売部門は、中古マンションの戸別販売が中心であります。当連結会計年度末の棚卸資産合計28,839百万円のうち、当部門の残高は8,166百万円となっており、前年同期比で104.1%増加いたしました。この増加は、1戸当たり1億円以上の「プレミアム・リノベーション」シリーズ及び1棟リノベーションマンションなどの商品を仕入れたことによるものであります。戸別リノベーションマンションについては、金融機関からの当座貸越枠及び長期借入にて資金調達を行っており、今後においても、「プレミアム・リノベーション」シリーズを、市場の需要動向を見極めつつも、積極的に展開していく方針であります。

 

③ 不動産賃貸事業部門

 不動産賃貸事業部門では、成長分野であるヘルスケア施設及び営業基盤の強化を図る福岡エリアなど、堅調な収益獲得を見込める賃貸不動産の積極的な投資を進め、安定的な収益源としての賃貸ポートフォリオの最適化を図ってまいりました。当連結会計年度末の有形固定資産及び無形固定資産の残高合計10,375百万円のうち、当部門の残高は9,876百万円となっており、前年同期比で5.4%増加しております。当部門では、社会的ニーズの高いヘルスケア施設への積極的な投資を継続し、長期的に安定した収益の獲得を目指します。具体的には、毎年20億円の投資を目標としております。

 

ⅳ.翌期の見通し

2023年12月期の取り組みとして、新築不動産販売部門においては、引き続き成長ドライバーとなる収益不動産開発事業の住居系開発と商業系開発を積極的に展開し、競争優位性のある商品企画により更なる高付加価値化を追求するとともに、ブランド力向上と地方主要都市へのエリア拡大を図ってまいります。また、分譲マンション事業においては、「ラ・アトレレジデンス」ブランドを地方主要都市に展開するとともに、当連結会計年度に新たに連結子会社となった株式会社ファンスタイルによる、沖縄エリアでの事業拡大を図り、事業基盤の強化と競争優位性が発揮できる独自のポジションを確立してまいります。

再生不動産販売部門においては、1戸当たり1億円以上の「プレミアム・リノベーション」シリーズを中心とした商品に注力し、「都心3区(千代田区・港区・渋谷区)」「100㎡以上」「上質」をターゲットとした仕入活動を行うとともに、富裕層のニーズに対応した企画・デザイン力により、価格競争に巻き込まれることのない競争優位性の高い高付加価値の商品を提供し独自のポジションを確立してまいります。また、同シリーズより新ブランド化いたしました1戸当たり7,000万円以上1億円未満の「都心5区(千代田区・港区・渋谷区、目黒区、新宿区)」「上質」をターゲットとした商品を仕入れ、「プレミアム・リノベーション」シリーズで培った企画・デザイン力を活かし“都心を華麗にひらりと生きる”をコンセプトにした「HiLaRe(ひらり)」を展開し、ブランド力向上と競争優位性の高い高付加価値の商品を提供し独自のポジションを確立してまいります。

不動産賃貸事業部門においては、社会的ニーズの高いヘルスケア施設への積極的な投資を進めるとともに、既存オペレーターとのリレーション構築及び優秀な新規オペレーターの発掘に注力し、賃貸ポートフォリオの最適化を図り安定的な収益の確保を図ってまいります。

これらの結果、2023年12月期の連結業績につきましては、売上高30,000百万円、営業利益5,500百万円、経常利益4,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,400百万円を見込んでおります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

ⅰ.キャッシュ・フローの分析

 「(1)経営成績等の状況の概要 [キャッシュ・フローの状況]」に記載のとおりであります。

 

ⅱ.資本の財源及び資金の流動性について

 当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入等を中心に資金調達を行っており、自己資本比率等の経営上の目標指標との乖離状況等を勘案しながら、資金調達手段の最適な選択を実施しております。なお、当連結会計年度における有利子負債につきましては、「2 事業等のリスク ⑫ 有利子負債への依存について」に記載のとおりであります。これら有利子負債から生じる金融コストの低減に努めつつも、金融機関からの借入は、事業セグメントごとの在庫回転期間により短期借入と長期借入に分けて調達しており、開発期間の長い不動産開発事業は長期調達を行うことで、急激な不動産マーケットの変化に対応できるよう財務体質を強化する方針を掲げております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断いたしておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

(業務協力契約)

契約会社名

契約先

契約年月日

契約内容

契約期間

(当社連結子会社)

株式会社ラ・アトレ、

株式会社LAアセット

日本ホスピスホールディングス株式会社、

リエゾン・パートナーズ株式会社

2020年8月17日

ホスピス住宅事業を協働で積極的に手掛けていく業務協力契約

契約日から1年間。但し、契約満了の3ヶ月前までにいずれかの当事者から更新しない旨の申し入れがなされない限り、1年間延長されるものとし、以後も同様とする。

 

(株式の取得及び簡易株式交換による完全子会社化に向けた株式譲渡契約及び株式交換契約)

 当社は、2022年11月25日開催の取締役会において、株式会社ファンスタイルHDの発行済株式の一部を取得した上で、当社を株式交換完全親会社、株式会社ファンスタイルHDを株式交換完全子会社とする簡易株式交換を行うことを決議し、同日付で株式譲渡契約及び株式交換契約を締結しました。

 これにより、株式会社ファンスタイルHD及び同社の子会社である株式会社ファンスタイル、株式会社ファンスタイルリゾートは当社の完全子会社となりました。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載しております。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。