第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

以下の記載事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

《経営理念》信頼と限りなき挑戦

 2018年に創業100周年を迎え、創業者である浅野総一郎の理念を踏まえ、当社の、現代の存在意義と将来に向けた夢

のある発展を追い求めるため、2013年の持株会社体制への移行を機にグループ経営理念を掲げました。

 当社グループは、社会と人々に貢献することが使命と考えます。そのためには「継続ある事業基盤の確立」と「不朽

なる技術の進展」は不可欠であります。ステークホルダーからの信頼確保を第一に、研究開発体制の整備、M&Aや海外

進出を含む新規事業への積極的な展開を図りながら、新製品の開発と新規事業の開拓を行ってまいります。

 社員一同、世界に信頼される「カーリットグループ」となるよう、飽くなき挑戦を日々積み重ねてまいります。

 

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループでは2022年度を初年度とした新中期経営計画「Challenge2024」を策定しました。前中期経営計画「ワクワク21」では、「利益指向で事業の足場固めを積み重ね、新たな取り組みに向けて経営資源を投入する」ことを掲げ、諸施策を遂行してまいりましたが、米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症の拡大等の外的要因と、事業の絞り込みが不十分で製品開発や新事業計画が変更となった等の内的要因により、数値目標に対し乖離が発生いたしました。

 新中期経営計画「Challenge2024」では、前中期経営計画の振り返りを踏まえた経営方針として「事業ポートフォリオの最適化により企業価値の向上を目指す」を掲げ、その方針に沿った「成長事業の加速化」、「研究開発の拡充」、「既存事業の収益性改善」、「ESG経営の高度化」、「事業インフラの再構築」という5つの戦略を軸に具体的な施策を実行してまいります。

 「成長事業の加速化」及び「研究開発の拡充」では、今後も活況が続くと予想できる半導体・電子機器・5G関連材料の需要と、EV化を起点に市場の拡大が見込める自動車関連需要の2つに焦点を当て、生産設備の新設や増強、国内外マーケットに向けた販売促進、当社コア技術の発展・応用の模索を進めてまいります。

 「既存事業の収益性改善」では省エネ・省人化設備への更新や、事業ポートフォリオに基づいたリソースの適切な配分を進め、当社の利益を生み出す構造に改善してまいります。

 

 また、当社グループは「社会が何を求めているか」、「社会の成長にどう寄与するか」といった社会課題を、事業活動を通じて解決することを使命とし、「モノづくり」を通じて「社会」と「会社」の持続性ある相互成長の関係を築き上げていくよう努めています。その実現のため、数ある社会的に影響のある項目について、ステークホルダーにとっての重要性、自社にとっての重要性、環境・社会にとっての重要性という3つの視点から4つのマテリアリティ(重要課題)を特定しております。

 新中期経営計画「Challenge2024」に掲げる5つの戦略において「ESG経営の高度化」、「事業インフラの再構築」の2つの戦略では、気候変動対策、カーボンニュートラルへの挑戦、ステークホルダーとのコミュニケーション、財務戦略の明確化、DX推進といった具体的な施策を進めることで、マテリアリティに取組んでまいります。

 これら5つの戦略を実行し、当社グループの社会貢献及びコーポレート・ガバナンスのさらなる充実を進めることで、「利益ある成長」と「ESG」を具現化し、社会に信頼される企業グループを目指してまいります。

 

 足元の社会経済環境は、引き続き新型コロナウイルス感染症の収束の目途が立たない状況が続いております。人々の行動様式の変化に伴う需要の変化、5G・IoT・AI等の普及・浸透に伴う半導体関連の需要拡大と不足による各産業への影響、中国のコロナ政策の影響等、予断を許さない状況は継続しておりますが、世界経済は北米を中心としてコロナ禍を克服し、緩やかに回復に向かうと想定しております。

 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う対策の立案・実施に当たっては、従業員とその家族、お取引先の皆さま、地域

社会等のステークホルダーの安全を最優先としております。その上で、政府の方針や行動計画等に則り対応方針を決定

し、社会活動等の維持に向け感染リスク軽減策を講じ、適切な事業継続を図っております。

 また、2022年2月のロシア・ウクライナ情勢の悪化を発端とし、世界的な資源サプライチェーン、エネルギー政策等に大きな変動リスクが発生しております。当社グループでは当情勢を受けた資源価格の高止まり、欧州中心に景気が下振れし、金融市場がリスクオフするメインリスクシナリオを想定し、当社グループに与える影響と対策について、グループリスクマネジメント委員会、及び取締役会での議論を重ねております。これらの施策の推進により社会経済環境の変化に対し、迅速かつ適切な対応をとってまいります。

 

 これらの社会背景、経済環境を踏まえ2023年3月期の連結業績予想を以下の通りとし、2022年5月13日付の「2022年3月期決算短信」にて開示いたしました。

 

 

 

(%表示は、通期は対前期、四半期は対前年同四半期増減率)

 

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属

する当期純利益

1株当たり

当期純利益

 

百万円

百万円

百万円

百万円

円 銭

第2四半期(累計)

17,000

6.2

700

△32.7

800

△29.7

550

△46.1

23.10

通期

35,000

3.3

2,500

△0.3

2,700

△1.6

1,900

△18.7

79.90

 

 新型コロナウイルス感染症、ロシア・ウクライナ情勢の影響は現時点で可能な限り見込んでおりますが、今後の動向につきましては、引き続き当社グループの事業への影響を慎重に見極め、今後修正の必要が生じた場合は速やかに開示いたします。

 

 

(3)気候変動への対応(TCFDへの取り組み)

 ①気候関連に対する基本姿勢

 企業活動を継続していく上で、健全な地球環境は不可欠であり、気候変動への対応は当社が取り組むべき重要な経営課題の一つと位置付けています。

 当社は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同し、署名を行いました。その提言に則り、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やWWF(世界自然保護基金)などの情報を基に、世界の平均気温を産業革命以前と比べ、このまま対策を講じず4℃上昇する「4℃シナリオ」と、2℃に抑制するための施策としての「2℃シナリオ」について、リスク・機会の側面から分析を開始しました。

 持続可能な社会の実現を標榜した中期経営計画「Challenge2024」の中で、指標をより具体化するなど、今後も引き続き、分析の精度向上による更新や検討範囲の拡張を進めるとともに、分析結果を経営・事業戦略へ具体的に反映させることに努め、経営のレジリエンス(強靭性)の向上につなげてまいります。

 

②TCFD提言による開示推奨項目

 当社は、TCFD提言において推奨される、以下の4つのテーマに関して、気候変動関連情報を開示してまいります。

 

a.ガバナンス

 気候変動をはじめとする社会課題の解決に向けた企業への要請が急速に高まりを見せ、ESGを経営に反映させることの重要性が増しています。

 当社グループにおきましても、サステナビリティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)の実現に向け、成長を図りつつ社会価値の創造を追究することが不可欠と考え、以下のとおりの推進体制により、推進施策を講じています。

 当社は代表取締役社長を委員長、取締役・執行役員の全員と社外監査役を委員とする、取締役会の監督の下でのサステナビリティ委員会を設置し、活動を推進しています。

 本委員会において、気候変動対策をはじめ、サステナビリティに関する方針・戦略・計画・施策の検討・立案、グループ各社の課題の抽出と強化・改善に向けた方策の明確化等の審議を行っています。事務局は広報・サステナビリティ推進部が担い、審議された内容は適宜グループ経営戦略会議・経営会議・取締役会に報告されます。取締役会においてサステナビリティ課題への積極的・能動的な議論を推進します。

 

b.戦略

 当社は、TCFD提言に則りIPCC(気候変動に関する政府間パネル)やWWF(世界自然保護基金)などの情報をもとに、世界の平均気温を産業革命以前と比べ、このまま対策を講じず4℃上昇する「4℃シナリオ」と、2℃に抑制するための施策としての「2℃シナリオ」について、リスク・機会の側面から分析を開始しました。

 2020年度は、日本カーリット㈱・ジェーシーボトリング㈱・㈱シリコンテクノロジーの主要3社におけるインパクト、影響のイメージの洗い出しを行いました。財務インパクトについては現在算定・精査中で、可能となった時点で速やかに開示します。持続可能な社会の実現を標榜した中期経営計画「Challenge2024」のなかで、CO2排出量の削減等の指標をより具体化すること、検討範囲の拡張を進めることなどの充足策を推進します。分析にあたってのシナリオとその結果につきましては、随時精度を向上させ、当社ホームページの掲出情報を更新してまいります。

 気候変動は、当社の事業へのリスクである一方で、製品・サービスの提供価値および企業価値を高める機会につながると認識しています。「経営理念《信頼と限りなき挑戦》の下、モノづくりやサービスの提供を通じて社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現を目指します」という当社のサステナビリティ基本方針に基づき、脱炭素化や気候変動の抑制に向けた製品・サービスの提供、新規事業創出などを促進してまいります。

 気候変動によるリスク・機会は時代とともに変化するものと認識し、分析・評価の精度の向上を図り、優先度の高い主要インパクトの特定と対応策の検討を実施します。その結果は、取締役会が監督し、適切に経営・事業戦略へ具体的に反映させることに努め、経営のレジリエンス(強靭性)の向上につなげます。

 

c.リスク管理

 自然災害・感染症の発生等により、経済環境に大きな影響を及ぼす可能性があり、また生産設備や人的資源への損害の発生、顧客の需要動向に大きな変化が起こる可能性があり、これらが当社の業績および財務状況に大きな影響を及ぼす重要なリスク要因の一つであると認識しています。

 リスク管理をより一層強化し、適切な策を講じるために、従前より、経済環境への大きな影響については経営戦略室が、人的被害の大きな影響については人事部と総務部が、リスク管理を行ってまいりました。新たに、生産活動や品質へのリスク管理の強化を図ることを目的に、2021年度より生産・品質統括部を設置しました。

 また合わせ、代表取締役社長を委員長とするグループリスクマネジメント委員会を設置し、気候変動を含む総合的なリスク管理体制を構築しました。

 グループ各社から集約されたリスク情報がタイムリーに経営陣に報告され、グループ全体におけるリスクの漏れのない検出、対策への優先順位付け、経営判断を滞りなく実行できるよう、今後も一層注力します。

 

d.指標と目標

 気候変動による地球温暖化の影響で、集中豪雨、熱波・干ばつなどの異常気象が発生し、洪水や渇水など自然環境に大きな被害をもたらしています。当社グループは、特に水資源等豊かな自然の恵みの上に成り立っていることから、気候変動は解決すべき重要な社会課題の一つと認識しています。

 COP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)にあたり、日本はGHG(温室効果ガス)の排出削減目標を提出しました。当社もこれに沿って2030年度までに2013年度対比(Scope1,2)で46%削減し、2050年までに実質ゼロとする目標を設定しました。削減に向けた積極的な取り組みを推進します。

 気候変動を緩和させるべく、省エネルギー対策や再生可能エネルギーの活用などを促進し、2050年までにカーボンニュートラルの実現に向け、温室効果ガスの排出量削減に積極的に取り組んでいきます。また、エネルギー使用量・CO2排出量データの開示範囲の向上に努めていきます。

 具体的な数値目標とその実現に向けた省エネルギー対策、再生可能エネルギーの活用促進施策につきましては現在精査中で、開示が可能となった時点で速やかに当社ホームページ上に掲出します。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループが判断したものであり、事業のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

  1. 技術革新のリスク

   電子材料製品、機能材料製品、シリコンウェーハ製品等については、技術革新のスピードと市場のニーズの変化が

  非常に速いことに加え、販売価格の下落圧力が強いことなどから、既存製品が陳腐化する可能性があります。当社グ

  ループとしては可能な限り顧客からの要求に応え、生産設備を安定的に稼働させることを基本戦略とすることからあ

  る程度の価格下落圧力は容認せざるを得ません。絶えず原価低減に努めるものの、同一製品を製造・販売し続ける限

  りにおいては長期的には利益が低下傾向となります。

   これに対応するべく、製品ラインアップの拡充、新製品の市場投入により利益水準の維持・向上を図りますが、ニ

  ーズの変化があまりに急激である場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

  2. 市場動向変動のリスク

   当社グループでは、ボトリング事業において、多様化する消費者の飲料に対する嗜好に応えていかなければならな

  いブランド各社の販売戦略や天候状態に大きく左右される可能性があります。

   当該事業部門では、ブランド各社と関係を強化することで安定受注に努めてまいりますが、天候等の要因による販

  売量の増減は完全には避けられず、当社グループの業績及び財務状況に顕著な影響を与える可能性があります。

 

  3. 原材料調達・価格変動のリスク

   当社グループの原材料調達については、複数購買を基本戦略とし、安定調達を図っておりますが、原材料価格の変

  動を製品価格に転嫁出来なかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

   近年ではロシア・ウクライナ情勢の悪化に伴いエネルギー供給に大きなリスクが生じており、重大なリスク要因と

  して認識しております。重油、 LNG価格の変動は、ボトリング事業では燃料費への影響、また、化学品事業の製造に

  あたっては相当量の電力を使用するため、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

  4. 為替相場の変動リスク

   当社グループは国内販売を中心に営業活動を展開しておりますが、製品の価格競争力を強めるため、原価低減の一

  環として原材料の一部を輸入品により調達していることから、為替相場の変動や海外政情・海外物流事情等により安

  定調達面で影響を受ける可能性があります。また、海外での事業や輸出に関連した取引においての為替レートの急激

  な変動により影響を受ける可能性があります。

   これらに対し、複数購買による調達リスクの分散、為替予約により仕入れ価格をあらかじめ確定させるなど、変動

  の影響を極力軽減する方策を採っておりますが、近年は急激な円安局面にあることから、重要モニタリング項目とし

  て留意してまいります。

 

  5. 事故・災害のリスク

   当社グループでは、化学品事業において、火薬類、塩素酸塩類などの危険物を数多く扱っており、事故・災害等に

  ついて最大限の安全対策を講じております。重大事故等の発生可能性は極めて低いものの、万一大きな事故・災害が

  発生した場合は、設備の損害、事業活動の中断等により、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可

  能性があります。工場内の定期的巡視を実施し事故を未然に防止し、また災害発生時に備え消火訓練等を強化し被害

  を最小限に抑える対策をとっています。

 

  6.品質に関するリスク

   当社グループの事業は多岐にわたっており、各社の事業に合致した品質管理体制が要求されます。グループ各社に

  おいて、原材料調達から製品製造・出荷まで、一貫した品質管理体制の構築、運用を行っていますが、予期せぬ事態

  により製品の品質問題が発生した場合には、該社のみならず当社グループの信用が低下し、また製品の回収、手直

  し、代替製品の納入および製造に係わる費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に少なからず影響を及

  ぼす可能性があります。当社グループにおいては、大きな品質問題として顕在化する前の兆候の段階から品質担当者

  間で情報を共有化し、異なる業種からの視点も参考にしつつ、更に品質管理体制を強化してまいります。

 

  7. 法的規制のリスク

   当社グループでは事業の特性上、化学物質の取り扱いに関する法令等により規制を受けております。環境問題に対

  する意識の高まりなどから、化学物質を対象とした各種規制は、ますます強まる傾向にあり、対象製品の製造・販売

  に支障が生じた場合には当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。環境問題、化学物質、

  輸出等の業務に係る法規制改正動向を常に注視し、コンプライアンスを徹底しつつ、適正な業務運営を行っておりま

  す。

 

  8. 訴訟のリスク

   当社グループは、事業活動または知的財産権について、訴訟、係争、その他法律的手続きの対象となる可能性があ

  り、重要な訴訟等が提訴されることにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。契

  約締結・取引開始時の所管部門の審査、およびトラブル発生時の適切な初動対応によりリスクの低減を図っておりま

  す。

 

  9. 資産評価の変動リスク

   当社グループは、市場価格のない株式等以外のものを保有しているため、株式相場が大幅に下落した場合、また、

  固定資産について回収可能額を測定した結果が帳簿価額を下回る場合、これらの資産評価により、当社グループの業

  績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

  10.パンデミックに関するリスク

   当社グループは、国内を中心に多岐にわたる事業をおこなっております。パンデミックに伴う経済活動や物流の停

  滞、公共民間工事の遅延、花火大会の延期中止等は、当社グループの業績にネガティブな影響を及ぼす可能性があり

  ます。しかしながら人々の生活方式の変化は、半導体、電子部品市場等の伸長等により、当社グループの業績にポジ

  ティブな影響を及ぼす可能性もあります。

   2020年より深刻化した新型コロナウイルス感染症につきましては、変異による新規感染が続いており、いまだ感染

  の収束が見えておりませんが、サプライチェーンへの供給責任の維持を第一に、引き続きリモートワークの推進や感

  染状況に関する迅速な情報共有を図り、社内クラスターを発生させない対策を図っております。

 

  11.自然災害等によるリスク

   当社グループの事業拠点は国内を中心に分布しております。大地震や津波、台風、大雨等の自然災害の際には、当

  社の生産設備や人的資源への影響、損害や、顧客の需要動向に大きな変化が起こる可能性があります。

 

  12.情報セキュリティに関するリスク

   当社グループは、顧客および取引先の機密情報、開発、生産、販売などの情報ならびに会計、企業戦略等様々な情

  報を有しており、これらの情報は外部流出や破壊、改ざん等が無いようにグループ全体で管理体制の構築ならびに従

  業員教育、ITセキュリティ等の強化策を継続的に実施しております。

   しかしながら、対応不可能な技術による外部からの攻撃や、内部的過失、盗難および自然災害や事故等によりこれ

  らの情報の流出、破壊、改ざんまたは情報システムの停止等が引き起こされる可能性があります。このような事態が

  発生した場合は当社グループの信用が低下し、また損害賠償等の費用の発生、業務の停止等により、当社グループの

  業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

  13. 金利変動のリスク

   当社グループは、事業運営に必要な資金調達を行っており、金利が上昇した場合は、当社グループの業績及び財務

  状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

  14. 気候変動に関するリスク

   気候変動による地球温暖化の影響で、集中豪雨、熱波・干ばつなどの異常気象が発生し、洪水や渇水など自然環境

  に大きな被害をもたらしています。当社グループは、特に水資源等豊かな自然の恵みの上に成り立っていることか

  ら、気候変動は解決すべき重要な社会課題の一つとして認識しています。

   気候変動シナリオに基づくリスク分析を行い、分析結果を経営・事業戦略へ具体的に反映させることに努め、経営

  のレジリエンス(強靭性)の向上につなげてまいります。基本姿勢・対応につきましては、1 経営方針、経営環境

  及び対処すべき課題等 (3)気候変動への対応(TCFDへの取り組み)において記載しております

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」と

いう。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ8億7千5百万円減少し500億7千8百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ28億2百万円減少し191億7千4百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ19億2千6百万円増加し309億3百万円となりました。

 

b.経営成績

  第1四半期連結会計期間の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用しました。前連結会計年度の比較につきましては、当該会計基準等を適用したと仮定して算定した参考値を基に記載しております。

  当連結会計年度の連結売上高は338億9千4百万円となりました。連結営業利益は25億6百万円、連結経常利益は27億4千2百万円となりました。

  なお、化学品事業部門における製造の不具合により、第2四半期連結会計期間に、支払補償費として1億3千9百万円の営業外費用が発生し、受取保険金として9千6百万円の営業外収益を計上しました。また、2021年9月に南澤建設株式会社の株式を取得したことに伴う負ののれん3億9千2百万円および投資有価証券の売却益1億8百万円を特別利益として、固定資産売却損2千2百万円および固定資産除却損2億1千5百万円を特別損失として計上しました。これらにより、親会社株主に帰属する当期純利益は23億3千6百万円となりました。

  セグメント別の業績は、以下のとおりです。

 

(参考)                                          (単位:百万円)

区  分

連 結 売 上 高

連 結 営 業 利 益

前 期

当 期

前 期

当 期

化学品

15,576

16,950

744

1,172

ボトリング

4,239

4,360

77

218

産業用部材

7,627

9,313

230

654

エンジニアリング

サービス

2,802

4,173

390

892

小 計

30,245

34,798

1,442

2,937

その他・消去

△613

△904

132

△430

合 計

29,631

33,894

1,574

2,506

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金および現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて19億6百万円減少し、35億8千9百万円となりました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度における営業活動によって得られた資金は30億6千3百万円(前年同期比11億3千万円の減少)となりました。税金等調整前当期純利益が30億5百万円となり、減価償却費が18億4千9百万円、棚卸資産の増加額が12億1百万円、法人税等の支払額が8億8千7百万円あったことなどによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度において投資活動に使用された資金は9億8千4百万円(前年同期比1億5千万円の減少)となりました。主に固定資産の取得による支出が10億4千4百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が2億1千8百万円、利息及び配当金の受取額が2億4百万円あったことなどによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度において財務活動に使用された資金は39億8千1百万円(前年同期比17億9千4百万円の増加)となりました。主に借入金の減少額が33億2千7百万円、配当金の支払額が2億8千7百万円あったことなどによります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

化学品事業

9,998

11.2

ボトリング事業

4,000

△75.0

産業用部材事業

5,820

16.8

エンジニアリングサービス事業

 報告セグメント計

19,819

△33.9

その他

合計

19,819

△33.9

 (注)金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b.受注実績

 当社グループは主として見込み生産によっているため記載すべき事項はありません。

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

化学品事業

16,595

△11.4

ボトリング事業

4,360

△73.7

産業用部材事業

9,144

21.2

エンジニアリングサービス事業

3,637

43.6

 報告セグメント計

33,738

△25.7

その他

155

合計

33,894

△25.6

 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

     2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱伊藤園

15,341

33.7

3,484

10.2

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績

 1)財政状態

 (総資産)

 当連結会計年度末の総資産は、前期末に比べ8億7千5百万円減少し、500億7千8百万円となりました。これ

は、棚卸資産が8億2千3百万円増加、その他の流動資産に含まれる未収入金が11億1千4百万円増加した一方、現金及び預金が17億7千8百万円減少、有形固定資産が5億1千3百万円減少、投資有価証券が3億9千5百万円減少したことなどによります。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ3千8百万円増加し207億8千5百万円となりました。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ9億1千4百万円減少し292億9千3百万円となりました。

 

    (負債)

 当連結会計年度末の負債は、前期末に比べ28億2百万円減少し、191億7千4百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が9億7百万円増加した一方、有利子負債が35億9百万円減少、退職給付に係る負債が1億1千7百万円減少したことなどによります。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ17億3千4百万円減少し111億円となりました。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ10億6千7百万円減少し80億7千4百万円となりました。

 

    (純資産)

 当連結会計年度末の純資産は、前期末に比べ19億2千6百万円増加し、309億3百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益等の計上により利益剰余金が20億4千8百万円増加、退職給付に係る調整累計額が1億1千8百万円増加した一方、その他有価証券評価差額金が2億6千8百万円減少したことなどによります。

 この結果、1株当たり純資産は、前期末に比べて81.68円増加し1,300.41円となり、自己資本比率は前期末

の56.9%から61.7%となりました。

 株主資本は、前連結会計年度末に比べ20億3千7百万円増加し266億3千4百万円となりました。

 その他の包括利益累計額は、前連結会計年度末に比べ1億1千万円減少し42億6千9百万円となりました。

 

    2)経営成績

    (売上高)

 当連結会計年度の連結売上高は前連結会計年度の455億3千7百万円から116億4千3百万円減の338億9千4百万円、前年同期比25.6%減となりました。

 (売上原価、販売費及び一般管理費)

 売上原価は、前連結会計年度の379億円から126億5千3百万円減の252億4千6百万円となりました。売上に対する比率は前年同期の83.2%から8.7%減の74.5%となりました。

 また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度の60億6千1百万円から7千9百万円増の61億4千万円となりました。売上高に対する比率は前年同期比の13.3%から4.8%増加し18.1%となりました。

 (親会社株主に帰属する当期純利益)

 営業利益は、前連結会計年度の15億7千4百万円から9億3千1百万円増の25億6百万円となりました。営業外収

益から営業外費用を差し引いた純額は、前連結会計年度の1億9千5百万円の収益から、4千万円増の2億3千6

百万円の収益計上となりました。

 その結果、経常利益は前連結会計年度の17億7千万円から9億7千2百万円増の27億4千2百万円となりました。

 特別利益から特別損失を差し引いた純額は、前連結会計年度の5千9百万円の損失から、3億2千2百万円増

の2億6千2百万円の収益計上となりました。

 以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の17億1千万円から12億9千4百万円増の30億5百万円となり、法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度の12億3千1百万円から11億5百万円増の23億3千6百万円となりました。

 

b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

 引き続き新型コロナウイルス感染症の収束の目途が立たない状況が続いております。人々の行動様式の変化に伴う需要の変化、5G・IoT・AI等の普及・浸透に伴う半導体関連の需要拡大と不足による各産業への影響、中国のコロナ政策の影響等、予断を許さない状況は継続しておりますが、世界経済は北米を中心としてコロナ禍を克服し、緩やかに回復に向かうと想定しております。

 一方で2022年2月のロシア・ウクライナ情勢の悪化を発端とし、世界的な資源サプライチェーン、エネルギー政策等に大きな変動リスクが発生しております。

 当社グループではこれら社会情勢の変化に伴い、資源価格の高止まり、欧州中心に景気が下振れし、金融市場がリスクオフするメインリスクシナリオを想定し、当社グループへの影響について取締役会での議論を重ねております。

 上述を踏まえ、現時点の当社グループの各セグメントの今後の見通しは以下の通りとしております。

 化学品事業部門は、半導体不足等により自動車向け製品販売の回復は限定的となる見込みですが、半導体・電子機器・5G関連材料の需要は旺盛であることから、関連材料の生産能力増強投資を予定しており、堅調に推移するものと予想しております。また、ボトリング事業部門は国内の飲料消費動向と連動して横ばい。産業用部材事業部門は鋼材価格の上昇が懸念されるものの、建機・重機関連需要の伸長により引き続き堅調。エンジニアリングサービス事業部門は堅調に推移するものと予想しております。

 

c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

    グループ経営理念である「信頼と限りなき挑戦」の下で長期展望を見据え、当社の2030年にありたい姿を「持続

   可能な社会に貢献するために、〝化学〟と〝技術〟の力を合わせ、人びとの幸せな暮らしを支えたい」と定めまし

  た。また、新たに事業ポートフォリオ経営を導入し、成長性と収益性を基準に当社事業群を「注力領域」「育成領

   域」「基盤領域」という3つの領域に分け、それぞれの領域に適した戦略を推進し、「利益ある成長」の達成を目

   指します。

 

    ありたい姿の実現に向け、当社グループは2022年度を初年度とした新中期経営計画「Challenge2024」を策定し

   ました。経営方針として「事業ポートフォリオの最適化により企業価値の向上を目指す」を掲げ、その方針に沿っ

   た「成長事業の加速化」、「研究開発の拡充」、「既存事業の収益性改善」、「ESG経営の高度化」、「事業イン

   フラの再構築」という5つの戦略を軸に、具体的な施策を実行してまいります。

    「成長事業の加速化」及び「研究開発の拡充」では、今後も活況が続くと予想できる半導体・電子機器・5G関連

   材料の需要と、EV化を起点に市場の拡大が見込める自動車関連需要の2つに焦点を当て、生産設備の新設や増強、

   国内外マーケットに向けた販売促進、当社コア技術の発展・応用の模索を進めてまいります。

   また、「既存事業の収益性改善」では省エネ・省人化設備への更新や、事業ポートフォリオに基づいたリソースの

   適切な配分を進め、当社の利益を生み出す構造に改善してまいります。

    取組み効果の発揮に時間を必要とする点や、新たな取組みの実行にあたっての費用発生を踏まえ、本計画の初年

   度である2023年3月期の連結業績予想を以下の通りとしております。

(%表示は、通期は対前期、四半期は対前年同四半期増減率)

 

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属

する当期純利益

1株当たり

当期純利益

 

百万円

百万円

百万円

百万円

円 銭

第2四半期(累計)

17,000

6.2

700

△32.7

800

△29.7

550

△46.1

23.10

通期

35,000

3.3

2,500

△0.3

2,700

△1.6

1,900

△18.7

79.90

 

 

 当社グループは「社会が何を求めているか」、「社会の成長にどう寄与するか」といった社会課題を、事業活動を通じて解決することを使命とし、数ある社会的に影響のある項目について 、ステークホルダーにとっての重要性、自社にとっての重要性、環境・社会にとっての重要性という3つの視点から4つのマテリアリティ(重要課題)を特定しております。

 新中期経営計画「Challenge2024」に掲げる5つの戦略において「ESG経営の高度化」、「事業インフラの再構築」の2つの戦略では、気候変動対策、カーボンニュートラルへの挑戦、ステークホルダーとのコミュニケーション、財務戦略の明確化、DX推進といった具体的な施策を進めることで、マテリアリティに取組んでまいります。

 これら5つの戦略を実行し、当社グループの社会貢献及びコーポレート・ガバナンスのさらなる充実を進めることで、「利益ある成長」と「ESG」を具現化し、社会に信頼される企業グループを目指してまいります。

 

 

d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けた前期と比較し、総じて回復基調が継続した一方で、自動車の減産、原材料・エネルギーコストの高騰等の影響を大きく受けております。

 主な製品・サービスの状況は下記の通りです。第1四半期連結会計期間の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用しました。前連結会計年度の比較につきましては、当該会計基準等を適用したと仮定して算定した参考値を基に記載しております。また、「大幅」は30%以上の増減を指します。

 「化学品事業部門」

  化薬分野 =増収減益

 ・産業用爆薬は土木向けの不調と原材料価格の高騰により減収減益

 ・自動車用緊急保安炎筒は、車検交換向けは車検入庫数の増加による増販に加え、豪雨災害対策と安全意識

  向上によるガラス破壊具付きへの切替促進もあり増販した一方、新車向けは自動車の減産による減販およ

  び原材料等の費用が増加し、全体では減収減益

 ・高速道路用信号焰管は交通量の回復を受けた需要の増加により増収増益

 ・煙火関連は花火大会が一部開催されたことにより増収増益

 ・宇宙産業関連では固体推進薬の開発を顧客と共同で進行中。実スケールでの地上燃焼試験を実施し良好な

  結果が得られ、フライト品製造に向けた開発を進める

受託評価分野 =増収増益

 ・危険性評価試験・電池試験とも電池開発の活況継続により増収増益。引き続き設備の増強と拡販に注力

 化成品分野 =増収減益

 ・塩素酸ナトリウム(紙パルプ漂白剤)は紙需要の回復により増収となった一方、海外輸送停滞により国内

  輸送の調整に伴う費用が増加し大幅な減益

 ・亜塩素酸ナトリウムは殺菌用途における顧客の減産により減収減益

 ・過塩素酸アンモニウムはHⅢロケットの打ち上げ延期の影響により大幅な減収減益

 ・過塩素酸は需要の増加により増収増益

 ・電極関連は価格改定とスポット需要の増加により増収となった一方、原材料価格の高騰等により減益

電子材料分野 =増収増益

 ・電子材料関連製品はパソコン・通信機器の需要増加および5G関連への採用により増収増益

 ・機能材料関連製品はオフィス複合機向けの需要回復により増収増益

セラミック材料分野 =増収増益

 ・半導体向け需要増加および顧客の在庫確保により大幅な増収増益

 これらの結果、当事業部門全体の売上高は169億5千万円(前年同期比 13億7千4百万円増、同8.8%増)、営業利益は11億7千2百万円(前年同期比 4億2千8百万円増、同57.6%増)となりました。

 また資産は、前連結会計年度の262億2千5百万円から5億2千1百万円増の267億4千6百万円となりました。

 

 「ボトリング事業部門」

  ・ペットボトル飲料は顧客の在庫調整により減収減益

  ・缶飲料は生産の効率化により増収増益

  ・委託品は炭酸飲料の増加により増収増益

 この結果、当事業部門全体の売上高は43億6千万円(前年同期比 1億2千1百万円増、同2.9%減)、営業利益は2億1千8百万円(前年同期比 1億4千万円増、同182.0%増)となりました。

 また資産は、前連結会計年度の50億8千4百万円から4億9千5百万円減の45億8千8百万円となりました。

 

 「産業用部材事業部門」

  ・シリコンウェーハは半導体の需要拡大傾向の継続により増収増益。各種センサー・マイクロフォン等に使

   用されるMEMS(微小電気機械システム)向けの高平坦度ウェーハの販売開始

  ・耐熱炉内用金物は主要製品であるアンカーの回復により増収増益

  ・ばね・座金製品は自動車の減産の影響はあったものの、建機向けの好調が継続し大幅な増収増益

 これらの結果、当事業部門全体の売上高は93億1千3百万円(前年同期比 16億8千6百万円増、同22.1%増)、営業利益は6億5千4百万円(前年同期比 4億2千3百万円増、同183.8%増)となりました。

 また資産は、前連結会計年度の73億1百万円から9億1千万円増の82億1千1百万円となりました。

 

 「エンジニアリングサービス事業部門」

  ・建築・設備工事はグループ内取引の解体工事により増収増益

  ・塗料販売・塗装工事は塗料販売の増加、新規塗装アイテムの獲得および大型設備のスポット受注により大

   幅な増収増益

  ・構造設計は収益性の高い物件の増加により増収増益

 これらの結果、当事業部門全体の売上高は41億7千3百万円(前年同期比 13億7千万円増、同48.9%増)、営業利益は8億9千2百万円(前年同期比 5億2百万円増、同128.7%増)となりました。

 また資産は、前連結会計年度の24億8千5百万円から12億8千5百万円増の37億7千万円となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

  当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

   当社グループの資本の財源及び資金の流動性

   当社グループの資金調達については安定的な事業運営を行うため、資本効率を高めつつ事業運営に必要な

   流動性と多様な調達手段を確保することとしています。

 

 (契約債務)

 2022年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。

 

年度別要支払額(百万円)

契約債務

合計

1年以内

1年超3年以内

3年超5年以内

5年超

短期借入金

302

302

長期借入金

2,765

977

1,317

471

リース債務

1,318

907

272

128

9

 

(財務政策)

 当社グループは、必要な資金は銀行等金融機関からの借入及び増資等の最適な方法により調達しております。借

入金のうち、短期借入金は主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金(原則として5年以内)は主に設備投

 資に係る資金調達であります。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え緊急時の資金調達確保等を目

 的として、一部取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたり、開示すべき財政状態および経営成績の報告数値に影響を与える見積りや仮定設定を行わなければなりませんが、当社経営陣は、売上債権等の貸倒見積額、棚卸資産の評価、繰延税金資産の回収可能性等に関して継続してその妥当性の評価を行い、過去の実績や状況に基づき合理的な判断を行っております。

 世界経済は北米を中心にコロナ禍を克服し、緩やかに回復に向かっているものの、引き続き新型コロナウイルス感染症の収束に目途がたたない国内状況に加え、中国一部都市でのロックダウンが継続するなど、2022年4月以降も一定の期間にわたり影響が続くものとして、固定資産の減損及び繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。

 また、当該見積りは現時点の最善の見積りであるものの、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動への影響については不確定要素が存在し、将来において、更なる感染拡大が起こることで、世界経済の低迷がより長期化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に少なからず影響を及ぼす可能性があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発費の総額は985百万円となりました。

2021年4月に、当社の研究開発部門であるR&Dセンターを、中核事業会社である日本カーリット㈱に新設された研究開発本部内に移管しました。現在、R&Dセンターでは日本カーリット㈱が保有するコア技術を活かし、製品開発の効率化やスピードアップ化および新製品の高付加価値化を目指した研究開発体制で研究開発を実施しております。

また、同年12月には、研究開発本部に開発部を新設し、研究開発における役割分担の明確化と本部内連携による開発業務の効率化を図ることによる製品の早期上市と新事業の創出を加速しています。さらに、日本カーリット㈱研究開発本部が中心となり、当社グループの研究開発のサポート対応も引き続き行っております。

当連結会計年度における研究開発活動の状況については以下のとおりです。

 

化学品事業部門:978百万円

当事業部門では、環境エネルギー分野で次世代二次電池関連材料、電極関連部材、コンデンサ関連材料、ライフサイエンス分野でヘルスケア製品関連の研究開発、電子機能材料分野でバイオベース機能性材料の開発、次世代機能性色素材料および電子材料製品の研究開発を行いました。

 

産業用部材事業部門:6百万円

当事業部門では、半導体分野における半導体材料および半導体加工用材料の製品開発を行いました。

 

 

 

 

<研究開発体制図>

 

 

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