文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
当社グループは、サイエンスとテクノロジーに立脚し、医薬品の研究(創薬)から初期の臨床開発に特化した企業です。世界をリードするサイエンスによって人生を変える医薬品を生み出すことをミッションとし、日本発の国際的なリーディングバイオ医薬品企業になることを目指しています。
(2) 経営環境
医薬品開発は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの企業や研究機関等により激しい競争が行われている分野であり、開発には多額の先行投資と、長期に亘る開発期間が必要となりますが、成功確率は高くありません。しかしながら、世界には、アンメットメディカルニーズが存在し、患者様に価値をもたらす新薬が待ち望まれています。
(3) 経営戦略等
① 当社グループの事業
当社グループは、独自のStaR®技術及びSBDDに基づき、革新的で生産性の高い創薬プラットフォームを確立しており、創薬ターゲットとして最大のタンパク質ファミリーであり、多くの疾患に関連することが知られているGPCRに対して、前例のないレベルでの創薬を可能とします。このプラットフォームを応用することで、多くの開発品を創出しており、提携先のグローバルバイオ医薬品企業及び自社での開発が進められています。
GPCRは、幅広い生体内反応に影響を与えるシグナル伝達経路に関係し、さまざまな疾患や障害に関与する重要な医薬品標的となります。そのため、GPCRは現在市販されている医薬品の約34%(※)に関係しています。また、GPCRは約400個の非嗅覚受容体を有する最も大きなヒト膜タンパク質ファミリーを形成し、そのうち約75%は未だ探索されていないため、多くの創薬可能性を秘めています。
現代医学における最も重要な医薬品標的の一つであるにもかかわらず、GPCRを標的とする創薬は依然として困難なものとなっています。GPCRに関する入手可能な構造情報によると、低分子医薬品の開発が可能であると考えられています。しかし、抽出されると不安定になるという性質上、これまではGPCRを細胞膜から抽出・構造解析を行うことは難しく、しばしば構造特定は大変困難でした。また、このようにGPCRが不安定であるという性質は、抗体を得るために必要となる、安定した抗原を生成する妨げとなっていました。
(※) Hauser A. S., Attwood M. M., Rask-Andersen M., Schiöth H. B., Gloriam D. E. (2017). Trends in GPCR drug discovery: new agents, targets and indications. Nat. Rev. Drug Discov. 16, 829–842. 10.1038/nrd.2017.178
② 当社グループのソリューション
当社グループは独自のStaR®技術を用いて、GPCRの構造を高度に解析することにより、GPCRを「解き明かす」技術を開発しました。StaR®技術は、リガンド結合部の外側に少数の点変異を起こさせ、細胞膜からGPCRを抽出した後でも立体構造を保持できるようにするもので、効果的にGPCRを安定化させることができます。その結果得られる安定化されたタンパク質(StaR®タンパク質)は、同種の「天然型」タンパク質、つまり変異されていないタンパク質よりはるかに安定しています。これらのStaR®タンパク質は比較的容易に精製でき、さまざまなヒットディスカバリー及び生物物理学的アプローチに供することができます。例えば、これらのStaR®タンパク質は、詳細なX線または他の構造解析のための結晶化が可能であり、天然型タンパク質を用いた創薬に比べて、より安全性と有効性が高く前臨床及び臨床段階での開発中止率が低い革新的医薬品を設計する手助けとなります。また、StaR®技術による安定化タンパク質は、in vitroでのファージディスプレイを用いたスクリーニングやin vivoでの抗原として使用可能で、生物製剤の探索にも利用可能です。
③ 当社グループのGPCRパイプライン
当社グループは、革新的で生産性の高い創薬プラットフォームを活用し、神経疾患、免疫疾患、消化器疾患、炎症性疾患等の疾患領域においてファーストインクラスまたはベストインクラスの医薬品になる可能性があると考えられる、GPCRを標的とした候補薬のパイプラインを創出してきました。
当社グループの提携パイプラインには、 Abbvie Inc.(以下「アッヴィ社」)、AstraZeneca UK Limited、Genentech Inc.、GlaxoSmithKline plc.、Eli Lilly and Company(以下「イーライリリー社」)Neurocrine Biosciences, Inc.(以下「ニューロクライン社」)、ノバルティス社、Pfizer Inc.(以下「ファイザー社」)および武田薬品工業株式会社等の大手グローバル製薬企業、ならびにその他の新興バイオ医薬品企業とのプログラムが含まれます。当社グループは、SBDDを活用して発見したムスカリン作動薬プログラム等の単一あるいは複数の候補薬を提携先が開発したり、複数のGPCRターゲットを対象とした創薬及び初期開発における提携を行っています。これらの提携により、当社グループのGPCRに関する技術とSBDDの可能性が実証され、新規提携に伴う一時金及びマイルストンに関する収益を得られると考えています。
当社グループの自社開発パイプラインは、提携につながる新規候補物質創出のために当社グループ独自で行う創薬及び初期開発段階のプログラムで構成されており、今後、臨床開発及び商業化のために大手製薬・バイオ医薬品企業へのライセンス供与を目指します。
④ 当社グループの事業戦略
2022年に発足した新経営体制のもと、独自の創薬プラットフォーム及びパイプラインを起点とし、世界と日本の両面から事業を成長させる、明確で進化した新たな戦略を打ち出しています。
この戦略では、以下の4つを柱としています。
(1) 社内での継続的なイノベーションと、それを補完する優れたテクノロジーを持つ他社との提携を通じ、世界をリードするStaR®/SBDDに基づく創薬プラットフォームの競争優位性を、さらに拡大・強化する。
(2) グローバル製薬企業との既存の提携を前進させ、加えて価値の高い新規提携を行うことで、契約一時金、開発マイルストン、上市品の売上から得られるロイヤリティなどから、継続的な売上を確保する。
(3) 研究開発体制のプログラム重視型モデルへの転換、ターゲットの機能への深い理解、トランスレーショナルメディシンへの注力を通じて迅速に臨床POCを確立することで、開発品の品質と投資対効果を向上させ、より高い価値でのライセンスと、日本での自社開発を見据えた重厚なパイプライン構築を目指す。
(4) 日本での臨床開発~販売体制をアジャイルかつ拡大可能な形で構築し、日本という大きく魅力的な市場で、見逃されている市場の発掘に取り組む。まずは、開発リスクの低い、海外で承認済あるいは後期臨床開発段階の開発品の導入から始め、中長期的には自社品の開発によりパイプラインの拡充を図る。
⑤ その他の当社グループの事業活動
当社グループの中心となるGPCR関連の創薬・開発における活動に加えて、既存ビジネスとしてノバルティス社の呼吸器疾患製品シーブリ® ブリーズヘラー®、ウルティブロ® ブリーズヘラー®及びエナジア® ブリーズヘラー®のグローバルでの販売からのロイヤリティ収入を受領しております。ロイヤリティ収入は、当社グループの戦略的目標を支える資本の源泉となっています。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 事業の進捗と戦略
当社グループは、高いアンメットメディカルニーズの存在する疾患に対する新規医薬品の創薬及び初期開発を推進する、独自のStaR®技術とSBDDに基づく創薬プラットフォーム、専門性の高い研究開発力及び新規開発品を起点に、世界と日本の両面から事業を成長させる戦略を打ち出しています。
日本以外の地域では、創薬からトランスレーショナルメディシンを通じた初期臨床開発までの研究開発を自社で行い、その後はこれら自社品の主に日本以外の権利を提携先へ導出することを目指しています。日本においては、開発リスクの低い、海外の承認済あるいは後期臨床開発段階の開発品の導入から始め、中長期的には自社品の開発によりパイプラインの拡充を図る方針です。
当社グループの4つの戦略の柱は、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営戦略等」をご参照ください。
② 当社グループの認識するリスクへの対応
当社グループは、自らが事業を展開している製薬業界特有のさまざまなリスクを負っており、当社グループの
事業、財政状態及び業績は、これらのリスクにより悪影響を受ける可能性があります。当社グループは、「2.事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの財政状態及び経営成績に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を認識しており、これらのリスクに対する必要な対策を講じています。
③ 価値創造
医薬品業界では、特許の失効、承認の負担増大、継続的なコストの増加など、大手企業は多くの困難に直面し、急速な変化が起こっています。これにより、医薬品開発における財務上・商業上のリスクを取って研究開発を目指す事業者の数が減少しています。業界全体を通じて、効率よく外部のイノベーションを確保することが新しい戦略として重視されています。さらに、多くの先進国での高齢化の進行により、差別化されたより良い治療法の必要性が高まっています。その結果、大手製薬・バイオ医薬品企業は、研究、創薬及び開発活動全体にわたり、技術に立脚した比較的小規模な企業との提携により、研究開発における課題への革新的ソリューションを見出そうとする傾向が強くなっており、当社グループは有利な立場にあります。
このように業界の状況が変化する中で、当社グループは、事業拡大と価値創造の機会を定期的に認識、評価し、持続的にビジネス機会を創出する資本効率の良いビジネスモデルを追求しています。
④ コーポレート・ガバナンス
当社グループは複数の地域において事業活動を行っており、コーポレート・ガバナンス体制の重要性を認識しています。各国の規制に対応するため、体制やプロセス強化の方策について継続的に検討しています。さらに、最高水準の透明性、完全性、説明責任にコミットする企業文化の強化に引き続き取り組みます。
当社の取締役会は、規範と説明責任を維持するために、経営の監督とリスク管理及びコンプライアンス活動に責任を有しており、取締役の過半数は独立社外取締役です。執行役は、当社の長期的かつ持続可能な成長を達成し、株主価値を創出するために、取締役会との緊密な連携のもと、取締役会の委任を受けて会社の戦略と重要な業務執行について決定し、執行します。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループの事業等はこれら以外にも様々なリスクを伴っており、以下に記載したものがリスクのすべてではありません。
当社グループではCEO及びCAOがグループ全体のリスク管理を行っており、各部門の責任者から、主要なリスクを適宜報告される体制を整えています。個別のリスクの程度と内容に応じた対応策に基づき、リスクの回避措置、リスクが顕在化した際の影響の低減措置を行っています。
なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 医薬品の研究開発事業一般に関する事項
① 研究開発の不確実性に関する事項
・リスク
当社グループは、医薬品の研究開発を主な業務としています。一般的に、医薬品の研究開発は、基礎研究段階から承認取得に至るまで長期間を要し、多額の投資が必要となる反面、その成功の可能性は、他産業に比べて極めて低いものです。従って、研究開発活動は不確実性を伴っており、この不確実性は当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
・対応策
当社グループは、比類のないプラットフォーム技術による複数の新規治療薬候補品を継続的に創出し、さらに臨床開発及び商業化を行うための費用の負担とリスクを引き受けることを前提に他の製薬会社との共同研究や開発品の導入も行うことで、開発パイプラインを拡充してきました。多種多様な提携を通じて、開発資金を提供いただくパートナーの分散を図り、また、臨床開発という不確実なリスクのバランスをとることによって、業績への影響を最小限にしております。
② 提携先の事業戦略見直しに関する事項
・リスク
医薬品業界は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの企業や研究機関等による競争が激しい状態にあります。また、その技術革新は急速に進歩しています。そのため、大手製薬・バイオ医薬品企業は、業界での競争力を維持するために定期的に事業戦略の見直しを行っており、その見直しの影響により当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
また、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動における競争相手との競争の結果、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
・対応策
当社グループは、提携先との良好な関係を維持、発展させるとともに、適切な契約の締結に努める等、当該リスクの低減に努めております。また、収益性のある品目を複数研究開発することで、提携関係の解消等があった場合の業績への影響を最小限にするようにしてまいります。
③ 副作用等に関する事項
・リスク
医薬品は、臨床試験段階から市販後に至るまで、副作用等が発現するリスクがあります。当社は発売後の医薬品について製造販売業としての医薬品安全性監視(ファーマコビジランス)を行うことで患者様の健康被害リスクを最小化する活動を継続して実施し、これにより医薬品使用に関連するリスクの回避と受けうる影響の低減に最大限努めております。副作用等が発現し、製品の回収、製造販売の中止、薬害訴訟の提起等に発展した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
・対応策
当社グループでは、提携会社または販売委託会社等と連携し、国内外の安全管理情報(副作用情報等)を収集しております。また、収集された安全管理情報は適切に評価・検討・分析し、各国・地域の規制に応じ適切に当局に報告するとともに、提携会社または販売委託会社等と連携して情報提供することで医薬品の適正使用を推進しております。
④ 薬事法制その他の規制に関する事項
・リスク
医薬品業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事法及び薬事行政指導その他関係法令等により、様々な規制を受けています。
医薬品は、創薬から製造販売承認を取得するまでに、多額の研究開発コストと長い年月を必要としますが、安全性及び有効性に関する十分なデータが得られず、医薬品としての安全性及び有用性を示すことができない場合には、規制当局の承認が計画どおり取得できず上市が困難になる可能性があります。これは開発品を他社に導出する場合も同様であり、当初計画した条件での導出もしくは導出そのものが困難になる可能性があります。
このような事象が生じた場合又は将来各国の薬事法等の諸規制に大きな変化が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
・対応策
当社グループは、提携先と協力しながら、薬事関連規制の改正動向を早期に把握し、対応の要否を分析する体制を取っております。また、リスクを最小限にするための対応について、迅速に判断するガバナンス体制を取っております。
⑤ 製造物責任に関する事項
・リスク
当社グループは、医薬品の臨床試験を含む開発、製造、販売を行っております。それらの製品が必要な品質及び安全性の基準を満たしておらず、これを原因とした製造物責任を負う場合、当社グループの財政状態及び経営成績に深刻な影響を与える可能性があります。
・対応策
当社グループは、製品の安全、品質への取り組みを最優先事項としており、社内教育等を通じて、常に従業員の意識向上に努めております。また、適切な保険に加入することで製造物責任によるリスクを軽減しております。
(2) 当社グループの戦略に関する事項
① 事業戦略の実行に関する事項
・リスク
当社グループは、新薬開発候補品を創製するための自社プラットフォームの活用と、新たな導出あるいは共同投資を可能にする重要な価値の転換を生み出すためのパイプラインの強化、さらに日本事業の構築に向けた開発リスクの低い、海外の承認済あるいは後期臨床開発段階の開発品の導入に注力していますが、開発が成功しない新薬開発候補品、または機能しないテクノロジーに対して投資が行われる可能性があります。このような事象が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
・対応策
当社グループは、投資の検討に当たっては、社内外の意見を集約し、事業採算性の検証を行っております。投資に対しては、リスクとリターンのバランスが適切なものになるようなアプローチを取っています。
② 投資戦略に関する事項
・リスク
過去において、当社グループは、非常に有望ではあるものの、実証されていないテクノロジーを有する企業に出資を行ってきました。これらの投資により、重要な価値の転換点への到達につながり、ビジネスモデルを加速できる可能性があります。しかし、そのような出資は減損につながる可能性のある失敗のリスクを伴うため、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
・対応策
当社グループにおいては、戦略的投資の評価に責任を有し、係る投資の承認に責任を負う当社の取締役会に対して助言を行う投資委員会を設置しています。また過度な資本リスクに晒されないよう、投資に対しては、リスクとリターンのバランスが適切なものになるようなアプローチを取っています。
(3) 当社グループの事業活動に関する事項
① 提携関係に関する事項
・リスク
当社グループは、研究開発の各段階において広範な提携関係を構築し、それによって固定費の増加を回避しつつ最先端技術の取込みを図っています。しかし、現在の提携関係に変化が生じた場合や今後の提携関係が期待どおりに構築できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
・対応策
当社グループは、契約締結においては、発生しうるリスクを想定し、これを低減するための戦略に関する協議と合意形成に努め、必要に応じてその内容を契約書に定めております。さらに、提携先との間で様々な機能・階層を通じた強固なガバナンス体制を構築し、提携におけるリスクの把握と解決策の協議を密に行い、必要な打ち手を講じることで、業績への影響を最小化するよう努めております。
② 人材の確保及び育成に関する事項
・リスク
当社グループの事業活動は、現在の経営陣、事業を推進する各部門の責任者や構成員等に依存しているところがあります。そのため、常に適材適所に優秀な人材を確保することと将来を見据えた人材育成に努めています。労働市場の逼迫により人材確保や人材育成が計画どおりに行えない場合は、当社グループの事業活動や経営成績に影響を及ぼす能性があります。
・対応策
当社グループは、社員が会社の理念や目標を理解し、進むべき方向性を共有することで一体感を高めるとともに、会社に愛着を持ち安心して働けるように、働く環境の整備と社員教育の充実を図ることが人材リスクを回避するうえで重要と考えています。そのため、快適なオフィス環境の維持、社員それぞれのライフスタイルに合わせた柔軟な働き方(スーパーフレックス制度の導入やリモートワーク等)、社内外のさまざまな分野の専門家との交流や研修の実施、健康維持を目的とした食育等を実施しています。
③ 知的財産権に関する事項
・リスク
当社グループは、研究開発活動等において当社グループが所有し又は使用許諾を受けた様々な知的財産を使用しています。当社グループの事業運営に必要な知的財産について継続して使用許諾を受けることができない場合や第三者の知的財産の侵害による係争が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
・対応策
当社グループは、保有する知的財産の管理につき、専門弁護士・弁理士事務所を起用しながら、第三者侵害の有無を監視しながら、適切に管理する体制を整えております。
④ 資金調達に関する事項
・リスク
医薬品事業においては、多額の研究開発費を要し、その額は研究開発の進捗に応じて増加する傾向にあります。当社グループに資金需要が生じた場合に、市場環境の悪化等により機動的な資金調達を行うことができない可能性があり、その場合には、当社グループの研究開発に係る体制及び計画の見直しを余儀なくされるなど、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
・対応策
当社グループは、適時資金繰り計画を作成・更新し、十分な手元流動性(当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高66,557百万円)を維持することで当該リスクの低減に努めています。また、新株発行、社債発行、コミットメントラインの設定、タームローンへの借り換えオプション、及び他の借り換え手段の選択肢を定期的に見直すことで、資金調達市場の状況に応じた資金確保を可能としています。この一環として発行流動性の強化のために、前連結会計年度においては転換社債型新株予約権付社債の発行(30,000百万円)を、当連結会計年度においてはコミットメントライン契約(5,000百万円)を締結を行っております。
⑤ 外国為替変動に関する事項
・リスク
当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外企業とのライセンス取引、海外での研究開発活動等において外貨建取引が存在します。為替変動リスクはヘッジ活動によっても完全に取り除くことはできないため、急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
・対応策
当社グループは、通貨保有による外国為替変動リスクを定期的にモニタリングするために、毎月取締役会に通貨毎の預金残高や為替差損益の分析を報告しております。さらに、決済通貨を購入または為替予約を締結することで外国為替変動が軽減するよう管理しています。
⑥ 契約に基づく支払義務の負担に関する事項
・リスク
当社グループは、開発パイプラインに関する提携企業との契約において、販売に至る前の開発段階及び販売開始後に提携先に対する支払義務を負っている場合があります。また、開発費の共同負担や販売開始後一定額の販売活動経費の投入を行う義務を負う場合もあります。これらの対価の支払形態は、製品開発型バイオベンチャーとしての事業の性質上当然のものと認識していますが、当社グループの資本力に比べ支払額が高額となる場合には、当社グループにとって大きな財務的負担となる可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
・対応策
当社グループは、契約締結においては、発生しうるリスクを想定し、これを低減するための協議と合意形成に努め、その内容を契約書に定めております。さらに、提携中も提携先との間で様々な機能・階層を通じた強固なガバナンス体制を構築し、提携におけるリスクの把握と解決策の協議を密に行い、必要な打ち手を講じることで、業績への影響を最小化するよう努めております。
⑦ 国内販売体制の構築及び技術導出に関する事項
(a)国内市場における自社製品の販売
・リスク
当社グループは、国内において、医薬品製造販売業の許可を取得しております。自社製品が医薬品製造販売承認を取得した場合、製造販売元として、製品の市場価値を最大化することを目標とし、適切な販売委託先と提携し、自社製品の安定供給を行います。国内において、適切な販売委託先との提携が進まない場合、販売委託先による自社製品の販売成果が期待通り得られない場合、又は販売委託先にて法令遵守等の問題が発生し自社製品の安定供給に支障が生じる場合は、医薬品製造販売業としての信頼及び売上収益の低下により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
・対応策
当社グループは、自社製品の品質及び安全性の確保のため、医薬品製造販売業として必要な社内体制を整備しており、法令遵守を最優先事項としております。また、製造販売元として、販売委託先に対して、法令遵守状況の把握を含めた適切な能力評価を行い、健全な提携関係の維持と発展に努めております。
(b)自社又は子会社の開発品の技術導出
・リスク
開発品を開発の途中段階で他社に導出することにより、一時金や導出先の販売高に連動した収益を受領することが可能となります。しかし、開発の遅延その他の理由により計画どおりの時期に技術導出ができない場合や技術導出を予定している開発品に関して導出そのものが困難になる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
・対応策
当社グループは、想定外の外部要因による遅延やその他の悪影響を及ぼす問題に対処してまいります。開発の遅延リスクを回避するため、外部の専門家を適宜活用するとともに、社内の人材の能力及び専門性の育成にも努めております。
⑧ M&A等(買収、合併、営業の譲渡・譲受、出資)による事業拡大に関する事項
・リスク
当社グループは、保有する経営資源の効率的運用と企業価値の最大化のため、M&A等を活用して事業規模の拡大を図ることを経営方針の一つとしています。その施策により想定どおりの効果が得られない場合は、最大でのれん15,306百万円及び無形資産8,577百万円の減損損失の計上等により、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
・対応策
当社グループは、M&Aの実施に際しては、外部専門家を起用しながら、詳細なデューディリジェンスを実施した上で、中期事業戦略との整合性、事業価値、シナジー等を総合的に検証しております。
⑨ 重要な契約に関する事項
・リスク
「第一部 企業情報、第2 事業の状況、4.経営上の重要な契約等」に記載した、当社グループの経営上の重要な契約が期間満了、解除その他の理由により終了した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
・対応策
当社グループは、重要な契約作成時において、必要に応じ外部弁護士を活用し、解除条項を設けるなど適切な措置を講じております。
⑩ 訴訟等に関する事項
・リスク
当社グループは、当連結会計年度において訴訟の提起を受けていませんが、訴訟その他の法的手続や当局による調査を受ける可能性があります。多額の支払を命じられた場合や当社グループにとって不利益な決定がなされた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
・対応策
当社グループは、コンプライアンス体制や品質マネジメントその他必要な社内体制の整備により問題発生の未然防止に努めるとともに、事業活動においては必要に応じて法務部門による審査や外部弁護士等の専門家の助言を得るなど、訴訟に関するリスクの低減に努めております。
⑪ 内部統制の整備に関する事項
・リスク
当社グループは、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに実施基準に準拠し、財務報告に係る有効な内部統制システムを整備し、その適正な運用に努めています。内部統制が有効に機能せず、あるいは予期しない内部統制上の問題により、多額の損失が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
・対応策
当社グループは、財務報告に係る有効な内部統制システムの構築を行い、適切な運用に努めております。
⑫ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に起因する事項
・リスク
COVID-19の影響については、多くの地域で正常化しています。しかし、今後COVID-19の変異種や他のウイルスが発生し、創薬プロジェクト、サプライチェーン、臨床試験、事業開発および提携などの当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
・対応策
COVID-19流行の間、当社グループは、従業員の安全とさらなる感染拡大を防止するための事態の収束を最優先に対応してきました。パンデミックから得た教訓の多くは、将来、新たな感染症が発生した際に、再度適用することができます。また、緩和策の一部は在宅勤務の支援など、現在も継続して適用されています。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、サイエンス及びテクノロジーに立脚し、医薬品の研究(創薬)から初期の臨床開発に特化した企業です。世界をリードするサイエンスによって人生を変える医薬品を生み出すことをミッションとし、日本発の国際的なリーディングバイオ医薬品企業になることを目指しています。独自のStaR®技術及びSBDDに基づき、革新的で生産性の高い創薬プラットフォームを確立しており、創薬ターゲットとして最大のタンパク質ファミリーであり、多くの疾患に関連することが知られているGPCRに対して、前例のないレベルでの創薬を可能とします。このプラットフォームを応用することで、多くの開発品とプログラムを創出しており、提携先であるグローバルバイオ医薬品企業及び自社での開発が進められています。2022年に発足した新経営体制のもと、独自の創薬プラットフォーム及びパイプラインを起点とし、世界と日本の両面から事業を成長させる、明確で進化した新たな戦略を打ち出しています。
この戦略では、以下の4つを柱としています。
(1) 社内での継続的なイノベーションと、それを補完する優れたテクノロジーを持つ他社との提携を通じ、世界をリードするStaR®/SBDDに基づく創薬プラットフォームの競争優位性を、さらに拡大・強化する。
(2) グローバル製薬企業との既存の提携を前進させ、加えて価値の高い新規提携を行うことで、契約一時金、開発マイルストン、上市品の売上から得られるロイヤリティなどから、継続的な売上を確保する。
(3) 研究開発体制のプログラム重視型モデルへの転換、ターゲットの機能への深い理解、トランスレーショナルメディシンへの注力を通じて迅速に臨床POCを確立することで、開発品の品質と投資対効果を向上させ、より高い価値でのライセンスと、日本での自社開発を見据えた重厚なパイプライン構築を目指す。
(4) 日本での臨床開発~販売体制をアジャイルかつ拡大可能な形で構築し、日本という大きく魅力的な市場で、見逃されている市場の発掘に取り組む。まずは、開発リスクの低い、海外で承認済あるいは後期臨床開発段階の開発品の導入から始め、中長期的には自社品の開発によりパイプラインの拡充を図る。
(1)の世界をリードするStaR®/SBDD創薬力の拡大・強化について、当期も順調に進捗しました。次世代の免疫解析プラットフォームImmune Profilerを有するVerily Life Sciences LLCと、免疫疾患関連の新規ターゲット同定と新薬候補創出を目的とした提携を行いました。また、脳腸軸における革新的なプラットフォームを有するKallyope Inc.と、消化器疾患関連の複数のGPCRの同定と検証を目的とした提携を行いました。加えて、オックスフォード大学およびルーヴェン大学と、消化器疾患と免疫疾患に関わるGPCR発掘のための共同研究契約を提携しました。
(2)の大手製薬企業との提携でも、当期は2件の新規提携を締結し、複数のマイルストンを達成するなど大きく前進しました。特に、アッヴィ社とは2020年に締結していた炎症性疾患等での創薬提携をさらに拡大し、神経疾患での新規の創薬提携契約を締結しました。また、イーライリリー社とは糖尿病と代謝性疾患に対する、新規の創薬提携契約を締結しました。ニューロクライン社との提携では、統合失調症(成人)に対するNBI-1117568(旧HTL0016878)の第Ⅱ相臨床試験が開始されました。2015年に締結したファイザー社との創薬提携からは、3つの臨床開発品が順調に進展しており、特にPF-07081532(GLP-1受容体作動薬、対象疾患:糖尿病及び肥満)では、第Ⅱb相臨床試験が開始されました。
(3)の新たな研究開発、研究開発体制の構築でも大きな進展がありました。研究開発と臨床開発を専門とするコンサルティンググループのWeatherden Limitedと、プログラム主体のアジャイル開発モデルの導入とトランスレーショナルメディシン機能の強化により、高品質の開発品をより迅速にコスト効率よくパイプラインに追加するための戦略的提携を締結しました。また、複数プログラムの自社開発を実施し、加えて大手企業の研究開発パートナーとしてのポジションをより強固にするため、ケンブリッジのグランタ・パーク内にある研究開発拠点を拡大しました。さらに、以下の3つの候補品を筆頭に、迅速な臨床POC確立を目指します。
• 固形がんにおけるEP4受容体拮抗薬(HTL0039732) - 世界最大の民間がん研究基金であるCancer Research UK(英国王立がん研究基金)と、初の臨床試験(FIH試験)の実施契約を締結
• 統合失調症および精神疾患におけるGPR52受容体作動薬
• 炎症性腸疾患におけるEP4受容体作動薬
(4)の日本事業の構築については、2022年に日本という重要なヘルスケア市場で臨床開発~販売体制をアジャイルかつ拡大可能な形で構築することを発表しました。
当社グループは、今後数年間で世界と日本の両面から事業を成長させることに注力するとともに、そのために必要な研究開発投資を行います。同時に、コスト管理を引き続き強化し、全ての価値創造の機会に柔軟に対応してまいります。
2022年12月31日現在、当社グループの従業員数は202人(2021年12月31日時点比4名増)です。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益15,569百万円(前連結会計年度比2,143百万円減少)、営業利益3,436百万円(前連結会計年度比339百万円減少)、税引前当期利益1,078百万円(前連結会計年度比645百万円増加)、当期利益382百万円(前連結会計年度比635百万円減少)となりました。
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(単位:百万円) |
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当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
前連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
増減 |
|
売上収益 |
15,569 |
17,712 |
△2,143 |
|
売上原価 |
△926 |
△933 |
7 |
|
研究開発費 |
△7,454 |
△5,931 |
△1,523 |
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販売費及び一般管理費 |
△4,377 |
△3,940 |
△437 |
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営業費用合計 |
△12,757 |
△10,804 |
△1,953 |
|
その他の収益及びその他の費用 |
624 |
△3,133 |
3,757 |
|
営業利益 |
3,436 |
3,775 |
△339 |
|
金融収益及び金融費用 |
△93 |
△3,598 |
3,505 |
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持分法による投資損益 |
△429 |
50 |
△479 |
|
持分法で会計処理されている投資の減損損失及び減損損失戻入益 |
△1,836 |
206 |
△2,042 |
|
税引前当期利益 |
1,078 |
433 |
645 |
|
法人所得税費用 |
△696 |
584 |
△1,280 |
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当期利益 |
382 |
1,017 |
△635 |
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代替業績評価指標 |
|
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(コア営業損益) |
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営業利益 |
3,436 |
3,775 |
△339 |
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調整額 |
|
|
|
|
有形固定資産の減価償却費 |
563 |
541 |
22 |
|
無形資産の償却費 |
782 |
737 |
45 |
|
株式報酬費用 |
542 |
713 |
△171 |
|
構造改革費用 |
533 |
- |
533 |
|
減損損失 |
- |
3,138 |
△3,138 |
|
コア営業利益 |
5,856 |
8,904 |
△3,048 |
|
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USD:JPY(期中平均為替レート) |
131.30 |
110.16 |
21.14 |
|
GBP:JPY(期中平均為替レート) |
161.76 |
151.50 |
10.26 |
(注) コア営業損益は営業損益(IFRS)+重要な非現金支出費用+重要な一時的支出費用で定義され、事業の潜在的な経常キャッシュ創出能力を表しております。
当社グループは、医薬事業の単一セグメントであるため、報告セグメント別の記載は省略しています。
当連結会計年度の経営成績の分析は以下のとおりです。
(売上収益)
|
|
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(単位:百万円) |
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当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
前連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
増減 |
|
契約一時金及びマイルストン収入 |
12,063 |
14,667 |
△2,604 |
|
契約一時金収入(契約開始時認識額) |
4,666 |
11,408 |
△6,742 |
|
マイルストン収入(条件達成時認識額) |
6,429 |
1,963 |
4,466 |
|
前受金取崩額 |
968 |
1,296 |
△328 |
|
ロイヤリティ収入 |
2,564 |
2,311 |
253 |
|
医薬品販売 |
80 |
28 |
52 |
|
その他 |
862 |
706 |
156 |
|
合計 |
15,569 |
17,712 |
△2,143 |
当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度に比べ2,143百万円減少し、15,569百万円となりました。
当連結会計年度の契約一時金及びマイルストン収入に関する収益は、前連結会計年度比2,604百万円減少し、12,063百万円となりました。契約一時金及びマイルストン収入は、契約一時金収入、マイルストン収入及び前受金取崩額で構成されています。契約一時金及びマイルストン収入は、新規提携契約が締結できるかどうか、あるいはあらかじめ定められた成果(マイルストン)を達成できるかどうかによって、会計年度毎に変動する可能性があります。契約一時金及びマイルストン収入減少の主な要因は、当連結会計年度はアッヴィ社及びイーライリリー社2社との新規提携契約締結により合計4,666百万円(35百万米ドル)の契約一時金収入があった一方、前連結会計年度はニューロクライン社からの契約一時金収入11,408百万円(100百万米ドル)があったためです。マイルストン収入の条件達成により、マイルストン収入が増加し契約一時金収入の減少を相殺しました。マイルストン収入は、前連結会計年度は8件1,963百万円であったのに対し、当連結会計年度は第Ⅱ相臨床試験開始など大きな進捗が見られた結果、5件6,429百万円に増加しました。前受金取崩額減少の主な要因は、その主な構成要素である数年前に行った創薬提携が、初期の研究開発目標を達成しつつあることに伴うものです。なお、当社グループの収益の大半が米ドルでの取引であるため、当連結会計年度においてドル相場が高い水準で推移したことは、売上収益を下支えする要因の一つとなりました。
当連結会計年度のロイヤリティに関する収益は、前連結会計年度比253百万円増加し、2,564百万円となりました。これは導出先であるNovartis International AG(以下「ノバルティス社」)(注)によるウルティブロ® ブリーズヘラー®、シーブリ® ブリーズヘラー®及びエナジア® ブリーズヘラー®の売上に関連するものです。
(注) グリコピロニウム臭化物とその製剤の独占的開発・販売権は、2005年4月に、当社グループ及び共同開発パートナーであるVectura社からノバルティス社に導出しています。シーブリ®、ウルティブロ®、エナジア®及びブリーズヘラー®はノバルティス社の登録商標です。
(営業費用)
売上原価
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度比7百万円減少し、926百万円となりました。売上原価は、医薬品の売上に対する原価及び顧客に向けた研究開発サービスに関する内部コストから構成されています。
研究開発費
当連結会計年度の研究開発費は、前連結会計年度比1,523百万円増加し、7,454百万円となりました。これは主に、当社グループが独自で行う創薬及び初期開発への投資の増加、医薬品の開発を加速させるための構造改革費用、円安の影響、及びインフレに伴うコスト上昇によるものです。また、研究者に関する株式報酬費用をより適正に表示するため販売費及び一般管理費から研究開発費に振り替えたことにより費用が増加しております。
研究開発費全体の98%は英国における活動によるものです。
販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比437百万円増加し、4,377百万円となりました。これは主に、医薬品の開発を加速させるための構造改革費用、円安の影響及びインフレに伴うコスト上昇によるものです。また、研究者に対する株式報酬費用をより適正に表示するため、販売費及び一般管理費から研究開発費に振り替えたことにより、増加による影響が一部相殺されております。
その他の収益及びその他の費用
当連結会計年度のその他の収益及びその他の費用の純額は、前連結会計年度比3,757百万円増加し、624百万円の収益となりました。これは主に、前連結会計年度において提携先が一部の導出品の臨床試験を進展させない決定をしたことに伴い、無形資産3,138百万円を減損した一方で、当連結会計年度においては減損の発生がなかったことによるものです。加えて、当連結会計年度において英国における研究開発税額控除が増加しております。
(営業損益)
当連結会計年度の営業損益は、前連結会計年度比339百万円悪化し、3,436百万円の営業利益となりました。これは主に、上述の売上収益が減少したこと及び研究開発費が増加したことによるものです。
金融収益及び金融費用
当連結会計年度の金融収益及び金融費用の純額は、前連結会計年度比3,505百万円改善し、93百万円の費用超過となりました。これは主に、2021年7月に額面16,000百万円の社債の買入消却を行い、新たに額面30,000百万円の社債を発行したことにより、当連結会計年度の社債に対する償却原価の費用が増加した一方で、英国における金利上昇に伴い預金利息が増加したこと、及び前連結会計年度においてニューロクライン社との取引に関連する条件付対価実現損を計上したことによるものです(当連結会計年度においては発生しておりません)。
持分法による投資損益
当連結会計年度の持分法投資損益は、前連結会計年度比479百万円悪化し、429百万円の損失となりました。これは関連会社であったMiNA (Holdings) Limited(以下「MiNA社」)において前連結会計年度は利益であったことに対し、当連結会計年度は契約一時金収入の発生がなく損失になったことによるものです。当社グループは2022年10月以降、MiNA社に対し重要な影響力を有していないとの判断の下、持分法適用の関連会社から除外いたしました。
持分法で会計処理されている投資の減損損失及び減損損失戻入益
当連結会計年度の持分法で会計処理されている投資の減損損失は、1,836百万円となりました。これは関連会社であったMiNA社の公正価値が減少したことによるものです。また前連結会計年度の持分法で会計処理されている投資の減損損失戻入益は206百万円でした。これは、2021年4月に譲渡した関連会社であるJITSUBO株式会社の公正価値が増加したことによるものです。
(税引前当期損益)
当連結会計年度の税引前当期損益は、前連結会計年度比645百万円改善し、1,078百万円の利益となりました。これは上述で説明した複合的な影響によるものです。
法人所得税費用
当連結会計年度の法人所得税費用は696百万円(前連結会計年度は△584百万円)となりました。これは主に子会社であるHeptares Therapeutics Ltd.の継続的な成長に伴い、英国における研究開発費に関連する税制上の優遇措置の適用がなくなったことにより、同社の法人所得税が増加したことによるものです。
(当期損益)
当連結会計年度の当期損益は、前連結会計年度比635百万円悪化し、382百万円の利益となりました。これは上述で説明した複合的な影響によるものです。
(代替業績評価指標:コア営業損益)
コア営業損益は、中核事業の潜在的な経常キャッシュ創出能力を示すために、重要な非現金支出費用及び一時的な費用を調整した代替的な業績評価指標です。
当連結会計年度のコア営業損益は、前連結会計年度比3,048百万円悪化し、5,856百万円の利益となりました。コア営業利益が悪化した主な要因は、上述の理由により当期の売上収益が減少したこと、及び当社グループの成長戦略に沿った研究開発費への投資が増加したことによるものです。
コア営業損益はIFRSの営業損益に対して以下の調整を行い算出しております。
・ 有形固定資産の減価償却費563百万円(前連結会計年度比22百万円増加)
・ 無形資産の償却費782百万円(前連結会計年度比45百万円増加)
・ 株式報酬費用542百万円(前連結会計年度比171百万円減少)
・ 構造改革費用533百万円(うち158百万円は構造改革に係る株式報酬費用の加速償却による影響)
構造改革費用は2022年2月1日に発表した執行体制の変更に伴う費用となります。
・ 減損損失 当連結会計年度発生なし(前連結会計年度3,138百万円計上)
主に前連結会計年度において、提携先が一部の導出品の臨床試験を進展させない決定をしたことに伴い無形資産の減損損失を計上したことによるものです。
当連結会計年度の財政状態の分析は以下のとおりです。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,432百万円増加し、99,417百万円となりました。これは主に、当社グループが保有するMiNA社の株式に対する減損損失を計上したこと、及びCentessa Pharmaceutical plc. の株価下落によりその他の金融資産が減少した一方で、アッヴィ社やイーライリリー社との契約一時金77百万米ドルを受領したことに伴い現金及び現金同等物が増加したこと、及び円安ポンド高により当社連結子会社であるHeptares Therapeutics Ltd.が保有する資産の円換算額が増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,964百万円増加し、41,481百万円となりました。これは主に、Heptares Therapeutics Ltd.の旧株主に対して条件付対価の支払いを行ったことにより企業結合による条件付対価が減少した一方で、アッヴィ社やイーライリリー社など新たな提携により前受収益が増加したことによるものです。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ468百万円増加し、57,936百万円となりました。これは主に、当期利益を計上したことによるものです。
なお、現金及び現金同等物並びに有利子負債の総資産に占める比率及び親会社所有者帰属持分比率は、それぞれ66.9%、29.9%、58.3%となります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ6,470百万円増加し、当連結会計年度末は66,557百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、9,952百万円の収入となりました。これは主に、売上に係る現金収入が営業に関する現金支出を上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、1,043百万円の収入となりました。これは主に、Biohaven Pharmaceutical Holdings Company Ltd.の株式の公開買付に応じたことによる株式の売却収入によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、4,887百万円の支出となりました。これは主に、Heptares Therapeutics Ltd.の前株主に対する条件付対価の支払い4,680百万円によるものです。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、共同開発やライセンス契約に基づく、提携パートナー企業からの契約一時金及びマイルストン収入並びにロイヤリティ収入により事業を推進するための運転資金を創出しています。また、持株会社である当社の新株発行、社債発行及び借入等により運転資金及び事業買収にかかる資金を調達しています。
当社の主な資金需要は規制当局からの承認を得るための継続的な候補薬の開発に関するものであり、現在保有している候補薬や将来における自社開発パイプラインの研究開発や臨床試験を進める投資を継続していきます。
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 9.金融商品 (1) 資本管理」に、資本管理に関する定量的情報を記載しております。
(4) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業は医薬事業の単一セグメントであります。
販売実績は主に開発進捗に伴う契約一時金及びマイルストン収入並びにロイヤリティ収入であり、仕入及び受注との関連はありません。
① 仕入実績
当連結会計年度における重要な仕入実績はありません。
② 受注実績
当連結会計年度における重要な受注実績はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は以下のとおりです。
|
区分 |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
前連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
増減率 (%) |
|
契約一時金及びマイルストン収入 |
12,063 |
14,667 |
△17.8 |
|
ロイヤリティ収入 |
2,564 |
2,311 |
10.9 |
|
医薬品販売 |
80 |
28 |
185.7 |
|
その他 |
862 |
706 |
22.1 |
|
合計 |
15,569 |
17,712 |
△12.1 |
(注)前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりです。なお、下記には、顧客のグループ会社の金額も含めて記載しております。
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相手先 |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
前連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
Neurocrine Biosciences Inc. |
4,138 |
26.58 |
11,408 |
64.41 |
|
Eli Lilly and Company |
3,429 |
22.02 |
- |
- |
|
AbbVie Inc. |
2,849 |
18.30 |
301 |
1.70 |
|
Novartis International AG |
2,564 |
16.47 |
2,311 |
13.05 |
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況、1.連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、連結財務諸表注記 3.重要な会計方針、4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。
なお、会計上の見積りにおけるCOVID-19の影響については、「第5 経理の状況、1.連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、連結財務諸表注記 33.追加情報」に記載のとおりです。
当連結会計年度における当社グループの経営上の重要な契約は、以下のとおりです。
(1) そーせいグループ株式会社を当事者とする契約
① Heptares Therapeutics Ltd.の100%子会社化に係る契約
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契約名 |
Share Purchase Agreement |
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相手方 |
Heptares Therapeutics Ltd.元株主105名 |
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契約締結日 |
2015年2月20日 |
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契約期間 |
期間の定めなし |
|
主な契約内容 |
当社は、Heptares Therapeutics Ltd.の発行済全株式を取得し、その対価として180百万米ドル及び契約に定める一定の事由の発生によりHeptares Therapeutics Ltd.がマイルストン又はロイヤリティ収入を受領した場合に支払われる最大220百万米ドルの条件付対価の合計、最大400百万米ドルを支払う。 |
② コミットメントライン契約
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契約名 |
コミットメントライン契約書 |
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相手方 |
株式会社みずほ銀行をアレンジャー兼エージェントとする金融機関 |
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契約締結日 |
2022年12月30日 |
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借入限度額 |
50億円 |
|
コミットメント期間 |
2022年12月30日から2023年12月29日まで。ただし、2024年12月30日または2025年12月30日まで延長することができる。 |
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担保 |
無担保 |
(2) Heptares Therapeutics Ltd.を当事者とする契約
① ライセンスに関する契約
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契約名 |
License Agreement |
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相手方 |
Novartis International Pharmaceutical Ltd., Vectura Group Plc. |
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契約締結日 |
2005年4月12日 |
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契約期間 |
契約締結日から①Sosei R&D Ltd.及び共同ライセンサーであるVectura Group Plc.が許諾した最後の特許が満了する日、又は②Sosei R&D Ltd.又は実施権者により商業化された最後の商品の最初の発売日から10年が経過した日のいずれか遅い日まで |
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主な契約内容 |
Sosei R&D Ltd.及びVectura Group Plc.はNovartis International Pharmaceutical Ltd.に対し、NVA237及びQVA149の全世界における開発及び商業化の独占的権利を許諾する。 (Sosei R&D Ltd.の契約をHeptares Therapeutics Ltd.が承継) |
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契約名 |
Research and License Agreement |
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相手方 |
AstraZeneca UK Limited |
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契約締結日 |
2015年8月6日 |
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契約期間 |
契約発効日(米国独占禁止法令による待機期間満了日)から対象製品及び対象国ごとに、①対象特許権等の特許期間満了日、②法令上の独占期間の終了日又は③市販開始から10年経過後又は後発医薬品の販売日のいずれか早い日のうち、最も遅い日まで |
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主な契約内容 |
Heptares Therapeutics Ltd.は、AstraZeneca UK Limitedに対しアデノシンA2A受容体拮抗薬HTL一1O71 の全世界における独占的開発、製造販売権を許諾し、その対価として、契約一時金、マイルストン及びロイヤリティを受領。また、両社は、共同研究プログラムを実施。 |
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契約名 |
Research Collaboration and License Agreement |
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相手方 |
Pfizer Inc. |
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契約締結日 |
2015年11月18日 |
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契約期間 |
契約締結日から対象製品及び対象国ごとに、①対象特許権等の最終の特許期間満了日又は②市販開始から10年経過後のいずれか遅い日まで |
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主な契約内容 |
Heptares Therapeutics Ltd.は、複数の領域における最大 10 種の GPCR ターゲットに関する新規医薬品の独占的開発・製造販売権をPfizer Inc.に許諾し、これによりPfizer Inc.から開発・販売マイルストン及び売上高に応じたロイヤリティを受領。 |
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契約名 |
Research Collaboration and License Agreement |
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相手方 |
Genentech, Inc. |
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契約締結日 |
2019年7月12日 |
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契約期間 |
契約締結日から対象製品及び対象国ごとに、①対象特許権等の特許期間満了日又は②市販開始から10年経過する日のいずれか遅い日まで |
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主な契約内容 |
複数のGPCRターゲットを対象として両社は共同開発を実施し、Heptares Therapeutics Ltd.はGenentech, Inc.に対し、特定された独占的ターゲットについて、全世界における独占的開発、製造販売権を許諾し、その対価として、契約一時金、マイルストン及びロイヤリティを受領する。 |
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契約名 |
Multi-Target Collaboration Agreement |
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相手方 |
Millennium Pharmaceuticals, Inc.(武田薬品工業株式会社の100%子会社) |
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契約締結日 |
2019年8月2日 |
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契約期間 |
契約締結日から対象製品及び対象国ごとに、①対象特許権等の特許期間満了日、②市販開始から10年経過後又は③法令上の独占期間の終了日のいずれか遅い日まで |
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主な契約内容 |
Heptares Therapeutics Ltd.は、提携の対象として選定された複数のGPCRターゲットについて、Millennium Pharmaceuticals, Inc.に対し全世界における独占的開発、製造販売権を許諾し、その対価として、契約一時金、マイルストン及びロイヤリティを受領。また、両社は、共同研究プログラムを実施。 |
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契約名 |
Collaboration and Option to License Agreement |
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相手方 |
AbbVie Ireland Unlimited Company |
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契約締結日 |
2020年6月24日 |
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契約期間 |
契約締結日から対象製品及び対象国ごとに、①対象特許権等の特許期間満了日、②市販開始から10年経過後又は③法令上の独占期間の終了日のいずれか遅い日まで |
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主な契約内容 |
Heptares Therapeutics Ltd.とAbbVie Ireland Unlimited Companyは、共同開発により新規医薬品候補を見出し、Heptares Therapeutics Ltd.は、AbbVie Ireland Unlimited Companyに対しグローバルな開発・販売を行うことの独占的ライセンスオプションを許諾。その対価として、契約一時金と初期マイルストン、マイルストン及び販売高に応じた段階的ロイヤリティを受領。また、AbbVie Ireland Unlimited Companyは合計で最大4種までターゲットを拡大できるオプションを保持。 |
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契約名 |
Collaboration and License Agreement |
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相手方 |
Tempero Bio, Inc. |
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契約締結日 |
2020年11月2日 |
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契約期間 |
契約締結日から対象製品及び対象国ごとに、①対象特許権等の特許期間満了日又は②市販開始から10年経過後のいずれか遅い日まで |
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主な契約内容 |
Heptares Therapeutics Ltd.は、Tempero Bio, Inc.に対し、開発候補品HTL0014242を含む、代謝型グルタミン酸受容体5(mGlu5)NAMのポートフォリオに関するグローバルでの独占的権利を許諾し、その対価として、契約一時金および戦略的株式持分としてTempero Bio, Inc.の株式、マイルストン及びロイヤルティを受領。 |
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契約名 |
Global Collaboration and License Agreement |
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相手方 |
Biohaven Pharmaceutical Holding Company Ltd. |
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契約締結日 |
2020年11月30日 |
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契約期間 |
契約締結日から対象製品及び対象国ごとに、①対象特許権等の特許期間満了日、②市販開始から10年経過後又は③法令上の独占期間の終了日のいずれか遅い日まで |
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主な契約内容 |
Heptares Therapeutics Ltd.は、Biohaven Pharmaceutical Holding Company Ltd.に対し、新規低分子 CGRP 受容体拮抗薬ポートフォリオの開発・製造および販売に関するグローバルな独占的権利を許諾し、その対価として、契約一時金、マイルストン及びロイヤリティを受領。 |
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契約名 |
Collaboration and Licence Agreement |
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相手方 |
GlaxoSmithKline Intellectual Property (No.5) Limited |
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契約締結日 |
2020年12月18日 |
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契約期間 |
契約締結日から対象製品及び対象国ごとに、①対象特許権等の特許期間満了日、②市販開始から10年経過後又は③法令上の独占期間の終了日のいずれか遅い日まで |
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主な契約内容 |
Heptares Therapeutics Ltd.は、GlaxoSmithKline Intellectual Property (No.5) Limitedに対し、GPR35 受容体作動薬ポートフォリオに対する独占的開発、製造販売権を許諾し、その対価として、契約一時金、マイルストン及びロイヤリティを受領。 |
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契約名 |
Collaboration and License Agreement |
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相手方 |
Neurocrine Biosciences, Inc. |
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契約締結日 |
2021年11月22日 |
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契約期間 |
契約締結日から対象製品及び対象国ごとに、①対象特許権等の特許期間満了日、②市販開始から10年経過後又は③法令上の独占期間の終了日のいずれか遅い日まで |
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主な契約内容 |
Heptares Therapeutics Ltd.は、アルツハイマー病等の神経系疾患を適応とする新規ムスカリン受容体サブタイプ選択的作動薬化合物群に関する独占的開発・製造販売権をNeurocrine Biosciences, Inc.に許諾し、その対価として、契約一時金、開発・販売マイルストン及び売上高に応じたロイヤリティを受領。 |
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契約名 |
Amendment to Collaboration and Option to License Agreement |
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相手方 |
AbbVie Global Enterprises Ltd. |
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契約締結日 |
2022年8月1日 |
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契約期間 |
契約締結日から対象製品及び対象国ごとに、①対象特許権等の特許期間満了日、②市販開始から10年経過後又は③法令上の独占期間の終了日のいずれか遅い日まで |
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主な契約内容 |
Heptares Therapeutics Ltd.とAbbVie Global Enterprises Ltd.は、共同開発により神経疾患におけるターゲットを対象とした新規医薬候補品を見出し、Heptares Therapeutics Ltd.は、AbbVie Global Enterprises Ltd.に対しグローバルな開発・販売を行うことの独占的ライセンスオプションを許諾。その対価として、契約一時金と初期マイルストン、マイルストン及び販売高に応じた段階的ロイヤリティを受領。 |
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契約名 |
Multi-Target Collaboration and License Agreement |
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相手方 |
Eli Lilly and Company |
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契約締結日 |
2022年12月15日 |
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契約期間 |
契約締結日から対象製品及び対象国ごとに、①対象特許権等の特許期間満了日、②市販開始から10年経過後又は③法令上の独占期間の終了日のいずれか遅い日まで |
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主な契約内容 |
Heptares Therapeutics Ltd.とEli Lilly and Companyは、共同開発により糖尿病・代謝性疾患における複数ターゲットを対象とした新規医薬候補品を見出し、Heptares Therapeutics Ltd.は、Eli Lilly and Companyに対し全世界における独占的開発、製造販売権を許諾し、その対価として、契約一時金、マイルストン及び段階的ロイヤリティを受領。 |
当社グループは、製品開発型のバイオ医薬品企業として、経営資源を医薬品の研究開発活動に集中しています。研究開発費は、当社グループが保有する開発品の開発費、次期開発候補品の探索及び創薬基盤技術の研究に係る費用で構成されています。
当連結会計年度における、IFRSに基づく当社グループの研究開発費は
研究開発活動の具体的な内容は、以下のとおりです。
(1) 世界をリードするStaR®及びSBDD創薬力の拡大・強化
① Verily Life Sciences LLC-免疫疾患関連の新規ターゲット同定と新薬候補創出
2022年1月6日、当社グループは、Alphabet傘下のプレシジョン・ヘルス企業であるVerily Life Sciences LLC(以下「Verily社」)と戦略的研究開発提携を締結したことを発表しました。本研究開発提携では、Verily社の持つ免疫プロファイリング能力と、当社グループの持つGPCR構造ベース創薬技術を集約します。本提携の目的は以下の通りです。
・特に免疫疾患、消化器疾患、がん免疫疾患、及びその他の免疫防御性あるいは免疫病原性疾患における、免疫細胞内でのGPCRの機能解明
・創薬ターゲットとして有望なGPCRの抽出、優先順位付け及び検証
・これらのGPCRに作用する新薬候補の創出と開発
Verily社独自のImmune Profilerは、Verily社の研究所で行われる免疫細胞の精密な表現型の分析と、それらの膨大なデータを処理する高度なコンピュータ技術を組み合わせた、未だ十分に解明されていない免疫機能の全体像を解き明かす、次世代の免疫解析プラットフォームです。本プラットフォームは、免疫機能を調節し、疾患を改善する可能性のある創薬ターゲットとして有望なGPCRの特定に利用されます。今後本提携では、当社グループが有する世界最先端のStaR®技術とSBDDに関する専門知識を活用して、創薬ターゲットとして有望なGPCRの優先順位を明確化し、さらなる開発または導出のためのリード化合物の創出を目指します。本提携開始から半年でターゲットの特定と優先順位付けという最初のマイルストンを達成し、ヒットの検証・生成、リード選定に入りました。
② Kallyope Inc.-消化器疾患関連の複数のGPCRの同定と検証
2022年5月17日、当社グループは、腸脳軸に着目した創薬のパイオニアであるKallyope Inc.(以下「Kallyope社」)と、消化器疾患領域における創薬プログラム創出に向け、新規GPCRターゲットの同定と検証を目的とした戦略的研究開発提携を締結したことを発表しました。本提携により、当社グループのGPCRに特化した化合物ライブラリー及び専門知識と、シングルセル解析、回路マッピングに関する計算生物学、及び表現型スクリーニングを組み合わせたKallyope社の革新的な脳腸軸におけるプラットフォームを活用します。これにより両社は、新規の消化器疾患治療薬ターゲットとなるGPCRの優先順位付けと検証を行い、これらのターゲットに作用する新規低分子化合物の開発を進めます。
③ オックスフォード大学及びルーヴェン大学-消化器疾患と免疫疾患に関わるGPCR発掘のための共同研究契約
2022年12月8日、当社グループは、英国オックスフォード大学のMRCウェザーオール分子医学研究所及びベルギーのルーヴェン・カトリック大学とトランスレーショナルメディシン及び共同研究に関する契約を締結したことを発表しました。本共同研究では、それぞれの学術グループの革新的なテクノロジーと研究力を応用し、炎症性腸疾患を含む消化器疾患及び免疫疾患を引き起こす主要なGPCRの同定、バリデーション及びSBDDのターゲットとしての優先順位付けに注力します。
(2) 大手グローバル製薬企業との既存の提携の推進及び継続的な収益確保への取り組み
① AbbVie Inc.との提携
2022年8月1日(英国時間)、当社グループは、研究開発型のバイオ医薬品企業であるアッヴィ社と新規創薬提携及びライセンスのオプション契約を締結したことを発表しました。この契約により両社は、神経疾患を対象に、GPCRに作用する低分子の研究開発と商品化を目指します。本提携は、当社グループのStaR®技術及びSBDDプラットフォームと、アッヴィ社の神経科学及び治療領域に関する広範な専門知識を活用するものです。本契約は、2020年6月に両社が締結した炎症性疾患及び自己免疫疾患を標的とした最初の複数ターゲットを対象とする創薬提携契約の範囲を、さらに拡大するものです。
本契約に基づき、当社グループは、新薬臨床試験開始申請(以下「IND」)までの研究開発活動を行い、研究開発資金を負担します。アッヴィ社は、現段階で最大3つのプログラムについて独占的なライセンスオプションを有し、その後の臨床試験、申請・承認、商業化を担います。当社グループは、契約締結時に40百万米ドルを受領し、今後3年間で最大40百万米ドルの初期開発マイルストンを受領する権利を有しており、さらにオプション、開発・販売の達成に応じた、最大12億米ドルのマイルストンに加えて、グローバルでの販売高に応じた段階的ロイヤリティを受領する権利を有しています。本契約一時金は2022年第3四半期に一括で受領しましたが、IFRSの収益認識に関する会計基準に基づき、当社の履行義務の充足に応じ認識した収益計上額につき、2022年第3四半期、第4四半期に計上され、またそれ以降の一定期間にわたり計上される予定です。
2022年12月13日、当社グループは、アッヴィ社との炎症性疾患及び自己免疫疾患を対象とした創薬提携において、研究段階における重要なマイルストンを達成したことを発表しました。この成果により、当社グループは10百万米ドルを受領しました。
② Neurocrine Biosciences, Inc.との提携
2022年8月4日(英国時間)、当社グループは、提携先であるニューロクライン社から、統合失調症の成人を対象としたNBI-1117568の第Ⅱ相臨床試験のINDが米国食品医薬品局(以下「FDA」)に受理され、試験開始可能になったことが通知されたと発表しました。この臨床開発におけるマイルストンの達成により、当社グループはニューロクライン社から30百万米ドルを受領しました。NBI-1117568は、統合失調症及びその他の精神神経疾患治療薬として開発中の経口の選択的ムスカリンM4受容体作動薬です。本候補化合物は、選択的なM4オルソステリック作動薬であることから、非選択的なムスカリン作動薬では必要とされる、副作用を最小限に抑えるための併用療法を用いることなく治療効果を発揮する可能性があり、また、ポジティブ・アロステリック・モジュレーターと比較してアセチルコリン(ACh)の協同作用を必要としない点が特徴です。これまでの臨床試験で、NBI-1117568は一般的に良好な忍容性を示すことが確認されています。NBI-1117568は、当社グループが見出し、ニューロクライン社が主要な神経疾患の治療のために開発中であり、臨床及び前臨床段階にある新規サブタイプ選択的ムスカリンM4、M1及びM1/M4デュアル受容体作動薬の広範なポートフォリオの中で最も開発段階が進んだ候補化合物です。また、ニューロクライン社は、前臨床試験が完了次第、M1/M4デュアル及び選択的M1受容体作動薬の第Ⅰ相臨床試験を開始する予定です。これらの化合物の臨床試験開始に伴い、当社グループはニューロクライン社から、さらなるマイルストンを受領する権利を有しています。
2022年10月28日、当社グループは、提携先であるニューロクライン社が、統合失調症の成人を対象としたNBI-1117568の有効性、安全性、忍容性及び薬物動態を評価する、無作為化、プラセボ対照第Ⅱ相臨床試験を開始したことを発表しました。NBI-1117568の第Ⅱ相臨床試験は、約200名の成人を対象とし、米国内の15施設で実施されます。この試験では、NBI-1117568の複数の投与量を評価します。主要評価項目は、6週目までの陽性・陰性症状評価尺度(PANSS:Positive and Negative Syndrome Scale)の総スコアの、ベースラインからの変化です。なお、本件によるマイルストンの支払いは発生しません。
③ Eli Lilly and Companyとの提携
2022年12月16日、当社グループは、グローバルなバイオ医薬品企業であるイーライリリー社と新規創薬提携契約を締結したことを発表しました。本契約により両社は、糖尿病及び代謝性疾患を対象に、GPCRに作用する低分子の研究、開発及び商業化を目指します。本提携は、当社グループのStaR®技術及びSBDDプラットフォームと、イーライリリー社の医薬品開発、商業化、加えて糖尿病・代謝性疾患における専門知識を活用するものです。当社グループは、イーライリリー社が選定する複数のGPCRターゲットに対して、研究開発・商業化に向けた、選択性の高い新規の低分子化合物の創出に注力します。本契約に基づき、当社グループは、契約一時金37百万米ドルを受領し、さらに開発・販売に応じた最大694百万米ドルのマイルストンに加えて、段階的ロイヤリティを受領する権利を有しています。本契約一時金は2022年第4四半期に一括で受領しましたが、IFRSの収益認識に関する会計基準に基づき、2022年第4四半期、またそれ以降の一定期間にわたり計上される予定であり、収益計上額は当社の履行義務の充足に応じ認識してまいります。
④ Pfizer Inc.との提携
2022年12月21日、当社グループは、ファイザー社から、ファイザー社の新薬開発候補品であるPF-07081532の第Ⅱ相臨床試験において最初の被験者への投与が行われたことが通知されたと発表しました。このマイルストンの達成により、当社グループはファイザー社から10百万米ドルを受領しました。PF-07081532は、2型糖尿病及び肥満症の治療薬として開発中で、1日1回の経口投与を可能とする次世代の低分子GLP-1受容体作動薬です。PF-07081532 は、ファイザー社が当社グループ独自のStaR®技術を利用し、複数のターゲットを対象とした研究開発提携においてファイザー社の研究者が見出したものです。ファイザー社が実施したPF-07081532の第Ⅰ相臨床試験は、成功裏に完了しています。PF-07081532は、当社グループとの複数のターゲットを対象とした研究開発提携においてファイザー社が選定した3品目の新薬開発候補品のうちの1つであり、現在、以下に示す他の2品目についても、第Ⅰ相臨床試験が進行中です。
・PF-07054894(炎症性腸疾患におけるCCR6受容体拮抗薬)
・PF-07258669(拒食症におけるMC4受容体拮抗薬)
(3) 生産性と付加価値、そして成功確率を高めるために、研究開発体制をプログラム重視型モデルに転換
① Weatherden Limited-アジャイル開発の導入とトランスレーショナルメディシン機能の強化のための戦略的提携
2022年4月26日、当社グループは、研究開発及び臨床開発を専門とするコンサルティンググループであるWeatherden Limited(以下「Weatherden社」)と戦略的提携を締結したことを発表しました。本提携により、当社グループの世界最先端のGPCR構造ベース創薬プラットフォーム及び専門知識と、Weatherden社のトランスレーショナルメディシン及び医薬品開発の専門知識を活用し、業界最高レベルの創薬・開発チームに支えられたアジャイル開発モデルの構築を目指します。その目的は、複数のプログラムの優先順位付けと開発の加速により、迅速に第Ⅰb/Ⅱa相臨床試験での臨床コンセプトを実証(POCの取得)することにあります。臨床コンセプトの実証は、価値の高いグローバルでのライセンス及び研究開発契約の締結を推進し、大きな利益を上げ、当社グループの成長を長期的に加速させるための重要な転換点です。当社グループは、Weatherden社の豊富な経験、科学的専門知識、データに基づくアプローチに加え、医薬品アセットの評価・開発の商業化についての重点的な取り組みを活かし、パイプライン強化のために、より明確に選択と集中を進める体制と技術的専門知識を融合します。当社グループは以下により、意思決定と価値創出の最適化を目指します。
・新しい効率的な創薬・開発方法を創出すること
・世界をリードする科学技術の、患者さまの生活を一変させる治療薬への変換を加速すること
・厳選した自社開発プログラムを臨床試験段階に進めることにより、提携の機会を最大化すること
② 英国ケンブリッジの研究開発拠点の拡大
2022年5月26日、当社グループは、ケンブリッジのグランタ・パーク内にある研究開発拠点を、同パーク内の2つ目の施設に拡大したことを発表しました。この研究開発機能の拡大は、当社グループが複数プログラムの自社開発を実施し、加えて大手企業の研究開発パートナーとしてのポジションをより強固にするものです。
③ 自社開発品3品目を臨床試験に進めるための取り組み
プログラム重視型モデルへの転換、ターゲットの機能への深い理解、トランスレーショナルメディシンへの注力という新たな方針に基づき、以下の3つの候補品を筆頭に、迅速な臨床POC確立を目指していきます。
・経口EP4受容体拮抗薬(HTL0039732) - 固形がんに対するがん免疫療法薬候補であり、2022年7月22日、世界最大の民間がん研究基金であるCancer Research UK(英国王立がん研究基金)と、初の臨床試験(FIH試験)の実施契約の締結を発表。
・経口GPR52受容体作動薬 - 統合失調症及び精神疾患における陽性症状、陰性症状、認知機能障害を、既存の抗精神疾患薬に見られるような副作用なしに治療できる可能性を持つ。
・経口EP4受容体作動薬 - 炎症性腸疾患治療薬候補であり、消化管に限定的に作用し、抗炎症作用と粘膜治癒を促進することによる腸管バリアー保護作用を併せ持つ。様々な前臨床モデルにおいて良好な有効性を示す。
(4) 日本における有数の商業化ビジネスの構築
2022年、当社グループは、日本での臨床開発~販売体制をアジャイルかつ拡大可能な形で構築し、日本という大きく魅力的な市場で、見逃されている市場の発掘に取り組むことを発表しました。今後、数年間でこれらのビジネス構築に取り組んでまいります。この背景としては、日本が米国、中国に次ぐ第3位の医薬品市場であり、高齢化が進み、国民皆保険制度を備えているためです。当社グループは、まずは、開発リスクの低い、海外で承認済あるいは後期臨床開発段階の開発品の導入を行い、中長期的には自社品の開発により、さらなるパイプラインの拡充を図ります。