第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

(1)経営の基本方針

 当社グループは、「一人でも多くの人に、感動を届け、幸せを広める。」という当社の経営理念をグループビジョンとして、世の中に良い影響力を与えるサービスを、「期待を超える=感動」のエッセンスに徹底してこだわり、提供していくことを企業のミッションとしております。

 

(2)目標とする経営指標等

 持続的な成長を目指していくため、主な経営指標として売上高、営業利益を特に重視しております。また、従業員エンゲージメント事業及びコミュニティエンゲージメント事業はBtoB・SaaS・サブスクリプション型のビジネスモデルであるため、KPI(Key Performance Indicators)として、利用企業数・運用コミュニティ数、利用企業・運用コミュニティの平均月額収益、売上高ストック比率等を重要指標として運営を行っております。

 

(3)経営環境及び経営戦略

 経営環境につきまして、当社グループが従業員エンゲージメント事業として提供している「TUNAG(ツナグ)」及びコミュニティエンゲージメント事業として提供している「FANTS(ファンツ)」ともに、成長性の高い市場を領域に属していると認識しております。

 「TUNAG」につきましては、我が国の人手不足が経営危機を招く環境を背景に、エンゲージメントに対する注目度が徐々に高まりつつあると考えております。生産年齢人口の減少が続き、人材定着や離職改善への意識は今後一層高まっていくことが予想され、最近のHR Tech※1の展示会でエンゲージメントにフォーカスしたサービスが取り扱われ、また、エンゲージメント関連の書籍の出版も増えております。

 「FANTS」につきましても、コロナ禍でおうち時間の活用に注目が集まり、オンラインサロン市場が拡大しております。サロンの開設者としても著名人からSNS上でフォロワーが多い一般人等に広がり、利用者としても若年層・ネットユーザーを中心に認知度を高めております。

 また、「TUNAG」が属する国内のSaaSモデルサービス市場は、2022年度に1兆円を超え、2026年度には1兆6,681億円へと拡大すると予測されており※2、「FANTS」が属するサブスクリプション・サービス市場は、2018年度に5,000億円を超え、2023年度には8,623億円へと拡大すると予測されております※3。

  ※1 人事・人材領域におけるテクノロジーを活用したサービスの総称。

  ※2 富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2022年版」による。

  ※3 三菱UFJリサーチ&コンサルティング「サブスクリプション・サービスの動向整理(2019)」による。

 その中で、当社グループは、「企業向けのエンゲージメント市場」と「コミュニティ向けのエンゲージメント市場」の2つのエンゲージメント領域で、企業向け、コミュニティ向けの異なる市場を開拓することで、グループで培ったノウハウを活かし、多面的な収益拡大を図ってまいります。

 

① 国内市場における顧客基盤の拡大

 国内市場においては、引き続き、潜在的な顧客層に対するアプローチを継続し、「TUNAG」、「FANTS」の利用企業数・運用コミュニティ数の拡大と受注単価の向上を進めてまいります。

 「TUNAG」においては、エンゲージメント経営支援におけるハイグロースカンパニーとして、エンタープライズ向けの営業強化、販売パートナーの開拓、広告プロモーションの強化などに注力し、マーケットシェアを拡大し、利用企業数の増加を図ります。

 「FANTS」においては、セールス、マーケティング、プロダクトの三方で体制強化を推進し、オンラインコミュニティ市場の拡大を図ります。

 

② 更なるノウハウの活用

 「企業向けのエンゲージメント市場」と「コミュニティ向けのエンゲージメント市場」の2つのエンゲージメント領域で、企業向け、コミュニティ向けの異なる市場を開拓することで、グループで培ったノウハウを活かし、多面的な収益拡大を図ってまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 さらなる成長を実現するため、対処すべき課題は以下のとおりであると認識しております。

① 人材の確保と組織力の強化

 持続的な事業継続には、事業拡大に対応できる人材の採用を継続し、組織体制を整備していくことが重要であると考えております。経営理念や行動指針に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を行っていくとともに、社内のエンゲージメントを高め、社員が早期に活躍できるよう社内施策の整備や環境構築に努めてまいります。

 

② 新規契約獲得力の強化

 当社グループは、TUNAG・FANTSそれぞれのサービスにおいて、テレマーケティングやダイレクトメールなどの「アウトバウンド活動」と、パートナー開拓や広告プロモーションなどによる「インバウンド活動」を組み合わせながら、営業活動を行っています。今後も、営業人員の増員や教育体制の整備を行いながら、TUNAGにおける金融機関やFANTSにおける芸能事務所など、それぞれのサービス特性に合わせたパートナーの開拓や広告プロモーションの強化を行いながら、マーケットシェアの拡大を図ります。

 

③ 継続率の確保

 導入顧客における効果最大化のため、サービス利用を支援するカスタマーサクセス部門の新規採用や教育体制の整備を行うことで、高い継続率の維持に取り組みます。加えて、顧客企業における効果の最大化のみならず、顧客間のネットワークを形成することにより、外部への広告・宣伝効果を創出し、新規顧客の開拓の効率化を図ります。

 

④ 技術革新への対応

 インターネット業界においては常に技術革新が起こっており、顧客ニーズに対応する技術をいち早く取り込むことが競争優位性を維持していく要因となります。当社グループは、顧客ニーズに対応すべく、外部サービスとの連携を含め、新たな技術を吟味しながら、サービス機能の拡充に努めてまいります。

 

⑤ 情報管理体制

 当社グループは、顧客及びその従業員に関する個人情報を多く預かっており、その情報管理を強化していくことが重要な課題であると認識しております。現在も情報管理については細心の注意を払っておりますが、子会社を含めたセキュリティの確保や社内体制の整備を継続してまいります。

 

⑥ 新規事業による収益基盤の強化

 当社グループのエンゲージメントプラットフォーム事業は、国内の「働き方改革」や「DX」への注目を背景に、サービスを拡大しており、今後もこの傾向は続くものと考えております。

 今後の技術革新や急速な景気変動に対して、当該事業内においても企業を中心とするTUNAGとコミュニティを中心とするFANTSで補完関係を形成しておりますが、人事領域やサブスクリプション型にとらわれない事業の創出など、当社グループ全体で更なる収益基盤の強化を行ってまいります。

 

⑦ 利益の定常的な創出

 当社グループの収益モデルは、サービスが継続して利用されることで収益が積み上がっていくストック型のビジネスモデルですが、収益を積み上げていくために費用が先行して計上されるという特徴があります。一方で、事業拡大に伴う人件費、採用費、広告宣伝費等の費用については、顧客基盤の拡大に伴い売上高に占める比率を低減させていくことが可能となるため、今後の新規顧客獲得活動や継続率の確保により、収益性の向上に努め、利益を定常的に創出できる体制を目指す方針であります。

 

⑧ 新型コロナウイルス感染症への対応

 新型コロナウイルス感染症の影響が全国的に深刻化し、企業活動に影響を与える中、当社グループはウェビナーやWeb商談などオンライン体制の構築により、増収を継続することができました。

 今後も感染症や自然災害等の有事の際にも販売活動及びサービス提供を継続できるよう体制の整備や、新規事業による収益源の多様化を進めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境に関するリスク

① 経営環境の変化について

 当社グループが運営するエンゲージメントプラットフォーム事業は企業を主要顧客としており、働き方改革やDX推進などのITに関する投資マインドの向上により、顧客企業を増やしてまいりましたが、顧客企業のIT投資マインドが減退するような場合には、新規契約数の減少をはじめ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

② 技術革新について

 当社グループが事業展開しているインターネット関連市場は、技術革新や新サービスの登場が頻繁に生じる業界であります。当社グループにおいても、最新の技術動向について、勉強会やセミナーなど外部有識者からの情報収集を行いつつ、新たな技術分野に明るい人材の採用や社内における教育体制の整備に努めております。しかしながら、技術革新の変化に適時に対応できない場合、または、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合について

 当社グループが運営するエンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」を提供する人事領域において、クラウドサービスを提供する競合企業が大手・中小問わず増え続けております。その中において、「TUNAG」は、「組織課題の解決」をソリューションとしており、育成、人事、労務管理、採用といった顧客側で導入されている人事領域のサービスとは直接競合せず、かつ連携※する形で導入を推進することができると当社は考えております。

 

 ※例えば、他社の組織診断結果を元にした社内制度の導入、趣味嗜好等も盛り込んだ人材データベースの構築、日報・勤怠報告の運用、リファラル採用等の協力を発信等

 

 また、導入企業の増加による運営ノウハウの蓄積も、競合サービスに対する優位性の確保に寄与するものと考えております。しかしながら、他社による類似サービス提供による価格競争の激化や予期しないサービスの登場などにより、新規契約数や既存顧客の解約数が増加する可能性など当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 感染症や自然災害について

 当社グループが運営するエンゲージメントプラットフォーム事業は、企業の従業員やコミュニティの会員が利用するサービスになるため、新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症の拡大や自然災害により、顧客及び当社グループ従業員における勤務状況の変化や顧客企業・団体の経営状況の悪化により、新規導入の延期や中止などに及ぶ可能性があります。また、展示会の中止や顧客への訪問制限など、営業活動に影響を及ぼす可能性があります。当事業がストック型の収益モデルであることに加え、有事の際にもサービスの提供や営業活動が行うことのできる体制整備、新規事業による収益源の多様化により、リスクの低減をすすめておりますが、想定を超える災害が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業内容及び当社グループサービスに関するリスク

① 解約について

 当社グループサービスの利用企業に対するサブスクリプション型の売上につきまして増加傾向を続けておりますが、顧客企業の利用状況や経営環境の変化などの理由により、毎年一定の解約が発生しております。予算及び事業計画においても一定の解約数を織り込んでおりますが、想定を超える解約が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定の製品への依存について

 当社グループの売上高の大部分が、エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」により構成されております。コミュニティ運営プラットフォーム「FANTS」を2020年5月に提供を開始するなど、「TUNAG」に依存しない収益基盤の構築を進めてまいりますが、上記(1)のとおり環境変化や技術革新、競合企業の新規参入などにより、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

③ システムトラブルについて

 当社グループが顧客に提供しているアプリケーションは、クラウドという特性上、インターネットを経由して行われており、インターネットに接続するための通信ネットワークやインフラストラクチャーに依存しております。安定的なサービスの運営を行うために、サーバー環境の増強、セキュリティの強化、システム管理体制の構築等により、システム障害に対する備えをしております。しかしながら、大規模なプログラム不良や自然災害、事故、不正アクセス、その他何らかの要因によりシステム障害やネットワークの切断等予測不能なトラブルが発生した場合には、社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 重大な不具合について

 当社グループの提供するソフトウエアはアップデートを継続的に実施しており、厳しい品質チェックを行った上で顧客への提供を行っておりますが、提供後に重大な不具合(バグ等)が生じ、信用の失墜、損害賠償責任が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 情報管理体制について

 当社グループでは、業務に付随して顧客企業に関する個人情報を含む多数の情報資産を取り扱うため、役員及び従業員に対して情報セキュリティに関する教育研修を実施しております。また、個人情報に関して、当社ではプライバシーマークを取得し、個人情報の保護に関するマネジメントシステムを整備・運営しており、その他の情報資産及びグループ各社においてもその運用を準用する等、情報管理体制の強化に努めております。しかしながら、何らかの理由により重要な情報資産が外部に漏洩するような場合には、当社の社会的信用の失墜、損害賠償責任の発生等により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 広告宣伝活動等の投資について

 当社グループの各事業において、新規顧客の獲得は重要な活動であり、認知度の向上及び潜在顧客層の開拓のため広告宣伝活動を実施してまいりました。これまでWEB広告を中心としておりましたが、今後はマスメディアへの展開なども積極的に実施していく方針であります。媒体の選定に際しては、効果予測及び検証を行ったうえで慎重に実施してまいりますが、当社グループの想定する新規顧客数が獲得できない場合は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 新規事業について

 当社グループはこれまで主として人事領域に事業展開をしてまいりましたが、事業規模の拡大と収益源の多様化に向けて人事以外の領域において新規事業を行っていく方針であります。ただし、新規事業につきましては、予め成長性やリスクを十分に調査・検討し実行してまいりますが、安定収益を創出するには一定の期間と投資を要することが予想され、全体の利益率を低下させる可能性があります。また、新規事業が想定していた成果を上げることができなかった場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)組織体制に関するリスク

① 社歴が浅いことについて

 当社グループは2016年1月に設立された社歴の浅い会社であるため、期間業績比較を行うために十分な期間の財務情報を得られず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報として不十分な可能性があります。

 

② 人材の確保や育成

 当社グループが今後事業を拡大していくためには、人材の確保、育成が重要であると認識しております。しかしながら、当社グループが求める優秀な人材の採用が滞る、社内の人材の流出が進むといった場合には、新規顧客の営業活動の減少や既存顧客へのサービス水準の低下などにより、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

③ 内部管理体制の構築について

 当社グループは、健全な成長を続けるためには、コーポレートガバナンスと内部管理体制をさらに強化する必要があると認識しております。コーポレートガバナンスに関しては、経営の効率性、健全性を確保すべく、監査等委員会の設置や内部監査及び内部統制システムの整備によりその強化を図っておりますが、事業の拡大ペースに応じた人員増強や育成、体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)法的規制及び知的財産権等に関するリスク

① 知的財産権について

 当社グループは、提供するサービスの名称につき商標登録を行っており、将来実施していくサービスについても同様に商標登録を行っていく方針であります。また、他社の知的財産権につきましても、侵害のないよう顧問弁護士等と連携し対応を講じております。しかしながら、当社グループの知的財産権の侵害や当社の他社知的財産権の侵害を把握しきれずに、何らかの法的措置等が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

② 個人情報保護について

 当社グループは、提供するサービスに関連して個人情報を取り扱っているため、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。当社グループは、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、アクセスできる社員を限定するとともに、「個人情報保護規程」等を制定し、全従業員を対象として社内教育を徹底する等、同法及び関連法令並びに当社に適用される関連ガイドラインを遵守しております。

 また、当社はプライバシーマークを取得しており、グループ各社においてもその運用を準用する等、個人情報の保護に関するマネジメントシステムを整備・運営しておりますが、何らかの理由により当社グループが保有する個人情報等に漏洩、改ざん、不正使用等が発生した場合、当社グループの社会的信用の失墜、損害賠償責任の発生等により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

③ その他訴訟等について

 当社グループは本書提出日現在において、重大な訴訟を提起されている事実はございませんが、事業活動の遂行過程において、取引先及び従業員等により提起される訴訟その他の法的手続の当事者となるリスクを有しています。これらの手続は結果の予測が困難であり、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらの手続において当社グループの責任を問うような判断がなされた場合には、社会的信用の毀損や多額の費用の発生により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループがプラットフォーム事業を行う中で、サービス利用者による法令や公序良俗に反するコンテンツの設置等の不適切な行為が行われる場合、問題となる行為を行った当事者だけでなく、取引の場を提供する者として責任追及がなされる可能性があります。

 

(5)その他

① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化

 当社グループでは、役員及び従業員等に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しており、本書提出日現在における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は3.1%となっております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社の株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

 

② 過年度の経営成績及び税務上の繰越欠損金について

 当社は、第1期から第4期において、経常損失及び当期純損失を計上しており、2022年12月31日時点において税務上の繰越欠損金が165百万円存在しております。繰越欠損金は、一般的に将来の課税所得から控除することが可能であり、将来の税額を減額することができますが、今後の税制改正の内容によっては、納税負担額を軽減できない可能性もあり、その場合は当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。また、繰越欠損金が解消された場合、通常の税率に基づく法人税等が発生し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループは、エンゲージメントプラットフォーム事業を主な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載は省略しております。また、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較分析は行っておりません。

① 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は1,533,142千円となりました。その主な内訳は、現金及び預金が1,184,381千円、売掛金が21,197千円、有形固定資産が149,974千円、投資その他の資産が100,537千円であります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債は501,701千円となりました。その主な内訳は、未払金が51,546千円、未払費用が61,547千円、契約負債が270,411千円、未払法人税等が30,280千円であります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は1,031,440千円となりました。その主な内訳は、資本金が610,400千円、資本剰余金が550,400千円、利益剰余金が△143,959千円であります。

 

② 経営成績の状況

 当連結会計年度における経済環境は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和される中で、経済活動の正常化に向けた動きが進み景気の持ち直しが期待されるものの、ウクライナ情勢の長期化や世界的な金融引き締めによる物価上昇なども相まって、依然先行き不透明な状況が続いております。

 他方、当社が属するHR Techサービス領域については、従来からの「働き方改革」の推進に加えて、ニューノーマル(新常態)におけるテレワーク・在宅勤務への関心の高まりや、政府による電子化推進などを背景に、引き続き高い注目を集めております。

 このようなマクロ経済動向の中、当社グループ(当社及び連結子会社)は、「一人でも多くの人に、感動を届け、幸せを広める。」という当社の経営理念をグループビジョンとして、主要サービスであるエンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG(ツナグ)」及びコミュニティ運営プラットフォーム「FANTS(ファンツ)」を事業軸として事業拡大を進めてまいりました。そして、創業事業であるエンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」を通じて得た知見を活かし、100%子会社である「株式会社STAGE」を2021年に設立し、エンゲージメント経営を人材採用の視点から支援する新しい人材紹介事業の運営を開始しました。

 このような取り組みの結果、当連結会計年度の経営成績は売上高1,300,965千円、営業利益131,619千円、経常利益132,261千円、親会社株主に帰属する当期純利益99,394千円となりました。

 

(従業員エンゲージメント事業「TUNAG(ツナグ)」)

 従業員エンゲージメント事業は、コロナ禍による企業活動の停滞や新規投資マインドの減退の影響がありましたが、Webマーケティングの強化やWeb商談の活用により、潜在的な需要へのアプローチに注力してきました。加えて、利用企業向けのオンラインイベントの開催など、利用企業の支援(カスタマーサクセス)の強化にも取り組んでおります。その結果、エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」は堅調に成長を続け、2022年12月末時点での利用企業数は570社(前事業年度末比148社増)、平均MRRは181千円(前事業年度末比10千円増)となりました。

 

(コミュニティエンゲージメント事業「FANTS(ファンツ)」)

 コミュニティエンゲージメント事業は、「TUNAG」が保有する組織運営・組織活性化に有用な多数の機能をコミュニティ運営向けに拡張・再構築し、2020年5月よりコミュニティ運営プラットフォーム「FANTS」の提供を開始しました。当連結会計年度においては、運用コミュニティの精査と戦略変更を実施し、運用コミュニティ数は前年同期比で減少したものの、売上高の成長性は上昇基調に回帰しています。その結果、コミュニティ運営プラットフォーム「FANTS」の2022年12月末時点での運用コミュニティ数は129件(前事業年度末比9件減)、平均MRRは84千円(前事業年度末比34千円増)となりました。

 

 

(人材紹介事業)

 人材紹介事業は、エンゲージメント経営を人材採用の視点から支援する新しい人材紹介事業として2022年4月から本格的に事業を開始しました。当連結会計年度においては、市場開拓や知名度向上のための成長投資コストが先行して発生している状況ではありますが、着実に市場規模を広げていっております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、834,381千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により得られた資金は162,936千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により得られた資金は136,212千円となりました。これは主に、定期預金の預入、有形固定資産の取得及び投資有価証券の取得による支出が生じた一方で、定期預金の払戻による収入があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により支出された資金は5,196千円となりました。これは主に、ストックオプションの行使に伴う株式の発行による収入があった一方で、長期借入金の返済による支出が生じたことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 該当事項はありません。

 

b.受注実績

 該当事項はありません。

 

c.販売実績

 販売実績は、次のとおりであります。

当連結会計年度

(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

1,300,965

 (注)1.当社グループは、エンゲージメントプラットフォーム事業を主な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。

2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。

3.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期比は記載しておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

② 経営成績の分析

 当連結会計年度における経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」をご参照ください。

 

③ 財政状態の分析

 当連結会計年度における財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」をご参照ください。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の運転資金需要のうち主なものは、人件費、広告宣伝費、地代家賃等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要は定期預金の預入等によるものであります。運転資金は自己資金を基本としており、当連結会計年度末における借入金残高は25,010千円となっております。

 

⑥ 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について

 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標等」に記載の通り、売上高、営業利益、利用企業数・運用コミュニティ数、利用企業・運用コミュニティの平均月額収益、売上高ストック比率等を重要指標としております。

 

(利用企業数・運用コミュニティ数及び利用企業・運用コミュニティの平均月額収益)

 「TUNAG」においては、新規顧客獲得活動および利用企業におけるアップセル等により、利用企業数及び利用企業の平均月額収益ともに四半期ごとに安定的に増加いたしました。

 (利用企業数:570社 平均月額収益:181千円)

 「FANTS」においては、新規顧客活動により運用コミュニティ数は四半期ごとに増加しましたが、会員数の少ない開設初期のサロン比率が高まったことにより、利用企業の平均月額収益は減少しております。

 (運用コミュニティ数:129件 平均月額収益84千円)

 

(売上高ストック比率)

 「TUNAG」において、売上高ストック比率は順調に増加し、当連結会計年度末時点で90%を超過しております。今後もストック比率は高止まりが継続する見込みで、安定的な収益基盤を構築してまいります。

 「FANTS」においては、事業開始より期間が短いことから、当連結会計年度末時点で55.5%とTUNAGと比較すると低くなり、その変動も大きい状況にありますが、新規サロンの獲得と既存サロンの収益拡大を両輪で推進することでストック収益の積み上げを図り、収益の安定化と高成長の両立を目指してまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

(吸収分割契約)

 当社は、2022年11月14日開催の取締役会において、現在当社が行っているFANTS事業を分社する方針を決定しました。それに伴い、2023年1月5日に分割準備会社である株式会社スタジアムを設立し、同社との間で2023年1月31日付で吸収分割契約を締結いたしました。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑴ 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。