第2 【事業の状況】
当社グループは「チームワークあふれる社会を創る」という企業理念のもと、情報共有の基盤となるソフトウェアを提供することを主な事業領域としております。また、あわせて組織やチームの制度や風土を生み出すためのメソッドをセミナーや研修等として提供しております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
クラウドサービスの売上が堅調に増加している中、将来の収益力を一層高めるため、引き続き、クラウドサービス成長のための投資やグローバル体制の強化に努めてまいります。
○新規顧客の獲得及びパートナー制度の拡充
クラウドサービスの安定運用を継続して信頼度をさらに高めてまいります。また、当期まで強化してきた広告宣伝による認知度向上効果を活かし、販売促進や契約継続・増加のための施策を強化するなど、さらに多くのユーザーの皆様にご利用いただけるような製品のアップデートや営業・マーケティング活動に取り組んでまいります。さらには、オフィシャルパートナープログラム「Cybozu Partner Network」により、クラウド時代に合ったパートナー企業への情報発信や支援内容を強化し、お客様へのサイボウズ製品の提案・構築をさらに拡充させていくとともに、地方銀行など新たな業界との協業に取り組む等、パートナーチャネルの拡大にも引き続き注力してまいります。
○グローバル展開
重点的に注力してきた米国市場に加えて、中華圏、東南アジア、オーストラリア、台湾など世界各地にエコシステムを広げるため、グローバルに横展開できるモデルを作りながら、現地パートナー企業の開拓や拠点開拓を進めてまいります。また、株式会社リコーとの協業開始に伴い、米国では組織体制の強化や販売マーケティング施策に注力し、同社が強みとするグローバルでの直接販売を中心としたチャネル・サポート網を活かすことで、「kintone」の提供拡大に取り組んでまいります。
○組織・体制の強化
我々自身も、チームワークあふれ、より長期的に生産性が向上するチームとなることを目指しております。そのために、引き続き積極的な人材採用と育成、多様性を尊重する風土や制度を発展させてまいります。さらに、グローバル規模で事業拡大していくに当たり、国外拠点における事業ノウハウを効率よく吸収し、社内の連携を一層推進してまいります。
また、引き続き新しい組織運営の実現に向けて取り組んでまいります。当社では、役職員の「誰もが取締役的な役割を担う」と考えております。徹底的に情報をオープンにし、一人ひとりが自立心を持って質問責任を果たし、意思決定者がオープンな場で説明責任を果たす。それにより、株主に選任された取締役のみによるガバナンスを超える組織が実現できると考えております。そこで、当社では、会社法に沿った組織運営をしつつも、「取締役は、理想の番人として選任される」という新しいマネジメントの実現に挑戦しております。さらに、当社では、経営に関する意思決定や議論の場として、取締役と各本部の責任者が部門の垣根を越えて共有、議論するための経営会議を開催しております。これら重要な意思決定においては多角的かつ多面的な視点での議論が重要となりますが、当社では「公明正大」や「議論」を尊重する考えに基づき、監査役を含む全役職員が経営会議にいつでも参加、議論することができることとしております。また、その議事録も共有されているため、議論内容について適宜質問や意見を発信することもできます(インサイダー情報やプライバシー情報を除きます。)。もちろん経営に関する意思決定のみならず、日々の業務においても情報の公開と共有がなされているとともに、「質問責任」や「説明責任」、「議論」を歓迎する等の、企業風土醸成も同時に行い、極めて透明性の高い意思決定プロセスとなるよう改善を続けております。
○クラウドサービス事業者として信頼される内部統制体制の整備
クラウドサービス事業を推進するに当たり、情報セキュリティを含む内部統制体制への信頼性確保の重要性が高まっております。
そのような中で、当社グループは、海外拠点を含め、「公明正大」の考え方のもと、統制の仕組み化(ルール化、見える化、効率化)をより一層強化し、引き続き株主、ユーザー、パートナー企業、その他ステークホルダーの皆様からの信頼を確保すべく、内部統制体制の整備に注力してまいります。
以下、当社グループの事業等において、リスクの要因となる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に対する投資判断は本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の事項においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
1. 事業環境に関するリスク
① 市場環境の変化について
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大 ]
当社グループが製品、サービスの開発において利用しているインターネット、クラウドサービス関連技術は技術革新の進歩が速く、それに応じて業界標準及び利用者のニーズも急速に変化しています。このような変化に対応するため、新製品、サービスも相次いで登場しています。これらの新たな技術革新や利用者ニーズへの対応が遅れた場合、当社グループの提供する製品、サービス及びクラウドサービス環境等が陳腐化し、競合他社に対する競争力の低下を招く可能性があり、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。
② 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:直近1~3年 影響度:低~中 ]
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、エンドユーザの事業状況により一部解約の状況が発生する一方で、長期化するコロナ禍において社会におけるテレワーク推進の流れは加速しており、当社グループ製品・サービスが注目されている状況でもあります。また、当社グループは、従来からテレワークをはじめ柔軟な働き方に対応した業務環境の整備等を推進していたということもあり、営業活動及び採用活動や、自社製品の開発計画やクラウドサービス基盤の運用・保守体制等についても大きな変更はなく、現時点において新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による事業活動等への重大な影響はないと考えております。
2. 事業の拡大・海外展開に関するリスク
① 事業拡大及び投資について
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中~大 ]
(a) 人材の採用・育成
今後の業容の拡大を図る中で、各事業において、専門性を有する人材の採用・育成は不可欠であると認識しております。現時点では人材の採用・育成に重大な支障が生じることは無いものと認識しておりますが、今後各事業において人材獲得競争が今以上に激化し、優秀な人材の採用がさらに困難となる場合や在職している人材の社外流出が大きく生じた場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(b) 関係会社等への投資に関わるリスク
当社グループが投資を行っている関係会社等について、経営環境の変化等を要因として回収可能性が低下する可能性があり、また、投資の流動性の低さ等を要因として当社グループが望む時期や方法で事業再編が行えない可能性があります。そのため、投資の全部又は一部が損失となる、あるいは、追加資金拠出が必要となる等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 海外事業展開について
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中 ]
当社グループはグローバルな事業展開を進めておりますが、海外市場への事業進出には、各国政府の予期しない法律又は規制の変更、社会・政治及び経済情勢の変化又は治安の悪化、戦争、為替制限や為替変動、輸送・電力・通信等のインフラ障害、各種税制の不利な変更、移転価格税制による課税、保護貿易諸規制の発動、異なる商習慣による取引先の信用リスク、労働環境の変化及び人材の採用と確保の困難度、疾病の発生等、海外事業展開に共通で不可避のリスクがあります。そのほか、投下資本の回収が当初の事業計画どおり進まない可能性や、撤退等の可能性があります。
3. サービスに関するリスク
① システム障害について
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大 ]
当社グループはインターネットへの接続環境を有するユーザーを対象に製品・サービス開発を行っており、営業活動・クラウドサービスその他のサービス提供においてもインターネットに依存しています。そのため、自然災害、戦争、テロ、事故、その他通信インフラの破壊や故障、コンピュータウイルスやハッカーの犯罪行為等により、当社グループのシステムあるいはインターネット全般のシステムが正常に稼動しない状態、いわゆるシステム障害が発生した場合に、当社グループのクラウド事業に極めて重大な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ製品・サービスの提供等においてインターネット環境に依存する部分は大きく、システム障害が発生した場合に、代替的な営業・サービス提供のルートを完全に確保することは困難な場合もあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 知的財産の保護及び侵害
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:低~中 ]
当社グループは、商標及び特許出願等、営業活動等に必要な範囲において可能な限り知的財産権等の防衛を図る所存でありますが、当社グループ、とりわけビジネスソフトウェア製品のコンセプト、ユーザーインターフェース及び操作性については、第三者による模倣を防止する手段は限定されていると考えられます。当該模倣が発生すると、当社の営業活動等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、いずれの製品、サービスも単一の特許又は関連する技術に依存しているとは考えておりませんが、このような知的財産が広範囲にわたって保護できないこと、あるいは広範囲にわたり当社グループの知的財産権が侵害されることによって、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが海外展開を進めるにあたり、中国その他のアジア地域を中心として横行している違法コピーや模倣品の流通といった知的財産権侵害や、諸外国での当社ブランド等に関する他社の商標登録が発生した場合、当社グループの販売活動、業績及び財務活動に多大な影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社のプログラム製品の一部には、当社以外の第三者がその著作権等を有するオープンソースソフトウェア(以下、「OSS」という。)を組み込んでおります。当社は、製品・サービスにOSSを組み込む場合、各OSSライセンスに則って組み込んでおりますが、当該ライセンス内容が大幅に変更された場合及びかかるOSSが第三者の権利を侵害するものであることが発見された場合等は、当該プログラム製品の交換・修正・かかる第三者との対応等により、提供・販売・流通等に影響を及ぼす可能性があります。
4. コンプライアンスに関するリスク
① 法的規制等について
[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中 ]
現在日本国内や海外においては、クラウドサービスに関するセキュリティ、個人情報保護、知的財産保護のあり方等について、法制度の整備がなされています。これらの法制度の中には、当社グループが提供するインターネットを利用する製品及びサービスにも適用される可能性のある法律等が制定されているものの、その解釈についてはまだ確立されているとはいえません。
また、ソフトウェアの知的財産保護や、インターネット上の知的財産権保護の他、ソフトウェアの使用許諾又はクラウドサービス提供における約款の取扱いに関して、引き続き議論がされるとともに、法改正も進んでいるところです。これらの法制度の整備をきっかけに、事業者の責任範囲の拡大や事業規制がなされることによって、事業が制約される可能性があります。
② 情報セキュリティについて
[発生可能性:低~中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中~大 ]
当社グループの営業秘密、顧客情報等の管理につきましては、十分留意していく所存でありますが、当該情報の漏洩等が発生した場合には、当社グループの信用が損なわれることとなり、その後の事業展開、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、個人情報保護法への対応強化及び消費者保護のための情報提供義務への対応が世界的に強く求められていることにより、このような対応に不備が出てしまった場合当社グループの事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。
特に、クラウドサービスにつきましては、データの安全性確保のための当社セキュリティレベル向上とその情報開示の他、クラウドサービス業務の委託先に対する必要かつ適切な監督や委託先の内部統制の有効性評価等に努めておりますが、クラウドサービス上のデータの破壊、紛失、漏洩などが不測の事情により発生してしまうことにより、当社グループの事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。
③ 訴訟ないし法的権利行使の可能性について
[発生可能性:低~中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中 ]
当社グループの製品、技術又はサービスに対する知的財産権を含む各種権利等の侵害を理由とする販売差し止めや損害賠償の訴訟が提起される可能性があり、当社グループの販売活動や業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、システム障害や情報漏洩等が発生した場合、当社グループの製品及びサービスの利用者に一定の損害を与えることがあり、特に、クラウドサービスに関しては、サービス停止、クラウド上の情報漏洩、インシデントの原因追究(契約上の責任追及)とその影響範囲内での損害賠償請求訴訟等が提起される可能性があります。
当社グループが海外展開を進めていく中で、特に米国等においては訴訟が提起される可能性が比較的高く、また、訴訟コストや損害賠償額等が高額となる国において訴訟が提起された場合には、当社グループの財政状態及び業務に多大な影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
2011年11月に提供を開始したクラウドサービスは、ご利用いただいている契約社数が54,000社、契約ユーザーライセンス数が250万人を突破し堅調に推移しております。当社グループでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、社内外への感染防止と全従業員の安全確保を最優先とすべく、引き続き在宅勤務を中心に業務を行っております。従来からテレワークをはじめ柔軟な働き方に対応した業務環境の整備等を推進していたこともあり、営業活動や採用活動、自社製品の開発計画、クラウドサービス基盤の運用・保守体制等についても大きな変更はなく、現時点において新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による事業活動、業績及び会計上の見積り等への重大な影響はないと考えております。
このような状況下において、当連結会計年度の連結業績につきましては、クラウド上で提供するサービスの売上が引き続き積み上がり、連結売上高は22,067百万円(前期比19.4%増)となりました。このうち、クラウド関連事業の売上高は18,649百万円(前期比23.8%増)となっております。利益項目につきましては、前連結会計年度に比べ従業員数増加等による人件費の増加や、主に主力製品である「kintone」の認知度向上のため、TVコマーシャル等の積極的な広告宣伝投資を継続したことによる広告宣伝費の増加等があったことから、営業利益は611百万円(前期比57.5%減)となりました。経常利益については、為替予約を実施したこと及び円安の影響により為替差益が増加したこと等から987百万円(前期比32.8%減)となりました。また、法人税等計上後の親会社株主に帰属する当期純利益は66百万円(前期比88.0%減)となりました。「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
なお、当社グループ(当社及び連結子会社)の報告セグメントは「ソフトウェアの開発・販売」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、セグメントごとの記載を省略しております。
前期から引き続きクラウドサービス成長や認知拡大のための投資やエコシステムの拡大・強化に努めてまいりました。特にエコシステムについては、2022年12月末時点でパートナー社数は約400社、パートナー企業が提供する連携サービスは約370サービス以上とエコシステムによるビジネスが堅調に拡大しており、クラウド関連事業の国内売上高の61.6%にあたる11,003百万円がパートナー経由の売上となり、パートナー販売割合が年々増加しております。クラウドサービスの需要が拡大する中で、特に「kintone」に関しては、用途の多様化や高度化、そして内製化のニーズが高まっています。そのようなクラウド時代のニーズの変化に対応できるパートナー戦略を実施すべく、2021年にはパートナープログラムを大幅にリニューアルし、「Cybozu Parnter Network」を開始しました。 新プログラムの提供開始から2年目を迎え、当期はさらなるパートナー施策やプロダクト強化を推進し、パートナーとの強固なエコシステムを構築、そして顧客価値の最大化に取り組みました。
主力製品である「kintone」は、前期に引き続き認知度向上のためTVコマーシャル等積極的に広告展開を行い、業務改善に役立つクラウドサービスとして認知度を向上してまいりました。2022年度末時点の国内契約社数が27,500社となり順調に推移しております。売上高については連結ベースで10,414百万円(前期比32.4%増)となりました。エンタープライズ領域のDX(デジタルトランスフォーメーション)手段としてノーコード・ローコードツールの採用が進む中、「kintone」はプログラミングの専門知識がなくても容易にシステムを構築できるという特性から「現場の人が主体の業務改善」を支援するツールとして利用が拡大しています。
このように「kintone」の利用が拡大する中、当期は前期に引き続き自治体への導入が拡大し、2022年度末時点の自治体導入数は約190となりました。「kintone」による自治体DXをさらに推進すべく、2022年4月には自治体向けの「kintone1年間無料キャンペーン」を発表しました。当キャンペーン参加自治体の「kintone」を活用した業務改善を伴走型支援でフォローするほか、自治体で全職員へ導入する場合に適用される「kintone全職員導入ライセンス」も新たに用意し、次年度以降の本格導入や全庁展開を促進しております。
さらに、販売パートナーチャネルの拡大として、引き続き地方銀行との連携を強化しています。銀行内にICTコンサルティング専門部隊を設置していただき、当社は当該ICTコンサルティング部門へ向けて「kintone」研修等を実施し、顧客へのコンサル提案をサポートしています。現在全国17行の地方銀行と協業しており、実働約5年間で地方銀行によるコンサルティングにより約400社に「kintone」を中心としたサイボウズ製品を導入いただいております。引き続き、IT活用提案を通じて、地方中小企業の生産性向上や働きやすい企業創生実現に向け活動してまいります。
各製品ともにクラウドサービスの販売が順調に増加しました。中小企業向けグループウェア「サイボウズ Office」では2022年度末時点の国内累計導入社数が75,000社、売上高については連結ベースで5,088百万円(前期比5.3%増)となり、売上高の83.1%がクラウドサービスとなりました。中堅・大規模組織向けグループウェア「Garoon」では2022年度末時点の国内累計導入社数が6,800社、売上高については連結ベースで4,562百万円(前期比13.1%増)、売上高の60.9%がクラウドサービスとなり中堅・大規模な組織でもクラウドサービスの需要が増加していることが伺えます。また、メール共有サービス「Mailwise」では2022年度末時点の国内累計導入社数が13,000社、売上高については連結ベースで678百万円(前期比16.2%増)、売上高の91.6%がクラウドサービスとなりました。
多くのユーザーの皆様により長く安心してご利用いただくため、製品・サービス及び当社グループ自体への信頼を高める取り組みに注力しております。特にクラウドサービスの信頼性強化に重点を置いて取り組みを進め、セキュリティ向上に対して継続的な投資を行っております。
2021年9月には当社が提供しているクラウドサービスが「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(以下:ISMAP、読み:イスマップ)」において、政府が求めるセキュリティ要求を満たしているサービスであると認定され、2022年度も継続してISMAPクラウドサービスリストに登録されています。ISMAPは政府が情報システムを調達するための指針ですが、一定のセキュリティ基準が満たされている証明となるため、様々な公共機関や民間企業にとっても、安心できるサービスを選択するための負担が軽減される一助となることが期待できます。またISMAPを取得することで対外的な信頼を得やすくなり、当社のパートナー企業の活動をより円滑に進められるのではないかと期待しております。
今後も政府情報システムの要件への対応をはじめ、セキュリティ脅威への対応に継続して取り組み、信頼できる安心で安全なクラウドサービスを提供することで、チームワークあふれる社会づくりに貢献してまいります。
当社は、『日経コンピュータ』誌(発行:株式会社日経BP)が2022年9月1日号で発表した「顧客満足度2022-2023 クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)部門」において第1位を獲得し、当部門において4年連続1位獲得となりました。
また、当社のカスタマーセンターは、『HDI-Japan』が主催する、2022年「HDI格付けベンチマーク」対応記録毎/モニタリング評価(電話)において、2018年、2019年に続き通算3回目となる最高ランクである三つ星を獲得いたしました。
グローバル市場での2022年度末時点における導入社数は、米国市場では850サブドメイン(前期比25.0%増)、中華圏市場では1,300社(前期比9.2%増)、その他アジア市場では1,090社(前期比16.0%増)となり堅調に推移しております。中国ではゼロコロナ政策による行動制限の影響もありましたが、売上が伸長したほか、台湾では新規契約数が約2倍となり、そのうちの8割がローカル企業での受注となりました。その他アジア市場でも、タイを中心にローカル企業の受注件数が拡大しております。また、2022年に始動した株式会社リコーとの協業に伴い、同社が強みとするチャネルやサポート網を通じて、米国を中心に「kintone」の拡販体制を強化するなど、引き続きグローバル展開を加速してまいります。
社会の様々なチームのチームワーク向上のため、製品・サービスの普及だけでなく、チームワークに関する当社グループのノウハウを活かした取り組みとして2017年に設立した「チームワーク総研」では、2022年度には講演125件、研修・コンサルティング159件を実施しました。特に、研修・コンサルティング・アドバイザリー等の伴走支援型のメニューが大きく成長し、「チームワーク総研」による案件動向としては、講演から研修・コンサルティングへシフトしています。「チームワーク総研」のほか、チームワークをサポートする活動として、非営利団体向け支援や地方創生支援、学校における働き方改革を実現するための学校BPR(Business Process Re-engineering)支援、「kintone」で災害対策のIT化を支援する「災害支援プログラム」など多岐にわたり取り組んでおります。今後もサイボウズ流のチームワークやメソッドを活かし、社会のチームワーク向上や災害支援や防災のために活動してまいります。
当社グループ(当社及び連結子会社)の報告セグメントは「ソフトウェアの開発・販売」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
(注) 金額は、製造原価とソフトウェアのうち自社開発分(資産計上分)の合計により算出しております。
当社グループ(当社及び連結子会社)は受注開発を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)の報告セグメントは「ソフトウェアの開発・販売」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、ソフトウェア事業に含めて記載しております。
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2.当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、総販売実績の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
資産合計につきましては、上場株式の株価下落により投資有価証券が減少したものの、東京オフィス改装工事やクラウドサービス用のサーバー増設等により固定資産が増加したことに加え、当連結会計年度から売上債権の一部においてファクタリングを開始したことにより売掛金が減少した一方で、未収入金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,870百万円増加し、15,907百万円となりました。
負債合計につきましては、主に金融機関からの新規借入により借入金が増加したことや、契約負債(前連結会計年度末は前受金)が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ3,611百万円増加し、11,277百万円となりました。
また、純資産合計につきましては、当連結会計年度に66百万円の親会社株主に帰属する当期純利益を計上したものの、550百万円の剰余金配当を実施したことや、投資有価証券評価によりその他有価証券評価差額金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,741百万円減少し4,630百万円となりました。また、当連結会計年度の自己資本比率は29.1%となりました。「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
なお、当社グループ(当社及び連結子会社)の報告セグメントは「ソフトウェアの開発・販売」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より319百万円増加し、5,124百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
当連結会計年度における営業活動による資金収支は、1,328百万円の収入となりました。これは当連結会計年度から売上債権の一部においてファクタリングを開始したことにより未収入金が増加したことや、売上債権の増加等による影響や法人税等の支払いがあったものの、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上等によるものです。
当連結会計年度における投資活動による資金収支は、3,121百万円の支出となりました。これは主に東京オフィス改装工事やクラウドサービス用のサーバー増設等の固定資産取得による支出があったこと等によるものです。
当連結会計年度における財務活動による資金収支は、1,929百万円の収入となりました。これは剰余金の配当を実施したものの、借入金による収入があったこと等によるものです。
当社グループの運転資金及び設備投資等資金は、主として営業活動キャッシュ・フローである自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入を実施することを基本方針としております。今後の資金需要のうち、主なものは、運転資金の他、国内外でのクラウドサービス認知度を向上させるための広告宣伝及び国内のクラウドサービス用サーバー機材増設等の設備投資であります。これらの資金についても、基本方針に基づき、自己資金により充当しつつ、必要に応じて金融機関からの借入を実施する等、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要な資金を調達してまいります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)の報告セグメントは、「ソフトウェアの開発・販売」のみであり、その他の事業セグメントは、開示の重要性が乏しいため、セグメントごとの記載を省略しております。
インターネット・イントラネット関連技術は技術革新の進歩が速く、また、それに応じて業界標準及び利用者ニーズが急速に変化するため、新技術・新製品も相次いで登場しております。そこで、当社グループの研究開発活動は、顧客満足度の向上に資するため、これらの新技術等への対応を、開発グループを中心に随時進行しております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、